JP2017033813A - バンク補修方法、有機el表示装置の製造方法および有機el表示装置 - Google Patents

バンク補修方法、有機el表示装置の製造方法および有機el表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】有機EL表示装置の製造過程において、バンクが欠陥部を有する場合に、良好な表示性能が得られ且つ容易なバンク補修方法を提供する。【解決手段】基板上において第1方向に長尺で、第1方向と交差する第2方向に間隔をあけて配された第1バンクと、第2方向に長尺で第1方向に間隔をあけて配された第2バンクとを有する有機EL表示装置の製造過程において、第1バンクの欠陥部が検出された場合に、欠陥部の両側に隣接する凹空間のそれぞれにおいて、欠陥部に近接する第1空間と、欠陥部に近接しない第2空間とに仕切る堰部の仮形成位置を設定し、隣り合う第1バンクと隣り合う前記第2バンクとで規定されるサブピクセル領域の面積をH、仮形成位置の堰部によって仕切られる仮第1空間とサブピクセル領域とが平面視で重なる領域の面積をIとし、I<α×H(0.05<α<0.9)の場合には、仮形成位置に第1形成方法により前記堰部を形成する。【選択図】図13

Description

本発明は、バンク補修方法、有機EL表示装置の製造方法および有機EL表示装置に関する。
近年、発光型の表示装置として、基板上に複数の有機EL素子をマトリックス状に配列した有機EL表示パネルが実用化されている。この有機EL表示パネルは、各有機EL素子が自己発光を行うので視認性が高く、完全固体素子であるため耐衝撃性に優れる。
有機EL表示パネルにおいて、各有機EL素子は、陽極と陰極の一対の電極対の間に有機発光材料を含む発光層が配設された基本構造を有し、駆動時には、一対の電極対間に電圧を印加し、陽極から発光層に注入されるホールと、陰極から発光層に注入される電子との再結合に伴って発光する電流駆動型の発光素子である。
有機EL表示パネルにおいて、一般に各有機EL素子の発光層と、隣接する有機EL素子の発光層とは、絶縁材料からなるバンクで仕切られている。
また、陽極と発光層との間には、ホール注入層、ホール輸送層、ホール注入兼輸送層といった有機層が必要に応じて介挿され、陰極と発光層との間にも、必要に応じて電子注入層、電子輸送層または電子注入兼輸送層が介挿されている。
これらの発光層をはじめとするホール注入層、ホール輸送層、ホール注入兼輸送層、電子注入層、電子輸送層または電子注入兼輸送層は、機能層といわれる。
フルカラー表示の有機EL表示パネルにおいては、このような有機EL素子が、RGB各色のサブピクセルを形成し、隣り合うRGBのサブピクセルが合わさって一画素が形成されている。
このような有機EL表示パネルを製造する上で、基板上にバンクを形成しておいて、バンクで区画された凹空間に発光層などの有機機能層を形成する工程がある。この有機機能層の形成には、高分子材料や薄膜形成性の良い低分子材料を含むインクを、インクジェット法等で凹空間に塗布するウェット方式が多く用いられている。このウェット方式によれば、大型のパネルにおいても有機機能層を比較的容易に形成することができる。
国際公開WO2010/013654号 特開2011−108369号公報
フルカラー表示の有機EL表示パネルの場合、バンクを挟んで隣り合う凹空間には、互いに異なる発光色のインクが塗布される場合が多い。このような有機EL表示パネルの製造過程においてバンクに部分的な決壊が生じていたり、異物が付着したりして欠陥部が存在すると、発光層を形成する際に、凹空間に塗布されたインクが欠陥部を通じて隣の凹空間へと侵入し、異なる色のインク同士が混合されて混色が生じることがある。
このような混色が生じたパネルを用いて製造した有機EL表示装置においては、混色が生じた範囲での発光色が本来の発光色と異なっていたり、暗点と認識されたりして、表示不良となることがある。
そこで、欠陥が生じたバンクを補修することによって、表示パネルにおける表示不良の発生を抑える技術が求められる。
本発明は、上記課題に鑑み、有機EL表示装置の製造過程において、バンクに決壊や異物による欠陥部が発生したときにも、表示不良の発生を抑えることのできる有機EL表示装置の製造方法、及び有機EL表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様にかかる有機EL表示装置の製造方法は、基板と、前記基板上において当該基板の上面に沿った第1方向にそれぞれが長尺で、前記第1方向と交差し前記基板の上面に沿った第2方向に互いに間隔をあけて配された複数の第1バンクと、前記第2方向にそれぞれが長尺で前記第1方向に互いに間隔をあけて配された複数の第2バンクと、前記複数の第1バンクによって区画された前記基板上の空間である複数の凹空間に形成された発光層と、を有する有機EL表示装置を製造する過程において、前記第1バンクにおける欠陥部を検出し、欠陥部が検出された場合に、前記検出された欠陥部の前記第2方向における両側に隣接する凹空間のそれぞれにおいて、前記欠陥部に近接する第1空間と、前記欠陥部に近接しない第2空間とに仕切る堰部の仮形成位置を設定し、隣り合う前記第1バンクと隣り合う前記第2バンクとで規定される領域をサブピクセル領域として、平面視で、1つの前記サブピクセル領域の面積をHとし、前記仮形成位置の前記堰部によって仕切られる前記欠陥部に近接する空間部分である仮第1空間と前記サブピクセル領域とが重なる重なり領域の面積をIとすると、平面視で、前記仮第1空間と前記第2バンクとが重ならない場合に、I<α×H(0.05<α<0.9)の関係を満たす場合には、前記仮形成位置に、第1形成方法により前記堰部を形成することとした。
上記態様に係るバンク補修方法によると、隣り合う凹空間の各々に異なる発光色のインクを塗布して有機機能層を形成するときに、凹空間の中に形成される堰部によってインク層が仕切られるので、欠陥部を介して発光色の異なるインク同士が混ざり合う場合に、インクの混ざり合う混色領域が、欠陥部に近接しない第2空間に広がるのを防ぐことができる。従って、混色領域の広がりを抑制して、有機EL表示装置における表示不良を抑えることができる。
また、欠陥部の周囲に堰部を形成する方法でバンクを補修するので、欠陥部が異物に起因する場合でも、比較的容易に堰部を形成してバンクを補修することができる。
さらに、I<α×Hの関係を満たす場合には、仮形成位置に堰部を形成するので、平面視での混色領域の面積をできるだけ小さくすることができ、表示色不良による表示不良を抑制することができる。
実施形態に係る有機EL表示装置の構成例を示す模式ブロック図である。 実施形態に係る表示パネルを模式的に示す部分平面図である。 実施形態に係る表示パネルを図2のA−A'線で切断した一部拡大断面図である。 実施形態に係る表示パネルの製造過程を示す模式工程図である。 実施形態に係る表示パネルの製造工程の一部を示す模式断面図である。 (a)は、バンクに生じる比較的サイズの小さい欠陥部の一例を示す模式斜視図であり、(b)は、実施例1に係る堰部が欠陥部の周囲に形成された様子を示す模式斜視図である。 (a)は、バンクに生じる比較的サイズの大きな欠陥部の一例を示す模式斜視図であり、(b)は、実施例2に係る堰部が欠陥部の周囲に形成された様子を示す模式斜視図である。 (a)異物によってバンクに生じた欠陥部の別の例を示す模式斜視図であり、(b)は、異物によってバンクに生じた欠陥部のさらに別の例を示す模式斜視図であり、(c)は決壊によってバンクに生じた欠陥部の一例を示す模式斜視図である。 欠陥部の検出とバンクの補修に用いる補修装置の一例を示す概略構成図である。 (a)は、比較的サイズの小さい欠陥部の周辺の画像において設定された、ニードルディスペンサによる補修材料の塗布位置を示す模式平面図であり、(b)は、その模式断面図であり、(c)は、実施例1に係る堰部が形成された状態を示す模式平面図である。 (a)〜(g)は、ニードルディスペンサで補修材料を塗布することにより、堰部が形成される様子を示す模式断面図である。(a)は、補修材料を塗布する前の状態のタンク及びニードルの状態を示す模式断面図である。(b)は、ニードルに付着した補修材を塗布点P1に塗布した状態を示す模式断面図である。(c)は、ニードルを上方に移動させている途中の状態を示す模式断面図である。(d)は、ニードルを上方に移動させた状態を示す模式断面図である。(e)は、ニードル及びタンクを移動させて塗布点P2に補修材を塗布した状態を示す模式断面図である。(f)は、塗布点P1に塗布された補修材と塗布点P2に塗布された補修材とがつながった状態を示す模式断面図である。(g)は、ニードルを上方に移動させた状態を示す模式断面図である。 (a)は、比較的サイズの大きい欠陥部の周辺の画像において実施例2に係る堰部が形成された状態を示す模式平面図であり、(b)は、ノズルディスペンサで補修材料を塗布することにより堰部が形成される様子を模式的に示す図である。 (a)は、実施例1に係る堰部が形成されている場合にインク層が形成された状態を示す模式平面図であり、(b)は、実施例2に係る堰部が形成されている場合にインク層が形成された状態を示す模式平面図であり、(c)は、堰部が形成されていない比較例を示す模式平面図である。 (a)は、図13(a)におけるC−C線の断面図であり、(b)は、図13(b)におけるE−E線の断面図である。 (a)は、実施例3に係る堰部の仮形成位置を示す模式平面図であり、(b)は、実施例3に係る堰部が形成された状態を示す模式平面図である。 (a)は、実施例4に係る堰部の仮形成位置を示す模式平面図であり、(b)は、実施例4に係る堰部の形成された状態を示す模式平面図である。 補修装置による堰部設定処理の処理内容の一例を示すフローチャートである。 補修装置による堰部形成処理の処理内容の一例を示すフローチャートである。 (a)は、変形例1に係る堰部が形成された状態を示す模式平面図であり、(b)は、変形例2に係る堰が形成された状態を示す模式平面図である。 (a)は、変形例3に係る堰部の形状を示す模式斜視図であり、(b)は、凹空間に堰部が形成された後にインク層が形成された状態を示す模式平面図である。 変形例3に係る堰部において、平面視で端部の一方が第2バンクと重なる場合を示す模式平面図であって、(a)は、欠陥部のサイズが小さい場合を示す模式平面図であり、(b)は、欠陥部のサイズが大きい場合を示す模式平面図である。 変形例3に係る堰部において、堰部が平面視で2つのサブピクセル領域にまたがって重なる場合を示す模式平面図であって、(a)は、サブピクセル領域との重なり領域が両方とも小さい場合における堰部の一例を示す模式平面図であり、(b)は、一方のサブピクセル領域との重なり領域が小さく、他方のサブピクセル領域との重なり領域が大きい場合における堰部の一例を示す模式平面図である。 変形例3に係る堰部において、堰部が平面視で2つのサブピクセル領域にまたがって重なる場合を示す模式平面図であって、(a)は、図22(b)の場合の堰部の別の例を示す模式平面図であり、(b)は、図22(b)の場合の堰部のさらに別の一例を示す模式平面図である。 (a)は、変形例4に係る堰部の形状を示す模式斜視図であり、(b)は、凹空間に堰部が形成された後にインク層が形成された状態の模式平面図である。 (a)は、変形例5に係る堰部の形状を示す模式斜視図であり、(b)は、凹空間に堰部を形成した後、インクを塗布する様子を示す模式断面図である。 ピクセルバンクを有する表示パネルにおいて、ピクセルバンクに生じた欠陥部を堰部で補修する変形例を示す模式平面図であって、(a)は、変形例6に係る堰部を示す模式平面図であり、(b)は、変形例7に係る堰部を示す模式平面図であり、(c)は、変形例8に係る堰部を示す模式平面図であり、(d)は、変形例9に係る堰部を示す模式平面図である。
<発明に到った経緯>
フラットディスプレイ基板の製造技術において、例えば、特許文献1には、隔壁を形成後、インク塗布前に、隔壁における決壊箇所の周囲の一部を除去し、除去した箇所に溌インク性のポリマーからなる隔壁修正液を塗布して、決壊箇所を修復する技術が開示されている。
また、引用文献2には、有機EL表示装置の異物を検出し、検出された異物の上にニードルディスペンサで非導電性の液体材料を塗布して修復する技術が開示されている。
バンクが部分的に決壊している場合は、引用文献1のような技術を用いて決壊部分の修復をし、修復後にインクを塗布すれば、互いに異なるインクの混合を防止することができると考えられる。
また、異物が付着することによって生じる欠陥部の場合、上記従来技術のようにポリマーを塗布する方法では、異物に起因する欠陥部を補修するのが難しい場合がある。例えば、バンクに付着した異物にポリマー液を塗布しようとすると、異物がポリマー液をはじいて、うまく補修できないこともある。
また、本願発明者の考察によると、現状の有機EL表示装置においてもバンクの幅は20μm以下とかなり狭く、今後、画素の高精細化が進むにつれてバンクの幅がさらに狭くなることが予想されることから、バンクの決壊箇所や異物に塗布針を正確に位置合わせして補修するのも、より難しくなると予想される。また、補修が精細になればなるほど、補修に要する時間も長くなる。
このような考察のもとに、特に高精細のEL表示装置において、バンクに生じた欠陥部を容易に補修することができ、且つ、発光不良を抑えることのできる方法を検討した。
そして、バンクの欠陥部自体を補修しなくても、欠陥部の周辺の凹空間の中に堰を設けて、当該凹空間を、欠陥部に近接する第1空間と、欠陥部に近接しない第2空間とに仕切ることによって、異なるインク同士が混ざり合って混色が生じたインクを第1空間内に閉じ込めることができる。これにより、混色インクの領域が広がるのを抑えることができ、発光色不良による表示不良の問題を解決できることを見出した。
良好な画質を得るためには、混色領域の面積は、できるだけ小さく収めるのが望ましい。そのためには、堰の形成に際して、堰の形成位置や形状を精密に制御できる方法により堰を形成することが求められる。そのような方法として、例えば、引用文献2に記載されているように、ニードルディスペンサを用いて堰を形成する方法が有用である。しかし、ニードルディスペンサは、ニードルの先端に付けた補修材料を1点ずつ塗布していくため、堰の形成に時間がかかるという問題がある。
ここで、EL表示装置において、上記のように凹空間に堰を形成して第1空間と第2空間とに仕切ったときに、例えば、平面視で、1つのサブピクセルに相当する領域(以下、「サブピクセル領域」という。)の面積に対する第1空間の面積(即ち、混色領域の面積)が所定の割合以上になると、人間の目には、当該サブピクセル全体が暗点として認識されてしまうことが分かっている。従って、堰により囲まれる混色領域の面積が、サブピクセル領域の所定割合以上となる場合には、混色領域の面積をできるだけ小さくするために、ニードルディスペンサを用いて精密に堰を形成しなくてもよいことになる。
こうして、欠陥部を囲む堰を形成することにより表示不良を抑制するバンク補修方法において、補修に要する時間をより短縮することができるバンク補修方法として、本発明を案出するに至った。
≪本発明の一態様の概要≫
本発明の一態様にかかるバンク補修方法は、基板と、前記基板上において当該基板の上面に沿った第1方向にそれぞれが長尺で、前記第1方向と交差し前記基板の上面に沿った第2方向に互いに間隔をあけて配された複数の第1バンクと、前記第2方向にそれぞれが長尺で前記第1方向に互いに間隔をあけて配された複数の第2バンクと、前記複数の第1バンクによって区画された前記基板上の空間である複数の凹空間に形成された発光層と、を有する有機EL表示装置を製造する過程において、前記第1バンクにおける欠陥部を検出し、欠陥部が検出された場合に、前記検出された欠陥部の前記第2方向における両側に隣接する凹空間のそれぞれにおいて、前記欠陥部に近接する第1空間と、前記欠陥部に近接しない第2空間とに仕切る堰部の仮形成位置を設定し、隣り合う前記第1バンクと隣り合う前記第2バンクとで規定される領域をサブピクセル領域として、平面視で、1つの前記サブピクセル領域の面積をHとし、前記仮形成位置の前記堰部によって仕切られる前記欠陥部に近接する空間部分である仮第1空間と前記サブピクセル領域とが重なる重なり領域の面積をIとすると、平面視で、前記仮第1空間と前記第2バンクとが重ならない場合に、I<α×H(0.05<α<0.9)の関係を満たす場合には、前記仮形成位置に、第1形成方法により前記堰部を形成することとする。
本発明の一態様に係るバンク補修方法によると、隣り合う凹空間の各々に異なる発光色のインクを塗布して有機機能層を形成するときに、凹空間の中に形成される堰部によってインク層が仕切られるので、欠陥部を介して発光色の異なるインク同士が混ざり合う場合に、インクの混ざり合う混色領域が、欠陥部に近接しない第2空間に広がるのを防ぐことができる。従って、混色領域の広がりを抑制して、有機EL表示装置における表示不良を抑えることができる。
また、欠陥部の周囲に堰部を形成する方法でバンクを補修するので、欠陥部が異物に起因する場合でも、比較的容易に堰部を形成してバンクを補修することができる。
