JP2017036572A - 既存杭を利用した新設構造物の基礎構造およびその構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】新設構造物の一部に過大な応力が集中することがなく、新設構造物の拡幅や補強などを要しない、既存杭を利用した新設構造物の基礎構造およびその構築方法を提供する。
【解決手段】既存杭10が残存する地盤Gの上に構築される新設構造物12の基礎構造100であって、既存杭10の沈下に対する沈下剛性を変更調整するために既存杭10の上端部14を置換して設けられ、既存杭10の水平断面積とは異なる水平断面積を有し、新設構造物12からの荷重を既存杭10に伝達可能な杭頭部16を備えるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、地盤中に残存する既存杭を利用した新設構造物の基礎構造およびその構築方法に関するものである。
従来、既存杭がある地盤に新しい建物を構築する場合に、図5に示すような構造を採用することがある。この構造は、支持地盤(良質層G1)に達するように打ち込まれた既存杭1の周囲の軟弱層G2の一部を柱状の地盤改良体2で置換し、その上に建物用の基礎(新設基礎3)を新設したものである。このような構造では、既存杭1の沈下剛性は地盤改良体2からなる周辺地盤のそれに比べて大きくなる。このため、この沈下剛性の違いによって新設基礎3の一部に大きな応力が生じ、基礎を補強しなければならない場合がある。
こうした問題を解決する既往の構造として、例えば図6に示すような構造(特許文献1を参照)や、図7に示すような構造(非特許文献1を参照)などが提案されている。図6に示される構造は、既存杭1の上端部(既存杭杭頭)の周辺の地盤Gを壺掘りして既存杭1の上端部を切除した後、周辺の地盤Gよりも剛性の小さい材料4で埋め戻し、既存杭1が新設基礎3に与える応力集中を緩和するものである。また、図7に示される構造は、スタイロフォーム(登録商標)のような低剛性材5を既存杭1の上端部と新設基礎3の間に挟むことにより、既存杭1が新設基礎3に与える応力集中を緩和するものである。なお、図7中の符号6a、6b、6cは、それぞれ捨てコンクリート、敷砂利、山砂を表している。
しかし、既存杭杭頭の切除長さや、どのような材料をどのような密度で埋め戻すかなどの施工条件により沈下剛性は変化するので、沈下剛性を明確に規定しづらく、設計で考慮しにくいという問題があった。また、周辺地盤と既存杭の沈下剛性比によっては、杭頭を大きく切除する必要があり、地盤条件によっては施工が困難になる場合も考えられる。
地盤材料を、規定された軟らかい剛性となるようにきちんと制御して施工するのは非常に困難であり、信頼性が低い。このため、一般にはこのような処理を行った既存杭部分の地反力は期待しない設計とする場合が多い。図5の例のように、新設基礎3下に不均一に既存杭1が存在する場合に、既存杭1を利用せず新設の地盤改良体2のみで支持しようとすると、既存杭1およびその近傍は地盤改良が行えないことから支持力が不足する。そこで、図8に示すように、地盤改良体2による地盤改良域と新設基礎3の幅を広げて支持力不足を補い、建物を支持する必要がある。この場合、新設基礎3の幅が大きくなることにより新設基礎3の配筋量も増加するため、不経済となる。
特開2010−133206号公報
「既存杭利用の手引き」、社団法人 建築業協会、2003年2月
このため、既存杭が残存する地盤の上に建物用の新設基礎のような新設構造物を構築する場合において、新設基礎の一部に過大な応力が集中することがなく、新設基礎の拡幅や補強などを必要としない技術が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、新設構造物の一部に過大な応力が集中することがなく、新設構造物の拡幅や補強などを要しない、既存杭を利用した新設構造物の基礎構造およびその構築方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る既存杭を利用した新設構造物の基礎構造は、既存杭が残存する地盤の上に構築される新設構造物の基礎構造であって、前記既存杭の沈下に対する沈下剛性を変更調整するために前記既存杭の上端部を置換して設けられ、前記既存杭の水平断面積とは異なる水平断面積を有し、前記新設構造物からの荷重を前記既存杭に伝達可能な杭頭部を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の既存杭を利用した新設構造物の基礎構造は、上述した発明において、前記杭頭部の水平断面積は、前記既存杭の上端部を前記杭頭部に置換したことによる前記既存杭の沈下剛性と、その周辺の地盤の沈下剛性とが合うように設定されていることを特徴とする。
