JP2017034173A - エピタキシャルウェーハの製造方法 - Google Patents

エピタキシャルウェーハの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高濃度にドープされたシリコン基板のドーパントの外方拡散を生ずることなく、シリコン基板上に成長するエピタキシャル層の欠陥を低減することができるエピタキシャルウェーハの製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン基板上にエピタキシャル層を成長させるエピタキシャルウェーハの製造方法であって、エピタキシャル層を成長させるシリコン基板として、ドーパント濃度が1×1017atoms/cm以上のシリコン基板を用い、シリコン基板にエピタキシャル層を成長させる前に、シリコン基板に対して、SC−1洗浄と、SC−1洗浄で形成されたシリコン酸化膜を除去するHF処理からなる前処理を複数回行い、シリコン基板のエピタキシャル層を成長させる面の表層を、シリコン酸化膜の膜厚にして5nm以上除去した後、シリコン基板上にエピタキシャル層を成長させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコン基板上にエピタキシャル層を成長させるエピタキシャルウェーハの製造方法に関し、より詳しくは、高濃度にドープされたシリコン基板上にエピタキシャル層を成長させるエピタキシャルウェーハの製造方法に関する。
シリコンの単結晶の製造には、チョクラルスキー(CZ)法及びフローティングゾーン(FZ)法という結晶成長方法があり、それぞれの方法で形成した単結晶を切り出し研磨することでシリコン基板(ウェーハ)として用いている。しかしながら、結晶育成過程で点欠陥や酸素などが導入され、これらが半導体素子の電気特性に影響することから、シラン系ガスを利用してエピタキシャル層をシリコン基板上に気相成長した、いわゆるエピタキシャルウェーハも使用されている。
このエピタキシャル成長は、一般的にCZ法で作製されたシリコンウェーハをエピタキシャル成長装置のチャンバー内に導入し、シラン系ガスとドーパントガスを流し単結晶層を形成する手法である。このエピタキシャル層成長前には、シリコンウェーハの表面を洗浄して清浄面とし、さらに、成長直前に塩素系ガスで表面をエッチングして自然酸化膜を除去した後に、エピタキシャル層の成長を行うのが一般的である。このとき、シリコンウェーハの表面に酸化膜や異物が存在すると、エピタキシャル成長中に欠陥を生じてしまい、エピタキシャル層の表面においてスタッキングフォルト(SF)のような欠陥として観察される。この欠陥はキラー欠陥であり、デバイス特性を劣化させてしまう。そのため、エピタキシャル成長前の前処理技術は非常に重要であり、特許文献1−3に示すように種々の前処理が提案されている。
特許文献1は、COP(Crystal Orginated Particle)を含む基板へエピタキシャル成長する際にHF(フッ酸)処理を行うものであり、COPの内壁酸化膜を除去することで高品質なエピタキシャル層を成長させる技術に関するものである。また、特許文献2は、エピタキシャル成長前のHF処理に際して、適切なHF濃度を規定したものである。特許文献3は、HF処理した面は撥水面となり金属汚染を受けやくなるため、これの改善としてケミカル酸化膜を適時形成し、汚染を避けつつエピタキシャル成長前にHFで酸化膜除去を行うとした内容である。しかし、このようなエピタキシャル成長前の前処理を行った場合であっても、低抵抗のシリコンウェーハにエピタキシャル層を形成する場合は、エピタキシャル層の欠陥を十分低減することはできなかった。
さらに、パワーデバイスにおいては、深い拡散層を得るために、高濃度にドーパントをドープした基板(高濃度基板)上にエピタキシャル成長を行うことで、深い拡散層を実現する手法がある。しかしながら、高濃度基板へのエピタキシャル成長では、エピタキシャル層に欠陥が形成されることが知られている。イオン注入の例であるが、高濃度にAsをドープした層上にエピタキシャル層を成長すると、多数の欠陥が生成することが報告されている(非特許文献1)。
特許第4573282号公報 特開2002−057108号公報 国際公開第2009/014144号パンフレット
