JP2017029902A - 廃棄物の安定化方法及び通気構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】廃棄物処分場における廃棄物の安定化を促進させることができる廃棄物の安定化方法及び通気構造を提供する。
【解決手段】廃棄物処分場1の貯留槽2内に埋立てられる廃棄物を安定化させる安定化方法であって、安定型産業廃棄物に属する廃棄物を含む第1区分の廃棄物(廃棄物a)を、管理型産業廃棄物に属する第2区分の廃棄物(廃棄物b)に混合する混合工程と、混合工程で得られる廃棄物aと廃棄物bとの混合廃棄物Xを貯留槽2内に埋立てて混合埋立層Kを形成する埋立層形成工程と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、廃棄物処分場における廃棄物の安定化方法及び通気構造に関するものである。
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載の廃棄物処分場が知られている。この廃棄物処分場において廃棄物は、その安定化に対する特性に応じて分別され、それぞれに適切な安定化処理が行われることで安定化を促進することが提案されている。
特開2005−218987号公報
この種の処分場においては、埋立て終了後には可能な限り早く管理期間を終了させるべく、廃棄物を早期に安定化させることが望まれる。廃棄物の早期安定化の実現のためには、例えば、好気性微生物による有機物分解を促進させることが考えられる。そして、有機物分解の促進には、廃棄物内の好気性領域を拡大させることが好ましい。特許文献1では、分別された廃棄物の安定化に対する特性に応じて安定化装置の仕様を変化させ、種類毎に好気性領域を拡大させるための処理が行われている。しかしながら、これらの構成では、多様な廃棄物を早期に安定化させるには限界があり、更なる早期安定化が望まれる。
上記の事情に鑑み、本発明は、廃棄物処分場における廃棄物の安定化を促進させることができる廃棄物の安定化方法及び通気構造を提供することを目的とする。
本発明に係る廃棄物の安定化方法は、廃棄物処分場の貯留槽内に埋立てられる廃棄物を安定化させる安定化方法であって、安定型産業廃棄物に属する廃棄物を含む第1区分の廃棄物を、管理型産業廃棄物に属する第2区分の廃棄物に混合する混合工程と、混合工程で得られる第1区分の廃棄物と第2区分の廃棄物との混合廃棄物を貯留槽内に埋立てて混合埋立層を形成する埋立層形成工程と、を備える。
上記安定化方法によれば、貯留槽内の混合埋立層は、安定型産業廃棄物に属する廃棄物を含む第1区分の廃棄物と管理型産業廃棄物に属する第2区分の廃棄物との混合廃棄物によって形成される。まず、廃棄物処分場において安定化の対象となっているものは、管理型産業廃棄物に属する廃棄物である。ここで、安定型産業廃棄物に属する廃棄物は、管理型産業廃棄物に属する廃棄物よりも粒径が大きいものを多く含む。そのため、混合廃棄物の平均粒径は、混合前の管理型産業廃棄物の平均粒径よりも大きくなる。従って、混合廃棄物によって形成された混合埋立層は、内部に所定の空隙を確保することができる。すなわち、廃棄物内部の好気性領域を拡大させることができる。よって、廃棄物の安定化を促進させることができる。
また、埋立層形成工程では、混合廃棄物で形成される所定厚さの薄層を貯留槽内に形成する処理と薄層に所定期間散水を施す処理とを繰り返して、複数の薄層が積層された混合埋立層を形成することとしてもよい。これらの構成によれば、廃棄物の上面を空気に接触させる期間を比較的長くすることができる。
本発明に係る廃棄物の安定化方法は、混合工程の前に第2区分の廃棄物に対する散水を実行する散水工程を更に備えることとしてもよい。この構成によれば、例えば、第2区分の廃棄物に含まれる塩類などの安定化阻害物質を水に溶出させ除去することができ、安定化の効率を向上させることができる。
本発明に係る廃棄物の安定化方法は、埋立層形成工程で得られる混合埋立層の廃棄物の安定化度を貯留槽内のモニタリング箇所ごとにモニタリングするモニタリング工程と、モニタリング工程で得られる安定化度に基づいて各モニタリング箇所の混合埋立層に対する所定の安定化促進処理を施す安定化促進工程と、を更に備えることとしてもよい。これらの構成によれば、モニタリング箇所ごとに廃棄物の安定化状況の把握及び安定化促進処理の実施が可能となり、廃棄物全体の安定化を比較的均質に行うことができる。
本発明に係る廃棄物の通気構造は、貯留槽内で廃棄物の埋立層と中間覆土層とが交互に積層されてなる廃棄物層と、貯留槽の上方を覆う覆蓋施設と、廃棄物層に埋め込まれ廃棄物層から発生する浸出水が集まる浸出水集水管と、を備える廃棄物処分場において廃棄物層への通気を行う通気構造であって、廃棄物層内を略鉛直に延在し浸出水集水管と廃棄物層の上方とを連通する立上げガス抜き管と、立上げガス抜き管同士を略水平方向に連通する第1のガス抜き管と、第1のガス抜き管同士を連通する第2のガス抜き管と、廃棄物層内に下部が埋め込まれており覆蓋施設を支持する埋立地内柱と、埋立地内柱の周囲に設けられ埋立地内柱と廃棄物層との間に充填された砕石からなる砕石層と、を備える。