また、本発明に係る他の既存杭を利用した新設構造物の基礎構造は、上述した発明において、前記既存杭の周辺の地盤に新設の杭または地盤改良体をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の既存杭を利用した新設構造物の基礎構造は、上述した発明において、前記杭頭部は、その直径(d)が前記既存杭の直径(D)と前記杭頭部の高さ(h)の2倍とを加えた長さ(D+2h)以上の円盤からなることを特徴とする。
また、本発明に係る既存杭を利用した新設構造物の基礎構造の構築方法は、上述した既存杭を利用した新設構造物の基礎構造を構築する方法であって、前記既存杭の上端部の周辺の地盤を壺掘りして前記既存杭の上端部を切除した後、切除した部分を前記杭頭部に置換し、前記杭頭部および周辺の地盤の上に前記新設構造物を構築可能にしたことを特徴とする。
本発明に係る既存杭を利用した新設構造物の基礎構造によれば、既存杭が残存する地盤の上に構築される新設構造物の基礎構造であって、前記既存杭の沈下に対する沈下剛性を変更調整するために前記既存杭の上端部を置換して設けられ、前記既存杭の水平断面積とは異なる水平断面積を有し、前記新設構造物からの荷重を前記既存杭に伝達可能な杭頭部を備えるので、杭頭部の水平断面積を調整して既存杭の沈下剛性を周辺の地盤のそれと合わせれば、既存杭を周辺の地盤と同じように扱うことが可能となる。これにより、地盤の上に構築される新設構造物の一部に過大な応力が集中したり、新設構造物の拡幅や補強などをする必要はなくなるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の既存杭を利用した新設構造物の基礎構造によれば、前記杭頭部の水平断面積は、前記既存杭の上端部を前記杭頭部に置換したことによる前記既存杭の沈下剛性と、その周辺の地盤の沈下剛性とが合うように設定されているので、既存杭を周辺の地盤と同じように扱うことが可能となり、地盤の上に構築される新設構造物の一部に過大な応力が集中したり、新設構造物の拡幅や補強などをする必要はなくなるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の既存杭を利用した新設構造物の基礎構造によれば、前記既存杭の周辺の地盤に新設の杭または地盤改良体をさらに備えるので、既存杭の周辺の地盤の沈下剛性が調整可能となり、新設構造物と基礎構造の設計の自由度を高めることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の既存杭を利用した新設構造物の基礎構造によれば、前記杭頭部は、その直径(d)が前記既存杭の直径(D)と前記杭頭部の高さ(h)の2倍とを加えた長さ(D+2h)以上の円盤からなるので、既存杭の上端部を切除し、切除した部分に杭頭部を設ける場合には、必要な杭頭部の水平断面積が確保できる高さhだけ既存杭の上端部を切除すればよく、既存杭毎の切除深さを明確にすることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る既存杭を利用した新設構造物の基礎構造の構築方法によれば、上述した既存杭を利用した新設構造物の基礎構造を構築する方法であって、前記既存杭の上端部の周辺の地盤を壺掘りして前記既存杭の上端部を切除した後、切除した部分を前記杭頭部に置換し、前記杭頭部および周辺の地盤の上に前記新設構造物を構築可能にしたので、杭頭部の水平断面積を調整して既存杭の沈下剛性を周辺の地盤のそれと合わせれば、既存杭を周辺の地盤と同じように扱うことが可能となる。これにより、地盤の上に構築される新設構造物の一部に過大な応力が集中したり、新設構造物の拡幅や補強などをする必要はなくなるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る既存杭を利用した新設構造物の基礎構造およびその構築方法の実施の形態1を示す側断面図である。 図2は、本発明に係る既存杭を利用した新設構造物の基礎構造およびその構築方法の実施の形態2を示す図であり、(1)は平断面図、(2)は側断面図である。 図3は、本発明に係る既存杭を利用した新設構造物の基礎構造およびその構築方法の実施の形態3を示す図であり、(1)は平断面図、(2)は側断面図である。 図4は、本発明に係る既存杭を利用した新設構造物の基礎構造およびその構築方法の実施の形態4を示す側断面図である。 図5は、従来の液状化による構造物被害の模式図であり、(1)は平断面図、(2)は側断面図である。 図6は、従来の補強方式の一例を示す側断面図である。 図7は、従来の補強方式の一例を示す側断面図である。 図8は、従来の補強方式の一例を示す側断面図であり、既存杭杭頭を柔らかい材料で埋め戻して、新設基礎を拡幅した場合の図である。
