JP2017035643A - 微粒子分散方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微粒子の破壊を抑制し、微粒子を液体中に均一に分散する方法を提供することを目的とする。【解決手段】微粒子が凝集した凝集体と気泡とが液体に混合された混合液を分散流路部3に通過させて、微粒子が液体中に分散した分散液を得る微粒子分散方法であって、分散流路部3は、混合液が内部を通過する管状の部位であって、出口の断面積が入口の断面積よりも小さい部位である縮小部位(NA1〜NA4)を有し、混合液を縮小部位に通過させる縮小部位通過ステップを実行し、縮小部位通過ステップによって気泡が膨張することで凝集体の凝集を解除して微粒子を液体に分散させる。【選択図】図3

Description

本発明は、微粒子が凝集した凝集体と気泡とが液体に混合された混合液を分散流路部に通過させて、微粒子が液体中に分散した分散液を得る微粒子分散方法に関する。
液体同士の混合、固体と液体の混合などの混合過程は、様々な分野で用いられている。混合はその過程で含まれる相 (固相、液相、気相) によって、液体同士の混合である液液系混合、液体の連続相内に気泡を分散させる気液系混合、固体粒子を液体中に分散させる固液系混合などに分類される。近年では、機能性粒子と溶液の固液系混合による新たな機能性複合材料の開発の他、工業分野、医療分野、食品分野など様々な分野で固液系混合の利用が広がっている。
工業分野では、リチウムイオン二次電池の正極材の製造工程で固液系混合が利用される。例えばリチウムイオン二次電池の正極材には、コバルト酸リチウムなどの粉体とバインダー溶液の混合物が利用される。この両者の混合が不均一になると、電池の性能や寿命に悪影響を与える。このため、粒子をより均一に混合することが求められる。
医療分野では、医薬品の製造における製剤工程などで固液系混合が利用される。製剤工程では、主薬と呼ばれる薬効のある粉体と、主薬の薬効をうまく引き出すために添加する水やエタノールなどの液体が混合される。この固液系混合において、主薬が不均一に分布すると、薬効のばらつきなどの問題が発生する。このため、製剤工程では主薬を均一に分布させる混合技術が必要不可欠である。
食品分野では、様々な食品の製造工程で固液系混合が利用される。例えばパン生地は、穀物や豆から作られた穀粉と水などの液体を混合して製造される。この混合工程において、穀粉が液体中でより均一に混合できれば、より均質なパン生地が製造できる。以上のように、いずれの分野においても固液系混合が製品の性能や品質を左右する重要な工程となっている。
固液系混合、すなわち微粒子と液体の混合に使用される装置には様々な種類があり、用途によって使い分けられる。代表的な混合装置として、容器回転式、機械攪拌式、流動攪拌式が挙げられる。
容器回転式の混合装置は、円錐形、円筒形などの容器が外部の駆動装置により回転・振動・揺動され、容器内の微粒子および液体が対流・攪拌され混合される形式である。例えば特許文献1に記載された混合攪拌装置は、混合する対象物を収容するための円筒状の容器と、容器をその円筒軸を中心に回転自在に支持する回転台座であって、円筒軸に略直交する軸を中心に回転する台座と、容器をその円筒軸を中心に回転させる手段とを有し、容器が円筒軸と円筒軸に略直交する軸との周りに回転され、混合が行われる。
機械攪拌式の混合装置は、混合容器は固定され、容器内に設置したスクリューなどの攪拌羽根の回転により、容器内の微粒子および液体が攪拌・混合される形式である。例えば特許文献2に記載された混合装置では、混合槽に液体と粉体を投入し、混合槽内の液体中に挿入したプロペラミキサーの攪拌羽根を回転させて液体と粉体とが混合される。
流動攪拌式の混合装置は、容器に空気を吹き込むことにより旋回流・ジェット流などを誘起し、粒子および溶液を対流で分散・混合する形式である。例えば特許文献3に記載された装置では、容器の底に近接して圧縮空気インレット手段が配置され、所定のパルス状の量および繰り返しで空気インレットの開口を通して圧縮空気が導入され、容器内の液体および他の材料が空気誘起でブレンドおよび混合される。
登録実用新案第3190993号公報 特開2004−283732号公報 特表昭61−501081号公報
上述したいずれの混合装置においても、外部から力を加えることにより大規模な流動を発生させ、発生するせん断応力を利用して微粒子と溶液とを混合している。そうすると、せん断応力は攪拌羽根や容器内壁の近傍など一部の領域に集中的に発生するので、凝集した微粒子が十分に分散されず液体中に残留する場合があった。また、せん断応力が過大になり、微粒子を砕いてしまう場合があった。そこで本発明は、微粒子の破壊を抑制し、微粒子を液体中に均一に分散する方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る微粒子分散方法の特徴構成は、微粒子が凝集した凝集体と気泡とが液体に混合された混合液を分散流路部に通過させて、前記微粒子が前記液体中に分散した分散液を得る微粒子分散方法であって、
