JP2017031800A - 構造物の耐震補強用ダンパー装置 - Google Patents

構造物の耐震補強用ダンパー装置 Download PDF

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Abstract

【課題】地震荷重の方向に関わらず均一で安定した制振機能を発揮することができ、構造が簡素かつ小型で、メンテナンス(保守点検)が容易で、長期的に安定した制振機能を発揮し、さらに、狭小なスペースに設置することができる構造物の耐震補強用ダンパー装置を提供する。【解決手段】構造物の耐震補強用ダンパー装置10は、下部構造物と上部構造物との間に組み込まれる構造物の耐震補強用ダンパー装置10であって、塑性変形することにより下部構造物と上部構造物との相対変位のエネルギーを吸収するせん断部材2と、上部構造物に設置される反力部材4と、を有する。せん断部材2は、一方の端面に下端面プレート1が固定され、他方の端面に上端面プレート3が下端面プレート1に対し平行に固定され、下端面プレート1は、下部構造物に水平に固定され、反力部材4は、反力部材4の内周面が上端面プレート3の外周面の水平方向を包囲することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は構造物の耐震補強用ダンパー装置、特に、ビル、倉庫、駐車場などの建築構造物、あるいは橋梁、桟橋などの土木構造物が地震によって水平荷重を受ける場合に、当該建築構造物あるいは土木構造物に組み込まれて地震エネルギーを吸収する構造物の耐震補強用ダンパー装置に関する。
例えば、橋梁構造の場合、上部工に作用する地震荷重を橋脚や基礎の設計荷重として考慮し、これに対して十分安全になるように、橋脚や基礎の構造を決定している。
しかし、阪神淡路大震災や東日本大震災などの大地震による地震荷重を考慮して設計した場合、非常に大きい地震荷重に耐えるようにするために、橋脚や基礎が大規模になり、多額の工事費、長い工期が必要となる。また、河川や道路に近接した場所では橋脚や基礎が占有できる範囲に制限があり、強大な地震荷重に対して適切な構造設計ができない場合がある。
さらに、既設の橋梁を耐震補強する場合、大地震の荷重を設計荷重として考慮すると、既設の橋脚や基礎を大規模に改修することが必要となり、耐震補強が困難なことがある。
このような場合に対処するために、橋梁の上部工と橋脚との間に制振ダンパーを組み込んで、地震エネルギーを減衰させることにより、橋脚に作用する地震荷重を低減させる方法が発明されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−64028号公報(第6−8頁、図1)
しかしながら、特許文献1に記載された橋梁では、地震エネルギーを吸収するパネル部(板材)を具備するせん断パネルダンパーが組み込まれたものであって、橋梁の橋軸方向および橋軸直角方向を含む任意の方向に地震荷重が作用する場合に、制振機能を発揮させるため、複数のせん断パネルダンパーを、それぞれのパネル部が複数の方向に向くように設置している。このため、以下のような問題点がある。
(a)せん断パネルダンパーは、パネル面に対して平行な方向に作用する荷重が作用した場合は、制振機能が十分発揮されるが、パネル面に対して平行でない方向(外れた方向)に作用する荷重に対しては、制振機能が低減する。
(b)また、パネル面に対して直角方向の荷重成分を受けた場合には、パネル部の座屈が発生し、制振機能が発揮されない。
(c)また、任意の方向に作用する地震力に対して制振機能を発揮させるために、複数のせん断パネルダンパーを複数方向に向けて設置しようとすると、広いスペースが必要になる。このため、橋梁の上部工と橋脚との狭小な空間に適切なスペースがない場合には、複数方向に向けての設置ができなかったり、あるいは、複数方向に向けての設置を可能にするため、パネル面を小さくしたりすることから、任意の方向に作用する強大な地震力に対して制振機能を発揮させることが困難になる。
本発明は上記問題点を解決するものであって、任意の方向に作用する地震荷重に対して、地震荷重の方向に関わらず均一で安定した制振機能を発揮することができ、また、構造が簡素かつ小型であって、例えば、ほこり、落葉、錆等に晒される橋梁に組み込まれた場合でも、メンテナンス(保守点検)が容易で、長期的に安定した制振機能を発揮し、さらに、例えば、橋梁の上部工と橋脚との様な狭小なスペースに設置することができる、構造物の耐震補強用ダンパー装置を提供することにある。
(1)本発明に係る構造物の耐震補強用ダンパー装置は、下部構造物と上部構造物との間に組み込まれる構造物の耐震補強用ダンパー装置であって、塑性変形することにより前記下部構造物と前記上部構造物との相対変位のエネルギーを吸収するせん断部材と、前記上部構造物に設置される反力部材と、を有し、前記せん断部材は、一方の端面に第1端面プレートが固定され、他方の端面に第2端面プレートが前記第1端面プレートに対し平行に固定され、前記第1端面プレートは、前記下部構造物に水平に固定され、前記反力部材は、前記反力部材の内周面が前記第2端面プレートの外周面に沿って水平方向を包囲することを特徴とする。
(2)また、本発明に係る構造物の耐震補強用ダンパー装置は、下部構造物と上部構造物との間に組み込まれる構造物の耐震補強用ダンパー装置であって、塑性変形することにより前記下部構造物と前記上部構造物との相対変位のエネルギーを吸収するせん断部材と、前記下部構造物に設置される反力部材と、を有し、前記せん断部材は、一方の端面に第1端面プレートが固定され、他方の端面に第2端面プレートが前記第1端面プレートに対し平行に固定され、前記第1端面プレートは、前記上部構造物に水平に固定され、前記反力部材は、前記反力部材の内周面が前記第2端面プレートの外周面に沿って水平方向を包囲することを特徴とする。
