JP2017032370A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基準抵抗とシャント抵抗とに温度差が生じることの抑制された半導体装置を提供する。
【解決手段】配線層20が形成された半導体基板10と、半導体基板に接続されたヒートシンク30と、配線層とともに半導体基板を被覆するモールド樹脂40と、を有し、配線層は絶縁層21と導電層22を有し、複数の導電層の内の1つの第1導電層23に、被測定電流の流れるシャント抵抗が含まれ、第1導電層とは異なる第2導電層24に、被測定電流の流動によってシャント抵抗に生じる被測定電圧の温度特性の補正に活用される基準抵抗が含まれている。積層方向において基準抵抗とシャント抵抗とが並び、基準抵抗はシャント抵抗よりもヒートシンク側に位置して、絶縁層の一部を介して互いに対向している。
【選択図】図1
【解決手段】配線層20が形成された半導体基板10と、半導体基板に接続されたヒートシンク30と、配線層とともに半導体基板を被覆するモールド樹脂40と、を有し、配線層は絶縁層21と導電層22を有し、複数の導電層の内の1つの第1導電層23に、被測定電流の流れるシャント抵抗が含まれ、第1導電層とは異なる第2導電層24に、被測定電流の流動によってシャント抵抗に生じる被測定電圧の温度特性の補正に活用される基準抵抗が含まれている。積層方向において基準抵抗とシャント抵抗とが並び、基準抵抗はシャント抵抗よりもヒートシンク側に位置して、絶縁層の一部を介して互いに対向している。
【選択図】図1
Description
本発明は、配線層が上面に形成され、その裏面にヒートシンクの接続された半導体基板がモールド樹脂によって被覆された半導体装置に関するものである。
特許文献1に示されるように、シャント抵抗とセンス抵抗の温度変化とが互いに等しくなるように、シャント抵抗とセンス抵抗との配置、および、シャント抵抗とセンス抵抗それぞれの温度係数を異ならせた電流検出回路が知られている。
特許文献1に示される電流検出回路では、シャント抵抗はセンス抵抗(基準抵抗)に比べて大きく発熱する。したがってシャント抵抗にて生じた熱が基準抵抗へと伝熱することで、シャント抵抗と基準抵抗の温度変化が互いに等しくなる。しかしながらシャント抵抗と基準抵抗それぞれは同一の基板に搭載されており、シャント抵抗にて生じた熱は基板において等方的に拡散する。そのため基準抵抗がシャント抵抗と同じ温度になり難かった。
そこで本発明は上記問題点に鑑み、基準抵抗とシャント抵抗とに温度差が生じることの抑制された半導体装置を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するための開示された発明の1つは、配線層(20)が上面(10a)に形成された半導体基板(10)と、
半導体基板の上面の反対側の裏面(10b)に接続されたヒートシンク(30)と、
ヒートシンクの少なくとも一部、および、配線層とともに半導体基板を被覆するモールド樹脂(40)と、を有し、
配線層は、絶縁層(21)、および、絶縁層を介して積層される複数の導電層(22)を有し、
複数の導電層の内の1つの第1導電層(23)に、被測定電流の流れるシャント抵抗(25)が含まれ、第1導電層とは異なる第2導電層(24)に、被測定電流の流動によってシャント抵抗に生じる被測定電圧の温度特性の補正に活用される基準抵抗(26)が含まれており、
半導体基板の上面に直交する積層方向において基準抵抗とシャント抵抗とが並び、基準抵抗はシャント抵抗よりもヒートシンク側に位置して、絶縁層の一部を介して互いに対向している。
半導体基板の上面の反対側の裏面(10b)に接続されたヒートシンク(30)と、
ヒートシンクの少なくとも一部、および、配線層とともに半導体基板を被覆するモールド樹脂(40)と、を有し、
配線層は、絶縁層(21)、および、絶縁層を介して積層される複数の導電層(22)を有し、