さらに、I<α×Hの関係を満たす場合には、仮形成位置に堰部を形成するので、平面視での混色領域の面積をできるだけ小さくすることができ、表示色不良による表示不良を抑制することができる。
なお、ここでいう「堰部」は、表示装置の表示領域全体に形成されるバンク(第1バンク,第2バンク)とは別に、欠陥部の周辺に形成されるものであって、バンクのように表示装置の表示領域全体に形成されるものではない。従って、例えば第1バンクとこれに直交する第2バンクが形成されている場合においては、何れのバンクも「堰部」には該当せず、堰部はこれらのバンクとは別に形成される。
また、第1バンクや第2バンクは一般に、ピクセルあるいはサブピクセル同士を区画する境界位置に形成されるが、「堰部」は、ピクセルやサブピクセルの領域内に形成されることもある。
本発明の一態様に係るバンク補修方法の特定の局面においては、前記第2バンクは、前記第1バンクよりも前記基板の上面からの高さが低く、平面視で、前記仮第1空間と前記第2バンクとが重ならない場合又は、前記仮第1空間の前記第1方向における両端のうちの一方が前記第2バンクと重なる場合であって、α×H≦Iの関係を満たす場合には、前記両側に隣接する凹空間のそれぞれにおいて、前記仮形成位置の前記堰部に代えて、平面視で、前記欠陥部を前記第1方向に挟んで隣り合う前記第2バンク上に、前記欠陥部が存在する前記第1バンクからその隣の前記第1バンクに前記第2方向に沿って亘る形状の一対の堰からなる前記堰部を、前記第1形成方法よりも形成スピードが速い第2形成方法により形成してもよい。
α×H≦Iの関係を満たす場合には、たとえ仮形成位置に精密に堰部を形成したとしても、当該サブピクセル全体が暗点として認識されてしまう。これは即ち、当該サブピクセル全体を混色領域としても結果は同じであるということである。従って、第2バンクが第1バンクよりも基板上面からの高さが低い場合、即ち、ラインバンクの場合においては、欠陥部を挟んで隣り合う第2バンク上に一対の堰を形成することができる。
この場合、第2バンクは絶縁性の材料から構成されているので、第2バンク上は非発光領域であり、第2バンクはある程度の幅があるので、形成する堰の幅(太さ)もそれほど細く無くてもよく、形成位置や形状についてもそれほど精密に制御しなくてもよい。従って、第1形成方法よりも形成スピードが速い第2形成方法により欠陥部を挟んで隣り合う第2バンク上に一対の堰からなる堰部を形成することができ、これにより、第1形成方法により堰部を形成する場合と比較して、堰部の形成に要する時間を短縮することができる。
本発明の一態様に係るバンク補修方法の特定の局面においては、前記堰部は、前記欠陥部を前記第1方向に挟む前記第1バンク上の2点のそれぞれから、前記欠陥部が存在する前記第1バンクの隣の前記第1バンクに亘る形状の一対の堰からなってもよい。
これにより、堰部を容易に形成することができる。
本発明の一態様に係るバンク補修方法の特定の局面においては、平面視で、前記仮形成位置の前記第1方向における両端のうちの一方が、前記第2バンクと重なる場合には、前記両端のうちの前記一方と重なる前記第2バンク上に、前記一対の堰の前記一方を、前記第2形成方法により形成し、I<α×Hの関係を満たす場合には、前記一対の堰の他方を、当該他方の前記仮形成位置に、前記第1形成方法により形成してもよい。
堰部が一対の堰から成る場合に、一対の何れかの仮形成位置が第2バンクと重なる場合には、当該堰を第2形成方法により形成し、I<α×Hの関係を満たす場合には、もう一方を、第1形成方法により形成することにより、両方の堰を第1形成方法で形成する場合よりも、堰部の形成に要する時間を短縮することができる。
本発明の一態様に係るバンク補修方法の特定の局面においては、平面視で、前記仮第1空間が、前記第2バンク及び当該第2バンクの前記第1方向における両側のサブピクセル領域にまたがって重なる場合に、前記両側のサブピクセル領域のうち、前記第1方向における一端側の前記サブピクセル領域と前記仮第1空間とが重なる領域の平面視での面積をIaとし、他端側の前記サブピクセル領域と前記第1空間とが重なる領域の平面視での面積をIbとすると、Ia<α×Hの関係を満たす場合には、前記一対の堰のうち前記一端側の堰を、当該一端側の堰の前記仮形成位置に、前記第1形成方法により形成し、α×H≦Iaの関係を満たす場合には、前記仮第1空間と重なる前記第2バンクの前記一端側に隣り合う前記第2バンク上に、前記一対の堰のうちの前記一端側の堰を、前記第2形成方法により形成し、Ib<α×Hの関係を満たす場合には、前記一対の堰のうち前記他端側の堰を、当該他端側の堰の前記仮形成位置に、前記第1形成方法により形成し、α×H≦Ibの関係を満たす場合には、前記仮第1空間と重なる前記第2バンクの前記他端側に隣り合う前記第2バンク上に、前記一対の堰のうちの前記他端側の堰を、前記第2形成方法により形成してもよい。
ラインバンクの場合には、仮第1空間が第2バンクをまたいで存在することが有り得る。このとき、見かけ上、仮第1空間の面積がα×H≦Iの関係を満たす場合であっても、仮第1空間がかかっているサブピクセル領域を個別に考えた場合に、I<α×Hの関係を満たす場合、即ち、仮第1空間のうち第2バンクからはみ出している部分の面積が、α×Hよりも小さければ、第1形成方法により一対の堰の一方を形成することにより、当該サブピクセルにおいて混色領域の面積をできるだけ小さくすることができ、表示不良を抑制することができる。
また、仮第1空間がかかっているサブピクセル領域を個別に考えた場合に、α×H≦Iの関係を満たす場合には、当該サブピクセル全体を混色領域としてもよいことになる。即ち、仮第1空間と重ならない方の第2バンク上に第2形成方法により一対の堰の一方を形成することができ、当該一方の堰を第1形成方法で形成する場合と比較して、堰部の形成に要する時間を短縮することができる。
本発明の一態様に係るバンク補修方法の特定の局面においては、前記一対の堰は、それぞれ前記第2方向に沿った形状であってもよい。
これにより、堰部を容易に形成することができる。
本発明の一態様に係るバンク補修方法の特定の局面においては、前記一対の堰は、互いに平行であって、前記第2方向と交差してもよい。
これにより、第1バンク上の欠陥部の位置が偏っている場合であっても、それに対応して堰部を形成することができる。
本発明の一態様に係るバンク補修方法の特定の局面においては、前記一対の堰は、互いに離間しており、前記欠陥部が存在する前記第1バンクから遠ざかるにつれて互いに近接する形状であってもよい。
これにより、欠陥部に近いほど隣の凹空間から異なる発光色のインクが流れこむ勢いが強いため、堰部を広く確保して、流れ込んだインクが堰部を乗り越えてその外側に漏れるのを防ぐことができるとともに、堰部で囲まれた面積をより小さくして、出来るだけ混色領域の面積を小さくすることができる。
本発明の一態様に係るバンク補修方法の特定の局面においては、前記堰部は、前記欠陥部が存在する前記第1バンクにおいて、前記欠陥部を前記第1方向に挟む2点の一方から、前記欠陥部を迂回して他方に亘る形状であってもよい。
これにより、欠陥部を迂回して囲む形状の堰部を形成し、第1空間内に混色したインクを留めて表示不良を抑制することができる。
本発明の一態様に係るバンク補修方法の特定の局面においては、平面視で、前記仮第1空間の前記第1方向における両端の一方が前記第2バンクと重なる場合であって、I<α×Hの関係を満たす場合には、前記仮形成位置に、前記第1形成方法により前記堰部を形成してもよい。
堰部が欠陥部を迂回して囲む形状であって、仮第1空間の第1方向における両端の一方が第2バンクと重なる場合、仮第1空間とサブピクセル領域とが重なる重なり領域の面積Iと、サブピクセル領域の面積Hとが、I<α×Hの関係を満たす場合には、仮形成位置に堰部を形成することにより、混色領域の面積を小さく抑えることができ、当該サブピクセル領域が暗点として認識されるのを防ぐことができる。
本発明の一態様に係るバンク補修方法の特定の局面においては、平面視で、前記仮第1空間が、前記第2バンク及び当該第2バンクの前記第1方向における両側のサブピクセル領域にまたがって重なる場合に、前記両側のサブピクセル領域のうち、前記仮第1空間の前記第1方向における一端側のサブピクセル領域と前記仮第1空間とが重なる領域の平面視での面積をIaとし、他端側のサブピクセル領域と前記第1空間とが重なる領域の平面視での面積をIbとすると、Ia<α×H、且つ、Ib<α×Hの関係を満たす場合には、前記仮形成位置に、前記堰部を、前記第1形成方法により形成し、α×H≦Ia、且つ、α×H≦Ibの関係を満たす場合には、前記仮形成位置の前記堰部に代えて、前記またがって重なる前記第2バンクの前記一端側及び前記他端側に隣り合う前記第2バンクそれぞれの上に、前記欠陥部が存在する前記第1バンクからその隣の前記第1バンクに亘る一対の堰を、前記第1形成方法よりも形成スピードが速い第2形成方法により形成してもよい。
堰部が欠陥部を迂回して囲む形状であって、仮第1空間が第2バンク及びその第1方向における両側のサブピクセル領域にまたがって重なる場合に、両側のサブピクセル領域それぞれと仮第1空間とが重なる領域の面積が、両方ともα×Hよりも小さい場合には、仮形成位置に第1形成方法により堰部を形成することにより、混色領域の面積を小さく抑えることができる。
両方ともα×H以上の場合には、そのまま仮形成位置に堰部を形成したとしても、両側のサブピクセル領域ともに暗点として認識されてしまう。そこで、仮形成位置に代えて第2バンク上に、第1形成方法よりも形成スピードの速い第2形成方法により一対の堰を形成することにより、混色領域を上記両側のサブピクセル領域に留めることができるので、実質的に仮形成位置に堰部を形成する場合と同様の表示不良抑制効果が得ることができるのに加えて、第1形成方法で堰部を形成する場合よりも堰部形成に要する時間を短縮することができる。
本発明の一態様に係るバンク補修方法の特定の局面においては、前記サブピクセル領域の前記第1方向の長さをLとし、前記またがって重なる前記第2バンクの前記一端側の端部と前記仮第1空間の前記一端との間の前記第1方向の距離をdaとすると、Ia<α×H、且つ、α×H≦Ibの関係を満たす場合に、da<α×Lの関係を満たす場合には、前記仮形成位置の前記堰部に代えて、一対の堰の一方を、前記仮第1空間の前記一端と重なる位置に、前記第1形成方法により形成し、前記一対の堰の他方を、前記またがって重なる前記第2バンクの前記他端側に隣り合う前記第2バンク上に、前記第2形成方法により形成し、α×L≦daの関係を満たす場合には、前記仮形成位置に前記堰部を前記第1形成方法により形成してもよい。
堰部が欠陥部を迂回して囲む形状であって、仮第1空間が第2バンク及びその第1方向における両側のサブピクセル領域にまたがって重なる場合に、両側のサブピクセル領域のうち、仮第1空間の第1方向における一端側のサブピクセル領域と仮第1空間とが重なる領域の面積Iaがα×Hよりも小さく、他端側のサブピクセル領域と仮第1空間とが重なる領域の面積Ibがα×H以上である場合には、他端側のサブピクセル領域は、暗点として認識されてしまうので、他端側の第2バンク上に第2形成方法により堰を形成することにより、堰形成時間を短縮することができる。
ここで、欠陥部を迂回して囲む形状の堰部の場合、一端側の部分と他端側の部分に分割することができないので、他端側を第2形成方法により第2バンク上に形成する場合、堰部は、欠陥部が存在する第1バンクからその隣の第1バンクへと亘る形状の一対の堰から構成されることになる。
da<α×Lの関係を満たす場合には、仮第1空間の一端の位置に、一対の堰の一端側を第1形成方法により形成することにより、一端側のサブピクセル領域における混色領域の面積がα×Hよりも小さく抑えられるので、暗点として認識されるのを防ぐことができる。
α×L≦daの関係を満たす場合には、仮第1空間の一端の位置に、一対の堰の一端側を形成すると、一端側のサブピクセル領域における混色領域の面積がα×H以上となってしまい、当該サブピクセル領域は暗点として認識されてしまう。しかしながら、α×H未満となる位置に一対の堰の一端側を形成するとした場合、当該位置が欠陥部3から十分なマージンを確保できる位置であるかどうかは不明である。そこで、この場合は、そのまま仮形成位置に迂回堰を第1形成方法により形成することにより、一端側のサブピクセル領域における混色領域の面積がα×H未満に抑えられ、一端側のサブピクセル領域が暗点として認識されてしまうのを防ぐことができる。
本発明の一態様に係るバンク補修方法の特定の局面においては、前記堰部は、前記2点の一方から他方に亘る途中で、前記隣の前記第1バンクに接していてもよい。
これにより、堰部により囲まれた混色領域の面積をより小さくすることができ、表示不良を抑制することができる。
本発明の一態様に係るバンク補修方法の特定の局面においては、前記堰部は、前記隣の前記第1バンクと離間していてもよい。
これにより、混色領域の面積をさらに小さくすることができ、表示不良を抑制することができる。
本発明の一態様に係るバンク補修方法の特定の局面においては、前記堰部の形成の際に、前記欠陥部が存在する前記第1バンク及びその隣の前記第1バンクのそれぞれにおいて、前記堰部と接する部分に、当該部分の上部から上方に突出する突状部をさらに形成してもよい。
これにより、一対の堰形成後に発光層を形成する際に、インクジェット法により、一対の堰上にインク液滴が着弾した場合に、インク液滴が堰の上面を伝わって隣の凹空間に入り込み混色が生じるのを防ぐことができる。
本発明の一態様に係るバンク補修方法の特定の局面においては、前記第1バンクと前記第2バンクの前記基板の上面からの高さが同じであり、α×H≦Iの関係を満たす場合には、当該サブピクセル領域については、前記堰部を形成しなくてもよい。
第1バンクと第2バンクの基板上面からの高さが同じ場合において、即ち、ピクセルバンクの場合には、第1バンク及び第2バンクによりサブピクセルごとに仕切られている。従って、α×H≦Iの関係を満たす場合には、堰部を形成しなくても、混色インクはサブピクセル内に留められ、拡散が防止される。これにより、堰部を形成する工程を省略してバンクの補修に要する時間を短縮することができる。
本発明の一態様に係るバンク補修方法の特定の局面においては、前記第1形成方法は、ニードルディスペンサを用いて堰部を形成する方法であってもよい。
これにより、正確な位置に、正確な形状で堰部を形成することができる。
本発明の一態様に係るバンク補修方法の特定の局面においては、前記第2形成方法は、ノズルディスペンサを用いて堰部を形成する方法であってもよい。
これにより、ニードルディスペンサよりも短時間で堰部を形成することができる。
本発明の一態様に係るバンク補修方法の特定の局面においては、α=0.2であってもよい。
一般に、サブピクセル領域の面積の20%以上が混色領域となる場合に、人間の目には当該サブピクセル領域は暗点と判断される。基準値α=0.2とすることにより、堰部の形成位置および形成方歩について、より効率よく設定することができる。
本発明の別の一態様に係る有機EL表示装置の製造方法は、上記何れかのバンク補修方法により前記堰部を形成した後、前記各凹空間に、ノズルヘッドから前記凹空間のそれぞれにインク液滴を吐出することにより前記発光層を形成し、前記発光層を形成する際に、前記第1空間及び前記第2空間のそれぞれに、前記ノズルヘッドから吐出されるインク液滴の着弾点を存在させることとする。
これにより、欠陥部が存在する場合に、混色領域の面積をできるだけ小さく抑えて表示不良を抑制することができるとともに、第1空間と第2空間のそれぞれに発光層を形成するインク液滴が塗布されるため、製造された有機EL表示装置は、発光層を形成するインクの未濡れに起因する発光不良や電流リークが抑えられ、良好な表示性能が得られる。
本発明の別の一態様に係る有機EL表示装置は、基板と、前記基板上において当該基板の上面に沿った第1方向に長尺で、前記第1方向に直交し前記基板の上面に沿った第2方向に互いに間隔をあけて配された複数の第1バンクと、前記第2方向に長尺で前記第1方向に互いに間隔をあけて配された複数の第2バンクと、前記複数の第1バンクによって区画された前記基板上の空間である複数の凹空間に形成された発光層と、を有する有機EL表示装置であって、前記複数の第1バンクのうち少なくとも1つは、異物又は欠損に起因する欠陥部を有し、前記第1バンクにおいて前記欠陥部が存在する部分の前記第2方向における両側に隣接する前記凹空間のそれぞれの中に、前記発光層を、前記欠陥部に近接する部分からなる第1発光層と、前記欠陥部に近接しない部分からなる第2発光層とに仕切る堰部を有することとする。
本発明の別の一態様に係る有機EL表示装置においては、欠陥部に起因する混色が生じた発光層の部分である第1発光層と正常な発光層の部分である第2発光層とが堰部により仕切られている。言い換えると、混色が生じた発光層の部分である混色領域は、堰部により第1発光層に留められている。これにより、堰部により仕切られていない場合と比較して、混色領域の面積が小さく抑えられ、表示不良が抑制された有機EL表示装置を得ることができる。
