JP2013144887A - 柱状構造物の液状化対策構造 - Google Patents

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幸紀 木原
Hideyuki Mano
英之 眞野
Akira Ishikawa
明 石川
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洋之 堀田
Yoichi Taji
陽一 田地
Takeyoshi Fukutake
毅芳 福武
Yasuhiro Shamoto
康広 社本
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Abstract

【課題】地盤の液状化に伴う柱状構造物の沈下や転倒を抑止するのに適した柱状構造物の液状化対策構造を提供する。
【解決手段】地震時に液状化する可能性のある液状化層10からなる地盤14に対して根入れ部16が埋設される柱状構造物18の液状化対策構造100であって、柱状構造物18の地盤14中への沈下および傾斜を抑止するために、柱状構造物18の地盤表面GLの高さ位置の周面に設けた鍔状の沈下抑止部材20と、沈下抑止部材20を支持するために、沈下抑止部材20の直下において根入れ部16の周囲を囲うように地盤14中に設けた透水性の地盤構造体22とを備えるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、地盤に根入れ部が埋設されたコンクリート製電柱などの柱状構造物の液状化対策構造に関し、特に、地盤の液状化に伴う柱状構造物の沈下や転倒を抑止する柱状構造物の液状化対策構造に関するものである。
2011年3月11日に太平洋三陸沖を震源として発生した東北地方太平洋沖地震では、東北から関東にかけての東日本一帯に甚大な被害をもたらした。この地震により、東日本の広範囲で地盤の液状化現象が観測された。特に、埋め立て地が大半を占める千葉県浦安市では、市の大部分が液状化するなどの大きな被害が生じ、さらにこの周辺の東京湾沿岸の市街地にも多数の液状化被害が発生することとなった。
こうした液状化による建物の被害を最小限に食い止めるようにした従来の技術としては、例えば特許文献1に示されるような構造物の沈下低減構造が知られている。この特許文献1の構造物の沈下低減構造は、地震時に液状化する可能性のある砂層等の液状化層により構成される表層と、表層直下に位置し、粘性土等の非液状化地盤により構成される中間層とからなる地盤を備える。
表層の一部にはセメント系材料等からなる所定の大きさの地盤改良体が構築してあり、構造物はこの地盤改良体の直上に構築してある。この特許文献1の構造によれば、液状化に伴う地盤の沈下が生じても、構造物が位置する領域における地盤沈下量を、他の領域と比較して低減させ、地盤沈下に伴う構造物の沈下量を許容範囲内に収めることができる。
特開2005−23671号公報
ところで、上述の東北地方太平洋沖地震では、家屋やビルなどの一般的な建築物だけでなくコンクリート製の電信柱のような付帯する構造物についても液状化の被害が発生している。この電信柱のような柱状構造物の液状化被害の態様としては、図7に示すように、表層1と液状化層2からなる地盤3において、液状化により液状化層2が急激に支持力を失うことで電信柱4が地盤表面GL下にめり込むように沈下したり、あるいは、地盤3に埋設された根入れ部5の安定性が損なわれて傾斜、転倒するといったものがある。