複数の導電層の内の1つの第1導電層(23)に、被測定電流の流れるシャント抵抗(25)が含まれ、第1導電層とは異なる第2導電層(24)に、被測定電流の流動によってシャント抵抗に生じる被測定電圧の温度特性の補正に活用される基準抵抗(26)が含まれており、
半導体基板の上面に直交する積層方向において基準抵抗とシャント抵抗とが並び、基準抵抗はシャント抵抗よりもヒートシンク側に位置して、絶縁層の一部を介して互いに対向している。
これによれば、被測定電流の流動によってシャント抵抗(25)で生じた熱は、主として絶縁層(21)、基準抵抗(26)、および、半導体基板(10)を介してヒートシンク(30)へと伝熱される。このように基準抵抗(26)はシャント抵抗(25)にて生じた熱の主たる伝熱経路の一部を担っている。したがって基準抵抗(26)がシャント抵抗(25)にて生じた熱の主たる伝熱経路を担わない構成と比べて、基準抵抗(26)とシャント抵抗(25)とに温度差が生じることが抑制される。この結果、被測定電圧の温度補正精度の低下が抑制される。
なお、特許請求の範囲に記載の請求項、および、課題を解決するための手段それぞれに記載の要素に括弧付きで符号をつけている。この括弧付きの符号は実施形態に記載の各構成要素との対応関係を簡易的に示すためのものであり、実施形態に記載の要素そのものを必ずしも示しているわけではない。括弧付きの符号の記載は、いたずらに特許請求の範囲を狭めるものではない。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図4に基づいて本実施形態に係る半導体装置を説明する。なお、図1では半導体装置100の他に筐体200の一部も図示している。図2では第1導電層23と第2導電層24の内、シャント抵抗25と基準抵抗26の部位のみを図示している。図3ではシャント抵抗25を実線で示し、シャント抵抗25の下に位置する基準抵抗26を破線で示している。
(第1実施形態)
図1〜図4に基づいて本実施形態に係る半導体装置を説明する。なお、図1では半導体装置100の他に筐体200の一部も図示している。図2では第1導電層23と第2導電層24の内、シャント抵抗25と基準抵抗26の部位のみを図示している。図3ではシャント抵抗25を実線で示し、シャント抵抗25の下に位置する基準抵抗26を破線で示している。
以下においては互いに直交の関係にある3方向を、x方向、y方向、z方向と示す。そしてx方向とy方向とによって規定される平面をx−y平面と示す。z方向が積層方向に相当する。
図1に示すように半導体装置100は、半導体基板10、配線層20、ヒートシンク30、モールド樹脂40、および、配線基板50を有する。半導体基板10の上面10aに配線層20が形成され、その裏面10bにヒートシンク30が機械的に接続されている。モールド樹脂40によって、ヒートシンク30に接続された半導体基板10が配線層20とともに被覆保護されている。ヒートシンク30の一部がモールド樹脂40から露出され、その露出された部位が配線基板50と機械的に接続されている。そして配線基板50は、半導体装置100を収納する金属製の筐体200に載置されている。
半導体基板10は、シリコンなどから成り、その表層にMOSFETなどの能動素子、抵抗やコンデンサなどの受動素子が各種形成されている。半導体基板10はx方向を長手方向、y方向を短手方向とする直方体形状を成し、そのz方向の厚さが一定となっている。半導体基板10の上面10aと裏面10bそれぞれはz方向に対して直交している。上記の能動素子や受動素子などの電子素子は、上面10a側の表層に主として形成されている。
配線層20は、絶縁層21に複数の導電層22が積層されたものである。配線層20は絶縁材料と金属材料とを上面10aにz方向に幾層にも薄膜形成することで形成される。これら薄膜のz方向の長さ(厚さ)はμmオーダーになっている。