森田ら、PROCEEDINGS OF THE 79TH SYMPOSIUM ON SEMICONDUCTORS AND INTEGRATED CIRCUITS TECHNOLOGY Tokyo 2015
これに対し、エピタキシャル層を形成する前に犠牲酸化熱処理を行い、HFでその犠牲酸化膜を除去してからエピタキシャル層を成長することでエピタキシャル層の欠陥を低減することができる。しかしながら、このような熱酸化による方法では、熱処理中にドーパントが外方拡散してシリコン基板の表面濃度が変化してしまう可能性がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、高濃度にドープされたシリコン基板のドーパントの外方拡散を生ずることなく、シリコン基板上に成長するエピタキシャル層の欠陥を低減することができるエピタキシャルウェーハの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、シリコン基板上にエピタキシャル層を成長させるエピタキシャルウェーハの製造方法であって、
前記エピタキシャル層を成長させるシリコン基板として、ドーパント濃度が1×1017atoms/cm以上のシリコン基板を用い、
該シリコン基板にエピタキシャル層を成長させる前に、前記シリコン基板に対して、SC−1洗浄と、該SC−1洗浄で形成されたシリコン酸化膜を除去するHF処理からなる前処理を複数回行い、前記シリコン基板のエピタキシャル層を成長させる面の表層を、シリコン酸化膜の膜厚にして5nm以上除去した後、前記シリコン基板上にエピタキシャル層を成長させることを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法を提供する。
このように、ドーパント濃度が1×1017atoms/cm以上のシリコン基板に対して、SC−1洗浄とHF処理からなる前処理を繰り返して行い(すなわち、合計複数回)、シリコン酸化膜の膜厚にして5nm以上除去してからエピタキシャル層を成長させることにより、エピタキシャル層の欠陥を著しく低減することができる。また、犠牲酸化熱処理を行った場合のような、ドーパントの外方拡散が生ずることもない。また、5nm以上の厚さを複数回に分けて除去することで、表面ラフネスが悪化するのも抑制できる。
このとき、前記シリコン基板の導電型をN型とする場合はドーパントをAs又はPとし、該N型のシリコン基板に対して、前記前処理を5回以上行うことが好ましい。
このように、N型のシリコン基板に対して前処理を5回以上行えば、エピタキシャル層の欠陥をより確実に低減することができる。
また、前記シリコン基板の導電型をP型とする場合はドーパントをBとし、該P型のシリコン基板に対して、前記前処理を3回以上行うことが好ましい。
このように、P型のシリコン基板に対して前処理を3回以上行えば、エピタキシャル層の欠陥をより確実に低減することができる。
以上のように、本発明によれば、高濃度にドープされたシリコン基板のドーパントの外方拡散を生ずることなく、シリコン基板上に成長するエピタキシャル層の欠陥を著しく低減することができる。
本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法の工程フローを示す図である。 N型の高濃度シリコン基板についての、前処理の回数とエピタキシャル層の欠陥数の関係を示すグラフである。 P型の高濃度シリコン基板についての、前処理の回数とエピタキシャル層の欠陥数の関係を示すグラフである。 前処理の回数と前処理による酸化膜除去量の関係を示すグラフである。 エピタキシャル層の表面からの深さと抵抗率の関係を示すグラフである。 従来のエピタキシャルウェーハの製造方法の工程フローを示す図である。
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法について、図1を参照して説明する。
上述したように、ドーパントを高濃度にドープしたシリコン基板上(具体的には、ドーパント濃度が1×1017atoms/cm以上のシリコン基板上)にエピタキシャル層を形成すると、そのエピタキシャル層に多数の欠陥が発生する。
