JP2017030833A - 弁構造と収納袋及びフィルム弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルム等の樹脂材と弁構成フィルムとの合理的な熱融着処理により、生産性の向上と製作コストの低廉化とを図る。【解決手段】フィルム弁Vには、自己粘着性のある柔軟な一対の弁構成フィルム6が備えられ、両弁構成フィルム6の対向面における流路5の形成相当箇所の少なくとも一方の対向面部分の少なくとも熱融着相当部位には、両弁構成フィルム6同士の熱融着を阻止する熱融着阻害層7が形成され、樹脂材1の弁取付け箇所の対向面間には、熱融着阻害層7を形成してある両弁構成フィルム6が重合配置され、この樹脂材の対向面と両弁構成フィルム6とが、流路5を横断し、且つ、内部空間3と外部空間との間を封止状態で区画する熱融着部Hc,Hdにて固着されることにより、両弁構成フィルム6が、流路5における熱融着部Hc,Hdの横断相当箇所を流路口とするフィルム弁に構成されている。【選択図】図8

Description

本発明は、内部空間を備えた熱融着性の樹脂材の弁取付け箇所に、前記内部空間と外部空間とを連通する開閉可能な流路を備えた熱融着性のフィルム弁が熱融着により固着されている弁構造と収納袋及びフィルム弁に関する。
従来、弁構造としての脱気弁構造を備えた圧縮収納袋では、樹脂材の一例である重ね合わされた熱融着性の一対の袋構成用の主フィルムの対向面間に、被収納物を収納する内部空間と当該内部空間に対して被収納物を出し入れするための開閉可能な出入口部とが形成されている。
また、両主フィルム間の内部空間の周縁部における出入口部以外の弁取付け箇所には、内部空間と外部空間とを連通する排気用(脱気用)の開閉可能な複数の流路を形成してある熱融着性のフィルム弁が熱融着により固着されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1の場合では、圧縮収納袋の底辺部に、圧縮収納袋の底辺部の横幅と同じ長さを有するフィルム弁が熱融着により固着されているとともに、フィルム弁の長手方向の複数個所に流路が形成されている。
フィルム弁は、重ね合わされた状態での密着によって各流路を閉塞する自己粘着性のある柔軟な一対の弁構成フィルムから構成されている。
重ね合わされた両弁構成フィルムは、それの長手方向の複数箇所に配置される各流路の幅方向両側縁に沿って、両弁構成フィルム間における各流路と当該流路以外の残余空間部とを非通気状態に区画形成する第1熱融着部により一体的に固着されている。
そして、上述の弁製作作業工程で製作されたフィルム弁の両弁構成フィルムは、次の包袋作成作業工程において、一対の袋構成用の主フィルムの対向面間における弁取付け箇所に重合配置され、この重合配置状態にある両主フィルムと両弁構成フィルムとが、当該両弁構成フィルムの各流路における内部空間寄りの一個所を横断し、且つ、両弁構成フィルム間における流路以外の残余空間部において両主フィルムの内部空間と外部空間との間を非通気状態に区画形成する一本の第2熱融着部により一体的に固着されている。
尚、両主フィルムと両弁構成フィルムとを一体化する包袋製作作業工程時において、両弁構成フィルム間の流路がそれを横断する第2熱融着部によって遮断されないように、両弁構成フィルムの対向面間における流路形成箇所には、両弁構成フィルム同士の熱融着を阻止するための熱融着阻害層を構成する耐熱性塗料が印刷されている。
特許第4792035号公報
従来の圧縮収納袋では、先ず、両弁構成フィルムの長手方向の複数箇所に配置される各流路の幅方向両側縁に沿う第1熱融着部により、両弁構成フィルム間における各流路と当該流路以外の残余空間部とを非通気状態で区画形成すると同時に、両弁構成フィルム同士を一体的に固着する弁製作作業工程を実行する必要がある。
その後、製作されたフィルム弁の両弁構成フィルムを、一対の袋構成用の主フィルムの対向面間における弁取付け箇所に重合配置し、この重合配置状態にある両主フィルムとフィルム弁の両弁構成フィルムとを、各流路を横断する第2熱融着部により、両弁構成フィルム間における流路以外の残余空間部において両主フィルムの内部空間と外部空間との間を非通気状態に区画する状態で一体的に固着する包袋製作作業工程を実行する必要がある。
そのため、弁製作作業工程と包袋製作作業工程とを各別に行う必要があるため、作業工程数が多くて煩雑化し、生産性の低下と製作コストの高騰化とを招来する不都合がある。
また、フィルム弁の製作を考察すると、重ね合わされた両弁構成フィルムを、それの長手方向の複数箇所に配置される各流路の幅方向両側縁に沿って、両弁構成フィルム間における各流路と当該流路以外の残余空間部とを非通気状態に区画形成する熱融着部により一体的に固着する必要がある。しかも、流路における外部空間側の流路口の横幅が内部空間側の流路口の横幅よりも小に構成されている場合では、流路の幅方向両側縁の形状が湾曲して複雑化するため、ヒートシール装置も複雑化し、フィルム弁の生産性の低下と製作コストの高騰化とを招来する不都合がある。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、合理的な熱融着処理により、生産性の向上と製作コストの低廉化とを図ることのできる弁構造と収納袋及びフィルム弁を提供する点にある。
本発明による第1の特徴構成は、内部空間を備えた熱融着性の樹脂材の弁取付け箇所に、前記内部空間と外部空間とを連通する開閉可能な流路を備えた熱融着性のフィルム弁が熱融着により固着されている弁構造であって、
前記フィルム弁には、重ね合わされた状態での密着によって前記流路を閉塞する自己粘着性のある柔軟な一対の弁構成フィルムが備えられ、
前記両弁構成フィルムの対向面における前記流路の形成相当箇所の少なくとも一方の対向面部分の少なくとも熱融着相当部位には、前記両弁構成フィルム同士の熱融着を阻止する熱融着阻害層が形成され、
前記樹脂材の弁取付け箇所の対向面間には、前記熱融着阻害層を形成してある前記両弁構成フィルムが重合配置され、この重合配置状態にある前記樹脂材の弁取付け箇所の対向面と前記両弁構成フィルムとが、前記流路を横断し、且つ、前記内部空間と外部空間との間を封止状態で区画する熱融着部により固着されることにより、前記両弁構成フィルムが、前記流路における前記熱融着部の横断相当箇所を流路口とする前記フィルム弁に構成されている点にある。