こうした柱状構造物に対して、上記の特許文献1の沈下低減構造を適用することで沈下や転倒を抑止することが考えられる。しかしながら、上記の特許文献1は水平方向に幅広い構造物の沈下低減に適したものであるが、柱状構造物のように鉛直方向に細長い小断面の構造物の沈下や転倒を抑止する構造としては必ずしも好適ではない。このため、柱状構造物の沈下や転倒を抑止するのに適した液状化対策構造の開発が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、地盤の液状化に伴う柱状構造物の沈下や転倒を抑止するのに適した柱状構造物の液状化対策構造を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1に係る柱状構造物の液状化対策構造は、地震時に液状化する可能性のある液状化層からなる地盤に対して根入れ部が埋設される柱状構造物の液状化対策構造であって、前記柱状構造物の地盤中への沈下および傾斜を抑止するために、前記柱状構造物の地盤表面の高さ位置の周面に設けた鍔状の沈下抑止部材と、前記沈下抑止部材を支持するために、前記沈下抑止部材の直下において前記根入れ部の周囲を囲うように地盤中に設けた透水性の地盤構造体とを備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る柱状構造物の液状化対策構造は、上述した請求項1において、前記柱状構造物の周面に凸部または凹部を設け、前記沈下抑止部材を前記凸部または凹部を介して前記柱状構造物に固定したことを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る柱状構造物の液状化対策構造は、上述した請求項1において、前記沈下抑止部材は、前記柱状構造物に近い側の下面にハンチ部を有し、前記柱状構造物と前記沈下抑止部材との間の隙間に硬化材を充填してなることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る柱状構造物の液状化対策構造は、上述した請求項1〜3のいずれか一つにおいて、前記地盤構造体の外周面を被覆する透水性の保護部材をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係る柱状構造物の液状化対策構造は、上述した請求項4において、前記沈下抑止部材と前記地盤構造体は一体化した透水性の構造体をなし、この構造体を袋状の前記保護部材に収容したことを特徴とする。
本発明によれば、地震時に液状化する可能性のある液状化層からなる地盤に対して根入れ部が埋設される柱状構造物の液状化対策構造であって、前記柱状構造物の地盤中への沈下および傾斜を抑止するために、前記柱状構造物の地盤表面の高さ位置の周面に設けた鍔状の沈下抑止部材と、前記沈下抑止部材を支持するために、前記沈下抑止部材の直下において前記根入れ部の周囲を囲うように地盤中に設けた透水性の地盤構造体とを備えている。
このため、柱状構造物の荷重は、鍔状の沈下抑止部材を介して水平方向に分散し、直下の透水性の地盤構造体に支持される。したがって、地盤の液状化時に柱状構造物が地盤にめり込んで沈下するのを抑止することができるという効果を奏する。
ここで、鍔状の沈下抑止部材を地盤改良やコンクリート等の剛性を有する部材で構成して柱状構造物と剛接合すれば、沈下抑止部材は柱状構造物に作用する転倒モーメントに効果的に抵抗するので、柱状構造物が傾斜あるいは転倒するのを抑止することができる。
なお、柱状構造物としては、電信柱、交通標識用のポール、夜間照明用のポールなどを挙げることができ、構成材質としては鉄筋コンクリートなどの複合材料系、鉄骨などの金属系、木材などの木質系の材料で構成することが可能である。また、柱状構造物の水平断面形状としては円形断面、矩形断面、多角形断面を挙げることができ、中空、中実を問わない。
また、根入れ部の周囲に設けた透水性の地盤構造体としては、高密度の礫層を円柱状に形成したものを用いることができる。この場合、円柱状の礫層が根入れ部の摩擦力や先端支持力を確保するので、柱状構造物の過度な沈下を防止することができる。
また、一定以上の厚さの礫層を設けることにより、礫層の周囲の地盤は排水しながらせん断力を受ける状態になり、液状化そのものは防止できないが、いわゆる「ポスト液状化状態」が継続し、礫層周囲の一定の厚さの液状化した地盤の剛性が保たれ、不同沈下が抑制される。この結果、柱状構造物の傾きを抑制することができる。
また、本発明の他の構成によれば、上記の構成において、前記柱状構造物の周面に凸部または凹部を設け、前記沈下抑止部材を前記凸部または凹部を介して前記柱状構造物に固定したので、柱状構造物を傾斜させようとする転倒モーメントに対しては、沈下抑止部材に働く地盤反力が効果的に抵抗するようになる。したがって、柱状構造物が傾斜あるいは転倒するのを抑止することができるという効果を奏する。
