JP2017033743A - 電池用包装材料 - Google Patents
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Abstract
Description
このような状況下、本発明は、高い成形性を有し、かつ、電池の連続生産性に優れた電池用包装材料を提供することを目的とする。
項1. 少なくとも、基材層と、金属層と、接着層と、シーラント層とが順次積層された積層体からなり、
前記シーラント層の表面に、10〜30mg/m3のアマイド系滑剤のコーティング層が形成されている、電池用包装材料。
項2. 前記シーラント層が、アマイド系滑剤を含む、項1に記載の電池用包装材料。
項3. 前記コーティング層を形成するアマイド系滑剤が、炭素数21以上の飽和脂肪酸アミド、飽和脂肪酸ビスアミド、及び置換アミドからなる群から選択された少なくとも1種を含む、項1または2に記載の電池用包装材料。
項4. 前記シーラント層が、ポリオレフィン樹脂を含む、項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
項5. 前記接着層が、カルボン酸変性ポリプロピレンを含む、項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
項6. 前記シーラント層の厚みが、10〜50μmである、項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
項7. 前記接着層の厚みが、1〜20μmである、項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
項8. 前記基材層と前記金属層との間に接着層が積層されてなる、項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料。
項9. 前記金属層が、アルミニウム箔により形成されている、項1〜8のいずれかに記載の電池用包装材料。
項10. 前記基材層1の表面に滑剤のコーティング層が形成されている、項1〜9のいずれかに記載の電池用包装材料。
項11. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、項1〜10のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容されている、電池。
本発明の電池用包装材料は、図1に示すように、少なくとも、基材層1、金属層3、接着層5、及びシーラント層4が順次積層された積層体からなる。本発明の電池用包装材料において、基材層1が最外層になり、シーラント層4は最内層になる。即ち、電池の組み立て時に、電池素子の周縁に位置するシーラント層4同士が熱溶着して電池素子を密封することにより、電池素子が封止される。本発明の電池用包装材料は、図1に示すように、基材層1と金属層3との間に、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着層2が設けられていてもよい。
[基材層1]
本発明の電池用包装材料において、基材層1は、最外層に位置する層である。基材層1を形成する素材については、絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されるものではない。基材層1を形成する素材としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテルイミド、ポリイミド、及びこれらの混合物や共重合物等が挙げられる。
本発明の電池用包装材料において、接着層2は、基材層1と金属層3とを接着させるために、必要に応じて設けられる層である。
本発明の電池用包装材料において、金属層3は、包装材料の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光等が侵入するのを防止するためのバリア層として機能する層である。金属層3を形成する金属としては、具体的には、アルミニウム、ステンレス、チタン等の金属箔が挙げられる。これらの中でも、アルミニウムが好適に使用される。包装材料の製造時にしわやピンホールを防止するために、本発明において金属層3として、軟質アルミニウム、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS A8021P−O)又は(JIS A8079P−O)等を用いることが好ましい。
本発明の電池用包装材料において、シーラント層4は、最内層に該当し、電池の組み立て時にシーラント層同士が熱溶着して電池素子を密封する層である。
本発明の電池用包装材料において、接着層5は、金属層3とシーラント層4を強固に接着させるために、これらの間に設けられる層である。
本発明の電池用包装材料の製造方法については、所定の組成の各層を積層させた積層体が得られる限り、特に制限されないが、例えば、以下の方法が例示される。
本発明の電池用包装材料は、正極、負極、電解質等の電池素子を密封して収容するための包装材料として使用される。
<電池用包装材料の製造>
金属層としてのアルミニウム箔(厚さ40μm)の両面に化成処理を施し、一方の化成処理面に、基材層(厚さ25μm)としてナイロンフィルムを接着剤層の厚さが約3μmとなるようにポリエステル系接着剤を介してドライラミネート法により貼り合わせた。次に、実施例1〜3及び比較例1〜2においては、他方のアルミニウム箔の化成処理面に、接着層(厚さ23μm)と、表1に記載の含有量になるようにアマイド系滑剤Aを配合したシーラント層(厚さ23μm)を形成するポリオレフィン樹脂を共押出して、基材層/接着層/アルミニウム箔/接着層/シーラント層から構成される積層体を得た。一方、実施例4〜6及び比較例2〜4においては、ドライラミネート法により、アルミニウム箔の他方の化成処理面に、接着層(厚さ4μm)を介して、表1に記載の含有量になるようにアマイド系滑剤を配合したシーラント層(厚さ23μm)を形成するポリオレフィン樹脂を積層した。次に、シーラント層の表面に、表1に記載の厚みとなるようにして、アマイド系滑剤Bのコーティング層を形成し、基材層/接着層/アルミニウム箔/接着層/シーラント層/コーティング層から構成される積層体を得た。
・アマイド系滑剤A:エルカ酸アミド
・アマイド系滑剤B:ベヘン酸アミド
<電池用包装材料の製造>
基材層の表面に10mg/m2(乾燥重量)の滑剤のコーティング層を設けたこと以外は、実施例1〜3及び比較例1〜2と同様にして、コーティング層/基材層/接着層/アルミニウム箔/接着層/シーラント層/コーティング層から構成される積層体を得た。基材層の表面において、滑剤としては、エチレンビスオレイン酸アミドを用いた。
