JP2017029611A - 断層像撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光線入射角により異なる眼の光学系に起因する非点収差により、メリジオナル光線とサジタル光線の像面位置が離れる場合にも、良好なピントの断層像を得ること。【解決手段】 フォーカス調整光学系、非点収差補正光学系、被検眼を走査する走査手段から構成されるサンプルアームと、光路長を調整する調整手段から構成される参照アームと、光源からの光を、前記サンプルアームと前記参照アームに分岐し、前記被検眼で反射された光と前記参照アームを介した光を干渉させた干渉に基づいて断層像を生成する生成手段を有する断層像撮像装置であって、前記非点収差補正光学系は、その光軸を中心に回転可能に保持された2枚のシリンダーレンズを有し、前記走査手段の走査角に同期して前記シリンダーレンズを回転振動させる駆動手段を有する。【選択図】 図1
Description
本発明は、断層像撮像装置に関し、特に被検者の網膜の断層像を取得する断層像撮像装置に関する。
網膜の断層像を撮像する断層像撮像装置は、網膜からの反射光(サンプル光)と参照光とを干渉させた光の干渉縞の周波数を解析することにより断層像を生成する技術が用いられていることが知られている。
近年、眼底像の撮像においては、一回の撮像で眼底の周辺部までを含む画像の取得が可能な広画角撮像が望まれており、眼底の断層像を取得する撮像においても一回の撮像で眼底の周辺部まで取得可能な広画角撮像が望まれている。ところが、眼底の周辺部にピントを合わせようとすると、眼の光学系に非点収差が発生するためメリジオナル光線とサジタル光線でピントの位置が離れる現象が発生し、光学系のフォーカス調整だけではピント調整が困難になるという問題が生じる。特許文献1には、乱視補正光学系を搭載し、被検眼の乱視(非点収差)を補正する技術が開示されている。これは光線入射角(撮像画角)が、小さい場合は良いが、広く眼底の周辺部までを撮像する際には、非点収差の生じ方が中心部と異なるため効果は少ない。
したがって、広画角な眼底画像の撮像において、非点収差を補正した撮像が行える装置が望まれている。
本発明は、光線入射角により異なる眼の光学系に起因する非点収差により、メリジオナル光線とサジタル光線の像面位置が離れる場合にも、良好なピントの断層像を得ることできる断層像撮像装置を提供することである。
上記課題を解決するために本発明の断層像撮像装置は、フォーカス調整光学系、非点収差補正光学系、被検眼を走査する走査手段から構成されるサンプルアームと、光路長を調整する調整手段から構成される参照アームと、光源からの光を、前記サンプルアームと前記参照アームに分岐し、前記被検眼で反射された光と前記参照アームを介した光を干渉させた干渉に基づいて断層像を生成する生成手段を有する断層像撮像装置であって、前記非点収差補正光学系は、その光軸を中心に回転可能に保持された2枚のシリンダーレンズを有し、前記走査手段の走査角に同期して前記シリンダーレンズを回転振動させる駆動手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、非点収差の影響を軽減した高画質な断層像が得られる。
以下に、本発明の好ましい実施形態について、添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に関わる本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら、詳細に説明する。本実施形態の装置により撮像できるものは、例えば、人間の網膜、前眼部等の断層像である。
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら、詳細に説明する。本実施形態の装置により撮像できるものは、例えば、人間の網膜、前眼部等の断層像である。
(装置構成)
本実施形態に係るフーリエドメイン方式の光干渉断層法を眼底撮像装置に応用した例について、図1を用いて説明する。
本実施形態に係るフーリエドメイン方式の光干渉断層法を眼底撮像装置に応用した例について、図1を用いて説明する。