本発明の別の一態様に係る有機EL表示装置の特定の局面においては、前記第1発光層の発光色と前記第2発光層の発光色とは、互いに異なり、前記第1発光層の発光色は、前記欠陥部を有する前記第1バンクを挟んで隣り合う前記凹空間における前記第2発光層それぞれの発光色が混色した色であってもよい。
これにより、混色が生じた発光層の部分は、第2発光層の範囲に留められ、混色領域の面積ができるだけ小さく抑えられ、表示不良が抑制された有機EL表示装置を得ることができる。
本発明の別の一態様に係る有機EL表示装置の特定の局面においては、前記第2バンクは、前記第1バンクよりも前記基板の上面からの高さが低く、隣り合う前記第1バンクと隣り合う前記第2バンクとで規定される領域をサブピクセル領域とし、平面視で、1つの前記サブピクセル領域の面積をHとし、1つの前記サブピクセル領域における前記第1発光層の面積をIとすると、平面視で、前記第1発光層と前記第2バンクとは、重なっていないか、又は、前記第1発光層の前記第1方向における両端のうちの一方が、前記第2バンクと重なっており、I<α×H(0.05<α<0.9)であって、前記堰部の幅は、第1幅であってもよい。
これにより、ラインバンクの場合に、混色領域の面積ができるだけ小さく抑えられ、表示不良が抑制された有機EL表示装置を得ることができる。
本発明の別の一態様に係る有機EL表示装置の特定の局面においては、前記第2バンクは、前記第1バンクよりも前記基板の上面からの高さが低く、隣り合う前記第1バンクと隣り合う前記第2バンクとで規定される領域をサブピクセル領域とすると、平面視で、前記第1発光層が、前記第2バンク及び当該第2バンクの前記第1方向における両側のサブピクセル領域にまたがって重なっており、平面視で、1つの前記サブピクセル領域の面積をHとし、前記両側のサブピクセル領域のうち、前記第1発光層の前記第1方向における一端側のサブピクセル領域と前記第1発光層とが重なる領域の平面視での面積をIaとし、他端側のサブピクセル領域と前記第1発光層とが重なる領域の平面視での面積をIbとすると、Ia<α×H、且つ、Ib<α×Hであって、前記堰部の幅は、第1幅であってもよい。
これにより、ラインバンクの場合に、混色領域の面積ができるだけ小さく抑えられた場合と実質的に同じ程度に表示不良が抑制された有機EL表示装置を得ることができる。
本発明の別の一態様に係る有機EL表示装置の特定の局面においては、前記堰部は、前記両側に隣接する凹空間のそれぞれにおいて、前記欠陥部を前記第1方向に挟む前記第1バンク上の2点のそれぞれから、前記欠陥部が存在する前記第1バンクの隣の前記第1バンクに亘る形状で、幅が第1幅である一対の第1堰から成ってもよい。
これにより、欠陥部を囲む堰部を容易に形成することができる。
本発明の別の一態様に係る有機EL表示装置の特定の局面においては、前記一対の第1堰は、それぞれ前記第2方向に沿った形状であってもよい。
これにより、堰部の形成が容易である。
本発明の別の一態様に係る有機EL表示装置の特定の局面においては、前記一対の前記第1堰は、互いに平行であって、前記第2方向と交差してもよい。
これにより、第1バンク上の欠陥部の位置が偏っている場合であっても、それに対応して堰部を形成することができる。
本発明の別の一態様に係る有機EL表示装置の特定の局面においては、前記一対の前記第1堰は、互いに離間しており、前記欠陥部が存在する前記第1バンクから遠ざかるにつれて互いに近接する形状であってもよい。
これにより、発光部形成の際に、欠陥部に近いほど隣の凹空間から異なる発光色のインクが流れこむ勢いが強いため、堰部を広く確保して、流れ込んだインクが堰部を乗り越えてその外側に漏れるのを防ぐことができるとともに、堰部で囲まれた面積をより小さくして、出来るだけ混色領域の面積を小さくすることができる。従って、混色領域の面積ができるだけ小さく抑えられ、表示不良が抑制された有機EL表示装置を得ることができる。
本発明の別の一態様に係る有機EL表示装置の特定の局面においては、前記堰部は、前記欠陥部が存在する前記第1バンクにおいて、前記欠陥部を前記第1方向に挟む2点の一方から、前記欠陥部を迂回して他方に亘る形状であってもよい。
これにより、発光層の混色した部分である第1発光層が、欠陥部を迂回して囲む形状の堰部により囲まれた領域内に収められるため、混色領域の面積ができるだけ小さく抑えられ、表示不良が抑制された有機EL表示装置を得ることができる。
本発明の別の一態様に係る有機EL表示装置の特定の局面においては、前記堰部は、前記2点の一方から他方に亘る途中で、前記隣の前記第1バンクに接していてもよい。
これにより、混色領域である第1発光層が、堰部により囲まれた領域内に収められるため、混色領域の面積ができるだけ小さく抑えられ、表示不良が抑制された有機EL表示装置を得ることができる。
本発明の別の一態様に係る有機EL表示装置の特定の局面においては、前記堰部は、前記隣の前記第1バンクと離間していてもよい。
これにより、第1発光層の面積をより小さくすることができ、より効果的に表示不良が抑制された有機EL表示装置を得ることができる。
本発明の別の一態様に係る有機EL表示装置の特定の局面においては、前記第2バンクは、前記第1バンクよりも前記基板の上面からの高さが低く、隣り合う前記第1バンクと隣り合う前記第2バンクとで規定される領域をサブピクセル領域とすると、平面視で、前記第1発光層が、前記第2バンク及び当該第2バンクの前記第1方向における両側のサブピクセル領域にまたがって重なっており、前記堰部は、幅が第1幅であって、前記欠陥部が存在する前記第1バンクにおいて、前記欠陥部を前記第1方向に挟む2点の一方から、前記欠陥部を迂回して前記2点の他方に亘る形状であり、平面視で、1つの前記サブピクセル領域の面積をHとし、前記両側のサブピクセル領域のうち、前記第1方向における一端側の前記サブピクセル領域と前記第1発光層とが重なる領域の平面視での面積をIaとし、前記第1方向における他端側の前記サブピクセル領域と前記第1発光層とが重なる領域の平面視での面積をIbとし、前記サブピクセル領域の前記第1方向の長さをLとし、前記またがって重なる前記第2バンクの前記一端側の端部と前記仮第1空間の前記一端側の端部との間の前記第1方向の距離をdaとすると、Ia<α×H、且つ、α×H≦Ib、且つ、α×L≦daであってもよい。
これにより、一方側のサブピクセル領域の暗転化が防止され、表示不良が抑制された有機EL表示装置を得ることができる。
本発明の別の一態様に係る有機EL表示装置の特定の局面においては、前記第2バンクは、前記第1バンクよりも前記基板の上面からの高さが低く、隣り合う前記第1バンクと隣り合う前記第2バンクとで規定される領域をサブピクセル領域とすると、平面視で、前記第1発光層が、前記第2バンク及び当該第2バンクの前記第1方向における両側のサブピクセル領域にまたがって重なっており、前記堰部は、一対の堰からなり、前記一対の堰のうちの一方は、前記またがって重なる前記第2バンクの前記両側のうち、前記第1方向における一端側において、前記欠陥部が存在する前記第1バンクからその隣の前記第1バンクに亘る態様で配され、幅が第1幅である第1堰であり、前記一対の堰のうちの他方は、前記またがって重なる前記第2バンクの前記両側のうち、前記第1方向における他端側に隣り合う前記第2バンク上において、前記欠陥部が存在する前記第1バンクからその隣の前記第1バンクに亘る態様で配され、幅が前記第1幅よりも大きい第2幅である第2堰であり、平面視で、1つの前記サブピクセル領域の面積をHとし、前記一端側のサブピクセル領域と前記第1発光層とが重なる領域の平面視での面積をIaとすると、Ia<α×Hであってもよい。
第1堰が形成されている一端側のサブピクセル領域の暗点化が防止され、表示不良が抑制された有機EL表示装置を得ることができる。また、一対の堰の他端側が第2堰であり、当該第2堰は第2バンク上に配されている。第2バンク上は非発光領域であるので、第2堰を形成する際にそれほど精密な制御を必要とせず、形成が容易であり、形成に要する時間を短縮することができる。
本発明の別の一態様に係る有機EL表示装置の特定の局面においては、前記第2バンクは、前記第1バンクよりも前記基板の上面からの高さが低く、前記欠陥部は、平面視で前記第2バンクと重ならず、前記堰部は、前記欠陥部を前記第1方向に挟んで隣り合う前記第2バンク上において、前記欠陥部が存在する前記第1バンクからその隣の前記第1バンクに亘る態様で配され、幅が第2幅である一対の第2堰からなってもよい。
これにより、欠陥部のサイズが大きく、欠陥部が存在するサブピクセル領域全体が暗点となってしまう場合に、混色領域である第1発光層の領域を規定する堰部が一対の第2堰からなるため、堰部の形成が容易で、形成に要する時間を短縮することができる。
本発明の別の一態様に係る有機EL表示装置の特定の局面においては、前記第2バンクは、前記第1バンクよりも前記基板の上面からの高さが低く、前記欠陥部は、平面視で前記第2バンクと重なり、前記堰部は、前記欠陥部と重なる前記第2バンクの前記第1方向における両隣の前記第2バンク上において、前記欠陥部が存在する前記第1バンクからその隣の前記第1バンクに亘る態様で配され、幅が第2幅である一対の第2堰からなってもよい。
これにより、サイズの大きな欠陥部が第2バンク及びその両側のサブピクセル領域にまたがって存在する場合に、混色領域である第1発光層が一対の第2堰により当該両側のサブピクセル領域内に収められ、表示不良が抑制された有機EL表示装置を得ることができる。
さらに、堰部が一対の第2堰からなるため、形成が容易で、形成に要する時間を短縮することができる。
本発明の別の一態様に係る有機EL表示装置の特定の局面においては、前記第1バンクにおける前記堰部と接する部分に、当該部分の上部から上方に突出する突状部を有してもよい。
このように突状部を有することにより、発光層形成の際に堰部を伝わってインクが隣の凹空間に流れ込むのが防止される。その結果、混色領域の面積がより確実にできるだけ小さく抑えられ、より確実に表示不良が抑制された有機EL表示装置を得ることができる。
本発明の別の一態様に係る有機EL表示装置の特定の局面においては、前記第1バンク及び前記第2バンクは、前記基板の上面からの高さが同じであり、隣り合う前記第1バンクと隣り合う前記第2バンクとで規定される領域をサブピクセル領域とし、平面視で、前記サブピクセル領域の面積をHとし、前記第1発光層の面積をIとすると、I<α×H(0.05<α<0.9)であって、前記堰部の幅は第1幅であってもよい。
これにより、ピクセルバンクの場合において、混色領域の面積ができるだけ小さく抑えられ、表示不良が抑制された有機EL表示装置を得ることができる。
本発明の別の一態様に係る有機EL表示装置の特定の局面においては、前記第1幅は、5〜20μmであってもよい。
これにより、形成位置や形状について精密に制御することができるニードルディスペンサで第1堰を形成することができ、混色領域の面積がより正確にできるだけ小さく抑えられ、より効果的に表示不良が抑制された有機EL表示装置を得ることができる。
本発明の別の一態様に係る有機EL表示装置の特定の局面においては、前記第2幅は、10〜50μmであってもよい。
これにより、ニードルディスペンサよりも形成スピードが速いノズルディスペンサで第2堰を形成することができ、表示不良が抑制されると共に、製造に要する時間が短縮された有機EL表示装置を得ることができる。
<実施形態>
[有機EL表示装置の全体構成]
図1は、実施形態に係る表示パネル100を有する有機EL表示装置1の構成を示す模式ブロック図である。
図1に示すように、有機EL表示装置1は、表示パネル100と、これに接続された駆動制御部101とを有している。表示パネル100は、有機材料の電界発光現象を利用したパネルであり、図2に示すように、複数の発光素子(有機EL素子)10が基板上にマトリクス状に配列されている。駆動制御部101は、4つの駆動回路102〜105と制御回路106とから構成されている。
なお、表示パネル100に対する駆動制御部101の配置などは、これに限られない。
[有機EL表示パネルの構成]
図2は、表示パネル100の表示面側から見た概略構成を模式的に示す平面図である。図3は、表示パネル100を図2のA−A'線で切断した一部拡大断面図である。表示パネル100は、いわゆるトップエミッション型であって、Z方向側が表示面となっている。
表示パネル100の構成について、図2,3を参照しながら説明する。
図3に示すように、表示パネル100は、その主な構成として、下地基板11、画素電極12、ホール注入層13、第1バンク14、有機発光層15、電子輸送層16、共通電極17、封止層18を備える。
ホール注入層13、有機発光層15、電子輸送層16が、機能層に相当し、画素電極12と共通電極17によって、機能層が挟まれた構造となっている。
そして、赤(R),緑(G),青(B)の何れかの発光色に対応する有機発光層15を有する発光素子10R,10G,10Bをサブピクセルとし、図2に示すように、サブピクセルがマトリクス状に配設されている。
なお、図2においては、電子輸送層16、共通電極17、封止層18を取り除いた状態を示している。
[下地基板]
下地基板11は、基板本体部11a、TFT(薄膜トランジスタ)層11b、層間絶縁層11cを有する。
基板本体部11aは、表示パネル100の基材となる部分であり、例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル樹脂、アルミナ等の絶縁性材料のいずれかで形成することができる。
TFT層11bは、基板本体部11aの表面にサブピクセル毎に設けられており、各々には薄膜トランジスタ素子を含む画素回路が形成されている。
層間絶縁層11cは、TFT層11b上に形成されている。層間絶縁層11cは、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等の有機絶縁材料、SiO(酸化シリコン)やSiN(窒化シリコン)等の無機絶縁材料からなり、TFT層11bと画素電極12との間の電気的絶縁性を確保すると共に、TFT層11bの上面に段差が存在してもそれを平坦化して、画素電極12を形成する下地面への影響を抑える機能を持つ。
[画素電極]
画素電極12は、下地基板11上に、サブピクセル毎に個別に設けられた画素電極であり、例えば、Ag(銀)、Al(アルミニウム)、アルミニウム合金、Mo(モリブデン)、APC(銀、パラジウム、銅の合金)等の光反射性導電材料からなる。本実施形態において、画素電極12は、陽極である。
なお、画素電極12の表面にさらに公知の透明導電膜を設けてもよい。透明導電膜の材料としては、例えば酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛(IZO)を用いることができる。透明導電膜は、画素電極12とホール注入層13の間に介在し、各層間の接合性を良好にする機能を有する。
[ホール注入層]
ホール注入層13は、例えば、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、イリジウム(Ir)などの酸化物、あるいは、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料からなる層である。上記の内、酸化金属からなるホール注入層13は、ホールを安定的に、またはホールの生成を補助して、有機発光層15に対しホールを注入および輸送する機能を有する。
[バンク]
ホール注入層13の表面には、Y方向(第1方向)に沿って伸長する平面視にて短冊状の第1バンク14が複数本並列に設けられている。この第1バンク14は、絶縁性の有機材料(例えばアクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等)からなる。
各第1バンク14の断面は、図3に示されるように台形であって、第1バンク14同士の間には、第1バンク14によって区画された凹空間20(20R,20G,20B)が形成され、各凹空間20の底部には、複数の画素電極12がY方向に列設され、その上に機能層としてのホール注入層13、有機発光層15、電子輸送層16が形成されている。
第1バンク14は、X方向に隣接する発光素子10どうしを区画すると共に、有機発光層15をウェット法で形成するときに、塗布されたインクがあふれ出ないようにする構造物としても機能する。
第2バンク24は、第1バンク14よりも高さが低く(図6参照)、各凹空間20においてY方向に隣接する画素電極12と画素電極12との間に形成され、Y方向に隣接する発光素子10どうしを区画している。即ち、表示パネル100は、所謂ラインバンクを有する有機EL表示パネルである。
複数の各凹空間20において、形成されている複数の第2バンク24のY方向の位置は同じである。各第2バンク24はX方向(第2方向)に伸長し、第1バンク14の下を通り隣の第2バンク24につながってX方向に伸長する短冊状となっている。従って、下地基板11上において、第1バンク14と第2バンク24の全体は格子状に形成されている(図2参照)。
