JP2017029896A - 塗布器及び塗布装置 - Google Patents

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康彰 住吉
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Abstract

【課題】当該塗布液を組成する成分同士の分離を抑制できる塗布器を提供する。【解決手段】 塗布液Mを凹版90に塗布するディスペンサ60は、塗布液Mを収容する収容空間Sと、開口614が形成された第1底面612と、を有するシリンジ61と、開口614に連通する貫通孔621を有し、吐出開口622から凹版90に向けて塗布液Mを吐出するニードル62と、開口614に対応して設けられた内孔653を有し、収容空間Sの底部S21に収容されている環状の挿入部材65と、を備える。【選択図】 図3

Description

本発明は、塗布器及び塗布装置に関するものである。
先端から塗布液を被塗布部材上に吐出する吐出口を備える塗布器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2014−180603号公報
上記塗布器では、塗布器内に貯留される塗布液が沈降分離性を有する場合、比較的比重の大きい成分が沈降してしまい、塗布液を組成する成分同士が分離してしまう場合がある。また、塗布液の種類に応じて、分離の程度に差が生じるため、設定した条件下において塗布液の分離の抑制を図ることが難しい場合がある、という問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、当該塗布液を組成する成分同士の分離を抑制できる塗布器及び塗布装置を提供することである。
[1]本発明に係る塗布液を被塗布体に塗布する塗布器は、前記塗布液を収容する収容空間と、開口が形成された第1底面と、を有する筒状の容器と、前記開口に連通する貫通孔を有し、前記貫通孔の一方端部から前記被塗布体に向けて前記塗布液を吐出する吐出部と、前記開口に対応して設けられた内孔を有し、前記収容空間の底部に収容されている環状の挿入部材と、を備える。
[2]上記発明において、前記挿入部材は、前記第1底面と接触する第2底面と、前記第2底面の反対側に位置する拡散面と、を有し、前記拡散面は、前記容器の軸方向に対して交差する方向に延在していてもよい。
[3]上記発明において、前記拡散面は、前記軸方向に対して実質的に直交する方向に延在する略平坦な面であってもよい。
[4]上記発明において、前記第2底面は、前記第1底面に対応した形状を有し、前記第1及び第2底面が相互に密接していてもよい。
[5]上記発明において、平面視において、前記開口の外形は、前記内孔の外形に包囲されていてもよい。
[6]上記発明において、平面視において、前記開口の中心と、前記内孔の中心とは実質的に一致していてもよい。
[7]上記発明において、前記内孔は、前記開口に接近するにしたがって漸次的に縮径されていてもよい。
[8]本発明に係る塗布装置は、上記塗布器と、前記収容空間に昇圧空気を供給する供給手段と、を備える。
本発明によれば、前記開口に対応して設けられた内孔を有する挿入部材を、収容空間の底部に収容することで、流下する塗布液が当該挿入部材に衝突して、塗布液の流動が阻害され乱れを生じる。これにより、塗布液が撹拌されて、当該塗布液を組成する成分同士の分離を抑制することができる。
また、挿入部材を交換することで、塗布液の種類に応じた最適な塗布液の撹拌を実施することもできる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る配線基板を示す断面図である。 図2は、本発明の一実施の形態に係る塗布装置の断面図である。 図3(a)は、本発明の一実施の形態に係る塗布器を示す断面図であり、図3(b)は、本発明の一実施の形態に係る挿入部材を示す平面図である。 図4(a)は、本発明の一実施の形態に係る塗布器の変形例を示す断面図であり、図4(b)は、本発明の一実施の形態に係る挿入部材の変形例を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明で用いる図は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
図1は本発明の一実施の形態に係る配線基板を示す断面図、図2は本発明の一実施の形態に係る塗布装置の断面図である。
