JP2017032204A - 電子保存庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来構成に対して生産現場でのコストを低減する。
【解決手段】前面が開放された箱型部材である筐体部材7と、筐体部材7の庫内奥面に伝熱面が突出して取付けられた温度調整装置9と、L字状の金属板から成り、筐体部材7の庫内天面及び庫内奥面に対して対流可能な隙間が設けられて伝熱面が接合された伝熱板8とを備えた。
【選択図】図6

Description

この発明は、小型の電子保存庫に関するものである。
従来のペルチェ素子を有する小型の電子冷蔵庫では、上下、左右及び背面の5面が一体に形成されたアルミ製の内郭部材を用いている(例えば特許文献1参照)。この内郭部材を用いることにより、冷却面積を大きくとることができ、庫内のほぼ全域から冷却することができるため、庫内の温度分布を良好とすることができる。
特開2000−304401号公報
しかしながら、従来構成では、5面を有するアルミ製の内郭部材を用いているため、内郭部材の成形がし難く、また、容積が大きく重ねることができないため搬送に不向きであり、コストが大きくかかるという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、従来構成に対して生産現場でのコストを低減することができる電子保存庫を提供することを目的としている。
この発明に係る電子保存庫は、前面が開放された箱型部材である筐体部材と、筐体部材の庫内奥面に伝熱面が突出して取付けられた温度調整装置と、L字状の金属板から成り、筐体部材の庫内天面及び庫内奥面に対して対流可能な隙間が設けられて伝熱面が接合された伝熱板とを備えたものである。
この発明によれば、上記のように構成したので、従来構成に対して生産現場でのコストを低減することができる。
この発明の実施の形態1に係る電子冷蔵庫の構成例を示す図であり、(a)正面図であり、(b)側面図である。 この発明の実施の形態1に係る電子冷蔵庫(前面扉を除く)の構成例を示す分解斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る電子冷蔵庫の前面扉を開いた状態を示す図であり、(a)正面図であり、(b)下から見た斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る電子冷蔵庫の構成例を示す図であり、(a)前面扉及び棚を取除いた状態を示す正面図であり、(b)前面扉、棚及び伝熱板を取除いた状態を示す正面図である。 この発明の実施の形態1に係る電子冷蔵庫の構成例を示す図であり、(a)背面カバーを取付けた状態を示す背面図であり、(b)背面カバーを取外した状態を示す背面図である。 この発明の実施の形態1に係る電子冷蔵庫の構成例を示す図であり、(a)図1(a)のA−A線断面図であり、(b)(a)のB部拡大図である。 この発明の実施の形態1に係る電子冷蔵庫の構成例を示す図であり、(a)図4(a)のC−C線断面図であり、(b)C−C線断面斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る電子冷蔵庫の構成例を示す図であり、(a)図1(b)のD−D線断面図であり、(b)図4(a)のE−E線断面図であり、(c)E−E線断面斜視図である。 この発明の実施の形態1における伝熱板の構成例を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1における伝熱板による効果を説明する図であり、(a)従来の断熱容器による熱漏洩のイメージを示す図であり、(b)本発明の断熱容器による熱漏洩のイメージを示す図である。 この発明の実施の形態1における露受け皿の構成例を示す図であり、(a)表側から見た斜視図であり、(b)裏側から見た斜視図である。 この発明の実施の形態1における露受け皿の着脱動作を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る電子冷蔵庫を家具に収納した状態を示す図であり、(a)斜視図であり、(b)正面図であり、(c)(b)のF−F線断面図である。 この発明の実施の形態1における照明装置の構成例を示す図であり、(a)斜視図であり、(b)(a)のG−G線断面図である。 この発明の実施の形態1における照明装置の構成例を示す図であり、(a)表側から見た分解斜視図であり、(b)裏側から見た分解斜視図である。 この発明の実施の形態1における照明装置の構成例を示す回路図である。 この発明の実施の形態1に係る電子冷蔵庫の動作例を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1における電源基板の構成例を示すブロック図である。 図18の電源基板の動作例を説明する図であり、(a)動作概要を示す図であり、(b)各部の動作を示すタイムチャートである。 この発明の実施の形態1における制御回路の構成例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1における制御回路及び電源回路による温度調整装置の制御動作例を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1における制御回路及び電源回路による温度調整装置の制御動作例を示す図である。 この発明の実施の形態1における電源基板の別の構成例を示すブロック図である。 図23の電源基板の動作例を説明する図であり、(a)動作概要を示す図であり、(b)各部の動作を示すタイムチャートである。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
電子保存庫は、静かでコンパクトなサイズの1個のペルチェ素子91を使用して保冷又は保温を行う小型(収容量が10〜40リットル程度)の装置である。以下では、電子保存庫として、保冷を行う電子冷蔵庫を例にして説明を行う。
この電子冷蔵庫は、図1〜3等に示すように、断熱容器1、前面扉2、ヒンジ機構3及び回転機構4を備えている。
断熱容器1は、前面が開放された箱型部材であり、内部に収納物(食品、飲料等)が収容されるものである。ここでは、2リットルのペットボトルを収納可能な庫内寸法のものを想定している。