絶縁層21は酸化シリコンや窒化シリコンなどから成り、導電層22はアルミニウムから成る。導電層22は、半導体基板10に形成された各種電子素子と電気的に接続されている。これら導電層22と電子素子とによって、例えば図3に示す温度特性補正回路11が形成されている。また図示しないが、温度特性補正回路11の出力電圧に基づいて被測定電流を検出する検出回路が形成されている。温度特性補正回路11については後で詳説する。
導電層22としては、第1導電層23と、第2導電層24と、がある。図1および図2に示すように第1導電層23と第2導電層24とはz方向に並んでいる。第1導電層23の一部は、被測定電流の流れるシャント抵抗25としての機能を果たし、第2導電層24の一部は、上記の温度特性補正回路11の基準抵抗26としての機能を果たす。
このシャント抵抗25には、図1に示す配線27が接続される。この配線27は外部接続端子28に接続される。上記の被測定電流は、これら配線27と外部接続端子28とを介してシャント抵抗25に流入する。外部接続端子28の一端は配線27に接続され、その他端は配線基板50に接続されている。これにより配線層20と配線基板50とは、配線27と外部接続端子28とを介して電気的に接続されている。この配線27の全てと外部接続端子28の一端とは、図1に示すようにモールド樹脂40によって被覆保護されている。
シャント抵抗25と基準抵抗26とはz方向において半導体基板10およびヒートシンク30へと向かって順に並んでいる。そして図3に示すようにシャント抵抗25は基準抵抗26よりもx−y平面の面積が広く、基準抵抗26のシャント抵抗25側の面26aの全てがz方向でシャント抵抗25と対向している。また図2に示すようにシャント抵抗25と基準抵抗26との間には絶縁層21の一部が設けられているが、その厚さは両者の間において一定となっている。この絶縁層21の厚さは数μmとなっている。後述するように基準抵抗26は、温度特性補正回路11において被測定電圧の温度特性の補正に活用される。
ヒートシンク30は、半導体基板10および配線層20にて発生した熱を放熱するものである。上記したようにヒートシンク30は半導体基板10の裏面10bに機械的に接続されている。これによりz方向において配線基板50へと向かって、配線層20、半導体基板10、および、ヒートシンク30が順に並んでいる。ヒートシンク30は、例えば銅の合金などから成る金属材料から形成されている。
モールド樹脂40は、配線層20と半導体基板10とを被覆保護するものである。図1に示すように、モールド樹脂40は、配線層20と半導体基板10を被覆するが、ヒートシンク30の一部も被覆する。これによりモールド樹脂40によって、配線層20、半導体基板10、および、ヒートシンク30が一体的に連結されている。なお、ヒートシンク30の半導体基板10との接続面30aの反対側の放熱面30bの全てが、モールド樹脂40から露出されている。モールド樹脂40はヒートシンク30よりも伝熱性(放熱性)の低い材料から成る。したがって配線層20や半導体基板10にて生じた熱は、モールド樹脂40ではなく、ヒートシンク30へと伝熱し易くなっている。
配線基板50は、絶縁基材51に配線パターン52の形成されたものである。絶縁基材51は直方体形状を成し、ヒートシンク30の搭載される搭載面51aから筐体200に載置される載置面51bに向かって貫通する貫通孔53が形成されている。配線パターン52は、この貫通孔53を構成する壁面や搭載面51aと載置面51bに形成されている。この貫通孔53、および、貫通孔53を構成する壁面に形成された配線パターン52によって、伝熱ビア54が形成されている。伝熱ビア54における搭載面51a側がヒートシンク30と接触し、載置面51b側が筐体200と接触する。これによりヒートシンク30と筐体200とが、主として伝熱ビア54を介して熱的に接続される。伝熱ビア54を構成する配線パターン52の一部が、伝熱材料に相当する。なお図1では、絶縁基材51に形成された配線パターン52の内、貫通孔53に設けられた部位のみを図示している。