本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法では、最初に、このような高濃度シリコン基板を準備する(工程A)。準備するシリコン基板は、1×1017atoms/cm以上の高濃度にドープされていればよく、導電型は特に限定されない。また、その製造方法(CZ法等)も特に限定されない。
次に、HF溶液を用いて、表面の自然酸化膜の除去を行う(HFエッチング、工程B)。このHFエッチングは、以降の工程でSC−1洗浄とHF処理を繰り返すため、省略することもできる。
そして、SC−1洗浄と、このSC−1洗浄で形成されたシリコン酸化膜(ケミカル酸化膜)を除去するHF処理からなる前処理を複数回行い、シリコン基板のエピタキシャル層を成長させる面の表層を、シリコン酸化膜の膜厚にして5nm以上除去する(工程C、工程D)。SC−1洗浄液は、水酸化アンモニウム(NHOH)/過酸化水素水(H)/純水(HO)からなる混合薬液で、半導体製造の洗浄工程などに多用されており、パーティクルや有機物に対する除去効果が大きい。また、SC−1洗浄では、シリコン基板の表面がわずかに酸化(ケミカル酸化)される。
さらに、シリコン基板上に、エピタキシャル層を成長する(工程E)。
ここで、本発明のエピタキシャルウェーハ製造方法を、従来のエピタキシャルウェーハの製造方法と比較して説明する。本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法では、SC−1洗浄とHF処理からなる前処理を繰り返し、シリコン基板の表層をシリコン酸化膜の膜厚にして5nm以上除去するが、特許文献1−3に記載された従来のエピタキシャルウェーハの製造方法では、図6に工程フローを示すように、シリコン基板を準備し(工程H)、SC−1洗浄(工程I)とHF処理(工程J)を1回行い、エピタキシャル層を成長する(工程K)。ここで、SC−1洗浄は異物除去、HF処理は酸化膜除去を目的としている。
特許文献1−3に記載された、従来一般的に行われている方法は、上述の通り、シリコン基板の表面の異物除去と酸化膜除去を行う方法であり、シリコン基板が高濃度シリコン基板であっても、特に違いはない。厳密には、基板抵抗が異なることで自然酸化膜及びケミカル酸化膜の成長レートは異なるが、その後のHF処理で除去される点で変わりはない。しかしながら、高濃度シリコン基板上へのエピタキシャル成長では、これらの方法では欠陥が多発し、品質の高いエピタキシャルウェーハを得ることが困難である。
一方、本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法では、前処理を複数回行い、シリコン基板のエピタキシャル層を成長する面の表層を、シリコン酸化膜の膜厚にして5nm以上除去した後、エピタキシャル層の成長を行う。これにより、後述する図2及び図3に示すように、エピタキシャル層の欠陥を大きく減少させる顕著な効果が得られる。
また、本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法では、シリコン基板の導電型をN型とする場合はドーパントをAs又はPとし、そのN型のシリコン基板に対して、SC−1洗浄とHF処理からなる前処理を5回以上行うことが好ましい。N型のシリコン基板に対して前処理を5回以上行うことにより、後述する図2に示すように、エピタキシャル層の欠陥数を著しく低減することができる。
さらに、本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法では、シリコン基板の導電型をP型とする場合はドーパントをBとし、そのP型のシリコン基板に対して、SC−1洗浄とHF処理からなる前処理を3回以上行うことが好ましい。P型のシリコン基板に対して前処理を3回以上行うことにより、後述する図3に示すように、エピタキシャル層の欠陥数を著しく低減することができる。
尚、HF処理に用いるHF溶液のHF濃度は特に限定されないが、特には、一般的な1%前後の濃度のものを使用するのが好ましい。その理由は、SC−1洗浄で形成されるケミカル酸化膜は、もともと厚さが数nmと薄いため、高濃度のHF溶液は必要でないためである。
また、SC−1洗浄の条件も特に限定されないものの、一般的な薬液濃度及び温度(70℃前後)が好ましい。SC−1洗浄液の温度が著しく低いと、ケミカル酸化膜の形成が抑制されるので、一般的に使用される温度で洗浄を行うのが好ましい。