また、本発明の他の構成によれば、上記の構成において、前記沈下抑止部材は、前記柱状構造物に近い側の下面にハンチ部を有し、前記柱状構造物と前記沈下抑止部材との間の隙間に硬化材を充填してなるので、硬化材により柱状構造物と沈下抑止部材とが一体化されるとともに、柱状構造物の荷重をハンチ部によって柱状構造物から遠ざかる斜め下方に向けて分散することができるという効果を奏する。
また、本発明の他の構成によれば、上記の構成において、前記地盤構造体の外周面を被覆する透水性の保護部材をさらに備えるので、周囲の地盤の液状化による影響で地盤構造体が変形あるいは崩壊するのを防ぐ。このため、根入れ部の周囲の剛性を液状化後も維持することができるという効果を奏する。ここで、透水性の保護部材としては、袋状のジオテキスタイルを用いることができる。この場合、ジオテキスタイルの拘束作用で液状化時だけでなく常時から地盤構造体に拘束圧を付与しておくことが好ましい。
また、本発明の他の構成によれば、上記の構成において、前記沈下抑止部材と前記地盤構造体は一体化した透水性の構造体をなし、この構造体を袋状の前記保護部材に収容したので、根入れ部の周囲の剛性を液状化後も維持することができる。この場合、沈下抑止部材の役割と礫層などの地盤構造体の役割は、一体化した透水性の構造体で兼備できることから、鍔状の沈下抑止部材を省略することができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る柱状構造物の液状化対策構造の実施例1を示す側断面図である。 図2は、本発明に係る柱状構造物の液状化対策構造の実施例2を示す側断面図である。 図3は、本発明に係る柱状構造物の液状化対策構造の実施例3を示す側断面図である。 図4は、本発明に係る柱状構造物の液状化対策構造の実施例4を示す側断面図である。 図5は、本発明に係る柱状構造物の液状化対策構造の実施例5を示す側断面図である。 図6は、本発明に係る柱状構造物の液状化対策構造の実施例6を示す側断面図である。 図7は、従来の柱状構造物の液状化被害の一例を示す側断面図である。
以下に、本発明に係る柱状構造物の液状化対策構造の実施の形態(実施例1〜6)を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
(実施例1)
まず、実施例1について説明する。
図1に示すように、本発明の実施例1に係る柱状構造物の液状化対策構造100は、地震時に液状化する可能性のある液状化層10と、その直上に敷設されたアスファルトコンクリートなどの表層12からなる地盤14に対して、根入れ部16が埋設される柱状構造物18の液状化対策構造である。
この液状化対策構造100は、柱状構造物18の地盤14中への沈下および傾斜を抑止するために、柱状構造物18の地盤表面GLの高さ位置の周面18aに設けた鍔状の沈下抑止部材20と、沈下抑止部材20を支持するために、沈下抑止部材20の直下において根入れ部16の周囲を囲うように地盤14中に設けた透水性の礫層22(地盤構造体)とを備えるものである。
柱状構造物18は、電信柱、交通標識用のポール、あるいは、夜間照明用のポールなどにより構成されている。柱状構造物18の構成材料としては、鉄筋コンクリートなどの複合材料系、鉄骨などの金属系、木材などの木質系の材料を用いることができる。また、柱状構造物18の水平断面形状としては、円形断面、矩形断面、多角形断面とすることができ、中空、中実を問わない。
沈下抑止部材20は、柱状構造物18の荷重を水平方向に分散し、直下の透水性の礫層22に支持させるものである。この沈下抑止部材20の作用により、地盤14の液状化時に柱状構造物18が地盤14にめり込んで沈下するのを抑止することができる。なお、本実施の形態では、沈下抑止部材20と礫層22は互いの外縁を面一に構成してある。