前記分散流路部は、前記混合液が内部を通過する管状の部位であって、出口の断面積が入口の断面積よりも小さい部位である縮小部位を有し、
前記混合液を前記縮小部位に通過させる縮小部位通過ステップを実行し、前記縮小部位通過ステップによって前記気泡が膨張することで前記凝集体の凝集を解除して前記微粒子を前記液体に分散させる点にある。
これらの特徴構成によれば、縮小部位通過ステップにおいて、混合液が縮小部位を通過する。縮小部位は、出口の断面積が入口の断面積よりも小さい部位であるから、出口における混合液の流速が入口に比べて大きくなる。そうすると、出口における混合液の圧力が入口に比べて小さくなるので、混合液の中の気泡が膨張する。気泡の膨張により、気泡の周囲の液体は押しのけられて、気泡の周囲に複雑な流れが誘起される。この湧き出し流により、混合液の内部において凝集体の凝集解除および微粒子と液体との混合が促進される。したがって、微粒子を液体中に均一に分散することができる。また、攪拌羽根などの固体が凝集体に触れることが抑制されるため、微粒子の破壊を抑制することができる。
上記目的を達成するための本発明に係る微粒子分散方法の特徴構成は、微粒子が凝集した凝集体と気泡とが液体に混合された混合液を分散流路部に通過させて、前記微粒子が前記液体中に分散した分散液を得る微粒子分散方法であって、
前記分散流路部は、前記混合液が内部を通過する管状の部位であって、出口の断面積が入口の断面積よりも大きい部位である拡大部位を有し、
前記混合液を前記拡大部位に通過させる拡大部位通過ステップを実行し、前記拡大部位通過ステップによって前記気泡が収縮することで前記凝集体の凝集を解除して前記微粒子を前記液体に分散させる点にある。
上記の特徴構成によれば、拡大部位通過ステップにおいて、混合液が拡大部位を通過する。拡大部位は、出口の断面積が入口の断面積よりも大きい部位であるから、出口における混合液の流速が入口に比べて小さくなる。そうすると、出口における混合液の圧力が入口に比べて大きくなるので、混合液の中の気泡が収縮する。気泡の収縮により、気泡の周囲の液体が気泡に向けて流れ込み、気泡の周囲に複雑な流れが誘起される。この気泡へ向けての吸込み流により、混合液の内部において凝集体の凝集解除および微粒子と液体との混合が促進される。したがって、微粒子を液体中に均一に分散することができる。また、攪拌羽根などの固体が凝集体に触れることが抑制されるため、微粒子の破壊を抑制することができる。
本発明に係る微粒子分散方法の別の特徴構成は、前記縮小部位通過ステップを実行した後に前記拡大部位通過ステップを実行する縮小拡大ステップを実行する点にある。
上記の特徴構成によれば、縮小部位通過ステップを実行した後に拡大部位通過ステップを実行するから、気泡は膨張の後に収縮することになる。そうすると気泡の周囲では、上述の湧き出し流が生じた後に気泡への吸込み流が生じるから、より複雑な液体の流れが生じることになる。したがって、微粒子を液体中にさらに均一に分散することができる。
本発明に係る微粒子分散方法の別の特徴構成は、
前記分散流路部は、前記縮小部位の下流側に前記拡大部位が配置されて構成される縮小拡大部位を有し、
前記縮小拡大ステップを複数回繰り返して実行する点にある。
上記の特徴構成によれば、混合液が分散流路部の縮小拡大部位を通過することで縮小拡大ステップが行われ、縮小拡大ステップが複数回繰り返して実行されるので、混合液にて上述の湧き出し流と吸込み流が複数回繰り返して生じることになる。これにより、混合液にて複雑な液体の流れが何度も繰り返して生じ、微粒子を液体中にさらに均一に分散することができる。
本発明に係る微粒子分散方法の別の特徴構成は、前記縮小部位通過ステップにおいて前記混合液の圧力低下による減圧沸騰が発生する点にある。
減圧沸騰とは、液体の圧力が低下して液体の飽和蒸気圧を下回った際に液体の内部において気化が発生する現象である。縮小部位通過ステップにおいて減圧沸騰が発生すると、混合液中の気泡が増加する。そうすると縮小部位通過ステップまたは拡大部位通過ステップにおいて、湧き出し流または吸込み流がさらに多く発生することになる。また、液体の気化により気泡が大きく膨張するので、大きな湧き出し流が発生することになる。さらに、液体中に微粒子がある場合、微粒子が核となって減圧沸騰の気泡の発生が促進される。
すると微粒子が凝集した凝集体が液体中にある場合では、凝集体の内部で気泡が発生することになる。そうすると、凝集体は内部から力を受け、凝集が解除されて微粒子が液体中に分散される。すなわち上記の特徴構成によれば、減圧沸騰によって微粒子と液体との混合がさらに促進されることとなる。なお縮小部位通過ステップにおける減圧沸騰は、適当な流速にて混合液を縮小部位に通過させることにより、縮小部位の出口にて混合液の圧力が低下することにより生じる。
本発明に係る微粒子分散方法の別の特徴構成は、前記縮小部位の出口を通過する前記混合液の流速を、前記縮小部位の出口を通過する際の前記混合液の圧力が前記液体の飽和蒸気圧と等しくなる流速である閾値流速と比べて大きくなる状態にて、前記縮小部位通過ステップを実行する点にある。