上記構成によれば、内部空間を備えた熱融着性の樹脂材の弁取付け箇所の対向面間に、流路を形成するための両弁構成フィルムを重合配置し、この重合配置状態にある樹脂材の弁取付け箇所の対向面と両弁構成フィルムとを、流路を横断する熱融着部により一体的に固着(接着)する。
このとき、両弁構成フィルムの対向面における流路形成相当箇所の少なくとも一方の対向面部分の少なくとも前記熱融着部に対応する部位には、両弁構成フィルム同士の熱融着を阻止する熱融着阻害層が形成されているので、流路を横断する熱融着部で流路自体が遮断されることはない。
それ故に、重合配置状態にある樹脂材の弁取付け箇所と両弁構成フィルムとを流路横断状態で熱融着するだけで、両弁構成フィルム間の流路以外の残余空間部において内部空間と外部空間との間を封止状態で区画することができると同時に、両弁構成フィルムを、流路における熱融着部の横断相当箇所を流路口とするフィルム弁として始めて機能させることができる。
そのため、例えば、樹脂材の内部空間内の流体又は外部空間側から供給される流体が、両弁構成フィルム間の流路の流路口を押し広げながら流入することになり、流路内の流体が外部空間又は内部空間に流出すると、両弁構成フィルムの対向面における流路形成部位が互いに密着して流路が閉塞される。
したがって、両弁構成フィルム単体では弁機能を発揮しないが、樹脂材の弁取付け箇所と両弁構成フィルムとを上述の如く重合配置して熱融着するだけで所定の弁機能を確実に発揮する弁構造を製作することができるから、従来の弁構造に比較して生産性の向上と製作コストの低廉化とを図ることができる。
本発明による第2の特徴構成は、前記第1の特徴構成を備えた弁構造において、前記熱融着部が、前記流路における流路軸線方向の複数個所に形成され、前記両弁構成フィルム間における前記複数の熱融着部間に形成される前記流路以外の残余空間部と前記流路とが連通形成されている点にある。
上記構成によれば、重合配置状態にある樹脂材の弁取付け箇所と両弁構成フィルムとを流路横断状態の複数の熱融着部で固着するだけで、両弁構成フィルム間の流路以外の残余空間部において、残余空間部と内部空間との間及び残余空間部と外部空間との間を夫々封止状態で区画することができる。
そして、熱融着阻害層の存在により、両弁構成フィルム間の流路における複数の熱融着部に対応する横断部位のうち、内部空間に最も近接位置する熱融着部の横断部位の非熱融着部分が内方側の流路口になり、外部空間に最も近接位置する熱融着部の横断部位の非熱融着部分が外方側の流路口になるフィルム弁が構成される。
また、両弁構成フィルムの対向面の流路形成相当箇所における流路幅方向の両側縁部で、且つ、複数の熱融着部間に位置する両側縁部分は熱融着されていない非接着部分であり、この非接着部分において、複数の熱融着部間に位置する両弁構成フィルム間の残余空間部と流路とが連通状態にある。
そのため、例えば、樹脂材の内部空間内の流体又は外部空間側から供給される流体が、両弁構成フィルム間の流路の内方側又は外方側の流路口を押し広げながら流入し、流路内に流入した一部の流体は残余空間部内に流入するものの、流体の主流は流路の外方側又は内方側の流路口から外部空間又は内部空間に流出する。
そして、両弁構成フィルム間の流路内及び残余空間部内の流体が外部空間又は内部空間に流出すると、両弁構成フィルムの対向面における流路形成部位が互いに密着して流路が閉塞される。
本発明による第3の特徴構成は、前記第1又は第2の特徴構成を備えた弁構造において、前記熱融着阻害層の表面が弱粘着性に構成されている点にある。
上記構成によれば、流路を横断する複数本の熱融着部で流路自体が遮断されることを熱融着阻害層で確実に防止しながらも、この熱融着阻害層の表面の弱粘着性により、フィルム弁としての開閉機能を維持しながら、熱融着阻害層の形成部位での両弁構成フィルムの密着性の低下を抑制して、フィルム弁の密閉性を高めることができる。
本発明による第4の特徴構成は、重ね合わされた熱融着性の主フィルムの対向面間に、被収納物を収納する内部空間と当該内部空間に対して前記被収納物を出し入れするための開閉可能な出入口部とが形成されているとともに、
前記両主フィルム間の前記内部空間の周縁部における前記出入口部以外の弁取付け箇所に、前記内部空間と外部空間とを連通する排気用の開閉可能な流路を備えた熱融着性のフィルム弁が、熱融着により固着されている収納袋であって、
前記フィルム弁には、重ね合わされた状態での密着によって前記流路を閉塞する自己粘着性のある柔軟な一対の弁構成フィルムが備えられ、
前記両弁構成フィルムの対向面における前記流路の形成相当箇所の少なくとも一方の対向面部分の少なくとも熱融着相当部位には、前記両弁構成フィルム同士の熱融着を阻止する熱融着阻害層が形成され、
前記主フィルムの弁取付け箇所の対向面間には、前記熱融着阻害層を形成してある前記両弁構成フィルムが重合配置され、この重合配置状態にある前記主フィルムの弁取付け箇所の対向面と前記両弁構成フィルムとが、前記流路を横断し、且つ、前記内部空間と外部空間との間を封止状態で区画する熱融着部にて固着されることにより、前記両弁構成フィルムが、前記流路における前記熱融着部の横断相当箇所を流路口とする前記フィルム弁に構成されている点にある。
上記構成によれば、内部空間を備えた熱融着性の主フィルムの弁取付け箇所の対向面間に、流路を形成するための両弁構成フィルムを重合配置し、この重合配置状態にある主フィルムの弁取付け箇所の対向面と両弁構成フィルムとを、流路を横断する熱融着部により一体的に固着(接着)する。
このとき、両弁構成フィルムの対向面における流路形成相当箇所の少なくとも一方の対向面部分の少なくとも前記熱融着部に対応する部位には、両弁構成フィルム同士の熱融着を阻止する熱融着阻害層が形成されているので、流路を横断する熱融着部で流路自体が遮断されることはない。
それ故に、重合配置状態にある主フィルムの弁取付け箇所と両弁構成フィルムとを流路横断状態で熱融着するだけで、両弁構成フィルム間の流路以外の残余空間部において内部空間と外部空間との間を封止状態で区画することができると同時に、両弁構成フィルムを、流路における熱融着部の横断相当箇所を流路口とするフィルム弁として始めて機能させることができる。