本実施形態の塗布装置1は、基材110に塗布液Mを塗布するために用いられ、基材110上に塗布された塗布液Mから導体層120を形成することで配線基板100を製造する。ここでは、まず、配線基板100について、簡単に説明する。
配線基板100は、図1に示すように、基材110と、導体層120と、を備えている。基材110は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)等の絶縁性を有する基材である。導体層120は、配線基板の製造装置1によって基材110上に転写された塗布液Mを硬化させることにより形成されている。なお、図1において、符号(M)は、導体層120に相当する、硬化させる前の状態の塗布液Mを示す。
塗布液Mとしては、たとえば導電性インクを挙げることができ、この導電性インクは、導電性材料、バインダ樹脂、各種添加剤及び溶剤を混合して構成されている。導電性材料としては、銀や銅、ニッケル、スズ、ビスマス、亜鉛、インジウム、パラジウム、グラファイト等を例示することができる。なお、導電性材料としては、0.5μm以上30μm以下の直径φ(0.5μm≦φ≦30μm)の粒径を有する導電性粒子を用いることが好ましい。
バインダ樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等を例示することができる。なお、塗布液Mを構成する材料からバインダ樹脂を省略してもよい。
溶剤としては、用いるバインダ樹脂の種類に応じて適宜、選択すればよいが、たとえば、バインダ樹脂としてポリエステル系樹脂を用いる場合には、酢酸シクロヘキシル、酢酸ブチルカルビトーレ、酢酸−2−ブトキシエチル、イソブチルアルコール、2−エチルブチルアルコール、エチルカルビトール、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ブチルセロソルブ、イソホロンなどが挙げられる。添加剤としては、硬化剤、カップリング剤、腐食抑制剤などを例示することができる。
塗布液Mは、導体層120として求められる性能にもよるが、複数の成分を混合して構成される分散系の物質である。たとえば、塗布液Mとしては、分散質として導電性材料(たとえば、銀粒子)を80重量%で含有し、バインダ樹脂を2重量%で含有するものを例示することができるが、この場合、導電性材料の比重が10程度であるのに対して、バインダ樹脂の比重が2程度であるため、塗布液Mにおいては、経時的に導電性材料が沈降する共にバインダ樹脂が浮遊して、これらが分離してしまう。
塗布液Mを組成する成分同士が分離した状態で、当該塗布液Mを基材110上に塗布すると、導体層120として求められる性能を達成できない等、配線基板100の品質を低下させる要因となり得る。また、塗布液Mの組成としては、当然に上述に限定されるものではなく、用途に応じて種々の組み合わせが存在する。したがって、塗布液Mの種類に応じて、成分同士の分離の程度に違いが生じるため、設定した条件下において塗布液Mの分離の抑制を図ることが困難となる場合がある。本実施形態における「塗布液M」が本発明における「塗布液」の一例に相当する。
次に、塗布装置1について説明する。
塗布装置1は、図2に示すように、版テーブル10と、ドクター30と、ディスペンサ60と、圧縮空気供給装置70と、導管80と、を備えている。本実施形態における「塗布装置1」が本発明における「塗布装置」の一例に相当する。
版テーブル10は、凹版90が載置されている保持面11を有している。この保持面11は、特に図示しない複数の吸引口が開口しており、凹版90を吸着保持することが可能となっている。なお、版テーブル10に凹版90を固定する方法は、特にこれに限定されない。
本実施形態の凹版90は、平板状とされた凹版であり、その上面91に銅等からなる金属層をエッチング等することで凹パターン92が形成されている。この凹パターン92は、配線基板100の導体層120に対応したパターンとされている。このような凹パターン92としては、たとえば、相互に平行に複数の細線を配列するストライプ状のパターンであってもよいし、異なる方向に延在する第1及び第2の細線(不図示)を相互に交差させてなる網目状(メッシュ状)のパターンであってもよい。本実施形態における「凹版90」が本発明における「被塗布体」の一例に相当する。
ドクター30は、凹版90の上方に当該凹版90と対向して配置されている。ドクター30は、凹版90に対してX方向に沿って動作して、凹版90の上面91と摺接するものであり、当該凹版90に形成された凹パターン92に塗布液Mを充填しつつ、上面91上に残余する塗布液Mを掻き取る機能を有する。