以下に、本発明に係る既存杭を利用した新設構造物の基礎構造およびその構築方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1について説明する。
図1に示すように、本実施の形態1に係る既存杭を利用した新設構造物の基礎構造100は、既存杭10が残存する地盤Gの上に構築される建物用の新設基礎12(新設構造物)を支持する基礎構造であって、既存杭10の上端部14を置換した杭頭部16を備える。図1の例では、1本の円形断面の既存杭10が残存する地盤Gの上に、その平面中心が既存杭10の軸心と一致するように新設基礎12を設置したレイアウトを示している。
杭頭部16は、既存杭10の軸心と同軸で既存杭10の直径Dよりも大きい直径d、高さhの円盤からなり、新設基礎12からの荷重を下方の既存杭10に伝達可能である。杭頭部16の構成材料としては、例えばコンクリートやソイルモルタルなどの新設基礎12の設計荷重に対し十分な剛性と強度を有する材料を用いることができる。杭頭部16の水平断面積は既存杭10のそれよりも大きいことから、杭頭部16を設けることで、既存杭10の上端部14を杭頭部16に置換したことによる既存杭10の見掛けの沈下剛性を小さく変更調整することができる。
次に、杭頭部16の構築方法の一例について説明する。
まず、既存杭10の上端部14の周辺の地盤Gを壺掘りして、露出した既存杭10の上端部14を所定の深さhだけ切除する。そして、切除した部分に直径dが既存杭10の直径Dと切除深さhの2倍とを加えた長さD+2hの円盤になるようにコンクリートやソイルモルタルなど新設基礎12の設計荷重に対し十分な剛性と強度を有する材料で埋め戻す。こうすることで既存杭10の上端部14を円盤状の杭頭部16に置換することができる。この後、杭頭部16および周辺の地盤Gの上に新設基礎12を設置すればよい。なお、切除深さhは、新設基礎12の底からの深さあるいは杭頭部16の高さに相当する。また、杭頭部16の直径dは、D+2h以上となるように設定しても構わない。
既存杭10は、杭頭部16の直径d(=D+2h)の円内に作用する構造物荷重を負担するため、見掛けの沈下剛性が小さくなる。切除深さhは、あらかじめ既存杭10と周辺の地盤Gの沈下剛性(地盤Gに新設の地盤改良体や杭がある場合にはその沈下剛性)を計算し、設計荷重において両者の沈下剛性がほぼ等しくなるように決定することが望ましい。
例えば、図5に示したような既存杭1と新設の地盤改良体2とを有する基礎構造において、既存杭1の沈下剛性が新設の地盤改良体2の沈下剛性の2倍であった場合には、図1に示すように、杭頭部16の水平断面積が既存杭10のそれの2倍となるように既存杭10の直径Dの約20.7%に相当する深さhを切除し、この切除した部分に既存杭10の水平断面積の2倍以上となるようにコンクリートもしくはソイルモルタルなどの材料を打設して円盤状の杭頭部16を構築することができる。
切除した部分を既存杭10の2倍の水平断面積の杭頭部16で置換した場合には、既存杭10の上端面の外縁と杭頭部16の上端面の外縁を結ぶ側面視で水平に対して斜め45°の線に囲まれる範囲の接地圧が既存杭10に作用すると考えられるので、既存杭10には、新設基礎12の平均接地圧の2倍が作用し、同じ接地圧でも沈下量が2倍になるため、既存杭10の沈下剛性、すなわち図5の既存杭1の沈下剛性は、既存杭1の周辺に新設した地盤改良体2のそれとほぼ等しくなる。
このように、本実施の形態によれば、既存杭10の上端部14を杭頭部16により拡径(拡頭)することにより杭頭部16の水平断面積を調整し、既存杭10の沈下剛性を周辺の地盤Gのそれと合わせることで、既存杭10を周辺の地盤Gと同じように扱うことが可能となる。これにより、地盤Gの上に構築される新設基礎12の一部に過大な応力が集中したり、新設基礎12の拡幅や補強などをする必要はなくなる。
また、杭頭部16は、その直径dが既存杭10の直径Dと杭頭部16の高さhの2倍とを加えた長さ(D+2h)以上の円盤からなるので、既存杭10の上端部14を切除し、切除した部分に杭頭部16を設ける場合には、必要な杭頭部16の水平断面積が確保できる高さhだけ既存杭10の上端部14を切除すればよいことから、既存杭10毎の切除深さを明確にすることができる。また、既存杭10と周辺の地盤Gの沈下剛性の差が非常に大きくなければ、切除深さhを小さく抑えることができる。
また、杭頭部16を構築する際の埋め戻しに剛性の高いコンクリートもしくはソイルモルタルなどの材料が使えるので、施工などにおける管理が容易になる。