上記通気構造によれば、立上げガス抜き管、立上げガス抜き管同士を略水平方向に連通する第1のガス抜き管、第1のガス抜き管同士を連通する第2のガス抜き管、及び、埋立地内柱の周囲に設けられた砕石層により、廃棄物層内に縦横に連続する通気経路が形成される。そのため、立上げガス抜き管、第1のガス抜き管、第2のガス抜き管及び砕石層を通じて、廃棄物の内部に空気が比較的均等に供給される。従って、好気性微生物による廃棄物の有機物分解が促進され、廃棄物の安定化を促進させることができる。
また、埋立層は、安定型産業廃棄物に属する廃棄物を含む第1区分の廃棄物と管理型産業廃棄物に属する第2区分の廃棄物との混合廃棄物からなることとしてもよい。この構成によれば、前述と同様に、混合廃棄物の平均粒径は、混合前の管理型産業廃棄物の平均粒径よりも大きくなる。そのため、混合廃棄物によって形成された埋立層は、内部に所定の空隙を確保することができる。従って、廃棄物内部の好気性領域を拡大させることができ、廃棄物の安定化を促進させることができる。
本発明に係る廃棄物の通気構造は、貯留槽の法面に沿って延在し浸出水集水管に接続された法面ガス抜き管と、法面ガス抜き管と立上げガス抜き管とを水平方向に連通する第3のガス抜き管と、を更に備えることとしてもよい。これらの構成によれば、廃棄物層内で、より広範囲にわたって空気が供給される。
本発明に係る廃棄物の通気構造は、浸出水集水管から流れ込む浸出水を一時貯留する集水ピットと、集水ピットに設けられ浸出水集水管の下流端から空気を送り込むブロアと、立上げガス抜き管の上端部からガスを吸引する吸引ファンと、を更に備えることとしてもよい。これらの構成によれば、効率良く廃棄物の内部に空気を送り込むことができる。
本発明に係る廃棄物の通気構造は、覆蓋施設で覆われた貯留槽側の内部空間から外部空間へ空気を排出する換気ファンを更に備えることとしてもよい。この構成によれば、覆蓋施設で覆われた貯留槽側の内部空間の換気を行うことができる。
本発明に係る廃棄物の安定化方法及び通気構造によれば、廃棄物処分場における廃棄物の安定化を促進させることができる。
本発明の実施形態に係る廃棄物処分場の一例を示す断面図である。 (a)〜(d)は、図1の廃棄物処分場における廃棄物の安定化方法を順次示す断面図である。 図1の廃棄物処分場におけるモニタリング箇所を説明するための平面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る廃棄物処分場1における廃棄物の安定化方法及び通気構造の実施形態について詳細に説明する。
まず、廃棄物処分場1について説明する。図1に示す廃棄物処分場1は、廃棄物を埋立処分する管理型の処分場である。廃棄物処分場1では、廃棄物が投入され埋立処分される。埋立ての終了後、廃棄物処分場1を最終的に廃止するためには、中の廃棄物の安定化を完了させる必要がある。なお、この種の施設においては、廃棄物からの浸出水の水質、廃棄物からのガス発生量、廃棄物の温度、沈下等が、所定の基準に達したときに廃棄物の安定化が完了したものとされ、その安定化の進行度合いを安定化度と呼んでいる。廃棄物処分場1においては、廃棄物の埋立て期間中に、廃棄物からの浸出水の水質、廃棄物からのガス発生量、廃棄物の温度、沈下等を管理する。
以下では、廃棄物処分場1に埋立処分される廃棄物を、廃棄物a、廃棄物b、及び廃棄物cの3種類に分けて考える。廃棄物aは、安定型産業廃棄物に属する廃棄物を含む廃棄物(第1区分の廃棄物)である。安定型産業廃棄物とは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」に規定されているとおり、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず、がれき類を言い、「安定5品目」と呼ばれる場合もある。廃棄物b及び廃棄物cは、上記の安定型産業廃棄物以外の産業廃棄物であり、管理型産業廃棄物に属する廃棄物(第2区分の廃棄物)である。ここで、管理型産業廃棄物に属する廃棄物のうち管理型の処分場に埋立処分される廃棄物は、「金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を定める省令」の規定により定められた、有害物質が基準を超えて含まれる特別管理型産業廃棄物以外の廃棄物である。よって、廃棄物処分場1に埋立処分される廃棄物b及び廃棄物cは、管理型産業廃棄物のうち特別管理型産業廃棄物以外のものである。このうち、廃棄物bは安定化の対象となる廃棄物であり、例えば、燃え殻、鉱さい、シュレッダーダスト、有機汚泥、無機汚泥等である。廃棄物cは安定化の対象にならない廃棄物であり、防水シートで覆われシート養生等の隔離手段を必要とするものである。廃棄物cには、例えば、廃石膏ボード、廃石綿等が含まれる。