また、図3等に示すように、断熱容器1の前面上部には、左右に、ヒンジ機構3を取付け可能とする挿入口51が設けられている。また、ヒンジ機構3が取付けられない挿入口51にはカバー52が被せられて隠蔽される。
また、図2等に示すように、断熱容器1の左右の前脚部64には、回転機構4を取付け可能とする挿入穴641が設けられている。なお、回転機構4が取付けられない挿入穴641にはキャップ(不図示)が被せられて隠蔽される。
また、図3等に示すように、断熱容器1の前面には、枠状にガスケット密着面53が設けられている。この断熱容器1のその他の詳細構成例については後述する。
前面扉2は、左右一方に取付けられたヒンジ機構3及び回転機構4が断熱容器1の左右一方の挿入口51及び挿入穴641にそれぞれ取付けられることで、断熱容器1の前面を開閉可能とするものである。この前面扉2の内部には、発泡ウレタン等の断熱材(不図示)が注入される。
また、図3等に示すように、前面扉2の背面には、断熱容器1のガスケット密着面53に対向して、枠状にガスケット21が設けられている。また、前面扉2の背面には、図6(b)に示すように、マグネット22が取付けられている。このマグネット22は、前面扉2を閉じた状態において、後述する照明装置13のリードスイッチ1312に磁界を加えて、接点接続を切替えさせるものである。
ヒンジ機構3は、前面扉2を断熱容器1に対して回動自在に上部で支持するものである。
回転機構4は、前面扉2を断熱容器1に対して回動自在に下部で支持するものである。
次に、断熱容器1の構成例について説明する。
断熱容器1は、図2〜8等に示すように、内郭部材5及び外郭部材6から成る筐体部材7、伝熱板8、ペルチェ素子91を有する温度調整装置9、背面カバー10、送風ファン11、露受け皿12、照明装置13、及び電源基板14を収納した基板収納箱15を有している。
内郭部材5は、樹脂部材(ポリプロピレン等)から成る前面が開放された箱型部材であり、内部に収納物を収納可能とするものである。
また、図4(b)等に示すように、内郭部材5の庫内奥面には、伝熱板8を収容可能な一段奥まった収容溝部54が設けられている。なお、図6(a)等に示すように、収容溝部54の深さは、伝熱板8が取付けられた状態において、電子冷蔵庫の庫内奥面が略面一となるような深さに構成されている。また、図4(b)等に示すように、収容溝部54には、伝熱板8を支持する支持部55が一体に設けられている。また、図7等に示すように、内郭部材5の庫内天面の前方には、照明装置13を取付けるための取付け部56が設けられている。また、図3等に示すように、内郭部材5には棚57を設置するための溝部58が設けられている。
外郭部材6は、前面が開放された箱型部材であり、断熱容器1の外郭を構成するものである。この外郭部材6は、図2等に示すように、下面及び左右側面を構成する外郭板金61と、上面を構成する天板62と、背面を構成する背面板63と、外郭板金61の下面前方の左右に取付けられる前脚部64とを有している。また、背面板63の下面の左右には後脚部65が設けられている。なお、前脚部64及び後脚部65には、露受け皿12をスライド自在に支持するための段差部642,651が設けられており、前脚部64及び後脚部65はそれぞれ互いの段差部642,651が向き合うように配置されている。また、背面板63には、筐体部材7の内部に発泡ウレタン等の断熱材73(図10参照)を注入するための注入口66が設けられている。
また、図6(a)等に示すように、筐体部材7の背面には、挿入孔71が設けられている。この挿入孔71は、温度調整装置9の後述する伝熱ブロック92を内郭部材5の内部にまで挿入するためのものである。また、図8に示すように、筐体部材7の下面には排水筒72が設けられている。この排水筒72は、内郭部材5の内面に付着したドレン水を露受け皿12に導くためのものである。また、この排水筒72は、庫内底面の中心に対して側面寄り(図8では右側面寄り)の位置に配置されている。
伝熱板8は、内郭部材5の内部に取付けられ、温度調整装置9からの熱を庫内に伝えるものである。この伝熱板8の詳細構成例については後述する。
温度調整装置9は熱を発生するものである。この温度調整装置9は、図2等に示すように、ペルチェ素子91、伝熱ブロック92及びヒートシンク93を有している。
ペルチェ素子91は、電源基板14による制御(駆動電圧)に従って熱を発生するものである。
伝熱ブロック92は、一面がペルチェ素子91の利用側熱交換面に取付けられ、他面(伝熱面)が挿入孔71を介して伝熱板8の裏面に固定ネジ94等により接合されるものである。なお、ペルチェ素子91は、伝熱ブロック92に対し、ネジ等により裏面から着脱自在に構成されている。この伝熱ブロック92は、熱伝導性のよいアルミ系合金から構成される。この伝熱ブロック92により、ペルチェ素子91の利用側熱交換面から伝熱面への伝熱が可能となる。なお、図8(c)等に示すように、伝熱ブロック92には、挿入孔71を介して筐体部材7に取付けられた後、結露水の伝熱面への侵入を防止するためのゴム板95が嵌められる。なお、ゴム板95の板厚は3mm程度である。
ヒートシンク93は、ペルチェ素子91の熱源側熱交換面と熱伝導的に接合されたものである。このヒートシンク93は、上下方向に空気を流通させて熱交換させるように、多数のアルミフィンが縦方向に配置されて構成されている。
図5,6等に示すように、背面カバー10は、樹脂部材から成る前面が開放された箱型部材であり、外郭部材6の背面全体を覆うように取付けられるものである。この背面カバー10は、外郭部材6の背面に取付けられた基板収納箱15を収納するとともに、外郭部材6の背面にヒートシンク93を冷却するための通風路101を形成するものである。図6(a)等に示すように、この背面カバー10は、下面が、後方に向かうに従って上方に傾斜している。また、上面が、後方に向かうに従って下方に傾斜している。そして、背面カバー10の下面に、外部の空気を吸い込む吸込口102が設けられている。また、背面カバー10の上面に、通風路101を通過した空気を外部に排出する排気口103が設けられている。
このように、吸込口102を後方に向かって上方に傾斜させることで、電子冷蔵庫の設置面(床面)と吸込口102との距離を離すことができる。その結果、外気を吸い込む風路抵抗を少なくすることができ、また、設置面から埃等の異物を吸い込むことを抑制でき、後述するフィルタ126の目詰まりを抑制してフィルタ126の清掃等のメンテナンスを容易にすることができる。
