JP2017031450A - 粉末コーティング装置及びその使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、成膜するときに粉末の表面を均す機構を有する粉末コーティング装置を提供することを目的とする。【解決手段】本発明に係る粉末コーティング装置は、バレル3と、バレル内を真空引きする排気手段4と、バレル内に設置されたスパッタリング装置2と、を有し、バレルは、主軸Cが水平方向を向いており、かつ、主軸Cを中心に回転し、スパッタリング装置は、バレルに入れられた粉末7の表面にコーティング膜を形成する粉末コーティング装置100において、バレルの内側側壁3aのうち、バレルの回転によって上方向に移動する部分の側壁に接した状態で配置され、粉末が迫り上がる上限位置を定める粉末上昇抑制部品13と、粉末上昇抑制部品よりも下方の位置で、バレルの内側側壁に間隔をあけて配置され、主軸Cを回転中心として搖動運動をする粉末の均し部品9と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、粉末の各粒子の表面に薄膜をコーティングするための粉末コーティング装置に関し、特に粉末の攪拌及び均しの機構に関する。
粉末に機能を与えるために、粒子の表面に薄膜をコーティングする場合がある。乾式法でコーティングする技術としてスパッタリング法があり、スパッタリング法を用いた粉末へのコーティング装置が各種提案されている(例えば、特許文献1〜4を参照。)。
特許文献1では、内部が真空に保持された回転バレルと、前記回転バレル内に配置したターゲットユニットと、前記ターゲットユニットに接続されプラズマを発生可能な直流式のスパッタリング電源と、を備えたスパッタリング装置を用いて、カーボン粉末に白金をスパッタリングする技術が開示されている。ここで、回転バレルを回転させながらターゲットをスパッタリングしてコーティングを行う。そして、攪拌翼がバレル内に配置されており、回転バレルの回転軸を中心に±αの角度の範囲内を搖動し、カーボン粉末の凝集を防止する。
特許文献2では、回転バレルを有するスパッタリング装置を用いて、磁性を有する粉末の表面に各種金属をコーティングする技術が開示されている。本文献においても、攪拌翼がバレル内に配置されており、回転バレルの回転軸を中心に±αの角度の範囲内を搖動し、磁性粉末の凝集を防止する。
特許文献3では、回転ドラムに装入された原料粉末を攪拌すると共にドラム内壁に付着した原料粉末を掻き落としながら、粉末粒子表面に均一なコーティング層を形成する粉末コーティング装置が開示されている。ここで、攪拌板によって、流動層を形成する上層部及び下層部の粉末粒子が互いに混ざり合い、個々の粉末粒子が等しくスパッタリングにさらされる。また、スクレーバは、ドラム内面に付着しドラム本体を共回りしようとする粉末をそぎ落とし、粉末粒子を流動層に戻す。さらにワイパーはケーシングの上面に落下・堆積した粉末粒子を流動層に戻す。
特許文献4では、真空容器自体を回転させると構造が複雑になることから、真空容器の中に回転する筒状の容器を配置した粉末コーティング装置が開示されている。ここで、ドラムとの間にクリアランスを設けて配置した攪拌バーを、独立した駆動ユニットにより回転または搖動させる。また、攪拌バーと連動して動き、かつ、ドラムと当たる攪拌部材を設けている。
特開2012−182067号公報 特許第4183098号公報 特開平5‐271922号公報 特開2014−159623号公報
スパッタリング装置を用いて基板に成膜するとき、ターゲットに対して基板は平行に配置される。これに準ずれば、粉末コーティング装置では、粉末の表面、すなわち微粒子の集合体が形成する表面が、円筒形のドラムの内壁面に沿って平らになっていることが理想的である。
しかし、特許文献1〜4に記載された粉末コーティング装置ではいずれも粉末が回転するドラム内に入れられる。したがって、粉末の表面、すなわち微粒子の集合体が形成する表面が、成膜途中で山形状を形成するとともに絶えず変形する。これらの装置の粉末攪拌機構は、粉末の表面を均すように整える働きはしない。
粉末の表面に山形状があると、例えば、斜めから粉末に向かってくるスパッタ粒子が山に遮られて当たらない部分が生じ、或いは、特定の部分だけ当たりやすい状況が生まれる。したがって、成膜するときに粉末の表面が均されていることが求められる。
さらに複数種類のターゲットを同時にスパッタする多元スパッタリング装置では、スパッタ粒子の進む方向がターゲットの種類によって異なるため、粉末の表面が均されていることがより一層求められる。
