JP2017035972A - 表示制御装置、表示装置および表示制御方法 - Google Patents

表示制御装置、表示装置および表示制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】虚像により、警告情報に対する運転者の注意を十分に喚起する。
【解決手段】虚像表示部2は、車両の運転席からウィンドシールド201を介して視認可能な虚像である表示オブジェクトを、車両の特定位置を基準とする虚像の方向である虚像方向と、虚像までの距離である虚像距離とによって規定される虚像位置に表示可能である。表示制御装置101は、車両の運転者に通知すべき警告情報を取得する警告情報取得部11と、虚像表示部2の表示を制御する制御部13とを備える。制御部13は、運転者へ警告情報を通知するための表示オブジェクトである警告オブジェクト31を表示する際、警告オブジェクト31の虚像距離を振動させる。
【選択図】図8

Description

本発明は、虚像表示部を制御する表示制御装置および虚像表示部を用いた表示制御方法に関するものである。
車両のウィンドシールドに画像を表示するヘッドアップディスプレイ(HUD)に関して様々な技術が提案されている。例えば、画像を、運転者から見て、あたかも車両前方の実風景に実在するかのように見える虚像として表示するHUDが提案されている。例えば特許文献1には、虚像の見かけ上の位置と運転者との間の距離を、車速に応じて変更するHUDが提案されている。
特開平6−115381号公報
しかしながら、画像を虚像として表示する上述の従来技術では、人や自転車などの注意対象(車両の運転者に注意喚起すべき対象)の存在を運転者へ警告したり、バッテリー切れや燃料切れなどを運転者へ警告したりする虚像を表示する際に、運転者の注意を十分に喚起できるものではなかった。
本発明は、上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、虚像により、警告情報に対する運転者の注意を十分に喚起することが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明に係る表示制御装置は、虚像表示部を制御する表示制御装置であって、虚像表示部は、車両の運転席から車両のウィンドシールドを介して視認可能な虚像である表示オブジェクトを、車両の特定位置を基準とする虚像の方向である虚像方向と、虚像までの距離である虚像距離とによって規定される虚像位置に表示可能であり、車両の運転者に通知すべき警告情報を取得する警告情報取得部と、虚像表示部の表示を制御する制御部とを備え、制御部は、運転者へ警告情報を通知するための表示オブジェクトである警告オブジェクトを表示する際、警告オブジェクトの虚像距離を振動させる。
本発明によれば、警告オブジェクトの前後の動き(虚像距離の変化)によって、運転者の注意は効果的に警告オブジェクトへ向けられるため、警告情報に対する運転者の注意を十分に喚起することができる。
実施の形態1に係る表示制御装置の構成を示すブロック図である。 虚像表示部が表示する虚像(表示オブジェクト)を説明するための図である。 虚像表示部が表示する表示オブジェクトを説明するための図である。 虚像表示部が表示する表示オブジェクトを説明するための図である。 虚像表示部が表示する表示オブジェクトを説明するための図である。 実施の形態1に係る表示制御装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る表示制御装置の動作を説明するための図である。 警告オブジェクトの例を示す図である。 本明細書における警告オブジェクトの表現例を示す図である。 警告オブジェクトの例を示す図である。 警告オブジェクトの例を示す図である。 警告オブジェクトの例を示す図である。 警告オブジェクトの例を示す図である。 警告オブジェクトの例を示す図である。 警告オブジェクトの例を示す図である。 警告オブジェクトの例を示す図である。 警告オブジェクトの例を示す図である。 警告オブジェクトの例を示す図である。 警告オブジェクトの例を示す図である。 警告オブジェクトの例を示す図である。 警告オブジェクトの例を示す図である。 警告オブジェクトの例を示す図である。 警告オブジェクトの例を示す図である。 警告オブジェクトの例を示す図である。 警告オブジェクトの例を示す図である。 自車両と注意対象との位置関係の例を示す図である。 