以上に示した半導体装置100の構成により、配線層20および半導体基板10にて発生した熱は、主としてヒートシンク30と配線基板50の伝熱ビア54を介して筐体200へと伝熱される。
上記したように、配線層20には被測定電流の流れるシャント抵抗25が形成されている。そしてこのシャント抵抗25よりもヒートシンク30側に、絶縁層21を介して基準抵抗26が位置している。上記した配線層20および半導体基板10にて主として生じる熱は、被測定電流がシャント抵抗25を流動することで発生する。したがってこのシャント抵抗25にて発生した熱は、図1において白抜き矢印で示すように、主として絶縁層21、基準抵抗26、半導体基板10、ヒートシンク30、および、配線基板50を介して筐体200へと伝熱される。このように基準抵抗26は、シャント抵抗25にて生じた熱の主たる伝熱経路の一部を担っている。
次に、導電層22と、半導体基板10に形成された電子素子とによって構成される温度特性補正回路11を図3に基づいて説明する。
この温度特性補正回路11は、被測定電流の流動によってシャント抵抗25の端部に生じる被測定電圧の温度特性を補正するものである。本実施形態に係る温度特性補正回路11は反転増幅回路であり、基準抵抗26、オペアンプ12、および、帰還抵抗13を有する。シャント抵抗25は被測定電流の流れる配線に設けられている。シャント抵抗25の一端が基準抵抗26を介してオペアンプ12の反転入力端子に接続され、その他端がグランドに接続されている。そしてオペアンプ12の非反転入力端子はグランドに接続されている。帰還抵抗13は、基準抵抗26と反転入力端子との間と、オペアンプ12の出力端子とを接続する帰還配線に設けられている。
被測定電流の電流量をI、シャント抵抗25の抵抗値をRs、基準抵抗26の抵抗値をRb、帰還抵抗13の抵抗値をRfとすると、オペアンプ12の出力電圧Voutは、−Rf×(Rs/Rb)×Iとなる。
シャント抵抗25と基準抵抗26とはそれぞれアルミニウムから成るので、その温度特性は同一となっている。また上記したように基準抵抗26はシャント抵抗25にて生じる熱の主たる伝熱経路の一部を担っている。そしてシャント抵抗25と基準抵抗26との間の絶縁層21の厚さは数μmである。そのために基準抵抗26はシャント抵抗25と同一温度となっている。
以上により出力電圧Voutの(Rs/Rb)は温度依存しなくなっている。また帰還抵抗13は、詳しくは図示しないが、シャント抵抗25にて生じた熱の主たる伝熱経路を担わないように、その伝熱経路から離れている。そして帰還抵抗13は、シャント抵抗25や基準抵抗26よりも温度に応じて抵抗値が変動し難い材料から成る。以上により、被測定電流の電流量に依存する温度特性補正回路11の出力電圧Voutは、シャント抵抗25にて生じた熱に依存し難くなっている。なお、帰還抵抗13は配線層20若しくは半導体基板10に形成されている。
詳しくは図示しないが、上記したようにシャント抵抗25の温度特性を基準抵抗26によってキャンセルするためには、温度特性補正回路11として反転増幅回路を組むのではなく、差動増幅回路を多段に構成することでも、成すことができる。このような温度特性補正回路11は、初等の回路を当業者が適宜組むことで構成することができる。
次に、本実施形態に係る半導体装置100の作用効果を説明する。上記したように、基準抵抗26はシャント抵抗25にて生じた熱の主たる伝熱経路の一部を担っている。したがって基準抵抗がシャント抵抗にて生じた熱の主たる伝熱経路を担わない構成と比べて、基準抵抗26とシャント抵抗25とに温度差が生じることが抑制される。この結果、被測定電圧の温度補正精度の低下が抑制される。換言すれば、被測定電流の温度補正精度の低下が抑制される。