そのため、例えば、主フィルムの内部空間内の流体又は外部空間側から供給される流体が、両弁構成フィルム間の流路の流路口を押し広げながら流入することになり、流路内の流体が外部空間又は内部空間に流出すると、両弁構成フィルムの対向面における流路形成部位が互いに密着して流路が閉塞される。
したがって、両弁構成フィルム単体では弁機能を発揮しないが、主フィルムの弁取付け箇所と両弁構成フィルムとを上述の如く重合配置して熱融着するだけで所定の弁機能を確実に発揮する弁構造を製作することができるから、従来の弁構造に比較して生産性の向上と製作コストの低廉化とを図ることができる。
本発明による第5の特徴構成は、前記第4の特徴構成を備えた収納袋において、前記熱融着部が、前記流路における流路軸線方向の複数個所に形成され、前記両弁構成フィルム間における前記複数の熱融着部間に形成される前記流路以外の残余空間部と前記流路とが連通形成されている点にある。
上記構成によれば、重合配置状態にある主フィルムの弁取付け箇所と両弁構成フィルムとを流路横断状態の複数の熱融着部で固着するだけで、両弁構成フィルム間の流路以外の残余空間部において、残余空間部と内部空間との間及び残余空間部と外部空間との間を夫々封止状態で区画することができる。
そして、熱融着阻害層の存在により、両弁構成フィルム間の流路における複数の熱融着部に対応する横断部位のうち、内部空間に最も近接位置する熱融着部の横断部位の非熱融着部分が内方側の流路口になり、外部空間に最も近接位置する熱融着部の横断部位の非熱融着部分が外方側の流路口になるフィルム弁が構成される。
また、両弁構成フィルムの対向面の流路形成相当箇所における流路幅方向の両側縁部で、且つ、複数の熱融着部間に位置する両側縁部分は熱融着されていない非接着部分であり、この非接着部分において、複数の熱融着部間に位置する両弁構成フィルム間の残余空間部と流路とが連通状態にある。
そのため、例えば、主フィルムの内部空間内の流体又は外部空間側から供給される流体が、両弁構成フィルム間の流路の内方側又は外方側の流路口を押し広げながら流入し、流路内に流入した一部の流体は残余空間部内に流入するものの、流体の主流は流路の外方側又は内方側の流路口から外部空間又は内部空間に流出する。
そして、両弁構成フィルム間の流路内及び残余空間部内の流体が外部空間又は内部空間に流出すると、両弁構成フィルムの対向面における流路形成部位が互いに密着して流路が閉塞される。
本発明による第6の特徴構成は、前記第4又は第5の特徴構成を備えた収納袋において、前記流路における流出口側部位が、流路幅方向で複数の分割流路部分に分岐形成されている点にある。
収納袋において、例えば、流路の流入口側部位での開口面積(開口幅)と流路の流出口側部位での開口面積(開口幅)とを等しく構成すると、両主フィルム間の内部空間内の気体を外部空間に排出する際、内部空間から流路内に流入した気体を抵抗の少ない状態でスムーズに排出することができる。
反面、流路の流出口側部位が大きく開口するため、この大きく開口した流出口側部位が流路内の負圧によって瞬時に収縮する際、両弁構成フィルムの対向面の弱粘着力で流出口側部位が隙間のある十字状等に変形収縮した状態で保持されることがあり、このようなトンネリング現象が発生すると弁機能が喪失する不都合がある。
そのため、従来では、流路の流出口側部位での開口面積を、流路の流入口側部位での開口面積よりも小さくして、開口した流出口側部位が流路の負圧によって瞬時に収縮する際のトンネリング現象の発生を抑制しているが、内部空間内の気体の排出に大きな労力と手間を要する不都合があった。
そこで、上述の如く、流路の流出口側部位を流路幅方向で複数の分割流路部分に分岐形成することにより、気体排出時における各分割流路部分の開口面積を、流路の流入口側部位での開口面積よりも小さくすることができるので、開口した各分割流路部分が流路の負圧によって瞬時に収縮する際のトンネリング現象の発生を抑制することができる。
それでいて、複数の分割流路部分の開口面積の合計が流路の流出口側での総開口面積となるので、内部空間内の気体を少ない労力でスムーズに排出することができる。
本発明による第7の特徴構成は、前記第6の特徴構成を備えた収納袋において、前記複数の分割流路部分における合計の開口面積が、前記流路における流入口側部位の開口面積と略同一又はそれよりも大に構成されている点にある。
上記構成によれば、開口した各分割流路部分が流路の負圧によって瞬時に収縮する際のトンネリング現象の発生を抑制しながら、両主フィルムの内部空間内の気体をより少ない労力でスムーズに排出することができる。
本発明による第8の特徴構成は、前記第4〜7の特徴構成のいずれか1つを備えた収納袋において、前記両弁構成フィルムにおける前記内部空間に臨む内側端縁部が、前記内部空間側に最も近接位置する前記熱融着部よりも前記内部空間側に突出配置されているとともに、前記内部空間側に最も近接位置する前記熱融着部の複数箇所には、前記内部空間側にのみ開口する非熱融着部が形成されている点にある。
上記構成によれば、自己粘着性のある柔軟な両弁構成フィルムの内側端縁部が、熱融着部よりも内部空間側に突出して自由端状態にあるため、両弁構成フィルムの内側端縁部同士の密着によってフィルム弁の密閉性を高めることができる。
それでいて、例えば、収納袋を押圧操作して内部空間内の気体を外部空間に排出するとき、両主フィルムが内部空間側に最も近接位置する熱融着部を略起点にして両弁構成フィルムの内側端縁部から離間する側に広がり、且つ、主フィルムと弁構成フィルムとを固着している内部空間側の熱融着部の複数箇所に形成されている非熱融着部内に気体が侵入して両主フィルムの非熱融着部に対応する部位が膨張変形するため、この膨張変形に引っ張られて両弁構成フィルムの内側端縁部が波状に変形し、両弁構成フィルムの内側端縁部間に隙間が発生する。この隙間を通して気体が流路に流入し、流路が全開となるため、両主フィルムの内部空間内の気体を外部空間にスムーズに排出することができる。
本発明による第9の特徴構成は、前記第5の特徴構成のいずれか1つを備えた収納袋において、前記両弁構成フィルム間の流路幅方向に沿った複数箇所には、前記流路及び前記残余空間部が形成され、前記複数の流路が前記残余空間部を経由して連通形成されている点にある。