送風ファン11は、排気口103の内側に対向して吸込口102と排気口103との間に配置され、電源基板14による制御(駆動電圧)に従ってファンを回転させるものである。また、送風ファン11は、電子冷蔵庫の設置面に対して斜めに配置されている。電子冷蔵庫の上部に配置された送風ファン11により、電子冷蔵庫の下方の吸込口102から吸い込まれた空気がヒートシンク93及び基板収納箱15を通って熱交換され、上方の排気口103から排出される。
ここで、送風ファン11を電子冷蔵庫の上部に配置することで、送風ファン11から吸込口102までの距離を長くすることができ、吸込口102から吸い込む吸気の風速が強くなりすぎないように設定できるため、埃等の異物の吸い込みを更に抑制することができる。
露受け皿12は、筐体部材7の下面に前方から着脱自在に設けられ、排水筒72を介して流れたドレン水を受ける樹脂部材から成る皿である。この露受け皿12の詳細構成例については後述する。
照明装置13は、LED(発光素子)1311を有し、内郭部材5の庫内天面の前方に取付けられて、庫内を照らすものである。また、この照明装置13は、各部(温度調整装置9、送風ファン11及びLED1311)の運転を連動して切替える運転スイッチ機能も備えている。この照明装置13の詳細構成例については後述する。
基板収納箱15は、電子冷蔵庫の各部の動作を制御する電源基板14を収納し、外郭部材6の背面に取付けられるものである。この基板収納箱15に収納された電源基板14の詳細構成例については後述する。
次に、伝熱板8の構成例について説明する。
伝熱板8は、内郭部材5の内部に取付けられ、温度調整装置9からの熱を庫内に伝えるものである。この伝熱板8は、図9等に示すように、アルミ等の金属板が折り曲げられてL字状に構成されている。また、伝熱板8には、固定ネジ94を通すネジ穴81と、支持部55を通す支持穴82とがそれぞれ設けられている。
また、伝熱板8は、直角ではなく、若干鈍角(93〜100°)に折り曲げられている。これにより、金属板を直角に折り曲げて伝熱板8を構成する場合よりも、寸法精度を安定させることができる。
また、伝熱板8の左右の幅は、内郭部材5の収容溝部54の左右の幅に対して、当該収容溝部54に収容された際に隙間(1〜3mm)を有する寸法に構成されている。これにより、伝熱板8を内郭部材5に取付けやすくでき、また、ホテル又は病院等のスタッフ等が電子冷蔵庫の清掃等を行う場合に伝熱板8の角に触れて清掃が行い難いというようなことがないように構成できる。
また、図6(a)等に示すように、伝熱板8の上面の長さは、内郭部材5の庫内天面の長さに対して短く構成されている。これは、伝熱板8の上面が電子冷蔵庫の開放面近くまで延びていると伝熱板8が庫外の熱を庫内に伝熱してしまい、却って冷却効果が低減してしまうからである。なお図では、照明装置13との干渉を防ぐため、伝熱板8の上面の長さは、照明装置13の位置よりも奥側となる長さに構成されている。
また、伝熱板8及び内郭部材5の内面を黒等の濃色とすることで、見栄えをよくすることができる。
そして、上記のように構成された伝熱板8は、図8,9等に示すように、支持穴82に支持部55が通され、ネジ穴81に固定ネジ94が通されて温度調整装置9の伝熱ブロック92が接合される。またこの際、伝熱板8は、内郭部材5の庫内天面及び庫内奥面に対して、冷却対流可能な隙間(2〜6mm)を設けて取付けられる。なお、この隙間が広いほど冷却対流が良好となるが、広くしすぎると庫内面積が狭くなる。また、スタッフ等が清掃等を行う際に伝熱板8の裏側に指が入ってしまい清掃が行い難いというようなことがないようにする必要がある。そのため、これらを考慮して伝熱板8と内郭部材5との間の隙間寸法が設計される。また、支持部55は、伝熱板8と内郭部材5との間の空間保持と、輸送振動等によって固定ネジ94に加わるせん断応力を緩和する役割を果たしている。
次に、本発明の伝熱板8による効果について図10を用いて説明する。図10(a)は従来の断熱容器の1つの面での熱漏洩のイメージを示す図であり、図10(b)は本発明の断熱容器1の1つの面での熱漏洩のイメージを示す図である。なお図10では、断熱材73,73bとして発泡ウレタンを用いた場合を示している。また、図に示す矢印が熱の移動方向を示している。また、内郭部材5及び外郭部材6,6bは樹脂部材とし、伝熱板8及び内郭部材5b(伝熱板8b)はアルミ板とする。
図10(a)に示すように、従来構成では内郭部材5b自体が伝熱板8bを構成しており、断熱材73bと直接接触している。そのため、庫内では、内郭部材5の表面でしか熱交換を行うことができないことになる。一方、図10(b)に示すように、本発明の構成では、内郭部材5と伝熱板8とを別体とし、内郭部材5と伝熱板8との間に空間を設けている。そのため、庫内では、伝熱板8の両面で熱交換を行うことができ、図10(a)に対して冷却性能が向上する。
また、図10(a)に示す従来構成では、伝熱板8bを構成する内郭部材5bと断熱材73bとが直接接触しているため、この断熱材73bの庫内側端面の温度が低くなり、熱漏洩が多くなる。一方、図10(b)に示す本発明の構成では、内郭部材5と伝熱板8との間に空間を設けているため、断熱材73の庫内側端面の温度が高くなり(外気温度に近くなり)、熱漏洩が少なくなるため、冷却性能が向上する。これは、本発明の冷却性能を従来構成と同様とする場合に断熱材73を薄くできることを意味し、電子冷蔵庫の小型化及びコストの低減が可能となる。
なお図10において、本発明での伝熱板8の厚みが、従来構成の内郭部材5b(伝熱板8b)の厚みに対して厚いが、これは、従来構成では内郭部材5bの5面を伝熱板8bとして冷却を行っていたのに対し、本発明では2面の伝熱板8により冷却を行っているためである。
また、従来構成では、5面を有するアルミ製の内郭部材5bを用いているため、内郭部材5bの成形がし難く、また、容積が大きく重ねることができないため搬送に不向きであり、コストが大きくかかるという課題があった。
それに対して、本発明では、内郭部材5を樹脂部材で構成し、L字状に折り曲げたアルミ製の伝熱板8を内郭部材5に取付けるように構成したので、従来構成のように5面を有する金属製の内郭部材5bを成形する必要がなくなる。また、本発明の伝熱板8は、L字状に折り曲げるだけでよいため、成形が容易であり、また、重ねることもでき搬送にも向くため、従来構成に対して生産現場でのコストを低減することができる。
