JP2017035672A - ドロー溶液及び正浸透水処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】希薄ドロー溶液を高濃度化して再生利用することが容易で、また低粘度でしかも高浸透圧なドロー溶液及び前記ドロー溶液を用いた正浸透水処理方法の提供。【解決手段】式(1)で示される水溶性液体化合物を含むドロー溶液。水分を吸収した希薄ドロー溶液の状態で下限臨界溶液温度を有する前記ドロー溶液であり、希薄していないドロー溶液と水分を含む供給溶液とを半透膜を介して接触させ前記供給溶液中の水分を前記ドロー溶液に吸収させることにより生じる希薄ドロー溶液を加温して再生する正浸透水処理方法。【選択図】図2
Description
本発明は正浸透法におけるドロー溶液及び正浸透水処理方法に関する。
正浸透法は、濃度すなわち浸透圧が異なる二種類の溶液を、半透膜を介して接触させ、これらの二種類の溶液の浸透圧差を小さくする方向に、すなわち濃度が低い溶液から濃度が高い溶液に水が移動する現象を利用するものである。ここで浸透圧が低い溶液を供給液、浸透圧が高い溶液をドロー溶液と呼ぶ。
正浸透法では、ドロー溶液に求められる性質として、浸透圧が高いことが挙げられる。ドロー溶液の浸透圧が高ければ供給液から効率的に水を吸収できる。また、ドロー溶液は供給液から水分を吸収したのち、容易に水とドロー溶液の溶質(ドロー溶質)とに分離できることが必要である。これにより、供給液から吸収した水分を効率的に回収できるとともに、供給液から水分を吸収して希薄濃度となったドロー溶液(希薄ドロー溶液)を高濃度化して再生利用できる。
正浸透法では、ドロー溶液に求められる性質として、浸透圧が高いことが挙げられる。ドロー溶液の浸透圧が高ければ供給液から効率的に水を吸収できる。また、ドロー溶液は供給液から水分を吸収したのち、容易に水とドロー溶液の溶質(ドロー溶質)とに分離できることが必要である。これにより、供給液から吸収した水分を効率的に回収できるとともに、供給液から水分を吸収して希薄濃度となったドロー溶液(希薄ドロー溶液)を高濃度化して再生利用できる。
特許文献1には、アンモニアおよび二酸化炭素をドロー溶質とするドロー溶液に関する技術が記載されている。本技術では希薄ドロー溶液を加熱することでアンモニア及び二酸化炭素ガスとして分離する。
特許文献2には、曇点を有するポリエチレングリコールの長鎖脂肪酸エステルをドロー溶質とするドロー溶液に関する技術が記載されている。希薄ドロー溶液を曇点以上に加熱することで、ポリエチレングリコールの長鎖脂肪酸エステルが凝集し沈澱を生じる、または懸濁状態となり、水から分離することができる。
特許文献3には、感温性ポリマー水溶液をドロー溶液とした正浸透水処理方法に関する技術が記載されている。希薄ドロー溶液を下限臨界溶液温度以上に加熱することで、感温性ポリマーが凝集し沈澱を生じる、または懸濁状態となり、水から分離することができる。
特許文献1に記載された技術では、希薄ドロー溶液を加熱することでアンモニア及び二酸化炭素ガスとして分離するが、この加熱温度では希薄ドロー溶液から回収される水に微量のアンモニアが混入することが避けられない。アンモニアは分子の大きさや極性が水とほぼ同じなので、さらに逆浸透膜を用いても除去率は90%程度であり、アンモニアと水との完全分離はできない。またガスとなって揮発するアンモニアおよび二酸化炭素の回収率が悪く、濃厚ドロー溶液を再生するには基質を外部から供給しなくてはならない。
特許文献2に記載された技術では、希薄ドロー溶液を曇点以上に加熱することで、ポリエチレングリコールの長鎖脂肪酸エステルが凝集し沈澱を生じる、または懸濁状態となるが、沈澱または懸濁状態のポリエチレングリコールの長鎖脂肪酸エステルの除去には濾過システムが必要である。使用するポリエチレングリコールの長鎖脂肪酸エステルの種類・濃度および加熱温度によっては非常に細かな微粒子となって懸濁状態となるので、その除去には限外濾過システムあるいはナノ濾過システムが必要である。
またポリエチレングリコールの長鎖脂肪酸エステルの分子量は300以上であり、濃厚溶液を調製しても高浸透圧にはならない。例えば分子量400、密度0.95のポリエチレングリコールの長鎖脂肪酸エステルの75%水溶液でも計算上浸透圧は4.4MPaにしかならない。またポリエチレングリコールの長鎖脂肪酸エステルの濃厚溶液は高粘度であり、送液にエネルギーを要する。