このように本実施の形態によれば、地盤Gに既存杭10が残存する場合の処理が明確であるとともに、その地盤Gの上に構築される新設基礎12に与える影響も最小限に抑えることが可能である。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施の形態2は、既存杭が一部の新設の地盤改良体に近接している場合に本発明を適用したものである。
図2に示すように、本実施の形態2に係る既存杭を利用した新設構造物の基礎構造200は、既存杭10が一部の新設の地盤改良体18に近接した態様のものである。このような場合には、既存杭10の上端部14に設ける杭頭部16用の設置スペースが小さくなるので、杭頭部16を完全な円盤で設計したときに必要な水平断面積を確保できないおそれがある。そこで、杭頭部16を完全な円盤ではなく、例えば新設の地盤改良体18に近接する側の外縁16a(図では右側の外縁)が新設の地盤改良体18に接続して円盤の一部が欠けた形態とし、必要な水平断面積Aを確保する。この場合、水平断面積Aが確保できるように杭頭部16の高さhを決定するのが好ましい。
このようにしても、上記の実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、杭頭部16の水平断面積を調整して既存杭10の沈下剛性を周辺の新設の地盤改良体18のそれと合わせることで、既存杭10を新設の地盤改良体18と同じように扱うことが可能となる。これにより、地盤Gの上に構築される新設基礎12の一部に過大な応力が集中したり、新設基礎12の拡幅や補強などをする必要はなくなる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
本実施の形態3は、従来の図5で説明した既往の構造に本発明を適用したものに相当する。
図3に示すように、本実施の形態3に係る既存杭を利用した新設構造物の基礎構造300は、支持地盤(良質層G1)に達するように打ち込まれた既存杭10の上端部14を本発明の杭頭部16で置換するとともに、既存杭10の周囲の軟弱層G2の一部を柱状の新設の地盤改良体20で置換し、その上に新設基礎12を構築したものである。
本実施の形態によっても、上記の実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、杭頭部16の水平断面積を調整して既存杭10の沈下剛性を周辺の新設の地盤改良体20のそれと合わせることで、既存杭10を新設の地盤改良体20と同じように扱うことが可能となる。これにより、地盤Gの上に構築される新設基礎12の一部に過大な応力が集中したり、新設基礎12の拡幅や補強などをする必要はなくなる。
また、本実施の形態によれば、既存杭10の周辺の地盤Gに新設の地盤改良体20を備えるので、既存杭10の周辺の地盤Gの沈下剛性が調整可能となり、新設基礎12および基礎構造300の設計の自由度を高めることができる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。
本実施の形態4は、既存杭の沈下剛性が新設の杭の沈下剛性よりも小さい場合に本発明を適用したものである。
図4に示すように、本実施の形態4に係る既存杭を利用した新設構造物の基礎構造400は、既存杭10の沈下剛性が、周辺の地盤Gに設けた新設の杭22の沈下剛性よりも小さい場合において、既存杭10の上端部14に設ける杭頭部16の直径dを、既存杭10の直径Dよりも小さく設定したものである。この場合、既存杭10の上端部14の切除深さhは任意の大きさとすることができる。杭頭部16の直径dが既存杭10の直径Dよりも小さくなるように杭頭部16の水平断面積を調整することで、見掛けの既存杭10の沈下剛性を高めることができ、既存杭10の沈下剛性を新設の杭22のそれと合わせることが可能となる。
このように、既存杭10の上端部14を杭頭部16により縮径(縮頭)することにより杭頭部16の水平断面積を調整し、既存杭10の沈下剛性を周辺の新設の杭22のそれと合わせることで、既存杭10を新設の杭22と同じように扱うことが可能となる。これにより、地盤Gの上に構築される新設基礎12の一部に過大な応力が集中したり、新設基礎12の拡幅や補強などをする必要はなくなる。
また、本実施の形態によれば、既存杭10の周辺の地盤Gに新設の杭22を備えるので、既存杭10の周辺の地盤Gの沈下剛性が調整可能となり、新設基礎12および基礎構造400の設計の自由度を高めることができる。
以上説明したように、本発明に係る既存杭を利用した新設構造物の基礎構造によれば、既存杭が残存する地盤の上に構築される新設構造物の基礎構造であって、前記既存杭の沈下に対する沈下剛性を変更調整するために前記既存杭の上端部を置換して設けられ、前記既存杭の水平断面積とは異なる水平断面積を有し、前記新設構造物からの荷重を前記既存杭に伝達可能な杭頭部を備えるので、杭頭部の断面積を調整して既存杭の沈下剛性を周辺の地盤のそれと合わせれば、既存杭を周辺の地盤と同じように扱うことが可能となる。これにより、地盤の上に構築される新設構造物の一部に過大な応力が集中したり、新設構造物の拡幅や補強などをする必要はなくなる。