警告オブジェクトの例を示す図である。 実施の形態1に係る表示制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 実施の形態1に係る表示制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 実施の形態2に係る表示制御装置の構成を示すブロック図である。 警告オブジェクトの例を示す図である。 警告オブジェクトの例を示す図である。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係る表示制御装置1の構成を示す図である。本実施の形態では、表示制御装置1が車両に搭載されているものとして説明する。また、表示制御装置1を搭載した車両を「自車両」という。
表示制御装置1は、例えばHUDなど、画像を運転者の視野に虚像として表示させる虚像表示部2を制御する。また、表示制御装置1には、自車両の周囲の歩行者や自転車などの注意対象(車両の運転者に注意喚起すべき対象)を検知する注意対象検知部3が接続されている。ここでは虚像表示部2が表示制御装置1に外部接続された例を示すが、虚像表示部2は表示制御装置1と一体的に構成されていてもよい。すなわち、表示制御装置1と虚像表示部2は、1つの表示装置として構成されていてもよい。
図2および図3を参照して、虚像表示部2が表示する虚像について説明する。本明細書では、虚像表示部2が表示する虚像を「表示オブジェクト」という。虚像表示部2は、図2のように、自車両の運転者200の位置からウィンドシールド201を通して視認可能な位置に、表示オブジェクト100を表示することができる。表示オブジェクト100が実際に表示されている位置は、ウィンドシールド201上であるが、運転者200から見ると、あたかも表示オブジェクト100が車両前方の風景の中に存在するかのように見えるようになっている。
本明細書では、運転者200から見た、表示オブジェクト100の見かけ上の表示位置を「虚像位置」という。虚像位置は、運転者200の位置を基準にした表示オブジェクト100の方向である「虚像方向」と、運転者200の位置から表示オブジェクト100までの見かけ上の距離である「虚像距離」とによって規定される。このように、虚像位置を定義するための基準点は、運転者200の位置であることが好ましいが、運転者200の位置とみなすことができる車両の特定位置であればよく、例えば、運転席やウィンドシールド201の特定の点を基準点、例えば運転者の目の付近に対応する位置を基準点にしてもよい。また、HUD設置位置の設計のために想定した運転者の両目の中心点に対応する車内空間の一点を基準点としてもよい。
虚像方向は、実質的に、運転者200から見たウィンドシールド201上における表示オブジェクト100の位置に相当し、例えば、図3のように3次元極座標系の偏角(θ,φ)で表される。虚像距離は、実質的に、運転者200から見た表示オブジェクト100までの見かけ上の距離に相当し、例えば図3のように3次元極座標系の動径(r)などで表される。運転者200は、自身の目の焦点(ピント)の距離Fdを虚像距離(r)に合わせることによって、3次元極座標(r,θ,φ)で表される虚像位置に表示オブジェクト100を視認することができる。
なお、虚像位置を3次元極座標で表すと虚像距離(r)の等しい面は球面となるが、車両用の虚像表示部2のように虚像方向が一定の範囲(車両の前方)に制限される場合には、虚像距離の等しい面を平面で近似してもよい。また、HUDでは、虚像の表示面が平面となるように光学的に工夫されているものが多い。以下の説明では、図4のように虚像距離の等しい面を平面として扱うこととする(図4では、車両の進行方向をy軸とし、y=rの平面を虚像距離rの表示面として規定している)。
次に、注意対象検知部3が検知する注意対象について説明する。注意対象の例としては、自車両周辺の移動体(車両、バイク、自転車、歩行者など)、障害物(落下物、ガードレール、段差など)、特定の地点(交差点、事故多発地点など)、特定の地物(ランドマークなど)が挙げられる。これらのうち、自車両周辺の移動体や障害物は、自車両のミリ波レーダー、DSRC(Dedicate Short Range Communication)ユニット、カメラ(例えば赤外線カメラ)などを用いて検知することができる。また、特定の地点や地物は、それらの位置情報を含む地図情報と、自車両の位置情報とに基づいて検知することができる。
