JP2017030217A - インクジェットプリンター、インクジェットプリンターの制御方法およびインクカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】メンテナンス動作用のインクカートリッジのインクがなくなった場合でも、メンテナンス動作を継続可能なインクジェットプリンターを提供すること。
【解決手段】プリンター1は、印刷ヘッド2と、第1インクカートリッジ5と、第2インクカートリッジ6と、第1インクカートリッジ5と印刷ヘッド2とを連通させる第1インク流路7と、第2インクカートリッジ6と印刷ヘッド2とを連通させる第2インク流路8を備える。また、プリンター1は印刷処理動作ではインク流路を第1インク流路7とし、メンテナンス動作ではインク流路を第2インク流路8とする流路切替部49と、第2インクカートリッジ6のインク残量を監視するインク残量監視部47を備える。流路切替部49は、第2インクカートリッジ6のインク残量が前記所定量に満たない状態となると、メンテナンス動作においてもインク流路を第1インク流路7とする。
【選択図】図4
【解決手段】プリンター1は、印刷ヘッド2と、第1インクカートリッジ5と、第2インクカートリッジ6と、第1インクカートリッジ5と印刷ヘッド2とを連通させる第1インク流路7と、第2インクカートリッジ6と印刷ヘッド2とを連通させる第2インク流路8を備える。また、プリンター1は印刷処理動作ではインク流路を第1インク流路7とし、メンテナンス動作ではインク流路を第2インク流路8とする流路切替部49と、第2インクカートリッジ6のインク残量を監視するインク残量監視部47を備える。流路切替部49は、第2インクカートリッジ6のインク残量が前記所定量に満たない状態となると、メンテナンス動作においてもインク流路を第1インク流路7とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、印刷ヘッドのメンテナンス動作に用いられる分のインクをユーザーに負担させることを抑制できるインクジェットプリンター、および、インクジェットプリンターの制御方法に関する。また、このようなインクジェットプリンターに着脱可能に装着されるインクカートリッジに関する。
インクジェットプリンターでは、印刷ヘッドのインクノズルの目詰まりを予防するために、印刷ヘッドからインク滴を吐出するフラッシング動作が定期的に行われる。また、インクジェットプリンターでは、印字結果にかすれなどが現れた場合に、ユーザーの指示により、印刷ヘッドからインクを吸引する吸引動作が行われる。
ユーザーが購入したインクカートリッジのインクをフラッシング動作や吸引動作などに使用すると、ユーザーは、これら印刷ヘッドのメンテナンス動作によって消費された消費量分のインクを印刷に使用できなくなるという問題がある。このような問題に対して、特許文献1には、ユーザーが新たなインクカートリッジを購入する際に、メンテナンス動作に使用したインクの消費量分だけ料金を差し引いてインクを提供するインクカートリッジの販売方法が提案されている。
印刷ヘッドのメンテナンス動作に用いられる分のインクをユーザーに負担させないためには、印刷処理動作時に印刷ヘッドにインクを供給する印刷処理動作用のインクカートリッジと、メンテナンス時に印刷ヘッドにインクを供給するメンテナンス動作用のインクカートリッジをインクジェットプリンターに搭載し、印刷処理動作用のインクカートリッジをユーザーが購入するものとし、メンテナンス動作用のインクカートリッジをメーカーがサービスで提供するものとすることが考えられる。
しかし、メンテナンス動作用のインクカートリッジをメーカーがサービスで提供するものとした場合には、メンテナンス動作用のインクカートリッジのインクが終了したときに、ユーザーはメーカーに連絡してメンテナンス動作用の新たなインクカートリッジがメーカーから供給されるのを待たなければならない。また、ユーザーは、メンテナンス動作用のインクカートリッジがメーカーから提供されるまでの間、メンテナンス動作を保留しなければならない。ここで、メンテナンス動作が保留されると、インクジェットプリンターでは、印刷処理動作により出力される印刷物の印刷品質を保証することができなくなる。
本発明の課題は、かかる点に鑑みて、メンテナンス動作用のインクカートリッジをインクジェットプリンターに搭載したときに、メンテナンス動作用のインクカートリッジのインクがなくなった場合でも、メンテナンス動作を継続可能なインクジェットプリンターおよびインクジェットプリンターの制御方法を提供することにある。また、このようなインクジェットプリンターに着脱可能に搭載されるインクカートリッジを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明のインクジェットプリンターは、第1インクカートリッジと第2インクカートリッジが装着可能であり、印刷ヘッドと、前記第1インクカートリッジと前記印刷ヘッドとを連通させる第1インク流路と、前記第2インクカートリッジと前記印刷ヘッドとを連通させる第2インク流路と、印刷データを印刷する印刷処理動作ではインク流路を前記第1インク流路とし、前記印刷ヘッドのメンテナンス動作ではインク流路を前記第2インク流路とする流路切替部と、前記第2インクカートリッジのインク残量を監視する監視部と、前記監視部が監視した前記インク残量と前記メンテナンス動作に必要な所定量とを比較する制御部と、を有し、前記制御部が、前記監視部が監視した前記第2インクカートリッジのインク残量と前記所定量とを比較して前記インク残量が前記所定量に満たないと判断した場合に、前記流路切替部は前記メンテナンス動作においてインク流路を前記第1インク流路とすることを特徴とする。
本発明によれば、印刷処理動作ではインクが第1インクカートリッジから供給され、メンテナンス動作ではインクが第2インクカートリッジから供給される。従って、第1インクカートリッジをユーザーが購入するものとし、第2インクカートリッジをメーカーなどがサービスで提供するものとすれば、ユーザーによるメンテナンス動作分のインクの負担を軽減できる。しかし、メンテナンス動作用のインクカートリッジをメーカーがサービスで提供するものとする場合には、メンテナンス動作用のインクカートリッジのインクが終了したときに、ユーザーはメンテナンス動作用の新たなインクカートリッジがメーカーから供給されるのを待たなければならず、メンテナンス動作を行うことができなくなるという問題が発生する。このような問題に対して、本発明では、第2インクカートリッジのインク残量がメンテナンス動作を行うのに必要な所定量に満たない状態となると、メンテナンス動作においてもインク流路を第1インク流路とする。従って、第1インクカートリッジから供給されるインクによってメンテナンス動作を行うことができる。ここで、メンテナンス動作においてインク流路を第1インク流路とすると、ユーザーはメンテナンス動作に消費される分のインクを負担することになるが、上述のように限られた場合のみであるため、ユーザーの負担するインクの量はメーカーが提供する第2インクカートリッジを備えていない場合と比較して少なくて済む。なお、印刷データは、外部機器から取得する場合の他、装着されたメモリーカード等からの取得する場合、マルチファンクション機でスキャナーから取得する場合、FAXから受信する場合も含む。