ここで、沈下抑止部材20を地盤改良やコンクリート等の剛性を有する部材で構成して柱状構造物18と剛接合した場合には、沈下抑止部材20に働く地盤反力が、柱状構造物18に作用する転倒モーメントに効果的に抵抗するようになるので、柱状構造物18が傾斜あるいは転倒するのを抑止することができる。
礫層22は、礫材料を高密度に締め固めて根入れ部16と同軸上の円柱状に形成した透水性の地盤構造体であり、周辺地盤14が液状化した際にも剛性と排水性を維持するものである。根入れ部16の周囲に設けたこの礫層22が根入れ部16の摩擦力や先端支持力を確保するので、地盤14の液状化に伴う柱状構造物18の過度な沈下を防止することができる。
また、一定以上の厚さの礫層22を設けることにより、礫層22の周囲の地盤は排水しながらせん断力を受ける状態になり、液状化そのものは防止できないが、いわゆる「ポスト液状化状態」が継続し、礫層22周囲の一定の厚さの液状化した地盤14の剛性が保たれ、不同沈下が抑制される。この結果、柱状構造物18の傾きを抑制することができる。
ここで、「ポスト液状化状態」とは、過剰間隙水圧比=1の液状化状態に達した後、せん断変形に伴い剛性が回復する状態をいう。このポスト液状化状態に達した地盤に、排水をせずにさらにせん断力を作用し続けると、非可逆の塑性体積ひずみ(圧縮側)にダイレイタンシーによる可逆的な塑性体積ひずみ(膨張側)が追い付けず、地盤が完全な液体状態のようになる。この状態が、「噴砂」や「構造物の不同沈下」が生じる地盤の破壊に達した状態である。一方、排水をしながら、上記のせん断力を作用させると、非可逆の塑性体積ひずみ(圧縮側)と可逆的な塑性体積ひずみ(膨張側)が常に釣り合い、ポスト液状化状態が継続する。
礫層22の円柱の直径は、柱状構造物18の外周面から柱状構造物18の直径以上の寸法に設定可能であるが、より好適には、柱状構造物18の直径の3倍以上を確保することが好ましい。ただし、柱状構造物18が、側溝などの地盤14の液状化時も強度が維持される構造体に近接している場合には、当該方向の礫層径については小さく設定してもよい。
このように、本実施例1の柱状構造物の液状化対策構造100によれば、沈下抑止部材20と礫層22(地盤構造体)とからなる簡易な構造によって、地盤14の液状化に伴う柱状構造物18の沈下、傾斜、転倒を抑止することができるとともに、その後の柱状構造物18の継続使用が可能になる。
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。なお、上記の実施例1において説明した部材等と同じ部材等については同一の符号を付すものとし、詳細な説明は省略する。
図2に示すように、本発明の実施例2に係る柱状構造物の液状化対策構造200は、柱状構造物18の周面18aに凸部24を設け、沈下抑止部材20を凸部24を介して柱状構造物18に係合固定したものである。ここで、沈下抑止部材20は地盤改良やコンクリート等の剛性を有する部材で構成してある。
本実施例2の柱状構造物の液状化対策構造200によれば、鍔状の沈下抑止部材20は凸部24を介して柱状構造物18に係合固定してあるので、柱状構造物18を傾斜させようとする転倒モーメントに対しては、沈下抑止部材20に働く地盤反力が効果的に抵抗するようになる。したがって、柱状構造物18が傾斜あるいは転倒するのを抑止することができる。
なお、本実施の形態では、沈下抑止部材20をコンクリート等で構成した場合、柱状構造物18に取り付けた状態のまま地盤14の上方より根入れ部16を差し込んで設置することが可能であるが、柱状構造物18の周面18aに凸部24を設けた場合には、沈下抑止部材20を予め二つ以上の部材に水平分割しておき、根入れ部16を設置した後で沈下抑止部材20どうしをボルト等で連結して柱状構造物18と一体化してももちろん構わない。
(実施例3)
次に、実施例3について説明する。なお、上記の実施例1、2において説明した部材等と同じ部材等については同一の符号を付すものとし、詳細な説明は省略する。
図3に示すように、本発明の実施例3に係る柱状構造物の液状化対策構造300は、柱状構造物18の周面18aに凹部26を設け、沈下抑止部材20を凹部26を介して柱状構造物18に係合固定したものである。ここで、沈下抑止部材20は地盤改良やコンクリート等の剛性を有する部材で構成してある。