またポリエチレングリコールの長鎖脂肪酸エステルの分子量は300以上であり、濃厚溶液を調製しても高浸透圧にはならない。例えば分子量400、密度0.95のポリエチレングリコールの長鎖脂肪酸エステルの75%水溶液でも計算上浸透圧は4.4MPaにしかならない。またポリエチレングリコールの長鎖脂肪酸エステルの濃厚溶液は高粘度であり、送液にエネルギーを要する。
特許文献3に記載された技術では、希薄ドロー溶液を下限臨界溶液温度以上に加熱することで、感温性ポリマーが凝集し沈澱を生じる、または懸濁状態となるが、沈澱または懸濁状態の感温性ポリマーの除去には精密濾過システムが必要である。また感温性ポリマーの分子量が大きいので、濃厚溶液を調製しても高浸透圧にはならない。例えば分子量8123の感温性ポリマー0.25g/mlの実測浸透圧は29.1気圧(2.9MPa)にしかならない。
以上のように、従来の技術は、種々の課題を有している。
本発明の目的は、希薄ドロー溶液を高濃度化して再生利用することが容易で、また低粘度でしかも高浸透圧なドロー溶液を提供し、そのドロー溶液を用いた正浸透水処理方法を提供することである。
本発明の目的は、希薄ドロー溶液を高濃度化して再生利用することが容易で、また低粘度でしかも高浸透圧なドロー溶液を提供し、そのドロー溶液を用いた正浸透水処理方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明者は鋭意検討を行った結果、本発明を完成した。すなわち、本発明は、以下の技術的手段から構成される。
〔1〕 水分を含む溶液と半透膜を介して接触させるドロー溶液であって、前記ドロー溶液が一般式(1)で示される水溶性液体化合物または一般式(1)で示される水溶性液体化合物と水からなることを特徴とするドロー溶液。
[式中、
R1、R2は互いに独立して、
水素原子、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状アルキル基を表し、
nは5〜20の整数を表す。]
〔2〕 前記一般式(1)で示される水溶性液体化合物とジプロピレングリコール若しくはトリプロピレングリコール又は前記一般式(1)で示される水溶性液体化合物とジプロピレングリコール若しくはトリプロピレングリコールと水からなることを特徴とするドロー溶液。
〔3〕 前記一般式(1)において、R1、R2の少なくとも一方は水素原子であることを特徴とする前記〔1〕又はぜ前記〔2〕に記載のドロー溶液。
〔4〕 前記一般式(1)の水溶性液体化合物が、平均分子量400から1000のポリプロピレングリコールであることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のドロー溶液。
〔5〕 前記〔1〕〜前記〔4〕のいずれかに記載のドロー溶液と、水分を含む供給溶液とを半透膜を介して接触させることで、供給溶液中の水分をドロー溶液に吸収させることを特徴とする正浸透水処理方法。
〔6〕 供給溶液から水分を吸収した希薄ドロー溶液を下限臨界溶液温度より高い温度に加熱することで相分離させ、液体‐液体の分液により水分を分離しドロー溶液を高濃度化して再生することを特徴とする前記〔5〕に記載の正浸透水処理方法。
R1、R2は互いに独立して、
水素原子、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状アルキル基を表し、
nは5〜20の整数を表す。]
〔2〕 前記一般式(1)で示される水溶性液体化合物とジプロピレングリコール若しくはトリプロピレングリコール又は前記一般式(1)で示される水溶性液体化合物とジプロピレングリコール若しくはトリプロピレングリコールと水からなることを特徴とするドロー溶液。
〔3〕 前記一般式(1)において、R1、R2の少なくとも一方は水素原子であることを特徴とする前記〔1〕又はぜ前記〔2〕に記載のドロー溶液。
〔4〕 前記一般式(1)の水溶性液体化合物が、平均分子量400から1000のポリプロピレングリコールであることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のドロー溶液。