上記構成によれば、例えば、収納袋を押圧操作して内部空間内の気体を外部空間に排出する際、複数の流路に対する気体の流入分布にばらつきがある場合でも、流入量の多い流路から残余空間部を経由して流入量の少ない流路に分配することができるので、内部空間内の気体を外部空間にスムーズに排出することができる。
本発明による第10の特徴構成は、重ね合わされた自己粘着性のある柔軟な一対の弁構成フィルムが、それの対向面間に当該対向面同士の密着によって閉塞される流路を形成する状態で熱融着されているフィルム弁であって、
前記両弁構成フィルムの対向面における前記流路の形成相当箇所の少なくとも一方の対向面部分の少なくとも熱融着相当部位には、前記両弁構成フィルム同士の熱融着を阻止する熱融着阻害層が形成され、
両弁構成フィルムが、前記流路を横断し、且つ、前記両弁構成フィルム間における前記流路以外の残余空間部を気密状態で区画する熱融着部にて固着され、前記流路における前記熱融着部の横断相当箇所が流路口に構成されている点にある。
上記構成によれば、重ね合わされた両弁構成フィルムを、流路を横断する熱融着部で固着するだけで、流路における熱融着部の横断相当箇所を流路口とするフィルム弁を製作することができる。
それ故に、従来のように、重ね合わされた両弁構成フィルムを、それの長手方向の複数箇所に配置される各流路の幅方向両側縁に沿って、両弁構成フィルム間における各流路と当該流路以外の残余空間部とを非通気状態に区画形成する熱融着部により一体的に固着する場合に比較して、フィルム弁の生産性の向上と製作コストの低廉化とを図ることができ、しかも、ヒートシール装置の簡素化も同時に達成することができる。
第1実施形態の弁構造付き収納袋の斜視図 第1実施形態の弁構造付き収納袋の分解斜視図 第1実施形態の弁構造付き収納袋の要部の正面図 図3のIV−IV線での密封時と脱気時の要部の拡大断面図 図3のV−V線での密封時と脱気時の要部の拡大断面図 図3のVI−VI線での密封時と脱気時の要部の拡大断面図 図3のVII−VII線での密封時と脱気時の要部の拡大断面図 第1実施形態の弁構造付き収納袋の密封時の要部の縦断斜視図 第1実施形態の弁構造付き収納袋の脱気開始時の要部の縦断斜視図 第1実施形態のフィルム弁の製作概要図 第2実施形態の弁構造付き収納袋の要部の正面図 第3実施形態の弁構造付き収納袋の要部の正面図 第4実施形態のフィルム弁の正面図 第4実施形態のフィルム弁を用いた収納袋の分解斜視図
〔第1実施形態〕
図1は、衣服や毛布等の圧縮可能な柔軟性のある被収納物Aを圧縮状態で収納保管する弁構造付きの収納袋Bを示す。この収納袋Bは、矩形状に形成された二枚の柔軟性及び熱融着性(ヒートシール性)を備えた袋構成用の合成樹脂製(例えば、ポリエチレン製)の主フィルム(樹脂材の一例)1が重ね合わされ、この重合状態にある両主フィルム1の対向面間には、被収納物Aを収納する内部空間2が形成され、両主フィルム1の対向面間の上辺縁部には、内部空間2に対して被収納物Aを出し入れするための開閉可能な出入口部3が形成されている。
両主フィルム1の出入口部3には、図1、図2に示すように、当該出入口部3を密閉可能な密閉開閉手段の一例である熱融着可能な合成樹脂製(例えば、ポリエチレン製)の密閉用チャック4が熱融着(ヒートシール)により固着されている。
この密閉用チャック4には、二条の凸状の雄形嵌合部4aを備えた熱融着可能な合成樹脂製の第1テープ体4Aと、当該第1テープ体4Aの両雄形嵌合部4aに対して脱着自在に気密状態で嵌合する二条の凹状の雌形嵌合部4bを備えた熱融着可能な合成樹脂製の第2テープ体4Bとが備えられている。
密閉用チャック4の第1テープ体4A及び第2テープ体4Bの各長さL1は、両主フィルム1の横幅W1と同一に構成され、一方の第1テープ体4Aの上辺縁部及び下辺縁部は、両主フィルム1の出入口部3における対向面の一方に対してそれの横幅全域に亘る細帯状の熱融着部(ヒートシール部)Haにより気密状態で固着されている。
また、他方の第2テープ体4Bの上辺縁部及び下辺縁部も、両主フィルム1の出入口部3における対向面の他方に対してそれの横幅全域に亘る細帯状の熱融着部(ヒートシール部)Haにより気密状態で固着されている。
両主フィルム1における内部空間2の周縁部のうち、横幅方向両側の側辺縁部同士は、それの縦幅全域に亘る細帯状の熱融着部(ヒートシール部)Hbにより気密状態で固着されている。この帯状の熱融着部Hbは、図1、図3において網代模様で表示している。
そして、図1〜図9に示すように、両主フィルム1における内部空間2の周縁部のうち、出入口部3以外の弁取付け箇所、詳しくは、出入口部3と縦幅方向で相対向する下辺(底辺)側縁部の弁取付け箇所には、内部空間2と外部空間とを連通する排気用(脱気用)の開閉可能な流路(通気路)5を形成する熱融着性(ヒートシール性)の合成樹脂製(例えば、ポリエチレン製)のフィルム弁Vが、熱融着(ヒートシール)により気密状態で固着されている。
フィルム弁Vは、両主フィルム1よりも柔軟で自己粘着性及び熱融着性のある一対の帯状の弁構成フィルム6から構成され、重ね合わされた両弁構成フィルム6の対向面間に形成される前記流路5を、両弁構成フィルム6の対向面における流路形成箇所同士の密着によって気密状態で閉塞するように構成されている。
両弁構成フィルム6間に形成される流路5は一つ又は複数のいずれでも良いが、当該実施形態においては、主フィルム1の横幅方向(流路幅方向)に所定間隔を隔てた六箇所に流路5が形成されている。
また、各流路5は、図3、図8に示すように、両弁構成フィルム6における内部空間2側の内側端縁部6aから流路軸線方向中央側の特定位置までは幅広流路部5Aに構成され、両弁構成フィルム6における外部空間側の外側端縁部から流路軸線方向中央側の特定位置までは幅狭流路部5Bに構成されている。
両弁構成フィルム6の対向面の一方における流路形成相当箇所の全域には、図2、図3に示すように、両弁構成フィルム6の対向面における流路形成箇所同士の熱融着を阻止するための熱融着阻害層7を構成する弱粘着性の透明又は有色の耐熱性塗料(耐熱性インク、シリコンオイル等)が印刷されている。この弱粘着性の耐熱性塗料が印刷された流路形成相当箇所の全域は、図1〜図3、図8、図9においてグレー色の点模様で表示している。