図1に戻り、表示制御装置1は、警告情報取得部11、表示オブジェクト記憶部12および制御部13を備えている。
警告情報取得部11は、車両の運転者に通知すべき警告情報を取得する。本実施の形態では、警告情報取得部11は、警告情報として、注意対象検知部3が検知した注意対象の自車両に対する相対位置を取得する。自車両と周辺の移動体や障害物との相対位置は、自車両のミリ波レーダーの出力データ、DSRCユニットの出力データ、または、カメラで撮影した映像の解析結果から求めることができる。また、特定の地点や地物の相対位置は、地図情報に含まれるそれらの位置情報と自車両の位置情報とから算出することができる。本実施の形態では、注意対象検知部3が、検知した注意対象の相対位置を算出して、警告情報取得部11はその算出結果を取得するものとする。あるいは、警告情報取得部11が、注意対象検知部3から取得した情報から、注意対象の相対位置を算出してもよい。
表示オブジェクト記憶部12は、複数の表示オブジェクトの画像データを予め記憶している。表示オブジェクト記憶部12に記憶されている表示オブジェクトには、例えば、注意対象の存在を運転者に知らせるための警告マークの画像や、注意対象の位置を指し示す画像(例えば、矢印の図形)などが含まれる。
制御部13は、表示制御装置1の各構成要素を統括的に制御するとともに、虚像表示部2による虚像の表示を制御する。例えば、制御部13は、表示オブジェクト記憶部12に記憶されている表示オブジェクトを、虚像表示部2を用いて運転者200の視野に表示させることができる。また、制御部13は、虚像表示部2が表示する表示オブジェクトの虚像位置(虚像方向および虚像距離)を制御することができる。なお、制御部13は、表示オブジェクト記憶部12に格納されていない表示オブジェクトを生成する機能を有していてもよいし、表示オブジェクトを変形する機能を有していてもよい。
ここで、虚像表示部2は、表示オブジェクトの虚像距離を25m、50m、75mのうちから選択して設定可能であると仮定する。制御部13は、例えば図4のように、虚像距離が25mの第1の表示オブジェクト101aと、虚像距離が50mの第2の表示オブジェクト101bと、虚像距離が75mの第3の表示オブジェクト101cとを、虚像表示部2に表示させることができる。その場合、運転者からは、図5のように、ウィンドシールド201を通して、前方25mに第1の表示オブジェクト101aが存在し、前方50mに第2の表示オブジェクト101bが存在し、前方75mに第3の表示オブジェクト101cが存在しているように見える(符号202の要素は自車両のハンドルである)。
図5では、虚像距離の異なる複数の表示オブジェクトが同時に表示された例を示したが、虚像表示部2は、表示オブジェクトの虚像距離を変更可能なものであれば、同時に表示する複数の表示オブジェクトに対して1つの虚像距離しか設定できないもの(同時に表示する表示オブジェクトの表示距離が全て同じになるもの)でもよい。
次に、表示制御装置1の動作を説明する。図6はその動作を示すフローチャートである。注意対象検知部3により注意対象が検知されると、表示制御装置1の警告情報取得部11は、警告情報として、検知された注意対象の自車両に対する相対位置を取得する(ステップS1)。
警告情報取得部11が注意対象の相対位置(警告情報)を取得すると、制御部13は、表示オブジェクト記憶部12から注意対象の存在を運転者に通知するための表示オブジェクトの画像(例えば警告マーク)を取得し、その表示オブジェクトの虚像位置を決定する(ステップS2)。以下では、警告情報(ここでは注意対象の位置)を運転者に通知するための表示オブジェクトを「警告オブジェクト」という。
ステップS2では、警告オブジェクトの虚像方向が、運転者から見て注意対象が見える位置に対応する方向に設定される。警告オブジェクトの虚像距離は、自車両から注意対象までの距離と等しく設定されることが好ましいが、図4の例のように、虚像距離を離散的(段階的)な値にしか設定できない場合は、自車両から注意対象までの距離に最も近い値に虚像距離が設定されればよい。
その後、制御部13は、虚像表示部2を用いて、ステップS2で決定した虚像位置に警告オブジェクトを表示させることで、運転者に注意対象の位置(警報情報)を通知する。このとき、制御部13は、警告オブジェクトの虚像距離を振動させる(ステップS3)。