ドクター30の具体的な動作としては、以下のとおりである。すなわち、ディスペンサ60によって凹版90上に塗布液Mが塗布されると、まず、ドクター30を下降して凹版90の上面91と接触させ、版テーブル10とドクター30とを相対的に水平移動させることで、ドクター30が凹版90と摺接しながら、当該凹版90上を進行する。これにより、ドクター30による塗布液Mの充填、及び、凹版90上に残余する塗布液Mの掻き取りが実行される。
なお、特に図示しないが、版テーブル10とドクター30を相対的に水平移動させる方法としては、版テーブル10に移動機構を設けて、版テーブル10がドクター30に対して水平移動してもよいし、ドクター30に移動機構を設けて、ドクター30が版テーブルに対して水平移動してもよいし、ドクター及び版テーブルのそれぞれに移動機構を設け、これらの移動機構の同期駆動下において相対移動させてもよい。因みに、移動機構としては、モータを用いたボールねじ機構等を用いることができる。
本実施形態の塗布装置1を用いて配線基板100を製造するに際しては、凹版90に充填された塗布液Mを基材110に直接転写してもよい。あるいは、塗布液Mをいったん転写体に転写してから、当該塗布液Mを基材110に転写してもよい。この場合、転写体としては、平板状の転写用基板を用いてもよいし、円筒状の転写ローラを用いてもよい。そして、上述したように、基材110に転写された塗布液Mを硬化させることで、導体層120が形成され、基材110と導体層120とからなる配線基板100を得ることができる。
次に、塗布液Mを凹版90に塗布するディスペンサ60について説明する。図3(a)は本発明の一実施の形態に係る塗布器を示す断面図、図3(b)は本発明の一実施の形態に係る挿入部材を示す平面図である。
ディスペンサ60は、図2に示すように、ドクター30の近傍に設けられており、その内部に塗布液Mを収容している。このディスペンサ60は、移動機構50によってY方向に沿った平行移動が可能となっている。移動機構50としては、たとえば、モータを用いたボールねじ機構等を例示することができる。
なお、ディスペンサに塗布液を供給する方法としては、供給ポンプをディスペンサに接続して連続的に塗布液を供給する方法を採用してもよいし、要求に応じて都度ディスペンサに塗布液を供給するバッチ方式を採用してもよい。
このディスペンサ60は、図3(a)及び図3(b)に示すように、有底の筒形状とされたシリンジ61と、シリンジ61の一方端部側(第1底面612(後述)側)に設けられたニードル62と、シリンジ61の他方端部側(上部開口613(後述)側)に設けられたアダプタ63と、シリンジ61とアダプタ63との間に圧設されるOリング64と、シリンジ61の内部に収容される挿入部材65と、を備えている。本実施形態における「ディスペンサ60」が本発明における「塗布器」の一例に相当する。
シリンジ61は、特に限定しないが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂材料、あるいは、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス等のガラス材料から構成されているが、内部を視認可能な程度の透明性を有する材料を用いることが好ましい。
このシリンジ61は、図3(a)に示すように、Z方向に沿って延在する、略一様な径を有する筒状部611を有し、当該筒状部611の一方端部には第1底面612が形成され、他方端部には外部に向かって開口する上部開口613が形成されている。第1底面612は、下方に向かって漸次的に縮径する円錐台形状を有しており、その頂面において、当該第1底面612の両方の主面で開口し、当該第1底面612をZ方向に沿って貫通する開口614を有している。本実施形態では、筒状部611(すなわち、シリンジ61)の中心と、開口614の中心とを、互いに同軸上に配置している。なお、第1底面612の形状は、特に上述に限定されない。
シリンジ61の内部には、塗布液Mを収容するための円筒状の収容空間Sが形成されている。収容空間Sは、塗布液Mを受容する第1の部分S1と、圧縮空気供給装置70から圧縮空気が導入される第2の部分S2とを含んでいる。第1の部分S1は、その下部に挿入部材65が収容される底部S11を有している。本実施形態の底部S11は、断面視において、第1底面612に囲繞される領域及びその近傍に相当する。
本実施形態における「シリンジ61」が本発明における「容器」の一例に相当し、本実施形態における「第1底面612」が本発明における「第1底面」の一例に相当し、本実施形態における「開口614」が本発明における「開口」の一例に相当し、本実施形態における「収容空間S」が本発明における「収容空間」の一例に相当する。