そこで本発明は、特許文献1〜4に記載された粉末コーティング装置を用いた場合に回避することができなかった問題点を解決した粉末コーティング装置、すなわち、成膜するときに粉末の表面を均す機構を有する装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、(1)バレルに付着した粉末を掻き落とす部品をバレルの回転に依存しないように固定し、かつ、当該部品が粉末の迫り上がりの上限位置を定めることとし、(2)バレルの主軸を回転中心として搖動運動をする粉末の均し部品を設けることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係る粉末コーティング装置は、バレルと、該バレル内を真空引きする排気手段と、前記バレル内に設置されたスパッタリング装置と、を有し、前記バレルは、主軸が水平方向を向いており、かつ、該主軸を中心に回転し、前記スパッタリング装置は、前記バレルに入れられた粉末の表面にコーティング膜を形成する粉末コーティング装置において、前記バレルの内側側壁のうち、前記バレルの回転によって上方向に移動する部分の側壁に接した状態で配置され、前記粉末が迫り上がる上限位置を定める粉末上昇抑制部品と、該粉末上昇抑制部品よりも下方の位置で、前記バレルの内側側壁に間隔をあけて配置され、前記主軸を回転中心として搖動運動をする前記粉末の均し部品と、を有することを特徴とする。
本発明に係る粉末コーティング装置では、前記粉末上昇抑制部品は、ブラシ又はヘラであることが好ましい。ブラシ又はヘラは、粉末をバレルから効率よく掻き落とすことができる。
本発明に係る粉末コーティング装置では、前記均し部品は、棒又は板であることが好ましい。棒又は板は、山形状となった粉末を容易に均一にならすことができる。
本発明に係る粉末コーティング装置では、前記均し部品は、前記バレルの回転方向とは反対方向に搖動運動をするときに、前記バレルの内側側壁のうち、最も低い位置又は該位置を越えたところで折り返すことが好ましい。均し部品が、粉末全体を均一に均すことができる。
本発明に係る粉末コーティング装置では、前記均し部品は、前記バレルの回転方向に沿って搖動運動をするときに、前記粉末上昇抑制部品の下方で折り返すことが好ましい。均し部品は、粉末の中を通りながら粉末全体を攪拌することができる。
本発明に係る粉末コーティング装置の使用方法は、本発明に係る粉末コーティング装置の使用方法であって、前記バレルに入れる粉末量は、前記均し部品が、前記バレルの回転方向に搖動運動をするときに前記粉末の山の内部を通過し、かつ、前記バレルの回転方向とは反対方向に搖動運動をするときに前記粉末の山をならす量であることを特徴とする。
本発明の粉末コーティング装置は、バレルの回転によって、粉末がバレルと一緒に回転してしまうことを阻止できる。このとき粉末の迫上がりの上限位置を決めているため、粉末にスパッタ粒子を効率的に当てることができる。さらに、バレルの回転によって粉末が山形状となりやすいところ、この山を均すことによって、スパッタ粒子を粉末全体に均一に当てやすくできる。
本実施形態に係る粉末コーティング装置の全体構成図である。 ターゲットユニット、バレル、粉末上昇抑制部品及び均し部品についてのA−A断面の概略図である。 ターゲットユニットとバレルについての斜視概略図である。 ターゲットの向きと粉末の位置との関係を説明するための概略図である。 ターゲットユニットの角度調整機構による動きを説明するための概略図である。 本実施形態に係る粉末コーティング装置において、粉末を攪拌し、均す動きを説明する概略図である。均し部品は、時系列順に(a)(b)(c)(d)(e)の順に動き、再び(a)に戻って繰り返される。 均し部品の断面形状の別例を示す概略図であり、(a)は、均し部品が板形状であるときの例、(b)は均し部品が断面半円形状であるときの第1例、(c)は均し部品が断面半円形状であるときの第2例を示した。 均し部品がバレルの回転方向Rに動くときの粉末の動きを説明するための概略図である。 均し部品がバレルの回転方向Rとは反対方向に動くときの粉末の動きを説明するための概略図である。
以降、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
粉末の表面を均す機構を説明するに先立って成膜機構を先に説明する。本実施形態に係る粉末コーティング装置は、粉末の粒子表面全体に被膜を施すことができる回転バレル式スパッタリング装置である。ここでは多元スパッタリング装置を例示しながら説明をする。なお、引用文献1〜4に記載の装置は、単元スパッタリング装置である。本実施形態では、多元又は単元のどちらのスパッタリング装置でも粉末の表面を均す機構を装着することができる。
まず、図1〜図3を参照する。図1は、本実施形態に係る粉末コーティング装置の全体構成図である。図2は、ターゲットユニット、バレル、粉末上昇抑制部品及び均し部品についてのA−A断面の概略図である。図3は、ターゲットユニットとバレルについての斜視概略図である。図1に示すように、本実施形態に係る粉末コーティング装置100は、バレル3と、バレル3内を真空引きする排気手段4と、バレル3内に設置されたスパッタリング装置2と、を有し、バレル3は、主軸Cが水平方向を向いており、かつ、主軸Cを中心に回転し、スパッタリング装置2は、バレル3に入れられた粉末7の表面にコーティング膜を形成する。ここで、図2に示すようにスパッタリング装置2は2つ以上のターゲット6(6a,6b,6c、図2では3つ)を取り付けるために、ターゲット一つに付き固定部10(10a,10b,10c)を1つ有する。また、図3に示すように、スパッタリング装置2は、固定部10(10a,10b,10c)にターゲット6(6a,6b,6c)を取り付けたときに、各ターゲット6a,6b,6cは、主軸Cの方向に対して同一水準位置に互いに並列に配置されている。