(3)また、本発明に係る構造物の耐震補強用ダンパー装置は、下部構造物と上部構造物との間に組み込まれる構造物の耐震補強用ダンパー装置であって、塑性変形することにより前記下部構造物と前記上部構造物との相対変位のエネルギーを吸収するせん断部材と、前記上部構造物に設置される反力部材と、を有し、前記せん断部材は、一方の端面に第1端面プレートが固定され、他方の端面に第3端面プレートが前記第1端面プレートに対し平行に固定されている第1せん断部材と、一方の端面に前記第3端面プレートが固定され、他方の端面に第2端面プレートが前記第3端面プレートに対し平行に固定されている第2せん断部材と、を備え、前記第1せん断部材の剛性は、前記第2せん断部材の剛性より高く、前記反力部材は、第1反力部材および第2反力部材を具備し、前記第1端面プレートが前記下部構造物に水平に設置され、前記第1反力部材の内周面が、前記第3端面プレートの外周面に沿って水平方向を包囲し、前記第2反力部材の内周面が、前記第2端面プレートの外周面に沿って水平方向を包囲し、前記第1反力部材と前記第3端面プレートとが接触するよりも先に前記第2反力部材と前記第2端面プレートとが先に接触するように構成されることを特徴とする。
(4)また、本発明に係る構造物の耐震補強用ダンパー装置は、下部構造物と上部構造物との間に組み込まれる構造物の耐震補強用ダンパー装置であって、塑性変形することにより前記下部構造物と前記上部構造物との相対変位のエネルギーを吸収するせん断部材と、前記下部構造物に設置される反力部材と、を有し、前記せん断部材は、一方の端面に第1端面プレートが固定され、他方の端面に第3端面プレートが前記第1端面プレートに対し平行に固定されている第1せん断部材と、一方の端面に前記第3端面プレートが固定され、他方の端面に第2端面プレートが前記第3端面プレートに対し平行に固定されている第2せん断部材と、を備え、前記第1せん断部材の剛性は、前記第2せん断部材の剛性より高く、前記反力部材が、第1反力部材および第2反力部材を具備し、前記第1端面プレートが前記上部構造物に水平に設置され、前記第1反力部材の内周面が、前記第3端面プレートの外周面に沿って水平方向を包囲し、前記第2反力部材の内周面が、前記第2端面プレートの外周面に沿って水平方向を包囲し、前記第1反力部材と前記第3端面プレートとが接触するよりも先に前記第2反力部材と前記第2端面プレートとが先に接触するように構成されることを特徴とする。
(5)また、前記(1)〜(4)において、前記第2端面プレートの外周面は断面円形であって、前記反力部材の内周面は断面円形の貫通孔または凹部であることを特徴とする。
(6)また、前記(1)〜(4)において、前記第2端面プレートの外周面が断面矩形であって、前記反力部材の内周面は断面矩形の貫通孔または凹部であることを特徴とする。
(7)また、前記(1)〜(4)において、前記第2端面プレートの外周面が断面矩形であって、前記反力部材が、前記第2端面プレートの四隅にそれぞれ対向する4個のL字状部材、または前記上端面プレートの四辺にそれぞれ対向する4個の棒材によって構成されていることを特徴とする。
(8)さらに、前記(1)〜(7)において、前記せん断部材は、1本または複数本の筒状体によって構成され、前記筒状体の水平断面が、円形、楕円形および多角形の何れかであることを特徴とする。
(9)また、前記(8)において、前記筒状体の鉛直断面が、波状であることを特徴とする。
(10)また、前記(8)または(9)において、前記筒状体に複数の開口部が形成され、前記開口部の形状が、円形、楕円形および多角形の何れかであることを特徴とする。
(11)また、前記(8)〜(10)において、前記筒状体は、低降伏点鋼、高延性普通鋼、アルミニューム合金、銅、銅合金、および非磁性鋼の何れかであることを特徴とする。
(i)本発明に係る構造物の耐震補強用ダンパー装置は、両端にそれぞれ第1端面プレートおよび第2端面プレートが固定されたせん断部材と、上部構造物に設置される反力部材と、を有し、せん断部材(正確には第1端面プレート)が下部構造物に設置された際、反力部材の内周面は第2端面プレートの外周面の水平方向を包囲する。
このため、地震の発生によって、下部構造物と上部構造物との間に水平方向の相対変位が生じた場合、相対変位の方向が何れの方向であっても、反力部材の内周面は第2端面プレートの外周面に接触して、せん断部材はせん断変形する。すなわち、何れの方向に地震荷重が作用しても、せん断部材は地震のエネルギーを吸収するから、地震荷重の方向に関わらず均一で安定した制振機能を発揮する。
また、構造が簡素かつ小型であるから、メンテナンス(保守点検)が容易で、長期的に安定した制振機能を発揮し、さらに、狭小なスペースに設置することができる。
(ii)さらに、本発明に係る構造物の耐震補強用ダンパー装置は、反力部材が下部構造物に水平に設置され、かつ、第1端面プレートが上部構造物に水平に設置された際、反力部材の内周面は第2端面プレートの外周面の水平方向を包囲するから、前記(i)と同様の効果が得られる。
(iii)さらに、本発明に係る構造物の耐震補強用ダンパー装置は、第1せん断部材と、第2せん断部材を具備し、第1反力部材の内周面は第3端面プレートの外周面の水平方向を包囲すると共に、第2反力部材の内周面は第2端面プレートの外周面を上隙間の水平方向を包囲している。第1せん断部材及び第2せん断部材の2つのせん断部材により、地震荷重が比較的小さい間は、主に、剛性が低い第2せん断部材が地震のエネルギーを吸収し、地震荷重が比較的大きくなったときは、剛性が低い第2せん断部材の変形は一定に維持された状態で、剛性が高い第1せん断部材が地震のエネルギーを吸収する。すなわち、地震荷重が小さい場合の制振を剛性が低い第1せん断部材が主に受け持ち、地震荷重が大きい場合の制振を剛性が高い第2せん断部材が主に受け持つから、設計が容易になり、効果的な制振機能が発揮される。また、剛性が低い第1せん断部材は一定の変形量以上に変形しないから、地震荷重が大きくなっても破損(せん断破断)することがない。
(iv)さらに、本発明に係る構造物の耐震補強用ダンパー装置は、反力部材が下部構造物に水平に設置され、かつ、第1端面プレートが上部構造物に水平に設置された際、第1反力部材の内周面は第3端面プレートの外周面の水平方向を包囲し、第2反力部材の内周面は第2端面プレートの外周面するから、前記(iii)と同様の効果が得られる。
(v)第2端面プレートの外周面は断面円形であって、反力部材の内周面は断面円形の貫通孔または凹部であるから、また、第2端面プレートの外周面が断面矩形であって、反力部材の内周面は断面矩形の貫通孔または凹部であるから、若しくは、反力部材の内周面が不連続で、第2端面プレートの四隅にそれぞれ対向する4個のL字状部材または第2端面プレートの四辺にそれぞれ対向する4個の棒材によって構成されているから、構造が簡素で、製造コストが安価になる。