[有機発光層]
有機発光層15は、キャリア(正孔と電子)が再結合して発光する部位であって、R,G,Bのいずれかの色に対応する有機材料を含む。
この有機発光層15は、上記の第1バンク14によって区画されたY方向に伸長する溝状の凹空間(図6の凹空間20R,20G,20B参照)に形成されている。
なお、図6に示す凹空間20Rは赤色の発光層が形成されて赤色の発光素子10Rが形成される凹空間であり、凹空間20G、凹空間20Bは、それぞれ緑色、青色の発光層が形成されて、緑色、青色の発光素子10G、10Bが形成される凹空間である。
従って、互いに色の異なる有機発光層15が、第1バンク14を挟んで配置されていることになる。
有機発光層15の材料としては、例えば、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)、ポリフルオレン、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体等の蛍光物質等が挙げられる。
[電子輸送層]
電子輸送層16は、共通電極17から注入された電子を有機発光層15へ輸送する機能を有し、例えば、オキサジアゾール誘導体(OXD)、トリアゾール誘導体(TAZ)、フェナンスロリン誘導体(BCP、Bphen)などで形成されている。
[共通電極]
共通電極17は、例えば、ITO、IZO等の導電性を有する光透過性材料で形成され全てのサブピクセルに亘って設けられている。
本実施形態において、共通電極17は陰極である。
[封止層18]
封止層18は、ホール注入層13、有機発光層15、電子輸送層16、共通電極17を水分及び酸素から保護するために設けられている。
なお、図示はしないが、封止層18の上に、ブラックマトリクス、カラーフィルター等が形成されていてもよい。
[表示パネルの製造方法]
図4は、表示パネル100の製造過程を示す模式工程図である。
図5は、表示パネル100の製造工程の一部を模式的に示す断面図である。
表示パネル100の製造方法について、図4の工程図に基づいて、図3、5を参照しながら説明する。
まず、基板本体部11a上にTFT層11bを形成する(ステップS1)。
続いて、TFT層11bの上に、絶縁性に優れる有機材料を用いてフォトレジスト法で層間絶縁層11cを形成して下地基板11を作製する(ステップS2)。層間絶縁層11cの厚みは例えば約4μmである。なお、図3の断面図および図4の工程図には現れないが、層間絶縁層11cを形成するときに、コンタクトホール2(図2参照)を形成する。
次に、下地基板11上に、真空蒸着法またはスパッタ法によって、厚み400[nm]程度の金属材料からなる画素電極12を、サブピクセル毎に形成する(ステップS3)。
続いて、スパッタ法などで酸化タングステンを、下地基板11および画素電極12上に一様に成膜することによって、ホール注入層13を形成する(ステップS4)。
次に、第2バンク24と第1バンク14を以下のようにフォトリソグラフィー法で形成する(ステップS5)。
まず第2バンク24を形成するためのバンク材料(例えば、感光性を有するフォトレジスト材料)を、ホール注入層13上に一様に塗布する。
その後、塗布されたバンク材料層に、第2バンク24のパターンに合わせた開口を有するフォトマスクを重ねて、UV照射して露光する。そして未硬化の余分なバンク材料を現像液で除去することによって第2バンク24を形成する。
次に、第1バンク14を形成するためのバンク材料(例えば、ネガ型感光性樹脂組成物を)を、第2バンク24を形成した基板上に一様に塗布する。
そのバンク材料層上に、形成しようとする第1バンク14のパターンに合わせた開口を有するマスクを重ねて、マスクの上から露光する。その後、余分なバンク材料をアルカリ現像液で洗い出すことによって、バンク材料をパターニングして、第1バンクのパターンを形成する。
図5(a)に示すように未焼成の第1バンク14a及び第2バンク24aがパターン形成される。そして隣接する第1バンク14a同士の間に、凹空間20が形成されている。
次に、このパターン形成された未焼成の第1バンク14aにおける欠陥部の発生を調べて(ステップS6)、欠陥部があればその補修を行う。
このバンク補修については、後で詳しく説明するが、検出した欠陥部の近傍において、第1バンク14aの同士の間の凹空間20に補修材を塗布し乾燥して堰部を形成することによって行う(ステップS7)。図5(b)には、第1バンク14a間の凹空間20に補修材が塗布され、未焼成の第1堰51aが形成された状態を示している。
その後、未焼成の第1バンク14a、未焼成の第2バンク24a、未焼成の第1堰51aを、同時に加熱焼成することによって、第1バンク14、第2バンク24、第1堰51(堰部50)が出来上がり、欠陥部3の補修が完了する(ステップS8)。この同時焼成は、例えば、未焼成の第1バンク14a、未焼成の第2バンク24a、及び未焼成の第1堰51aを、150℃〜210℃の温度で60分間加熱することによって行う。
図5(c)は、この焼成によって、第1バンク14、第2バンク24が形成されると共に第1堰51が形成された状態、すなわち、第1バンク14における欠陥部3が補修された状態を示している。
このように形成された第1バンク14において、さらに、次の工程で塗布するインクに対する第1バンク14の接触角を調節する処理を施してもよい。あるいは、第1バンク14の表面に撥水性を付与するために、所定のアルカリ性溶液や水、有機溶媒等による表面処理や、プラズマ処理等を施してもよい。
続いて、図5(d)に示すように、隣り合う第1バンク14同士間の凹空間20に、有機発光層15を形成するためのインクを塗布する。このインクは、有機発光層15を構成する有機材料と溶媒を混合したものであって、各凹空間20内にインクジェット法を用いて塗布する。
そして、塗布されたインク層15aに含まれる溶媒を蒸発させて乾燥し、必要に応じて加熱焼成することによって、図5(e)に示すように、各凹空間20内に有機発光層15が形成される(ステップS9)。
次に、有機発光層15および第1バンク14の上に、電子輸送層16を構成する材料を真空蒸着法で成膜して、電子輸送層16を形成する(ステップS10)。
そして、ITO、IZO等の材料を、スパッタ法等で成膜して、共通電極17を形成する(ステップS11)。
そして、共通電極17の表面に、SiN、SiON等の光透過性材料をスパッタ法あるいはCVD法等で成膜して、封止層18を形成する(ステップS12)。
以上の工程を経て表示パネル100が完成する。
[バンクの欠陥部を検出し補修する方法]
上記製造方法で説明したように、正確には、未焼成の第1バンク14a、第2バンク24a、未焼成の第1堰51aを形成した後、これら未焼成の第1バンク14a、第2バンク24aや第1堰51aを加熱焼成して硬化させることによって、最終的な第1バンク14、第2バンク24や第1堰51が形成される。しかし、未焼成の第1バンク14a、未焼成の第1堰51aは、ある程度固体化して安定なバンク形状、堰形状となっているので、本明細書では、未焼成の第1バンク14aや未焼成の第1堰51aについても、単に第1バンク14a、第1堰51aと記載して説明する。
[欠陥部3]
まず、第1バンク14aに存在する欠陥部3について説明する。
この欠陥部3は、第1バンク14aに存在する異物、または第1バンク14aの一部が欠損した部分である。
異物は、例えば、製造装置に由来する金属片、空気中に存在する塵・埃の類である。そして、塵・埃は、繊維片であることが多い。
図6(a)に示す例では、1本の第1バンク14aの上に、異物が付着して欠陥部3となっている。図6(b)は、欠陥部3をY方向(第1方向)に挟むように一対の第1堰51からなる堰部50が形成された状態を示す模式斜視図である。図7(a)に示す例では、図6(a)に示す例よりも大きな異物が第1バンク14a上に付着して欠陥部3となっている。図7(b)は、欠陥部3をY方向(第1方向)に挟むように一対の第1堰51からなる堰部50が形成された状態を示す模式斜視図である。このように本実施形態においては、堰部50は、欠陥部3をY方向(第1方向)に挟む一対の第1堰51からなる。第1堰51は、欠陥部3が存在する第1バンク14a上の欠陥部3を挟む2点から、それぞれ隣の第1バンク14aに亘ってX方向(第2方向)に沿って形成されており、欠陥部が存在する第1バンク14aの両側の凹空間20にそれぞれ一対ずつ形成されている。
なお、第1堰51は、ニードルディスペンサにより形成された堰であり、ニードルディスペンサにより堰を形成する方法を、第1形成方法という。第1堰51の幅(平面視における太さ)は、第1幅であり、具体的には、例えば、5〜20μmである。
第1バンク14a上に異物があると、図5(d)に示すように第1バンク14を挟んで隣接する凹空間20にインクを塗布してドーム状に盛ったインク層15aが形成されると、インク層15aが異物に接触し、インクの一部が隣の凹空間20に流れ込んで、発光色の異なるインク(例えば赤色インクと緑色インク)が混ざってしまうことがある。
本実施形態では、堰部50により混色インクをせき止めて、混色領域が広がるのを防ぐことができる。
なお、欠陥部3は、このように第1バンク14a上に異物が付着している場合に限られない。例えば、図8(a)に示す例のように、1本の第1バンク14aの中に異物が入り込み、その異物が第1バンク14の壁面を隣の凹空間20まで貫通して欠陥部3となっている場合もある。また、図8(b)に示す例では、1本の第1バンク14aの下に異物が入り込んで、その異物が隣の凹空間20まで貫通して欠陥部3となっている。このように、第1バンク14aの中や下に異物が存在する場合でも、異物とバンク材料との密着性が悪い場合には、隙間が生じてインクの流通路ができる。異物が繊維片の場合には、インクを吸収するので、異物自体がインクの流通路となる。従って、異物を挟んで隣り合う凹空間に形成されたインク層15aの間で混色が生じる原因となる。
さらには、図8(c)に示す例では、第1バンク14aの一部が決壊して欠陥部3となっている。このような第1バンク14aにおける決壊は、例えば、バンク材料層に対する露光の工程で、露光が不十分で重合が十分になされなかった箇所が、次の現像工程で洗い流されることによって発生する。このように決壊が生じた場合も、その決壊を介して隣り合う凹空間に形成されたインク層15aの間で混色が生じる。
発光層に混色領域が生じたパネルを用いて表示パネル100を製造すると、混色領域は、本来の発光色とは異なった発光色で発光する。一般に、異なる発光色の蛍光体が混合された場合、波長の長い蛍光体の発光色が優勢になる。
例えば図13(c)に示すような赤色インクと緑色インクが混合されて生じた混色領域は、赤色で発光することになる。従って、緑色で発光すべき領域の中で、混色領域となった領域では、赤色で発光することになるので、この混色領域が広がると発光色不良の原因となる。
以上説明したように、第1バンク14aにおいて異物や決壊が生じている箇所は、発光色が異なるインクの混色が生じて、発光色不良の原因となるので、この箇所を欠陥部3としている。
また、波長の長い光は暗く見えるため、有機発光層15の混色が生じていない部分と比較して、混色が生じている部分は暗く表示されてしまうことになる。
なお、図8(a),(b)のように第1バンク14aの下あるいは中に異物が入り込むと、その箇所では、第1バンク14が上に膨らんでバンクの高さが高くなり、一方、図8(c)のように第1バンク14aが決壊した箇所では、第1バンク14の高さが低くなる。
[欠陥部3の検出と堰部50の形成]
第1バンク14aにおける欠陥部3の検出は、例えば、下地基板11上に形成した第1バンク14aの表面画像を撮影し、その表面画像のパターン検査によって行う。
図9は、バンク欠陥部の検出と、その補修に用いる補修装置の一例を示す概略構成図である。
この補修装置200においては、ベース201上に、上記の下地基板11を載置するテーブル202と、撮像素子211,ノズルディスペンサ212,ニードルディスペンサ213が取り付けられたヘッド部210とを有している。そして、テーブル202は、コントローラ230のCPU231の指示に基づいてY方向に移動でき、ヘッド部210は、CPU231の指示によって、X方向及びZ方向に移動できるようになっている。
従って、ヘッド部210に取り付けられているノズルディスペンサ212,ニードルディスペンサ213は、CPU231の指示によって、テーブル202上に載置された下地基板11の上方で、下地基板11に対して、X方向、Y方向、Z方向に相対移動することができる。
なお、ここでは、下地基板11上に画素電極12,ホール注入層13,第1バンク14a,第2バンク24aが形成されたものを、下地基板11として表す。
(実施例1)
図10(a)は、本実施形態の実施例1における堰部50の形成位置を示す模式平面図である。図10(b)は、実施例1における堰部50が形成された様子を示す模式平面図である。
図10(a)に示すように、第1バンク14a上に欠陥部3が存在する場合、欠陥部3(ここでは、異物)のY方向(第1方向)における両端部の座標位置(Ya,Yb)を取得する。そして、Ya,Ybに、それぞれマージンaを加えた値Ta,Tbを、堰部50の仮形成位置として設定する。本実施例では、堰部50は、一対の第1堰51から成るので、Ta,Tbは、一対の第1堰51のそれぞれの仮形成位置となる。ここで、一対の堰の仮形成位置のうち、Y方向上流側(図10(a),(c)において紙面下側)の仮形成位置がTaであり、Y方向下流側(図10(a),(c)において紙面上側)の仮形成位置がTbである。
そして、仮形成位置の堰部50と隣り合う第1バンク14aとで囲まれる領域である仮第1空間TSAとサブピクセル領域SPとが平面視で重なる領域である重なり領域OLの平面視での面積Iを算出する。実施例1においては、仮第1空間TSA全部が1つのサブピクセル領域内に位置している、即ち、仮第1空間TSAが第2バンク24aと平面視で重なっていないため、仮第1空間TSAと重なり領域OLとは同一であり、面積Iは、仮第1空間TSAの面積と等しい。以下、平面視での面積を、単に「面積」と表す。
1つのサブピクセル領域内において、混色領域の占める割合が所定の割合以上になると、人間の目には、当該サブピクセル領域全体が暗点として認識されてしまう。本実施形態においては、暗点として認識されてしまう所定の割合をαとする。αは、例えば、0.2(20%)である。なお、αは0.2に限定されるものではなく、暗点と認識されないレベルあるいは、サブピクセルの輝度が低下しても許容可能なレベルの任意の値としてもよい。より具体的には、例えば、αは、0.05〜0.9の範囲の任意の値としてもよい。さらに好ましくは、αを0.1〜0.3の範囲の任意の値としてもよい。以下、他の実施例及び変形例においても同様である。
ここで、混色領域となるのは、堰部50により仕切られた欠陥部3に近接する領域であり、即ち、仮第1空間TSAである。実施例1では、混色領域となる仮第1空間TSAの面積は、サブピクセル領域の面積の所定割合未満である。即ち、I<α×Hである。従って、仮形成位置Ta,Tbに一対の第1堰51をそれぞれ形成すれば、混色領域は仮第1空間TSA(堰が形成された後は、第1空間SAとなる。)内に留められ、当該サブピクセルが暗点として認識されることはない。
実施例1においては、一対の第1堰51は、共に、X方向に沿った形状であるので、サブピクセル領域SPの面積Hに対する仮第1空間TSAの面積Iの割合を算出する際には、サブピクセル領域SPのY方向の長さLに対する一対の第1堰51間のY方向の距離Jの比率を算出することにより代用することができる。
ここで、サブピクセル領域における混色領域以外の正常な領域の面積をできるだけ大きく確保すること、即ち、混色領域となる仮第1空間TSAの面積をできるだけ小さく抑えることが重要である。そのためには、第1堰51の幅は必要最小とし、正確な形成位置に正確な形状で第1堰51を形成することが必要である。そこで、実施例1では、一対の第1堰51をニードルディスペンサで形成する。図10(a)に示す点P1〜P4は、ニードルディスペンサによる塗布位置を表す。同図に示すように、欠陥部3を有するバンク14aの両側に隣接する凹空間20の中に、欠陥部3の両端からY方向にマージンa離れた点A1及びA2を通ってそれぞれX方向に伸長する堰形成ラインに沿って、それぞれ塗布点P1,P2,P3,P4を設定する。
ここで、マージンaは、点A1と点A2とで欠陥部3の全体が挟み込まれ、且つあまり大き過ぎないように、適度な長さに設定する。
図10(b)は、下地基板11において、点A1を通る堰形成ラインに沿った断面を模式的に示す図である。
図11(a)〜(g)は、塗布点P1,P2…に、補修材を順次塗布することによって、第1堰51が形成される様子を模式的に示す図である。
補修装置200は、このように設定した塗布点P1,P2,P3,P4において、順次、ニードル213aで補修材を塗布することによって第1堰51を形成する。ニードルディスペンサ213は、その先端部分に補修材を収納するタンク213bが取り付けられ、タンク213bを貫通するようにニードル213aが上下に移動することによって、ニードル213aに付着させた補修材をマイクロリットル単位で塗布できるようになっている。