図1において、光源1は、中心波長1050nm、帯域100nmのSS(波長掃引)光源である。SS光源とは、出射する光の波長が一定の周期で変わる光源であり100nm程度の波長幅で100kHzから300kHz程度の掃引速度で周波数が変化する。
この光源1からの光は、ファイバー2によりコリメータレンズ3の略焦点位置に導かれ、その光路上には、光量調整手段である透過率連続可変のNDフィルター4、光路分岐部材5が配置される。光路分岐部材5の反射光路には、フォーカス調整光学系6、非点収差(乱視)補正光学系7、走査光学系9、リレーレンズ10、ミラー11、対物レンズ12が配置され、これらはサンプル光学系1001を構成する。ここで非点収差補正光学系7は、絶対値の略等しい、一経線方向に凸パワーと凹パワーを有する2枚のシリンダーレンズで構成される。これら2枚のレンズは、駆動部8a、8bにより光軸を回転軸として任意の角度に回転自在に構成されている。走査光学系9は、光軸方向に隣接して配置(タンデム配置)された互いに直交する(X,Y)方向に光を走査する一対のミラーであり、例えばガルバノミラー等が適用される。
またサンプル光学系1001にはシャッター13が配置され、適宜光の遮断が可能なように構成されている。
光路分岐部材5のサンプル光学系1001からの戻り光の透過方向には、レンズ14が配置されファイバー26に導光される。
光源1からの光の光路分岐部材5の透過光軸上には、レンズ15が配置され、その焦点位置には、ファイバー16の入射端が配置される。このファイバー16の出射端は、コリメータレンズ17の焦点位置に配置される。その光路上には、ミラー18、調光光学系19、ミラー20、21、23、レンズ24が配置され、レンズ24の焦点位置には、ファイバー27の入射端が配置される。レンズ17からレンズ24までは、参照光学系1002を構成する。ここでミラー20、21はステージ22により光軸方向に移動可能に構成され、これにより光路長を調整することが可能である。またシャッター25も設けられ、適宜光の遮断も可能である。ファイバー26とファイバー27は、分岐比50:50のカプラー28に接続される。カプラー28の出射側にはファイバー29、30が接続され、差動検知器31の入力ポート31a、31bに接続される。差動検知器31からは、モニター信号1、モニター信号2、差動出力が出力され、それぞれ制御回路32に接続され、さらに表示モニター33が制御回路32に接続される。
制御回路32には、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部32a、データを記憶するメモリー32b、演算を行うCPU32cを有する。また、制御回路32には、光源1から、出力波長に同期し、等波数の波長タイミングに対応したタイミング信号(K−clock)が入力されており、このタイミングに同期してA/D変換を行う。
(測定方法)
次に、このような構成の装置を用いて、被検眼Eの眼底Efの網膜の断層像を撮像する方法を説明する。
次に、このような構成の装置を用いて、被検眼Eの眼底Efの網膜の断層像を撮像する方法を説明する。
被検眼Eを本装置の前に配置する。まず、操作者は、網膜からの反射像により形成される眼底像を観察しピント調整、撮像位置の確認を行う。アライメントスイッチ33bへの操作により、光源1が発光し、走査光学系9は二次元走査を開始する。光源1から出射された光は、ファイバー2を通り、レンズ3でコリメートされ、光量調整部材4により、安全な光量に調整され、光路分岐部材5により、サンプルアーム1001と参照アーム1002に分岐される。サンプルアーム1001は分岐部材5の反射側に配置された光学系であり、本実施形態では、入射ビームのうち10%の光が(反射光として)導かれ、参照アーム側には、残り90%の光が(透過光として)導かれる。この光路分岐部材5には、偏光特性のない無偏光ビームスプリッターが用いられる。この様なビームスプリッターは、三角プリズムの斜面にAG等の金属膜と誘電体多層膜を組合せて(ハイプリッド)蒸着し、もう一つの三角プリズムの斜面と貼り合わせることにより製作できる。サンプルアームの光路方向に反射された光束は、フォーカス調整光学系6、非点収差補正用光学系7を通る。