上記の特徴構成によれば、縮小部位通過ステップにおいて、縮小部位の出口を通過する混合液の流速が閾値流速と比べて大きくなるから、混合液の圧力が液体の飽和蒸気圧よりも小さくなる。そうすると、混合液で減圧沸騰が発生し、液体中や凝集体内部で気泡が発生する。よって縮小部位通過ステップまたは拡大部位通過ステップにおいて、湧き出し流または吸込み流がさらに多く発生する。また、液体の気化により気泡が大きく膨張し、大きな湧き出し流が発生するとともに拡大部において気化した液体分子の凝縮により気泡が大きく収縮し、大きな吸い込み流れが発生することになる。さらに、凝集体内部での気泡発生により凝集体が内部から力を受け、凝集が解除されて微粒子が液体中に分散される。従って、微粒子と液体との混合がさらに促進されることとなる。
本発明に係る微粒子分散方法の別の特徴構成は、前記拡大部位は、前記混合液の流れの内壁からの剥離が生じない形状とされている点にある。
拡大部位において、混合液の流れの内壁からの剥離が生じると、剥離が生じない場合に比べて混合液の流れの実質的な拡大が抑制される。そうすると、混合液の流速の低下が抑制されて、圧力の上昇も抑制されてしまう。したがって、拡大部位における気泡の収縮が抑制されてしまうことになる。上記の特徴構成は、拡大部位は混合液の流れの剥離が生じない形状とされているから、気泡の収縮を抑制しないので、気泡の収縮により微粒子の分散を行うに際して好適である。
以上の通り本発明によれば、微粒子の破壊を抑制しつつ、微粒子を液体中に均一に分散する方法を提供することができる。
微粒子分散装置の概略図 分散流路部の正面図および側面図 分散流路部を通過する気泡の状態を示す概略図 気泡の膨張・収縮の状態を示す概念図 気泡の膨張・収縮の状態を示す概念図 凝集体内部での気泡発生により凝集が解除される状態を示す概念図 円錐ディフューザの内壁の形状を示す概略図 円錐ディフューザのディフューザ線図 拡大部位の内壁の形状を示す概略図 微粒子分散装置におけるポンプ回転数と流速および圧力との関係を示すグラフ 分散流路部を通過する気泡の膨張および収縮の様子を示す写真 分散流路部を通過する気泡の膨張および収縮の様子を示す写真 分散流路部を通過する気泡の膨張および収縮の様子を示す写真 分散流路部を通過する気泡の膨張および収縮の割合を示すグラフ 微粒子分散方法により凝集解除された凝集体の状態を示す写真 分散流路部を通過する凝集体の様子を示す写真
<微粒子分散装置>
微粒子分散方法の説明に先立ち、微粒子分散方法が実行される微粒子分散装置について図面に基づいて説明する。
図1に示す微粒子分散装置Eは、タンク1と、供給流路部2と、分散流路部3と、排出流路部4とを有する。分散流路部3の一方の端とタンク1とが供給流路部2により接続され、分散流路部3の他方の端とタンク1とが排出流路部4により接続されている。排出流路部4にはポンプ5が設けられている。ポンプ5は液体LI(混合液MI)を分散流路部3からタンク1に向けて送出し、この作用により液体LI(混合液MI)が微粒子分散装置Eの内部をタンク1、供給流路部2、分散流路部3、排出流路部4の順に流れて循環する。
供給流路部2は、バルブ6と、圧力計7と、気泡混合部8とを有する。バルブ6は、分散流路部3を流れる混合液MIの流量を調節する。圧力計7は、分散流路部3に流入する混合液MIの圧力を測定する。気泡混合部8は、供給流路部2を流れる混合液MIに気泡BUを混合する。気泡混合部8は具体的には、一端が大気に開放され、一端が供給流路部2に接続されたバルブにより構成されている。
微粒子PAが凝集した凝集体AGが、タンク1に貯留された液体LIに混合され、ポンプ5が運転され、混合液MIが微粒子分散装置Eを循環する。気泡混合部8によって、あるいは混合液MIの内部で生じた減圧沸騰によって、混合液MIに気泡BUが混合される。このようにして、微粒子PAが凝集した凝集体AGと気泡BUとが液体LIに混合された混合液MIを分散流路部3に通過させて、微粒子分散方法が実行される。
<分散流路部>
図2を用いて分散流路部3について説明する。分散流路部3は上壁面31a、下壁面31b、側壁面31cおよび31dを有している。そして上壁面31a、下壁面31b、側壁面31cおよび31dに囲まれて、混合液MIの流路FPが形成されている。側壁面31cおよび31dは互いに平行な平面として形成され、かつ混合液MIの流れる方向に平行な平面となっている。側壁面31cと31dとの間の距離をl3と表す。そして上壁面31aと下壁面31bは、それぞれ側壁面31cおよび31dに対して垂直に形成されている。従って、流路FPの断面は矩形状、厳密には長方形となっている。
本実施形態では、混合液MIの流れる方向が水平方向に一致し、かつ側壁面31cおよび31dが鉛直方向に平行となるように、分散流路部3が配置されている。なお以下、混合液MIの流れる方向(すなわち水平方向)を+X方向、鉛直上方向を+Y向、+X方向および+Y方向に垂直で側壁面31cから側壁面31dへ向かう方向を+Z方向として説明する。分散流路部3において混合液MIは+X方向に流れるから、以下、+X方向を下流側、−X方向を上流側ということがある。
