JP2017036914A - 吸収式ヒートポンプのための作動媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも1つの冷媒、少なくとも1つの、6〜10個の炭素原子を有する1価の脂肪族アルコール、および少なくとも1つの有機カチオンと少なくとも1つのアニオンとからなる少なくとも1つのイオン性液体を含む作動媒体は、吸収式ヒートポンプにおいて、6〜10個の炭素原子を有するアルコールを含まない作動媒体と比較して改善された効率COPを示す。
【選択図】なし
Description
WO 2005/113702およびWO 2006/134015には、収着剤の結晶化による障害の回避のために、有機カチオンを有するイオン性液体を収着剤として含有する作動媒体を使用することが提案された。
WO 2009/097930には、有機カチオンを有するイオン性液体を収着剤として含有する作動媒体のために、表面の湿潤を作動媒体によって改善する界面活性剤添加剤を添加することが記載されている。欧州特許出願公開第2093278号明細書A1には、イオン性液体のための湿潤を促進する添加剤として、脂肪アルコール、例えばイソステアリルアルコールおよびオレイルアルコールが開示されている。
R1R2R3R4N+ (I)
R1R2R3R4P+ (I)
R1R2R3S+ (III)
R1R2N+=C(NR3R4)(NR5R6) (IV)
R1R2N+=C(NR3R4)(XR5) (V)
〔式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6は、同一かまたは異なり、水素、線状または分枝鎖状の脂肪族またはオレフィン性の炭化水素基、脂環式またはシクロオレフィン性の炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルキルアリール基、末位でOH、OR’、NH2、N(H)R’またはN(R’)2によって官能化された、線状または分鎖状の脂肪族またはオレフィン性の炭化水素基、または式−(R7−O)n−R8のポリエーテル基を意味し、その際に式(V)のカチオンに関して、R5は水素ではなく、
R’は、脂肪族またはオレフィン性の炭化水素基であり、
R7は、2または3個の炭素原子を含む線状または分枝鎖状のアルキレン基であり、
nは、1〜3であり、
R8は、水素であるかまたは線状または分枝鎖状の脂肪族またはオレフィン性の炭化水素基であり、
Xは、酸素原子または硫黄原子であり、および
その際に基R1、R2、R3、R4、R5およびR6の少なくとも1つ、特に全ては、水素とは異なる〕で示されるカチオンが適している。
2−ヒドロキシエチル−トリメチルアンモニウムアセテート、
2−ヒドロキシエチル−トリメチルアンモニウムクロリド、
2−ヒドロキシエチル−トリメチルアンモニウムグリコラート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチルホスフェート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルホスフェート、
1,3−ジエチルイミダゾリウムジエチルホスフェート、
1,3−ジメチルイミダゾリウムアセテート、
1,3−ジメチルイミダゾリウムプロピオネート、
N−ブチル−アルキルピリジニウムクロリド、
N−ブチル−アルキルピリジニウムアセテート、
N−メチル−アルキルピリジニウムクロリド、
N−メチル−アルキルピリジニウムアセテート、
N−ブチルピリジニウムクロリド、N−ブチルピリジニウムアセテート、
N−メチルピリジニウムクロリド、N−メチルピリジニウムアセテート、
テトラメチルアンモニウムホルメート、テトラメチルアンモニウムアセテート、
1−ブチル−トリメチルアンモニウムアセテート、
1−ブチル−トリメチルアンモニウムクロリド、
1−ブチル−トリメチルアンモニウムホルメート、
1−ブチル−4−メチルピペリジニウムアセテート、
N−ブチル−N−メチル−ピロリジニウムアセテートまたは記載されたイオン性液体の2つ以上からなる混合物である。前記の作動媒体を用いると、吸収式ヒートポンプにおいて、同時に特に高い脱ガス化の広がりおよび特に高い効率COPが達成される。
2−ヒドロキシエチル−トリメチルアンモニウムアセテート、
2−ヒドロキシエチル−トリメチルアンモニウムグリコラート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチルホスフェート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジメチルホスフェート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチルホスフェート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムハイドロジェンスルフェート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチルスルフェート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルスルフェート、