ニードル62は、特に限定しないが、ステンレス等の金属素材、あるいは、上述したシリンジ61を構成する材料と同様の材料から構成されており、シリンジ61の第1底面612に取り付けられている。なお、図3(a)においては、ニードル62はシリンジ61の第1底面612に直接取り付けられたように表しているが、実際は、ねじ結合機構を用いて着脱可能に装着されるものである。因みに、上述のねじ結合機構に限らず、ルアーロック機構等を形成することでシリンジ61にニードル62を装着してもよい。
このニードル62は、第1底面612からZ方向に沿って延在する小径の円筒形状を有しており、その内部に、開口614と同軸上に位置し、当該開口614に連通する貫通孔621を有している。この貫通孔621の先端には、塗布液Mを塗布する姿勢において、凹版90の上面91に対して僅かな隙間を空けて対向する吐出開口622が形成されている。この吐出開口622から凹版90に向けて塗布液Mを吐出し、凹版90上に塗布液Mが塗布・供給される。本実施形態における「ニードル62」が本発明における「吐出部」の一例に相当し、本実施形態における「貫通孔621」が本発明における「貫通孔」の一例に相当する。
アダプタ63は、上部開口613を覆うようにシリンジ61に装着されるものである。このアダプタ63の略中心には、Z方向に沿って延設された連通孔631が形成されている。連通孔631の下端は、シリンジ61(具体的には、筒状部611)内に収容されている。一方、連通孔631の上端は、導管80の外径よりも若干小さい径を有しており、導管80を連通孔631に挿し込むと、これらが相互に密接するようになっている。連通孔631に挿し込まれた状態の導管80は、その出口が塗布液Mの液面に対向するように連通孔631によって保持される。本実施形態では、導管80及びアダプタ63を介してシリンジ61と圧縮空気供給装置70とが接続されている(図2参照)。
また、連通孔631は、下方に向かうに従い漸次的に拡径するテーパ部632を有している。このテーパ部632は、シリンジ61と、当該シリンジ61に対して小径の導管80と、を相互に滑らかに連通させている。圧縮空気供給装置70から供給される圧縮空気は、連通孔631を介して収容空間Sに導入される。この際、圧縮空気は、テーパ部632の内面に沿って拡散され、塗布液Mの液面(すなわち、第1及び第2の部分S1、S2の界面)の略全体を加圧する。
アダプタ63の下面には、シリンジ61(具体的には、筒状部611の上部開口613)に対応して形成され、−Z方向側に開放する環状の溝部633が設けられている。この溝部633の内部には、シリンジ61の中心側から順に、Oリング64と、シリンジ61(具体的には、筒状部611)と、が収容されている。
ここで、Oリング64は、シリンジ61の内径と略一致する外径を有する環状の部材である。このOリング64は、シリンジ61(具体的には、筒状部611の外面)と溝部633(具体的には、溝部633の内側側面)との間に介在するように配置されている。
溝部633の外径は、シリンジ61の外径とほぼ一致している。一方、溝部633の内径は、無負荷状態の当該Oリング64の内径よりも若干大きい径とされている。Oリング64を介してアダプタ63をシリンジ61に装着すると、当該アダプタ63の溝部633の内側側面がOリング64をシリンジ61の内面に押し付けるように作用する。これにより、Oリング64が変形(弾性変形)すると共に、復元しようとする反発力が溝部633の内側側面及びシリンジ61の内面に作用する。この結果、溝部633の内側側面及びOリング64間、並びに、シリンジ61の内面及びOリング64間の隙間が埋没するようにこれらが密接する。すなわち、溝部633の内側側面及びOリング64間、並びに、シリンジ61の内面及びOリング64間の密封(シール)が行われる。
この場合、Oリング64は、アダプタ63をシリンジ61に装着した状態において、当該アダプタ63の溝部633及びシリンジ61に押圧されて変形(弾性変形)することで、これらの間のシール性(ガス遮蔽性)を確保し得る柔軟性を有する、たとえばニトリルゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等の合成ゴムから形成されている。なお、Oリング64を構成する材料は、特に上述に限定されない。