次に、露受け皿12の構成例について説明する。
露受け皿12は、図12等に示すように筐体部材7の下面に前方から着脱自在に設けられ、排水筒72を介して流れたドレン水を受ける樹脂部材から成る皿である。
図11等に示すように、露受け皿12の表面には、中央に前方から後方に沿った凸面121が設けられている。そして、この凸面121によって露受け皿12の裏面に連通用風路122が構成される。この連通用風路122は、露受け皿12が筐体部材7に取付けられた状態において通風路101に連通するものである。また、露受け皿12の表面には、凸面121によって分断された皿部123,124が構成される。
なお図5(b)に示すように、温度調整装置9は筐体部材7の中心位置から若干左右にずれて(図5(b)では右側にずれて)配置されている。そのため、連通用風路122の後方側も、温度調整装置9側に誘導するような形状に構成されている。また、連通用風路122の前方側は、美観向上のため左右対称な形状に構成されている。
このように、連通用風路122を中央に設けることで、電子冷蔵庫の前方側から後方の通風路101へ外気を流し易くすることができ、通風路101における冷却効果を高めることができる。
なお、皿部123,124のうち一方(図11では皿部123)は、露受け皿12が筐体部材7に取付けられた状態において排水筒72と対向する位置にあり、他方(図11では皿部124)よりもドレン水の収容量を多くとれるように広く構成されている。
また、凸面121は、皿部123,124の深さに対して浅く構成されている。これは、皿部123でドレン水が満杯になった場合に、このドレン水を皿部124へ流すことができるようにするためである。なお、露受け皿12全体でのドレン水の収容量は、従来構成に対して減ることがないように広さ及び深さが設計されている。
また、露受け皿12は、筐体部材7に取付けられた状態において、断熱容器1のガスケット密着面53の位置よりも突出する長さに構成されている。これは、ガスケット密着面53から露が落ちる場合があり、この露を受け止めて電子冷蔵庫の設置面に垂れるのを防止するためである。
また、露受け皿12の後壁は、筐体部材7に取付けられた状態において、筐体部材7との間の隙間がなくなるような高さに設計される。これは、露受け皿12の前方側が外部に開放された状態となっているため、露受け皿12と筐体部材7との間を通過した空気がフィルタ126を通らずに通風路101へ入り込むことを防止するためである。なお、取付け性を向上させるため、若干の隙間は許容される。
また、露受け皿12には、両側面に、前脚部64及び後脚部65の段差部642,651によりガイドされるガイド部125が設けられている。
また、露受け皿12の後部には、樹脂部材から成るフィルタ126が回動可能に取付けられている。このフィルタ126は、露受け皿12が筐体部材7に取付けられた状態において、吸込口102に対向配置され、吸込口102を介して通風路101内に流入する空気から埃等の異物を除去するものである。なお、このフィルタ126は、露受け皿12に対して水平方向より下方には回転しないように構成されている。
そして、図6(a)等に示すように、露受け皿12を筐体部材7の下面に挿入すると、フィルタ126は吸込口102を有する背面カバー10の下面の傾斜に沿って上方に案内され、吸込口102に対向配置される。また、フィルタ126を取外す場合には、露受け皿12を前方へ引き抜けばよい。よって、電子冷蔵庫が壁や家具内に設置されて、前面扉2側からしかメンテナンスできないような場合でも、フィルタ126を容易に着脱して清掃を行うことができる。また、フィルタ126が吸込口102に沿って上方へ傾斜して配置されるため、フィルタ126と床面との距離を離すことができ、電子冷蔵庫の設置面に堆積した埃等の異物を吸い込み難くなり、フィルタ126の清掃が必要となる期間を長くできる。
次に、本発明の露受け皿12による効果について図13を用いて説明する。図13は本発明の電子冷蔵庫を前面が開放された家具(収納容器)200に収納した場合を示す図である。
ホテル又は病院等に設けられる電子冷蔵庫を収納するための家具200には、図13に示すように、前方及び後方に、通気を行うための通気口201,202が設けられていることが多い。
一方、従来の電子冷蔵庫では、背面側に吸込口と排気口が設けられているのみであり、排気口から排気した空気(熱気)を吸込口から再び吸い込んでしまうことになる。よって、ヒートシンクの冷却効率が下がり、また、基板収納箱の温度も高くなるため基板寿命が短くなるという課題があった。
それに対して、本発明の電子冷蔵庫では、露受け皿12の裏面の中央に、前方側から後方の通風路101まで導く連通用風路122を設けている。これにより、電子冷蔵庫が家具200に収納された場合であっても、家具200の前方の通気口201から流入した空気が連通用風路122を通って背面の吸込口102に流入する。そして、通風路101を通過して上部の排気口103から排出された後、家具200の後方の通気口202から外部に排出される。よって、従来構成に対して、効率よくヒートシンク93を冷却でき、温度調整装置9の冷却性能の向上及び省エネ効果が見込める。また、基板温度も下げることができるため、電源基板14の寿命低下を抑制できる。
なお、従来構成では、金属製の内郭部材を用いていたため、成形の制約により、排水筒の位置を中央付近とする必要があった。それに対して、本発明では、内郭部材5を樹脂部材で構成することで排水筒72の位置を自由に設計可能となり、端の位置に寄せて構成することが可能となる。そのため、露受け皿12の中央に凸面121を設けて連通用風路122を形成することが可能となり、外気を吸い込み易い構成とすることができる。
また、従来構成では、吸込口及び排気口が背面側の左右に配置されている。それに対して、本発明では、ヒートシンク93、基板収納箱15及び送風ファン11の配置を変更し、下部に吸込口102を設けて、上部に排気口103を設けた。これにより、電子冷蔵庫が家具200に収納された場合であっても通風し易い構成とすることができる。その結果、効率よくヒートシンク93を冷却することができ、温度調整装置9の冷却性能の向上及び省エネ効果が見込める。また、基板収納箱15の温度上昇も抑制することができるため、電源基板14の長寿命化を図ることができる。