この熱融着阻害層7の存在により、熱融着(ヒートシール)によって流路5自体が遮断されることを確実に防止することができる。しかも、熱融着阻害層7の表面が弱粘着性に構成されているので、フィルム弁Vとしての開閉機能を維持しながら、熱融着阻害層7の形成部位での両弁構成フィルム6の密着性の低下を抑制して、フィルム弁Vの密閉性(気密性)を高めることができる。
両弁構成フィルム6は、図2、図3に示すように、両主フィルム1の横幅W1と同一寸法の長さL2に構成され、両主フィルム1間の下辺側縁部の弁取付け箇所に重合配置されている。
この重合配置された両主フィルム1と両弁構成フィルム6とは、各流路5における流路軸線方向の二個所を通過する状態で両主フィルム1の横幅全域を横断し、且つ、両弁構成フィルム6の対向面間における流路5以外の残余空間部8と内部空間2との間、及び、残余空間部8と外部空間との間を夫々封止状態(気密状態)で区画する二本の熱融着部(ヒートシール部)Hc、Hdにより固着されている。
この熱融着部Hc、Hdも、図1、図3において網代模様で表示している。
両弁構成フィルム6の内部空間2側に最も近接位置する内方側の熱融着部Hcは、流路5の幅広流路部5Aの端部近傍位置を横断し、外部空間側に最も近接位置する外方側の熱融着部Hdは、流路5の幅狭流路部5Bにおける幅広流路部5A側に片寄った中間位置を横断する。
そして、図3、図4、図8に示すように、熱融着阻害層7の存在により、両弁構成フィルム6間の各流路5における二本の熱融着部Hc、Hdに対応する横断部位のうち、内方側の熱融着部Hcの横断部位の非熱融着部分が内方側の流入口(流路口)5aになり、外方側の熱融着部Hdの横断部位の非熱融着部分が外方側の流出口(流路口)5bになる。
さらに、図6、図8に示すように、両弁構成フィルム6の対向面の流路形成相当箇所における流路幅方向の両流路輪郭側縁部で、且つ、二本の熱融着部Hc、Hd間に位置する両流路輪郭側縁部分5cは、熱融着(ヒートシール)されていない非接着部分であり、この非接着部分である流路輪郭側縁部分5cにおいて、二本の熱融着部Hc,Hd間に位置する両弁構成フィルム6間の残余空間部8と流路5とが連通状態にある。
当該実施形態においては、隣接する流路5間に位置する幅広の五つの残余空間部8と、主フィルム1の横幅方向最外側の流路5の外方側に位置する幅狭な二つの残余空間部8とからなり、各流路5がそれの両側に位置する残余空間部8と連通形成されている。換言すれば、全ての流路5が残余空間部8を経由して連通形成されている。
そして、例えば、両主フィルム1間の内部空間2内に被収納物Aを収納し、且つ、出入口部3の密閉用チャック4を閉止操作してある収納袋Bを押圧操作すると、両主フィルム1間の内部空間2内の気体(空気)が、両弁構成フィルム6間の各流路5の内方側の流入口5aを押し広げながら流入し、各流路5内に流入した一部の気体は各残余空間部8内に流入するものの、気体の主流は各流路5の外方側の流出口5bから外部空間に排出される。
その後、両弁構成フィルム6間の各流路5内及び各残余空間部8内の気体が外部空間に排出され、且つ、両主フィルム1間の内部空間2内が負圧になると、両弁構成フィルム6の対向面における流路形成部位同士が密着して各流路5が気密状態で閉塞される。つまり、二本の熱融着部Hc、Hdのヒートシールが施されることによって初めて各流路5を開閉する弁機能として働く。
それ故に、両弁構成フィルム6単体では弁機能を発揮しないが、両弁構成フィルム6と両主フィルム1とを上述の如く重合配置して熱融着するだけで所定の弁機能を備えた収納袋Bを製作することができるから、収納袋Bの生産性の向上と製作コストの低廉化とを図ることができる。
さらに、収納袋Bを押圧操作して内部空間2内の気体(空気)を外部空間に排出する際、複数の流路5に対する気体の流入分布にばらつきがある場合でも、流入量の多い流路5から残余空間部8を経由して流入量の少ない流路5に分配することができるので、内部空間2内の気体を外部空間にスムーズに排出することができる。
また、図8、図9に示すように、両弁構成フィルム6における内部空間2に臨む内側端縁部6aが、内部空間2側に最も近接位置する内方側の熱融着部Hcよりも内部空間2側に突出配置されているとともに、内方側の熱融着部Hcの長手方向の複数箇所には、内部空間2側にのみ開口する凹状の非熱融着部9が形成されている。
そして、自己粘着性のある柔軟な両弁構成フィルム6の内側端縁部6aが、内方側の熱融着部Hcよりも内部空間2側に突出する自由端状態にあるため、両弁構成フィルム6の内側端縁部6a同士の密着によってフィルム弁Vの密閉性を高めることができる。
それでいて、収納袋Bを押圧操作して内部空間2内の気体を外部空間に排出するとき、両主フィルム1が内方側の熱融着部Hcを略起点にして両弁構成フィルム6の内側端縁部6aから離間する側に広がり、且つ、主フィルム1と弁構成フィルム6とを固着している内方側の熱融着部Hcの複数箇所に形成されている非熱融着部9内に気体が侵入して両主フィルム1の非熱融着部9に対応する部位が膨張変形する。
この膨張変形に引っ張られて両弁構成フィルム6の内側端縁部6aが波状に変形し、両弁構成フィルム6の内側端縁部6a間に隙間が発生する。この隙間を通して気体が流路5に流入し、流路5が全開となるため、両主フィルム1の内部空間2内の気体を外部空間にスムーズに排出することができる。
尚、図10は、フィルム弁Vの製作ラインの一例を示す。この製作ラインでは、両弁構成フィルム6の流路軸線長さhの複数倍(当該実施形態では8倍)に相当する幅広の二枚の長尺フィルム11,12を使用する。
そして、一方の長尺フィルム11を連続搬送しながら、それの上面における8列の各流路形成相当箇所に、熱融着阻害層7を構成する弱粘着性の耐熱性塗料を、長尺フィルム11の幅方向に連続する状態で印刷するとともに、搬送方向で隣接する熱融着阻害層7の所定数(当該実施形態では三つ)おきに切断位置検出用のセンサマーク13を印刷してある。
熱融着阻害層7及びセンサマーク13が印刷された一方の長尺フィルム11の上面に、他方の長尺フィルム12を連続搬送しながら重ね合わせ、重ね合わされた二枚の長尺フィルム11,12を、フィルム弁Vの流路軸線長さh単位で搬送方向に沿って切断分離し、フィルム弁Vが連続する複数(当該実施形態では8つ)の弁構成用連続フィルム14を製作する。