挿入部材65は、図3(a)及び図3(b)に示すように、環状に形成された部材であり、その全体が塗布液Mに浸漬された状態でシリンジ61内に収容されている。挿入部材65は、平面視において、シリンジ61の内形に対応した外形を有している。また、本実施形態では、挿入部材65の外径は、シリンジ61の内径(すなわち、収容空間Sの径)とほぼ一致している。これにより、シリンジ61内において、挿入部材65が遊動するのを抑止している。
このような挿入部材65は、塗布液Mに浸食されず、塗布液Mと反応性を有さない、たとえば、上述したシリンジ61を構成する材料と同様の材料から形成されている。これにより、シリンジ61に挿入部材65を収容しても、塗布液Mの物性に悪影響を及ぼさない。
なお、挿入部材65を、外力により弾性変形してシリンジ61の内部に納まる程度の柔軟性を有する材料により構成してもよい。このような挿入部材65を構成する材料としては、ニトリルゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等の合成ゴムを例示することができる。本実施形態における「挿入部材65」が本発明における「挿入部材」の一例に相当する。
この挿入部材65は、第2底面651と、当該第2底面651の反対側の面である拡散面652と、第2底面651と拡散面652の間を貫通する内孔653と、を有している。
第2底面651は、挿入部材65の下方の主面である。第2底面651は、第1底面612に対応した形状を有し、第1底面612と相互に密接している。なお、特に図示しないが、相互に接触する第1底面612及び第2底面651を凹凸係合等の機械的結合手段や接着剤等の化学的結合手段を用いて相互に結合してもよい。これにより、挿入部材65が塗布液M中に浮遊するのを防止する。なお、特に上述に限定されず、第1及び第2底面612,651は、相互に離間して配置されていてもよい。本実施形態における「第2底面651」が本発明における「第2底面」の一例に相当する。
拡散面652は、挿入部材65の上方の主面である。本実施形態の挿入部材65は、上述のように、全体が塗布液Mに浸漬された状態でシリンジ61内に配置される(具体的には、塗布液Mを受容する第1の部分S1に収容され、底部S11に位置する)ため、拡散面652が塗布液Mに面した状態でディスペンサ60が作動する。
拡散面652は、シリンジ61(具体的には、筒状部611)の軸方向に対して直交する方向(すなわち、X方向及びY方向からなるX−Y平面)に延在している。本実施形態では、挿入部材65の周縁から内孔653の周縁に至るまで一様に延在する平坦な面として、拡散面652が形成されている。
なお、拡散面652は、シリンジ61の軸方向に対して交差する方向に延在していれば、特に上述に限定されない。たとえば、断面視において、内孔653から離れるにしたがって第2底面651側に接近するように傾斜していてもよい。あるいは、断面視において、内孔653に接近するにしたがって第2底面651側に接近するように傾斜していてもよい。また、本実施形態では、断面視において、拡散面652が直線状に形成されているが、曲線状に形成されていてもよい。本実施形態における「拡散面652」が本発明における「拡散面」の一例に相当する。
内孔653は、挿入部材65をZ方向に沿って貫通する貫通孔である。この内孔653は、第2底面651で開口すると共に拡散面652で開口している。内孔653は、その中心が挿入部材65の中心と同軸上に配置されている。
本実施形態では、挿入部材65の上方側(すなわち、拡散面652の上方側)に塗布液Mが収容されている。内孔653は、この塗布液Mを開口614に通じさせる流路を形成する。内孔653の径は開口614の径よりも大きく、内孔653の外形は、平面視において、開口614(図中破線により表示)の外形を包囲している。また、当該内孔653の中心は、開口614の中心と実質的に一致するように配置されている。
なお、塗布液Mの吐出性能の低下を抑制する観点から、平面視において、内孔653の径は開口614の径の5倍以上であることが好ましい。また、塗布液Mが沈降分離した状態で内孔653内に滞留するのを抑制する観点から、内孔653の径は10mm以下であることが好ましく、内孔653の高さ(すなわち、挿入部材65の厚さ)は10mm以下であることが好ましい。また、ディスペンサ60における撹拌性能の低下を抑制する観点から、内孔653の径は、挿入部材65の径の1/3倍以下であることが好ましい。本実施形態における「内孔653」が本発明における「内孔」の一例に相当する。
圧縮空気供給装置70は、図2に示すように、導管80を介してディスペンサ60に接続されている。圧縮空気供給装置70は、圧縮空気を製造する高圧源を有し、この高圧源で製造された圧縮空気が導管80を通過してシリンジ61の収容空間S(具体的には、第2の部分S2)に導入される。