すなわち、制御部13は、警告オブジェクトを表示する際、警告オブジェクトの虚像距離を時間と共に繰り返し変化させる。例えば、図7のように、前方50m付近に注意対象90(落下物)が検知された場合、まず、警告オブジェクト31を虚像距離50m(ステップS2で決定した虚像距離)で表示し(t=0秒)、次に、その虚像距離を30mに変化させ(t=0.2秒)、その後、虚像距離を50mに戻す(t=0.4秒)、という動作を繰り返す。そうすることで、運転者からは、図8のように警告オブジェクト31が前後に振動して見える(以下、警告オブジェクトの虚像距離を振動させることを、「警告オブジェクトを前後に振動させる」ということもある)。この警告オブジェクト31の動きによって、運転者の注意は効果的に注意対象90へと向かう。その結果、注意対象90に対する運転者の注意を喚起することができる。
表示制御装置1は、以上のステップS1〜S3の動作を繰り返し実行する。なお、ステップS3では、警告オブジェクトの虚像距離を常に振動させ続ける必要はなく、警告オブジェクトを表示してから予め定められた期間、例えば最初の数秒(例えば1〜3秒程度)のみ振動させてもよい。虚像距離の振動を止めることで、警告オブジェクトの視認性を確保できる。振動後の警告オブジェクトの虚像距離は、初期値(ステップS2で決定した虚像距離)に固定してもよい。また、本実施の形態のように警告情報が注意対象の位置である場合には、振動後の警告オブジェクトの虚像距離を、自車両から注意対象までの距離に追従するように変化させてもよい。
図8においては、警告オブジェクトを前後に振動させる際の虚像距離の変化を2枚の図を用いて表したが、本明細書では、図9のように、時間に対する虚像距離の変化の示すグラフとして表すこともある。なお、図9の表現方法において、グラフに描かれている注意対象90の位置は、自車両から注意対象90までの距離(50m)を表しており、同グラフの時間軸とは無関係である。また、警告オブジェクトの画像は任意のものでよく、図8および図9に示したものに限られない。
警告オブジェクトの画像は、警告オブジェクトの前後の振動に合わせて変化してもよい。すなわち、警告オブジェクトの虚像距離に応じて、警告オブジェクトの画像を変化させてもよい。例えば図10および図11に示すように、警告オブジェクト31の虚像距離を短くするときに、警告オブジェクト31を立体的な画像に変化させることによって、警告オブジェクト31の前後の動きを画像で表現してもよい。
また、警告オブジェクトを前後に振動させる際、自車両から注意対象までの距離と警告オブジェクトの虚像距離との差に応じて、警告オブジェクトの画像を変化させてもよい。例えば、図12および図13のように、警告オブジェクト31の虚像距離が自車両から注意対象までの距離(50m)に近いときと遠いときとで、警告オブジェクト31の画像を変化させてもよい。それにより、運転者は警告オブジェクトの画像を見て、自車両から注意対象までの距離を認識しやすくなる。
また、警告オブジェクトの一部分だけの虚像位置を振動させてもよい。例えば、図14および図15のように、警告オブジェクト31が警告マーク31aと点線の楕円31bとから構成される場合、警告マーク31aの虚像距離は50m(自車両から注意対象90までの距離)に固定し、点線の楕円31bの虚像距離のみを50mと30mとの間で振動させてもよい。また、虚像表示部2が、同時に1つの虚像距離しか設定できないものである場合、図16および図17のように、虚像距離が50mの警告マーク31aと虚像距離が30mの点線の楕円31bとを交互に表示することで、図14および図15に類似した視覚的効果を得るようにしてもよい(技術的には、図16および図17の例は、図10〜図13のように、虚像距離に応じて警告オブジェクトの画像を変化させることと同じである)。
以上の例では、警告オブジェクトの2種類の虚像距離(30mと50m)を交互に切り替えることで、警告オブジェクトを前後に振動させていた。しかし、虚像表示部2が、虚像距離を3種類以上の多段階に変化させることが可能な場合には、警告オブジェクト31の虚像距離を多段階的に変化させることで、警告オブジェクト31を前後に振動させてもよい。例えば図18および図19は、警告オブジェクト31の虚像距離を3段階に変化させる例である。警告オブジェクト31の前後の動きが滑らかになるので、警告オブジェクト31の視認性が向上する。