上述の実施形態では、収納袋Bの内部空間2内の気体を外部空間に排出するにあたって、収納袋Bを外面から押圧操作する排気方法を採用したが、両弁構成フィルム6間の流路5に吸気ポンプ等の脱気装置に接続されている脱気ノズルを外部空間から挿入して、収納袋Bの内部空間2内の気体を外部空間に排出する排気方法を採用してもよい。
また、上述の実施形態では、両主フィルム1の出入口部3を開閉する密閉開閉手段として、両主フィルム1の出入口部3に熱融着可能な密閉用チャック4を採用したが、スライダーを備えた密閉用チャックを採用してもよく、さらに、両主フィルム1の出入口部3を挾持して密封する挾持具を採用してもよい。
さらに、上述の実施形態では、収納袋Bを構成する主フィルム1及び弁構成フィルム6を、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等の熱硬化性樹脂の単層の合成樹脂製フィルムから構成したが、二層以上のフィルム基材をラミネートしてなるラミネートフィルムから構成してもよい。
〔第2実施形態〕
図11は、収納袋Bの弁構造の別の実施形態を示す。この弁構造では、両弁構成フィルム6の対向面間に形成される流路5における流出口側部位が、流路幅方向で複数(当該実施形態では三つ)の分割幅狭流路部5Eに分岐形成されているとともに、複数の分割幅狭流路部5Eにおける合計の開口面積が、流路5における流入口側部位の幅広流路部5Dの開口面積と略同一又はそれよりも大に構成されている。
当該実施形態においても、上述の第1実施形態と同様に、両弁構成フィルム6の対向面の一方における流路形成相当箇所の全域には、両弁構成フィルム6の対向面における流路形成箇所同士の熱融着を阻止するための熱融着阻害層7を構成する弱粘着性の耐熱性塗料が印刷されている。
図11においては、弱粘着性の耐熱性塗料が印刷された流路形成相当箇所の全域をグレー色の点模様で表示している。
両弁構成フィルム6は、両主フィルム1間の下辺側縁部の弁取付け箇所に重合配置され、この重合配置された両主フィルム1と両弁構成フィルム6とは、各流路5における流路軸線方向の二個所を通過する状態で両主フィルム1の横幅全域を横断し、且つ、両弁構成フィルム6の対向面間における流路5以外の残余空間部8と内部空間2との間、及び、残余空間部8と外部空間との間を夫々封止状態(気密状態)で区画する二本の熱融着部(ヒートシール部)Hc、Hdにより固着されている。
この熱融着部Hc、Hdは、図11において網代模様で表示している。
そして、熱融着阻害層7の存在により、両弁構成フィルム6間の各流路5における二本の熱融着部Hc、Hdに対応する横断部位のうち、流入口側部位の幅広流路部5Dを横断する熱融着部Hcの横断部位の非熱融着部分が内方側の流入口(流路口)5aになり、流出口側部位の複数の分割幅狭流路部5Eを横断する熱融着部Hdの横断部位の非熱融着部分が外方側の複数の流出口(流路口)5bになる。
上述の如く、流路5の流出口側部位を流路幅方向で複数の分割幅狭流路部5Eに分岐形成することにより、気体排出時における複数の分割幅狭流路部5Eの各々の開口面積を、流路5の流入口側部位の単一の幅広流路部5Dでの開口面積よりも小さくすることができるので、開口した各分割幅狭流路部5Eが流路5内の負圧によって瞬時に収縮する際のトンネリング現象の発生を抑制することができる。
それでいて、複数の分割幅狭流路部5Eの開口面積の合計が、流路5における流入口側部位の幅広流路部5Dの開口面積と略同一又はそれよりも大に構成されているので、内部空間2内の気体を少ない労力でスムーズに排出することができる。
また、両主フィルム1の横幅寸法(収納袋Bの大きさ)や両弁構成フィルム6間に形成される流路5の大きさや形成ピッチ等によっては、図11に示すように、流路5の一部が、両主フィルム1の横幅方向両側の側辺縁部同士を固着する帯状の熱融着部(網代模様で表示している)Hbに重合配置される場合がある。
これは、ロール状に巻き取られた長尺な両主フィルム1と両弁構成フィルム6とを連続搬送しながら幅の異なる複数種類の収納袋Bを製造する場合に発生する。
このとき、両弁構成フィルム6の対向面の少なくとも一方における流路形成相当箇所の全域に形成されている熱融着阻害層7によって、最側辺縁部側の流路5と重合する側辺縁部の熱融着部Hbにおける両弁構成フィルム6間の重合箇所が非接着状態になり、両主フィルム1間の内部空間2と外部空間とが非接着部分を経由して短絡的に連通して弁機能が喪失する不都合がある。
この場合には、両主フィルム1及び両弁構成フィルム6に対して、それの下辺縁部から弁機能を備えた中央側の流路5と弁機能のない最側辺縁部側の流路5との間を通る縦方向熱融着部分Heaと、弁機能のない最側辺縁部側の流路5の上方側を通して側辺縁部の熱融着部Hbに達する横方向熱融着部分Hebとからなる熱融着部(ヒートシール部)Heを施す。
この熱融着部Heの縦方向熱融着部分Heaと側辺縁部の熱融着部Hbとの間隔W2は、流路5の最大幅W3よりも大で、且つ、側辺縁部の熱融着部Hbと中央側の流路5における側辺縁部側の側縁までの間隔W4よりも小に構成されている。
尚、上述の第2実施形態において、重合配置された両主フィルム1と両弁構成フィルム6とを二本以上の熱融着部(ヒートシール部)で固着するとき、最も流出口側に位置する熱融着部を両主フィルム1の下辺縁部に沿って配置してもよい。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第3実施形態〕
図12は、上述の第2実施形態の収納袋Bの弁構造の改良を示す。
図11に示す収納袋Bの弁構造では、流路5の複数の分割幅狭流路部5Eが両主フィルム1の側辺と平行姿勢にあるため、上述のように、流路5の一部が、両主フィルム1の横幅方向両側の側辺縁部同士を固着する帯状の熱融着部Hbに重合配置された場合では、両主フィルム1の側辺縁部における非接着部分の比較的広い範囲がめくれ上がることが考えられ、機能上問題がないものの完成された収納袋Bの外観面での商品価値を損なう可能性がある。