続いて、廃棄物処分場1の構造について説明する。廃棄物処分場1は、廃棄物を貯留するための貯留槽2と、貯留槽2の上方を覆う覆蓋施設4と、散水設備7,8と、を備えた「被覆型の廃棄物処分場」である。
貯留槽2は、横断面積が下方に向かって減少する逆四角錐台形状をなし、地表から貯留槽2の底部2cに向けて傾斜して延びる法面2bを有する。貯留槽2は、例えば、地盤が地表から下方に掘削されて形成された逆四角錐台形状の凹部と、当該凹部の内側の面全体に施工された遮水層3とで形成されている。そして、遮水層3の内側の凹状の空間が、廃棄物が貯留される貯留空間2aとなる。遮水層3は、水を遮断する層であり、例えば、遮水シートを敷設して形成してもよく、ベントナイト混合土層であってもよく、ベントナイト混合土層の上に遮水シートを積層した層であってもよく、或いは水を遮断する層であれば他の構造であってもよい。
覆蓋施設4は、埋立地内柱6によって支持されている。貯留槽2の外周には、貯留槽2の外周側を囲むように連続した外壁5が設けられている。埋立地内柱6は、貯留空間2aに所定の間隔をおいて複数設けられている。埋立地内柱6は、鉛直方向に延在し、埋立地内柱6の下部は、貯留空間2a内に貯留された廃棄物層S内に埋め込まれ、埋立地内柱6の上部は、覆蓋施設4と接続している。また、埋立地内柱6と廃棄物層Sとの間には、砕石が充填されてなる砕石層40が形成される。砕石層40は、例えば、浸出水集水管11の砂利層に連通されている。
散水設備7は、貯留槽2の外縁に複数設置されている。複数の散水設備7により、貯留空間2a内に貯留された廃棄物層Sの広範囲に亘って、日常的に散水を行うことができる。散水設備8は、廃棄物層Sの上面に移動可能に複数載置されている。散水設備8により、貯留空間2a内に貯留された廃棄物層Sの任意の場所において、集中的に散水を行うことができる。また、散水設備8は、底部にキャスター等の移動手段を有していてもよい。移動手段により、任意の場所へ容易に移動させることができる。
貯留空間2aには、安定化区画Bと隔離区画Cとが設けられる。貯留空間2a内の安定化区画Bにおいて、廃棄物層Sは、廃棄物の埋立層Kと中間覆土層Mとが交互に積層されて形成されている。埋立層Kは、安定化の必要がない前述の廃棄物aと、安定化の対象となる前述の廃棄物bとの混合廃棄物Xによって構成される。
隔離区画Cにおいて廃棄物層Sは、隔離手段が施された廃棄物cによって構成される。廃棄物cは、例えば、廃石膏ボード、廃石綿等である。隔離手段は、例えば、廃棄物を防水シートで覆うシート養生等である。隔離区画Cは、貯留空間2aにおける上流側に位置する。なお、貯留空間2aにおける安定化区画Bと隔離区画Cとを分断する壁等は設けられていない。
隔離区画Cが設けられることによって、廃棄物cは、当該隔離区画Cに集約して埋立てられる。さらに、廃棄物cは、シート養生等の隔離手段が施されている。廃石綿は、有害物質を飛散、流出等させる場合があり、また、廃石膏ボードは、水と反応することによって硫化水素を発生させる場合がある。そのため、隔離手段が施されることによって、有害物質の飛散、流出や、硫化水素の発生を抑制することができる。また、廃棄物cを集約して埋立てることにより、廃棄物bの安定化が廃棄物cによって阻害されることを抑制することができる。さらに、施設管理における安全性を向上させることが可能となる。
次に、廃棄物処分場1の廃棄物層Sに空気を供給するための通気構造について詳細に説明する。
廃棄物処分場1は、立上げガス抜き管10と、浸出水集水管11と、集水ピット12と、を備える。また、廃棄物処分場1は、第1のガス抜き管20と、第2のガス抜き管21と、法面ガス抜き管22と、第3のガス抜き管23と、を更に備える。
立上げガス抜き管10は、所定の間隔をおいて複数設けられ、廃棄物層S内に鉛直方向に延在している。各立上げガス抜き管10の上端は、廃棄物層Sから上方に露出している。各立上げガス抜き管10の下端は、浸出水集水管11に接続されている。浸出水集水管11は、貯留空間2aの底部2cに沿って、遮水層3よりも上方に設置されている。浸出水集水管11は、集水ピット12の下部の水溜部に向かって下るように僅かに傾斜している。浸出水集水管11の下流端は、集水ピット12の下部に接続されており、上記水溜部の上方において集水ピット12内で開口している。集水ピット12は、貯留槽2の外側に法面2bに沿って斜めに延在している。集水ピット12は、貯留空間2aの上端(地表)から貯留空間2aの底部2cまで、法面2bの全長に亘って斜めに延在している。
