JP2017036765A - ハブユニット用密封装置 - Google Patents
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Abstract
Description
車両アウタ側の密封装置は、図6に示すように、外輪111の内周面に取り付けられたシール部材131と、内軸121の外周面に取り付けられたスリンガ132とを有し、シール部材131のリップ部143a,143bがスリンガ132に当接している。スリンガ132は、ステンレス等の不錆性材料により形成され、内軸121の外周面に嵌合される円筒部151と、フランジ部122に沿って配置される円板部152とを備えている。また、円筒部151と円板部152との間には、内軸121とフランジ部122との境界部に形成された凹状の曲面125に略沿った状態で円弧状に湾曲された湾曲部153が設けられている。このスリンガ132は、プレス加工によって成形される。
このような構成によって、シール部材のアキシアルリップ部及びラジアルリップ部と、スリンガとの間に形成される空間を可及的に広く形成することができ、当該空間におけるグリースの封入量を増大し、密封装置の密封性を高めることができる。
[ハブユニットの全体構成]
図1は、第1の実施形態に係る密封装置15を備えたハブユニット(車輪用軸受装置)10の断面説明図である。なお、本明細書では、図1の左右方向をハブユニット10の軸方向といい、図1の左側を車両アウタ側(又は軸方向外側)、右側を車両インナ側(又は軸方向内側)という。
外輪11は、S55C等の高炭素鋼により円環状に形成され、車両インナ側の車体側部材であるナックル(図示省略)に固定される。外輪11の内周面には、車両アウタ側の外輪軌道面11aと車両インナ側の外輪軌道面11bとが軸方向に間隔をあけて形成されている。
内側軸部20は、内軸21と、内輪29とからなり、内軸21は、外輪11の径方向内側に外輪11と同心状に配置されている。内軸21の車両インナ側の端部には、径方向内方へ凹む凹部21bが周方向に沿って形成されている。
内軸21の外周面には内輪軌道面21aが形成され、内輪29の外周面にも、内輪軌道面29aが形成されている。車両アウタ側の内輪軌道面21aと車両インナ側の内輪軌道面29aとは、軸方向に間隔をあけて配置されている。
[シール部材31の具体的構成]
シール部材31は、芯金41と、シール本体42とからなる。芯金41は、SPCC等の鋼板をプレス加工することによって環状に形成されている。芯金41は、外輪11の端部内周面に嵌合して外輪11に固定される円筒部41aと、この円筒部41aの車両アウタ側の端部から径方向外方へ延び、その一部が外輪11の軸方向端面に当接する外円環部41bと、円筒部41aの車両アウタ側の端部から径方向内方へ延びる内円環部41cとを有している。
スリンガ32は、錆びにくい性質を有する硬質な材料、例えばステンレス鋼により環状に形成されている。スリンガ32は、円筒部51と円板部52と中間部53とを有している。円筒部51は、円筒形状に形成され、内軸21の外周面に嵌合されることによって内軸21に固定されている。また、円筒部51の外周面には、シール部材31のラジアルリップ部43aが当接している。したがって、円筒部51は、シール部材31のラジアルリップ部43aが当接する第1当接部を構成している。
第3の部分52cは、第1の部分52aと第2の部分52bと屈曲部52dを介して接続され、車両インナ側に向けて径が大きくなるように傾斜している。第3の部分52cは、第1の部分52aに対して第2の部分52bを車両インナ側へ寄せ、外側シール44bの径方向内側へ配置させている。
中間部53は、ハブ軸12における内側軸部20とフランジ部22との間に形成された凹状の曲面25に対応して配置されている。そして、中間部53は、シール部材31が直接当接しない領域とされている。中間部53は、テーパー状の2つの傾斜部53a,53bを有している。車両インナ側の第1の傾斜部53aは、車両アウタ側ほど大径となるように傾斜している。具体的に第1の傾斜部53aは、軸方向に平行な面(線)に対して約30°の角度θ1で傾斜している。
第1の傾斜部53aと円筒部51との境界には、第1の屈曲部53cが設けられている。この第1の屈曲部53cは、ハブ軸12の曲面25の曲率半径rよりも小さい曲率半径r1で屈曲されている。
第1の屈曲部53c、第2の屈曲部53d、及び第3の屈曲部53eの曲率半径r1〜r3は、例えば、ハブ軸12の曲面25における曲率半径rの25%〜60%に設定することができる。また、曲率半径r1〜r3は、互いに同一の値とすることができる。
スリンガ32の中間部53は、第1及び第2の傾斜部53a,53bの傾斜角度θ1,θ2が所定に設定されるように屈曲される。そのため、図6に示す従来技術のように円筒部151と円板部152との間が円弧状の湾曲部153に形成される場合に比べて、寸法のばらつきが生じ難くなり、中間部53を正確な寸法で成形することができ、成形性も良好となる。
本実施形態のスリンガ32は、中間部53が1つの傾斜部53fを備えている。すなわち、中間部53は、円筒部51と円板部52との間において一定の角度θ3で傾斜している。つまり、中間部53には、第1実施形態のような第3の屈曲部53eが形成されていない。傾斜部53fの傾斜角度θ3は、約45°とされている。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。ただし、本実施形態では、シール部材31のラジアルリップ部43a及びアキシアルリップ部43bと、中間部53との間に形成される空間Aの容積が、第1の実施形態に比べて小さくなる。この空間Aを含め、リップ部43a,43bとスリンガ32との間には、グリースが充填されるが、第1の実施形態のように空間Aが大きく形成されることでより多くのグリースを封入することができ、密封性をより高めることができる。なお、グリースは、密封装置15を組み付ける際に各リップ部43a,43bの内径面に塗布することによって充填される。
例えば、本発明の密封装置は、上記実施形態で示すハブユニットに限らず、他の形態のハブユニットにも適用することができる。例えば、転動体として玉ではなく円すいころを用いたハブユニットにも適用することができる。
スリンガの中間部は、2つ以上の屈曲部と3つ以上の傾斜部とを有していてもよい。傾斜部の角度も上記実施形態に限定されるものではない。
Claims (2)
- ハブ軸の内側軸部と外輪との間の環状空間を、車両アウタ側の端部において密封するハブユニット用の密封装置であって、
前記外輪に取り付けられ、アキシアルリップ部及びラジアルリップ部を有するシール部材と、
前記内側軸部に取り付けられ、前記アキシアルリップ部及び前記ラジアルリップ部が当接するスリンガとを備え、
前記スリンガは、
前記内側軸部の外周面に嵌合され、前記ラジアルリップ部が当接する第1当接部と、
前記ハブ軸のフランジ部に対向して配置され、前記アキシアルリップ部が当接する第2当接部と、
前記第1当接部と前記第2当接部との間に設けられ、前記内側軸部と前記フランジ部との間に形成された凹状の曲面に対応して配置された中間部とを備え、
前記中間部は、
前記第1当接部及び前記第2当接部との境界において屈曲され、かつ車両アウタ側ほど大径となるテーパー状の傾斜部を備えていることを特徴とする、ハブユニット用密封装置。 - 前記中間部は、互いに傾斜角度の異なる複数の傾斜部と、複数の傾斜部の境界に形成された屈曲部とを有している、請求項1に記載のハブユニット用密封装置。
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WO2023189756A1 (ja) * | 2022-03-28 | 2023-10-05 | Ntn株式会社 | 車輪用軸受装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006132684A (ja) * | 2004-11-08 | 2006-05-25 | Uchiyama Mfg Corp | 軸受用シール部材 |
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