虚像距離を3種類以上の多段階に変化させることが可能な場合も、例えば図20および図21のように、警告オブジェクトの画像をその虚像距離に応じて変化させてもよい。また、例えば図22または図23のように、自車両から注意対象までの距離(50m)と警告オブジェクトの虚像距離と差に応じて、警告オブジェクトの画像を変化させてもよい。
さらに、虚像距離を連続的に変化させることが可能な場合には、図24のように、警告オブジェクト31の虚像距離をより滑らかに変化させてもよい。図24では、時間に対する警告オブジェクト31の虚像距離の変化が正弦曲線となる例を示したが、警告オブジェクト31を前後に振動させるときの虚像距離の変化の仕方や振動の周期は任意でよく、例えば、図25のように、振動の周期が徐々に長くなるように振動してもよい。なお、虚像距離が段階的に変化する場合も、警告オブジェクト31を前後に振動させるときの虚像距離の変化の仕方や振動の周期は任意でよい。
連続的な虚像距離の変化と不連続な(段階的な)虚像距離の変化を組み合わせてもよい。例えば、虚像距離が0mから50mまでの範囲では、警告オブジェクトの虚像距離が連続的に変化し、虚像距離が50mから75mまでの範囲では、例えば55m、60m、70m、75mのように、警告オブジェクトの虚像距離が不連続に変化するようにしてもよい。
人間の眼では、遠方になるほど距離の差や変化の認知精度が落ちるので、警告オブジェクトの虚像距離が長くなるほど、その虚像距離の変化速度が大きくなるようにしてもよい。また、警告オブジェクトの虚像距離を不連続に変化させる場合は、同様の理由から、虚像距離が長くなるほど、虚像距離の変化量が大きくなるようにしてもよい。例えば、虚像距離が25mから30mまでの範囲では、警告オブジェクトの虚像距離が1m刻みで変化し、虚像距離が30mから50mまでの範囲では、警告オブジェクトの虚像距離が2m刻みで変化し、虚像距離が50mから75mまでの範囲では、警告オブジェクトの虚像距離が5m刻みで変化するようにしてもよい。
また、前後に振動する本発明の警告オブジェクトと、他の警告オブジェクトとを組み合わせてもよい。例えば、図26のように、自車両210の前方に注意対象として落下物91が検知され、自車両210の左側方に注意対象としてバイク92が検知された場合、図27のように、落下物91の位置は前後に振動する警告オブジェクト31によって運転者に通知し、バイク92の位置(運転者から見てウィンドシールド201の外側)は左右に振動する警告オブジェクト32を用いて運転者に通知してもよい。つまり、バイク92の位置を示す警告オブジェクト32は、その虚像距離が一定に保たれ、虚像方向が振動する。この例のように、バイク92の位置が、運転者から見てウィンドシールド201の外側すなわち表示オブジェクトの表示領域の外側の場合には、警告オブジェクト32の虚像位置を、バイク92が位置する方向に合わせて、ウィンドシールド201の左端にする。
図28および図29は、それぞれ表示制御装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。表示制御装置1における警告情報取得部11および制御部13は、例えば図28に示す処理回路40により実現される。すなわち、処理回路40は、警告情報を取得する警告情報取得部11と、運転者へ警告情報を通知するための警告オブジェクトを表示する際、当該警告オブジェクトの虚像距離を振動させる制御部13とを備える。処理回路40には、専用のハードウェアが適用されてもよいし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサ(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、Digital Signal Processor)が適用されてもよい。
処理回路40が専用のハードウェアである場合、処理回路40は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。警告情報取得部11および制御部13の各部の機能それぞれは、複数の処理回路40で実現されてもよいし、各部の機能をまとめて一つの処理回路40で実現されてもよい。