(vi)さらに、せん断部材は、1本または複数本の筒状体によって構成され、筒状体の水平断面が、円形、楕円形および多角形の何れかであるから、構造が簡素であって、構造物への組み込み条件に応じて制振機能を調整することができる。例えば、予測される地震荷重の方向に異方性がある場合、特定の方向における地震荷重に対する地震エネルギーの吸収量を多くして、余計な重量増加を防止することができる。
(vii)また、せん断部材を形成する筒状体の鉛直断面を波状にしたり、筒状体に複数の開口部を形成したりするから、終局破断までの変形量が増加する。
(viii)また、筒状体は低降伏点鋼、高延性普通鋼、アルミニューム合金、銅、銅合金、および非磁性鋼の何れかであるから、終局破断までの変形量が大きく、せん断変形によるエネルギー吸収量が多い。
本発明の実施の形態1に係る構造物の耐震補強用ダンパー装置を説明するものであって、(a)は使用状況1を模式的に示す側面視の断面図、(b)は使用状況2を模式的に示す側面視の断面図、(c)は使用状況3を模式的に示す平面視の断面図。 図1の(a)に示す構造物の耐震補強用ダンパー装置の水平変位と水平荷重との関係を示す荷重−変位図。 図1の(a)に示す構造物の耐震補強用ダンパー装置の地震が発生する前の段階を示す、(a)は側面視の断面図、(b)は平面視の断面図。 図1の(a)に示す構造物の耐震補強用ダンパー装置の地震が発生して一方に向かう相対変位が生じた際の状況を示す(a)は側面視の断面図、(b)は平面視の断面図。 図1の(a)に示す構造物の耐震補強用ダンパー装置の地震が発生して一方に向かう相対変位が生じた際の状況を示す(a)は側面視の断面図、(b)は平面視の断面図。 図1の(a)に示す構造物の耐震補強用ダンパー装置の地震が発生して一方に向かう相対変位が生じた際の状況を示す(a)は側面視の断面図、(b)は平面視の断面図。 図1の(a)に示す構造物の耐震補強用ダンパー装置の地震が発生して一方に向かう相対変位の後に他方に向かう相対変位が生じた際の状況を段階を追って示す側面視の断面図。 図1の(a)に示す構造物の耐震補強用ダンパー装置の地震が発生して一方に向かう相対変位の後に他方に向かう相対変位が生じた際の状況を段階を追って示す側面視の断面図。 図1の(a)に示す構造物の耐震補強用ダンパー装置の地震が発生して一方に向かう相対変位の後に他方に向かう相対変位が生じた際の状況を段階を追って示す側面視の断面図。 図1の(a)に示す構造物の耐震補強用ダンパー装置の地震が発生して一方に向かう相対変位の後に他方に向かう相対変位が生じた際の状況を段階を追って示す側面視の断面図。 図1の(a)に示す構造物の耐震補強用ダンパー装置の地震が発生して他方に向かう相対変位の後に、再度一方に向かう相対変位が生じた際の状況を示す側面視の断面図。 図1の(a)に示す構造物の耐震補強用ダンパー装置の地震が発生して他方に向かう相対変位の後に、再度一方に向かう相対変位が生じた際の状況を示す側面視の断面図。 図1の(a)に示す構造物の耐震補強用ダンパー装置の地震が発生して他方に向かう相対変位の後に、再度一方に向かう相対変位が生じた際の状況を示す側面視の断面図。 本発明の実施の形態1に係る構造物の耐震補強用ダンパー装置を説明するものであって、使用状況4を模式的に示す側面視の断面図。 本発明の実施の形態1に係る構造物の耐震補強用ダンパー装置を説明するものであって、(a)は上端面プレートを矩形板にして反力部材をL字状にした実施例、(b)は上端面プレートを矩形板にして反力部材を棒材にした実施例、(c)はせん断部材を断面矩形にした実施例、(d)はせん断部材を断面楕円にした実施例。 本発明の実施の形態1に係る構造物の耐震補強用ダンパー装置を説明するものであって、せん断部材を複数本の円筒にした実施例。 本発明の実施の形態1に係る構造物の耐震補強用ダンパー装置を説明するものであって、(a)はせん断部材に円形の開口部を形成した実施例、(b)はせん断部材に矩形の開口部を形成した実施例。 本発明の実施の形態2に係る構造物の耐震補強用ダンパー装置を説明するものであって、(a)は変形挙動を示す荷重−変位図、(b)は地震が発生する前の段階を示す側面視の断面図、(c)は地震が発生した段階を示す平面視の断面図。 本発明の実施の形態3に係る構造物の耐震補強用ダンパー装置を説明するものであって、(a)〜(d)は構造物に組み込まれて水平荷重を受けた状況を段階を追って示す断面図。 図19に示す構造物の耐震補強用ダンパー装置を説明するものであって、(a)はせん断部材2のせん断変形状況を示す側面図、(b)は下せん断部材28のせん断変形状況を示す側面図、(c)は下せん断部材28および上せん断部材29の変形挙動を示す荷重−変位図。 図19に示す構造物の耐震補強用ダンパー装置を説明するものであって、(a)は上せん断部材29のせん断変形状況を示す側面図、(b)は下せん断部材28と上せん断部材29との接合体のせん断変形状況を示す側面図、(c)は下せん断部材28、上せん断部材29、および下せん断部材28と上せん断部材29との接合体のそれぞれの変形挙動を示す荷重−変位図。 図19に示す構造物の耐震補強用ダンパー装置の変形挙動を示す荷重−変位図。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る構造物の耐震補強用ダンパー装置を説明するものであって、(a)は使用状況1を模式的に示す側面視の断面図、(b)は使用状況2を模式的に示す側面視の断面図、(c)は使用状況3を模式的に示す平面視の断面図である。なお、各部は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や数量等)に限定されるものではない。
(使用状況1)
図1の(a)において、下部構造物である橋脚30と、上部構造物である上部工40との間に、構造物の耐震補強用ダンパー装置(以下「ダンパー装置」と称す)10および支承20が組み込まれている。
なお、以下の説明の便宜上、上部工40の長手方向をX方向、上部工40の幅方向をY方向、橋脚30の上下方向をZ方向とし、X−Y面は水平面に平行であるとする。