本実施形態に係る粉末コーティング装置100は、粉末の粒子表面全体に被膜を施すことができる回転バレル式多元スパッタリング装置である。この装置は、2つ以上のターゲットを同時にスパッタでき、各ターゲットは個別に電源1と接続されている。例えば、2種類以上のターゲットを装着すれば、複数の物質を同時にスパッタすることが可能である。また、各ターゲットは出力を個別に調整できるので、任意の割合でスパッタすることが可能である。
バレル3は、駆動ロール5a及び従動ロール5bで支持されている。駆動ロール5aは、駆動モーター5からの動力を受けて、バレル3の主軸Cを水平軸として回転させることができる。バレル3には、円筒上端が開口したバレル本体3d及びそれをふさぐ蓋体3eが設けられており、O‐リング(不図示)でシールされている。バレル本体3dの開口部からバレル3内に粉末7を投入する。また、バレル3はバレル本体3d及び蓋体3eを有する代わりに縦割り又は横割りの分割構造を有していてもよく、この場合は分割時に粉末7を投入する。
バレル3は真空容器を兼ねている。真空引きする排気手段4は、バレル3の内部空間のガスを排気する。排気手段4は、真空シール型軸受け4aによって気密保持されている。
バレル3の中に設置されたスパッタリング装置2は、バレル3の外に設置されたスパッタリング電源1に接続されている。スパッタリング電源1は、直流電源又は高周波電源のいずれでもよい。スパッタリング装置2は、真空シール型軸受け1aで気密保持されたアーム1bによってバレル3の中に装入されている。この気密保持されたアーム1bの中には、ターゲット冷却水通路入口1c、ターゲット冷却水通路出口1d及びアルゴンガス入口1eが内蔵されている。
スパッタリング装置2は、バレル3の中に2つ以上設置されており(図2においては、3つのスパッタリング装置2a,2b,2cが設置されている)、これによって、バレル3の中には2つ以上のターゲット6が設置できる(図2においては、3つのターゲット6a,6b,6cが設置されている。)。スパッタリング装置2は、ターゲット一つに付き固定部10(10a,10b,10c)を1つ有している。すなわち、図2では、3つのスパッタリング装置2a,2b,2cがそれぞれ固定部10a,10b,10cを有している。また、スパッタリング装置2a,2b,2cには、それぞれ別々にスパッタリング電源1が接続され、別々に出力が制御される。これによって、スパッタリング装置2は、多元スパッタリング装置となる。
固定部10は、ターゲット6を保持するバッキングプレートである。バッキングプレートの表側には、取付け金具によってターゲット6が取り付けられている。バッキングプレートの表側には、プラズマを発生させるときの対極になるシールドカバーがバッキングプレートと所定の距離を保って取り付けられている。一方、バッキングプレートの裏側には、マグネットを収容する複数の凹部が形成されている。また、バッキングプレートの裏側には、ターゲット冷却水通路入口1c及びターゲット冷却水通路出口1dとつながっている冷却水通路が配置されている。
固定部10にターゲット6を取り付けたときに、図3に示すように、各ターゲット6a,6b,6cは、主軸Cの方向に対して同一水準位置に互いに並列に配置されている。例えば、ターゲット6a,6b,6cの主軸Cの方向における重心位置が互いに揃っていることが好ましい。また、ターゲット6a,6b,6cの主軸Cの方向における大きさが同じ場合には、主軸Cの方向における各ターゲットの両端の位置が互いに揃っていることが好ましい。バレル3は、主軸Cを中心に回転するため、各ターゲット6a,6b,6cを、主軸Cの方向に対して同一水準位置に互いに並列に配置すれば、各ターゲット6a,6b,6cから飛び出したスパッタ粒子は、回転するバレル3に入れられた粉末に、万遍なく当たるため、組成ムラが生じにくい。また、各ターゲット6a,6b,6cの主軸Cの方向の長さは、干渉を避けるため、バレル3の軸方向長さより若干短いことが好ましい。
図3に示したターゲットの配置とせずに、各ターゲットを主軸Cの方向に沿って順に配置すると、粉末が主軸Cの方向に混ざりにくいため、1つのターゲットから飛び出したスパッタ粒子しか当たらず、膜に組成ムラが生じてしまう。すなわち、複数のターゲットから飛び出した複数種類のスパッタ粒子が同時に粉末粒子の表面に到達しないため、均一な合金膜、複酸化物膜、複窒化物膜、又は、複炭化物膜を作ることができない。仮に各ターゲットを主軸Cの方向に沿って順に配置し、各ターゲットから飛び出したターゲット粒子が所定の領域に集まるようにターゲット面の向きを調整すれば、上記問題は解決するが、その領域は主軸C方向においてバレル側壁の一部分に限られてしまう。そうすると、バレルの容積当たり処理可能な粉末量が少量となってしまうため、生産性が劣る。同じ種類のターゲットを用いたとしても同様に生産性が劣る。