ディスペンサ60においては、圧縮空気供給装置70から圧縮空気が導入されると、第2の部分S2が加圧され、ニードル62から塗布液Mを吐出することで、凹版90上に塗布液Mを供給する。一方、圧縮空気供給装置70から圧縮空気の導入が停止されると、第2の部分S2が減圧され、ニードル62からの塗布液Mの吐出が停止することで、凹版90上への塗布液Mの供給を停止する。ディスペンサ60における塗布液Mの吐出条件に応じて、圧縮空気の供給量、供給圧、供給時間等が圧縮空気供給装置70において制御される。本実施形態における「圧縮空気供給装置70」が本発明における「供給手段」の一例に相当する。
次に作用を説明する。
本実施形態の塗布装置1を用いて配線基板100を製造するに際し、凹版90上に塗布液Mを供給する場合においては、まず、ディスペンサ60に塗布液Mを充填する。この塗布液Mは沈降分離性を有するものであり、たとえば凹版90への塗布液Mの供給を長時間待機している間に、経時的に当該塗布液Mを組成する成分同士の分離が生じる。
次に、ディスペンサ60に充填された塗布液Mを凹版90上へ吐出する。ここでは、まず、圧縮空気供給装置70によって製造された圧縮空気が、導管80を介してシリンジ61の収容空間S(具体的には、第2の部分S2)に導入される。シリンジ61内では、図3(a)に示すように、第2の部分S2の内圧が上昇し、塗布液Mの液面(すなわち、第1及び第2の部分S1,S2の界面)に圧縮空気が作用することで、当該塗布液Mを下方(シリンジ61(筒状部611)の軸方向に沿って下向き)に押し下げる。これにより、塗布液Mが挿入部材65の内孔653及びニードル62の貫通孔621を通過して、吐出開口622から吐出され、凹版90に塗布液Mが供給される。
この際、内孔653の上方から流下する塗布液Mについては、開口614(すなわち、ニードル62)に向かう流動が許容される。つまり、内孔653の上方の範囲に存在する塗布液Mは、圧縮空気が液面に作用することで、下方に向かって流下し、内孔653及び開口614を通過してニードル62の貫通孔621に到達できる。
一方、拡散面652の上方から流下する塗布液Mについては、その流動が阻害される。つまり、拡散面652がシリンジ61の軸方向に対して交差する方向に延在しているので、当該軸方向に沿って流下しようとする塗布液Mが拡散面652に衝突し、当該塗布液Mの流動が阻害されるのである。この場合、塗布液M中に乱れが生じる。塗布液Mにおいて生じる乱れの挙動としては、たとえば、塗布液Mが拡散面652に沿ってシリンジ61の中心側から外側に向かう方向に案内され、さらに、当該シリンジ61の内面に沿って下方側から上方側に向かう方向に流動する(図3(a)中白抜きの矢印で表示)。なお、塗布液Mにおいて生じる乱れの挙動としては、上述した態様に限定されるものではない。
このように、本実施形態では、発生する乱れがシリンジ61内に受容される塗布液Mを撹拌し、沈降分離した当該塗布液Mを組成する成分同士を混合するので、塗布液M全体において、これら成分を均一に分散させることができる。これにより、塗布液Mを組成する成分同士の分離を抑制することができる。
特に、本実施形態では、拡散面652がシリンジ61の軸方向に対して実質的に直交する方向に延在する略平坦な面であることで、当該軸方向に沿って流下する塗布液Mの流動方向が当該拡散面652に衝突することによって偏向され易くなり、結果として当該塗布液Mがより大きく乱れる。これにより、高い拡散性能を得ることができる。
また、本実施形態では、前記開口の外形は、前記内孔の外形に包囲されていることで、塗布液Mが内孔653を通じて、円滑に開口614に到達することができる。これにより、内孔653を通過した後、開口614に到達するまでの間に、塗布液Mが滞留するのを抑制できるので、ディスペンサ60における塗布液Mの吐出性能が低下するのを抑制することができる。特に、本実施形態では、前記開口の中心と、前記内孔の中心とは実質的に一致させていることで、上述の効果がより顕著となる。
また、本実施形態では、挿入部材65が第1底面612と接触する第2底面651を有し、第2底面651が第1底面612に対応した形状を有していることで、挿入部材65をシリンジ61内に安定して保持することができると共に、第1及び第2底面612,651間に塗布液Mが入り込み、撹拌不良が生じるのを抑制することができる。