第1のガス抜き管20は、所定の間隔をおいて複数設けられ、中間覆土層M内に水平方向に延在している。各第1のガス抜き管20は、水平方向において隣り合う立上げガス抜き管10同士を略水平方向に接続している。第2のガス抜き管21は、所定の間隔をおいて複数設けられ、廃棄物層S内を鉛直方向に延在している。各第2のガス抜き管21は、鉛直方向において隣り合う第1のガス抜き管20同士を鉛直方向に接続している。法面ガス抜き管22は、所定の間隔をおいて複数設けられ、貯留空間2aの法面2bに沿って延在している。各法面ガス抜き管22の上端は、廃棄物層Sから上方に露出している。各法面ガス抜き管22の下端は、浸出水集水管11に接続されている。第3のガス抜き管23は、所定の間隔をおいて複数設けられ、中間覆土層M内に水平方向に延在し、立上げガス抜き管10と法面ガス抜き管22とを接続している。
立上げガス抜き管10は、例えば、多数の孔を有する高密度ポリエチレン管ないしは樹脂管と、高密度ポリエチレン管ないしは樹脂管の周りに形成された単粒度砕石層と、単粒度砕石層の周りに砂利(例えば割栗石)が充填されてなる砂利層と、砂利層と廃棄物層Sとを仕切るコルゲート管と、で構成されている。浸出水集水管11は、例えば、多数の孔を有する高密度ポリエチレン管ないしは樹脂管と、高密度ポリエチレン管ないしは樹脂管の周りに形成された単粒度砕石層と、単粒度砕石層の周りに砂利(例えば割栗石)が充填されてなる砂利層と、砂利層を囲むポリエチレン製ネットと、で構成されている。集水ピット12は、例えば、コンクリート製であり、現場打ち工法で構築されてもよく、プレキャストコンクリート工法で構築されてもよい。第1のガス抜き管20、第2のガス抜き管21、法面ガス抜き管22及び第3のガス抜き管23は、例えば、多数の孔を有する高密度ポリエチレン管ないしは樹脂管と、高密度ポリエチレン管ないしは樹脂管の周りに砂利(例えば割栗石)が充填されてなる砂利層と、砂利層と廃棄物層Sとを仕切るコルゲート管と、で構成されている。
廃棄物処分場1は、集水ピット12に設けられ集水ピット12の下部に向けて空気を送り込むブロア30と、廃棄物層S上に移動可能に設置され立上げガス抜き管10の上端部からガスを吸引する吸引ファン31と、覆蓋施設4に設置され覆蓋施設4で覆われた前記貯留槽2側の内部空間から外部空間へ空気を排出する換気ファン32と、を更に備える。ブロア30、吸引ファン31及び換気ファン32は、運転段階の強弱を段階的に調節することができる。
廃棄物層S内で発生する浸出水は、立上げガス抜き管10に流入し、立上げガス抜き管10を通じて浸出水集水管11に流れ、浸出水集水管11に導かれて集水ピット12に集められる。また、浸出水の一部は、第2のガス抜き管21に流入し、第2のガス抜き管21、第1のガス抜き管20、立上げガス抜き管10等を通じて浸出水集水管11に流れ、集水ピット12に流入する。更に、浸出水の一部は、法面ガス抜き管22又は第3のガス抜き管23から流入したり、浸出水集水管11に直接流入したり、といった経路を流れ、集水ピット12に流入するものもある。
廃棄物層S内で発生するガスは、立上げガス抜き管10、第2のガス抜き管21又は法面ガス抜き管22に流入し、立上げガス抜き管10、第1のガス抜き管20、第2のガス抜き管21、法面ガス抜き管22等を通じて廃棄物層Sの上部から排出される。
また、ブロア30が集水ピット12の下部に向けて空気を送ると、浸出水集水管11の下流端の開口から浸出水集水管11内に空気が送り込まれる。この空気の一部は、立上げガス抜き管10、第1のガス抜き管20、第2のガス抜き管21、法面ガス抜き管22、第3のガス抜き管23に流通し、各管の管壁に設けられた多数の孔を通じて廃棄物層Sの廃棄物に供給される。また、空気の一部は立上げガス抜き管10の上端から上方に排出される。以上のように、廃棄物処分場1においては、図中に破線の矢印で示すような空気の流れが発生する。また、吸引ファン31は、上記のような空気の流れを促進する。また、換気ファン32も、上記のような空気の流れを促進する。
上述した廃棄物処分場1の通気構造による作用効果について説明する。
本実施形態に係る廃棄物処分場1は、立上げガス抜き管10、立上げガス抜き管10同士を略水平方向に連通する第1のガス抜き管20、及び、第1のガス抜き管20同士を連通する第2のガス抜き管21により、廃棄物層S内に縦横に連続する通気経路が形成されている。従って、立上げガス抜き管10、第1のガス抜き管20及び第2のガス抜き管21を通じて、廃棄物の内部に空気が比較的均等に供給される。よって、好気性微生物による廃棄物の有機物分解が促進され、廃棄物の安定化を促進させることができる。
また、埋立層Kは、廃棄物aと廃棄物bとの混合廃棄物Xによって構成される。一般的に、安定型産業廃棄物に属する廃棄物は、管理型産業廃棄物に属する廃棄物よりも粒径が大きいものを多く含む場合が多い。従って、混合廃棄物Xの平均粒径は、混合前の廃棄物bの平均粒径よりも大きくなる。そのため、混合廃棄物Xによって形成された埋立層Kは、内部に空隙を確保することができる。従って、廃棄物内部の好気性領域を拡大させることができ、廃棄物の安定化を促進させることができる。