上壁面31aおよび下壁面31bはいずれも、側壁面31cおよび31dに対して垂直、かつ、混合液MIの流れる方向に沿って延びる面として形成されている。上壁面31aおよび下壁面31bの+Z方向視での形状は、正弦曲線となっている。そして上壁面31aおよび下壁面31bの正弦曲線の波長および周期は同一である。上壁面31aと下壁面31bとは、正弦曲線の位相を180°異ならせた状態で、互いに平行に、所定の間隔を空けて形成されている。
つまり図2に示される様に、上壁面31aの山(+Y方向の最大変位点)と下壁面31bの谷(−Y方向の最大変位点)とがX方向に関して同じ位置にある。この位置において上壁面31aと下壁面31bとの距離は最大となる。この距離をl1と表す。そして上壁面31aの谷と下壁面31bの山とがX方向に関して同じ位置にある。この位置において上壁面31aと下壁面31bとの距離は最少となる。この距離をl2と表す。すなわち上壁面31aと下壁面31bとは、山と谷、谷と山とが向き合って配置される。
ここで上壁面31aの山および谷を通りX方向に垂直な平面で、流路FPを区画する。
その境界を、上流側から順に境界32a、32b、32c、32d、32e、32f、32g、32h、32iとする。つまり境界32a〜32iのX方向の位置は、上壁面31aの9個の山・谷と同じ位置である。境界32aから境界32bにかけて、上壁面31aと下壁面31bとの距離は単調に減少するから、流路FPの断面積は単調に減少する。よって境界32bの断面積は、境界32aの断面積よりも小さい。分散流路部3における境界32aから境界32bまでの部位を、縮小部位NA1と定義する。縮小部位NA1は、混合液MIが内部を通過する管状の部位であって、出口(境界32b)の断面積が入口(境界32a)の断面積よりも小さい部位である。縮小部位NA1において、流路FPの断面積は単調に減少している。
境界32bから境界32cにかけて、上壁面31aと下壁面31bとの距離は単調に増加するから、流路FPの断面積は単調に増加する。よって境界32cの断面積は、境界32bの断面積よりも大きい。分散流路部3における境界32bから境界32cまでの部位を、拡大部位BR1と定義する。拡大部位BR1は、混合液MIが内部を通過する管状の部位であって、出口(境界32c)の断面積が入口(境界32b)の断面積よりも大きい部位である。拡大部位BR1において、流路FPの断面積は単調に増加している。
以下同様に分散流路部3において、境界32cから境界32dまでの部位を縮小部位NA2と定義し、境界32dから境界32eまでの部位を拡大部位BR2と定義する。境界32eから境界32fまでの部位を縮小部位NA3と定義し、境界32fから境界32gまでの部位を拡大部位BR3と定義する。境界32gから境界32hまでの部位を縮小部位NA4と定義し、境界32hから境界32iまでの部位を拡大部位BR4と定義する。縮小部位NA2〜NA4では、流路FPの断面積は単調に減少し、出口の断面積は入口の断面積よりも小さい。拡大部位BR2〜BR4では、流路FPの断面積は単調に増加し、出口の断面積は入口の断面積よりも大きい。
ここで縮小部位NA1の下流側には、拡大部位BR1が配置され、もって縮小拡大部位CO1を構成している。同様に、縮小部位NA2、3、4の下流側には、それぞれ拡大部位BR2、3、4が配置され、もって縮小拡大部位CO2、3、4を構成している。
以上述べた通り図2に示す分散流路部3は、混合液MIが内部を通過する管状の部位であって、出口の断面積が入口の断面積よりも小さい部位である縮小部位NA1〜4を有し、出口の断面積が入口の断面積よりも大きい部位である拡大部位BR1〜4を有している。そして分散流路部3は、縮小部位の下流側に拡大部位が配置されて構成される縮小拡大部位CO1〜4を有している。
<微粒子分散方法>
次に図3を用いて、上述した微粒子分散装置Eで実行される微粒子分散方法について説明する。微粒子分散装置Eに液体LIを満たし、タンク1に微粒子PAが凝集した凝集体AGを投入する。ポンプ5を動作させると、液体LIおよび凝集体AGが微粒子分散装置Eの内部をタンク1、供給流路部2、分散流路部3、排出流路部4の順に流れる。
そして気泡混合部8のバルブを僅かに開き、供給流路部2を流れる液体LIに気泡を混合する。そうすると、凝集体AGと気泡BUとが液体LIに混合された混合液MIが分散流路部3に導入される。
分散流路部3に導入された混合液MIは、縮小部位NA1、拡大部位BR1、縮小部位NA2、拡大部位BR2、縮小部位NA3、拡大部位BR3、縮小部位NA4、拡大部位BR4を、この順に通過する。そして分散流路部3を通過した混合液MIは、排出流路部4を通ってタンク1へと戻る。このようにして混合液MIは、ポンプ5が動作している間、繰り返し分散流路部3を通過する。
ここで分散流路部3における混合液MIの流速u、および混合液MIの圧力Pの変化について説明する。混合液MIを非圧縮性流体とみなすと、質量保存則より次の関係が成立する。