また、塗布装置1において複数種の配線基板100の製造する場合、塗布液は製造される配線基板に対応したものが選定されるが、この場合、選定される塗布液ごとに組成が異なるため、塗布液を構成する成分の分離の程度に差が生じる。このような場合においても、本実施形態では、挿入部材65を交換することで、塗布液Mの種類に対応した最適な当該塗布液Mの撹拌を実施することもできる。
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
図4(a)は本発明の一実施の形態に係る塗布器の変形例を示す断面図、図4(b)は本発明の一実施の形態に係る挿入部材の変形例を示す平面図である。
図4(a)及び図4(b)に示すように、挿入部材65Bに形成される内孔653Bが、第2底面651に向かうに従い、漸次的に縮径されるようなテーパ形状を有していてもよい。この場合、塗布液Mが内孔653Bを通過する際に、塗布液Mと当該内孔653Bの内面との間に生じる抵抗(圧力損失)が低減されるので、開口614に向かって流下する塗布液Mの流動が過度に阻害されるのを抑制する。これにより、ディスペンサ60における塗布液Mの吐出性能が低下するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、ディスペンサ60及びこれを備える塗布装置1を凹版90に塗布液Mを供給するために用いたが、特にこれに限定されず、たとえば、スクリーン印刷等の凹版を用いない場合にも、本発明の塗布器及び塗布装置を用いることができる。
1・・・塗布装置
10・・・版テーブル
11・・・保持面
30・・・ドクター
50・・・移動機構
60・・・ディスペンサ
61・・・シリンジ
S・・・内部空間
S1・・・第1の部分
S11・・・底部
S2・・・第2の部分
611・・・筒状部
612・・・第1底面
614・・・開口
613・・・上部開口
62・・・ニードル
621・・・貫通孔
622・・・吐出開口
63・・・アダプタ
631・・・連通孔
632・・・テーパ部
633・・・溝部
64・・Oリング
65,65B・・・挿入部材
651・・・第2底面
652・・・拡散面
653,653B・・・内孔
70・・・圧縮空気供給装置
80・・・導管
90・・・凹版
91・・・上面
92・・・凹パターン
100・・・配線基板
110・・・基材
120・・・導体層
M・・・塗布液

Claims (8)

  1. 塗布液を被塗布体に塗布する塗布器であって、
    前記塗布液を収容する収容空間と、開口が形成された第1底面と、を有する筒状の容器と、
    前記開口に連通する貫通孔を有し、前記貫通孔の一方端から前記被塗布体に向けて前記塗布液を吐出する吐出部と、
    前記開口に対応して設けられた内孔を有し、前記収容空間の底部に収容されている環状の挿入部材と、を備えた塗布器。
  2. 請求項1に記載の塗布器であって、
    前記挿入部材は、
    前記第1底面と接触する第2底面と、
    前記第2底面の反対側に位置する拡散面と、を有し、
    前記拡散面は、前記容器の軸方向に対して交差する方向に延在している塗布器。
  3. 請求項2に記載の塗布器であって、
    前記拡散面は、前記軸方向に対して実質的に直交する方向に延在する略平坦な面である塗布器。
  4. 請求項3に記載の塗布器であって、
    前記第2底面は、前記第1底面に対応した形状を有し、
    前記第1及び第2底面が相互に密接している塗布器。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の塗布器であって、
    平面視において、前記開口の外形は、前記内孔の外形に包囲されている塗布器。
  6. 請求項5に記載の塗布器であって、
    平面視において、前記開口の中心と、前記内孔の中心とは実質的に一致している塗布器。
  7. 請求項5又は6に記載の塗布器であって、
    前記内孔は、前記開口に接近するにしたがって漸次的に縮径されている塗布器。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の塗布器と、
    前記収容空間に圧縮空気を供給する供給手段と、を備えた塗布装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020164744A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 太陽インキ製造株式会社 導電性接着剤およびシリンジ

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