本発明において、前記第2インクカートリッジのインク残量が前記所定量に満たないと判断すると、前記第1インクカートリッジのインクを用いて前記メンテナンス動作を行うか否かの選択を受け付ける入力部を備え、前記流路切替部は、前記入力部により前記第1インクカートリッジのインクを用いて前記メンテナンス動作を行うことが選択された場合に、前記メンテナンス動作においてインク流路を前記第1インク流路とするものとすることができる。このようにすれば、第1インクカートリッジのインクがメンテナンス動作に用いられることをユーザーが確認できる。
本発明において、前記第2インクカートリッジが交換されたことを検出する検出部と、インク流路を前記第1インク流路とした状態で行われ、前記メンテナンス動作で消費された前記第1インクカートリッジのインクの消費量を取得する消費量取得部と、を有し、前記流路切替部は、前記第2インクカートリッジが交換されたことを検出したときはインク流路を前記第2インク流路とし、前記印刷処理動作において前記第2インクカートリッジから前記消費量分のインクが前記印刷ヘッドから吐出されるまでの間、インク流路を前記第2インク流路に維持することが望ましい。このようにすれば、メンテナンス動作のために第1インクカートリッジから消費したインクの消費量に対応する量のインクが、第2インクカートリッジの交換後に行われる印刷処理動作において第2インクカートリッジから補填される。従って、第1インクカートリッジをユーザーが購入するものとし、第2インクカートリッジをメーカーなどがサービスで提供するものとすれば、ユーザーは、メンテナンス動作に消費される分のインクを実質的に負担しなくて済む。
本発明において、前記メンテナンス動作は、少なくとも、印刷ヘッドからインクを吐出させるフラッシング動作、および、前記印刷ヘッドからインクを吸引するインク吸引動作のいずれかを含むものとすることができる。これらの動作では、粘度の上昇したインクを印刷ヘッドから排出するために、所定量のインクを一度にインク流路に流して、粘度の上昇したインクを印刷ヘッドから排出する。すなわち、これらの動作では所定量以上のインクが消費される。従って、これらの動作に消費される分のインクを第2カートリッジから供給すれば、第1インクカートリッジのインクによって印刷できる記録紙の印刷可能枚数を増加させることができる。
本発明において、前記第1インクカートリッジは、第1識別情報を記憶保持する第1メモリーを備え、前記第2インクカートリッジは、第2識別情報を記憶保持する第2メモリーを備え、読取部を備えた前記第1インクカートリッジ用のホルダーを有し、前記読取部は、読み取ったものが前記第1識別情報か、または前記第2識別情報かにより、前記ホルダーに装着されたものが前記第1インクカートリッジか、または前記第2インクカートリッジであることを判断することが望ましい。このようにすれば、第2インクカートリッジがホルダーに装着されたときに第1インクカートリッジと区別できる。従って、第1インクカートリッジの替わりに第2インクカートリッジが用いられることを防止できる。よって、例えば、第1インクカートリッジをユーザーが購入するものとし、第2インクカートリッジをメーカーなどからサービスで提供するものとすることが可能となる。
次に、本発明の第1インクカートリッジと第2インクカートリッジが装着可能なインクジェットプリンターの制御方法は、前記第1インクカートリッジと印刷ヘッドとを連通させる第1インク流路と、前記第2インクカートリッジと前記印刷ヘッドとを連通させる第2インク流路と、を備えておき、前記第2インクカートリッジのインク残量を監視し、印刷データを印刷する印刷処理動作ではインク流路を前記第1インク流路とするとともに、前記印刷ヘッドのメンテナンス動作ではインク流路を第2インク流路とし、前記第2インクカートリッジのインク残量と前記メンテナンス動作に必要なインクの所定量とを比較して前記インク残量が前記所定量に満たないと判断した場合に、前記メンテナンス動作においてインク流路を前記第1インク流路とすることを特徴とする。
本発明によれば、印刷処理動作ではインクが第1インクカートリッジから供給され、メンテナンス動作ではインクが第2インクカートリッジから供給される。従って、第1インクカートリッジをユーザーが購入するものとし、第2インクカートリッジをメーカーなどがサービスで提供するものとすれば、ユーザーによるメンテナンス動作分のインクの負担を軽減できる。しかし、メンテナンス動作用のインクカートリッジをメーカーがサービスで提供するものとする場合には、メンテナンス動作用のインクカートリッジのインクが終了したときに、ユーザーはメンテナンス動作用の新たなインクカートリッジがメーカーから供給されるのを待たなければならず、メンテナンス動作を行うことができなくなるという問題が発生する。このような問題に対して、本発明では、第2インクカートリッジのインク残量がメンテナンス動作を行うのに必要な所定量に満たない状態となると、メンテナンス動作でもインク流路を第1インク流路とする。従って、第1インクカートリッジから供給されるインクによってメンテナンス動作を行うことができる。ここで、メンテナンス動作においてインク流路を第1インク流路とすると、ユーザーはメンテナンス動作に消費される分のインクを負担することになるが、上述のように限られた場合のみであるため、ユーザーの負担するインクの量はメーカーが提供する第2インクカートリッジを備えていない場合と比較して少なくて済む。
本発明において、前記第2インクカートリッジのインク残量が前記所定量に満たないと判断すると、前記第1インクカートリッジのインクを用いて前記メンテナンス動作を行うか否かの選択を受け付け、前記第1インクカートリッジのインクを用いて前記メンテナンス動作を行うことが選択されると、前記メンテナンス動作においてインク流路を前記第1インク流路とするものとすることができる。このようにすれば、第1インクカートリッジのインクがメンテナンス動作に用いられることをユーザーが確認できる。
本発明において、前記第2インクカートリッジの交換を監視し、インク流路を前記第1インク流路とした状態で行われ、前記メンテナンス動作で消費された前記第1インクカートリッジのインクの消費量を取得し、前記第2インクカートリッジの交換を検出したときはインク流路を前記第2インク流路とし、前記印刷処理動作において前記第2インクカートリッジから前記消費量分のインクが前記印刷ヘッドから吐出されるまでの間、インク流路を前記第2インク流路に維持することが望ましい。このようにすれば、メンテナンス動作のために第1インクカートリッジから消費したインクの消費量に対応する量のインクが、第2インクカートリッジの交換後に行われる印刷処理動作において第2インクカートリッジから補填される。従って、第1インクカートリッジをユーザーが購入するものとし、第2インクカートリッジをメーカーなどがサービスで提供するものとすれば、ユーザーは、メンテナンス動作に消費される分のインクを実質的に負担しなくて済む。
本発明において、前記メンテナンス動作には、少なくとも、印刷ヘッドからインクを吐出させるフラッシング動作および前記印刷ヘッドからインクを吸引するインク吸引動作のいずれかが含まれるものとすることができる。これらの動作ではそれぞれ所定量のインクが消費される。従って、これらの動作に消費される分のインクを第2カートリッジから供給すれば、第1インクカートリッジのインクによって印刷できる記録紙の印刷可能枚数を増加させることができる。