また、送風ファン11を斜めに配置することで、家具200の通気口202から埃等の異物が落ちた場合にも、通風路101内に当該異物が入り込むことを防止することができる。
次に、照明装置13の構成例について説明する。
照明装置13は、LED1311を有し、内郭部材5の庫内天面の前方に取付けられて、庫内を照らすものである。また、この照明装置13は、各部(温度調整装置9、送風ファン11及びLED1311)の運転を連動して切替える運転スイッチ機能も備えている。この照明装置13は、図14,15に示すように、配線基板131、基板保持器132、押し棒133及び基板収納容器134を有している。
配線基板131には、図15(a)に示すように、光を発光するLED1311と、LED1311の点灯及び消灯を切替えるリードスイッチ1312と、電源が投入された状態において上記各部の運転を連動して切替えるタクタイルスイッチ1313とが実装されている。また、配線基板131は、配線接続部1314を介して基板収納箱15に収納された電源基板14と接続される。
また、リードスイッチ1312は、前面扉2の背面に取付けられたマグネット22からの磁界を受けて接点接続の切替えを行う。すなわち、図6に示すように、リードスイッチ1312は、前面扉2が閉じている場合にはLED1311を消灯させ、前面扉2が開いている場合にはLED1311を点灯させる。
またここでは、タクタイルスイッチ1313を用いた場合を例に説明を行うが、自己復帰型のプッシュスイッチであればよい。なお、この自己復帰型のプッシュスイッチとは、例えば、スイッチを押すと開いていたスイッチの接点が閉じた状態になりスイッチを押し続けている間は接点が閉じた状態のままで、スイッチを押すのを止めれば閉じていた接点が開いて元の状態に戻る物であったり、また、スイッチを押すと閉じていた接点が開いた状態になりスイッチを押し続けている間は接点が開いた状態のままで、スイッチを押すのを止めれば開いていた接点が閉じて元の状態に戻る物である。また、配線基板131の回路構成例を図16に示す。
基板保持器132は、図6(b)等に示すように、照明装置13が取付け部56に取付けられた状態においてLED1311が庫内奥面側を向くように、配線基板131を斜めに保持するものである。このように、配線基板131を斜めに保持することで、庫内を奥まで照らすことができる。
但し、傾き角が大きくなると、庫内での照明装置13の突出量が大きくなり、また、リードスイッチ1312の感度も低下するため、配線基板131の傾き角度は20〜40°とする(図6(b)では30°としている)。また、照明装置13の突出量は、内郭部材5に取付けられた伝熱板8の上面の位置までの範囲内とする。照明装置13を庫内天面から突出させることで、電子冷蔵庫を前方から見た際に伝熱板8の端部を部分的に目立たなくすることができ、見栄えをよくすることができる。
また、図15(a)等に示すように、基板保持器132には、LED1311と対向する箇所に、LED1311からの光を透過する光透過部1321が設けられている。この光透過部1321は、LED1311との対向面が開放された箱型部材である。また、基板保持器132には、押し棒133を上下に移動可能に保持する棒支持部1322が設けられている。また、図15(b)に示すように、棒支持部1322には、押し棒133の後述するスイッチ押下部1332を通す貫通孔1323が設けられている。
押し棒133は、基板保持器132の棒支持部1322に収納され、照明装置13が取付け部56に取付けられた状態において、スタッフ等により上方向に押されることでタクタイルスイッチ1313を押す棒である。この押し棒133は、被支持部1331、スイッチ押下部1332及び被押下部1333を有している。
被支持部1331は、円板上に構成され、基板保持器132の棒支持部1322と基板収納容器134との間で上下にスライド可能に保持されるものである。
被押下部1333は、基板収納容器134の後述する貫通孔1342を介して外部に露出し、スタッフ等により押されるものである。
スイッチ押下部1332は、棒支持部1322の貫通孔1323を介してタクタイルスイッチ1313に対向し、被押下部1333が押されて押し棒133がタクタイルスイッチ1313側に移動することでタクタイルスイッチ1313を押すものである。このスイッチ押下部1332の先端は球状に構成されている。また図14(b)に示すように、押し棒133の軸方向はタクタイルスイッチ1313の中心位置から外れており、スイッチ押下部1332の先端がタクタイルスイッチ1313に触れた際にタクタイルスイッチ1313の中心位置に触れる位置となるように配置されている。このように、スイッチ押下部1332の端部を球状とし、タクタイルスイッチ1313との接触点(力点)をタクタイルスイッチ1313の中心位置とすることで、接触時の応力がタクタイルスイッチ1313の中心方向に働き、接触面圧が低減するため、スムーズな操作感を安定して得ることができる。
この押し棒133により、斜めに配置されたタクタイルスイッチ1313を上下運動で容易に操作することができる。
基板収納容器134は、図15等に示すように、配線基板131、基板保持器132及び押し棒133を収納して、内郭部材5の取付け部56に取付けられるものである。この基板収納容器134には、照明装置13が取付け部56に取付けられた状態において、光透過部1321を庫内底面及び庫内奥面に露出させる開口部1341が設けられている。この開口部1341により、LED1311からの光に指向性を持たせて庫内奥側まで効果的に照らすことができる。また、使用者等の視線には、直接光が入らないので、深夜の暗い状況であっても眩しさを感じさせることはない。
また、基板収納容器134には、押し棒133の被押下部1333を外部に露出するための貫通孔1342が設けられている。また、基板収納容器134の表面の貫通孔1342の周囲には、凹部1343が形成されている。この凹部1343の深さは、貫通孔1342からの被押下部1333の突出量よりも深く構成されている。すなわち、押し棒133の被押下部1333は、基板収納容器134の表面からは突出しない。この凹部1343により、使用者等による通常の使用では、押し棒133が直接見えない位置に配置することができる。よって、使用者等がタクタイルスイッチ1313の存在を意識せずに電子冷蔵庫を使用することができるとともに、タクタイルスイッチ1313に不用意に手や収納物が触れて運転が停止することを起き難くすることができる。また、基板収納容器134には、照明装置13を取付け部56に取付けるための係合部(図では係合爪)1344が設けられている。
