JP2017032204A - 電子保存庫 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前面が開放された箱型部材である筐体部材7と、筐体部材7の庫内奥面に伝熱面が突出して取付けられた温度調整装置9と、L字状の金属板から成り、筐体部材7の庫内天面及び庫内奥面に対して対流可能な隙間が設けられて伝熱面が接合された伝熱板8とを備えた。
【選択図】図6
Description
実施の形態1.
電子保存庫は、静かでコンパクトなサイズの1個のペルチェ素子91を使用して保冷又は保温を行う小型(収容量が10〜40リットル程度)の装置である。以下では、電子保存庫として、保冷を行う電子冷蔵庫を例にして説明を行う。
この電子冷蔵庫は、図1〜3等に示すように、断熱容器1、前面扉2、ヒンジ機構3及び回転機構4を備えている。
また、図2等に示すように、断熱容器1の左右の前脚部64には、回転機構4を取付け可能とする挿入穴641が設けられている。なお、回転機構4が取付けられない挿入穴641にはキャップ(不図示)が被せられて隠蔽される。
また、図3等に示すように、断熱容器1の前面には、枠状にガスケット密着面53が設けられている。この断熱容器1のその他の詳細構成例については後述する。
また、図3等に示すように、前面扉2の背面には、断熱容器1のガスケット密着面53に対向して、枠状にガスケット21が設けられている。また、前面扉2の背面には、図6(b)に示すように、マグネット22が取付けられている。このマグネット22は、前面扉2を閉じた状態において、後述する照明装置13のリードスイッチ1312に磁界を加えて、接点接続を切替えさせるものである。
回転機構4は、前面扉2を断熱容器1に対して回動自在に下部で支持するものである。
断熱容器1は、図2〜8等に示すように、内郭部材5及び外郭部材6から成る筐体部材7、伝熱板8、ペルチェ素子91を有する温度調整装置9、背面カバー10、送風ファン11、露受け皿12、照明装置13、及び電源基板14を収納した基板収納箱15を有している。
また、図4(b)等に示すように、内郭部材5の庫内奥面には、伝熱板8を収容可能な一段奥まった収容溝部54が設けられている。なお、図6(a)等に示すように、収容溝部54の深さは、伝熱板8が取付けられた状態において、電子冷蔵庫の庫内奥面が略面一となるような深さに構成されている。また、図4(b)等に示すように、収容溝部54には、伝熱板8を支持する支持部55が一体に設けられている。また、図7等に示すように、内郭部材5の庫内天面の前方には、照明装置13を取付けるための取付け部56が設けられている。また、図3等に示すように、内郭部材5には棚57を設置するための溝部58が設けられている。
ペルチェ素子91は、電源基板14による制御(駆動電圧)に従って熱を発生するものである。
ここで、送風ファン11を電子冷蔵庫の上部に配置することで、送風ファン11から吸込口102までの距離を長くすることができ、吸込口102から吸い込む吸気の風速が強くなりすぎないように設定できるため、埃等の異物の吸い込みを更に抑制することができる。
伝熱板8は、内郭部材5の内部に取付けられ、温度調整装置9からの熱を庫内に伝えるものである。この伝熱板8は、図9等に示すように、アルミ等の金属板が折り曲げられてL字状に構成されている。また、伝熱板8には、固定ネジ94を通すネジ穴81と、支持部55を通す支持穴82とがそれぞれ設けられている。
また、伝熱板8及び内郭部材5の内面を黒等の濃色とすることで、見栄えをよくすることができる。
図10(a)に示すように、従来構成では内郭部材5b自体が伝熱板8bを構成しており、断熱材73bと直接接触している。そのため、庫内では、内郭部材5の表面でしか熱交換を行うことができないことになる。一方、図10(b)に示すように、本発明の構成では、内郭部材5と伝熱板8とを別体とし、内郭部材5と伝熱板8との間に空間を設けている。そのため、庫内では、伝熱板8の両面で熱交換を行うことができ、図10(a)に対して冷却性能が向上する。
それに対して、本発明では、内郭部材5を樹脂部材で構成し、L字状に折り曲げたアルミ製の伝熱板8を内郭部材5に取付けるように構成したので、従来構成のように5面を有する金属製の内郭部材5bを成形する必要がなくなる。また、本発明の伝熱板8は、L字状に折り曲げるだけでよいため、成形が容易であり、また、重ねることもでき搬送にも向くため、従来構成に対して生産現場でのコストを低減することができる。
露受け皿12は、図12等に示すように筐体部材7の下面に前方から着脱自在に設けられ、排水筒72を介して流れたドレン水を受ける樹脂部材から成る皿である。
図11等に示すように、露受け皿12の表面には、中央に前方から後方に沿った凸面121が設けられている。そして、この凸面121によって露受け皿12の裏面に連通用風路122が構成される。この連通用風路122は、露受け皿12が筐体部材7に取付けられた状態において通風路101に連通するものである。また、露受け皿12の表面には、凸面121によって分断された皿部123,124が構成される。
このように、連通用風路122を中央に設けることで、電子冷蔵庫の前方側から後方の通風路101へ外気を流し易くすることができ、通風路101における冷却効果を高めることができる。
また、露受け皿12には、両側面に、前脚部64及び後脚部65の段差部642,651によりガイドされるガイド部125が設けられている。