従って分散流路部3において、断面積Sの大きい領域では流速uが小さくなり、断面積Sの小さい領域では流速uが大きくなる。なお、Qは体積流量であり、一定である。
次に、分散流路部3において、混合液MIの流線に沿って以下の関係が成り立つ(ベルヌーイの式)。なお、摩擦等による損失を無視している。

ここでρは混合液MIの密度であり、定数である。式1と式2から次式が得られる。

すなわち分散流路部3において、断面積Sが大きい領域では流速uが小さく、圧力Pが大きくなり、断面積Sが小さい領域では流速uが大きく、圧力Pが小さくなる。そうすると、混合液MIに混合されて分散流路部3を流れる気泡BUは、混合液MIの圧力Pの変化の影響を受け、膨張・収縮し、直径(気泡径d)が変化することになる。
図3に、分散流路部3の断面積S、混合液MIの流速uおよび圧力P、気泡BUの直径である気泡径dの、X方向に関しての変化の概要がグラフで示されている。断面積Sが減少する縮小部位NA1〜NA4では、流速uが増加し、圧力Pが減少するので、気泡径dが増加すなわち気泡BUが膨張する。断面積Sが増加する拡大部位BR1〜BR4では、流速uが減少し、圧力Pが増加するので、気泡径dが減少すなわち気泡BUが収縮する。
図4に示すように、縮小部位NA1〜NA4にて気泡BUが膨張すると、気泡BUの周囲の液体LIが気泡BUにより押しのけられる。これにより、気泡BUの中心から外側へ向けて液体LIが流れる湧き出し流が発生する。また拡大部位BR1〜BR4にて気泡BUが収縮すると、収縮前に気泡BUが占めていた空間に液体LIが流れ込む。これにより、気泡BUの中心へ向けて液体LIが吸い込まれる吸込み流が発生する。そして混合液MIが分散流路部3を通過し、さらに微粒子分散装置Eの内部を複数回循環することで、上述した湧き出し・吸い込みが繰り返して行われる。
混合液MIに複数の気泡BUが存在すると、縮小部位NA1〜NA4にて気泡BUが膨張する際には、それぞれの気泡BUから湧き出し流が生じる(図5左側)。また拡大部位BR1〜BR4にて気泡BUが収縮する際には、それぞれの気泡BUから吸い込み流が生じる(図5右側)。このような場合、複数の気泡BUからの湧き出し流・吸い込み流が合わさって、さらに大きな強い流れとなる。また複数の気泡BUに囲まれた気泡BUでは、他の気泡BUからの湧き出し流・吸い込み流の影響を受けて、液体LIが微細な渦をえがくように流れる場合がありうる。さらには、液体LIの流れに乗って凝集体AG同士が衝突したり、一つの凝集体AGが複数の気泡BUへの吸い込み流に引かれて解砕する場合もありうる。このようにして、複数の気泡BUが混合された混合液MIが分散流路部3を通過することにより、気泡BUと同程度の大きさの複雑な流れが液体LIに誘起され、凝集体AGの解砕、および微粒子PAと液体LIとのマイクロスケールの混合が行われる。
微粒子PAが凝集した凝集体AGを液体LIに混合した場合、凝集体AGの内部に気泡BUが存在しうる。また後述する減圧沸騰が発生した場合、微粒子PAを核として気泡BUが成長する可能性が高い。この場合にも、凝集体AGの内部に気泡BUが発生・存在することになる。この場合の凝集体AGの解砕、および微粒子PAと液体LIとの混合について図6を用いて説明する。
図6の(1)は、凝集体AGの内部に気泡BUが存在する状態を模式的に示している。この状態で凝集体AGが縮小部位NA1を通過すると、凝集体AGの内部に存在する気泡BUが膨張する。そうすると、微粒子PAは湧き出し流によって凝集体AGの外側に向けて力を受けるから、凝集力の弱い部位から凝集体AGの解砕が生じる(図6(2))。
凝集体AGと気泡BUが拡大部位BR1を通過すると、今度は気泡BUが収縮し、気泡BUの中心へ向かう吸い込み流が生じる。すると、気泡BUの周囲の微粒子PAは気泡BUの中心へ向かう力を受け、凝集体AGの解砕がさらに進行し、微粒子PAが液体LIに分散する(図6(3))。以後同様に、気泡BUが縮小部位NA2、3を通過する際には気泡BUが膨張し(図6(4)、(6))、気泡BUが拡大部位BR2、3を通過する際には気泡BUが収縮する(図6(5)、(7))。微粒子PAが強固に凝集している場合であっても、気泡BUが膨張・収縮を繰り返すと、気泡BUの表面すなわち気液界面が凝集体AGを繰り返し横切る。これにより凝集体AGがほぐされ、微粒子PAが液体LIに分散する。
以上述べた通り、微粒子分散装置Eにて実行される微粒子分散方法では、微粒子PAが凝集した凝集体AGと気泡BUとが液体LIに混合された混合液MIを分散流路部3に通過させて、微粒子PAが液体LI中に分散した分散液を得る。微粒子分散方法では、混合液MIを縮小部位NA1〜NA4に通過させる縮小部位通過ステップが実行される。縮小部位通過ステップでは、気泡BUが膨張することで凝集体AGの凝集を解除して微粒子PAを液体に分散させる。
また微粒子分散方法では、混合液MIを拡大部位BR1〜BR4に通過させる拡大部位通過ステップが実行される。拡大部位通過ステップでは、気泡BUが収縮することで凝集体AGの凝集を解除して微粒子を液体に分散させる。
加えて上述の微粒子分散方法では、縮小部位通過ステップを実行した後に拡大部位通過ステップが実行され(縮小拡大ステップ)、縮小拡大ステップが複数回繰り返して実行される。
なお上述の微粒子分散方法では、縮小部位通過ステップにおいて混合液MIの圧力低下による減圧沸騰を発生させる場合がある。減圧沸騰は、縮小部位NA1〜NA4の出口を通過する混合液MIの流速uを、縮小部位NA1〜NA4の出口を通過する際の混合液の圧力Pが液体LIの飽和蒸気圧Pvと等しくなる流速である閾値流速uvと比べて大きくすることにより発生する。
減圧沸騰は、液体の圧力が低下して液体の飽和蒸気圧を下回った際に発生する。以下、縮小部位NA4の出口である境界32hにて減圧沸騰が発生する条件を例として説明する。
境界32hおける混合液MIの圧力をP、流速をuとする。上掲した式2の右辺の定数をPTとおいて式2を変形すると、次の式3が得られる。