次に図4を参照する。図4は、ターゲットの向きと粉末の位置との関係を説明するための概略図である。本実施形態に係る粉末コーティング装置100では、図4に示すように、各ターゲット6a,6b,6cは、ターゲット面の法線ha,hb,hcと平行にターゲット面をバレル3の内側側壁3aに向かって投影したときに、内側側壁3aに到達する手前で投影図が重なり合う向きに向けられていることが好ましい。各ターゲット6a,6b,6cから飛び出した元素(スパッタ粒子)が、バレル3に入れられた粉末7に対してより混ざり合った状態で到達するため、各ターゲットから万遍なくそれぞれの元素を取り込んだ薄膜を粉末の粒子の表面に成膜することができる。内側側壁3aに到達する手前とは、具体的には、粉末7の表面であることが好ましく、例えばバレル3の半径(主軸Cと内側側壁3aとの距離)をrとすると、内側側壁3aから主軸Cに向かって0.05r〜0.15rの範囲である。また、各ターゲット6a,6b,6cは、ターゲット面の重心を通る法線が内側側壁3a上又は粉末7の粒子の表面上で重なり合う向きに向けられていることがより好ましい。図3では、ターゲット面の重心を通る法線(ha,hb,hc)が粉末の粒子の表面上で重なり合う向きに向けられている形態を図示した。各ターゲット6a,6b,6cの大きさが揃っていない場合であっても、各ターゲット6a,6b,6cから飛び出した元素がより混ざり合って粉末に到達することが可能となる。さらに内側側壁3a上又は粉末の粒子の表面上で投影図が完全に重なり合うように、ターゲットの大きさ又はシールドカバーの開口部、及び、ターゲットの向きを設定することが好ましく、この場合、膜の組成ムラが一層抑制される。
本実施形態に係る粉末コーティング装置100では、各ターゲット6a,6b,6cは、組成が互いに異なることが好ましい。合金膜、複酸化物膜、複窒化物膜、又は、複炭化物膜などを成膜する際に組成ムラを少なくすることができる。合金膜としては、白金ターゲットと金ターゲットを用いてPt‐Au合金膜をガラスビーズの表面に成膜する例がある。なお、各ターゲット6a,6b,6cの組成を同じとすれば、所定時間内での成膜量を増やしたことと同じ効果が得られる。すなわち、成膜速度を上げることができる。各ターゲット6a,6b,6cの組成の組み合わせは、適宜選択することができるが、例えばSiO,TiOなど酸化物ターゲットを用いる場合、成膜速度が遅いため,2枚又は3枚同時スパッタすることによって、成膜速度を上げることが出来る。例えば、ターゲットが3枚のとき、各ターゲット(6a,6b,6c)を(SiO,SiO,SiO)、(TiO,TiO,TiO)などにする。また,成膜速度の速いターゲット(例えば金属)と成膜速度の遅いターゲット(例えば酸化物)を用いて複合膜を形成したい場合、成膜速度の遅いターゲットの速度を相対的に上げるため、成膜速度の遅いターゲットの枚数を成膜速度の速いターゲットの枚数よりも多くセットする。例えば、ターゲットが3枚のとき、成膜速度の遅いターゲットを2枚セットし、成膜速度の速いターゲットを1枚セットする。一例をあげれば、各ターゲット(6a,6b,6c)を(Pt,SiO,SiO)にする。
次に図5を参照する。図5は、ターゲットユニットの角度調整機構による動きを説明するための概略図である。本実施形態に係る粉末コーティング装置100では、図5に示すように、各固定部10a,10b,10cは、取り付けられた各ターゲットの相対的な向き関係を固定化するために、ターゲットユニット2Uに組み込まれており、ターゲットユニット2Uは、主軸Cを中心に回転可能に取り付けられており、ターゲットユニット2Uの角度調整機構8がさらに設けられていることが好ましい。バレル3を回転させると粉末7が迫上がるが、この迫上がりの程度に対応して、ターゲットユニット2Uの角度を調整することができる。ターゲットユニット2Uは、例えば、1つの筐体に各スパッタリング装置2a,2b,2cを固定することによって各固定部10a,10b,10cを固定する形態、又は、図5のように各スパッタリング装置2a,2b,2cをアーム12で固定することによって各固定部10a,10b,10cを固定する形態がある。角度調整機構8は、各固定部10a,10b,10cに取り付けられた各ターゲット6a,6b,6cについて、それぞれ主軸Cとの距離を一定に保ちながら、角度の調整を行う。角度調整機構8によって、粉体7がバレル3の回転に伴って迫上がったとしても、各ターゲット6a,6b,6cと粉体7との相対的位置関係を一定に保つことができる。