また、SC−1洗浄とHF処理からなる前処理を複数回行うことによって、一度に厚いケミカル酸化膜を形成して除去する場合に比べて、シリコン基板の表面ラフネスの悪化を防ぐことができる。このため本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法では、膜厚5nm以上のシリコン酸化膜の除去をSC−1洗浄とHF処理からなる前処理を繰り返して実施する。
ここで、高濃度シリコン基板に実施した前処理の回数と、エピタキシャル層の欠陥数の関係を実験的に求めた結果について、図2−4を参照して説明する。
まず、N型高濃度シリコン基板の実験結果について説明する。
As(ヒ素)のドーパント濃度が1×1018atoms/cmの高濃度シリコン基板(抵抗率0.022Ω・cm)を、1%HF溶液でエッチングし、表面の自然酸化膜を除去した後に、SC−1洗浄と1%HF溶液によるHF処理からなる前処理を合計1回から6回まで行った基板(試料)と1回も行わなかった基板(試料)を準備した。そして、それらのN型高濃度シリコン基板上に1150℃の温度でAsをドーパントとして、膜厚10μmで抵抗率10Ω・cmのシリコンエピタキシャル層を成長させた。その後、KLA−Tencor社製の欠陥及び表面品質検査装置SP1を用いて、それらのウェーハのエピタキシャル層のウェーハ面内の表面欠陥(>0.16μm)の数を測定した。
その結果を、図2に示す。図2は、上述のN型高濃度シリコン基板について、横軸にSC−1洗浄とHF処理からなる前処理の回数、縦軸にSP1で測定したエピタキシャル層表面の欠陥数を示したグラフである。N型高濃度基板では、前処理を5回以上行うと、欠陥数を数個レベルとすることができ、前処理が4回以下の場合と比べて、ウェーハ面内のエピタキシャル層表面の欠陥数を著しく低減できることが分かった。
ここで、N型高濃度シリコン基板に実施した前処理の回数と繰り返し実施された前処理による酸化膜除去量の関係を図4に示す。図4では、横軸を前処理の回数、縦軸を前処理による酸化膜除去量としており、後述するP型高濃度シリコン基板の結果も併せて示している。図2及び図4から分かるように、N型高濃度シリコン基板では、前処理回数が5回のときに欠陥数が数個レベルまで低減され、そのときの酸化膜除去量はおよそ5nmになっている。すなわち、N型高濃度シリコン基板では、前処理を5回以上行い、エピタキシャル層を成長させる面の表層をシリコン酸化膜の膜厚にして5nm以上除去した後に、エピタキシャル層を成長させることで、エピタキシャル層の欠陥を著しく低減することができる。
次に、P型高濃度シリコン基板の実験結果について説明する。
B(ボロン)のドーパント濃度が1×1018atoms/cmの高濃度シリコン基板(抵抗率0.045Ω・cm)を、1%HF溶液でエッチングし、表面の自然酸化膜を除去した後に、SC−1洗浄と1%HF溶液によるHF処理からなる前処理を合計1回から6回まで行った基板(試料)と1回も行わなかった基板(試料)を準備した。そして、それらのP型高濃度シリコン基板上に1150℃の温度でBをドーパントとして、膜厚10μmで抵抗率10Ω・cmのシリコンエピタキシャル層を成長させた。その後、SP1を用いて、それらのウェーハのエピタキシャル層のウェーハ面内の表面欠陥(>0.16μm)の数を測定した。
その結果を、図3に示す。図3は、上述のP型高濃度シリコン基板について、横軸に前処理の回数、縦軸にSP1で測定したエピタキシャル層表面の欠陥数を示したグラフである。P型高濃度シリコン基板では、前処理を3回以上行うと、欠陥数を数個レベルとすることができ、前処理が2回以下の場合と比べて、ウェーハ面内のエピタキシャル層表面の欠陥数を著しく低減できることが分かった。
ここで、P型高濃度シリコン基板に実施した前処理の回数と、繰り返し実施された前処理による酸化膜除去量の関係を図4に示す。図3及び図4から分かるように、P型高濃度シリコン基板では、前処理回数が3回のときに欠陥数が数個レベルまで低減され、そのときの酸化膜除去量はおよそ6nmになっている。また、図3及び図4のデータから、酸化膜除去量が5nmであっても、十分な欠陥数低減効果があると言える。すなわち、P型高濃度シリコン基板においても、前処理を繰り返して行い、エピタキシャル層を成長させる面の表層をシリコン酸化膜の膜厚にして5nm以上除去した後に、エピタキシャル層を成長させることで、エピタキシャル層の欠陥を低減することができる。