まず図11(a),(b)に示すように、ニードル213a、タンク213bを塗布点P1に位置させて、ニードル213aを下方に移動してニードル213aに補修材を付着させて、ニードル213aを塗布点P1に近づけることによって補修材を塗布点P1に塗布する。
補修材は、塗布されるまでは流動性を有するが、塗布後は山形状が維持され、図11(c)に示すように、塗布点P1に補修材の山が形成される。
続いて、図11(d)に示すように、ニードル213aをタンク213b内に引き上げて、ニードル213a,タンク213bを、塗布点P2に移動させる。そして、図11(e)に示すように、ニードル213aを下方に移動して、補修材を付着させたニードル213aを塗布点P2に近づけることによって補修材を塗布点P2に塗布する。
それによって図11(f)に示すように、塗布点P2に形成される補修材の山は、塗布点P1に形成されている補修材の山と繋がる。
続いて、図11(g)に示すように、ニードル213aを引き上げて、塗布点P3に移動させる。そして、同様にして、塗布点P3に補修材の山を形成して、塗布点P2の補修材の山とつなげる。
このようにして、欠陥部3を有する第1バンク14a上の点A1から、隣の第1バンク14aに亘る形状で、補修材の山が連なることになる。そして、この塗布された補修材の山を、乾燥させ、必要に応じて露光を行うことによって第1堰51が形成される。
また、その後の同時焼成工程において、塗布された補修材が硬化するので、より安定した物性を有する第1堰51が形成される。
上記の工程を、一対の第1堰51に対してそれぞれ行うことにより、堰部50が形成される。
以上の堰部形成工程によって、図6(b)に示すように、欠陥部3を有する第1バンク14の両側にある凹空間20の各々に、第1堰51が対で設けられ、この第1堰51によって凹空間20は、欠陥部3に近接する空間部分からなる第1空間SAと、欠陥部3に近接しない空間部分からなる2つの第2空間SBとに仕切られている。そして、欠陥部3は、2つの第1空間SAによって囲まれている。
以上のように各第1バンク14の欠陥部3を補修した上で、次のステップS9(図4参照)の発光層形成工程を行うことによって、後述するように、インクの混色領域を制限するとともに、第1空間SA、第2空間SBに、インクが塗布され、有機発光層15が形成される。
なお、補修材としては、光や熱を加えることによって硬化する樹脂の組成物を用いることができる。
樹脂としては、例えば、(メタ)アクロイル基、アリル基、ビニル基、ビニルオキシ基などのエチレン性の二重結合を有する硬化性の樹脂が挙げられる。
また、樹脂に対して架橋する架橋剤、例えば、エポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物を添加してもよい。
また、この樹脂構造の中に、フッ素が導入されているフッ化ポリマーを用いてもよい。補修材の樹脂にフッ素が導入されることによって、形成される堰部50に溌インク性を付与することができる。あるいは、樹脂に各種溌インク剤を添加してもよい。撥インク剤の添加量は0.01〜10wt%とする。撥インク剤の添加量をこの範囲にすることで、樹脂組成物の貯蔵安定性が良好で、且つ形成される堰部50の撥インク性も良好となる。
なお、補修材として、第1バンク14aを形成するバンク材料と同じものを用いてもよい。ただしバンク材料の場合は、アルカリ現像液に可溶の酸成分が含まれているが、堰を形成する補修材には、アルカリ現像液に可溶の酸成分は含有しないことが好ましい。これは、堰を形成するときには現像は行われず、酸成分が堰部50に残存すると堰部50の耐溶剤性が低下するためである。
上記補修材を構成する樹脂の組成物に、必要に応じて、溶剤、光重合開始剤を適宜添加してもよい。
溶剤は、樹脂に対する溶解性を有するもので、沸点が150〜250℃程度の溶剤を1種類以上用いても良い。
光重合開始剤としては、市販の各種光重合開始剤を用いることができる。
補修材の塗布時において、補修材の固形分は、例えば20〜90wt%に調整し、粘度は例えば10〜50cP(センチポイズ)に調整する。
光重合開始剤の添加量は、焼成時における露光量に応じて調整するが、例えば全固形分に対して0.1〜50重量%、好ましくは5重量%〜30重量%である。
第1堰51aの形成は、凹空間20内において、第1堰51を形成しようとするライン(堰形成ライン)に沿って設定された複数の位置に、ニードルディスペンサ213から補修材を塗布することによって行う。
(実施例2)
図12(a)は、本実施形態の実施例2に係る表示パネルにおける欠陥部3、仮第1空間TSA、及び堰部50を模式的に示す平面図である。図12(b)は、実施例2において第2堰52が形成される様子を模式的に示す断面図である。実施例2に係る堰部50は、一対の第2堰52からなる。
なお、第2堰52は、ノズルディスペンサにより形成された堰であり、ノズルディスペンサにより堰を形成する方法を、第2形成方法という。第2堰52の幅(平面視における太さ)は、第1幅よりも大きい第2幅であり、具体的には、例えば、10〜50μmである。
実施例2においては、図12(a)に示すように、欠陥部3(ここでは、異物)のサイズが、実施例1の欠陥部3よりも大きい。実施例2においても、実施例1と同様に、欠陥部3のY方向(第1方向)における両端部の座標位置(Ya,Yb)を取得する。そして、Ya,Ybに、それぞれマージンaを加えた値Ta,Tbを、堰部50の仮形成位置として設定する。本実施例では、堰部50は、一対の堰から成るので、Ta,Tbは、一対の堰それぞれの仮形成位置となる。
そして、仮形成位置の堰部50と隣り合う第1バンク14aとで囲まれる領域である仮第1空間TSAとサブピクセル領域SPとが重なる領域である重なり領域OLの平面視での面積Iを算出する。実施例1においては、仮第1空間TSA全部が1つのサブピクセル領域内に位置している、即ち、仮第1空間TSAが第2バンク24aと平面視で重なっていないため、仮第1空間TSAと重なり領域OLとは同一であり、面積Iは、仮第1空間TSAの面積と等しい。
ここで、仮形成位置Ta,Tbに一対の堰を形成した場合、仮第1空間TSAが混色領域となる。実施例2では、混色領域となる重なり領域の面積I(仮第1空間TSAの面積と等しい)は、サブピクセル領域の面積Hの所定割合以上である、即ち、α×H≦Iである。この場合、仮形成位置Ta,Tbに一対の第1堰51をニードルディスペンサで形成しても、当該サブピクセル領域全体が暗点として認識されてしまう。それならば、当該サブピクセル領域全体を混色領域としてしまっても結果は同じであるので、欠陥部3をY方向に挟んで隣り合う第2バンク24a上にそれぞれ堰を形成すればよい。第2バンク24aは、絶縁性の材料で形成されており、第2バンク24上は非発光領域である。また、第2バンク24は、ある程度幅が大きい(例えば、25〜30μm)ので、それほど正確な位置に正確な形状で堰を形成しなくてもよく、形成する堰の幅も、ある程度太くても問題ない。従って、実施例2では、堰の形成方法として、ニードルディスペンサのような精密な制御が可能な方法でなくてもよく、例えば、ノズルディスペンサを用いて形成することができる。ノズルディスペンサは、ニードルディスペンサよりも堰の形成スピードが速いため、堰形成に要する時間を短縮することができる。
実施例2においても、仮第1空間を規定する一対の堰は、共に、X方向に沿った形状であるので、サブピクセル領域SPの面積Hに対する仮第1空間TSAの面積Iの割合を算出する際には、サブピクセル領域SPのY方向の長さLに対する一対の堰間のY方向の距離Jの比率を算出することにより代用することができる。
[堰部による混色防止効果]
ここで、堰部50を形成して第1バンク14の欠陥部3を補修することによるインクの混色防止効果について説明する。
図13(a)は、実施例1に係る表示パネルにおいて、欠陥部3を有する第1バンク14の周囲に堰部50が形成された後、その第1バンク14に隣接する一方の凹空間20に、赤の発光色のインクが塗布されてインク層15a(R)が、他方の凹空間20に緑の発光色のインクが塗布されてインク層15a(G)が形成された状態を示す平面図である。図13(b)は、実施例2に係る表示パネルにおいて、欠陥部3を有する第1バンク14の周囲に堰部50が形成された後、その第1バンク14に隣接する一方の凹空間20に、インク層15a(R)が、他方の凹空間20にインク層15a(G)が形成された状態を示す平面図である。図13(c)は、堰部50を形成しない比較例において、同様に第1バンク14を挟んで隣接する凹空間20にインク層15a(R)とインク層15a(G)が形成された状態を示す平面図である。
図13(c)に示すように、欠陥部3を有する第1バンク14の周囲に堰部50が形成されていないと、赤色インクと緑色インクが、欠陥部3を介して混ざり合ってできる混色領域は、各インク層15a内でY方向に広がる。この混色領域は、Y方向に長く伸びて、その長さが1cm程度になることもある。
表示パネル100が製造されたときに、この混色領域は、本来の発光色とは異なった発光色で発光する。上記のように、赤色インクと緑色インクが混合された混色領域は、赤色で発光することになる。従って、緑色で発光すべき領域の中で、混色領域となった領域では、赤色で発光することになり、発光色不良の原因となる。また、緑の光と比較して赤の光は波長が長く、暗く見えるため、人間の目には暗点として認識されてしまい、画質を損なうことになる。
これに対して、実施例1では、欠陥部3を有する第1バンク14の周囲に一対の第1堰51からなる堰部50が形成され、凹空間20が、一対の第1堰51に挟まれた欠陥部3に近接する第1空間SAと、一対の第1堰51の外側にある欠陥部3に近接しない2つの第2空間SBとに仕切られている。
同様に、実施例2では、欠陥部3を有する第1バンク14の周囲に一対の第2堰52からなる堰部50が形成され、凹空間20が、一対の第2堰52に挟まれた欠陥部3に近接する第1空間SAと、一対の第1堰51の外側にある欠陥部3に近接しない2つの第2空間SBとに仕切られている。これにより、以下に説明するように、混色領域が制限される。
図14(a)は、図13(a)におけるC−C線の断面図であって、堰部50が形成された凹空間20にインクが塗布されてインク層15a(G)が形成されたところを、Y方向に切断した断面を表している。図14(b)は、図13(b)におけるE−E線の断面図であって、堰部50が形成された凹空間20にインクが塗布されてインク層15a(G)が形成されたところを、Y方向に切断した断面を表している。
第1バンク14間の各凹空間20に、発光層形成用のインクが塗布されると、図16(a),(b)に示すように、1対の第1堰51(又は一対の第2堰52)で挟まれた第1空間SA及び、1対の第1堰51(又は一対の第2堰52)よりも外側にある2つの第2空間SBに、それぞれインク層15a(G)が形成される。
ここで、図14(a)に示す実施例1の場合のように、赤色インクと緑色インクが、欠陥部3を介して混ざり合って、第1空間SAが混色領域となることはあるが、第1空間SAに形成されたインク層15aと、1対の第1堰51よりも外側の第2空間SBに形成されたインク層15aとは、1対の第1堰51によって隔てられているので、相互に混ざり合わない。
従って、第1空間SAには混色領域ができることがあっても、その混色領域は第1堰51を超えて第2空間SBに広がることはない。
図14(b)に示す、実施例2の場合も同様である。
図13(a),(b)に示すインク層15aが乾燥(必要に応じて加熱焼成)を経ると有機発光層15が形成される。このとき、第1空間SAに存在するインク層15a(混色インクの層)は、混色した発光色の第1発光層15Aとなる。そして、第2空間SBに存在するインク層15aは、正常な発光色の第2発光層15Bとなる。
このように実施例1及び実施例2においては、欠陥部3によって生じる混色領域の範囲が、欠陥部3に近接する狭い第1空間SAに制限されるので、混色範囲の広がりを抑制する効果が得られ、表示パネル100における発光色不良に起因する表示不良及び画質低下を抑制することができる。
なお、実施例1及び実施例2のようにライン状の第1バンク14で仕切られたが凹空間20にインクを塗布する場合には、インクの混色が生じると混色範囲が広がって発光色不良による表示不良及び画質低下が目立ちやすいので、特にラインバンクを有する有機EL表示パネルに対しては、本実施形態の堰部50を形成するバンク補修方法は、得られる効果が大きい。
(実施例3)
図15(a)は、本実施形態の実施例3における欠陥部3及び仮第1空間TSAを模式的に示す平面図である。図15(b)は、実施例3に係る表示パネルにおいて堰部50が形成された状態を模式的に示す平面図である。
実施例3では、欠陥部3のサイズは、実施例1と同様に小さいものであり、仮第1空間TSAとサブピクセル領域SPとが平面視で重なり合う領域である重なり領域OLの面積Iは、サブピクセル領域SPの面積Hの所定割合α未満である。即ち、I<α×Hである。従って、実施例1と同様に、仮形成位置Ta,Tbに、ニードルディスペンサを用いて一対の第1堰51から成る堰部50を形成してもよい。しかし、ここで、実施例3では、仮第1空間のY方向における一端が第2バンク24aと平面視で重なっている。即ち、図15(a)に示すように、仮形成位置Tbが第2バンク24a上に位置している。従って、仮形成位置Tb上に形成する堰は、時間がかかるニードルディスペンサで形成しなくても、形成スピードの速いノズルディスペンサで形成してもよいことになる。
このように、実施例3では、図15(b)に示すように、仮第1空間TSAのY方向における端部が第2バンク24aと平面視で重なる場合、一対の堰のうち、第2バンク24aと重ならない方の堰は、ニードルディスペンサで形成し、第2バンク24aと重なる方の堰は、ノズルディスペンサで形成する。これにより、両方の堰をニードルディスペンサで形成する場合と比較して、形成時間を短縮することができる。
実施例3のバンク補修方法において、堰部50は、第1堰51と第2堰52の対から成り、凹空間20は、堰部50により、欠陥部3に近接する第1空間SAと、欠陥部3に近接しない第2空間SBとに仕切られる。これにより、実施例1及び2と同様に、混色領域は、第1空間SAに制限され、第2空間SBには広がらないため、表示不良及び画質低下を抑制することができる。
なお、実施例3では、第2バンク24aと重ならない方の仮形成位置Taと第2バンク24aの端部との間の距離はdであるので、サブピクセル領域の面積Hに対する重なり領域OLの面積の割合を算出する際には、サブピクセル領域SPのY方向の長さLに対する距離dの割合で代用することができる。
また、実施例3のように、仮第1空間TSAのY方向における両端のうちの一方が平面視で第2バンク24aと重なっている場合に、α×H≦Iである場合には、実施例2と同様に、欠陥部をY方向に挟んで隣り合う第2バンク上に、ノズルディスペンサで第2堰52をそれぞれ形成する。
(実施例4)
図16(a)は、本実施形態の実施例4における欠陥部3及び仮第1空間TSAを模式的に示す平面図である。図16(b)は、実施例4に係る表示パネルにおいて堰部50が形成された状態を模式的に示す平面図である。実施例4においては、仮第1空間TSAが、平面視で第2バンク24aと重なり、且つ、当該第2バンクのY方向両側のサブピクセル領域にまたがって重なっている。
実施例4では、欠陥部3のサイズは、実施例2と同様に大きいものであり、仮第1空間TSAの面積は、サブピクセル領域の面積Hの所定割合α以上である。従って、実施例2と同様に、欠陥部3をY方向に挟む第2バンク24a上に、それぞれ第2堰52をノズルディスペンサで形成してもよいように一見思われる。
しかしながら、実施例4においては、仮第1空間TSAが平面視で第2バンク24aと重なっており、且つ、仮第1空間TSAのY方向における端部が第2バンク24aと重なっていない。これは言い換えると、仮第1空間TSAが第2バンク24aをまたいでY方向に隣接する2つのサブピクセル領域にまたがって存在していることを意味している。このような場合、仮第1空間TSAの面積がα×H以上であっても、前記2つのサブピクセル領域それぞれにおいて、仮第1空間TSAとサブピクセル領域SPとが平面視で重なる領域である重なり領域OLa及びOLbの面積Ia及びIbが、α×H以上であるとは限らない。実施例4においては、重なり領域OLbの面積Ibは、Ib<α×Hであって、重なり領域OLaの面積Iaは、α×H≦Iaである。
従って、図16(b)に示すように、実施例4に係るバンク補修方法によると、仮形成位置Tb側のサブピクセル領域(重なり領域OLbが存在するサブピクセル領域)においては、仮形成位置Tbにニードルディスペンサにより第1堰51を形成して、混色領域をできるだけ小さく抑える。そして、仮形成位置Ta側のサブピクセル領域(重なり領域OLaが存在するサブピクセル領域)においては、当該サブピクセル領域全体を混色領域としても差し支えないので、当該サブピクセル領域を規定する2つの第2バンク24aのうち仮第1空間TSAと重ならない方の第2バンク24a上に、ノズルディスペンサで第2堰52を形成する。