本実施形態に係る廃棄物処分場1は、貯留槽2の法面2bに沿って延在し浸出水集水管11に接続された法面ガス抜き管22と、法面ガス抜き管22と立上げガス抜き管10とを水平方向に連通する第3のガス抜き管23と、を更に備える。これらの構成によれば、廃棄物層S内で、より広範囲にわたって空気が供給される。
本実施形態に係る廃棄物処分場1は、浸出水集水管11から流れ込む浸出水を一時貯留する集水ピット12と、集水ピット12に設けられ浸出水集水管11の下流端から空気を送り込むブロア30と、立上げガス抜き管10の上端部からガスを吸引する吸引ファン31と、を更に備える。これらの構成によれば、効率良く廃棄物の内部に空気を送り込むことができる。
本実施形態に係る廃棄物処分場1は、貯留槽2の上方を覆う覆蓋施設4を更に備える。この構成によれば、風雨の影響から廃棄物が保護されるため、浸出水の過剰発生、廃棄物の飛散などが抑制される。従って、廃棄物の安定化を比較的簡易に管理することができる。
本実施形態に係る廃棄物処分場1は、覆蓋施設4で覆われた貯留槽2側の内部空間から外部空間へ空気を排出する換気ファン32を更に備える。この構成によれば、覆蓋施設4で覆われた貯留槽2側の内部空間の換気を行うことができる。
本実施形態に係る廃棄物処分場1は、廃棄物層S内に下部が埋め込まれており覆蓋施設4を支持する埋立地内柱16と、埋立地内柱16の周囲に設けられ埋立地内柱16と廃棄物層Sとの間に充填された砕石からなる砕石層40と、を更に備える。これらの構成によれば、砕石層40を通じて廃棄物層Sの内部で、より効率良く空気が供給される。
続いて、図2(a)〜(d)を参照して、廃棄物処分場1の貯留槽2内に埋立てられる廃棄物を安定化させる安定化方法について説明する。
廃棄物の安定化方法は、投入工程と、集中散水工程と、混合工程と、埋立層形成工程と、中間覆土層形成工程と、を備える。
まず、投入工程について説明する。廃棄物a,b及びcは、運搬車両に積載されて、貯留槽2内に随時、投入されてくる。投入された廃棄物a,bは、貯留空間2a上の安定化区画Bにおける任意の位置に載置される。
廃棄物cが投入されてきた場合は、貯留空間2aの上流側に位置する隔離区画Cに載置される。載置された廃棄物cは、投入の都度、シート養生が施される。廃棄物cが梱包された状態で投入されてきたときはシート養生は省くことができる。なお、廃棄物cが廃石綿である場合は、更に規定の措置を取る必要がある。
次に、図2(a)に示す、集中散水工程について説明する。集中散水工程は、混合工程の前に廃棄物bに対する集中散水を実行する工程である。
図2(a)は、貯留空間2aの埋立完成の途中の一過程であり、廃棄物層Sの最上層に中間覆土層M1が形成された段階である。中間覆土層M1は締め固められている。
投入工程によって投入された廃棄物bは、貯留槽2内の中間覆土層M1上に載置される。ここで、廃棄物bは、燃え殻、鉱さい等の塩類を含むものである場合がある。この場合、廃棄物bが載置された状態で、散水設備8を用いて廃棄物bに集中散水を実行する。散水量は、例えば、水と廃棄物bとの液固比を3以上とした量であってもよい。集中散水は、例えば、投入の都度、行ってもよい。
集中散水工程を貯留槽2内で行うことにより、集中散水によって発生した浸出水は、遮水層3よりも貯留槽2の外部に漏出することはない。そのため、貯留槽2内に投入する前に、貯留槽2の外部空間において集中散水を実行した場合と比較して、遮水場を別途設けるための手間及びコストを省くことができる。
続いて、混合工程について説明する。混合工程は、廃棄物aを廃棄物bに混合する工程である。
投入工程及び集中散水工程により、貯留槽2内には、中間覆土層M1上の任意の位置に載置された廃棄物a,bがそれぞれ準備されている。貯留槽2内の中間覆土層M1上において、廃棄物bに、廃棄物aを混合する。混合する操作は、汎用重機を用いて行うことができ、例えば、バックホウ等によって行ってもよい。ここでは、廃棄物a,bが均質になるようにする。
本実施形態において、混合工程は、貯留槽2内で行っている。仮に、混合工程を貯留槽2の外部空間で行う場合には、廃棄物bが管理型産業廃棄物に属する廃棄物であることから、混合工程を行う領域に遮水処理を施すことが必要である。これに対して、貯留槽2内は遮水層3によって遮水機能を有しているため、混合工程を貯留槽2内で行うことにより、遮水場を別途設けるための手間及びコストを省くことができる。
続いて、図2(b)及び(c)に示す、埋立層形成工程について説明する。埋立層形成工程は、混合工程で得られる廃棄物aと廃棄物bとの混合廃棄物Xを貯留槽2内に埋立てて混合埋立層K(図1参照)を形成する工程である。
埋立層形成工程では、混合廃棄物Xで形成される所定厚さの薄層T(図2(d)参照)を貯留槽2内に形成する処理と薄層Tに所定期間日常散水を施す処理とを繰り返して、複数の薄層Tが積層された混合埋立層Kを形成する。