図29は、処理回路40がプロセッサである場合における表示制御装置1のハードウェア構成を示している。この場合、警告情報取得部11および制御部13の機能は、ソフトウェア等(ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェア)との組み合わせにより実現される。ソフトウェア等はプログラムとして記述され、メモリ42に格納される。処理回路40としてのプロセッサ41は、メモリ42に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、表示制御装置1は、処理回路40により実行されるときに、警告情報を取得するステップと、運転者へ警告情報を通知するための警告オブジェクトを表示する際、当該警告オブジェクトの虚像距離を振動させるステップと、が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ42を備える。換言すれば、このプログラムは、警告情報取得部11および制御部13の手順や方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ42には、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)およびそのドライブ装置等が該当する。
以上、警告情報取得部11および制御部13の各機能が、ハードウェアおよびソフトウェア等のいずれか一方で実現される構成について説明した。しかしこれに限ったものではなく、警告情報取得部11および制御部13の一部を専用のハードウェアで実現し、別の一部をソフトウェア等で実現する構成であってもよい。例えば、制御部13については専用のハードウェアとしての処理回路でその機能を実現し、それ以外についてはプロセッサ41としての処理回路40がメモリ42に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
以上のように、処理回路40は、ハードウェア、ソフトウェア等、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。なお、表示オブジェクト記憶部12は、メモリ42から構成される。
また、以上で説明した表示制御装置は、車両に搭載可能な備え付けられたナビゲーション装置、Portable Navigation Device、通信端末(例えば携帯電話、スマートフォン、およびタブレットなどの携帯端末)、およびこれらにインストールされるアプリケーションの機能、並びにサーバなどを適宜に組み合わせてシステムとして構築される表示制御システムに適用することができる。この場合、以上で説明した表示制御装置の各機能あるいは各構成要素は、上記システムを構築する各機器に分散して配置されてもよいし、いずれかの機器に集中して配置されてもよい。
<実施の形態2>
図30は、実施の形態2に係る表示制御装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態では、図1の構成に対し、注意対象検知部3に替えて自車両の車載機器4が表示制御装置1に接続されている。車載機器4は、自車両の走行速度や、バッテリー残量、燃料の残量などを検出する各種のセンサを含んでおり、例えば、スピードオーバーやバッテリー不足、燃料不足などの警告情報を、表示制御装置1の警告情報取得部11へと出力する。
実施の形態2に係る表示制御装置1の動作も、基本的に図6のフローチャートの通りである。以下、図6を参照して、実施の形態2に係る表示制御装置1の動作を説明する。
車載機器4のセンサによりバッテリー不足等の警告情報が出力されると、表示制御装置1の警告情報取得部11はその警告情報を取得する(ステップS1)。
警告情報取得部11が警告情報を取得すると、制御部13は、表示オブジェクト記憶部12から警告情報に応じた警告オブジェクトの画像を取得し、その警告オブジェクトの虚像位置を決定する(ステップS2)。本実施の形態では、警告オブジェクトの虚像位置は、警告情報の種別に応じて予め定められているものとする。
その後、制御部13は、虚像表示部2を用いて、ステップS2で決定した虚像位置に警告オブジェクトを表示させることで、運転者に警報情報を通知する。このとき、制御部13は、警告オブジェクトの虚像距離を振動させる(ステップS3)。
例えば、警告情報がバッテリー不足であった場合は、図31のように、バッテリー不足を表す警告オブジェクト33を表示すると共に、その虚像距離を振動させる。また、例えば、警告情報が燃料不足であった場合は、図32のように、燃料不足を表す警告オブジェクト34を表示すると共に、その虚像距離を振動させる。虚像距離の振動の仕方は、実施の形態1で例示したものと同様でよい。また、実施の形態1でも示したように、警告オブジェクトを前後に振動させる間、その警告オブジェクトの画像を変化させてもよい。