両方のサブピクセル領域全体を混色領域とすると両方ともが暗点となってしまうが、実施例4のバンク補修方法によると、仮形成位置Tb側のサブピクセル領域の混色領域の面積をできるだけ小さく抑えて、当該サブピクセル領域が暗点となるのを避けることができるので、より効果的に画質低下を抑制することができる。また、一対の堰の両方をニードルディスペンサで形成する場合と比較すると堰部形成に要する時間を短縮することができる。
実施例4においては、サブピクセル領域の面積Hに対する重なり領域OLaの面積Iaの割合の算出において、仮第1空間TSAと重なる第2バンク24aの仮形成位置Ta側の端部Gaと仮形成位置Taとの間の距離daを用いることができる。また、サブピクセル領域の面積Hに対する重なり領域OLbの面積Ibの割合の算出において、仮第1空間TSAと重なる第2バンク24aの仮形成位置Tb側の端部Gbと仮形成位置Tbとの間の距離dbを用いることができる。
なお、Ia<α×H、且つ、Ib<α×Hの場合には、仮形成位置Ta,Tbにそれぞれニードルディスペンサで第1堰51を形成する。
α×H≦Ia、且つ、α×H≦Ibの場合には、平面視で欠陥部と重なる第2バンク24aのY方向における両隣の第2バンク24a上に、ノズルディスペンサで第2堰52をそれぞれ形成する。この場合は、仮第1空間TSAがまたがっている2つのサブピクセルの両方が混色領域となり、暗点となる。
[バンク補修方法]
以上説明した実施例1〜4のバンク補修方法を、補修装置200が実行する具体的な処理内容について、図17及び図18を参照しながら、以下に説明する。
図17は、補修装置200が欠陥部3を検出し、堰部50の形成態様(形成位置及び形成方法)を設定する堰部設定処理の処理内容の一例を示すフローチャートである。当該処理は、具体的には、コントローラ230のCPU231が行い、設定内容は記憶部232に設定記憶される。続いて、図17の堰部設定処理で設定された内容に基づき、図18に示す堰部形成処理のフローチャートに従って堰部を形成する。
(堰部設定処理)
先ずは、図17の堰部設定処理の内容について説明する。先ず、下地基板11の上面の画像データ(第1バンク14a、第2バンク24aの画像)を撮像素子211により取得し、コントローラ230の記憶部232に記憶する(ステップS20)。そして、CPU231は、その画像データにおいて、各第1バンク14aにおける部分同士を次々に比較して、相違点を検出することにより、欠陥部3を検出する。
なお、このような欠陥部検出工程において、下地基板11上に形成された複数の第1バンク14aのうち、いくつかの第1バンク14aに欠陥部3が検出される可能性もあれば、すべての第1バンク14aにおいて欠陥部3がゼロである可能性もある。そして、いずれかの第1バンク14aで欠陥部3が検出された場合には、堰部を形成してその補修を行う。
次に、B=1に設定し(ステップS21)、B番目(B=1の場合は、1番目)の第1バンク14aについて欠陥部3の有無を調べる(ステップS22)。なお、当該フローチャートにおいて、Bは、下地基板11上に形成されている第1バンク14aに付した番号を示す。
そして、B番目の第1バンク14aにおいて欠陥部3が検出された場合(ステップS23でYES)、次に、α×H≦Iであるかどうか判定する(ステップS24)。
α×H≦Iでない場合、即ち、Iがα×H未満である場合(ステップS24でNO)、続いて仮形成位置Taが第2バンク24a上に位置しているか(即ち、Taと第2バンク24aとが平面視で重なっているか)どうか判定する(ステップS25)。
仮形成位置Taが第2バンク24a上に位置していない場合(ステップS25でNO)、仮形成位置Taを本形成位置Fa1に設定する(ステップS26)。
ここで、一対の堰の本形成位置(実際に堰を形成する位置)のうち、Y方向上流側の本形成位置がFa、Y方向下流側の本形成位置がFbである。そして、本形成位置に、ニードルディスペンサを用いた第1形成方法により第1堰51を形成する場合は、Fa,Fbの後にそれぞれ数字の1を付加してFa1,Fb1と表し、ノズルディスペンサを用いた第2形成方法により第2堰52を形成する場合は、Fa,Fbの後にそれぞれ数字の2を付加してFa2,Fb2と表す。
仮形成位置Taが第2バンク24a上に位置している場合(ステップS25でYES)、仮形成位置Taを本形成位置Fa2に設定する(ステップS27)。
続いて、仮形成位置Tbが第2バンク24a上に位置しているかどうか判定する(ステップS28)。
仮形成位置Tbが第2バンク24a上に位置していない場合(ステップS28でNO)、仮形成位置Tbを本形成位置Fb1に設定する(ステップS29)。
仮形成位置Tbが第2バンク24a上に位置している場合(ステップS28でYES)、仮形成位置Tbを本形成位置Fb2に設定する(ステップS30)。
そして、Bが最終番であるかどうか判定する(ステップS31)。
Bが最終番である場合(ステップS31でYES)、リターンする。
Bが最終番でない場合(ステップS31でNO)、Bに1をインクリメントして(ステップS32)、ステップS22に戻って、次の番号の第1バンク14aについて欠陥部3の有無を調べる。
ステップS24で、α×H≦Iである場合、即ち、Iがα×H以上である場合(ステップS24でYES)、平面視で仮第1空間TSAと第2バンク24aとが重なる部分があるかどうか(即ち、仮第1空間TSAの一部が第2バンク24aと平面視で重なっているかどうか)判定する(ステップS33)。
仮第1空間TSAと第2バンク24aとが重なる部分が無い場合(ステップS33でNO)、仮形成位置Ta,Tbをキャンセルして、仮形成位置TSAをY方向に挟んで隣り合う第2バンク24a上に、本形成位置Fa2,Fb2をそれぞれ設定し(ステップS34)、ステップS31に進む。
ステップS33で、仮第1空間TSAと第2バンク24aとが重なる部分がある場合(ステップS33でYES)、仮形成位置Taが第2バンク24a上に位置しているかどうか判定する(ステップS35)。
仮形成位置Taが第2バンク24a上に位置している場合(ステップS35でYes)、仮形成位置Taを本形成位置Fa2に設定し(ステップS36)、ステップS31に進む。
仮形成位置Taが第2バンク24a上に位置していない場合(ステップS35でNo)、次に、仮形成位置Tbが第2バンク24a上に位置しているかそうか判定する(ステップS37)。
仮形成位置Tbが第2バンク24a上に位置している場合(ステップS37でYes)、仮形成位置Tbを本形成位置Fb2に設定するとともに、仮形成位置Taをキャンセルして第2バンク24a上に本形成位置Fa2を設定して(ステップS38)、ステップS31に進む。
ステップS37で仮形成位置Tbが第2バンク24a上に位置していない場合(ステップS37でNo)は、仮第1空間TSAが第2バンク24aをまたいでY方向に隣り合う2つのサブピクセル領域SPと平面視で重なることとなる。そこで、次に、当該2つのサブピクセル領域SPのうちY方向上流側のサブピクセル領域SPにおいて仮第1空間TSAと重なる重なり領域OLaの面積Iaが、α×H≦Iaであるかどうかを判定する(ステップS39)。
α×H≦Iaでない場合(ステップS39でNo)、仮形成位置Taを本形成位置Fa1に設定する(ステップS40)。
α×H≦Iaである場合(ステップS39でYes)、仮形成位置Taをキャンセルし、仮第1空間TSAと重なる第2バンク24aのY方向上流側に隣り合う第2バンク24a上に本形成位置Fa2を設定する(ステップS41)。
続いて、仮第1空間TSAと一部が重なる2つのサブピクセル領域SPのうちY方向下流側のサブピクセル領域SPにおいて仮第1空間TSAと重なる重なり領域OLbの面積Ibが、α×H≦Ibであるかどうかを判定する(ステップS39)。
α×H≦Ibでない場合(ステップS42でNo)、仮形成位置Tbを本形成位置Fb1に設定して(ステップS43)、ステップS31に進む。
α×H≦Ibである場合(ステップS42でYes)、仮形成位置Tbをキャンセルし、仮第1空間TSAと重なる第2バンク24aのY方向下流側に隣り合う第2バンク24a上に本形成位置Fb2を設定して(ステップS44)、ステップS31に進む。
そして、ステップS31、ステップS32、ステップS22と進んで、以下、ステップS31でBが最終番であると判断されるまで(ステップS31でYes)、ステップS23からステップS44を繰り返す。
(堰部形成処理)
堰部設定処理において、堰部の形成位置および形成方法が設定された。続いて、堰部設定処理での設定内容に基づいて、実際に堰部を形成する堰部形成処理について、説明する。
図18は、堰部形成処理の処理内容の一例を示すフローチャートである。
先ず、堰部設定処理においてFa1,Fb1に設定されている本形成位置をF1グループに、Fa2,Fb2に設定されている本形成位置をF2グループに振り分け、それぞれのグループにおいて本形成位置に順に番号を付ける(ステップS50)。
次に、n=1に設定する(ステップS51)。
続いて、F1グループのn番目(n=1の場合は、1番目)の本形成位置に、ニードルディスペンサを用いた第1形成方法により第1堰51を形成する(ステップS52)。
そして、nがF1グループの最終番であるかどうかを判定する(ステップS53)。
nがF1グループの最終番でない場合(ステップS53でNo)、nに1をインクリメントして(ステップS54)、ステップS52に戻る。
nがF1グループの最終番である場合は(ステップS53でYes)、第1形成方法で形成する予定であった堰部は全て第1形成方法により形成済みである。従って、次に、n=1に設定する(ステップS55)。
続いて、F2グループのn番目(n=1の場合は、1番目)の本形成位置に、ノズルディスペンサを用いた第2形成方法により第2堰52を形成する(ステップS56)。
そして、nがF2グループの最終番であるかどうかを判定する(ステップS57)。
nがF2グループの最終番でない場合(ステップS57でNo)、nに1をインクリメントして(ステップS58)、ステップS56に戻る。
nがF2グループの最終番である場合は(ステップS57でYes)、第2形成方法で形成する予定であった堰部は全て第2形成方法により形成済みであるので、堰部形成処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態に係るバンク補修方法によれば、インクが塗布された際に、欠陥部3に起因する混色領域が発生した場合であっても、堰部50により混色領域を第1空間SA内に留めることができるので、表示不良及び画質低下を抑制することができる。
ところで、欠陥部3によるインクの混色を防止する方法としては、欠陥部3自体を、同様の補修材で覆って補修することも考えられる。しかし、その方法でインクの混色を確実になくすには、欠陥部3を構成する異物全体を補修材で覆ったり、欠陥部3を構成する決壊を補修材で補修したりといったことが必要となる。そして、ディスペンサなどを使ってこの補修を行うには、ディスペンサの塗布針を細かく位置制御しながら塗布することが必要となる。また、異物が存在する場合は、その異物によって補修材がはじかれてうまく補修できない場合も多くあり、塗布するのに技術的な難しさが伴う。これに対して、本実施形態のように欠陥部3を有するバンク14の周囲に堰部50を形成する補修方法によれば、欠陥部3に補修材を直接塗布するのではなく、その周囲を囲むように補修材を塗布するので、異物によって補修材がはじかれることがなく、比較的容易に塗布を行うことができる。
(堰部50の高さ、幅について)
堰部50の高さ(凹空間20の底面からの高さ)について考察する。
ステップS9の有機発光層15を形成する工程で、堰部50で仕切られている第1空間SAと第2空間SBに、それぞれインクが塗布されてインク層15aが形成される。
そして、上記図17に示されるように、第1空間SAのインク層15aと第2空間SBのインク層15aとは、堰部50によって分離された状態となる。
ここで、堰部50の高さが低すぎると、インク層15aを分離する機能が損なわれて、第1空間SAのインク層15aと、第2空間SBのインク層15aとが混合され、その結果、混色領域が第2空間SBまで広がることになる。例えば図14の例で、堰部50の高さが低すぎると、第1空間SAに存在する赤が混ざった緑のインク層15aが、第2空間SBに存在する緑色のインク層15a(G)と混ざって、赤と緑の混色領域が第2空間SBに広がることになる。
従って、堰部50の高さは、この第1空間SAのインク層15aと第2空間SBのインク層15aとを分離する機能を十分果たすことができるだけの高さに設定することが好ましい。
一方、堰部50を高くし過ぎると、その上に形成する電子輸送層16、共通電極17などに段切れが生じやすくなる。
このような考察に基づくと、堰部50の高さは、第1バンク14の高さに対して50%以上、200%以下とし、第1バンク14の高さと同程度とすることが好ましい。
堰部50の幅、すなわち堰形成ラインと直交する方向(Y方向)の幅については、この幅が大きすぎると、表示パネル100を見たときにその堰部50自体が目立つ可能性もあるので、50μm以下とすることが好ましい。
(未濡れについて)
本実施形態に係る堰部50により、凹空間20が第1空間SAと第2空間SBとに仕切られる。従って、有機発光層15を形成する工程において、インクジェット法によりインク液滴を吐出する際に、第1空間SAと第2空間SBの両方に、インク液滴が着弾してインクが塗布されることが重要である。たとえば、第1空間SAにインク液滴が全く着弾せずにインクが塗布されない状態、所謂未濡れが発生した場合、第1空間SAに有機発光層15が形成されないこととなる。有機発光層15が形成されないと、その部分が非発光領域となって表示不良となるほか、未濡れ部分は、その周囲の部分と電気抵抗が異なるため、電流リーク等の問題が発生する虞があり、好ましくない。
<変形例1>
実施形態に係る実施例1〜4においては、第1堰51,第2堰52共に、X方向に沿った形状であった。しかし、これに限られない、
図19(a)は、変形例1に係る堰部50bが形成された状態を模式的に示す平面図である。変形例1に係る堰部50bは、一対の第1堰51bにより構成されている。一対の第1堰51bは、互いに平行であって、X方向と角度を有して交差する態様で形成されている。
変形例1に係る堰部50bによると、第1バンク14a上において長尺な異物がY方向に対して斜めに付着しているような欠陥部の場合、欠陥部の角度に合わせて第1堰51bの角度を調整して、混色領域をより効果的に第1空間内に閉じ込めておくことができる。
なお、第2堰52についても同様に、X方向と角度を有して交差する態様で形成してもよいが、その場合は、第2バンク24からあまりはみ出さない程度の角度とするのがよい。
<変形例2>
図19(b)は、変形例2に係る堰部50cが形成された状態を模式的に示す平面図である。変形例2に係る堰部50cは、一対の第1堰51cにより構成されている。一対の第1堰51cは、共にX方向と角度を有して交差する態様で形成されており、欠陥部3からX方向に遠ざかるにつれて互いに近接する形状である。
インクが塗布された際に、欠陥部を乗り越えて隣の凹空間20へとインクが浸入する場合、欠陥部の近傍においてインクの浸入する勢いが最も強いことが考えられる。変形例2に係る堰部50cによると、欠陥部3の近傍において、一対の第1堰51c間のY方向の間隔を広く確保して、浸入するインクが第1堰51cの外側へと漏れ出すのを防止するとともに、欠陥部3から遠い部分においては、一対の第1堰51c間のY方向の間隔を狭くして、混色領域となる第1空間SAの平面視での面積をできるだけ小さくすることができる。
この場合においても、第2堰52についても同様に、欠陥部が存在する第1バンク14からX方向に遠ざかるにつれて互いに近づく形状としてもよいが、その場合は、第2バンク24からあまりはみ出さない程度の角度とするのがよい。
<変形例3>
図20(a)は、変形例3に係る堰部50dの形状を模式的に示す斜視図であり、(b)は、凹空間20に堰部50dを形成した後、インク層を形成した状態を模式的に示す平面図である。
本変形例に係る堰部50dは、図20(b)に示すように、X-Y面を平面視するとき、欠陥部3をY方向に挟む2点(点A1及び点A2)の一方(点A1)から欠陥部3を迂回して他方(点A2)に亘る形状に形成されている。また、点A1から点A2に到る途中の点A3で、欠陥部3が存在する第1バンク14の隣の第1バンク14に接している。
堰部50dの形成方法は、実施形態において図11(a)〜(g)を参照しながら説明した方法と同様であって、点A1から点A3を経由して点A2に到る堰形成ラインに沿って設定した複数の塗布点に、ニードルディスペンサで補修材を順次塗布することによって、堰部50dを形成することができる。