シャント抵抗25と基準抵抗26とは温度特性が同一である。そのため、本実施形態で示したように、温度特性補正回路11として、シャント抵抗25の端部に生じる被測定電圧を入力電圧、基準抵抗26を入力抵抗とする反転増幅回路などを組むことで、温度依存し難く、増幅された被測定電圧を得ることができる。
シャント抵抗25と基準抵抗26との間の絶縁層21の厚さは一定である。これによれば、シャント抵抗と基準抵抗との間の絶縁層の厚さが不定の構成と比べて、シャント抵抗25から基準抵抗26に伝達される熱量が均一となる。そのため基準抵抗26にて温度ムラの生じることが抑制され、基準抵抗26とシャント抵抗25とに温度差が生じることが抑制される。
シャント抵抗25と基準抵抗26との間の絶縁層21の厚さは数μmとなっている。これによれば、シャント抵抗と基準抵抗との間の絶縁層の厚さが数百μmの構成と比べて、シャント抵抗25の温度変化に対する基準抵抗26の温度変化の応答性が早くなる。そのため基準抵抗26とシャント抵抗25とに温度差が生じることが抑制される。
基準抵抗26のシャント抵抗25側の面26aの全てがシャント抵抗25とz方向で対向している。これによれば、基準抵抗の一部がシャント抵抗とz方向で対向する構成と比べて、シャント抵抗25から基準抵抗26に伝達される熱量が均一となる。そのため基準抵抗26にて温度ムラの生じることが抑制され、基準抵抗26とシャント抵抗25とに温度差が生じることが抑制される。
ヒートシンク30の放熱面30bの全てが、モールド樹脂40から露出されている。これによれば、ヒートシンク30の全てがモールド樹脂40によって被覆された構成と比べて、ヒートシンク30による放熱性が向上される。したがって絶縁層21、基準抵抗26、および、半導体基板10を介してヒートシンク30へと伝達されるシャント抵抗25の熱量が増大し、シャント抵抗25から基準抵抗26への伝熱量が増大する。そのために基準抵抗26とシャント抵抗25とに温度差が生じることが抑制される。
配線基板50に伝熱ビア54が形成され、配線基板50の搭載面51aと載置面51bとが伝熱ビア54を介して熱的に接続されている。そして伝熱ビア54はヒートシンク30と熱的に接続されている。これによれば、配線基板に伝熱ビアが形成されていない構成と比べて、絶縁層21、基準抵抗26、半導体基板10、および、ヒートシンク30を介して配線基板50の載置面51bへと伝達されるシャント抵抗25の熱量が増大する。そのためシャント抵抗25から基準抵抗26への伝熱量が増大し、基準抵抗26とシャント抵抗25とに温度差が生じることが抑制される。
ヒートシンク30と金属製の筐体200とが、配線基板50の伝熱ビア54を介して熱的に接続されている。これによれば、筐体が樹脂製の構成と比べて、絶縁層21、基準抵抗26、半導体基板10、ヒートシンク30、および、配線基板50を介して筐体200へと伝達されるシャント抵抗25の熱量が増大する。そのためシャント抵抗25から基準抵抗26への伝熱量が増大し、基準抵抗26とシャント抵抗25とに温度差が生じることが抑制される。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
(第1の変形例)
本実施形態では配線基板50に伝熱ビア54が形成され、図1に示すように半導体装置100の搭載される筐体200の壁面がx−y平面に沿っている例を示した。しかしながら例えば図5に示す構成を採用することもできる。この変形例では、配線基板50に孔55が形成され、筐体200には、この孔55に挿入される凸部201が形成されている。この凸部201の先端面がヒートシンク30の放熱面30bと直接接触されている。これによれば、シャント抵抗25にて生じた熱は、主として絶縁層21、基準抵抗26、半導体基板10、および、ヒートシンク30を介して筐体200へと伝熱される。