本発明において、前記第1インクカートリッジは、第1識別情報を記憶保持する第1メモリーを備え、前記第2インクカートリッジは、第2識別情報を記憶保持する第2メモリーを備えており、前記第1インクカートリッジ用のホルダーの読取部が読み取ったものが前記第1識別情報か、または前記第2識別情報かにより、前記ホルダーに装着されたものが前記第1インクカートリッジか、または前記第2インクカートリッジであることを判断することが望ましい。このようにすれば、第2インクカートリッジがホルダーに装着されたときに第1インクカートリッジと区別できる。従って、第1インクカートリッジの替わりに第2インクカートリッジが用いられることを防止できる。よって、例えば、第1インクカートリッジをユーザーが購入するものとし、第2インクカートリッジをメーカーなどからサービスで提供するものとすることが可能となる。
次に、本発明は、インクを貯留するインクカートリッジ本体とメモリーとを有し、前記メモリーを読み取るための接続部を備えるホルダーに着脱可能に装着されて印刷ヘッドに前記インクを供給するインクジェットプリンターのメンテナンス用のインクカートリッジにおいて、前記メモリーには、識別情報が記憶保持されており、前記識別情報は、メンテナンス動作に際してインクカートリッジ本体から前記印刷ヘッドに前記インクを供給することを示すものであることを特徴とする。
本発明のインクカートリッジによれば、インクジェットプリンターの側で、インクカートリッジに貯留されたインクがメンテナンス動作に際して用いられるものであることを判別できる。
以下に図面を参照して本発明の実施の形態にかかるインクジェットプリンターを説明する。
図1は本発明の実施の形態に係るインクジェットプリンターのインク供給系の概略構成図である。本例のプリンター1はカラー印刷が可能なインクジェットプリンターである。図1に示すように、プリンター1は、印刷ヘッド2と制御部3を備える。また、プリンター1は、第1インクカートリッジ5、第2インクカートリッジ6、第1インクカートリッジ5と印刷ヘッド2とを連通させる第1インク流路7、および、第2インクカートリッジ6と印刷ヘッド2とを連通させる第2インク流路8を備える。
第1インクカートリッジ5は、第1ホルダー11に着脱可能に装着されて第1インク流路7に接続される。第2インクカートリッジ6は、第2ホルダー12に着脱可能に装着されて第2インク流路8に接続される。ここで、第1インク流路7と第2インク流路8は、印刷ヘッド2に接続された下流端側流路部分が共通流路13となっている。従って、第1インク流路7は、第1ホルダー11から共通流路13に至る第1上流側流路部分7aと共通流路13から構成される。第2インク流路8は、第2ホルダー12から共通流路13に至る第2上流側流路部分8aと共通流路13から構成される。
第1インク流路7の第1上流側流路部分7aには、第1開閉弁15が設けられている。第2インク流路8の第2上流側流路部分8aには、第2開閉弁16が設けられている。印刷ヘッド2、第1開閉弁15および第2開閉弁16は制御部3により駆動制御される。
第1インクカートリッジ5は、インクが貯留された第1インクカートリッジ本体18と、第1インクカートリッジ本体18に取り付けられた第1ICメモリー19を備える。第1ICメモリー19には、第1インクカートリッジ本体18に貯留されたインクの色や製造日を表わすインク情報、第1インクカートリッジ本体18内のインクのインク残量、第1識別情報が記憶保持される。第1識別情報は、第1インクカートリッジ本体18に貯留されたインクが、外部の機器から供給された印刷データを印刷する印刷処理動作に用いられるものであることを示すものである。
第2インクカートリッジ6は、インクが貯留された第2インクカートリッジ本体20と、第2インクカートリッジ本体20に取り付けられた第2ICメモリー21を備える。第2ICメモリー21には、第2インクカートリッジ本体20に貯留されたインクの色や製造日を表わすインク情報、第2インクカートリッジ本体20内のインクのインク残量、第2識別情報が記憶保持される。第2識別情報は、第1識別情報とは相違する情報であり、インクカートリッジ本体20内のインクが印刷ヘッド2のメンテナンス動作が行われる間、印刷ヘッド2に供給されるものであることを示すものである。
第1ホルダー11は、当該第1ホルダー11に装着された第1インクカートリッジ5の第1ICメモリー19に電気的に接続される第1接続部(読取部)23を備える。制御部3は、第1接続部23を介して第1ICメモリー19からインク情報、インク残量、識別情報を読み取るとともに、印刷ヘッド2から吐出されたインク量に基づいてインク残量の値を更新する。第2ホルダー12は、当該第2ホルダー12に装着された第2インクカートリッジ6の第2ICメモリー21に電気的に接続される第2接続部24を備える。制御部3は、第2接続部24を介して第2ICメモリー21からインク情報、インク残量、識別情報を読み取るとともに、印刷ヘッド2から吐出されたインク量に基づいてインク残量の値を更新する。
ここで、本例では、図1に示すように、第1インクカートリッジ5として、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各インクをそれぞれ貯留する第1シアンインクカートリッジ5(1)、第1マゼンタインクカートリッジ5(2)、第1イエローインクカートリッジ、および、第1ブラックインクカートリッジ5(4)を備える。また、第2インクカートリッジ6として、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各インクをそれぞれ貯留する第2シアンインクカートリッジ6(1)、第2マゼンタインクカートリッジ6(2)、第2イエローインクカートリッジ6(3)、および、第2ブラックインクカートリッジ6(4)を備える。各第1インクカートリッジ5に貯留されたインクと、各第2インクカートリッジ6に貯留されたインクは同種のものである。すなわち、第1インクカートリッジ5のシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各インクと、第2インクカートリッジ6のシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各インクは、同種のものである。
また、本例では、第1インク流路7として、第1シアンインクカートリッジ5(1)と印刷ヘッド2を連通させるシアンインク用の第1インク流路7、第1マゼンタインクカートリッジ5(2)と印刷ヘッド2を連通させるマゼンタインク用の第1インク流路7、第1イエローインクカートリッジ5(3)と印刷ヘッド2を連通させるイエローインク用の第1インク流路7、および、第1ブラックインクカートリッジ5(4)と印刷ヘッド2を連通させるブラックインク用の第1インク流路7を備える。また、第2インク流路8として、第2シアンインクカートリッジ6(1)と印刷ヘッド2を連通させるシアンインク用の第2インク流路8、第2マゼンタインクカートリッジ6(2)と印刷ヘッド2を連通させるマゼンタインク用の第2インク流路8、第2イエローインクカートリッジ6(3)と印刷ヘッド2を連通させるイエローインク用の第2インク流路8、および、第2ブラックインクカートリッジ6(4)と印刷ヘッド2を連通させるブラックインク用の第2インク流路8を備える。第1開閉弁15は各第1インク流路7の上流側流路部分7aに設けられている。第2開閉弁16は各第2インク流路8に設けられている。