次に粉末の表面を均す機構を、図1及び図6を参照しながら説明する。図6は、本実施形態に係る粉末コーティング装置において、粉末を攪拌し、均す動きを説明する概略図である。均し部品は、時系列順に(a)(b)(c)(d)(e)の順に動き、再び(a)に戻って繰り返される。本実施形態に係る粉末コーティング装置100では、図1及び図6に示すように、バレル3の内側側壁3aのうち、バレル3の回転によって上方向に移動する部分の側壁に接した状態で配置され、粉末7が迫り上がる上限位置を定める粉末上昇抑制部品13と、粉末上昇抑制部品13よりも下方の位置で、バレル3の内側側壁3aに間隔をあけて配置され、主軸Cを回転中心として搖動運動をする粉末7の均し部品9と、を有する。バレル3の内側側壁3aのうち、バレル3の回転によって上方向に移動する部分の側壁とは、図6(a)で説明すると、バレル3の側壁が作る円の右半分の部分である。図6では、均し部品9が断面円形の丸棒型である場合を示した。
粉末上昇抑制部品13は、ブラシ又はヘラであることが好ましい。ブラシ又はヘラは、粉末7をバレル3から効率よく掻き落とすことができる。粉末上昇抑制部品13は、例えば、図1のスパッタリング装置2を支持している部分に固定されている。粉末上昇抑制部品13は、バレル3が回転してもそれと一緒に動かない部分に固定されていればよい。そうすることで、粉末上昇抑制部品13は、バレル3の回転によって粉末7がバレル3と同様に回転してしまうことを阻止できる。また、粉末上昇抑制部品13の位置は固定されているため、その位置が粉末7の迫上がりの上限位置となる。粉末上昇抑制部品13の位置と、スパッタ粒子の照射領域の境界位置と一致させることで、スパッタ粒子をより効率的に粉末7に照射できる。すなわち、粉末7の迫上がりを粉末上昇抑制部品13によって滞留させた状態でスパッタ粒子を当てることができるため、スパッタ粒子の照射効率を高めることができる。
均し部品9は、棒又は板であることが好ましい。均し部品9が棒であるとき、断面の形状が円形、半円形、楕円形、半楕円形又は、三角形・四角形などの多角形である形態がある。また、均し部品9が板であるとき、断面の形状が長辺と短辺をもつ矩形である形態がある。棒又は板は、粉末7の山7bを容易に均一にならすことができる。均し部品9は、図1に示した真空シール型軸受け9aによって気密保持された撹拌モーター9bの回転軸に固定されており、この回転軸を中心に図6(b)に示す角度θの範囲内を揺動する。この回転軸は、バレル3の回転軸である主軸Cと同軸関係にある。また、本実施形態では、角度θの範囲は、バレル回転時における粉末7の存在範囲を包含していることが好ましい。揺動角度および揺動速度は、粉末7の凝集状態に応じて適宜調節可能であるが、揺動速度が速すぎて粉末が舞ってしまうことが無い様な速度に設定する必要がある。例えば揺動速度は、2往復/分間に設定するが、1〜10往復/分間であればよい。均し部品9を間欠的に揺動させてもよい。
均し部品9は、バレル3の回転方向Rに沿って搖動運動をするときに(例えば図6(a)〜図6(c)を参照。)、粉末上昇抑制部品13の下方で折り返すことが好ましい。粉末7の山7aの山頂と粉末上昇抑制部品13との間の箇所を折り返し地点とすることが好ましい。例えば、均し部品9が粉末上昇抑制部品13に接触する箇所を折り返し地点とするか、又は、粉末上昇抑制部品13よりも下方20mm以内の箇所を折り返し地点とすることがより好ましい。均し部品9が、バレル3の回転方向Rとは反対方向に搖動運動をするときに、粉末7の全体を均一に均すことができる。
均し部品9は、バレル3の回転方向Rとは反対方向に搖動運動をするときに(例えば図6(d)〜図6(e)を参照。)、バレル3の内側側壁3aのうち、最も低い位置3bを越えた位置3cで折り返すことが好ましい(例えば図6(e)〜図6(a)を参照。)。均し部品9が、バレル3の回転方向に搖動運動をするときに、粉末7の全体を攪拌することができる。最も低い位置3bを越えた位置3cは、粉末7が存在する境界部分を越えた位置であることが好ましい。例えば、鉛直方向を0°として、回転方向Rとは反対方向に1〜45°の位置を折り返し地点とする場合がある。
均し部品9の搖動運動と、粉体7の動きとの関係について説明する。まず、粉体7は、バレル3の回転によって、回転方向Rに迫上がる動きをする。このとき、粉体7は、山7aを作りながら迫上がる。ここで均し部品9は、バレル3の回転方向Rに沿って搖動運動をするときに(例えば図6(a)〜図6(c)を参照。)、粉末7の山7aの中に入り込み(図6(b)を参照。)、さらに粉末上昇抑制部品13の手前まで動くときに、山7aを抜ける(図6(c)を参照。)。この結果、粉末7は、内部も含めて攪拌される。次に均し部品9が反転し、バレル3の回転方向Rとは反対方向に搖動運動をするときに(例えば図6(d)〜図6(e)を参照。)、粉末7の山7bを均しながら移動する(図6(d)を参照。)。均し部品9の折り返し地点に到達すると(図6(e)を参照。)、粉末7の表面は平坦に均されている。この結果、スパッタ粒子が粉末7の全体に均一に当たりやすくなり、特に多元スパッタリングの場合には膜の組成ムラを抑制できる。なお、粉末7の表面が平坦化されるとは、当該表面がバレルの側壁の内面の形状に沿って均されることを意味する。ここで、バレル3に入れる粉末量は、均し部品9が、バレル3の回転方向Rに搖動運動をするときに粉末7の山7aの内部を通過し、かつ、バレルの回転方向Rとは反対方向に搖動運動をするときに粉末の山7bをならす量とする。