このようにして欠陥部3を有するバンク14の両側に隣接する各凹空間20に形成される堰部50dによって、図20(a),(b)に示すように、各凹空間20は、欠陥部3に近接する空間部分からなる第1空間SAと、欠陥部3に近接しない空間部分からなる2つの第2空間SBとに仕切られる。そして、欠陥部3は2つの第1空間SAによって囲まれる。
従って、変形例3の堰部50dによっても、実施形態と同様に、混色範囲を抑制する効果が得られる。
すなわち、図20(b)に示すように、第1バンク14同士の間の凹空間20に、発光層形成用のインクが塗布されるときに、赤色インクと緑色インクが、欠陥部3を介して混ざり合って、混色領域ができても、その混色領域は堰部50dを超えて第2空間SBに広がることがない。そして、欠陥部3によって生じる混色領域の範囲は、欠陥部3に近接する狭い第1空間SAに制限されるので、表示パネル100における発光色不良を低減できることになる。
また、欠陥部3の周囲を囲むように補修材を塗布することによって堰部50dを形成するので、補修が容易である点および、表示パネル100製造後に、堰部50dで仕切られた第1空間SAにおいて非発光や電流リークが生じない点についても、実施形態と同様である。
一方、実施形態の堰部50と比べると、変形例3の堰部50dにおいては、第1空間SAが占める面積がより小さくなっているので、表示パネル100における表示不良及び画質低下をさらに抑えることができる。
ここで、ラインバンクの場合に、堰部50dにより仕切られる欠陥部3に近接する空間である仮第1空間TSAが平面視で第2バンク24aと重ならない場合、仮第1空間TSAとサブピクセル領域SPとが重なる領域である重なり領域OLの面積Iが、サブピクセル領域SPの面積Hに対して、I<α×Hの関係を満たす場合には、図20(a),(b)に示すように、堰部50dを、ニードルディスペンサを用いた第1形成方法により形成すればよい。
また、仮第1空間TSAが平面視で第2バンク24aと重ならない場合に、α×H≦Iの関係を満たす場合には、欠陥部3をY方向に挟んで隣り合う第2バンク24a上に、一対の第2堰52を、ノズルディスペンサを用いた第2形成方法により形成すればよい。
ところで、図21(a),(b)に示すように、堰部50dの仮第1空間TSAのY方向における両端部Ea,Ebの一方(図21(a),(b)では、Ea)が第2バンク24aと重なる場合には、以下のようにすることができる。
図21(a)に示すように、I<α×Hの関係を満たす場合には、そのまま仮形成位置に、堰部50dを、ニードルディスペンサを用いた第1形成方法により形成する。
図21(b)に示すように、α×H≦Iの関係を満たす場合には、仮形成位置の堰部50dに代えて、欠陥部3をY方向に挟んで隣り合う第2バンク24a上に、一対の第2堰52を、ノズルディスペンサを用いた第2形成方法により形成する。
さらには、堰部50dの仮第1空間TSAが、第2バンクとそのY方向における両側のサブピクセル領域SPにまたがって重なる場合には、以下のようにすることができる。
図22(a)に示す例においては、仮第1空間TSAとY方向上流側のサブピクセル領域SPとが重なる重なり領域OLaの面積Iaは、Ia<α×Hである。また、仮第1空間TSAとY方向下流側のサブピクセル領域SPとが重なる領域である重なり領域OLbの面積Ibは、Ib<α×Hである。この場合は、そのまま仮形成位置に堰部50dを第1形成方法により形成する。
図22(b)に示す例においては、仮第1空間TSAとY方向上流側のサブピクセル領域SPとが重なる重なり領域OLaの面積Iaは、Ia<α×Hである。また、仮第1空間TSAとY方向下流側のサブピクセル領域SPとが重なる領域である重なり領域OLbの面積Ibは、α×H≦Ibである。
ここで、堰部50dのY方向上流側の端部Eaと第2バンク24aとの間のY方向の距離daは、サブピクセル領域SPのY方向における長さLに対して、da<α×Lである。よって、図23(a)に示すように、端部Eaの位置に、第1形成方法により第1堰51を形成しても、第1空間SAの上流側のサブピクセル領域SPと重なる部分の面積はα×Hよりも小さくなるので、上流側のサブピクセルは暗点として認識されない。
また、下流側のサブピクセルは、堰部50dを形成しても暗点として認識されてしまうので、この場合、図23(a)に示すように、仮第1空間TSAが平面視で重なる第2バンク24aと下流側に隣り合う第2バンク24a上に、第2形成方法により第2堰52を形成する。これにより、堰部50dを、ニードルディスペンサを用いた第1形成方法により形成する場合と比較して、堰部の形成に要する時間を短縮することができるとともに、堰部50dを形成する場合と実質的に同等の表示不良抑制効果及び画質低下抑制効果を得ることができる。
さらには、図23(b)に示す例の場合、Y方向上流側の重なり領域OLaの面積Iaは、Ia<α×Hであり、Y方向下流側の重なり領域OLbの面積Ibは、α×H≦Ibである。ところが、図23(b)に示す例では、仮第1空間TSAのY方向上流側の端部Eaと第2バンク24aとの間のY方向の距離daが、α×L≦daである。従って、端部Eaの位置に第1堰51を形成すると、第1空間SAの下流側のサブピクセル領域SPと重なる部分の面積がα×H以上となり、上流側のサブピクセルが、暗点として認識されてしまう。だからといって、α×H未満となる位置に第1堰を形成するとした場合、当該位置が欠陥部3から十分なマージンを確保できる位置であるかどうかは不明である。よってこの場合、そのまま堰部50dの仮形成位置に、堰部50dを、ニードルディスペンサを用いた第1形成方法により形成する。
なお、この場合には、堰部50dのY方向上流側の半分のみ、即ち、点A2から点A3までの部分のみをニードルディスペンサを用いた第1形成方法により形成し、下流側に隣接する第2バンク24a上に、ノズルディスペンサを用いた第2形成方法により第2堰52を形成してもよい。
本変形例においては、欠陥部3をX方向(第2方向)に挟む2つの堰部50dは、同じ点A1から同じ点A2に到っているが、これに限られない。例えば、別々の点から別々の点に到っていてもよい。
さらには、欠陥部3をX方向に挟む2つの堰部50dが隣の第1バンク14に接する点A3のY方向における座標位置が互いに異なっていてもよい。
<変形例4>
図24(a)は、変形例4に係る堰部50eの形状を模式的に示す斜視図であり、(b)は、凹空間20に堰部50eを形成した後、インク層を形成した状態を模式的に示す平面図である。
本変形例にかかる堰部50eも、変形例3と同様に、図24(b)に示すように、X-Y面を平面視するとき、欠陥部3をY方向に挟む2点A1,A2の一方から欠陥部3を
迂回して他方に亘って形成されているが、欠陥部3が存在する第1バンク14の隣の第1バンク14とは非接触である点が変形例3と異なっている。すなわち、変形例4において、各堰部50eが欠陥部3の中央からX方向に離間する最大距離bが、凹空間20の幅(X方向幅)よりも小さく設定されている。
この堰部50eの形成方法も、実施形態において図11(a)〜(g)を参照しながら説明した方法と同様であって、点A1から点A2に到る堰形成ラインに沿って設定した複数の塗布点に、ニードルディスペンサで補修材を順次塗布することによって、堰部50eを形成することができる。
このように、欠陥部3を有する第1バンク14の両側に隣接する各凹空間に堰部50eを形成することによって、図24(a),(b)に示すように、各凹空間20は、欠陥部3に近接する空間部分からなる第1空間SAと、欠陥部3に近接しない空間部分からなる第2空間SBとに仕切られるので、実施形態と同様に混色範囲を抑える効果を奏する。
すなわち、図24(b)に示すように、第1バンク14間の凹空間20に、発光層形成用のインクが塗布されるときに、赤色インクと緑色インクが、欠陥部3を介して混ざり合って混色領域ができても、その混色領域は堰部50eを超えないので、第2空間SBに広がらない。
また、欠陥部3の周囲を囲むように補修材を塗布することによって堰部50eを形成するので、補修が容易である点、及び表示パネル100製造後において、堰部50eで仕切られた第1空間SAにおいて非発光や電流リークが生じない点についても実施形態と同様である。
一方、変形例4では、変形例3と比べて、堰部50eによって仕切られた第1空間SAの占める面積がさらに小さくなっているので、表示パネル100における表示不良及び画質低下をさらに抑えることができる。
なお、図24(b)において、2つの堰部50eは、欠陥部3の中央からX方向に離間する最大距離bが同じであるが、2つの堰部50eにおいて、この最大距離bが互いに異なっていてもよい。
さらには、欠陥部3をX方向(第2方向)に挟む2つの堰部50eは、同じ点A1から同じ点A2に到っているが、これに限られない。例えば、別々の点から別々の点に到っていてもよい。
また、平面視で、堰部50eの仮第1空間TSAのY方向の両端部の一方が第2バンクと重なる場合、及び、仮第1空間TSAが第2バンクと重なり当該第2バンクのY方向両側のサブピクセルSPにまたがって重なる場合には、変形例3と同様にしてもよい。なお、本変形例の場合には、欠陥部が存在する第1バンクの隣の第1バンクと堰部50eが接触していないので、堰部50eのY方向下流側又は上流側の半分のみを第1形成方法により形成するというオプションは適用不可である。
<変形例5>
図25(a)は、変形例5に係る堰部50fの形状を模式的に示す斜視図であり、図25(b)は、凹空間20に堰部50fを形成した後、蛍光体インクを塗布する様子を模式的に示す断面図である。
欠陥部3が存在する第1バンク14aを補修する工程で、図25(a)に示すように、欠陥部3が存在する第1バンク14aの両側に隣接する各凹空間20に形成する第1堰51の形状は、実施形態と同じである。一方、変形例5では、さらに、第1バンク14aにおける第1堰51が接する部分に、当該第1バンク14aの上部から上方に突出する突状部7aを形成する点が異なっている。
この突状部7aは、第1堰51を形成するのに用いた補修材を、ニードルディスペンサで第1バンク14aの上に塗布し、乾燥することによって形成することができる。
形成された突状部7aは、同時焼成工程(図4のステップS8)において、第1バンク14a,第2バンク24a,第1堰51,第2堰52と共に硬化され、安定な突状部7となる。
このように突状部7を形成することによって、ステップS9の有機発光層15を形成する工程において、凹空間20に塗布するインクが、第1バンク14を超えて、隣りの凹空間20に入り込むのを抑える効果が得られる。
すなわち、インクを塗布するとき、図25(b)に矢印で示すように、第1堰51の真上にインク液滴が着弾すると、着弾したインク液滴が第1堰51の頂部で弾かれて、第1堰51の頂部を伝ってX方向に流れ、第1バンク14を超えて、隣りの凹空間20へと向かう。変形例5の構成によると、第1堰51の端部に突状部7が存在するので、隣りの凹空間20に向かうインクは、この突状部7によって進行を妨げられ、インクが隣りの凹空間20に入り込むのが抑えられる。
なお、突状部7は、第1バンク14aにおける第1堰51が接する部分に加えて、第2堰52が接する部分に形成してもよい。
<変形例6>
上記実施形態及び変形例1〜5においては、ラインバンクの欠陥部を補修する場合について説明した。しかし、これに限られず、ピクセルバンクの欠陥を補修する場合についても、同様に適用可能である。
図26(a)〜(d)は、ピクセルバンクを有する表示パネルにおいて、そのピクセルバンクに生じる欠陥部を補修する例を模式的に示す平面図である。
図26(a)〜(d)に示すピクセルバンクは、Y方向に伸長する複数の第1バンク14に加えて、X方向に伸長する複数の第2バンク24を備えている。第1バンク14と第2バンク24の下地基板11の上面からの高さ(Z方向の高さ)は同じである。そして、第1バンク14及び第2バンク24で囲まれた矩形領域(サブピクセル領域)に発光素子10が形成されている。
そして、いずれの場合も、Y方向に伸長する第1バンク14の中で、欠陥部3が存在する第1バンク14のX方向における両側に隣接する凹空間20の各々の中に堰部が形成され、その堰部は、凹空間20を、欠陥部3に近接する第1空間SAと、欠陥部3に近接しない第2空間SBとに仕切っている。なお、ピクセルバンクの場合、凹空間20を平面視した場合にサブピクセル領域に相当する。
図26(a)に示す変形例6では、実施形態の実施例1と同様に、欠陥部3が存在する第1バンク14のX方向における両側の各凹空間20に、点A1及び点A2の各々から、X方向に隣り合う第1バンク14に亘る形態で、一対の第1堰51が形成されている。
この場合も、インクを塗布したときに、欠陥部3に起因して混色が発生しても、混色が広がる範囲は、一対の第1堰51で挟まれた第1空間SAの範囲に限られるので、発光色不良を抑える効果が得られる。有機発光層15が形成された際には、第1空間SAの範囲が第1発光層15A、第2空間SBの範囲が第2発光層15Bとなる。
また、本変形例の場合においても、第1堰51と第1バンク14とが接する部分に変形例5と同様に突状部7aを設けてもよい。
<変形例7>
図26(b)に示す変形例7では、変形例3と同様に、欠陥部3が存在する第1バンク14のX方向両側の各凹空間20に、点A1から欠陥部3を迂回して点A2に亘る形態で堰部50dが形成されている。変形例7に係る堰部50dは、図26(b)に示すように、点A1から点A2に亘る途中の点A3で、第1バンク14と接している。
この場合も、インクを塗布したときに、欠陥部3に起因して混色が発生しても、混色が広がる範囲は、堰部50dで囲まれた第1空間SAの範囲に限られるので、発光色不良を抑える効果が得られる。有機発光層15が形成された際には、第1空間SAの範囲が第1発光層15A、第2空間SBの範囲が第2発光層15Bとなる。
また図示はしないが、ピクセルバンクに対して、変形例4の堰部50eを適用することも可能である。即ち、堰部が第1バンク14と接しない形状としてもよい。この場合においても同様に、発光色不良を抑える効果が得られる。
また、本変形例の場合においても、堰部50dと第1バンク14とが接する部分に変形例5と同様に突状部7aを設けてもよい。
<変形例8>
図26(c)に示す変形例8では、第1バンク14における欠陥部3の位置が、比較的第2バンク24に近い。そして、欠陥部3が存在する第1バンク14のX方向両側の各凹空間20に、点A1から欠陥部3を迂回して第2バンク24に亘る形態で堰部50gが形成されている。
変形例8の場合においても、インクを塗布したときに欠陥部3に起因して混色が発生しても、混色が広がる範囲は、堰部50gと第1バンク14及び第2バンク24とで囲まれた第1空間SAの範囲に限られるので、発光色不良を抑える効果が得られる。有機発光層15が形成された際には、第1空間SAの範囲が第1発光層15A、第2空間SBの範囲が第2発光層15Bとなる。
また、本変形例の場合においても、堰部50gと第1バンク14とが接する部分に変形例5と同様に突状部7aを設けてもよい。
<変形例9>
図26(d)に示す変形例9では、欠陥部3の位置が、第1バンク14と第2バンク24とが交差する位置であって、欠陥部3は4つの凹空間20にまたがっている。
そして、この4つの凹空間20には、各々に堰部50hが形成されている。
すなわち、2つの堰部50hは、点A1から欠陥部3を迂回して当該第2バンク24に亘る形態で形成され、残り2つの堰部50hは、点A2から欠陥部3を迂回して当該第2バンク24に亘る形態で形成されている。
この場合、インクを塗布したときに欠陥部3に起因して4つの凹空間20の間で混色が生じる可能性があるが、混色が発生しても、混色が広がる範囲は、4つの堰部50hで囲まれた第1空間SAの範囲に限られるので、発光色不良を抑える効果が得られる。有機発光層15が形成された際には、第1空間SAの範囲が第1発光層15A、第2空間SBの範囲が第2発光層15Bとなる。
また、本変形例の場合においても、堰部50hと第1バンク14とが接する部分に変形例5と同様に突状部7aを設けてもよい。
<変形例10>
上記実施形態及び各変形例においては、トップエミッション型有機ELパネルを例にバンク補修方法及びバンク形態について説明したが、ボトムエミッション型有機ELパネルにおいてもこれらは適用可能である。
本発明は、例えば、家庭用もしくは公共施設、あるいは業務用の各種表示装置、テレビジョン装置、携帯型電子機器用ディスプレイ等に用いられる有機EL表示装置に利用可能である。
1 有機EL表示装置
3 欠陥部
7 突状部
10 有機EL素子
11 下地基板
14,14a 第1バンク
15 有機発光層
20 凹空間
21 ディスペンサ
24,24a 第2バンク
50,50b,50c,50d,50e,50f,50g,50h 堰部
51,51a,51b,51c 第1堰
52 第2堰
100 表示パネル
200 補修装置
212 ノズルディスペンサ
213 ニードルディスペンサ

Claims (39)