次に、プリンター1は、印刷ヘッド2をメンテナンスするためのメンテナンス機構27を備える。メンテナンス機構27は、印刷ヘッド2のインクノズル面2aを封鎖可能なヘッドキャップ28と、ヘッドキャップ28を昇降させる昇降機構29を有する。昇降機構29は、ヘッドキャップ28を、インクノズル面2aを封鎖する封鎖位置と、インクノズル面2aと所定の間隔を開けて当該インクノズル面2aに対向する離間位置との間で昇降させる。昇降機構29は、駆動源として昇降モーター30を備える。また、メンテナンス機構27は、ヘッドキャップ28が封鎖位置にあるときに、インクノズル面2aとヘッドキャップ28により形成される空間内に負圧を発生させて印刷ヘッド2からインクを吸引する吸引ポンプ31を備える。さらに、メンテナンス機構27は、吸引ポンプ31により吸引したインクを貯留する廃インクタンク32を備える。
さらに、プリンター1は、印刷ヘッド2を経由する紙搬送路に沿って記録紙を搬送する搬送機構を備える。搬送機構は駆動源として搬送モーター33を備える(図2参照)。また、プリンター1は、プリンター1のステータスを表示するとともに、プリンター1に対する各種の命令の入力を受け付けるタッチパネル34を備える(図2参照)。タッチパネル34は、表示部と入力部を有していればよい。
(制御系)
図2は図1のインクジェットプリンターの制御系の概略ブロック図である。図3(a)はタッチパネル34に表示される指示画面の説明図であり、図3(b)はタッチパネル34に表示される選択画面の説明図である。
図2は図1のインクジェットプリンターの制御系の概略ブロック図である。図3(a)はタッチパネル34に表示される指示画面の説明図であり、図3(b)はタッチパネル34に表示される選択画面の説明図である。
プリンター1の制御系はCPUを備える制御部3を中心に構成されている。制御部3の入力側には通信部35が接続されている。制御部3の出力側には、印刷ヘッド2、昇降モーター30、吸引ポンプ31および搬送モーター33が接続されている。また、制御部3には第1接続部23、第2接続部24、タッチパネル34および記憶部36が接続されている。記憶部36は書き換え可能な不揮発性メモリーである。記憶部36には、インク消費量テーブル51と補填インク量テーブル52が記憶保持されている。
通信部35は、プリンター1と、コンピューターなどの外部の機器との間の通信を可能とする。外部の機器から供給される印刷データは通信部35を介して制御部3に入力される。
制御部3は、印刷処理動作を司る印刷制御部41、印刷ヘッド2のメンテナンス動作を司るメンテナンス制御部42、インク供給系を制御するインク供給制御部43を備える。
印刷制御部41は、印刷データが制御部3に供給されると、印刷処理動作を行う。印刷処理動作では、印刷制御部41は、印刷ヘッド2および搬送モーター33を駆動して、搬送路を搬送される記録紙に印刷を施す。
メンテナンス制御部42は、メンテナンス動作として、予め定めた一定期間を経過する毎にフラッシング動作を行う。フラッシング動作は、印刷ヘッド2のインクノズルの目詰まりを防止するために行われる。フラッシング動作では、メンテナンス制御部42は、昇降モーター30を駆動してヘッドキャップ28を離間位置に配置するとともに、印刷ヘッド2を駆動して印刷ヘッド2(インクノズル)からヘッドキャップ28に向って所定量のインクを吐出させる。
また、メンテナンス制御部42は、メンテナンス動作として、吸引動作を行う。吸引動作は、制御部3に吸引命令が供給されることにより行われる。吸引命令が制御部3に供給される場合とは、例えば、印刷結果に印字のかすれなどが現われたときなどに、ユーザーがプリンター1に通信可能に接続されたホスト装置を操作して、ホスト装置からプリンター1に吸引命令を送信した場合である。また、吸引命令が制御部3に供給される場合とは、印刷結果に印字のかすれなどが現われたときなどに、ユーザーが、タッチパネル34に表示された吸引命令ボタンをタッチした場合である。
インク供給制御部43は、インクカートリッジ確認部(検出部)45、インク残量管理部46、インク残量監視部(監視部・制御部)47、入力部48、流路切替部49、および、インク消費量管理部(消費量取得部)50を備える。
インクカートリッジ確認部45は、第1接続部23を介して第1ホルダー11に装着された各第1インクカートリッジ5の第1ICメモリー19からインク情報および識別情報を取得する。また、インクカートリッジ確認部45は、インク情報および識別情報の取得により、各第1インクカートリッジ5の交換を検出する。さらに、インクカートリッジ確認部45は、第1接続部23とICメモリー19との切断と接続の検出によって、各第1インクカートリッジ5の交換を検出する。同様に、インクカートリッジ確認部45は、第2接続部24を介して第2ホルダー12に装着された各第2インクカートリッジ6の第2ICメモリー21からインク情報および識別情報を取得する。また、インクカートリッジ確認部45は、インク情報および識別情報の取得により、各第2インクカートリッジ6の交換を検出する。さらに、インクカートリッジ確認部45は、第2接続部24とICメモリー21との切断と接続の検出によって、各第2インクカートリッジ6の交換を検出する。
また、インクカートリッジ確認部45は、インク情報および識別情報に基づいて、各インクカートリッジ5、6が各ホルダー11、12の所定の位置に適切に装着されているか否かを判定する。そして、インクカートリッジ確認部45は、各ホルダー11、12に色違いのインクカートリッジ5、6が装着された場合、第2インクカートリッジ6が第1ホルダー11に装着された場合、第1インクカートリッジ5が第2ホルダー12に装着された場合に、タッチパネル34に警告を表示して、各インクカートリッジ5、6の適切な位置への装着をユーザーに促す。また、各インクカートリッジ5、6が正確に装着されるまで、印刷制御部41による印刷処理動作およびメンテナンス制御部42によるメンテナンス動作を不能とする。
インク残量管理部46は、印刷処理動作およびメンテナンス動作において印刷ヘッド2から吐出された各色のインクの消費量を取得する。また、インク残量管理部46は、各色のインクの消費量と、印刷ヘッド2がインクを吐出した時点で使用されたインク流路に基づいて、各インクカートリッジ5、6内のインクのインク残量を算出する。そして、インク残量管理部46は、算出したインク残量を、所定のタイミングで、各インクカートリッジ5、6のICメモリー19、21に書き込む。
また、インク残量管理部46は、各インクカートリッジ5、6のインク残量が予め設定した量を下回った場合には、タッチパネル34にインクカートリッジ5、6の交換を促す指示画面46aを表示する。図3(a)は、第2インクカートリッジ6の交換を促す指示画面46aの例である。ここで、インクの消費量は、印刷ヘッド2が吐出するインク滴の大きさおよび数(ショット数)に基づいて取得できる。また、フラッシング動作によるインクの消費量は予め判っている。吸引動作によるインクの消費量は、吸引ポンプ31の駆動時間(ポンプモーターの駆動時間)に基づいて取得できる。なお、指示画面46aは、プリンター1に接続された外部の機器のディスプレイに表示することもできる
インク残量監視部47は、第1インクカートリッジ5のインク残量がメンテナンス動作を行うのに必要な所定量以上であるかを監視する。また、インク残量監視部47は、第2インクカートリッジ6のインク残量がメンテナンス動作を行うのに必要な所定量以上であるかを監視する。すなわち、インク残量監視部47は、インク残量と所定量を比較して、インク残量が所定量以上か否かを判断する。第1インクカートリッジ5のインク残量や第2インクカートリッジ6のインク残量がメンテナンス動作に必要な所定量以上か否かの判定は閾値を用いて行う。ここで、フラッシング動作や吸引動作に必要なインクの所定量は実験などにより測定した値から予測できる。従って、インク残量監視部47は、このような予測値から設定した閾値を用いて判定を行うことができる。