このような繰り返し前処理によるエピタキシャル層の欠陥数低減の明確な機構(理由)は明らかではないが、非特許文献1にXPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy)によるシリコン表面の酸化膜分析結果が示されており、その結果から推測することができる。それによると、高濃度シリコン基板では、1回のHF処理を行った後のXPS分析ではシリコン酸化膜に帰属できるピークが観察されており、HF処理を繰り返すことで徐々にこの成分が減少していくことが示されている。このことから、高濃度シリコン基板の表面では、高濃度にドープされたドープ剤が関与してシリコン表面近傍に酸化膜が微量領域で存在し、これによりエピタキシャル層の欠陥が発生していると考えられる。そこで、表面のケミカル酸化、HFによるケミカル酸化膜除去を繰り返すことで、表面近傍に存在するドープ剤に関係した酸化膜が除去され、エピタキシャル層の欠陥が減少するものと考えられる。
このように、高濃度シリコン基板の表面に薄いケミカル酸化膜を形成し、HFで除去する前処理を繰り返すことで、高濃度シリコン基板の表層を犠牲酸化したときの熱酸化膜に相当する厚さ分だけシリコン基板の表層を除去することができ、犠牲酸化熱処理とHFでの犠牲酸化膜除去を行った場合と同等のエピタキシャル層の欠陥低減効果を得ることができる。
しかも、本発明の方法であれば、エピタキシャル層成長前に熱処理を行わずに済むため、例えば、高濃度シリコン基板の表層において、ドーパントや酸素等の拡散といった犠牲酸化熱処理に伴うシリコン基板に対する影響を考慮する必要がない。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
試料として、ヒ素をドープしたN型で直径200mmのシリコンウェーハを用いた。ドーパント濃度は、1×1018atoms/cm(抵抗率0.022Ω・cm)である。このシリコンウェーハを1%HF溶液でエッチングした後に、SC−1洗浄と1%HF溶液を用いたHF処理からなる前処理を合計5回行ったウェーハと6回行ったウェーハをそれぞれ準備した。このときの酸化膜除去量は、前処理5回で5.2nm、前処理6回で6.1nmであった。そして、1150℃でヒ素をドーパントとして、膜厚10μmで抵抗率10Ω・cmのシリコンエピタキシャル層を成長させた。その後、SP1にてエピタキシャル層表面の欠陥(>0.16μm)の数を測定した。その結果、前処理回数が5回では欠陥数が3個/ウェーハ、6回では欠陥数が5個/ウェーハであり、欠陥数は著しく低減されていた。
(実施例2)
試料として、ボロンをドープしたP型で直径200mmのシリコンウェーハを用いた。ドーパント濃度は、1×1018atoms/cm(抵抗率0.045Ω・cm)である。このシリコンウェーハを1%HF溶液でエッチングした後に、SC−1洗浄と1%HF溶液を用いたHF処理からなる前処理を合計3〜5回行ったウェーハをそれぞれ準備した。このときの酸化膜除去量は、前処理3回で6.1nm、4回で7.5nm、5回で9.1nmであった。そして、1150℃でボロンをドーパントとして、膜厚10μmで抵抗率10Ω・cmのシリコンエピタキシャル層を成長させた。その後、SP1にてエピタキシャル層表面の欠陥(>0.16μm)の数を測定した。その結果、前処理回数が3回では欠陥数が2個/ウェーハ、4回では6個/ウェーハ、5回では3個/ウェーハであり、欠陥数は著しく低減されていた。
(比較例1)
試料として、ヒ素をドープしたN型で直径200mmのシリコンウェーハを用いた。ドーパント濃度は、1×1018atoms/cm(抵抗率0.022Ω・cm)である。このシリコンウェーハを1%HF溶液でエッチングした後に、1150℃でヒ素をドーパントとして、膜厚10μmで抵抗率10Ω・cmのエピタキシャル層を成長させた。その後、SP1にてエピタキシャル層表面の欠陥(>0.16μm)の数を測定した。その結果、エピタキシャル層の欠陥数は512個/ウェーハであり、多数の欠陥が観察された。
(比較例2)