ホテル又は病院等に設けられる電子冷蔵庫を収納するための家具200には、図13に示すように、前方及び後方に、通気を行うための通気口201,202が設けられていることが多い。
また、送風ファン11を斜めに配置することで、家具200の通気口202から埃等の異物が落ちた場合にも、通風路101内に当該異物が入り込むことを防止することができる。
照明装置13は、LED1311を有し、内郭部材5の庫内天面の前方に取付けられて、庫内を照らすものである。また、この照明装置13は、各部(温度調整装置9、送風ファン11及びLED1311)の運転を連動して切替える運転スイッチ機能も備えている。この照明装置13は、図14,15に示すように、配線基板131、基板保持器132、押し棒133及び基板収納容器134を有している。
またここでは、タクタイルスイッチ1313を用いた場合を例に説明を行うが、自己復帰型のプッシュスイッチであればよい。なお、この自己復帰型のプッシュスイッチとは、例えば、スイッチを押すと開いていたスイッチの接点が閉じた状態になりスイッチを押し続けている間は接点が閉じた状態のままで、スイッチを押すのを止めれば閉じていた接点が開いて元の状態に戻る物であったり、また、スイッチを押すと閉じていた接点が開いた状態になりスイッチを押し続けている間は接点が開いた状態のままで、スイッチを押すのを止めれば開いていた接点が閉じて元の状態に戻る物である。また、配線基板131の回路構成例を図16に示す。
但し、傾き角が大きくなると、庫内での照明装置13の突出量が大きくなり、また、リードスイッチ1312の感度も低下するため、配線基板131の傾き角度は20〜40°とする(図6(b)では30°としている)。また、照明装置13の突出量は、内郭部材5に取付けられた伝熱板8の上面の位置までの範囲内とする。照明装置13を庫内天面から突出させることで、電子冷蔵庫を前方から見た際に伝熱板8の端部を部分的に目立たなくすることができ、見栄えをよくすることができる。
被押下部1333は、基板収納容器134の後述する貫通孔1342を介して外部に露出し、スタッフ等により押されるものである。
この押し棒133により、斜めに配置されたタクタイルスイッチ1313を上下運動で容易に操作することができる。
電子冷蔵庫の動作例では、図17に示すように、電源(100V)が投入されると(ステップST1701)、電子冷蔵庫は自動的に温度調整装置9及び送風ファン11の運転を開始させる(ステップST1702)。その後、スタッフ等によりタクタイルスイッチ1313が押されると(ステップST1703)、電子冷蔵庫は温度調整装置9及び送風ファン11の運転を停止させる(ステップST1704)。その後、もう一度タクタイルスイッチ1313が押されると(ステップST1705)、電子冷蔵庫は各部(温度調整装置9、送風ファン11及びLED1311)の運転を開始させる(ステップST1702)。その後、電源が投入されている状態では、タクタイルスイッチ1313が押される度に、上記各部の運転の開始及び停止を順次切り替える。
従来の電子冷蔵庫では、前面に設けられたロッカースイッチを用いて、ペルチェ素子による冷却運転を切替え可能とするものが存在する。このロッカースイッチにより、電子冷蔵庫の電源を抜き差しすることなく冷却運転を切替えることができ、節電に寄与することができる。しかしながら、ロッカースイッチは自己保持型のスイッチであり、電源の抜き差しに関係なく、ロッカースイッチがオフの場合には冷却運転が停止されることになる。一方、一般的な冷蔵庫では、ロッカースイッチは存在せず、電源を抜き差しで運転を切替えている。そのため、スタッフ等がロッカースイッチを入れ忘れた場合や、電子冷蔵庫に慣れていない使用者等が誤ってロッカースイッチをオフにしてしまった場合等では、使用者等が電源を抜き差ししても冷却運転を再開させることができず、クレームが発生する恐れがあるという課題があった。また、上記ロッカースイッチに代えて、人の存在を検知する光センサを用いて、人が存在する場合に冷却運転をさせる電子冷蔵庫も存在するが、コストが高いという課題があった。
電源基板14は、図18に示すように、時定数フィルタ141、ラッチ回路142、制御回路143及び電源回路144を有している。
電源回路144は、制御回路143による制御に従い、各部(温度調整装置9、送風ファン11、LED1311)に駆動電圧を印加するものである。
図18の電源基板14による動作例では、図19に示すように、まず、時定数フィルタ141は、タクタイルスイッチ1313の押下時間aが規定時間Tより長い場合に、信号を出力する。すなわち、タクタイルスイッチ1313の押下時間aが規定時間T以下の場合には、運転切替えは実施されない。これにより、使用者等が収納物の出し入れ等においてタクタイルスイッチ1313に意図せずに触れてしまった場合にも誤操作を回避することができる。
次いで、制御回路143は、電源の抜き差し及びラッチ回路142からの信号に応じて、電源回路144を制御する。
次いで、電源回路144は、制御回路143からの制御に従い、各部(温度調整装置9、送風ファン11、LED1311)に駆動電圧を印加する。なお、LED1311は、温度調整装置9及び送風ファン11と連動してオン状態となっている場合でも、前面扉2が開いている場合にのみ点灯し、前面扉2を閉じた場合には消灯する。
制御回路143は、図20に示すように、温度調整装置9を制御する回路として、温度判定部1431及び運転切替え部1432を有している。