入力部48は、インク残量監視部47によって第2インクカートリッジ6のインク残量がメンテナンス動作を行うのに必要な所定量に満たないことが検出されると、タッチパネル34に選択画面48aを表示して、第1インクカートリッジ5のインクを用いてメンテナンス動作を行うか否かの選択を受け付ける。選択画面48aは、図3(b)に示すものである。なお、選択画面48aは、プリンター1に接続された外部の機器のディスプレイに表示することもできる。
流路切替部49は、第1開閉弁15および第2開閉弁16を駆動して、インク流路を第1インク流路7と第2インク流路8の間で選択的に切り換える。
より具体的には、流路切替部49は、印刷処理動作ではインク流路を第1インク流路とし、印刷ヘッド2のメンテナンス動作ではインク流路を第2インク流路とする。すなわち、流路切替部49は、印刷制御部41が印刷処理動作を開始する際に第1開閉弁15を開状態とし、第2開閉弁16を閉状態とする。そして、流路切替部49は、印刷処理動作が行われる間、第1インクカートリッジ5から印刷ヘッド2にインクを供給可能な状態を形成する。同様に、流路切替部49は、メンテナンス制御部42がメンテナンス動作を開始する際に第1開閉弁15を閉状態とし、第2開閉弁16を開状態とする。そして、流路切替部49は、メンテナンス動作が行われる間、第2インクカートリッジ6から印刷ヘッド2にインクを供給可能な状態を形成する。
また、流路切替部49は、入力部48に第1インクカートリッジ5を使ってメンテナンス動作を行うことが入力された場合に、メンテナンス動作においてもインク流路を第1インク流路7とする。すなわち、流路切替部49は、インク残量監視部47が第2インクカートリッジ6のインク残量がメンテナンス動作を行うのに必要な所定量に満たないと判断した場合には、選択画面48aに「はい」の入力が行われた後に、インク流路を第1インク流路7とする。そして、流路切替部49は、第2インクカートリッジ6の交換が検出され、第2インクカートリッジ6のインク残量が所定量以上であることが検出されるまで、インク流路を第2インク流路8とした状態を維持する。
インク消費量管理部50は、インク流路を第1インク流路7とした状態で行われたメンテナンス動作で消費された各色のインクの消費量を取得する。そして、インク消費量管理部50は、取得した各色のインクの消費量を記憶部36のインク消費量テーブル51に記憶する。また、インク消費量管理部50は、インク流路を第1インク流路7とした状態でメンテナンス動作が複数回行われる場合には、各メンテナンス動作で消費された各色のインクの消費量を積算した値をインク消費量テーブル51に記憶する。インク消費量テーブル51は、インクの消費量とインクの色(シアンC、マセンタM、イエローY、ブラックK)とを対応付けた形態で記憶保持する(図5(b)参照)。なお、フラッシング動作によるインクの消費量は予め判っており、吸引動作によるインクの消費量は、吸引ポンプ31(ポンプモーター)の駆動時間に基づいて取得できる。従って、インク消費量管理部50はメンテナンス動作で消費されたインクの消費量を取得できる。
また、インク消費量管理部50は、インクカートリッジ確認部45が第1インクカートリッジ5または第2インクカートリッジ6の交換を検出したときに、インク消費量テーブル51に記憶保持された各色のインクの消費量の値をコピーして、補填インク量として補填インク量テーブル52に記憶する。これにより補填インク量テーブル52は、補填インク量とインクの色(シアンC、マセンタM、イエローY、ブラックK)とを対応付けた形態で記憶保持する(図5(b)参照)。さらに、インク消費量管理部50は、各色のインクの消費量を補填インク量として補填インク量テーブル52に記憶すると、インク消費量テーブル51の各色のインクの消費量の値をゼロとする。
ここで、流路切替部49は、インクカートリッジ確認部45が第2インクカートリッジ6の交換を検出したときに補填インク量テーブル52を参照し、補填インク量がゼロより大きな値となっている色がある場合には、その色のインクを印刷ヘッド2に供給するインク流路を第2インク流路8とする。換言すれば、流路切替部49は、インクカートリッジ確認部45が第2インクカートリッジ6の交換を検出した時点でインク消費量管理部50が消費量を取得している場合には、消費量が取得されている色のインクを供給するインク流路を第2インク流路8とする。
また、流路切替部49は、補填インク量がゼロより大きな値であることに基づいてインク流路を第2インク流路8とした場合には、その後に行われる印刷処理動作において補填インク量分(消費量分)のインクが印刷ヘッド2から吐出されるまでの間、インク流路を第2インク流路8に維持する。
より具体的には、流路切替部49は、インク流路を第2インク流路8とした後に行われる印刷処理動作において印刷ヘッド2からインクが吐出されると、印刷処理動作の単位動作が終了する毎に印刷ヘッド2が吐出した各色のインクの消費量を取得する。印刷処理動作の単位動作は、例えば、1行分の印刷データの印刷である。そして、流路切替部49は、取得した消費量を補填インク量テーブル52の対応する色の補填インク量から逐次に減算する。その後、流路切替部49は、減算後の補填インク量がゼロになる時点までインク流路を第2インク流路8に維持する。そして、補填インク量がゼロとなった後には、流路切替部49は流路切り替え動作を通常に戻す。すなわち、流路切替部49は、印刷処理動作ではインク流路を第1インク流路7とし、印刷ヘッド2のメンテナンス動作ではインク流路を第2インク流路8とする。なお、印刷処理動作の単位動作は1頁分の印刷データの印刷とすることもできる。また、プリンター1がシリアルプリンターである場合には、印刷処理動作の単位動作を印刷ヘッド2が1方向に走査しながら行う1パス分の印刷とすることもできる。
(メンテナンス動作)
図4はメンテナンス動作のフローチャートである。プリンター1に電源が投入されると、プリンター1は、各ホルダー11、12に第1インクカートリッジ5および第2インクカートリッジ6が適切に装着されているか否かを判断する。各インクカートリッジ5、6が適切に装着されている場合には、プリンター1は、印刷データの供給や、タッチパネル34を介しての命令を待つ待機状態となる。
図4はメンテナンス動作のフローチャートである。プリンター1に電源が投入されると、プリンター1は、各ホルダー11、12に第1インクカートリッジ5および第2インクカートリッジ6が適切に装着されているか否かを判断する。各インクカートリッジ5、6が適切に装着されている場合には、プリンター1は、印刷データの供給や、タッチパネル34を介しての命令を待つ待機状態となる。
その後、印刷データが供給されると印刷制御部41は印刷処理動作を行う。印刷処理動作に際して流路切替部49はインク流路を第1インク流路7とする。また、メンテナンス制御部42は一定期間が経過する毎にフラッシング動作を行う。さらに、メンテナンス制御部42は、ユーザーによる吸引命令の供給により、吸引動作を行う。
ここで、メンテナンス動作(フランシング動作および吸引動作)が行われる際には(ステップST1)、インク残量監視部47が第2インクカートリッジ6のインク残量がメンテナンス動作を行うのに必要な所定量以上か否かを判断する(ステップST2)。