まず、中間覆土層M1上に、混合廃棄物Xの巻き出しを行うことにより、最下層の薄層Tを形成していく。なお、この状態では混合廃棄物Xが締め固められていない状態であることが好適である。また、混合廃棄物Xが締め固められていない状態で、中間覆土層M1上の全面に混合廃棄物Xを敷き広げるとより好適である。そして、巻き出した混合廃棄物Xを転圧、締め固めすることにより、薄層Tを形成する処理を完成させる。その後、完成した薄層Tの上に、更に新たな薄層Tを同様の方法で形成していく。これを繰り返すことで、複数の薄層Tが積層された混合埋立層Kを形成する。薄層Tの巻き出し厚さは、例えば、50cm程度に設定されてもよい。また、混合埋立層Kは、例えば、薄層Tを5層程度で形成する構成であってもよい。
日常散水は、貯留空間2aの表面全域において、散水量が、例えば、1.5mm/日程度となるように施される。すなわち、1層の薄層Tの形成が完了するまでの所定期間(例えば、4〜6ヶ月間)、混合廃棄物Xは日常的に散水が施されることとなる。更に、締め固められた薄層Tは、上層の薄層Tの形成過程においても、混合廃棄物Xが敷かれていない部分は直接散水が施されることとなる。日常散水は、例えば、散水設備7のみを用いて行ってもよく、散水設備7,8の両方を用いて行ってもよい。また、複数の散水設備7,8は、同時に全てを使用してもよく、いずれか一以上を選択して使用してもよい。
続いて、図2(d)に示す、中間覆土層形成工程について説明する。
上述のようにして混合廃棄物Xによって形成された混合埋立層Kは、敷き均しされている。中間覆土層形成工程では、混合埋立層Kの上に中間覆土層M2を施工する。中間覆土層M2は、50cm/層程度の厚さで1層を一度に施工する。その際、内部に略水平方向に第1のガス抜き管20を埋設してもよい。第1のガス抜き管20は、立上げガス抜き管10同士を接続するように設置される。さらに、第1のガス抜き管20同士を接続するための第2のガス抜き管21を設置してもよい。
中間覆土層Mを形成する際に、内部に第1のガス抜き管20を埋設することにより、第1のガス抜き管20を効率的に設置することができる。また、中間覆土層Mは、例えば、土砂、砂利等から形成され、廃棄物の飛散や臭いを防止する機能、排水機能等を有している。そのため、中間覆土層Mの内部に第1のガス抜き管20、第2のガス抜き管21を設置することにより、廃棄物層S内に縦横に連続する通気経路及び通水経路が効率良く形成される。
上述した廃棄物処分場1の安定化方法による作用効果について説明する。
埋立層Kは、廃棄物aと廃棄物bとの混合廃棄物Xによって形成される。一般的に、安定型産業廃棄物に属する廃棄物は、管理型産業廃棄物に属する廃棄物よりも粒径が大きいものを多く含む場合が多い。従って、混合廃棄物Xの平均粒径は、混合前の廃棄物bの平均粒径よりも大きくなる。そのため、混合廃棄物Xによって形成された埋立層Kは、内部に空隙を確保することができる。従って、廃棄物内部の好気性領域を拡大させることができ、廃棄物の安定化を促進させることができる。
また、埋立層形成工程では、混合廃棄物Xで形成される所定厚さの薄層Tを貯留槽2内に形成する処理と薄層Tに所定期間散水を施す処理とを繰り返して、複数の薄層Tが積層された混合埋立層Kを形成する。そのため、混合廃棄物Xの上面を空気に接触させる期間を比較的長くすることができる。
本実施形態に係る廃棄物の安定化方法は、混合工程の前に廃棄物bに対する集中散水を実行する集中散水工程を更に備える。そのため、例えば、廃棄物bに含まれる塩類などの安定化阻害要因を水に溶出させることができ、安定化の効率を向上させることができる。また、廃棄物から塩類などを効果的に除去するためには、廃棄物と水との液固比は3程度が好適である。したがって、当該集中散水工程を混合工程の前に実行することにより、効率良く安定化阻害要因を低減させることができる。
また、本実施形態の廃棄物の安定化方法では、図3に一点鎖線で示されるように、貯留槽2が平面視で複数に区分された安定化区画B1〜B5が設定される。そして、安定化区画B1〜B5毎に安定化度のモニタリングを行うモニタリング工程と、このモニタリング工程で得られる安定化度に基づいて、各安定化区画B1〜B5の混合埋立層Kに対し所定の安定化促進処理を施す安定化促進工程と、が実行される。
なお、本実施形態においては、貯留空間2aが平面視において六分割されて安定化区画B1〜B5が設定され、残りの一区画は隔離区画Cである。また、安定化区画B1〜B5には一区画に一つずつの立上げガス抜き管10が設けられている。安定化区画B1〜B5及び隔離区画Cの境界は、鉛直壁等で物理的に仕切られることはない。以下、上記のモニタリング工程と安定化促進工程の詳細について説明する。