さらに図7〜図9を用いて、均し部品9によって粉体7を攪拌する形態及び粉体7を均す形態についてより詳細に説明する。図7は、均し部品の断面形状の別例を示す概略図であり、(a)は均し部品が板形状であるときの例、(b)は均し部品が断面半円形状であるときの第1例、(c)は均し部品が断面半円形状であるときの第2例を示した。図8は、均し部品がバレルの回転方向Rに動くときの粉末の動きを説明するための概略図である。図8中、均し部品9を起点として延びる実線の矢印は、均し部品9の動いている方向(R方向と同じ方向)を示す。図9は、均し部品がバレルの回転方向Rとは反対方向に動くときの粉末の動きを説明するための概略図である。図9中、均し部品9を起点として延びる実線の矢印は、均し部品9の動いている方向(R方向とは逆方向)を示す。図7(a)及び図7(c)に示すように、均し部品9は、バレル3の回転方向Rに向いた第1面9cを有する。第1面9cは、主軸C(図7では不図示。図6を参照。)に近づくにつれて、回転方向Rとは逆方向に傾いていることが好ましい。すなわち、粉末上昇抑制部品13に近づくときは粉末7をすくい上げるように傾いていることが好ましい。図8に示すように、均し部品9が回転方向Rに動くときに、粉末7は第1面9cですくい上げられる。すなわち、第1面9cの下端から上方にある粉末7は、均し部品9の上方を通り、粉末7の流れ7f1を形成する。一方、第1面9cの下端よりも下方にある粉末7は、均し部品9の下方を通り、粉末7の流れ7f2を形成する。このように、均し部品9が第1面9cを有することによって、粉末7の攪拌の効率をより高めることができる。第1面9cは凹凸を有することが好ましく、粉末7を第1面9cですくい上げるときに、粉末7が混ざり合いやすくなる。なお、図7(b)に示す均し部品9が回転方向Rに動くときに、均し部品9に当たった粉末7は、上下に分かれて粉末の流れを形成するため、粉末の攪拌は行われることとなる。
次に、図7(a)及び図7(b)に示すように、均し部品9は、バレル3の回転方向Rとは逆方向に向いた第2面9dを有する。第2面9dは、バレルの半径方向を基準に傾いている、具体的には、主軸C(図7では不図示。C軸の位置に関しては図6を参照。)に近づくにつれて、回転方向Rとは逆方向に傾いていることが好ましい。すなわち、粉末上昇抑制部品13から遠ざかるときは粉末7を押し均すように傾いていることが好ましい。図9に示すように、均し部品9が回転方向Rとは逆方向に動くときに、粉末7は第2面9dで押し下げられる。すなわち、第2面9dの上端から下方にある粉末7は、回転方向Rとは逆方向に動かされるとともに、均し部品9の下方を通りやすくなり、粉末7の流れ7f4を形成する。一方、第2面9dの上端よりも上方にある粉末7は、均し部品9の上方を通り、粉末7の流れ7f3を形成する。なお、粉末7の量を少なくした場合には、粉末7の流れ7f3は見られない。そして均し部品9が通過した後の粉末7は、その表面が均されていることとなる。このように、均し部品9が第2面9dを有することによって、均し部品9が回転方向Rとは逆方向に動くときに、粉末7の表面を第2面9dで均すことができる。第2面9dは平滑面を有することが好ましく、粉末7を第2面9dでスムーズに押し下げることができる。なお、図7(c)に示す均し部品9が回転方向Rとは逆方向に動くときに、均し部品9に当たった粉末7は、上下に分かれて粉末の流れを形成するため、図7(a)及び図7(b)に示す均し部品9を用いた場合と比較して粉末7を厚めに均すことができる。
なお、均し部品9は、角棒又は板の形状としたとき、角があると異常放電の原因となる場合があるため、角を丸ませておくことが好ましい。
均し部品9の搖動運動の速度は、バレル3の回転方向Rに沿って動かすときと、その反対方向に動かすときとで、同じであることが好ましい。また、均し部品9の搖動運動の速度を、回転方向Rに沿って動かすときと、その反対方向に動かすときとで、異なることとしてもよい。
(変形例形態1)
バレル3を不図示の真空室に入れてもよい。この場合、バレル3にはシールを施す必要がなくなるため、バレルの構造を簡易にすることができる。
以下、実施例を示しながら本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定して解釈されない。
(実施例1)