第2インクカートリッジ6のインク残量がメンテナンス動作を行うのに必要な所定量以上の場合には(ステップST2:Yes)、メンテナンス制御部42によってメンテナンス動作が行われる。ここで、流路切替部49は、メンテナンス動作が行われる前にインク流路を第2インク流路8とし、メンテナンス動作の間、インク流路を第2インク流路8に維持する(ステップST3、ステップST4)。
第2インクカートリッジ6のインク残量がメンテナンス動作を行うのに必要な所定量に満たない場合には(ステップST2:No)、インク残量監視部47は、第1インクカートリッジ5のインク残量がメンテナンス動作を行うのに必要な所定量以上か否かを判断する(ステップST5)。ここで、第1インクカートリッジ5のインク残量が所定量以上の場合には(ステップST5:Yes)、入力部48は選択画面48aを表示する(ステップST6)。そして、入力部48は、ユーザーによって、第1インクカートリッジ5のインクを用いてメンテナンス動作を行うか否かの選択が入力されるのを待つ(ステップST7)。選択画面48aは、所定量に満たないインクカートリッジとその色を表示してもよい。
その後、第1インクカートリッジ5のインクを用いてメンテナンス動作を行うことが入力されると(ステップST7:Yes)、流路切替部49はインク流路を第1インク流路7に切り換える(ステップST8)。そして、流路切替部49は、その後に行われるメンテナンス動作において、インク流路を第1インク流路7に維持する(ステップST8、ステップST9)。
ここで、ステップST9におけるメンテナンス動作はインク流路を第1インク流路7とした状態で行われている。従って、インク消費量管理部50は、メンテナンス動作で消費した各色のインクの消費量を取得して、この消費量をインク消費量テーブル51に記憶する(ステップST10)。
次に、ステップST5において、第1インクカートリッジ5のインク残量がメンテナンス動作を行うのに必要な所定量に満たないと判断された場合には(ステップST5:No)、インク残量管理部46は、タッチパネル34に第2インクカートリッジ5の交換を促す指示画面を表示する(ステップST11)。また、第1インクカートリッジ5の交換を促す指示画面を表示してもよい。また、ステップST7において、第1インクカートリッジ5のインクを用いてメンテナンス動作を行うことが選択されなかった場合には(ステップST7:No)、インク残量管理部46はタッチパネル34に第2インクカートリッジ6の交換を促す指示画面46aを表示する(ステップST11)。その後、プリンター1はインク残量が所定量に満たないインクカートリッジ(第1インクカートリッジ5または第2インクカートリッジ6)がユーザーによって交換されるのを待つ(ステップST12)。
ここで、インク残量が所定量に満たないインクカートリッジ(第1インクカートリッジ5または第2インクカートリッジ6)が交換されると(ステップST12:Yes)、プリンター1ではインクカートリッジの交換時の処理動作が行われる(ステップST13)。
(インクカートリッジの交換時の処理動作)
図5(a)は図4のステップST13における第2インクカートリッジ6の交換時の処理動作のフローチャートであり、図5(b)は第2インクカートリッジ6の交換時の処理動作の説明図である。図5(a)に示すように、第2インクカートリッジ6が交換されたことがインクカートリッジ確認部45により検出されると(ステップST21)、インク消費量管理部50はインク消費量テーブル51に記憶保持された交換されたインクカートリッジの色のインクの消費量の値をコピーする。そして、図5(b)に示すように、インク消費量管理部50はコピーした値を該当する色のインクの補填インク量として補填インク量テーブル52に記憶する。また、インク消費量管理部50は、該当する色のインクの消費量を補填インク量として補填インク量テーブル52にコピーすると、インク消費量テーブル51に記憶保持された該当する色のインクの消費量の値をゼロとする(ステップST22)。なお、第1インクカートリッジの場合も同様となる。
図5(a)は図4のステップST13における第2インクカートリッジ6の交換時の処理動作のフローチャートであり、図5(b)は第2インクカートリッジ6の交換時の処理動作の説明図である。図5(a)に示すように、第2インクカートリッジ6が交換されたことがインクカートリッジ確認部45により検出されると(ステップST21)、インク消費量管理部50はインク消費量テーブル51に記憶保持された交換されたインクカートリッジの色のインクの消費量の値をコピーする。そして、図5(b)に示すように、インク消費量管理部50はコピーした値を該当する色のインクの補填インク量として補填インク量テーブル52に記憶する。また、インク消費量管理部50は、該当する色のインクの消費量を補填インク量として補填インク量テーブル52にコピーすると、インク消費量テーブル51に記憶保持された該当する色のインクの消費量の値をゼロとする(ステップST22)。なお、第1インクカートリッジの場合も同様となる。
本例では、図5(b)に示すように、インク消費量テーブル51はインクの色に対応するC、M、Y、Kの4つの欄を備える。また、補填インク量テーブル52はインクの色に対応するC、M、Y、Kの4つの欄を備える。ここで、図4のステップST9においてメンテナンス動作が行われた場合には、その後に続くステップST10においてインク消費量管理部50はインク消費量テーブル51の各欄に、シアンCのインクの消費量、マセンタMのインクの消費量、イエローYのインクの消費量、ブラックKのインクの消費量を記憶する。従って、その後にインクカートリッジ5、6が交換されると、インク消費量テーブル51の各欄に記憶された各色のインクの消費量が補填インク量として補填インク量テーブル52のC、M、Y、Kの各欄にして記憶される。
(第2インクカートリッジの交換後に行われる印刷処理動作)
図6は第2インクカートリッジ6の交換後に行われる印刷処理動作のフローチャートであり、メンテナンス動作を第1インクカートリッジで行った後にインク補填する場合である。なお、インク補填するかどうかは、補填インク量テーブル52に0でない色があるか否かなので、補填インク量テーブル52に0でない色があるときに、図6のフローチャートを実行することになる。第2インクカートリッジ6が交換された後に印刷処理動作が行われる場合には、流路切替部49は補填インク量テーブル52を参照する。そして、補填インク量テーブル52の各欄に記憶された補填インク量が0か否かを確認する(ステップST31)。
図6は第2インクカートリッジ6の交換後に行われる印刷処理動作のフローチャートであり、メンテナンス動作を第1インクカートリッジで行った後にインク補填する場合である。なお、インク補填するかどうかは、補填インク量テーブル52に0でない色があるか否かなので、補填インク量テーブル52に0でない色があるときに、図6のフローチャートを実行することになる。第2インクカートリッジ6が交換された後に印刷処理動作が行われる場合には、流路切替部49は補填インク量テーブル52を参照する。そして、補填インク量テーブル52の各欄に記憶された補填インク量が0か否かを確認する(ステップST31)。