本実施形態では配線基板50に伝熱ビア54が形成され、図1に示すように半導体装置100の搭載される筐体200の壁面がx−y平面に沿っている例を示した。しかしながら例えば図5に示す構成を採用することもできる。この変形例では、配線基板50に孔55が形成され、筐体200には、この孔55に挿入される凸部201が形成されている。この凸部201の先端面がヒートシンク30の放熱面30bと直接接触されている。これによれば、シャント抵抗25にて生じた熱は、主として絶縁層21、基準抵抗26、半導体基板10、および、ヒートシンク30を介して筐体200へと伝熱される。
なお図示しないが、単に配線基板50に伝熱ビア54が形成されていない構成を採用することもできる。この場合、図1に示すように配線基板50は直方体形状を成し、筐体200の半導体装置100の搭載面はx−y平面に沿っている。
(第2の変形例)
本実施形態ではシャント抵抗25は基準抵抗26よりもx−y平面の面積が広い例を示した。しかしながら例えば図6および図7に示すように、x−y平面の面積が、シャント抵抗25と基準抵抗26とで同一であってもよい。この構成においても、基準抵抗26のシャント抵抗25側の面26aの全てをz方向でシャント抵抗25と対向させることができる。
本実施形態ではシャント抵抗25は基準抵抗26よりもx−y平面の面積が広い例を示した。しかしながら例えば図6および図7に示すように、x−y平面の面積が、シャント抵抗25と基準抵抗26とで同一であってもよい。この構成においても、基準抵抗26のシャント抵抗25側の面26aの全てをz方向でシャント抵抗25と対向させることができる。
なお上記したようにx−y平面の面積がシャント抵抗25と基準抵抗26とで同一で、基準抵抗26のシャント抵抗25側の面26aの全てがz方向でシャント抵抗25と対向している。そのため、シャント抵抗25と基準抵抗26のz方向での重なり具合を示す図7では基準抵抗26を図示していない。
また図8および図9に示すように、基準抵抗26のシャント抵抗25側の面26aの一部がz方向でシャント抵抗25と対向した構成を採用することもできる。
さらに例示すれば、図10および図11に示すように、シャント抵抗25が基準抵抗26よりもx−y平面の面積が狭く、基準抵抗26のシャント抵抗25側の面26aの一部がz方向でシャント抵抗25と対向した構成を採用することもできる。
(その他の変形例)
本実施形態ではシャント抵抗25と基準抵抗26との間の絶縁層21の厚さが一定である例を示した。しかしながらシャント抵抗25と基準抵抗26との間の絶縁層21の厚さは不定でもよい。
本実施形態ではシャント抵抗25と基準抵抗26との間の絶縁層21の厚さが一定である例を示した。しかしながらシャント抵抗25と基準抵抗26との間の絶縁層21の厚さは不定でもよい。
本実施形態では第1導電層23と第2導電層24それぞれがアルミニウムから成る例を示した。すなわち、シャント抵抗25と基準抵抗26それぞれがアルミニウムから成る例を示した。しかしながらシャント抵抗25と基準抵抗26の形成材料としては上記例に限定されず、例えば銅などを採用することができる。これによってもシャント抵抗25と基準抵抗26の温度特性を同一とすることができる。
さらに言えば、シャント抵抗25と基準抵抗26とは形成材料が互いに異なり、温度特性が互いに異なっていても良い。また、シャント抵抗25と基準抵抗26の少なくとも一方を複数の導電性材料から構成してもよい。この場合、導電性材料を適宜組み合わせることで、シャント抵抗25と基準抵抗26それぞれの温度特性を、半導体装置100の動作温度領域において一致させてもよい。
本実施形態では導電層22として、第1導電層23と第2導電層24を例示した。もちろんではあるが、導電層22は、これら2層の導電層以外にも、他の導電層を有していてもよい。
本実施形態では配線パターン52が、貫通孔53を構成する壁面や搭載面51aと載置面51bに形成された例を示した。しかしながら配線パターン52の形成領域としては上記例に限定されない。配線パターン52は絶縁基材51の内部に形成されていてもよい。