これの対策として、図12に示す第3実施形態の収納袋Bの弁構造では、側辺縁部の熱融着部Hbを、二本の熱融着部Hc、Hdよりも広幅に構成するとともに、流入口側部位の幅広流路部5Dに対して、流出口側部位の複数の分割幅狭流路部5Eを設定角度だけ傾斜させて形成してある。これにより、両主フィルム1の横幅方向両側の側辺縁部同士を固着する帯状の熱融着部Hbにより、複数の分割幅狭流路部5Eの隣接間部位等が熱融着されるため、両主フィルム1の側辺縁部における非接着部分が分散され、両主フィルム1の側辺縁部における非接着部分がめくり上がることを抑制することができる。
また、図12に示す収納袋Bの弁構造では、熱融着部(ヒートシール部)Heを、最側辺縁部側の流路5の上方側を通る横方向熱融着部分Hebと、最側辺縁部側の流路5の複数の分割幅狭流路部5Eのうち、横幅方向の最内方側に位置する分割幅狭流路部5Eの幅内を同じ傾斜角度で通る縦方向熱融着部分Heaとからなる熱融着部(ヒートシール部)Heを施す。
この熱融着部Heの縦方向熱融着部分Heaと側辺縁部の熱融着部Hbとの間隔W5は、流路5の最大幅W6よりも小で、且つ、最側辺縁部側の分割幅狭流路部5Eの流出口5bの外側縁から幅広流路部5Dの横幅方向中央側の内側縁までの間隔W7よりも大に構成されている。
この場合は、図12に示す配置関係において、両主フィルム1間の内部空間2と外部空間とが非接着部分を経由して短絡的に連通することを回避しながらも、収納袋Bの内部空間2内の気体は、最側辺縁部側の流路5の幅広流路部5Dにおける流入口側端縁の右側角部から流入可能であるため、最側辺縁部側の流路5の弁機能を活かすことができる。
尚、図12においては、両主フィルム1の横幅方向の左側の熱融着部Heについて説明し、横幅方向の右側の熱融着部Heは説明を省略したが、この右側の熱融着部Heは、第2実施形態と同様に、左側の熱融着部Heと左右対称形に表れる。
また、第3実施形態におけるその他の構成は、第1実施形態及び第2実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態及び第2実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第4実施形態〕
図13は、重ね合わされた自己粘着性のある柔軟な一対の弁構成フィルム6が、それの対向面間に流路5を形成する状態で熱融着されているフィルム弁Vの別実施形態を示す。
フィルム弁Vの流路5は、両弁構成フィルム6の対向面における流路形成箇所同士の密着によって気密状態で閉塞するように構成されている。
両弁構成フィルム6間に形成される流路5は一つ又は複数のいずれでも良いが、当該実施形態においては、主フィルム1の横幅方向(流路幅方向)に所定間隔を隔てた複数箇所に流路5が形成されている。
各流路5は、両弁構成フィルム6における内部空間2側の内側端縁部6aから流路軸線方向中央側の特定位置までは幅広流路部5Aに構成され、両弁構成フィルム6における外部空間側の外側端縁部から流路軸線方向中央側の特定位置までは幅狭流路部5Bに構成されている。
両弁構成フィルム6の対向面の一方における流路形成相当箇所の全域には、両弁構成フィルム6の対向面における流路形成箇所同士の熱融着を阻止するための熱融着阻害層7を構成する弱粘着性の透明又は有色の耐熱性塗料が印刷されている。
この熱融着阻害層7の存在により、熱融着(ヒートシール)によって流路5自体が遮断されることを確実に防止することができる。しかも、熱融着阻害層7の表面が弱粘着性に構成されているので、フィルム弁Vとしての開閉機能を維持しながら、熱融着阻害層7の形成部位での両弁構成フィルム6の密着性の低下を抑制して、フィルム弁Vの密閉性(気密性)を高めることができる。
両弁構成フィルム6は、流路5を横断し、且つ、両弁構成フィルム6間における流路5以外の残余空間部8を気密状態で区画する熱融着部Hdにて固着され、流路5における熱融着部Hdの横断相当箇所が流出口5bに構成されている。
そして、上述の如く構成されたフィルム弁Vを用いて収納袋Bを製作するに、図14に示すように、内部空間2を形成する袋構成用の両主フィルム(樹脂材の一例)1間の下辺(底辺)側縁部の弁取付け箇所にフィルム弁Vを重合配置する。
次に、第1実施形態の図3〜図8を参照して説明すると、この重合配置された両主フィルム1と両弁構成フィルム6とを、各流路5におけるフィルム弁Vの熱融着部Hdよりも内部空間2側に偏倚した部位を通過する状態で両主フィルム1の横幅全域を横断し、且つ、両弁構成フィルム6の対向面間における流路5以外の残余空間部8と内部空間2との間を封止状態(気密状態)で区画する一本の熱融着部Hcにより固着されている。
両弁構成フィルム6の内部空間2側に最も近接位置する内方側の熱融着部Hcは、流路5の幅広流路部5Aの端部近傍位置を横断し、外部空間側に最も近接位置する外方側の熱融着部Hdは、流路5の幅狭流路部5Bにおける幅広流路部5A側に片寄った中間位置を横断する。
そして、熱融着阻害層7の存在により、両弁構成フィルム6間の各流路5における二本の熱融着部Hc、Hdに対応する横断部位のうち、内方側の熱融着部Hcの横断部位の非熱融着部分が内方側の流入口(流路口)5aになり、フィルム弁Vを構成する外方側の熱融着部Hdの横断部位の非熱融着部分が外方側の流出口(流路口)5bになる。
尚、第1実施形態で説明した構成と同一の構成には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔その他の実施形態〕
(1)上述の各実施形態では、両弁構成フィルム6の対向面の一方における流路形成相当箇所の全域に熱融着阻害層7を形成したが、両弁構成フィルム6の対向面の両方における流路形成相当箇所の全域に熱融着阻害層7を形成してもよい。
また、両弁構成フィルム6の対向面の少なくとも一方における流路形成相当箇所の熱融着部Hc,Hdに対応する横断部位にのみ熱融着阻害層7を形成してもよい。
(2)上述の各実施形態では、重合配置された両主フィルム1と両弁構成フィルム6とを、流路5における流路軸線方向の二個所を横断する二本の熱融着部(ヒートシール部)Hc、Hdにより固着したが、流路5における流路軸線方向の三箇所以上を横断する三本以上の熱融着部により固着してもよく、さらに、流路5における流路軸線方向の一箇所を横断する一本の熱融着部により固着してもよい。