試料として、ボロンをドープしたP型で直径200mmのシリコンウェーハを用いた。ドーパント濃度は、1×1018atoms/cm(抵抗率0.045Ω・cm)である。このシリコンウェーハを1%HF溶液でエッチングした後に、1150℃でボロンをドーパントとして、膜厚10μmで抵抗率10Ω・cmのエピタキシャル層を成長させた。その後、SP1にてエピタキシャル層表面の欠陥(>0.16μm)の数を測定した。その結果、エピタキシャル層の欠陥数は208個/ウェーハであり、多数の欠陥が観察された。
(比較例3)
試料として、ヒ素をドープしたN型で直径200mmのシリコンウェーハを用いた。ドーパント濃度は、1×1018atoms/cm(抵抗率0.022Ω・cm)である。このシリコンウェーハに、900℃、N雰囲気下で30分の熱処理を行った。シリコンウェーハの表面には、熱処理の際に大気を巻き込んだことによる酸化膜が膜厚7nmで形成された。この酸化膜を1%HF溶液でエッチングした後に、1150℃でヒ素をドーパントとして、膜厚10μmで抵抗率10Ω・cmのエピタキシャル層を成長させた。その後、SP1にてエピタキシャル層表面の欠陥(>0.16μm)の数を測定した。その結果、エピタキシャル層表面の欠陥数は10個/ウェーハと改善されていたが、エピタキシャル層/シリコン基板界面の抵抗率にダレが見られた。
この抵抗率のダレについて詳述する。図5は、ヒ素をドープしたドーパント濃度1×1018atoms/cm(抵抗率0.022Ω・cm)のシリコン基板に対して、前処理を5回行ってエピタキシャル成長を行った場合(実施例1)と、それに代わり犠牲酸化熱処理とHFエッチングを行ってエピタキシャル成長を行った場合(比較例3)の抵抗率の深さ方向の分布を示すグラフである。前処理を5回行った場合では、エピタキシャル層と高濃度シリコン基板の界面の抵抗率の変化が急峻となっているのに対して、犠牲酸化熱処理とHFエッチングを行った場合では抵抗率の変化がゆるやかとなっており、熱処理中にドーパントが外方拡散し界面付近の不純物濃度が変化してしまったと考えられる。尚、実施例2でも抵抗率分布について調査したところ、実施例1と同様に抵抗率変化は急峻であった。
このように本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法(実施例1、2)では、高濃度シリコン基板のドーパントの外方拡散を抑えつつ、エピタキシャル層の欠陥数を効果的に低減することができた。一方、SC−1洗浄によるケミカル酸化とHF処理による酸化膜除去は行わず、高濃度シリコン基板の表層を酸化膜の膜厚にして5nm以上除去していない比較例1、2ではエピタキシャル層の欠陥数が極めて多かった。また、SC−1洗浄とHF処理による前処理の代わりに犠牲酸化熱処理とHFエッチングを行った比較例3では、欠陥数は低減したものの、ドーパントの外方拡散による抵抗率のダレを生じていた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (3)

  1. シリコン基板上にエピタキシャル層を成長させるエピタキシャルウェーハの製造方法であって、
    前記エピタキシャル層を成長させるシリコン基板として、ドーパント濃度が1×1017atoms/cm以上のシリコン基板を用い、
    該シリコン基板にエピタキシャル層を成長させる前に、前記シリコン基板に対して、SC−1洗浄と、該SC−1洗浄で形成されたシリコン酸化膜を除去するHF処理からなる前処理を複数回行い、前記シリコン基板のエピタキシャル層を成長させる面の表層を、シリコン酸化膜の膜厚にして5nm以上除去した後、前記シリコン基板上にエピタキシャル層を成長させることを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法。
  2. 前記シリコン基板の導電型をN型とする場合はドーパントをAs又はPとし、該N型のシリコン基板に対して、前記前処理を5回以上行うことを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
  3. 前記シリコン基板の導電型をP型とする場合はドーパントをBとし、該P型のシリコン基板に対して、前記前処理を3回以上行うことを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
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