本実施形態では帰還抵抗13の形成位置について詳しく述べていなかった。しかしながら帰還抵抗13が配線層20に形成される場合、帰還抵抗13はシャント抵抗25よりもヒートシンク30から離れ、z方向においてシャント抵抗25と並んでいない。
本実施形態では帰還抵抗13は、シャント抵抗25や基準抵抗26よりも温度に応じて抵抗値が変動し難い材料から成る例を示した。しかしながら帰還抵抗13にシャント抵抗25の熱が伝熱し難くなっている場合、帰還抵抗13の形成材料は、シャント抵抗25や基準抵抗26の形成材料と同一であってもよい。
本実施形態ではヒートシンク30の一部がモールド樹脂40によって被覆され、ヒートシンク30の一部がモールド樹脂40から露出された例を示した。しかしながらヒートシンク30の全面がモールド樹脂40によって被覆された構成を採用することもできる。この変形例の場合、ヒートシンク30の放熱面30bを被覆するモールド樹脂40のz方向の長さ(厚さ)は、配線層20を被覆するモールド樹脂40の厚さよりも薄いと好適である。
本実施形態では半導体基板10はx方向を長手方向、y方向を短手方向とする直方体形状を成す例を示した。しかしながらこれとは逆に、半導体基板10はx方向を短手方向、y方向を長手方向とする直方体形状を成してもよい。
10…半導体基板、10a…上面、10b…裏面、20…配線層、21…絶縁層、22…導電層、23…第1導電層、24…第2導電層、25…シャント抵抗、26…基準抵抗、30…ヒートシンク、40…モールド樹脂、100…半導体装置
Claims (7)
- 配線層(20)が上面(10a)に形成された半導体基板(10)と、
前記半導体基板の前記上面の反対側の裏面(10b)に接続されたヒートシンク(30)と、
前記ヒートシンクの少なくとも一部、および、前記配線層とともに前記半導体基板を被覆するモールド樹脂(40)と、を有し、
前記配線層は、絶縁層(21)、および、前記絶縁層を介して積層される複数の導電層(22)を有し、
複数の前記導電層の内の1つの第1導電層(23)に、被測定電流の流れるシャント抵抗(25)が含まれ、前記第1導電層とは異なる第2導電層(24)に、前記被測定電流の流動によって前記シャント抵抗に生じる被測定電圧の温度特性の補正に活用される基準抵抗(26)が含まれており、
前記半導体基板の前記上面に直交する積層方向において前記基準抵抗と前記シャント抵抗とが並び、前記基準抵抗は前記シャント抵抗よりも前記ヒートシンク側に位置して、前記絶縁層の一部を介して互いに対向している半導体装置。 - 前記シャント抵抗と前記基準抵抗とは温度特性が同一である請求項1に記載の半導体装置。
- 前記絶縁層における前記シャント抵抗と前記基準抵抗との間の部位の前記積層方向の長さは一定である請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
- 前記基準抵抗における前記シャント抵抗側の面(26a)の全てが、前記積層方向において前記シャント抵抗と対向している請求項1〜3いずれか1項に記載の半導体装置。
- 前記ヒートシンクにおける前記半導体基板との接続面(30a)の反対側の放熱面(30b)が前記モールド樹脂から露出されている請求項1〜4いずれか1項に記載の半導体装置。
- 前記ヒートシンクの前記放熱面と機械的に接続され、前記配線層の前記導電層と電気的に接続される配線基板(50)を有し、
前記配線基板には、前記ヒートシンクの搭載面(51a)からその反対側の載置面(51b)へと貫通する貫通孔(53)の壁面が伝熱材料(52)によって覆われた伝熱ビア(54)が形成され、前記伝熱ビアを介して前記搭載面と前記載置面とが熱的に接続されている請求項5に記載の半導体装置。 - 前記配線基板の前記載置面は金属製の筐体(200)に接触され、前記配線基板と前記筐体とが前記伝熱ビアを介して熱的に接続されている請求項6に記載の半導体装置。
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