〔5〕 前記〔1〕〜前記〔4〕のいずれかに記載のドロー溶液と、水分を含む供給溶液とを半透膜を介して接触させることで、供給溶液中の水分をドロー溶液に吸収させることを特徴とする正浸透水処理方法。
〔6〕 供給溶液から水分を吸収した希薄ドロー溶液を下限臨界溶液温度より高い温度に加熱することで相分離させ、液体‐液体の分液により水分を分離しドロー溶液を高濃度化して再生することを特徴とする前記〔5〕に記載の正浸透水処理方法。
本発明によれば、希薄ドロー溶液からドロー溶質と水とを分離しドロー溶液を高濃度化して再生利用することが容易なドロー溶液を提供することが可能である。また、本発明によれば、低粘度でしかも高浸透圧なドロー溶液を提供することが可能である。
また本発明によれば、低エネルギーで処理水から水分を吸収できる正浸透水処理方法を提供することが可能である。
本発明のドロー溶液は、水分を含む溶液と半透膜を介して接触させるドロー溶液であって、前記ドロー溶液が前記〔1〕に記載の一般式(1)で示される水溶性液体化合物または前記一般式(1)で示される水溶性液体化合物と水からなる溶液である。
また、本発明のドロー溶液は、前記一般式(1)で示される水溶性液体化合物とジプロピレングリコール若しくはトリプロピレングリコール又は前記一般式(1)で示される水溶性液体化合物とジプロピレングリコール若しくはトリプロピレングリコールと水からなる溶液であっても良い。
そして、前記〔1〕に記載の一般式(1)で示される水溶性液体化合物は、温度20℃において任意の割合で純水と混和し、純水と緩やかにかき混ぜた場合に、流動がおさまった後も当該混合液が均一な外観を維持する。そして、前記水溶性液体化合物と水との混合物および前記一般式(1)で示される水溶性液体化合物とジプロピレングリコール若しくはトリプロピレングリコールと水との混合物は、下限臨界溶液温度を有する。
前記〔1〕に記載の一般式(1)で示される水溶性液体化合物は、前記一般式(1)において、R1、R2の少なくとも一方は水素原子であることが好ましい。
さらに好ましい前記一般式(1)で示される水溶性液体化合物としては、平均分子量400から1000のポリプロピレングリコールを例示することができる。
本発明のドロー溶液は、前記一般式(1)で示される水溶性液体化合物又は前記一般式(1)で示される水溶性液体化合物とジプロピレングリコール若しくはトリプロピレングリコール(以下、これらを「本発明の水溶性化合物」という場合がある。)を単独で用いることができるが、前記一般式(1)で示される水溶性液体化合物又は前記一般式(1)で示される水溶性液体化合物とジプロピレングリコール若しくはトリプロピレングリコールと水からなる水溶液として用いても良い。その場合、本発明の水溶性化合物と水の組成比は、前記供給溶液よりも高い浸透圧が達成できれば制限はないが、前記供給溶液からの給水量を多くするためには、また前記供給溶液の濃縮倍率を大きくするためには、本発明の水溶性化合物の組成比はできるだけ大きいほうが好ましい。通常は、ドロー溶液中に30%以上の本発明の水溶性化合物を含む必要がある。
本発明の正浸透水処理方法の手順について説明する。図1は、ドロー溶液として一般式(1)で示される水溶性液体化合物と水からなるドロー溶液を用いる場合の本発明の正浸透水処理方法の処理手順を示したフローチャート図である。
まず、一般式(1)で示される水溶性液体と水と混合しドロー溶液を調製する第一ステップ(S01)を実施する。なお、この第一ステップ(S01)は、ドロー溶液として一般式(1)で示される水溶性液体化合物と水からなるドロー溶液を用いる場合は省略することができる。次いで、ドロー溶液と供給溶液とを半透膜を介して接触させ、供給溶液の水分をドロー溶液に吸収させる第二ステップ(S02)を実施する。続いて、水分を吸収した希薄ドロー溶液を下限臨界溶液温度(LCST)より高い温度に加熱し、密度に応じて上層と下層に水溶性液体層と水層とに相分離させる第三ステップ(S03)を実施する。さらに続いて、下層または上層の水層を清澄水として回収し、同時に上層または下層の高濃度化した水溶性液体層を回収する第四ステップ(S04)を実施する。