また、本発明に係る他の既存杭を利用した新設構造物の基礎構造によれば、前記杭頭部の水平断面積は、前記既存杭の上端部を前記杭頭部に置換したことによる前記既存杭の沈下剛性と、その周辺の地盤の沈下剛性とが合うように設定されているので、既存杭を周辺の地盤と同じように扱うことが可能となり、地盤の上に構築される新設構造物の一部に過大な応力が集中したり、新設構造物の拡幅や補強などをする必要はなくなる。
また、本発明に係る他の既存杭を利用した新設構造物の基礎構造によれば、前記既存杭の周辺の地盤に新設の杭または地盤改良体をさらに備えるので、既存杭の周辺の地盤の沈下剛性が調整可能となり、新設構造物と基礎構造の設計の自由度を高めることができる。
また、本発明に係る他の既存杭を利用した新設構造物の基礎構造によれば、前記杭頭部は、その直径(d)が前記既存杭の直径(D)と前記杭頭部の高さ(h)の2倍とを加えた長さ(D+2h)以上の円盤からなるので、既存杭の上端部を切除し、切除した部分に杭頭部を設ける場合には、必要な杭頭部の水平断面積が確保できる高さhだけ既存杭の上端部を切除すればよく、既存杭毎の切除深さを明確にすることができる。
また、本発明に係る既存杭を利用した新設構造物の基礎構造の構築方法によれば、上述した既存杭を利用した新設構造物の基礎構造を構築する方法であって、前記既存杭の上端部の周辺の地盤を壺掘りして前記既存杭の上端部を切除した後、切除した部分を前記杭頭部に置換し、前記杭頭部および周辺の地盤の上に前記新設構造物を構築可能にしたので、杭頭部の水平断面積を調整して既存杭の沈下剛性を周辺の地盤のそれと合わせれば、既存杭を周辺の地盤と同じように扱うことが可能となる。これにより、地盤の上に構築される新設構造物の一部に過大な応力が集中したり、新設構造物の拡幅や補強などをする必要はなくなる。
以上のように、本発明に係る既存杭を利用した新設構造物の基礎構造およびその構築方法は、既存杭が残存する地盤の上に建物用の新設基礎のような新設構造物を構築する場合に有用であり、特に、新設構造物の一部に過大な応力が集中することがないようにし、新設構造物の拡幅や補強などを要しないようにするのに適している。
10 既存杭
12 新設基礎(新設構造物)
14 上端部
16 杭頭部
16a 外縁
18,20 新設の地盤改良体
22 新設の杭
100,200,300,400 既存杭を利用した新設構造物の基礎構造
G 地盤
G1 良質層
G2 軟弱層
D 既存杭の直径
h 切除深さ(杭頭部の高さ)
d 杭頭部の直径
A 水平断面積

Claims (5)

  1. 既存杭が残存する地盤の上に構築される新設構造物の基礎構造であって、
    前記既存杭の沈下に対する沈下剛性を変更調整するために前記既存杭の上端部を置換して設けられ、前記既存杭の水平断面積とは異なる水平断面積を有し、前記新設構造物からの荷重を前記既存杭に伝達可能な杭頭部を備えることを特徴とする既存杭を利用した新設構造物の基礎構造。
  2. 前記杭頭部の水平断面積は、前記既存杭の上端部を前記杭頭部に置換したことによる前記既存杭の沈下剛性と、その周辺の地盤の沈下剛性とが合うように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の既存杭を利用した新設構造物の基礎構造。
  3. 前記既存杭の周辺の地盤に新設の杭または地盤改良体をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の既存杭を利用した新設構造物の基礎構造。
  4. 前記杭頭部は、その直径(d)が前記既存杭の直径(D)と前記杭頭部の高さ(h)の2倍とを加えた長さ(D+2h)以上の円盤からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の既存杭を利用した新設構造物の基礎構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の既存杭を利用した新設構造物の基礎構造を構築する方法であって、
    前記既存杭の上端部の周辺の地盤を壺掘りして前記既存杭の上端部を切除した後、切除した部分を前記杭頭部に置換し、前記杭頭部および周辺の地盤の上に前記新設構造物を構築可能にしたことを特徴とする既存杭を利用した新設構造物の基礎構造の構築方法。
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