次に、本発明のタクタイルスイッチ1313を用いた電子冷蔵庫の動作例について説明する。なおここでは、後述するタクタイルスイッチ1313の長押し判定は考慮せず、単にタクタイルスイッチ1313の押下で運転を切替える場合を例にして説明する。
電子冷蔵庫の動作例では、図17に示すように、電源(100V)が投入されると(ステップST1701)、電子冷蔵庫は自動的に温度調整装置9及び送風ファン11の運転を開始させる(ステップST1702)。その後、スタッフ等によりタクタイルスイッチ1313が押されると(ステップST1703)、電子冷蔵庫は温度調整装置9及び送風ファン11の運転を停止させる(ステップST1704)。その後、もう一度タクタイルスイッチ1313が押されると(ステップST1705)、電子冷蔵庫は各部(温度調整装置9、送風ファン11及びLED1311)の運転を開始させる(ステップST1702)。その後、電源が投入されている状態では、タクタイルスイッチ1313が押される度に、上記各部の運転の開始及び停止を順次切り替える。
一方、電源が落とされると、電子冷蔵庫は上記各部の運転を停止させる(ステップST1706,1707)。その後、電源が投入されると(ステップST1701)、電子冷蔵庫は必ず温度調整装置9及び送風ファン11の運転を開始させる(ステップST1702)。すなわち、タクタイルスイッチ1313により上記各部の運転を停止させている状態(待機状態)で電源が落とされ、その後電源が投入された場合であっても、待機状態からは動作を開始しない(タクタイルスイッチ1313は自己状態を保持しない)。
次に、本発明の照明装置13による効果について説明する。
従来の電子冷蔵庫では、前面に設けられたロッカースイッチを用いて、ペルチェ素子による冷却運転を切替え可能とするものが存在する。このロッカースイッチにより、電子冷蔵庫の電源を抜き差しすることなく冷却運転を切替えることができ、節電に寄与することができる。しかしながら、ロッカースイッチは自己保持型のスイッチであり、電源の抜き差しに関係なく、ロッカースイッチがオフの場合には冷却運転が停止されることになる。一方、一般的な冷蔵庫では、ロッカースイッチは存在せず、電源を抜き差しで運転を切替えている。そのため、スタッフ等がロッカースイッチを入れ忘れた場合や、電子冷蔵庫に慣れていない使用者等が誤ってロッカースイッチをオフにしてしまった場合等では、使用者等が電源を抜き差ししても冷却運転を再開させることができず、クレームが発生する恐れがあるという課題があった。また、上記ロッカースイッチに代えて、人の存在を検知する光センサを用いて、人が存在する場合に冷却運転をさせる電子冷蔵庫も存在するが、コストが高いという課題があった。
それに対して、本発明では、自己復帰型のプッシュスイッチ(タクタイルスイッチ1313)を庫内天面に設けられた照明装置13に実装している。これにより、電源を抜き差しすることなく運転を切替えることができ、且つ電源を投入した際には運転が開始させることができる。すなわち、例えば、スタッフ等がタクタイルスイッチ1313を入れ忘れたとしても使用者等が一般の冷蔵庫と同様に電源を再投入するだけで、運転を開始させることができる。また、電源再投入による遠隔強制運転も可能となる。
また、タクタイルスイッチ1313を照明装置13に実装することで、タクタイルスイッチ1313を見え難くすることができ、スタッフ等による操作のし易さは損なうことなく、使用者等による誤操作を回避することができる。また、意匠性を高めることもできる。また、タクタイルスイッチ1313は、ロッカースイッチ及び光センサに比べて低コストである。また、タクタイルスイッチ1313をLED1311が接続された配線基板131に実装することで、1枚の基板でコンパクトに構成することができる。また、タクタイルスイッチ1313が、温度調整装置9及びLED1311の運転を連動して切替えることで、照明装置13に運転ランプの機能を持たすことができ、スタッフ等が温度調整装置9の運転状況を把握し易くすることができる。
次に、電源基板14の構成例について説明する。
電源基板14は、図18に示すように、時定数フィルタ141、ラッチ回路142、制御回路143及び電源回路144を有している。
時定数フィルタ141は、タクタイルスイッチ1313の押下時間が規定時間より長い場合に、信号を出力するものである。時定数フィルタ141としてはコンデンサを用いることができる。図18の例では、単一の時定数フィルタ141を用いて、規定時間Tを例えば1秒とする。
ラッチ回路142は、時定数フィルタ141から出力された信号を受けて、出力信号(H又はL)を切替えるものである。この出力信号を切替えることで、運転開始と運転停止を指示する。図18の例では、ラッチ回路142は、時定数フィルタ141からの信号を受ける度に出力信号を切替える。このラッチ回路142によって、押し棒133の操作による運転制御が可能となる。
制御回路143は、電源の抜き差し及びラッチ回路142からの信号に応じて、電源回路144を制御するものである。
電源回路144は、制御回路143による制御に従い、各部(温度調整装置9、送風ファン11、LED1311)に駆動電圧を印加するものである。
次に、図18の電源基板14による動作例について説明する。
図18の電源基板14による動作例では、図19に示すように、まず、時定数フィルタ141は、タクタイルスイッチ1313の押下時間aが規定時間Tより長い場合に、信号を出力する。すなわち、タクタイルスイッチ1313の押下時間aが規定時間T以下の場合には、運転切替えは実施されない。これにより、使用者等が収納物の出し入れ等においてタクタイルスイッチ1313に意図せずに触れてしまった場合にも誤操作を回避することができる。
次いで、ラッチ回路142は、時定数フィルタ141からの信号を受ける度に、出力信号(H又はL)を切替えて出力する。
次いで、制御回路143は、電源の抜き差し及びラッチ回路142からの信号に応じて、電源回路144を制御する。
次いで、電源回路144は、制御回路143からの制御に従い、各部(温度調整装置9、送風ファン11、LED1311)に駆動電圧を印加する。なお、LED1311は、温度調整装置9及び送風ファン11と連動してオン状態となっている場合でも、前面扉2が開いている場合にのみ点灯し、前面扉2を閉じた場合には消灯する。