減圧沸騰を発生させるためには、P<Pv(飽和蒸気圧)となればよい。したがって、次の式5が満たされるとき、減圧沸騰が発生する。

ここでPTは、混合液MIの流線に沿った任意の位置で一定の値をとるが(ベルヌーイの定理)、例えば分散流路部3の入口である境界32aにおける混合液MIの圧力P0、流速u0を用いて次式で計算できる。

また閾値流速uvは、式4において圧力P=Pvとなる流速uであるから、次式により計算できる。

以上の関係から、ポンプ5を制御して分散流路部3に流入する混合液MIの圧力と流速を制御することにより、縮小部位NA1〜NA4にて減圧沸騰を発生させることができる。
なお拡大部位BR1〜BR4は、混合液MIの流れの内壁(上壁面31aおよび下壁面31b)からの剥離が生じない形状とされている。剥離が生じない形状は、例えば次の様にして決定することができる。
図7に示す一般的な円錐ディフューザについて、流れの内壁からの剥離が生じない条件は、図8に示すディフューザ線図を用いて求めることができる。図8のディフューザ線図において、Cp **線より右側の領域では、剥離が生じず流れが安定する。すなわち、Cp **線より右側の領域に位置するように2l3/l2(以下、nとおく。)およびS1/S2の値(断面積の面積比)を決定すれば、剥離が生じない。この時のディフューザ内壁の傾きθの正接は、図7から次の様に表すことができる。

上掲の議論を適用して、拡大部位BR1〜BR4における内壁(上壁面31aおよび下壁面31b)の傾きが式8のtanθ以下であれば、混合液MIの流れの剥離は生じないと考えられる。
図9に示す拡大部位BR1〜BR4の内壁の形状において、傾きが式8のtanθ以下となる条件は、次の様に求められる。拡大部位BR1〜BR4の内壁の形状を表す関数y(x)を、a、bを定数として次の様におく。