本実施例3の柱状構造物の液状化対策構造300によれば、鍔状の沈下抑止部材20は凹部26を介して柱状構造物18に係合固定してあるので、柱状構造物18を傾斜させようとする転倒モーメントに対しては、沈下抑止部材20に働く地盤反力が効果的に抵抗するようになる。したがって、柱状構造物18が傾斜あるいは転倒するのを抑止することができる。
なお、本実施の形態では、沈下抑止部材20をコンクリート等で構成した場合、柱状構造物18に取り付けた状態のまま地盤14の上方より根入れ部16を差し込んで設置することが可能であるが、柱状構造物18の周面18aに凹部26を設けた場合には、沈下抑止部材20を予め二つ以上の部材に水平分割しておき、根入れ部16を設置した後で沈下抑止部材20どうしをボルト等で連結して柱状構造物18と一体化してももちろん構わない。
(実施例4)
次に、実施例4について説明する。なお、上記の実施例1〜3において説明した部材等と同じ部材等については同一の符号を付すものとし、詳細な説明は省略する。
図4に示すように、本発明の実施例4に係る柱状構造物の液状化対策構造400は、沈下抑止部材20が、柱状構造物18に近い側の下面にハンチ部28を有し、柱状構造物18と沈下抑止部材20との間の隙間にモルタル30(硬化材)を充填したものである。
本実施例4の柱状構造物の液状化対策構造400によれば、モルタル30により柱状構造物18と沈下抑止部材20とが一体化されるとともに、ハンチ部28によって柱状構造物18の荷重を、柱状構造物18から遠ざかる斜め下方に向けて礫層22中に広く分散させることができる。これにより、地盤14の液状化時に柱状構造物18が地盤14にめり込んで沈下するのを抑止することができる。
(実施例5)
次に、実施例5について説明する。なお、上記の実施例1〜4において説明した部材等と同じ部材等については同一の符号を付すものとし、詳細な説明は省略する。
図5に示すように、本発明の実施例5に係る柱状構造物の液状化対策構造500は、礫層22の外周面22aおよび底面を被覆するジオテキスタイル32(透水性の保護部材)をさらに備えるものである。
本実施例5の柱状構造物の液状化対策構造500によれば、周囲の地盤14の液状化による影響で礫層22が変形あるいは崩壊するのを防ぐ。このため、根入れ部16の周囲の剛性を液状化後も維持することができる。ここで、ジオテキスタイル32は袋状のものを用いることができる。この場合、ジオテキスタイル32の拘束作用で液状化時だけでなく常時から礫層22に拘束圧を付与しておくことが好ましい。
(実施例6)
次に、実施例6について説明する。なお、上記の実施例1〜5において説明した部材等と同じ部材等については同一の符号を付すものとし、詳細な説明は省略する。
図6に示すように、本発明の実施例6に係る柱状構造物の液状化対策構造600は、沈下抑止部材20と礫層22は一体化した透水性の構造体34をなし、この構造体34を袋状のジオテキスタイル32に収容したものである。
本実施例6の柱状構造物の液状化対策構造600によれば、構造体34を袋状のジオテキスタイル32に収容したことで、根入れ部16の周囲の剛性を液状化後も維持することができる。この場合、沈下抑止部材20の役割と礫層22(地盤構造体)の役割は、一体化した透水性の構造体34で兼備できることから、鍔状の沈下抑止部材20の使用を省略することができる。
以上説明したように、本発明によれば、地震時に液状化する可能性のある液状化層からなる地盤に対して根入れ部が埋設される柱状構造物の液状化対策構造であって、前記柱状構造物の地盤中への沈下および傾斜を抑止するために、前記柱状構造物の地盤表面の高さ位置の周面に設けた鍔状の沈下抑止部材と、前記沈下抑止部材を支持するために、前記沈下抑止部材の直下において前記根入れ部の周囲を囲うように地盤中に設けた透水性の地盤構造体とを備えるので、柱状構造物の荷重は、鍔状の沈下抑止部材を介して水平方向に分散し、直下の透水性の地盤構造体に支持される。したがって、地盤の液状化時に柱状構造物が地盤にめり込んで沈下するのを抑止することができる。