実施例1〜9及び比較例1〜5の電池用包装材料は、それぞれ、温度40℃または温度50℃において、相対湿度50%下において7日間放置してから、下記の摩擦試験、成形性試験、白粉の確認試験を行った。
摩擦試験は、JIS K7125に準じた方法により測定した。まず、上記で得られた各電池用包装材料を80×200mmのサンプルに切り出した。次に、シーラント層の表面同士が対向するようにして、サンプルを重ね、その上に重石(200g)を置いた。重石の底面にはゴムを貼り、サンプルと重石とも密着させて、滑らないようにした。次に、100mm/分の速度で重石を引っ張り、動摩擦力(N)を測定し、動摩擦力を重石の法線力(1.96N)で除して、動摩擦係数を算出した。得られた結果を以下の基準によって評価した。結果を表1に示す。
○:動摩擦係数が0.3以下
△:動摩擦係数が0.3超、0.7以下
×:動摩擦係数が0.7超
上記で得られた各電池用包装材を80×120mm角に裁断してサンプルを作製した。このサンプルを30×50mmの口径を有する形成金型(雌型)と、これに対応した成形金型(雄型)を用いて、押え圧0.4MPaで0.5mmの成形深さから0.5mm単位で成形深さを変えて、それぞれ10個のサンプルについて冷間成形を行った。冷間成形後のサンプルについて、皺やアルミニウム箔にピンホール、クラックが10個のサンプル全てにおいて発生しない最も深い成形深さを、そのサンプルの限界成形深さとした。この限界成形深さから、以下の基準により電池用包装材料の成形性を評価した。結果を表1に示す。
○:限界成形深さ6.0mm以上
△:限界成形深さ4.0mm〜5.5mm
×:限界成形深さ3.5mm以下
5×13cmに切った黒画用紙を二つ折りにし、所定の面積(1m2)の上記で得られた各電池用包装材料のシーラント面を強く擦って白粉(ブリードアウトした滑剤)を付着させ、付着度合いを目視で確認した。得られた結果を以下の基準によって評価した。結果を表1に示す。
○:ほぼ付着なし
△:僅かに付着あり
×:付着が目立つ
一方、シーラント層のみにアマイド系滑剤を5mg/m2配合した比較例1、3の電池用包装材料では、40℃または50℃という高温下で保管した場合、摩擦試験または成形性が劣っていた。また、シーラント層のみにアマイド系滑剤を40mg/m2配合した比較例2、4、5の電池用包装材料では、40℃または50℃という高温下で保管した場合、白粉の確認試験が劣っていた。
2 接着層
3 金属層
4 シーラント層
4a アマイド系滑剤のコーティング層
5 接着層
項1. 少なくとも、基材層と、金属層と、接着層と、シーラント層とが順次積層された積層体からなり、
前記シーラント層の表面に、10〜30mg/m 2 のアマイド系滑剤のコーティング層が形成されている、電池用包装材料。
項2. 前記シーラント層が、アマイド系滑剤を含む、項1に記載の電池用包装材料。
項3. 前記コーティング層を形成するアマイド系滑剤が、炭素数21以上の飽和脂肪酸アミド、飽和脂肪酸ビスアミド、及び置換アミドからなる群から選択された少なくとも1種を含む、項1または2に記載の電池用包装材料。
項4. 前記シーラント層が、ポリオレフィン樹脂を含む、項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
項5. 前記接着層が、カルボン酸変性ポリプロピレンを含む、項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
項6. 前記シーラント層の厚みが、10〜50μmである、項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
項7. 前記接着層の厚みが、1〜20μmである、項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
項8. 前記基材層と前記金属層との間に接着層が積層されてなる、項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料。
項9. 前記金属層が、アルミニウム箔により形成されている、項1〜8のいずれかに記載の電池用包装材料。
項10. 前記基材層1の表面に滑剤のコーティング層が形成されている、項1〜9のいずれかに記載の電池用包装材料。
項11. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、項1〜10のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容されている、電池。
Claims (11)
- 少なくとも、基材層と、金属層と、接着層と、シーラント層とが順次積層された積層体からなり、
前記シーラント層の表面に、10〜30mg/m3のアマイド系滑剤のコーティング層が形成されている、電池用包装材料。 - 前記シーラント層が、アマイド系滑剤を含む、請求項1に記載の電池用包装材料。
- 前記コーティング層を形成するアマイド系滑剤が、炭素数21以上の飽和脂肪酸アミド、飽和脂肪酸ビスアミド、及び置換アミドからなる群から選択された少なくとも1種を含む、請求項1または2に記載の電池用包装材料。
- 前記シーラント層が、ポリオレフィン樹脂を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
- 前記接着層が、カルボン酸変性ポリプロピレンを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
- 前記シーラント層の厚みが、10〜50μmである、請求項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
- 前記接着層の厚みが、1〜30μmである、請求項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
- 前記基材層と前記金属層との間に接着層が積層されてなる、請求項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料。
- 前記金属層が、アルミニウム箔により形成されている、請求項1〜8のいずれかに記載の電池用包装材料。
- 前記基材層1の表面に滑剤のコーティング層が形成されている、請求項1〜9のいずれかに記載の電池用包装材料。
- 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、請求項1〜10のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容されている、電池。
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