図1に示した粉末コーティング装置を用いて、ガラスビーズの表面にPt‐Au合金薄膜を成膜した粉末を作製する。まず初めに、Ptターゲット(純度99.9%、ターゲット面は150×35mm)を1枚準備し、固定部10aに取り付けた。またAuターゲット(純度99.99%、ターゲット面は150×35mm)を1枚準備し、固定部10cに取り付けた。固定部10bにはターゲットを取り付けずにブランクとした。スパッタリング電源1は高周波電源(周波数13.56MHz)とした。次に、バレル3内に粉末を入れない状態で3×10−3Pa以下まで真空に引いた後、アルゴンガスを流して、0.4Paの圧力を保つように調整し、スパッタを行い、高周波電源の出力に応じたPtターゲットとAuターゲットそれぞれのレートを確認した。続いて、バレル3に直径1mmのガラスビーズ150gを投入し,1.3×10−3Paまで真空引きを行いった後、アルゴンガスを流して,0.4Paの圧力を保つように調整した。その後、Ptターゲットに200W、Auターゲットに100Wの出力をかけ、バレル3を回転させ、均し部品9(丸棒型)を搖動させながら、ガラスビーズ表面に成膜を行った。バレルに入れる粉末量(150g)は、均し部品が、バレルの回転方向に搖動運動をするときに粉末の山の内部を通過し、かつ、バレルの回転方向とは反対方向に搖動運動をするときに粉末の山をならす量であった。なお、上記の高周波電源の出力は、前述で確認したスパッタレートから、Pt−50wt%Auになるように計算して求めた。成膜時間は30分間とした。成膜後取り出したガラスビーズを分析したところ、Pt−48wt%Au合金薄膜が表面に成膜されていることが確認された。薄膜の組成は、ICP発光分光分析装置(リガク製SPECTRO‐CIROS)を用いて求めた。
(実施例2)
図1に示した粉末コーティング装置を用いて、ガラスビーズの表面にTi薄膜(下層)、Au薄膜(上層)の2層膜を成膜した粉末を作製する。まず初めに、Tiターゲット(純度99.9%、ターゲット面は150×35mm)を1枚準備し、固定部10bに取り付けた。またAuターゲット(純度99.99%、ターゲット面は150×35mm)を1枚準備し、固定部10cに取り付けた。固定部10aにはターゲットを取り付けずにブランクとした。スパッタリング電源1は高周波電源(周波数13.56MHz)とした。次に、バレル3内に粉末を入れない状態でスパッタを行い、3×10−3Pa以下まで真空に引いた後,アルゴンガスを流して、0.4Paの圧力を保つように調整し、高周波電源の出力に応じたTiターゲットとAuターゲットそれぞれのレートを確認した。続いて、バレル3に直径1mmのガラスビーズ150gを投入し,2.1×10−3Paまで真空引きを行った後、アルゴンガスを流して、0.4Paの圧力を保つように調整した。その後、まずTiターゲットのみに200Wを印可し、バレル3を回転させ、均し部品9(丸棒型)を搖動させながら、30分間スパッタを行い、ガラスビーズ表面にTi膜を成膜した。続いて、Auターゲットのみに200Wを印可し、バレル3を回転させ、均し部品9(丸棒型)を搖動させながら、1時間スパッタを行い、Ti膜の表面にさらにAu膜を成膜した。その結果、途中でバレル3を大気開放することなく、Ti(下層)/Au(上層)の2層が成膜されたガラスビーズを得られた。バレルに入れる粉末量(150g)は、均し部品が、バレルの回転方向に搖動運動をするときに粉末の山の内部を通過し、かつ、バレルの回転方向とは反対方向に搖動運動をするときに粉末の山をならす量であった。成膜した薄膜は密着性が良好であった。なお、Au膜をガラスビーズに直接成膜すると密着性が悪い。そこでTi膜を密着性向上のための中間層として成膜した。
1 スパッタリング電源
1a 真空シール型軸受け
1b アーム
1c ターゲット冷却水通路入口
1d ターゲット冷却水通路出口
1e アルゴンガス入口
2 スパッタリング装置
3 バレル
3a バレルの内側側壁
3b バレルの最も低い位置
3c バレルの最も低い位置を越えた位置
3d バレル本体
3e 蓋体
4 排気手段
4a 真空シール型軸受け
5 駆動モーター
5a 駆動ロール
5b 従動ロール
6,6a,6b,6c ターゲット
7 粉末
7a,7b 粉末の山
7f1,7f2,7f3,7f4 粉末の流れ
8 角度調整機構
9 均し部品
9a 真空シール型軸受け
9b 撹拌モーター
9c 第1面
9d 第2面
10,10a,10b,10c 固定部
12 アーム
13 粉末上昇抑制部品
ha,hb,hc ターゲット面の法線
2U ターゲットユニット
100 粉末コーティング装置
R バレルの回転方向
C 主軸