次に、制御回路143の、温度調整装置9の制御に関する構成例について説明する。
制御回路143は、図20に示すように、温度調整装置9を制御する回路として、温度判定部1431及び運転切替え部1432を有している。
温度判定部1431は、庫内に設置された温度センサ(不図示)から庫内温度を示すデータを取得し、庫内温度が目標温度に達したかを判定するものである。
運転切替え部1432は運転モードを切替えるものである。運転モードとしては、通常モードと、目標温度を、庫内温度が通常モードでの目標温度を超える温度に設定した初期モードとがある。そして、運転切替え部1432は、電源が投入された場合及びラッチ回路142から運転開始を指示する信号が入力された場合には、運転モードを初期モードとする。一方、初期モードで動作後、温度判定部1431により庫内温度が目標温度に達したと判定された場合には、運転モードを通常モードに切替える。
また、電源回路144は、温度判定部1431による温度判定結果に応じて、温度調整装置9に対して駆動電圧を印加する。
次に、制御回路143及び電源回路144による温度調整装置9の制御動作例について説明する。なおここでは、通常モードでの目標温度を6℃とし、初期モードでの目標温度を5℃とした場合を示す。
制御回路143及び電源回路144による温度調整装置9の制御動作例では、図21に示すように、まず、電源が投入された場合及びラッチ回路142から運転開始を指示する信号が入力された場合に、電源回路144は送風ファン11を駆動させ、また、運転切替え部1432は運転モードを初期モードに切替える(ステップST2101)。すなわち、目標温度を通常モードでの目標温度(6℃)よりも低い温度(5℃)に設定する。
次いで、電源回路144は、制御回路143の温度判定部1431による温度判定結果に応じて、温度調整装置9に対して駆動電圧を印加する(ステップST2102)。
また、温度判定部1431は、庫内に設置された温度センサから庫内温度を示すデータを取得し、庫内温度が目標温度(5℃)に達したかを判定する(ステップST2103)。このステップST2103において庫内温度が目標温度(5℃)に達していないと判定された場合には、シーケンスはステップST2102に戻り、庫内温度が目標温度(5℃)となるまでステップST2102,2103の処理を繰り返す。
一方、ステップST2103において庫内温度が目標温度(5℃)に達したと判定された場合には、運転切替え部1432は運転モードを通常モードに切替える(ステップST2104)。すなわち、目標温度を6℃に設定する。
その後、通常モードで温度調整装置9を運転させる(ステップST2105)。すなわち、温度判定部1431は、庫内温度が目標温度(例えば6℃)に達したかを判定し、電源回路144は、その温度判定結果に応じて、温度調整装置9に対して駆動電圧を印加する。
図22はこの発明の実施の形態1における制御回路143及び電源回路144による温度調整装置9の制御動作例を示す図である。図22において、実線は通常モードでの出力電圧特性を示し、破線は初期モードでの出力電圧特性を示している。
ここで、従来の電子冷蔵庫では、冷却を開始してから庫内温度を目標温度まで冷却するには十分な時間が必要となる。それに対して、本発明では、冷却を開始すると、まず、初期モードで動作して、通常の目標温度よりも低い温度で動作する。これにより、通常モードでの目標温度まで素早く到達させることができ、また、省エネにも繋がる。
なお上記では、運転開始を指示する場合と運転停止を指示する場合において、タクタイルスイッチ1313を同じ時間長押しするように構成した場合を示した。それに対して、運転開始を指示する場合と運転停止を指示する場合とで、タクタイルスイッチ1313の押下時間を変えてもよい。
この場合、例えば図23に示すように、2つの時定数フィルタ141a,141bを用いて、それぞれの規定時間を異なる値に設定する。この際、運転開始を指示する場合の規定時間T1(例えば0.1〜1秒)に対して、運転停止を指示する場合の規定時間T2(例えば1〜3秒)を長く設定する。
また、ラッチ回路142は、時定数フィルタ141aからの信号を受け且つ時定数フィルタ141bからの信号を受けていない場合には運転開始を指示する出力信号を出力し、両方の時定数フィルタ141a,141bからの信号を受けた場合には運転停止を指示する出力信号を出力する。
次に、図24の電源基板14による動作例について説明する。
図23の電源基板14による動作例では、図24に示すように、まず、時定数フィルタ141aは、タクタイルスイッチ1313の押下時間aが規定時間T1より長い場合に、信号を出力する。また、時定数フィルタ141bは、タクタイルスイッチ1313の押下時間aが規定時間T2より長い場合に、信号を出力する。すなわち、タクタイルスイッチ1313の押下が規定時間T1以下の場合には運転が開始されず、タクタイルスイッチ1313の押下が規定時間T2以下の場合には運転が停止されない。これにより、使用者等が収納物の出し入れ等においてタクタイルスイッチ1313に意図せずに触れてしまった場合にも誤操作を回避することができるとともに、スタッフ等が運転を開始させる場合には素早く操作を行うことができる。
次いで、ラッチ回路142は、時定数フィルタ141aからの信号を受け且つ時定数フィルタ141bからの信号を受けていない場合には運転開始を指示する出力信号を出力し、両方の時定数フィルタ141a,141bからの信号を受けた場合には運転停止を指示する出力信号を出力する。
次いで、制御回路143は、電源の抜き差し及びラッチ回路142からの信号に応じて、電源回路144を制御する。
次いで、電源回路144は、制御回路143からの制御に従い、各部(温度調整装置9、送風ファン11、LED1311)に駆動電圧を印加する。なお、LED1311は、温度調整装置9及び送風ファン11と連動してオン状態となっている場合でも、前面扉2が開いている場合にのみ点灯し、前面扉2を閉じた場合には消灯する。
なお上記では、電子保存庫として、保冷を行う電子冷蔵庫を用いて説明を行った。しかしながら、これに限るものではなく、保温を行う電子温蔵庫に対しても本発明の構成を同様に適用することが可能である。
また、露受け皿12、照明装置13及び電源基板14については、上記のような電子保存庫に限らず、通常の圧縮機を有する温度調整装置9を用いて保冷又は保温を行う保存庫にも同様に適用することができる。