橋脚30は脚部32と、脚部32の上端に一体的に形成された張り出し部31とを具備し、脚部32上面に支承20が配置され、張り出し部31の上面にダンパー装置10が配置されている。
ダンパー装置10は、橋脚30の張り出し部31の上面に設置される下端面プレート1と、下端面プレート1に一方の端面が固定されているせん断部材2と、せん断部材2の他方の端面に固定され、下端面プレート1に平行な上端面プレート3と、上部工40の下面に設置される反力部材4と、を有している。
そして、下端面プレート1が張り出し部31の上面に水平に設置され、かつ、反力部材4が上部工40の下面に水平に設置された状態で、反力部材4は上端面プレート3を包囲し、反力部材4の内周面と上端面プレート3の外周面との間には、水平方向の隙間が形成されている。
なお、反力部材4は環状体(筒状体)を示しているが、本発明はこれに限定するものではなく、板材に凹部が形成されたもの、あるいは、板材に環状の凸部が形成されたものであってもよい。また、上部工40の下面(反力部材4に包囲された範囲の下面)と上端面プレート3の上面との間に隙間が形成されているが、本発明はこれに限定するものではなく、上部工40の下面と上端面プレート3の上面とが、相対的な移動が可能な状態で、直接または間接的(例えば、テフロン(登録商標)や硬質ゴム等を介して)に接触してもよい。
支承20は、上部工40を橋脚30に対して移動可能に支持するものであって、橋脚30の脚部32の上面に固定される下支承板5と、上部工40の下面に設置される上支承板7と、下支承板5と上支承板7とによって挟まれた支承球体6と、を具備している。このとき、支承球体6は球体であるから、何れの方向に向かっても回転することができるため、上部工40は、橋脚30に対して水平面内を何れの方向に向かっても移動可能に支持されている。
したがって、ダンパー装置10は、任意の方向に作用する地震荷重に対して、地震荷重の方向に関わらず制振機能を発揮することができ、また、構造が簡素かつ小型であって、例えば、ほこり、落葉、錆等に晒される橋梁に組み込まれた場合でも、メンテナンス(保守点検)が容易で、長期的に安定した制振機能を発揮し、さらに、例えば、橋梁の上部工と橋脚との様な狭小なスペースに設置することができる。
(使用状況2)
図1の(b)において、下部構造物である橋脚30の上端にはX方向の両側にそれぞれ張り出し部31aおよび張り出し部31bが一体的に形成され、それぞれに、ダンパー装置10aおよびダンパー装置10bが配置されている。ダンパー装置10aおよびダンパー装置10bはダンパー装置10(図1の(a)参照)に同じ構成であって、説明の便宜上、配置される位置に対応して符号に「a、b」を付したものであるから、説明を省略する。
(使用状況3)
図1の(c)において、橋脚30の張り出し部31の上面に、ダンパー装置10aおよびダンパー装置10bがY方向で離して配置されている。ダンパー装置10aおよびダンパー装置10bはダンパー装置10(図1の(a)参照)に同じ構成であって、説明の便宜上、配置される位置に対応して符号に「a、b」を付したものであるから、説明を省略する。
また、橋脚30の脚部32の上面に支承20aおよび支承20bがY方向で離して配置されている。なお、図1の(c)には、支承20aを構成する上支承板7aおよび支承20bを構成する上支承板7bを示しているが、支承20aおよび支承20bは支承20(図1の(a)参照)に同じ構成であって、説明の便宜上、配置される位置に対応して符号に「a、b」を付したものであるから、説明を省略する。
図1の(c)において、上部工40は橋脚30に対して、水平面(X−Y面)内を、X方向でもY方向でもない任意の方向(以下「V方向」と称す)に移動し、上端面プレート3aの外周は反力部材4aの内周と位置Paにおいて接触し、上端面プレート3bの外周は反力部材4bの内周と位置Pbにおいて接触している。
(制振特性)
図2〜図10は本発明の実施の形態1に係る構造物の耐震補強用ダンパー装置を説明するものであって、図2は水平変位と水平荷重との関係を示す荷重−変位図、図3は地震が発生する前の段階、図4〜図6は地震が発生して一方に向かう相対変位が生じた際の状況を段階を追って示す(a)は側面視の断面図、(b)は平面視の断面図、図7〜図10は一方に向かう相対変位の後に他方に向かう相対変位が生じた際の状況を段階を追って示す側面視の断面図、図11〜図13は他方に向かう相対変位の後に、再度一方に向かう相対変位が生じた際の状況を段階を追って示す側面視の断面図である。
以下に記載する「状態A・・・K、N」は図2に記載された「A・・・K、N」の状態に対応している。また、表1に、以下に説明する各状態における、水平変位(下端面プレート1と上端面プレート3との相対変位に同じ)、せん断部材2のせん断変形量、および水平荷重をまとめて示す。
図3の(a)および(b)において、地震が発生する前のダンパー装置10を示している。このとき、上端面プレート3の外周が円形の円盤であり、反力部材4の内周が円形の円環であって、上端面プレート3の中心と反力部材4の中心とが一致するように組み込まれている。したがって上端面プレート3の外周と反力部材4の内周との間には、水平面内の何れの方向においても均一な隙間(δ1)が形成されている。また、水平荷重が作用していないから、水平変位も「0(ゼロ)」である(状態Aに対応している)。
図4の(a)および(b)において、地震が発生した初期段階であって、水平方向(説明の便宜上、「+V方向」とする)に相対変位が、上端面プレート3の外周が反力部材4の内周に初めて接触している(状態Bに対応している)。すなわち、上部工40は橋脚30に対して、+V方向に隙間(δ1)だけ水平変位して、位置Pにおいて接触し、位置Pの対角位置において、上端面プレート3の外周と反力部材4の内周との間に隙間(2δ1)が形成されている。
なお、図2において、状態Aから状態Bの間は、上端面プレート3の外周が反力部材4の内周に接触していないから、せん断部材2は変形していない。