第一ステップ(S01)では、水溶性液体と水分とを所定の組成比で混合しドロー溶液を調製する。水は使用せず水溶性液体をそのままドロー溶液とすることもできる。第一ステップはドロー液調製容器で行ってもよいし、後述のドロー液/水分離システム内で行ってもよい。またドロー溶質として水と任意の割合で混和する水溶性液体化合物を用いることで、高濃度ドロー溶液を調製することができる。
第二ステップ(S02)では、ドロー溶液と供給溶液とを半透膜を介して接触させさせることで、供給溶液中の水分をドロー溶液に吸収させる。
前記の供給溶液は、供給溶液中の水分を除去して他の成分を濃縮させる必要があるものであれば特に限定されないが、例示すると、海水、各種排水、嗜好飲料、果汁、有用物質含有希薄溶液などを挙げることができる。
また、前記半透膜としては、とくに限定はされず、通常は市販の半透膜を使用することができる。
前記の供給溶液は、供給溶液中の水分を除去して他の成分を濃縮させる必要があるものであれば特に限定されないが、例示すると、海水、各種排水、嗜好飲料、果汁、有用物質含有希薄溶液などを挙げることができる。
また、前記半透膜としては、とくに限定はされず、通常は市販の半透膜を使用することができる。
前記のようにドロー溶液は高浸透圧なので、供給溶液から効率良く水分を吸収することができる。浸透圧の低い供給溶液から浸透圧の高いドロー溶液への水分の吸収は正浸透という現象で自然に起こるので、第二ステップ(S02)では、供給溶液から低エネルギーで水分を吸収することができる。本発明の正浸透水処理方法を供給溶液濃縮の目的で使用する場合は、第二ステップで水分を吸収され濃縮された供給溶液が目的物となる。第二ステップは水分吸収システム内で実施される。
第三ステップ(S03)では、水分を吸収した希薄ドロー溶液を下限臨界溶液温度(LCST)より高い温度に加熱する。下限臨界溶液温度(LCST)より高い温度に加熱することで、希薄ドロー溶液は溶質である水溶性液体と水とに相分離する。水溶性液体の密度が1.00よりも小さい場合は、下層が水層、上層が水溶性液体層になり、水溶性液体の密度が1.00よりも大きい場合は、下層が水溶性液体層、上層が水層になる。第三ステップはドロー液/水分離システム内で実施される。
第四ステップ(S04)では、下層または上層の水層と上層または下層の高濃度水溶性液体層を分離する。ドロー溶質は液体なので、この分離には濾過システムは必要なく、分液により容易に分離を行うことができる。第四ステップで分離した高濃度水溶性液体はそのまま第一ステップ(S01)のドロー溶液として用いることができる。
第四ステップで分離した水層は清澄水として回収する。本発明の正浸透水処理方法で得られる清澄水には、ドロー溶質が混入している可能性があり、清澄水は用途に応じて更なる精製工程を経る。例えば蒸溜や逆浸透膜による純水の獲得である。本発明の清澄水の不純物はドロー溶質のみであり、供給溶液から直接蒸溜や逆浸透膜により純水の獲得する場合よりも装置への負荷が小さくなる。たとえば、蒸溜の際の不純物の混入が非常に小さい、装置の腐食がない、蒸溜残渣を生じない、逆浸透膜のファウリングや劣化が非常に小さい、などの利点がある。
図2は、本発明の正浸透水処理方法を実施するための装置の一例を示す模式図である。
[相分離実施例1]
平均分子量400のポリプロピレングリコール(n=6.6)10mlと純水10mlとを30mlのスクリュー管に入れ、20℃において手で振り混ぜ混合した。この混合液は流動がおさまった後も均一な外観を維持した。この混合液を加熱しながら外観の変化を観察した。混合溶液が均一な外観を示さなくなる下限臨界溶液温度は、50℃であった。60℃における水溶性液体層の体積率は55%、含水量は21%であった。
平均分子量400のポリプロピレングリコール(n=6.6)10mlと純水10mlとを30mlのスクリュー管に入れ、20℃において手で振り混ぜ混合した。この混合液は流動がおさまった後も均一な外観を維持した。この混合液を加熱しながら外観の変化を観察した。混合溶液が均一な外観を示さなくなる下限臨界溶液温度は、50℃であった。60℃における水溶性液体層の体積率は55%、含水量は21%であった。
[相分離実施例2]
平均分子量700のポリプロピレングリコール(n=11.7)10mlと純水10mlとを30mlのスクリュー管に入れ、20℃において手で振り混ぜ混合した。この混合液は流動がおさまった後も均一な外観を維持した。この混合液を加熱しながら外観の変化を観察した。混合溶液が均一な外観を示さなくなる下限臨界溶液温度は、40℃であった。60℃における水溶性液体層の体積率は61%、含水量は9%であった。