以上のように、この実施の形態1によれば、前面が開放された箱型部材である筐体部材7と、筐体部材7の庫内奥面に伝熱面が突出して取付けられた温度調整装置9と、L字状の金属板から成り、筐体部材7の庫内天面及び庫内奥面に対して対流可能な隙間が設けられて伝熱面が接合された伝熱板8とを備えたので、従来構成に対して生産現場でのコストを低減することができる。すなわち、伝熱板8の成形が容易であり、伝熱板8を重ねることもでき搬送にも向くため、コストの低減を図ることができる。
また、伝熱板8の両面で熱交換を行うことができ性能(冷却性能、加熱性能)が向上する。また、断熱材73の庫内側端面の温度が外気温度に近くなるため熱漏洩が少なくなり上記性能が向上する。その結果、本発明の構成の上記性能を従来構成と同様とする場合には断熱材を薄くでき、電子保存庫の小型化及びコストの低減が可能となる。
また、筐体部材7は、庫内奥面に、伝熱板8を収容可能とする収容溝部54を有し、伝熱板8の幅は、収容溝部54の幅に対して隙間を有する寸法に構成されたので、伝熱板8を筐体部材7に取付け易くなり、また、スタッフ等が電子保存庫の清掃等を行う場合に伝熱板8の角に触れて清掃が行い難いというようなことがないように構成することができる。
また、伝熱板8と筐体部材7の庫内天面及び庫内奥面との隙間は2〜6mmであるので、庫内面積を確保するとともに、清掃等で伝熱板8の裏に指が入らない程度の隙間にすることを考慮した設計とすることができる。
また、筐体部材7は内面が樹脂部材から成るので、従来構成のように5面を有する金属製の内郭部材を成形する必要がなくなり、電子保存庫の成形が容易となる。
また、伝熱板8は、筐体部材7の庫内天面に対向配置される面の長さが、当該庫内天面の長さに対して短く構成されたので、庫外の熱を庫内に伝熱してしまうことを回避し、効果(冷却効果、加熱効果)の低減を抑制することができる。
また、筐体部材7の庫内天面の前方に設けられ、当該庫内天面に対向配置された伝熱板8の面の位置までの範囲内で、当該庫内天面から突出した照明装置13を備えたので、電子保存庫を前方から見た場合に伝熱板8の端部を部分的に目立たなくすることができ、見栄えをよくすることができる。
また、伝熱板8は93〜100°の角度に折り曲げられて構成されたので、金属板を直角に折り曲げて伝熱板8を構成する場合よりも、寸法精度を安定させることができる。
また、筐体部材7の内面及び伝熱板8は濃色に構成されたので、見栄えをよくすることができる。
また、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
1 断熱容器、2 前面扉、3 ヒンジ機構、4 回転機構、5 内郭部材、6 外郭部材、7 筐体部材、8 伝熱板、9 温度調整装置、10 背面カバー、11 送風ファン、12 露受け皿、13 照明装置、14 電源基板、15 基板収納箱、21 ガスケット、22 マグネット、51 挿入口、52 カバー、53 ガスケット密着面、54 収容溝部、55 支持部、56 取付け部、57 棚、58 溝部、61 外郭板金、62 天板、63 背面板、64 前脚部、65 後脚部、66 注入口、71 挿入孔、72 排水筒、73 断熱材、81 ネジ穴、82 支持穴、91 ペルチェ素子、92 伝熱ブロック、93 ヒートシンク、94 固定ネジ、95 ゴム板、101 通風路、102 吸込口、103 排気口、121 凸面、122 連通用風路、123,124 皿部、125 ガイド部、126 フィルタ、131 配線基板、132 基板保持器、133 押し棒、134 基板収納容器、141 時定数フィルタ、142 ラッチ回路、143 制御回路、144 電源回路、200 家具、201,202 通気口、641 挿入穴、642 段差部、651 段差部、1311 LED、1312 リードスイッチ、1313 タクタイルスイッチ、1314 配線接続部、1321 光透過部、1322 棒支持部、1323 貫通孔、1331 被支持部、1332 スイッチ押下部、1333 被押下部、1341 開口部、1342 貫通孔、1343 凹部、1344 係合部、1431 温度判定部、1432 運転切替え部。

Claims (8)

  1. 前面が開放された箱型部材である筐体部材と、
    前記筐体部材の庫内奥面に伝熱面が突出して取付けられた温度調整装置と、
    L字状の金属板から成り、前記筐体部材の庫内天面及び庫内奥面に対して対流可能な隙間が設けられて前記伝熱面が接合された伝熱板と
    を備えた電子保存庫。
  2. 前記筐体部材は、庫内奥面に、前記伝熱板を収容可能とする収容溝部を有し、
    前記伝熱板の幅は、前記収容溝部の幅に対して隙間を有する寸法に構成された
    ことを特徴とする請求項1記載の電子保存庫。
  3. 前記伝熱板と前記筐体部材の庫内天面及び庫内奥面との隙間は2〜6mmである
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電子保存庫。
  4. 前記筐体部材は内面が樹脂部材から成る
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の電子保存庫。
  5. 前記伝熱板は、前記筐体部材の庫内天面に対向配置される面の長さが、当該庫内天面の長さに対して短く構成された
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の電子保存庫。
  6. 前記筐体部材の庫内天面の前方に設けられ、当該庫内天面に対向配置された前記伝熱板の面の位置までの範囲内で、当該庫内天面から突出した照明装置を備えた
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の電子保存庫。
  7. 前記伝熱板は93〜100°の角度に折り曲げられて構成された
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の電子保存庫。
  8. 前記筐体部材の内面及び前記伝熱板は濃色に構成された
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の電子保存庫。
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