  1. 基板と、前記基板上において当該基板の上面に沿った第1方向にそれぞれが長尺で、前記第1方向と交差し前記基板の上面に沿った第2方向に互いに間隔をあけて配された複数の第1バンクと、前記第2方向にそれぞれが長尺で前記第1方向に互いに間隔をあけて配された複数の第2バンクと、前記複数の第1バンクによって区画された前記基板上の空間である複数の凹空間に形成された発光層と、を有する有機EL表示装置を製造する過程において、
    前記第1バンクにおける欠陥部を検出し、
    欠陥部が検出された場合に、前記検出された欠陥部の前記第2方向における両側に隣接する凹空間のそれぞれにおいて、前記欠陥部に近接する第1空間と、前記欠陥部に近接しない第2空間とに仕切る堰部の仮形成位置を設定し、
    隣り合う前記第1バンクと隣り合う前記第2バンクとで規定される領域をサブピクセル領域として、平面視で、1つの前記サブピクセル領域の面積をHとし、前記仮形成位置の前記堰部によって仕切られる前記欠陥部に近接する空間部分である仮第1空間と前記サブピクセル領域とが重なる重なり領域の面積をIとすると、
    平面視で、前記仮第1空間と前記第2バンクとが重ならない場合に、
    I<α×H(0.05<α<0.9)の関係を満たす場合には、前記仮形成位置に、第1形成方法により前記堰部を形成する
    バンク補修方法。
  2. 前記第2バンクは、前記第1バンクよりも前記基板の上面からの高さが低く、
    平面視で、前記仮第1空間と前記第2バンクとが重ならない場合又は、前記仮第1空間の前記第1方向における両端のうちの一方が前記第2バンクと重なる場合であって、
    α×H≦Iの関係を満たす場合には、
    前記両側に隣接する凹空間のそれぞれにおいて、前記仮形成位置の前記堰部に代えて、
    平面視で、前記欠陥部を前記第1方向に挟んで隣り合う前記第2バンク上に、前記欠陥部が存在する前記第1バンクからその隣の前記第1バンクに前記第2方向に沿って亘る形状の一対の堰からなる前記堰部を、前記第1形成方法よりも形成スピードが速い第2形成方法により形成する
    請求項1に記載のバンク補修方法。
  3. 前記堰部は、前記欠陥部を前記第1方向に挟む前記第1バンク上の2点のそれぞれから、前記欠陥部が存在する前記第1バンクの隣の前記第1バンクに亘る形状の一対の堰からなる
    請求項1又は2の何れか1項に記載のバンク補修方法。
  4. 平面視で、前記仮形成位置の前記第1方向における両端のうちの一方が、前記第2バンクと重なる場合には、前記両端のうちの前記一方と重なる前記第2バンク上に、前記一対の堰の前記一方を、前記第2形成方法により形成し、
    I<α×Hの関係を満たす場合には、前記一対の堰の他方を、当該他方の前記仮形成位置に、前記第1形成方法により形成する
    請求項3に記載のバンク補修方法。
  5. 平面視で、前記仮第1空間が、前記第2バンク及び当該第2バンクの前記第1方向における両側のサブピクセル領域にまたがって重なる場合に、
    前記両側のサブピクセル領域のうち、前記第1方向における一端側の前記サブピクセル領域と前記仮第1空間とが重なる領域の平面視での面積をIaとし、他端側の前記サブピクセル領域と前記第1空間とが重なる領域の平面視での面積をIbとすると、
    Ia<α×Hの関係を満たす場合には、前記一対の堰のうち前記一端側の堰を、当該一端側の堰の前記仮形成位置に、前記第1形成方法により形成し、
    α×H≦Iaの関係を満たす場合には、前記仮第1空間と重なる前記第2バンクの前記一端側に隣り合う前記第2バンク上に、前記一対の堰のうちの前記一端側の堰を、前記第2形成方法により形成し、
    Ib<α×Hの関係を満たす場合には、前記一対の堰のうち前記他端側の堰を、当該他端側の堰の前記仮形成位置に、前記第1形成方法により形成し、
    α×H≦Ibの関係を満たす場合には、前記仮第1空間と重なる前記第2バンクの前記他端側に隣り合う前記第2バンク上に、前記一対の堰のうちの前記他端側の堰を、前記第2形成方法により形成する
    請求項3又は4に記載のバンク補修方法。
  6. 前記一対の堰は、それぞれ前記第2方向に沿った形状である
    請求項3に記載のバンク補修方法。
  7. 前記一対の堰は、互いに平行であって、前記第2方向と交差する
    請求項3に記載のバンク補修方法。
  8. 前記一対の堰は、互いに離間しており、前記欠陥部が存在する前記第1バンクから遠ざかるにつれて互いに近接する形状である
    請求項3に記載のバンク補修方法。
  9. 前記堰部は、前記欠陥部が存在する前記第1バンクにおいて、前記欠陥部を前記第1方向に挟む2点の一方から、前記欠陥部を迂回して他方に亘る形状である
    請求項1又は2に記載のバンク補修方法。
  10. 平面視で、前記仮第1空間の前記第1方向における両端の一方が前記第2バンクと重なる場合であって、I<α×Hの関係を満たす場合には、
    前記仮形成位置に、前記第1形成方法により前記堰部を形成する
    請求項9に記載のバンク補修方法。
  11. 平面視で、前記仮第1空間が、前記第2バンク及び当該第2バンクの前記第1方向における両側のサブピクセル領域にまたがって重なる場合に、
    前記両側のサブピクセル領域のうち、前記仮第1空間の前記第1方向における一端側のサブピクセル領域と前記仮第1空間とが重なる領域の平面視での面積をIaとし、他端側のサブピクセル領域と前記第1空間とが重なる領域の平面視での面積をIbとすると、
    Ia<α×H、且つ、Ib<α×Hの関係を満たす場合には、前記仮形成位置に、前記堰部を、前記第1形成方法により形成し、
    α×H≦Ia、且つ、α×H≦Ibの関係を満たす場合には、前記仮形成位置の前記堰部に代えて、前記またがって重なる前記第2バンクの前記一端側及び前記他端側に隣り合う前記第2バンクそれぞれの上に、前記欠陥部が存在する前記第1バンクからその隣の前記第1バンクに亘る一対の堰を、前記第1形成方法よりも形成スピードが速い第2形成方法により形成する
    請求項9又は10に記載のバンク補修方法。
  12. 前記サブピクセル領域の前記第1方向の長さをLとし、前記またがって重なる前記第2バンクの前記一端側の端部と前記仮第1空間の前記一端との間の前記第1方向の距離をdaとすると、
    Ia<α×H、且つ、α×H≦Ibの関係を満たす場合に、
    da<α×Lの関係を満たす場合には、前記仮形成位置の前記堰部に代えて、一対の堰の一方を、前記仮第1空間の前記一端と重なる位置に、前記第1形成方法により形成し、前記一対の堰の他方を、前記またがって重なる前記第2バンクの前記他端側に隣り合う前記第2バンク上に、前記第2形成方法により形成し、
    α×L≦daの関係を満たす場合には、前記仮形成位置に前記堰部を前記第1形成方法により形成する
    請求項11に記載のバンク補修方法。
  13. 前記堰部は、前記2点の一方から他方に亘る途中で、前記隣の前記第1バンクに接している
    請求項9から12の何れか1項に記載のバンク補修方法。
  14. 前記堰部は、前記隣の前記第1バンクと離間している
    請求項9から12の何れか1項に記載のバンク補修方法。
  15. 前記堰部の形成の際に、前記欠陥部が存在する前記第1バンク及びその隣の前記第1バンクのそれぞれにおいて、前記堰部と接する部分に、当該部分の上部から上方に突出する突状部をさらに形成する、
    請求項1から14の何れか1項に記載の補修方法。
  16. 前記第1バンクと前記第2バンクの前記基板の上面からの高さが同じであり、
    α×H≦Iの関係を満たす場合には、
    当該サブピクセル領域については、前記堰部を形成しない
    請求項1に記載のバンク補修方法。
  17. 前記第1形成方法は、ニードルディスペンサを用いて堰部を形成する方法である
    請求項1から16の何れか1項に記載のバンク補修方法。
  18. 前記第2形成方法は、ノズルディスペンサを用いて堰部を形成する方法である
    請求項2から15の何れか1項に記載のバンク補修方法。
  19. α=0.2である
    請求項1から18の何れか1項に記載のバンク補修方法。
  20. 請求項1から19の何れか1項に記載のバンク補修方法により前記堰部を形成した後、
    前記各凹空間に、ノズルヘッドから前記凹空間のそれぞれにインク液滴を吐出することにより前記発光層を形成し、
    前記発光層を形成する際に、前記第1空間及び前記第2空間のそれぞれに、前記ノズルヘッドから吐出されるインク液滴の着弾点を存在させる
    有機EL表示装置の製造方法。
  21. 基板と、
    前記基板上において当該基板の上面に沿った第1方向に長尺で、前記第1方向に直交し前記基板の上面に沿った第2方向に互いに間隔をあけて配された複数の第1バンクと、
    前記第2方向に長尺で前記第1方向に互いに間隔をあけて配された複数の第2バンクと、
    前記複数の第1バンクによって区画された前記基板上の空間である複数の凹空間に形成された発光層と、を有する有機EL表示装置であって、
    前記複数の第1バンクのうち少なくとも1つは、異物又は欠損に起因する欠陥部を有し、前記第1バンクにおいて前記欠陥部が存在する部分の前記第2方向における両側に隣接する前記凹空間のそれぞれの中に、
    前記発光層を、前記欠陥部に近接する部分からなる第1発光層と、前記欠陥部に近接しない部分からなる第2発光層とに仕切る堰部を有する
    有機EL表示装置。
  22. 前記第1発光層の発光色と前記第2発光層の発光色とは、互いに異なり、
    前記第1発光層の発光色は、前記欠陥部を有する前記第1バンクを挟んで隣り合う前記凹空間における前記第2発光層それぞれの発光色が混色した色である
    請求項21に記載の有機EL表示装置。
  23. 前記第2バンクは、前記第1バンクよりも前記基板の上面からの高さが低く、
    隣り合う前記第1バンクと隣り合う前記第2バンクとで規定される領域をサブピクセル領域とし、平面視で、1つの前記サブピクセル領域の面積をHとし、1つの前記サブピクセル領域における前記第1発光層の面積をIとすると、
    平面視で、前記第1発光層と前記第2バンクとは、重なっていないか、又は、前記第1発光層の前記第1方向における両端のうちの一方が、前記第2バンクと重なっており、I<α×H(0.05<α<0.9)であって、前記堰部の幅は、第1幅である
    請求項21又は22に記載の有機EL表示装置。
  24. 前記第2バンクは、前記第1バンクよりも前記基板の上面からの高さが低く、
    隣り合う前記第1バンクと隣り合う前記第2バンクとで規定される領域をサブピクセル領域とすると、平面視で、前記第1発光層が、前記第2バンク及び当該第2バンクの前記第1方向における両側のサブピクセル領域にまたがって重なっており、
    平面視で、1つの前記サブピクセル領域の面積をHとし、前記両側のサブピクセル領域のうち、前記第1発光層の前記第1方向における一端側のサブピクセル領域と前記第1発光層とが重なる領域の平面視での面積をIaとし、他端側のサブピクセル領域と前記第1発光層とが重なる領域の平面視での面積をIbとすると、Ia<α×H、且つ、Ib<α×Hであって、
    前記堰部の幅は、第1幅である
    請求項21から23の何れか1項に記載の有機EL表示装置。
  25. 前記堰部は、前記両側に隣接する凹空間のそれぞれにおいて、前記欠陥部を前記第1方向に挟む前記第1バンク上の2点のそれぞれから、前記欠陥部が存在する前記第1バンクの隣の前記第1バンクに亘る形状で、幅が第1幅である一対の第1堰から成る
    請求項21から24の何れか1項に記載の有機EL表示装置。
  26. 前記一対の第1堰は、それぞれ前記第2方向に沿った形状である
    請求項25に記載の有機EL表示装置。
  27. 前記一対の前記第1堰は、互いに平行であって、前記第2方向と交差する
    請求項25に記載の有機EL表示装置。
  28. 前記一対の前記第1堰は、互いに離間しており、前記欠陥部が存在する前記第1バンクから遠ざかるにつれて互いに近接する形状である
    請求項25に記載の有機EL表示装置。
  29. 前記堰部は、前記欠陥部が存在する前記第1バンクにおいて、前記欠陥部を前記第1方向に挟む2点の一方から、前記欠陥部を迂回して他方に亘る形状である
    請求項21から24の何れか1項に記載の有機EL表示装置。
  30. 前記堰部は、前記2点の一方から他方に亘る途中で、前記隣の前記第1バンクに接している
    請求項29に記載の有機EL表示装置。
  31. 前記堰部は、前記隣の前記第1バンクと離間している
    請求項29に記載の有機EL表示装置。
  32. 前記第2バンクは、前記第1バンクよりも前記基板の上面からの高さが低く、
    隣り合う前記第1バンクと隣り合う前記第2バンクとで規定される領域をサブピクセル領域とすると、平面視で、前記第1発光層が、前記第2バンク及び当該第2バンクの前記第1方向における両側のサブピクセル領域にまたがって重なっており、
    前記堰部は、幅が第1幅であって、前記欠陥部が存在する前記第1バンクにおいて、前記欠陥部を前記第1方向に挟む2点の一方から、前記欠陥部を迂回して前記2点の他方に亘る形状であり、
    平面視で、1つの前記サブピクセル領域の面積をHとし、前記両側のサブピクセル領域のうち、前記第1方向における一端側の前記サブピクセル領域と前記第1発光層とが重なる領域の平面視での面積をIaとし、前記第1方向における他端側の前記サブピクセル領域と前記第1発光層とが重なる領域の平面視での面積をIbとし、前記サブピクセル領域の前記第1方向の長さをLとし、前記またがって重なる前記第2バンクの前記一端側の端部と前記仮第1空間の前記一端側の端部との間の前記第1方向の距離をdaとすると、
    Ia<α×H、且つ、α×H≦Ib、且つ、α×L≦daである
    請求項21又は22に記載の有機EL表示装置。
  33. 前記第2バンクは、前記第1バンクよりも前記基板の上面からの高さが低く、
    隣り合う前記第1バンクと隣り合う前記第2バンクとで規定される領域をサブピクセル領域とすると、平面視で、前記第1発光層が、前記第2バンク及び当該第2バンクの前記第1方向における両側のサブピクセル領域にまたがって重なっており、
    前記堰部は、一対の堰からなり、
    前記一対の堰のうちの一方は、前記またがって重なる前記第2バンクの前記両側のうち、前記第1方向における一端側において、前記欠陥部が存在する前記第1バンクからその隣の前記第1バンクに亘る態様で配され、幅が第1幅である第1堰であり、
    前記一対の堰のうちの他方は、前記またがって重なる前記第2バンクの前記両側のうち、前記第1方向における他端側に隣り合う前記第2バンク上において、前記欠陥部が存在する前記第1バンクからその隣の前記第1バンクに亘る態様で配され、幅が前記第1幅よりも大きい第2幅である第2堰であり、
    平面視で、1つの前記サブピクセル領域の面積をHとし、前記一端側のサブピクセル領域と前記第1発光層とが重なる領域の平面視での面積をIaとすると、Ia<α×Hである
    請求項21又は22に記載の有機EL表示装置。
  34. 前記第2バンクは、前記第1バンクよりも前記基板の上面からの高さが低く、
    前記欠陥部は、平面視で前記第2バンクと重ならず、
    前記堰部は、前記欠陥部を前記第1方向に挟んで隣り合う前記第2バンク上において、前記欠陥部が存在する前記第1バンクからその隣の前記第1バンクに亘る態様で配され、幅が第2幅である一対の第2堰からなる
    請求項21又は22に記載の有機EL表示装置。
  35. 前記第2バンクは、前記第1バンクよりも前記基板の上面からの高さが低く、
    前記欠陥部は、平面視で前記第2バンクと重なり、
    前記堰部は、前記欠陥部と重なる前記第2バンクの前記第1方向における両隣の前記第2バンク上において、前記欠陥部が存在する前記第1バンクからその隣の前記第1バンクに亘る態様で配され、幅が第2幅である一対の第2堰からなる
    請求項21又は22に記載の有機EL表示装置。
  36. 前記第1バンクにおける前記堰部と接する部分に、当該部分の上部から上方に突出する突状部を有する
    請求項21から35の何れか1項に記載の有機EL表示装置。
  37. 前記第1バンク及び前記第2バンクは、前記基板の上面からの高さが同じであり、
    隣り合う前記第1バンクと隣り合う前記第2バンクとで規定される領域をサブピクセル領域とし、
    平面視で、前記サブピクセル領域の面積をHとし、前記第1発光層の面積をIとすると、
    I<α×H(0.05<α<0.9)であって、前記堰部の幅は第1幅である
    請求項21又は22に記載の有機EL表示装置。
  38. 前記第1幅は、5〜20μmである
    請求項23から33及び37の何れか1項に記載の有機EL表示装置。
  39. 前記第2幅は、10〜50μmである
    請求項33から35の何れか1項に記載の有機EL表示装置。
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