平均分子量700のポリプロピレングリコール(n=11.7)10mlと純水10mlとを30mlのスクリュー管に入れ、20℃において手で振り混ぜ混合した。この混合液は流動がおさまった後も均一な外観を維持した。この混合液を加熱しながら外観の変化を観察した。混合溶液が均一な外観を示さなくなる下限臨界溶液温度は、40℃であった。60℃における水溶性液体層の体積率は61%、含水量は9%であった。
[相分離実施例3]
平均分子量1000のポリプロピレングリコール10ml(n=16.9)と純水10mlとを30mlのスクリュー管に入れ、20℃において手で振り混ぜ混合した。この混合液は流動がおさまった後、均一な外観を維持せず相分離したが、4℃に冷却すると均一な外観を維持した。この混合液を加熱しながら外観の変化を観察した。混合溶液が均一な外観を示さなくなる下限臨界溶液温度は、10℃以下であった。
平均分子量1000のポリプロピレングリコール10ml(n=16.9)と純水10mlとを30mlのスクリュー管に入れ、20℃において手で振り混ぜ混合した。この混合液は流動がおさまった後、均一な外観を維持せず相分離したが、4℃に冷却すると均一な外観を維持した。この混合液を加熱しながら外観の変化を観察した。混合溶液が均一な外観を示さなくなる下限臨界溶液温度は、10℃以下であった。
[相分離実施例4]
トリプロピレングリコール5ml、平均分子量700のポリプロピレングリコール(n=11.7)5mlおよび純水10mlとを30mlのスクリュー管に入れ、20℃において手で振り混ぜ混合した。この混合液は流動がおさまった後も均一な外観を維持した。この混合液を加熱しながら外観の変化を観察した。80℃まで加熱したが均一な外観のままで混合溶液が均一な外観を示さなくなる下限臨界溶液温度は、50℃であった。60℃における水溶性液体層の体積率は37%、含水量は16%であった。
トリプロピレングリコール5ml、平均分子量700のポリプロピレングリコール(n=11.7)5mlおよび純水10mlとを30mlのスクリュー管に入れ、20℃において手で振り混ぜ混合した。この混合液は流動がおさまった後も均一な外観を維持した。この混合液を加熱しながら外観の変化を観察した。80℃まで加熱したが均一な外観のままで混合溶液が均一な外観を示さなくなる下限臨界溶液温度は、50℃であった。60℃における水溶性液体層の体積率は37%、含水量は16%であった。
[相分離実施例5]
ジプロピレングリコール10ml、平均分子量1000のポリプロピレングリコール(n=16.9)5mlおよび純水20mlとを50mlのスクリュー管に入れ、20℃において手で振り混ぜ混合した。この混合液は流動がおさまった後、均一な外観を維持せず相分離したが、4℃に冷却すると均一な外観を維持した。この混合液を加熱しながら外観の変化を観察した。混合溶液が均一な外観を示さなくなる下限臨界溶液温度は、10℃以下であった。
ジプロピレングリコール10ml、平均分子量1000のポリプロピレングリコール(n=16.9)5mlおよび純水20mlとを50mlのスクリュー管に入れ、20℃において手で振り混ぜ混合した。この混合液は流動がおさまった後、均一な外観を維持せず相分離したが、4℃に冷却すると均一な外観を維持した。この混合液を加熱しながら外観の変化を観察した。混合溶液が均一な外観を示さなくなる下限臨界溶液温度は、10℃以下であった。
[相分離比較例]
トリプロピレングリコール10mlと純水10mlとを30mlのスクリュー管に入れ、20℃において手で振り混ぜ混合した。この混合液は流動がおさまった後も均一な外観を維持した。この混合液を加熱しながら外観の変化を観察した。80℃まで昇温したが均一な外観のままで相分離しなかった。
トリプロピレングリコール10mlと純水10mlとを30mlのスクリュー管に入れ、20℃において手で振り混ぜ混合した。この混合液は流動がおさまった後も均一な外観を維持した。この混合液を加熱しながら外観の変化を観察した。80℃まで昇温したが均一な外観のままで相分離しなかった。
[吸水実施例1]