尚、重合配置された両主フィルム1と両弁構成フィルム6とを一本の熱融着部で固着する場合には、熱融着部の幅を複数本の場合よりも幅広に設定する。
(3)上述の各実施形態では、出入口部3を備えた収納袋Bについて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、内部空間2を構成する主フィルム1等の樹脂材を容器状に構成し、この容器状の樹脂材の口部となる弁取付け箇所に、内部空間2と外部空間とを連通する開閉可能な流路を形成してある熱融着性のフィルム弁Vを熱融着により固着してもよい。
この場合、フィルム弁Vの流路5から内部空間2内に飲料や醤油等の液体を注入したり、或いは、風船用ヘリウムガス等の気体を注入することができる。
(4)上述の各実施形態では、熱融着阻害層7を耐熱性塗料から構成したが、シリコンフィルム等の非熱融着性材料又は耐熱性材料で構成してもよい。
1 樹脂材(主フィルム)
2 内部空間
3 出入口部
5 流路
5D 流入口側部位
5E 流出口側部位
5e 分割流路部分
6 弁構成フィルム
6a 内側端縁部
7 熱融着阻害層
8 残余空間部
9 非熱融着部
Hc 熱融着部
Hd 熱融着部
V フィルム弁

Claims (10)

  1. 内部空間を備えた熱融着性の樹脂材の弁取付け箇所に、前記内部空間と外部空間とを連通する開閉可能な流路を備えた熱融着性のフィルム弁が熱融着により固着されている弁構造であって、
    前記フィルム弁には、重ね合わされた状態での密着によって前記流路を閉塞する自己粘着性のある柔軟な一対の弁構成フィルムが備えられ、
    前記両弁構成フィルムの対向面における前記流路の形成相当箇所の少なくとも一方の対向面部分の少なくとも熱融着相当部位には、前記両弁構成フィルム同士の熱融着を阻止する熱融着阻害層が形成され、
    前記樹脂材の弁取付け箇所の対向面間には、前記熱融着阻害層を形成してある前記両弁構成フィルムが重合配置され、この重合配置状態にある前記樹脂材の弁取付け箇所の対向面と前記両弁構成フィルムとが、前記流路を横断し、且つ、前記内部空間と外部空間との間を封止状態で区画する熱融着部にて固着されることにより、前記両弁構成フィルムが、前記流路における前記熱融着部の横断相当箇所を流路口とする前記フィルム弁に構成されている弁構造。
  2. 前記熱融着部が、前記流路における流路軸線方向の複数個所に形成され、前記両弁構成フィルム間における前記複数の熱融着部間に形成される前記流路以外の残余空間部と前記流路とが連通形成されている請求項1記載の弁構造。
  3. 前記熱融着阻害層の表面が弱粘着性に構成されている請求項1又は2記載の弁構造。
  4. 重ね合わされた熱融着性の主フィルムの対向面間に、被収納物を収納する内部空間と当該内部空間に対して前記被収納物を出し入れするための開閉可能な出入口部とが形成されているとともに、
    前記両主フィルム間の前記内部空間の周縁部における前記出入口部以外の弁取付け箇所に、前記内部空間と外部空間とを連通する排気用の開閉可能な流路を備えた熱融着性のフィルム弁が、熱融着により固着されている収納袋であって、
    前記フィルム弁には、重ね合わされた状態での密着によって前記流路を閉塞する自己粘着性のある柔軟な一対の弁構成フィルムが備えられ、
    前記両弁構成フィルムの対向面における前記流路の形成相当箇所の少なくとも一方の対向面部分の少なくとも熱融着相当部位には、前記両弁構成フィルム同士の熱融着を阻止する熱融着阻害層が形成され、
    前記主フィルムの弁取付け箇所の対向面間には、前記熱融着阻害層を形成してある前記両弁構成フィルムが重合配置され、この重合配置状態にある前記主フィルムの弁取付け箇所の対向面と前記両弁構成フィルムとが、前記流路を横断し、且つ、前記内部空間と外部空間との間を封止状態で区画する熱融着部にて固着されることにより、前記両弁構成フィルムが、前記流路における前記熱融着部の横断相当箇所を流路口とする前記フィルム弁に構成されている収納袋。
  5. 前記熱融着部が、前記流路における流路軸線方向の複数個所に形成され、前記両弁構成フィルム間における前記複数の熱融着部間に形成される前記流路以外の残余空間部と前記流路とが連通形成されている請求項4記載の収納袋。
  6. 前記流路における流出口側部位が、流路幅方向で複数の分割流路部分に分岐形成されている請求項4又は5記載の収納袋。
  7. 前記複数の分割流路部分における合計の開口面積が、前記流路における流入口側部位の開口面積と略同一又はそれよりも大に構成されている請求項6記載の収納袋。
  8. 前記両弁構成フィルムにおける前記内部空間に臨む内側端縁部が、前記内部空間側に最も近接位置する前記熱融着部よりも前記内部空間側に突出配置されているとともに、前記内部空間側に最も近接位置する前記熱融着部の複数箇所には、前記内部空間側にのみ開口する非熱融着部が形成されている請求項4〜7のいずれか1項に記載の収納袋。
  9. 前記両弁構成フィルム間の流路幅方向に沿った複数箇所には、前記流路及び前記残余空間部が形成され、前記複数の流路が前記残余空間部を経由して連通形成されている請求項5記載の収納袋。
  10. 重ね合わされた自己粘着性のある柔軟な一対の弁構成フィルムが、それの対向面間に当該対向面同士の密着によって閉塞される流路を形成する状態で熱融着されているフィルム弁であって、
    前記両弁構成フィルムの対向面における前記流路の形成相当箇所の少なくとも一方の対向面部分の少なくとも熱融着相当部位には、前記両弁構成フィルム同士の熱融着を阻止する熱融着阻害層が形成され、
    両弁構成フィルムが、前記流路を横断し、且つ、前記両弁構成フィルム間における前記流路以外の残余空間部を気密状態で区画する熱融着部にて固着され、前記流路における前記熱融着部の横断相当箇所が流路口に構成されているフィルム弁。
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JP2019189301A (ja) * 2018-04-26 2019-10-31 株式会社ヤマモン フィルム弁及び収納袋

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