1,3−ジメチルイミダゾリウムメチルスルフェート、
1,3−ジエチルイミダゾリウムジエチルホスフェート、
1,3−ジエチルイミダゾリウムジメチルホスフェート、
N−ブチル−アルキルピリジニウムアセテート、
N−メチル−アルキルピリジニウムアセテート、
N−ブチルピリジニウムアセテート、N−メチルピリジニウムアセテート、
1−ブチル−トリメチルアンモニウムアセテート、
1−ブチル−トリメチルアンモニウムホルメート、
1−ブチル−4−メチルピペリジニウムアセテート、
N−ブチル−N−メチルピロリジニウムアセテート、
N,N−ジメチルピロリジニウムアセテートまたは記載されたイオン性液体の2つ以上からなる混合物である。前記の作動媒体を用いると、吸収式冷凍機において、僅かな装置的費用で0℃を下回る温度への冷却を実施することができ、その際に高い効率COPが達成されうる。
YAZAKI社の吸収式冷凍機 型式CH−MG 150を、80質量%のイオン性液体と20質量%の冷媒とからなる作動媒体を用いて、85℃の駆動温度および30℃の冷却水温度で約527kWの冷却性能で駆動させ、効率COPをF.Ziegler,Int.J.Therm.Sci.38(1999)第191〜208頁中に記載された方法で測定した。前記作動媒体をそれぞれ、添加剤の添加なし、および2−エチル−1−ヘキサノール0.01質量%(2EHL)の添加あり、で試験した。
EMIM C1 1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド
EMIM OAc 1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート
EMIM DMP 1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジメチルホスフェート
EMIM DEP 1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチルホスフェート
コリン OAc 2−ヒドロキシエチル−トリメチルアンモニウムアセテート
BAP C1 N−ブチル−アルキルピリジニウムクロリド
BMIM C1 1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド
MMIM OAc 1,3−ジメチルイミダゾリウムアセテート
MMIM OPr 1,3−ジメチルイミダゾリウムプロピオネート
Claims (14)
- 少なくとも1つの冷媒、少なくとも1つの、6〜10個の炭素原子を有する1価の脂肪族アルコール、および少なくとも1つの有機カチオンと少なくとも1つのアニオンとからなる少なくとも1つのイオン性液体を含む、吸収式ヒートポンプのための作動媒体。
- 作動媒体が、冷媒を4〜67質量%、6〜10個の炭素原子を有するアルコールを0.0001〜10質量%およびイオン性液体を30〜95質量%含むことを特徴とする、請求項1記載の作動媒体。
- アルコールが第一級アルコールであることを特徴とする、請求項1または2記載の作動媒体。
- アルコールが分枝鎖状アルキル基を有し、および特に2−エチル−1−ヘキサノールであることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の作動媒体。
- 冷媒が水、メタノール、エタノールおよびこれらの冷媒の混合物から選択されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の作動媒体。
- 冷媒がメタノール、エタノール、メタノールとエタノールとの混合物、エタノールと水との混合物およびメタノールと水との混合物から選択されていることを特徴とする、請求項5記載の作動媒体。
- イオン性液体の単数または複数のアニオンが最大260g/molの分子量を有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の作動媒体。
- イオン性液体の単数または複数のアニオンが水酸化物アニオン、ハロゲン化物アニオン、硝酸アニオン、亜硝酸アニオン、カルボン酸アニオン、燐酸アニオン、アルキル燐酸アニオン、ジアルキル燐酸アニオン、チオシアン酸アニオン、シアン酸アニオン、ジシアノアミンアニオン、硫酸アニオン、アルキル硫酸アニオン、アルキルスルホン酸アニオン、テトラフルオロホウ酸アニオンおよびヘキサフルオロ燐酸アニオンから選択されており、有利には、水酸化物アニオン、塩化物アニオン、臭化物アニオン、硝酸アニオン、亜硝酸アニオン、ギ酸アニオン、酢酸アニオン、プロピオン酸アニオン、グリコール酸アニオン、ジメチル燐酸アニオン、ジエチル燐酸アニオン、メチル硫酸アニオンおよびエチル硫酸アニオンからなる群から選択されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の作動媒体。