平均分子量400のポリプロピレングリコール(n=6.6)と純水との体積比70:30の混合溶液(計算浸透圧4.4MPa)50mlと3.5%食塩水(計算浸透圧2.9MPa)50mlとを、面積28cm2のホリアキ株式会社製 セロファンシート 『ラップインセロパック』を介して接触させ静置した。17時間後、平均分子量400のポリプロピレングリコール層は78mlに、食塩水層は22mlになった。
平均分子量400のポリプロピレングリコール(n=6.6)と純水との体積比70:30の混合溶液(計算浸透圧4.4MPa)50mlと3.5%食塩水(計算浸透圧2.9MPa)50mlとを、面積28cm2のホリアキ株式会社製 セロファンシート 『ラップインセロパック』を介して接触させ静置した。17時間後、平均分子量400のポリプロピレングリコール層は78mlに、食塩水層は22mlになった。
[吸水実施例2]
平均分子量400のポリプロピレングリコール(n=6.6)と純水との体積比50:50の混合溶液(計算浸透圧3.1MPa)35mlと3.5%食塩水(計算浸透圧2.9MPa)30mlとを、面積28cm2のホリアキ株式会社製 セロファンシート 『ラップインセロパック』を介して接触させ静置した。17時間後、平均分子量400のポリプロピレングリコール層は53mlに、食塩水層は8mlになった。
平均分子量400のポリプロピレングリコール(n=6.6)と純水との体積比50:50の混合溶液(計算浸透圧3.1MPa)35mlと3.5%食塩水(計算浸透圧2.9MPa)30mlとを、面積28cm2のホリアキ株式会社製 セロファンシート 『ラップインセロパック』を介して接触させ静置した。17時間後、平均分子量400のポリプロピレングリコール層は53mlに、食塩水層は8mlになった。
[吸水実施例3]
平均分子量400のポリプロピレングリコール(n=6.6)と純水との体積比30:70の混合溶液(計算浸透圧1.9MPa)35mlと3.5%食塩水(計算浸透圧2.9MPa)30mlとを、面積28cm2のホリアキ株式会社製 セロファンシート 『ラップインセロパック』を介して接触させ静置した。17時間後、平均分子量400のポリプロピレングリコール層は50mlに、食塩水層は11mlになった。
平均分子量400のポリプロピレングリコール(n=6.6)と純水との体積比30:70の混合溶液(計算浸透圧1.9MPa)35mlと3.5%食塩水(計算浸透圧2.9MPa)30mlとを、面積28cm2のホリアキ株式会社製 セロファンシート 『ラップインセロパック』を介して接触させ静置した。17時間後、平均分子量400のポリプロピレングリコール層は50mlに、食塩水層は11mlになった。
本発明のドロー溶液を用いた及び正浸透水処理方法は、海水または排水からの飲料水・工業用水または農業用水の回収、排水の体積低減、正浸透発電、嗜好飲料の濃縮、果汁の濃縮、有用物質含有希薄溶液の濃縮、などに用いられる。
Claims (6)
- 前記一般式(1)で示される水溶性液体化合物とジプロピレングリコール若しくはトリプロピレングリコール又は前記一般式(1)で示される水溶性液体化合物とジプロピレングリコール若しくはトリプロピレングリコールと水からなることを特徴とするドロー溶液。
- 前記一般式(1)において、R1、R2の少なくとも一方は水素原子であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のドロー溶液。
- 前記一般式(1)の水溶性液体化合物が、平均分子量400から1000のポリプロピレングリコールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のドロー溶液。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のドロー溶液と、水分を含む供給溶液とを半透膜を介して接触させることで、供給溶液中の水分をドロー溶液に吸収させることを特徴とする正浸透水処理方法。
- 供給溶液から水分を吸収した希薄ドロー溶液を下限臨界溶液温度より高い温度に加熱することで相分離させ、液体‐液体の分液により水分を分離しドロー溶液を高濃度化して再生することを特徴とする請求項5に記載の正浸透水処理方法。
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