確認した欄の補填インク量が0の場合には(ステップST31:Yes)、流路切替部49は、その欄の色のインクを供給するインク流路を第1インク流路7とする(ステップST32)。ここで、確認した欄の補填インク量が0の場合とは、インク流路を第1インク流路8とした状態でメンテナンス動作が行われていない場合である。また、確認した欄の補填インク量が0の場合とは、インク流路を第1インク流路8とした状態で行われたメンテナンス動作において当該色のインクが消費されていない場合である。従って、流路切替部49は、通常の流路切り替え動作のとおり、印刷処理動作においてインク流路を第1インク流路7として、第1インクカートリッジ5から印刷ヘッド2にインクを供給可能な状態を形成する。
一方、確認した欄の補填インク量が0より大きい場合には(ステップST31:No)、流路切替部49は、その欄の色のインクを供給するインク流路を第2インク流路8とする(ステップST33)。ここで、確認した欄の補填インク量が0より大きい場合とは、インク流路を第1インク流路8とした状態で行われたメンテナンス動作において当該色のインクが消費されている場合である。従って、流路切替部49は印刷処理動作においてインク流路を第2インク流路8として、第2インクカートリッジ6から印刷ヘッド2にインクを供給可能な状態を形成する。これにより、メンテナンス動作において第1インクカートリッジ5から消費された分のインクを第2インクカートリッジ6から供給可能とする。
ステップST32、ST34によるインク流路の選択は、各色のインク流路について行われる(ステップST31〜ステップST34)。
その後、印刷制御部41により印刷処理動作の単位動作が行われる(ステップST35)。ここで、単位動作が行われると、流路切替部49は各色のインクの消費量を取得する。また、流路切替部49は、補填インク量テーブル52の各欄の補填インク量がゼロか否かを確認して(ステップST36)、補填インク量がゼロでない場合には(ステップST36:No)、補填インク量テーブル52の対応する色の欄の補填インク量からインクの消費量を減算する(ステップST37)。ステップST34、ST35による補填インク量からのインクの消費量の減算は、補填インク量テーブル52の全ての欄について(全ての色について)行われる(ステップST35〜ステップST38)。
その後は、印刷データの印刷が終了するまでステップST31〜ステップST38の動作が繰り返される。ここで、ステップST35の単位動作が繰り返される間に補填インク量テーブル52の補填インク量がゼロとなると(ステップST31)、流路切替部49は補填インク量がゼロとなった色のインク流路を第1インク流路とする(ステップST32)。これにより、メンテナンス動作において第1インクカートリッジ5から消費された分のインクの第2インクカートリッジ6からの補填が終了する。そして、補填インク量テーブル52の全ての欄の補填インク量がゼロとなると、流路切替部49は、通常の流路切り替え動作とする。すなわち、流路切替部49は、印刷処理動作においてインク流路を第1インク流路7とし、メンテナンス動作においてインク流路を第2インク流路8とする。
(作用効果)
本例のインクジェットプリンター1によれば、印刷処理動作ではインクが第1インクカートリッジ5から供給され、メンテナンス動作ではインクが第2インクカートリッジ6から供給される。従って、第1インクカートリッジ5をユーザーが購入するものとし、第2インクカートリッジ6をメーカーなどがサービスで提供するものとすれば、ユーザーによるメンテナンス動作分のインクの負担を軽減できる。しかし、メンテナンス動作用のインクカートリッジをメーカーがサービスで提供するものとする場合には、メンテナンス動作用のインクカートリッジのインクが終了したときに、ユーザーはメンテナンス動作用の新たなインクカートリッジがメーカーから供給されるのを待たなければならず、メンテナンス動作を行うことができなくなるという問題が発生する。このような問題に対して、本例では、第2インクカートリッジ6のインク残量がメンテナンス動作を行うのに必要な所定量に満たない状態では、流路切替部49はメンテナンス動作でもインク流路を第1インク流路7とする。従って、第1インクカートリッジ5から供給されるインクによってメンテナンス動作を行うことができる。
本例のインクジェットプリンター1によれば、印刷処理動作ではインクが第1インクカートリッジ5から供給され、メンテナンス動作ではインクが第2インクカートリッジ6から供給される。従って、第1インクカートリッジ5をユーザーが購入するものとし、第2インクカートリッジ6をメーカーなどがサービスで提供するものとすれば、ユーザーによるメンテナンス動作分のインクの負担を軽減できる。しかし、メンテナンス動作用のインクカートリッジをメーカーがサービスで提供するものとする場合には、メンテナンス動作用のインクカートリッジのインクが終了したときに、ユーザーはメンテナンス動作用の新たなインクカートリッジがメーカーから供給されるのを待たなければならず、メンテナンス動作を行うことができなくなるという問題が発生する。このような問題に対して、本例では、第2インクカートリッジ6のインク残量がメンテナンス動作を行うのに必要な所定量に満たない状態では、流路切替部49はメンテナンス動作でもインク流路を第1インク流路7とする。従って、第1インクカートリッジ5から供給されるインクによってメンテナンス動作を行うことができる。
ここで、第1インクカートリッジ5をユーザーが購入するものとし、第2インクカートリッジ6をメーカーなどがサービスで提供するものとしたときに、メンテナンス動作においてインク流路を第1インク流路7とすると、ユーザーはメンテナンス動作に消費される分のインクを負担することになる。これに対して、本例では、メンテナンス動作のために第1インクカートリッジ5から消費したインクの消費量に対応する量のインクが、第2インクカートリッジ6の交換後に行われる印刷処理動作において第2インクカートリッジ6から補填される。よって、ユーザーは、メンテナンス動作に消費される分のインクを実質的に負担しなくて済む。
また、本例では、第2インクカートリッジ6のインク残量が所定量に満たないことが検出されると、第1インクカートリッジ5のインクを用いてメンテナンス動作を行うか否かの選択を受け付け、第1インクカートリッジ5のインクを用いてメンテナンス動作を行うことが選択されると、流路切替部49がインク流路を第1インク流路7に切り換える。従って、第1インクカートリッジ5のインクがメンテナンス動作に用いられることをユーザーが確認できる。
さらに、本例では、ICメモリー19、21に記録された識別情報に基づいて、第1インクカートリッジ5と第2インクカートリッジ6を区別できる。従って、第1インクカートリッジ5の替わりに第2インクカートリッジ6が第1ホルダー11に装着されて使用されることを防止できる。よって、第1インクカートリッジ5をユーザーが購入するものとし、第2インクカートリッジ6をメーカーなどからサービスで提供するものとすることが可能となる。あるいは、第2インクカートリッジ6をリースなどによってユーザーに貸し出すことができる。
なお、第2インクカートリッジ6のインク残量がメンテナンス動作を行うのに必要な所定量に満たない状態となると、ユーザーに確認することなく、メンテナンス動作においてもインク流路を第1インク流路7とするようにしてもよい。
また、メンテナンス動作には、インクカートリッジ5、6を交換したときに、印刷ヘッド2にインクを充填する初期充填動作を含んでもよい。
さらに、流路を切り替える場合は、現在の流路を記憶しておき、切り替え不要の場合はそのまま維持してもよい。