上記モニタリングの一例として、廃棄物から発生したガス濃度の測定について説明する。例えば、安定化区画B1の廃棄物層Sの上方において、メタンガス濃度計を用いてメタンガス濃度を測定する。得られたメタンガス濃度値に基づいて、安定化区画B1における混合埋立層Kの廃棄物の安定化度を判定することができる。すなわち、メタンガス濃度が低いほど、混合埋立層Kの廃棄物から発生するメタンガスが少ないと考えられ、安定化区画B1における混合埋立層Kの廃棄物の安定化度は高い(安定化が良く進行している)と考えられる。同様にして、安定化区画B2〜B5における混合埋立層Kの廃棄物の安定化度も判定することができる。なお、上記のメタンガス濃度に代えて、硫化水素又は二酸化炭素の濃度を測定し安定化度の判定に用いてもよい。
続いて、上記モニタリングの他の例として、廃棄物の温度の測定について説明する。例えば、安定化区画B1の廃棄物層Sに、表面から温度計を挿入し、混合埋立層K内の温度を計測する。得られた温度値に基づいて、安定化区画B1における混合埋立層Kの安定化度を判定することができる。すなわち、温度が低いほど、混合埋立層Kにおける有機物が少ないと考えられ、安定化区画B1における混合埋立層Kの安定化度は高い(安定化が良く進行している)と考えられる。同様にして、安定化区画B2〜B5における混合埋立層Kの安定化度も判定することができる。
上記のガス濃度測定又は廃棄物の温度測定と併せて、浸出水の水質測定を行ってもよい。水質測定のための浸出水の採取は、浸出水集水管11の流末で行う。前述した日常散水に係る水が浸出水集水管11の流末に到達する時間帯(例えば、散水からX時間後)ごとに、浸出水集水管11の流末に誘導される浸出水を採取する。例えば、集水ピット12の下部に接続された、浸出水集水管11の下流端の開口から浸出水を採取してもよい。このようにして得られる浸出水の水質評価値を時間帯ごとに測定し、経時変化によって安定化が順調に行われているか否かを分析することができる。また、浸出水集水管11を複数系列配置し、それぞれの浸出水集水管11の流末において、上記浸出水を採取する構成であってもよい。この場合、水質測定された浸出水の発生源の安定化区画を特定することも可能になる。
続いて、採取された浸出水の水質の指標である水質評価値を計測する。計測する水質評価値には、BOD(biochemical oxygen demand)、COD(chemicaloxygendemand)、BOD/COD、TOC(total organic carbon)、T−N(total nitrogen)、NH4−N(アンモニウム態窒素)、NOX−N(酸化態窒素)、EC(electric conductivity)、Cl(塩化物イオン)が含まれる。上述の各水質評価値の測定は、公知の手法や公的な規格(例えば、JIS等)に従って行えばよい。上記水質評価値が示す水質が良い(例えば、BODが低い)ほど、混合埋立層K(m)の安定化度は高く(安定化が良く進行している)、上記水質評価値示す水質が悪い(例えば、BODが高い)ほど、混合埋立層K(m)の安定化度は低い(安定化があまり進行していない)と判定する。
上記水質測定で得られた時間帯ごとの水質評価値に基づいて、混合埋立層Kの安定化度を判定する。すなわち、ある時間帯において、急に水質評価値の変化が見られなくなった場合は、安定化区画B1〜B5の何れかにおいて廃棄物の安定化が阻害されていると判断できる。この場合、上記のガス濃度測定値又は廃棄物の温度測定値と併せて、具体的に安定化が阻害されている箇所を特定することができる。また、安定化区画B1〜B5の混合埋立層Kから廃棄物試料をサンプリングし、溶出試験により浸出水のEC、Clを求めることにより、直接モニタリング箇所ごとに判断しても良い。また、安定化区画B1〜B5に設けられた各立上げガス抜き管10に浸出水を誘導する浸出水誘導部(図示せず)を設け、各立上げガス抜き管10から浸出水を採取する構成としてもよい。
次に、安定化促進工程について説明する。安定化促進工程は、モニタリング工程で得られる安定化度に基づいて各モニタリング箇所(安定化区画B1〜B5)の混合埋立層Kに対する所定の安定化促進処理を施す工程である。安定化促進処理は、安定化区画B1〜B5のうち安定化度が所定の基準よりも低い安定化区画に対して行われる。安定化度が所定の基準よりも低い安定化区画とは、例えば、上記のガス濃度測定値が所定値未満である安定化区画、又は上記の廃棄物の温度測定値が所定値以上である安定化区画などを言う。なお、安定化度が高い安定化区画に対しては、日常換気、日常散水が継続して行われることとなる。安定化促進処理は、次に説明する集中散水処理と、強制通気処理と、表層の掘削及び攪拌処理と、のうち少なくとも何れか一つの処理を含む。
集中散水処理は、散水設備7,8を用いて行う。散水設備7は、例えば、安定化度の低い安定化区画に対してのみ散水を行ってもよく、安定化度の低い安定化区画に対して散水量を増やしてもよい。また、散水設備8により、集中散水を行ってもよい。
強制通気処理は、ブロア30、吸引ファン31及び換気ファン32のうち少なくとも1つを用いて行う。ブロア30及び換気ファン32は、例えば、運転段階を中〜強に設定することにより立上げガス抜き管10等を通じて強制的に空気を廃棄物に送り込むこととしてもよい。吸引ファン31は、例えば、安定化度の低い安定化区画に設置された立上げガス抜き管10に設置して、当該立上げガス抜き管10の上端部からガスを吸引することにより、対応する安定化区画の廃棄物層Sに対して強制通気してもよい。