図5の(a)および(b)において、さらに、+V方向の相対変位が増加して、上部工40は橋脚30に対して、+V方向に隙間(δ1)よりも大きな距離(+δ2)だけ水平変位している。このとき、せん断部材2はせん断変形している(状態Cに対応している)。すなわち、状態Bから状態Cの間、せん断部材2は弾性変形をし、状態Cにおいて、せん断部材2は弾性限δe(δe=δ2−δ1)に到達している。このとき、「+Fd」の水平荷重が作用している。
図6の(a)および(b)において、さらに、+V方向の相対変位が増加して、上部工40は橋脚30に対して、+V方向に最大距離(+δ3)だけ水平変位している。このとき、せん断部材2は最大のせん断変形をしている(状態Dに対応している)。すなわち、状態Cから状態Dの間、せん断部材2は残留変形量δp(δp=δ3−δ2=δ3−δe−δ1)だけ塑性変形をするから、弾性限δeと残留変形量δpとを合計した変形(δe+δp)をし、水平荷重は一定の値(+Fd)に維持されている。
図7において、相対変位の方向が「−V方向」に変わると、上端面プレート3の外周は反力部材4の内周に位置Pにおいて接触した状態で、せん断部材2は弾性復元して、水平荷重が「0(ゼロ)」になる(状態Eに対応している)。すなわち、相対変位量は弾性限δeだけ減少して、「δ3−δe」になり、せん断部材2は「残留変形量δp」を維持している。
図8において、さらに「2・δ1」だけ−V方向に相対変位すると、上端面プレート3の外周は、位置Pの対角位置である位置Qにおいて、反力部材4の内周に接触する(状態Fに対応している)。このとき、相対変位量は「δ3−δe−2・δ1」になり、せん断部材2は残留変形量δpの変形を維持している。また、状態Eから状態Fの間、上端面プレート3の外周と反力部材4の内周とは離れているから、水平荷重は「0(ゼロ)」であって、せん断部材2は「残留変形量δp」を維持している。
図9において、さらに弾性限δeに相当する距離だけ−V方向の相対変位が増加すると、上端面プレート3の外周は、位置Pの対角位置である位置Qにおいて反力部材4の内周に押し付けられ、弾性限δeだけ弾性変形している(状態Gに対応している)。このとき、弾性変形の方向が状態Bと状態Cとの間とは反対であるから、状態Fから状態Gになることで「−δe」の弾性変形をしたことになる。
したがって、せん断部材2は「δp−δe」の変形をしている。なお、以下、変更方向が反対方向で、絶対値が弾性限δeと同じ大きさの変形を「弾性限(−δe)」と称す。このとき、状態Cとは方向が反対で絶対値が同じ大きさの水平荷重(「−Fd」の水平荷重)を受けている。
さらに、状態Gと状態Hとの間において、−V方向の相対変位が増加すると、上端面プレート3の外周は反力部材4の内周により強く押し付けられ、塑性変形が進む。このとき、せん断部材2のせん断変形の方向は、状態Cと状態Dとの間におけるせん断変形の方向とは反対であるから、せん断部材2の塑性変形量は減少する。そして、せん断部材2は、状態Nにおいて塑性変形が消滅し(δp−δe−δp=−δe)、「弾性限(−δe)」である弾性変形のみになる。
図10において、さらに−V方向の相対変位が増加すると、せん断部材2は、状態Cと状態Dとの間とは反対方向のせん断変形をし、−δ3だけ相対変位したところで、状態Cと状態Dとの間とは反対方向で、絶対値が残留変形量δpに同じ大きさの塑性変形が追加され、合計「−δe−δp」の変形をする(状態Hに対応している)。なお、以下、変更方向が反対方向で、絶対値が残留変形量δpと同じ大きさの変形を「残留変形(−δp)」と称す。
図11において、−V方向の相対変位が停止し、+V方向に相対移動すると、弾性復元し、「+δe」だけ相対移動したところで、せん断部材2は、弾性変形がなくなり、「残留変形(−δp)」のみの塑性変形をした状態になる(状態Iに対応している)。このとき、「−δ3+δe」の相対変位をしている。
図12において、さらに、+V方向に相対移動すると、状態Eと状態Fとの間と同様に、状態Iから状態Jの間、上端面プレート3の外周と反力部材4の内周とは離れているから、水平荷重は「0(ゼロ)」であって、せん断部材2は残留変形(−δp)を維持している。
図13において、さらに、+V方向に相対移動すると、状態Bと状態Cとの間と同様に、弾性変形が進み、弾性限δeだけ移動して、状態Jから状態Kになったところで、せん断部材2は「−δp+δe」の変形し、水平荷重Fdを受けている。
さらに、+V方向に相対移動すると、状態Gと状態Hとの間とは変形の方向が反対であるが、同様に、塑性変形量が増加して、状態Cにおいて、塑性変形がなくなり弾性限δeのみになる。
以上のように、せん断部材2は交番荷重を受けた際、ヒステリシスを描くことになる。
したがって、地震荷重が、V方向と、V方向とは反対の方向の「−V方向」との1サイクルだけ作用したとき、せん断部材2は、図2の斜線で囲まれた範囲に相当するエネルギー(地震エネルギー)を吸収する。
なお、以上は、せん断部材2を形成する材料が、荷重−変形特性に対称性を有することを前提にしているから、実際に、バウシンガ効果や加工硬化を有する場合には、閉塞したヒステリシスループを描くものではない。
Figure 2017031800
(使用状況4)
図14は本発明の実施の形態1に係る構造物の耐震補強用ダンパー装置を説明するものであって、使用状況4を模式的に示す側面視の断面図である。なお、図1の(a)と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図14において、ダンパー装置10は、下端面プレート1が上部工40の下面に設置され、反力部材4が橋脚30の張り出し部31の上面に設置されている。そして、反力部材4の内周面は上端面プレート3の外周面を隙間を空けて包囲している。
すなわち、図1の(a)に示す姿勢のダンパー装置10を、上下を逆にして組み込んだものであるから、せん断部材2は前記のような制振特性を発揮する。
なお、実施の形態1における下端面プレート1は、本願発明の「第1端面プレート」に相当し、上端面プレート2は、本願発明の「第2端面プレート」に相当する。
(ダンパー装置の実施例)