このように、本発明の警告オブジェクトは、運転者に通知すべきあらゆる警告情報に適用可能である。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 表示制御装置、2 虚像表示部、3 注意対象検知部、4 車載機器、11 警告情報取得部、12 表示オブジェクト記憶部、13 制御部、90 注意対象、91 落下物、92 バイク、31〜34 警告オブジェクト、200 運転者、201 ウィンドシールド、210 自車両。

Claims (10)

  1. 虚像表示部を制御する表示制御装置であって、
    前記虚像表示部は、
    車両の運転席から前記車両のウィンドシールドを介して視認可能な虚像である表示オブジェクトを、前記車両の特定位置を基準とする前記虚像の方向である虚像方向と、前記虚像までの距離である虚像距離とによって規定される虚像位置に表示可能であり、
    前記車両の運転者に通知すべき警告情報を取得する警告情報取得部と、
    前記虚像表示部の表示を制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、前記運転者へ前記警告情報を通知するための表示オブジェクトである警告オブジェクトを表示する際、前記警告オブジェクトの虚像距離を振動させる
    ことを特徴とする表示制御装置。
  2. 前記制御部は、前記警告オブジェクトの虚像位置の振動に合わせて、当該警告オブジェクトの画像を変化させる
    請求項1に記載の表示制御装置。
  3. 前記制御部は、前記警告オブジェクトの虚像位置を、当該警告オブジェクトを表してから予め定められた期間だけ振動させる
    請求項1または請求項2に記載の表示制御装置。
  4. 前記警告情報取得部は、前記警告情報として、前記運転者に注意喚起すべき注意対象の前記車両に対する相対位置を取得し、
    前記制御部は、前記警告オブジェクトの虚像方向を、前記運転者から見て前記注意対象が見える位置に対応する方向に設定する
    請求項1に記載の表示制御装置。
  5. 前記制御部は、前記警告オブジェクトの虚像位置を振動させる際、前記車両から前記注意対象までの距離と前記警告オブジェクトの虚像距離との差に応じて、前記警告オブジェクトの画像を変化させる
    請求項4に記載の表示制御装置。
  6. 前記制御部は、前記警告オブジェクトの虚像位置を振動させた後、前記警告オブジェクトの虚像距離を前記車両から前記注意対象までの距離に追従させる
    請求項4または請求項5に記載の表示制御装置。
  7. 前記注意対象が前記車両の側方に位置する場合、前記制御部は、前記警告オブジェクトの虚像距離を一定に保ちつつ、当該警告オブジェクトの虚像方向を振動させる
    請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の表示制御装置。
  8. 前記注意対象が運転者から見て表示オブジェクトの表示領域の外側に位置する場合、前記制御部は、前記警告オブジェクトの虚像距離を一定に保ちつつ、当該警告オブジェクトの虚像方向を振動させる
    請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の表示制御装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の表示制御装置と、
    前記虚像表示部と
    を備える、表示装置。
  10. 虚像表示部を制御する表示制御方法であって、
    前記虚像表示部は、
    車両の運転席から前記車両のウィンドシールドを介して視認可能な虚像である表示オブジェクトを、前記車両の特定位置を基準とする前記虚像の方向である虚像方向と、前記虚像までの距離である虚像距離とによって規定される虚像位置に表示可能であり、
    前記表示制御方法は、
    前記車両の運転者に通知すべき警告情報を取得し、
    前記運転者へ前記警告情報を通知するための表示オブジェクトである警告オブジェクトを表示する際、前記警告オブジェクトの虚像距離を振動させる
    ことを特徴とする表示制御方法。
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