また、電源回路144は、温度判定部1431による温度判定結果に応じて、温度調整装置9に対して駆動電圧を印加する。
制御回路143及び電源回路144による温度調整装置9の制御動作例では、図21に示すように、まず、電源が投入された場合及びラッチ回路142から運転開始を指示する信号が入力された場合に、電源回路144は送風ファン11を駆動させ、また、運転切替え部1432は運転モードを初期モードに切替える(ステップST2101)。すなわち、目標温度を通常モードでの目標温度(6℃)よりも低い温度(5℃)に設定する。
その後、通常モードで温度調整装置9を運転させる(ステップST2105)。すなわち、温度判定部1431は、庫内温度が目標温度(例えば6℃)に達したかを判定し、電源回路144は、その温度判定結果に応じて、温度調整装置9に対して駆動電圧を印加する。
ここで、従来の電子冷蔵庫では、冷却を開始してから庫内温度を目標温度まで冷却するには十分な時間が必要となる。それに対して、本発明では、冷却を開始すると、まず、初期モードで動作して、通常の目標温度よりも低い温度で動作する。これにより、通常モードでの目標温度まで素早く到達させることができ、また、省エネにも繋がる。
この場合、例えば図23に示すように、2つの時定数フィルタ141a,141bを用いて、それぞれの規定時間を異なる値に設定する。この際、運転開始を指示する場合の規定時間T1(例えば0.1〜1秒)に対して、運転停止を指示する場合の規定時間T2(例えば1〜3秒)を長く設定する。
図23の電源基板14による動作例では、図24に示すように、まず、時定数フィルタ141aは、タクタイルスイッチ1313の押下時間aが規定時間T1より長い場合に、信号を出力する。また、時定数フィルタ141bは、タクタイルスイッチ1313の押下時間aが規定時間T2より長い場合に、信号を出力する。すなわち、タクタイルスイッチ1313の押下が規定時間T1以下の場合には運転が開始されず、タクタイルスイッチ1313の押下が規定時間T2以下の場合には運転が停止されない。これにより、使用者等が収納物の出し入れ等においてタクタイルスイッチ1313に意図せずに触れてしまった場合にも誤操作を回避することができるとともに、スタッフ等が運転を開始させる場合には素早く操作を行うことができる。
次いで、制御回路143は、電源の抜き差し及びラッチ回路142からの信号に応じて、電源回路144を制御する。
次いで、電源回路144は、制御回路143からの制御に従い、各部(温度調整装置9、送風ファン11、LED1311)に駆動電圧を印加する。なお、LED1311は、温度調整装置9及び送風ファン11と連動してオン状態となっている場合でも、前面扉2が開いている場合にのみ点灯し、前面扉2を閉じた場合には消灯する。
また、露受け皿12、照明装置13及び電源基板14については、上記のような電子保存庫に限らず、通常の圧縮機を有する温度調整装置9を用いて保冷又は保温を行う保存庫にも同様に適用することができる。
また、伝熱板8の両面で熱交換を行うことができ性能(冷却性能、加熱性能)が向上する。また、断熱材73の庫内側端面の温度が外気温度に近くなるため熱漏洩が少なくなり上記性能が向上する。その結果、本発明の構成の上記性能を従来構成と同様とする場合には断熱材を薄くでき、電子保存庫の小型化及びコストの低減が可能となる。
Claims (8)
- 前面が開放された箱型部材である筐体部材と、
前記筐体部材の庫内奥面に伝熱面が突出して取付けられた温度調整装置と、
L字状の金属板から成り、前記筐体部材の庫内天面及び庫内奥面に対して対流可能な隙間が設けられて前記伝熱面が接合された伝熱板と
を備えた電子保存庫。 - 前記筐体部材は、庫内奥面に、前記伝熱板を収容可能とする収容溝部を有し、
前記伝熱板の幅は、前記収容溝部の幅に対して隙間を有する寸法に構成された
ことを特徴とする請求項1記載の電子保存庫。 - 前記伝熱板と前記筐体部材の庫内天面及び庫内奥面との隙間は2〜6mmである
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電子保存庫。 - 前記筐体部材は内面が樹脂部材から成る
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の電子保存庫。 - 前記伝熱板は、前記筐体部材の庫内天面に対向配置される面の長さが、当該庫内天面の長さに対して短く構成された
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の電子保存庫。 - 前記筐体部材の庫内天面の前方に設けられ、当該庫内天面に対向配置された前記伝熱板の面の位置までの範囲内で、当該庫内天面から突出した照明装置を備えた
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の電子保存庫。 - 前記伝熱板は93〜100°の角度に折り曲げられて構成された
ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の電子保存庫。 - 前記筐体部材の内面及び前記伝熱板は濃色に構成された
ことを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の電子保存庫。
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