図15〜図17は本発明の実施の形態1に係る構造物の耐震補強用ダンパー装置を説明するものであって、図15の(a)は上端面プレートを矩形板にして反力部材をL字状にした実施例、図15の(b)は上端面プレートを矩形板にして反力部材を棒材にした実施例、図15の(c)はせん断部材を断面矩形にした実施例、図15の(d)はせん断部材を断面楕円にした実施例、図16はせん断部材を複数本の円筒にした実施例、図17の(a)はせん断部材に円形の開口部を形成した実施例、図17の(b)はせん断部材に矩形の開口部を形成した実施例である。なお、図1の(a)と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図15の(a)において、ダンパー装置11は、円筒状のせん断部材2と、矩形状の上端面プレート3と、4個のL字状部材41とを具備している。4個のL字状部材41は、矩形状の内周を具備する枠体の四隅をそれぞれ形成している。
そして、上端面プレート3の外周とL字状部材41の内周との間には、X方向の隙間(δx)とY方向の隙間(δy)とが形成され、上端面プレート3の外周の角とL字状部材41の内周の隅との間には隙間(δv=√(δx+δx))が形成されている。
したがって、ダンパー装置11に作用する地震荷重に異方性がある場合に対応して、X方向の隙間(δx)とY方向の隙間(δy)とを適宜設定することができる。すなわち、上端面プレート3を正方形または長方形にし、4個のL字状部材41の内周が形成する形状を長方形または正方形にしたり、それぞれの長方形の縦横比を相違させたりすることができる。
なお、以上は、反力部材4を互いに離れた4個のL字状部材41によって構成しているが、本発明はこれに限定するものではなく、4個のL字状部材41が互いに連続したものに相当する枠体であってもよい。
図15の(b)において、ダンパー装置19は、円筒状のせん断部材2と、矩形状の上端面プレート3と、4個の棒材42とを具備している。4個の棒材42はそれぞれ、上端面プレート3の四辺に対向している。したがって、ダンパー装置19と同じ作用効果を奏する。
図15の(c)において、ダンパー装置12は、断面矩形の筒状のせん断部材22と、円盤状の上端面プレート3とを具備している。すなわち、せん断部材22の剛性が異方性を有するから、ダンパー装置12に作用する地震荷重に異方性がある場合に対応することができる。なお、このとき、ダンパー装置11(図15の(a)参照)に準じて、上端面プレート3を矩形にしてもよい。
図15の(d)において、ダンパー装置13は、断面楕円形の筒状のせん断部材23と、円盤状の上端面プレート3とを具備している。すなわち、せん断部材23の剛性が異方性を有するから、ダンパー装置13に作用する地震荷重に異方性がある場合に対応することができる。なお、このとき、上端面プレート3を楕円板にしてもよい。
図15の(a)〜図15の(d)において、せん断部材2、せん断部材22およびせん断部材23の肉厚は、周方向で均一になっているが、本発明はこれに限定するものではなく、方向によって厚さを変えてもよい(例えば、X方向は厚く、Y方向は薄い等)。
図16において、ダンパー装置14は、4本の断面円形の筒状のせん断部材24と、円盤状の上端面プレート3とを具備している。したがって、断面矩形の筒状のせん断部材22や断面楕円形の筒状のせん断部材23を用いることなく、円管によって、せん断部材24の剛性に異方性が付与されている。
図17の(a)において、ダンパー装置15は、円筒状のせん断部材25と、円盤状の上端面プレート3とを具備し、せん断部材25には円形の開口部25hが複数個所に形成されている。したがって、せん断部材25の変形が容易になっている。また、開口部25hの分布を周方向で不均一にすることによって、せん断部材25の剛性が異方性を有するようにすることができる。
図17の(b)において、ダンパー装置16は、円筒状のせん断部材26と、円盤状の上端面プレート3とを具備し、せん断部材26には矩形の開口部26hが複数個所に形成されている。したがって、せん断部材26の変形が容易になっている。また、開口部26hの分布を周方向で不均一にすることによって、せん断部材26の剛性が異方性を有するようにすることができる。
[実施の形態2]
図18は本発明の実施の形態2に係る構造物の耐震補強用ダンパー装置を説明するものであって、図18(a)は、変形挙動を示す荷重−変位図、図18の(b)は地震が発生する前の段階を示す側面視の断面図、図18の(c)は地震が発生した段階を示す平面視の断面図である。
図18の(b)において、ダンパー装置17は、側面視で波状の断面を具備する筒状(コルゲートパイプ状)のせん断部材27と、円盤状の上端面プレート3とを具備している。したがって、ダンパー装置17に水平荷重が作用したとき、ダンパー装置17は図18の(c)で示す状態に変形する。すなわち、せん断部材27における、せん断変形に伴う見掛け状の軸方向歪みが、円筒状のせん断部材2に比較して小さい。
したがって、図18の(a)に示すように、実線にて示すせん断部材27では、塑性変形の開始(水平荷重が一定値になる水平変位の値)が、破線にて示すせん断部材2(図1の(a)参照)よりも遅くなり、終局までの塑性変形も大きくなっている。
[実施の形態3]
図19〜図22は本発明の実施の形態3に係る構造物の耐震補強用ダンパー装置を説明するものであって、図19の(a)〜(d)は構造物に組み込まれて水平荷重を受けた状況を段階を追って示す断面図、図20の(a)はせん断部材2のせん断変形状況を示す側面図、図20の(b)は下せん断部材28のせん断変形状況を示す側面図、図20の(c)は下せん断部材28および上せん断部材29の変形挙動を示す荷重−変位図、図21の(a)は上せん断部材29のせん断変形状況を示す側面図、図21の(b)は下せん断部材28と上せん断部材29との接合体のせん断変形状況を示す側面図、図21の(c)は下せん断部材28、上せん断部材29、および下せん断部材28と上せん断部材29との接合体のそれぞれの変形挙動を示す荷重−変位図、図22はダンパー装置18の変形挙動を示す荷重−変位図である。なお、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図19の(a)において、ダンパー装置18は、図示しない橋脚に設置された下端面プレート1と、下端面プレート1に一方の端面が固定されている下せん断部材28と、下せん断部材28の他方の端面に固定され、下端面プレート1に平行な中端面プレート8と、中端面プレート8に一方の端面が固定されている上せん断部材29と、上せん断部材29の他方の端面に固定され、中端面プレート8に平行な上端面プレート3と、上部工40に設置された反力部材4cとを有している。