この関数の最大の傾きはx=π/2bで発生するから、その傾きが式8で表される角度以内となればよい。すなわち、以下の関係が成り立てばよい。

式9、式10より、bが以下のように求まる。
したがって、拡大部位BR1〜BR4の内壁の形状を表す関数y(x)は次の様に表すことができる。

以上の様にして、2l3/l2およびS1/S2の値を適切に決定し、それに基づいて混合液MIの内壁(上壁面31aおよび下壁面31b)の形状を決定することで、拡大部位BR1〜BR4を、内壁からの流れの剥離が生じない形状とすることができる。
<気泡の膨張収縮実験>
上述の微粒子分散装置Eを用いて、気泡の膨張および収縮を確認する実験を行った。混合液MIには微粒子PAは混合せず、液体LIとして水道水を用いて実験を行った。実験に用いた微粒子分散装置Eの寸法等を表1に示す。
まず予備実験として、ポンプの回転数Nとの分散流路部3の入口における混合液MIの流速u0および圧力P0の関係を調べて、図10に示す関係が得られた。ポンプ5の回転数Nを増加させると、流速u0が増加し、圧力P0が低下する。回転数N=45Hz以降は、回転数Nが増加しても流速u0および圧力P0はほぼ一定となる。
高速度カメラにて境界32h(縮小部位NA4の出口、拡大部位BR4の入口)付近の状態を観察したところ、回転数Nを増加させると、N=45Hz付近で減圧沸騰が発生した。回転数Nの増加に伴い、減圧沸騰により発生する気泡の数と大きさが増加した。
次に、気泡混合部8で気泡を混合しながら、回転数N=30Hz、44Hz、48Hzの3条件にてポンプ5を運転させ、境界32h付近での気泡の様子を撮影した。撮影した画像を図11〜図13に示す。そして撮影した画像を画像処理して気泡の直径を算出し、供給流路部2の流路FPにおける位置と気泡の直径との関係を調べた。その結果を図14に示す。また実験条件を次の表2に示す。
図11に、回転数N=30Hzでの気泡の状態を示す。画像中点線の丸は、流路FPを通過する同一の気泡を示している。(1)で画像の左端にある気泡は、画像中央の断面積が小さい部位(境界32h)に向かうにつれて膨張した((2)、(3))。そして境界32hを通過した後、気泡は収縮した((4)、(5))。後述する図14に示される通り、気泡の直径は1.2倍程度変化した。
図12に、回転数N=44Hzでの気泡の状態を示す。回転数N=30Hzでの結果と同様に、気泡は境界32hに向かうにつれて膨張し((1)、(2)、(3))、境界32hを通過した後収縮した((4)、(5))。後述する図14に示される通り、気泡の直径は1.5倍程度変化した。
図13に、回転数N=48Hzでの気泡の状態を示す。回転数N=30Hzおよび44Hzでの結果と同様に、気泡は境界32hに向かうにつれて膨張したが((1)、(2)、(3))、境界32hを通過した後の(4)では、(3)よりも気泡は大きくなった。上述したように回転数N=48Hzは減圧沸騰が発生する条件である。この減圧沸騰により生じた気体(水蒸気)が気泡に加わることで、(4)の気泡が大きくなったと考えられる。(5)では、(4)より気泡は収縮している。なお境界32hの下流側には、点線の丸で示した気泡の他にも大きく膨張した気泡が複数見られる。後述する図14に示される通り、本条件では、点線の丸で示した気泡の直径は6.5倍も変化した。
図14は、上述した回転数N=30Hz、44Hz、48Hzの3条件における気泡の直径の変化を、横軸を流路FPにおける位置にとってプロットしたグラフである。横軸Lは境界32aからの距離であり、0.63mが境界32hに対応する。なお縦軸は、流路FPでの各位置における気泡径dを、撮影領域左端での気泡径d0で除して無次元化している。30Hzおよび44Hzでは、気泡はL=0.63m付近を頂点として膨張・収縮した。48Hzでは、気泡径のピークはL=0.63mよりも若干下流側となった。これは、減圧沸騰により生じた気体(水蒸気)が気泡に加わった点が影響していると考えられる。
以上の実験から、縮小部位通過ステップにおいて気泡が膨張すること、拡大部位通過ステップにおいて気泡が収縮すること、縮小部位通過ステップにおいて減圧沸騰が発生することが確かめられた。
<微粒子の混合・凝集体の解砕実験>
次に、微粒子分散方法による微粒子PAの混合・凝集体AGの解砕の実験を行った。微粒子PAおよび凝集体AGとして、カーボンナノチューブを使用し、液体LIとして水道水を使用した。
まず、微粒子分散装置Eのポンプ5を停止させた状態でタンク1へカーボンナノチューブを投入し、手動でかき混ぜた後、タンク1から凝集体AGを採取してN=0Hzのサンプルとした。次に、回転数N=44Hzと48Hzの2つの条件にてポンプ5を10分間運転して停止した。それぞれの運転の後、タンク1から凝集体AGを採取してN=44Hz、48Hzのサンプルとした。その他の運転条件は、表2に示される先の実験の条件と同様である。図15に3つのサンプルの顕微鏡写真を示す。
N=0Hzのサンプルでは、500〜1000μm程度のカーボンナノチューブの凝集体が、さらに複数個連結された状態となっている。これに対して、N=44Hzのサンプルでは、N=0Hzで見られた凝集体の間の連結は解消され、凝集体同士が幾分分離している。また、凝集体の大きさがN=0Hzに比べて若干小さくなっており、500μm以下の大きさの凝集体も多数見られる。N=48Hzのサンプルでは、1000μmを超える凝集体は殆ど見られず、N=44Hzのサンプルと比べて凝集体が明らかに小さくなっている。
図16は、回転数N=48Hzでポンプ5を運転中、境界32h付近を通過する凝集体を高速度カメラで撮影した画像である。画像中点線の丸は、流路FPを通過する同一の凝集体を示している。(1)で画像の左端にある凝集体は、境界32hを通過した後の(4)では大きく膨らんだように見える。そして(5)に示される凝集体は、(1)の凝集体よりも小さくなっている。回転数N=48Hzは減圧沸騰が発生する条件であるから、(4)にて凝集体の内部に減圧沸騰による気泡が発生し、点線の丸で示す凝集体の一部が解砕されたものと考えられる。
以上の実験から、縮小部位通過ステップおよび拡大部位通過ステップを実行することにより、凝集体の凝集を解除して微粒子が液体に分散されることが確かめられた。
<他の実施形態>
(1)上述の実施形態では、上壁面31aおよび下壁面31bの形状を正弦曲線としたが、他の曲線としてもよいし、各境界の間の区間で直線としてもよい。
(2)上述の実施形態では分散流路部3は、断面の形状を矩形とし、角筒の幅が周期的・連続的に変化する形状とした。これを分散流路部3の断面を円形または楕円形とし、円筒の内径が周期的・連続的に変化する形状としてもよい。
(3)上述の実施形態では分散流路部3は、縮小部位と拡大部位が接続された縮小拡大部位が4つ直線的に接続される形態とした。しかし縮小部位、拡大部位、縮小拡大部位の数は4つに限られず、1つ以上あればよい。また縮小部位のみ、拡大部位のみを備える構成も可能である。またそれらの配置は螺旋状や180°折り返す形態も可能である。
(4)上述の実施形態では、微粒子分散装置Eの内部を混合液MIが循環する形態とし、混合液MIが分散流路部3を何度も通過する形態とした。しかし、混合液MIが分散流路部3を1回のみ通過する形態も可能である。例えば粉体を液体に混合した薬品を連続的に製造する製造ラインに分散流路部3を組み込んで、粉体と液体の混合液が分散流路部3を通過して混合される形態も可能である。この場合、分散流路部3が多数の縮小部位と拡大部位を有すると好適である。
なお上述の実施形態(他の実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明の微粒子分散方法によれば、微粒子の破壊を抑制しつつ、微粒子を液体中に均一に分散する方法を提供することができる。
1 :タンク
3 :分散流路部
BR1〜4 :拡大部位
NA1〜4 :縮小部位
CO1〜4 :縮小拡大部位
PA :微粒子
AG :凝集体
BU :気泡
LI :液体
MI :混合液
FP :流路