本発明者らは、鋭意検討した結果、(1)バレルに付着した粉末を掻き落とす部品をバレルの回転に依存しないように固定し、かつ、当該部品が粉末の迫り上がりの上限位置を定めることとし、(2)バレルの主軸を回転中心として搖動運動をする粉末の均し部品を設けることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係る粉末コーティング装置は、バレルと、該バレル内を真空引きする排気手段と、前記バレル内に設置されたスパッタリング装置と、を有し、前記バレルは、主軸が水平方向を向いており、かつ、該主軸を中心に回転し、前記スパッタリング装置は、前記バレルに入れられた粉末の表面にコーティング膜を形成する粉末コーティング装置において、前記バレルの内側側壁のうち、前記バレルの回転によって上方向に移動する部分の側壁に接した状態で配置され、前記粉末が迫り上がる上限位置を定める粉末上昇抑制部品と、該粉末上昇抑制部品よりも下方の位置で、前記バレルの内側側壁に間隔をあけて配置され、前記主軸を回転中心として搖動運動をする前記粉末の均し部品と、を有し、前記粉末上昇抑制部品の位置は、固定されており、前記均し部品は、前記バレルの回転方向に沿って搖動運動をするときに、前記粉末上昇抑制部品の下方で折り返し、かつ、前記均し部品の搖動運動の折り返し地点は、前記均し部品が前記粉末上昇抑制部品に接触する箇所であるか、又は、前記粉末上昇抑制部品よりも下方20mm以内の箇所であることを特徴とする。
本発明に係る粉末コーティング装置では、前記粉末上昇抑制部品の位置とスパッタ粒子の照射領域の境界位置とが一致していることが好ましい。
本発明者らは、鋭意検討した結果、(1)バレルに付着した粉末を掻き落とす部品をバレルの回転に依存しないように固定し、かつ、当該部品が粉末の迫り上がりの上限位置を定めることとし、(2)バレルの主軸を回転中心として搖動運動をする粉末の均し部品を設けることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係る粉末コーティング装置は、バレルと、該バレル内を真空引きする排気手段と、前記バレル内に設置されたスパッタリング装置と、を有し、前記バレルは、主軸が水平方向を向いており、かつ、該主軸を中心に回転し、前記スパッタリング装置は、前記バレルに入れられた粉末の表面にコーティング膜を形成する粉末コーティング装置において、前記バレルの内側側壁のうち、前記バレルの回転によって上方向に移動する部分の側壁に接した状態で配置され、前記粉末が迫り上がる上限位置を定める粉末上昇抑制部品と、該粉末上昇抑制部品よりも下方の位置で、前記バレルの内側側壁に間隔をあけて配置され、前記主軸を回転中心として搖動運動をする前記粉末の均し部品と、を有し、前記粉末上昇抑制部品の位置は、該粉末上昇抑制部品が前記スパッタリング装置を支持している部分に連結することによって、固定されており、前記均し部品は、前記バレルの回転方向に沿って搖動運動をするときに、前記粉末上昇抑制部品の下方で折り返し、かつ、前記均し部品の搖動運動の折り返し地点は、前記均し部品が前記粉末上昇抑制部品に接触する箇所であるか、又は、前記粉末上昇抑制部品よりも下方20mm以内の箇所であることを特徴とする。

Claims (6)

  1. バレルと、該バレル内を真空引きする排気手段と、前記バレル内に設置されたスパッタリング装置と、を有し、前記バレルは、主軸が水平方向を向いており、かつ、該主軸を中心に回転し、前記スパッタリング装置は、前記バレルに入れられた粉末の表面にコーティング膜を形成する粉末コーティング装置において、
    前記バレルの内側側壁のうち、前記バレルの回転によって上方向に移動する部分の側壁に接した状態で配置され、前記粉末が迫り上がる上限位置を定める粉末上昇抑制部品と、
    該粉末上昇抑制部品よりも下方の位置で、前記バレルの内側側壁に間隔をあけて配置され、前記主軸を回転中心として搖動運動をする前記粉末の均し部品と、を有することを特徴とする粉末コーティング装置。
  2. 前記粉末上昇抑制部品は、ブラシ又はヘラであることを特徴とする請求項1に記載の粉末コーティング装置。
  3. 前記均し部品は、棒又は板であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉末コーティング装置。
  4. 前記均し部品は、前記バレルの回転方向とは反対方向に搖動運動をするときに、前記バレルの内側側壁のうち、最も低い位置又は該位置を越えたところで折り返すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の粉末コーティング装置。
  5. 前記均し部品は、前記バレルの回転方向に沿って搖動運動をするときに、前記粉末上昇抑制部品の下方で折り返すことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の粉末コーティング装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つに記載の粉末コーティング装置の使用方法であって、
    前記バレルに入れる粉末量は、前記均し部品が、前記バレルの回転方向に搖動運動をするときに前記粉末の山の内部を通過し、かつ、前記バレルの回転方向とは反対方向に搖動運動をするときに前記粉末の山をならす量であることを特徴とする粉末コーティング装置の使用方法。
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