反力部材4cは、中端面プレート8を包囲する中反力部材48と、上端面プレート3を包囲する上反力部材43とを具備し、中端面プレート8の外周と中反力部材48の内周との間には下隙間(δ2)が形成され、上端面プレート3の外周と上反力部材43の内周との間には上隙間(δ1)が形成されている。
そして、上せん断部材29の剛性が下せん断部材28の剛性よりも小さくなっている。
なお、実施の形態3における下端面プレート1は、本願発明の「第1端面プレート」に相当し、上端面プレート2は、本願発明の「第2端面プレート」に相当し、中端面プレート8は、本願発明の「第3端面プレート」に相当する。また、中反力部材48は、本願発明の「第1反力部材」に相当し、上反力部材43は、本願発明の「第2反力部材」に相当し、下せん断部材28は、本願発明の「第1せん断部材」に相当し、上せん断部材29は、本願発明の「第2せん断部材」に相当する。
図19の(b)において、上部工40は水平方向に上隙間(δ1)だけ移動し、上端面プレート3の外周が上反力部材43の内周に初めて接触している。すなわち、上部工40が水平方向に移動する距離が上隙間(δ1)よりも小さい間は、上端面プレート3の外周が上反力部材43の内周に接触しない。
図19の(c)において、上部工40は水平方向に上隙間(δ1)よりも大きい距離(δ3)だけ移動している。このとき、剛性の低い上せん断部材29は、剛性が高い下せん断部材28よりも大きく変形している。
図19の(d)において、中端面プレート8の外周が中反力部材48の内周に接触している。すなわち、中端面プレート8は上端面プレート3に対して水平方向に距離「δ2−δ1」だけ移動し、下端面プレート1は中端面プレート8に対して水平方向に距離「δ4」だけ移動しているから、上端面プレート3は下端面プレート1に対して水平方向に距離「δ2+δ4」だけ移動している。このとき、上せん断部材29のせん断変形は最大であって、これ以降、より大きな水平荷重が作用しても、上せん断部材29のせん断変形量は増加しない。一方、より大きな水平荷重が作用すると、下せん断部材28のせん断変形量は増加する。
図20の(a)において、高さhのせん断部材2が水平荷重Fを受けて、水平方向に「δ」だけ水平変位している。
図20の(b)において、下せん断部材28は、せん断部材2の高さを半分(h/2)にしたものであって、水平荷重Fを受けて、水平方向に「δ/2」だけ水平変位している。
図20の(c)において、水平荷重が増加するに伴って、下せん断部材28およびせん断部材2は弾性変形して、前者は水平変位「δ/2」において塑性変形を開始し、後者は水平変位「δ」において塑性変形を開始し、塑性変形を開始した後は、何れも水位荷重「F」を維持する。そして、せん断部材2は「変位量δf」において終局を迎えている。
図21の(a)において、高さ「h/2」の上せん断部材29は水平荷重Fを受けて、水平方向に「Δ」だけ水平変位している。
図21の(b)において、ダンパー装置18の上端面プレート3は水平荷重Fを受けているから、上せん断部材29は水平方向に「Δ」だけ水平変位し、下せん断部材28は水平方向に「δ/2」だけ水平変位している。すなわち、全体で「Δ+δ/2」だけ水平変位している。
図21の(c)において、ダンパー装置18の変位−荷重線は、一点鎖線で示す下せん断部材28と、点線で示す上せん断部材29とを合計した、水平変位「Δ+δ/2」において塑性変形を開始する実線で示すものになる。
図22において、ダンパー装置18の荷重−変位特定が、折れ線によって示されている。すなわち、図19〜図21に示す知見より、ダンパー装置18は、水平変位が上隙間(δ1)に達するまではせん断変形をしない(水平荷重が「0(ゼロ)」である)。
そして、水平変位が上隙間(δ1)を越えて水平変位「δ2+δ4」に到達するまでは、下せん断部材28および上せん断部材29の両者がせん断変形し、図21の(c)に示す最も傾斜の小さい線「28+29」に平行な線に平行な変形挙動を示す。さらに、水平変位「δ2+δ4」を超えると、上せん断部材29はせん断変形の増分がなくなり、下せん断部材28のせん断変形が増加する。すなわち、図20の(c)に示す最も傾斜の大きい線「28」に平行な線に平行な変形挙動を示す。そして、下せん断部材28は水平荷重Fにおいて、塑性変形を開始し、やがて、水平変形「δ2+Δe+Δp」において終局を迎える。
したがって、地震荷重が比較的小さい間は、主に、剛性が低い上せん断部材29が地震のエネルギーを吸収し、地震荷重が比較的大きくなったときは、剛性が低い上せん断部材29の変形は一定に維持された状態で、剛性が高い下せん断部材28が地震のエネルギーを吸収する。すなわち、地震荷重が小さい場合の制振を剛性が低い上せん断部材29が主に受け持ち、地震荷重が大きい場合の制振を剛性が高い下せん断部材28が主に受け持つから、水平荷重が比較的小さい範囲において、上せん断部材29が比較的大きく変形する。このため、地震発生直後に、上部工40に作用する衝撃的な荷重が緩和されることになる。
本発明によれば、地震荷重の方向に関わらず制振機能を発揮することができ、また、構造が簡素かつ小型であって、メンテナンス(保守点検)が容易で、長期的に安定した制振機能を発揮し、狭小なスペースに設置することができるから、各種構造物および各種装置の耐震補強用ダンパー装置として広く使用することができる。
1 下端面プレート
2 せん断部材
3 上端面プレート
3a 上端面プレート
3b 上端面プレート
4 反力部材
4a 反力部材
4b 反力部材
4c 反力部材
5 下支承板
6 支承球体
7 上支承板
7a 上支承板
7b 上支承板
8 中端面プレート
10 ダンパー装置
10a ダンパー装置
10b ダンパー装置
11〜19 ダンパー装置
20 支承
20a 支承
20b 支承
22〜25 せん断部材
25h 開口部
26 せん断部材
26h 開口部
27 せん断部材
28 下せん断部材
29 上せん断部材
30 橋脚
31 張り出し部
31a 張り出し部
31b 張り出し部
32 脚部
40 上部工
41 L字状部材
42 棒材
43 上反力部材