Claims (8)

  1. 微粒子が凝集した凝集体と気泡とが液体に混合された混合液を分散流路部に通過させて、前記微粒子が前記液体中に分散した分散液を得る微粒子分散方法であって、
    前記分散流路部は、前記混合液が内部を通過する管状の部位であって、出口の断面積が入口の断面積よりも小さい部位である縮小部位を有し、
    前記混合液を前記縮小部位に通過させる縮小部位通過ステップを実行し、前記縮小部位通過ステップによって前記気泡が膨張することで前記凝集体の凝集を解除して前記微粒子を前記液体に分散させる微粒子分散方法。
  2. 前記分散流路部は、前記混合液が内部を通過する管状の部位であって、出口の断面積が入口の断面積よりも大きい部位である拡大部位を有し、
    前記混合液を前記拡大部位に通過させる拡大部位通過ステップを実行し、前記拡大部位通過ステップによって前記気泡が収縮することで前記凝集体の凝集を解除して前記微粒子を前記液体に分散させる請求項1に記載の微粒子分散方法。
  3. 前記縮小部位通過ステップを実行した後に前記拡大部位通過ステップを実行する縮小拡大ステップを実行する請求項2に記載の微粒子分散方法。
  4. 前記分散流路部は、前記縮小部位の下流側に前記拡大部位が配置されて構成される縮小拡大部位を有し、
    前記縮小拡大ステップを複数回繰り返して実行する請求項3に記載の微粒子分散方法。
  5. 前記縮小部位通過ステップにおいて前記混合液の圧力低下による減圧沸騰が発生する請求項1から4のいずれか一項に記載の微粒子分散方法。
  6. 前記縮小部位の出口を通過する前記混合液の流速を、前記縮小部位の出口を通過する際の前記混合液の圧力が前記液体の飽和蒸気圧と等しくなる流速である閾値流速と比べて大きくなる状態にて、前記縮小部位通過ステップを実行する請求項1から5のいずれか一項に記載の微粒子分散方法。
  7. 前記拡大部位は、前記混合液の流れの内壁からの剥離が生じない形状とされている請求項2から4のいずれか一項に記載の微粒子分散方法。
  8. 微粒子が凝集した凝集体と気泡とが液体に混合された混合液を分散流路部に通過させて、前記微粒子が前記液体中に分散した分散液を得る微粒子分散方法であって、
    前記分散流路部は、前記混合液が内部を通過する管状の部位であって、出口の断面積が入口の断面積よりも大きい部位である拡大部位を有し、
    前記混合液を前記拡大部位に通過させる拡大部位通過ステップを実行し、前記拡大部位通過ステップによって前記気泡が収縮することで前記凝集体の凝集を解除して前記微粒子を前記液体に分散させる微粒子分散方法。
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