また、表層の掘削及び攪拌処理では、混合埋立層Kの表層を掘削及び攪拌することにより、混合廃棄物X内の曝気を行ってもよい。掘削及び攪拌は、汎用重機を用いて行ってもよく、人力によって行ってもよく、また、汎用重機及び人力を併用して行うこととしてもよい。
上述した廃棄物処分場1の廃棄物の安定化方法による作用効果について説明する。この安定化方法は、埋立層形成工程で得られる混合埋立層Kの廃棄物の安定化度を貯留槽2内のモニタリング箇所(安定化区画B1〜B5)ごとにモニタリングするモニタリング工程と、モニタリング工程で得られる安定化度に基づいて各モニタリング箇所(安定化区画B1〜B5)の混合埋立層Kに対する所定の安定化促進処理を施す安定化促進工程と、を備える。そのため、モニタリング箇所(安定化区画B1〜B5)ごとに廃棄物の安定化状況の把握及び安定化促進処理の実施が可能となり、廃棄物全体の安定化を比較的均質に行うことができる。
1…廃棄物処分場、2…貯留槽、4…覆蓋施設、6…埋立地内柱、10…立上げガス抜き管、11…浸出水集水管、12…集水ピット、20…第1のガス抜き管、21…第2のガス抜き管、22…法面ガス抜き管、23…第3のガス抜き管、30…ブロア、31…吸引ファン、32…換気ファン、40…砕石層、a…安定型産業廃棄物に属する廃棄物を含む第1区分の廃棄物、b…安定化の対象となる廃棄物、c…隔離手段が施される対象となる廃棄物、X…混合廃棄物、K…埋立層(混合埋立層)、M…中間覆土層、T…薄層。

Claims (9)

  1. 廃棄物処分場の貯留槽内に埋立てられる廃棄物を安定化させる安定化方法であって、
    安定型産業廃棄物に属する廃棄物を含む第1区分の廃棄物を、管理型産業廃棄物に属する第2区分の廃棄物に混合する混合工程と、
    前記混合工程で得られる前記第1区分の廃棄物と前記第2区分の廃棄物との混合廃棄物を前記貯留槽内に埋立てて混合埋立層を形成する埋立層形成工程と、を備える安定化方法。
  2. 前記埋立層形成工程では、
    前記混合廃棄物で形成される所定厚さの薄層を前記貯留槽内に形成する処理と前記薄層に所定期間散水を施す処理とを繰り返して、複数の前記薄層が積層された前記混合埋立層を形成する、請求項1に記載の安定化方法。
  3. 前記混合工程の前に前記第2区分の廃棄物に対する散水を実行する散水工程を更に備える、請求項1又は2に記載の安定化方法。
  4. 前記埋立層形成工程で得られる前記混合埋立層の廃棄物の安定化度を前記貯留槽内のモニタリング箇所ごとにモニタリングするモニタリング工程と、
    前記モニタリング工程で得られる前記安定化度に基づいて各前記モニタリング箇所の前記混合埋立層に対する所定の安定化促進処理を施す安定化促進工程と、を更に備える請求項1〜3の何れか1項に記載の安定化方法。
  5. 貯留槽内で廃棄物の埋立層と中間覆土層とが交互に積層されてなる廃棄物層と、前記貯留槽の上方を覆う覆蓋施設と、前記廃棄物層に埋め込まれ前記廃棄物層から発生する浸出水が集まる浸出水集水管と、を備える廃棄物処分場において前記廃棄物層への通気を行う通気構造であって、
    前記廃棄物層内を略鉛直に延在し前記浸出水集水管と前記廃棄物層の上方とを連通する立上げガス抜き管と、
    前記立上げガス抜き管同士を略水平方向に連通する第1のガス抜き管と、
    前記第1のガス抜き管同士を連通する第2のガス抜き管と、
    前記廃棄物層内に下部が埋め込まれており前記覆蓋施設を支持する埋立地内柱と、
    前記埋立地内柱の周囲に設けられ前記埋立地内柱と前記廃棄物層との間に充填された砕石からなる砕石層と、を備える通気構造。
  6. 前記埋立層は、
    安定型産業廃棄物に属する廃棄物を含む第1区分の廃棄物と管理型産業廃棄物に属する第2区分の廃棄物との混合廃棄物からなる、請求項5に記載の通気構造。
  7. 前記貯留槽の法面に沿って延在し前記浸出水集水管に接続された法面ガス抜き管と、
    前記法面ガス抜き管と前記立上げガス抜き管とを水平方向に連通する第3のガス抜き管と、を更に備える請求項5又は6に記載の通気構造。
  8. 前記浸出水集水管から流れ込む前記浸出水を一時貯留する集水ピットと、
    前記集水ピットに設けられ前記浸出水集水管の下流端から空気を送り込むブロアと、
    前記立上げガス抜き管の上端部からガスを吸引する吸引ファンと、を更に備える請求項5〜7の何れか1項に記載の通気構造。
  9. 前記覆蓋施設で覆われた前記貯留槽側の内部空間から外部空間へ空気を排出する換気ファンを更に備える請求項5〜8の何れか1項に記載の通気構造。
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