48 中反力部材

Claims (11)

  1. 下部構造物と上部構造物との間に組み込まれる構造物の耐震補強用ダンパー装置であって、
    塑性変形することにより前記下部構造物と前記上部構造物との相対変位のエネルギーを吸収するせん断部材と、
    前記上部構造物に設置される反力部材と、を有し、
    前記せん断部材は、
    一方の端面に第1端面プレートが固定され、他方の端面に第2端面プレートが前記第1端面プレートに対し平行に固定され、
    前記第1端面プレートは、
    前記下部構造物に水平に固定され、
    前記反力部材は、
    前記反力部材の内周面が前記第2端面プレートの外周面に沿って水平方向を包囲することを特徴とする構造物の耐震補強用ダンパー装置。
  2. 下部構造物と上部構造物との間に組み込まれる構造物の耐震補強用ダンパー装置であって、
    塑性変形することにより前記下部構造物と前記上部構造物との相対変位のエネルギーを吸収するせん断部材と、
    前記下部構造物に設置される反力部材と、を有し、
    前記せん断部材は、
    一方の端面に第1端面プレートが固定され、他方の端面に第2端面プレートが前記第1端面プレートに対し平行に固定され、
    前記第1端面プレートは、
    前記上部構造物に水平に固定され、
    前記反力部材は、
    前記反力部材の内周面が前記第2端面プレートの外周面に沿って水平方向を包囲することを特徴とする構造物の耐震補強用ダンパー装置。
  3. 下部構造物と上部構造物との間に組み込まれる構造物の耐震補強用ダンパー装置であって、
    塑性変形することにより前記下部構造物と前記上部構造物との相対変位のエネルギーを吸収するせん断部材と、
    前記上部構造物に設置される反力部材と、を有し、
    前記せん断部材は、
    一方の端面に第1端面プレートが固定され、他方の端面に第3端面プレートが前記第1端面プレートに対し平行に固定されている第1せん断部材と、
    一方の端面に前記第3端面プレートが固定され、他方の端面に第2端面プレートが前記第3端面プレートに対し平行に固定されている第2せん断部材と、を備え、
    前記第1せん断部材の剛性は、
    前記第2せん断部材の剛性より高く、
    前記反力部材は、
    第1反力部材および第2反力部材を具備し、前記第1端面プレートが前記下部構造物に水平に設置され、
    前記第1反力部材の内周面が、前記第3端面プレートの外周面に沿って水平方向を包囲し、
    前記第2反力部材の内周面が、前記第2端面プレートの外周面に沿って水平方向を包囲し、
    前記第1反力部材と前記第3端面プレートとが接触するよりも先に前記第2反力部材と前記第2端面プレートとが先に接触するように構成されることを特徴とする構造物の耐震補強用ダンパー装置。
  4. 下部構造物と上部構造物との間に組み込まれる構造物の耐震補強用ダンパー装置であって、
    塑性変形することにより前記下部構造物と前記上部構造物との相対変位のエネルギーを吸収するせん断部材と、
    前記下部構造物に設置される反力部材と、を有し、
    前記せん断部材は、
    一方の端面に第1端面プレートが固定され、他方の端面に第3端面プレートが前記第1端面プレートに対し平行に固定されている第1せん断部材と、
    一方の端面に前記第3端面プレートが固定され、他方の端面に第2端面プレートが前記第3端面プレートに対し平行に固定されている第2せん断部材と、を備え、
    前記第1せん断部材の剛性は、
    前記第2せん断部材の剛性より高く、
    前記反力部材が、
    第1反力部材および第2反力部材を具備し、前記第1端面プレートが前記上部構造物に水平に設置され、
    前記第1反力部材の内周面が、前記第3端面プレートの外周面に沿って水平方向を包囲し、
    前記第2反力部材の内周面が、前記第2端面プレートの外周面に沿って水平方向を包囲し、
    前記第1反力部材と前記第3端面プレートとが接触するよりも先に前記第2反力部材と前記第2端面プレートとが先に接触するように構成されることを特徴とする構造物の耐震補強用ダンパー装置。
  5. 前記第2端面プレートの外周面は断面円形であって、前記反力部材の内周面は断面円形の貫通孔または凹部であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の構造物の耐震補強用ダンパー装置。
  6. 前記第2端面プレートの外周面が断面矩形であって、前記反力部材の内周面は断面矩形の貫通孔または凹部であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の構造物の耐震補強用ダンパー装置。
  7. 前記第2端面プレートの外周面が断面矩形であって、前記反力部材が、前記第2端面プレートの四隅にそれぞれ対向する4個のL字状部材、または前記第2端面プレートの四辺にそれぞれ対向する4個の棒材によって構成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の構造物の耐震補強用ダンパー装置。
  8. 前記せん断部材は、
    1本または複数本の筒状体によって構成され、前記筒状体の水平断面が、円形、楕円形および多角形の何れかであることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の構造物の耐震補強用ダンパー装置。
  9. 前記筒状体の鉛直断面が、波状であることを特徴とする請求項8に記載の構造物の耐震補強用ダンパー装置。
  10. 前記筒状体に複数の開口部が形成され、前記開口部の形状が、円形、楕円形および多角形の何れかであることを特徴とする請求項8または9に記載の構造物の耐震補強用ダンパー装置。
  11. 前記筒状体は、低降伏点鋼、高延性普通鋼、アルミニューム合金、銅、銅合金、および非磁性鋼の何れかであることを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の構造物の耐震補強用ダンパー装置。
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