ここで、鍔状の沈下抑止部材を地盤改良やコンクリート等の剛性を有する部材で構成して柱状構造物と剛接合すれば、沈下抑止部材は柱状構造物に作用する転倒モーメントに効果的に抵抗するので、柱状構造物が傾斜あるいは転倒するのを抑止することができる。
また、本発明の他の構成によれば、上記の構成において、前記柱状構造物の周面に凸部または凹部を設け、前記沈下抑止部材を前記凸部または凹部を介して前記柱状構造物に固定したので、柱状構造物を傾斜させようとする転倒モーメントに対しては、沈下抑止部材に働く地盤反力が効果的に抵抗するようになる。したがって、柱状構造物が傾斜あるいは転倒するのを抑止することができる。
また、本発明の他の構成によれば、上記の構成において、前記沈下抑止部材は、前記柱状構造物に近い側の下面にハンチ部を有し、前記柱状構造物と前記沈下抑止部材との間の隙間に硬化材を充填してなるので、硬化材により柱状構造物と沈下抑止部材とが一体化されるとともに、柱状構造物の荷重をハンチ部によって柱状構造物から遠ざかる斜め下方に向けて分散することができる。
また、本発明の他の構成によれば、上記の構成において、前記地盤構造体の外周面を被覆する透水性の保護部材をさらに備えるので、周囲の地盤の液状化による影響で地盤構造体が変形あるいは崩壊するのを防ぐ。このため、根入れ部の周囲の剛性を液状化後も維持することができる。
また、本発明の他の構成によれば、上記の構成において、前記沈下抑止部材と前記地盤構造体は一体化した透水性の構造体をなし、この構造体を袋状の前記保護部材に収容したので、根入れ部の周囲の剛性を液状化後も維持することができる。この場合、沈下抑止部材の役割と礫層などの地盤構造体の役割は、一体化した透水性の構造体で兼備できることから、鍔状の沈下抑止部材を省略することができる。
以上のように、本発明に係る柱状構造物の液状化対策構造は、電信柱などの地盤中に根入れされ、鉛直方向に細長い柱状構造物の液状化対策に有用であり、特に、地盤の液状化時に柱状構造物が地盤中にめり込むように沈下したり、傾斜あるいは転倒するのを抑止するのに適している。
10 液状化層
12 表層
14 地盤
16 根入れ部
18 柱状構造物
18a 周面
20 沈下抑止部材
22 礫層(地盤構造体)
22a 外周面
24 凸部
26 凹部
28 ハンチ部
30 モルタル(硬化材)
32 ジオテキスタイル(透水性の保護部材)
34 透水性の構造体
GL 地盤表面
100〜600 柱状構造物の液状化対策構造(実施例1〜6)

Claims (5)

  1. 地震時に液状化する可能性のある液状化層からなる地盤に対して根入れ部が埋設される柱状構造物の液状化対策構造であって、
    前記柱状構造物の地盤中への沈下および傾斜を抑止するために、前記柱状構造物の地盤表面の高さ位置の周面に設けた鍔状の沈下抑止部材と、
    前記沈下抑止部材を支持するために、前記沈下抑止部材の直下において前記根入れ部の周囲を囲うように地盤中に設けた透水性の地盤構造体とを備えることを特徴とする柱状構造物の液状化対策構造。
  2. 前記柱状構造物の周面に凸部または凹部を設け、前記沈下抑止部材を前記凸部または凹部を介して前記柱状構造物に固定したことを特徴とする請求項1に記載の柱状構造物の液状化対策構造。
  3. 前記沈下抑止部材は、前記柱状構造物に近い側の下面にハンチ部を有し、
    前記柱状構造物と前記沈下抑止部材との間の隙間に硬化材を充填してなることを特徴とする請求項1に記載の柱状構造物の液状化対策構造。
  4. 前記地盤構造体の外周面を被覆する透水性の保護部材をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の柱状構造物の液状化対策構造。
  5. 前記沈下抑止部材と前記地盤構造体は一体化した透水性の構造体をなし、この構造体を袋状の前記保護部材に収容したことを特徴とする請求項4に記載の柱状構造物の液状化対策構造。
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