1・・プリンター(インクジェットプリンター)、2・・印刷ヘッド、2a・・インクノズル面、3・・制御部、5・・第1インクカートリッジ、6・・第2インクカートリッジ、7・・第1インク流路、7a・・上流側流路部分、8・・第2インク流路、8a・・上流側流路部分、11・・第1ホルダー、12・・第2ホルダー、13・・共通流路、15・・第1開閉弁、16・・第2開閉弁、18・・第1インクカートリッジ本体、19・・第2ICメモリー、20・・第2インクカートリッジ本体、21・・第2ICメモリー、23・・第1接続部(読取部)、24・・第2接続部、27・・メンテナンス機構、28・・ヘッドキャップ、29・・昇降機構、30・・昇降モーター、31・・吸引ポンプ、32・・廃インクタンク、33・・搬送モーター、34・・タッチパネル、35・・通信部、36・・記憶部、41・・印刷制御部、42・・メンテナンス制御部、43・・インク供給制御部、45・・インクカートリッジ確認部(検出部)、46・・インク残量管理部、46a・・指示画面、47・・インク残量監視部(監視部・制御部)、48・・入力部、48a・・選択画面、49・・流路切替部、50・・インク消費量管理部(消費量取得部)、51・・インク消費量テーブル、52・・補填インク量テーブル
Claims (11)
- 第1インクカートリッジと第2インクカートリッジが装着可能であり、
印刷ヘッドと、
前記第1インクカートリッジと前記印刷ヘッドとを連通させる第1インク流路と、
前記第2インクカートリッジと前記印刷ヘッドとを連通させる第2インク流路と、
印刷データを印刷する印刷処理動作ではインク流路を前記第1インク流路とし、前記印刷ヘッドのメンテナンス動作ではインク流路を前記第2インク流路とする流路切替部と、
前記第2インクカートリッジのインク残量を監視する監視部と、
前記監視部が監視した前記インク残量と前記メンテナンス動作に必要な所定量とを比較する制御部と、を有し、
前記制御部が、前記監視部が監視した前記第2インクカートリッジのインク残量と前記所定量とを比較して前記インク残量が前記所定量に満たないと判断した場合に、前記流路切替部は前記メンテナンス動作においてインク流路を前記第1インク流路とすることを特徴とするインクジェットプリンター。 - 請求項1において、
前記第2インクカートリッジのインク残量が前記所定量に満たないと判断すると、前記第1インクカートリッジのインクを用いて前記メンテナンス動作を行うか否かの選択を受け付ける入力部を備え、
前記流路切替部は、前記入力部により前記第1インクカートリッジのインクを用いて前記メンテナンス動作を行うことが選択された場合に、前記メンテナンス動作においてインク流路を前記第1インク流路とすることを特徴とするインクジェットプリンター。 - 請求項2において、
前記第2インクカートリッジが交換されたことを検出する検出部と、
インク流路を前記第1インク流路とした状態で行われ、前記メンテナンス動作で消費された前記第1インクカートリッジのインクの消費量を取得する消費量取得部と、を有し、
前記流路切替部は、前記第2インクカートリッジが交換されたことを検出したときはインク流路を前記第2インク流路とし、前記印刷処理動作において前記第2インクカートリッジから前記消費量分のインクが前記印刷ヘッドから吐出されるまでの間、インク流路を前記第2インク流路に維持することを特徴とするインクジェットプリンター。 - 請求項1ないし3のうちのいずれかの項において、
前記メンテナンス動作は、少なくとも、印刷ヘッドからインクを吐出させるフラッシング動作、および、前記印刷ヘッドからインクを吸引するインク吸引動作のいずれかを含むことを特徴とするインクジェットプリンター。 - 請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
前記第1インクカートリッジは、第1識別情報を記憶保持する第1メモリーを備え、
前記第2インクカートリッジは、第2識別情報を記憶保持する第2メモリーを備え、
読取部を備えた前記第1インクカートリッジ用のホルダーを有し、
前記読取部は、読み取ったものが前記第1識別情報か、または前記第2識別情報かにより、前記ホルダーに装着されたものが前記第1インクカートリッジか、または前記第2インクカートリッジであることを判断することを特徴とするインクジェットプリンター。 - 第1インクカートリッジと第2インクカートリッジが装着可能なインクジェットプリンターの制御方法であって、
前記第1インクカートリッジと印刷ヘッドとを連通させる第1インク流路と、前記第2インクカートリッジと前記印刷ヘッドとを連通させる第2インク流路と、を備えておき、
前記第2インクカートリッジのインク残量を監視し、
印刷データを印刷する印刷処理動作ではインク流路を前記第1インク流路とするとともに、前記印刷ヘッドのメンテナンス動作ではインク流路を第2インク流路とし、
前記第2インクカートリッジのインク残量と前記メンテナンス動作に必要なインクの所定量とを比較して前記インク残量が前記所定量に満たないと判断した場合に、前記メンテナンス動作においてインク流路を前記第1インク流路とすることを特徴とするインクジェットプリンターの制御方法。 - 請求項6において、
前記第2インクカートリッジのインク残量が前記所定量に満たないと判断すると、前記第1インクカートリッジのインクを用いて前記メンテナンス動作を行うか否かの選択を受け付け、
前記第1インクカートリッジのインクを用いて前記メンテナンス動作を行うことが選択されると、前記メンテナンス動作においてインク流路を前記第1インク流路とすることを特徴とするインクジェットプリンターの制御方法。 - 請求項7において、
前記第2インクカートリッジの交換を監視し、
インク流路を前記第1インク流路とした状態で行われ、前記メンテナンス動作で消費された前記第1インクカートリッジのインクの消費量を取得し、
前記第2インクカートリッジの交換を検出したときはインク流路を前記第2インク流路とし、前記印刷処理動作において前記第2インクカートリッジから前記消費量分のインクが前記印刷ヘッドから吐出されるまでの間、インク流路を前記第2インク流路に維持することを特徴とするインクジェットプリンターの制御方法。 - 請求項6ないし8のうちのいずれかの項において、
前記メンテナンス動作には、少なくとも、印刷ヘッドからインクを吐出させるフラッシング動作および前記印刷ヘッドからインクを吸引するインク吸引動作のいずれかが含まれることを特徴とするインクジェットプリンターの制御方法。 - 請求項6ないし9のうちのいずれかの項において、
前記第1インクカートリッジは、第1識別情報を記憶保持する第1メモリーを備え、前記第2インクカートリッジは、第2識別情報を記憶保持する第2メモリーを備えており、前記第1インクカートリッジ用のホルダーの読取部が読み取ったものが前記第1識別情報か、または前記第2識別情報かにより、前記ホルダーに装着されたものが前記第1インクカートリッジか、または前記第2インクカートリッジであることを判断することを特徴とするインクジェットプリンターの制御方法。 - インクを貯留するインクカートリッジ本体とメモリーとを有し、前記メモリーを読み取るための接続部を備えるホルダーに着脱可能に装着されて印刷ヘッドに前記インクを供給するインクジェットプリンターのメンテナンス用のインクカートリッジにおいて、
前記メモリーには、識別情報が記憶保持されており、
前記識別情報は、前記印刷ヘッドのメンテナンス動作に際してインクカートリッジ本体から当該印刷ヘッドに前記インクを供給することを示すものであることを特徴とするインクカートリッジ。
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