- イオン性液体の単数または複数の有機カチオンが最大260g/molの分子量を有することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の作動媒体。
- イオン性液体の単数または複数の有機カチオンが、1−アルキルイミダゾリウムイオン、1,3−ジアルキルイミダゾリウムイオン、1,3−ジアルキルイミダゾリニウムイオン、N−アルキルピリジニウムイオン、N,N−ジアルキルピロリジニウムイオン、および構造式R1R2R3R4N+のアンモニウムイオンから選択されており、上記式中、R1、R2およびR3は、互いに独立に、水素、アルキルまたはヒドロキシエチルであり、およびR4は、アルキル基であり、有利には1−メチルイミダゾリウムイオン、1,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオンおよび2−ヒドロキシエチル−トリメチルアンモニウムイオンから選択されていることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の作動媒体。
- 冷媒が、水であり、およびイオン性液体が、
2−ヒドロキシエチル−トリメチルアンモニウムアセテート、
2−ヒドロキシエチル−トリメチルアンモニウムクロリド、
2−ヒドロキシエチル−トリメチルアンモニウムグリコラート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチルホスフェート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルホスフェート、
1,3−ジエチルイミダゾリウムジエチルホスフェート、
1,3−ジメチルイミダゾリウムアセテート、
1,3−ジメチルイミダゾリウムプロピオネート、
N−ブチル−アルキルピリジニウムクロリド、
N−ブチル−アルキルピリジニウムアセテート、
N−メチル−アルキルピリジニウムクロリド、
N−メチル−アルキルピリジニウムアセテート、
N−ブチルピリジニウムクロリド、N−ブチルピリジニウムアセテート、
N−メチルピリジニウムクロリド、N−メチルピリジニウムアセテート、
テトラメチルアンモニウムホルメート、テトラメチルアンモニウムアセテート、
1−ブチル−トリメチルアンモニウムアセテート、
1−ブチル−トリメチルアンモニウムクロリド、
1−ブチル−トリメチルアンモニウムホルメート、
1−ブチル−4−メチルピペリジニウムアセテート、
N−ブチル−N−メチル−ピロリジニウムアセテートおよびこれらの混合物から選択されていることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の作動媒体。 - 冷媒が、メタノールまたはエタノールであり、およびイオン性液体が、
2−ヒドロキシエチル−トリメチルアンモニウムアセテート、
2−ヒドロキシエチル−トリメチルアンモニウムグリコラート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチルホスフェート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジメチルホスフェート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチルホスフェート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムハイドロジェンスルフェート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチルスルフェート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルスルフェート、
1,3−ジメチルイミダゾリウムメチルスルフェート、
1,3−ジエチルイミダゾリウムジエチルホスフェート、
1,3−ジエチルイミダゾリウムジメチルホスフェート、
N−ブチル−アルキルピリジニウムアセテート、
N−メチル−アルキルピリジニウムアセテート、
N−ブチルピリジニウムアセテート、N−メチルピリジニウムアセテート、
1−ブチル−トリメチルアンモニウムアセテート、
1−ブチル−トリメチルアンモニウムホルメート、
1−ブチル−4−メチルピペリジニウムアセテート、
N−ブチル−N−メチルピロリジニウムアセテート、
N,N−ジメチルピロリジニウムアセテートおよびこれらの混合物から選択されていることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の作動媒体。 - 吸収器、脱着器、凝縮器、蒸発器および請求項1から12までのいずれか1項に記載の作動媒体を含む吸収式ヒートポンプ。
- 吸収式ヒートポンプが吸収式冷凍機であり、および蒸発器中で冷却すべき媒体からの熱を吸収することを特徴とする、請求項13記載の吸収式ヒートポンプ。
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