そして、走査光学系9により2次元走査され、レンズ10によりリレーされミラー11により偏向され対物レンズ12より被検眼Eの眼底Erに導かれ輝点を形成する。この輝点は、走査光学系9により、被検眼眼底を2次元走査される。眼底からの反射光束は、レンズ12を通りミラー11で反射され、レンズ10でリレーされて、走査光学系9により逆スキャンされる。そして、非点収差補正光学系7、フォーカス調整光学系6を通り、光路分岐部材5を透過し、レンズ14によりファイバー26の入射端に集光される。ファイバー26に入射した光は、カプラー28に入り50:50に分岐されファイバー29、30を介して差動検知器31の入力1である31a、入力2である31bより入力する。
ファイバー2から出射された光の内、光路分岐部材5を透過した光は、参照光学系1002に導くファイバー16に入射端に入るが、アライメントモードにおいては、参照光路はシャッター25により遮断されている。
差動検知器31からは、差動信号、及び、制御回路32の入力端1と入力端2への光入力強度に対応した電気信号出力である、モニター出力1とモニター出力2が出力され、それぞれ、制御回路32に入力され、A/D変換部32aによりデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された入力ポート31a、31bへの信号は、光源1の一掃引に相当する時間で足し合わされ、1画素の信号としてメモリー32bに記憶される。このデータより、制御回路32は眼底平面像を構築し、モニター33に眼底観察像として表示する。操作者はこのモニター33の眼底平面像表示エリア33aに表示された眼底平面像を観察し、装置の光軸が被検眼瞳孔の中心を通り、対物レンズと被検眼の距離(作動距離)が適正になるようにアライメントを行う。すなわち、モニター33の眼底平面表示エリア33aに映る眼底平面像が、眼底の周辺まで均一に見えるように不図示の操作部で作動距離および上下左右位置を調整する。
さらに操作者は、モニター33上に表示されたフォーカススイッチ33cを操作しフォーカス調整光学系6を光軸方向に動かすことにより、画像の明るさ、コントラストが最大になるようにピント調整する。
(OCTプレビュー撮像)
眼底平面像の観察により装置と被検眼の位置が適正であり、フォーカス調整も適正であることを確認した後、操作者はスイッチ33dを操作しOCTプレビューモードに移る。OCTプレビューモードにおいては、眼底像の2次元撮像の合間にOCT撮像が行われモニターに表示される。OCT画像取得時においては、参照光学系1002のシャッター25を光路外に退避し、眼底からの戻り光は、参照光路からの光と干渉する。すなわち光路分岐部材5を透過し、レンズ15によりファイバー16に入射した光は、レンズ17によりコリメータされ、ミラー18で左方に反射され、調光光学系19を通り、ミラー20、ミラー21、ミラー23により反射されレンズ24によりファイバー27に入り、カプラー28に導かれファイバー26により導かれる被検眼からの戻り光と干渉する。この干渉光はカプラー28によりそれぞれの干渉縞の位相が反転しファイバー29、ファイバー30により作動検知器31の入力ポート31a、31bに入る。差動検知器31は、入力ポート31a、31bへの光入力を電気信号に変換し差分つまり反転した干渉成分に相当する信号を出力する。この差動信号は制御回路32に入り、光源1の出力する等波数信号のタイミングでA/D変換部32aによりデジタル信号に変換されメモリー32bに記録される。メモリー32bに記録された光源の1回の掃引に相当する、1Aスキャンデータは、フーリエ変換され、周波数成分に変換されOCT信号が生成され、モニター33の断層像表示エリア33fには断層像が表示される。
眼底平面像の観察により装置と被検眼の位置が適正であり、フォーカス調整も適正であることを確認した後、操作者はスイッチ33dを操作しOCTプレビューモードに移る。OCTプレビューモードにおいては、眼底像の2次元撮像の合間にOCT撮像が行われモニターに表示される。OCT画像取得時においては、参照光学系1002のシャッター25を光路外に退避し、眼底からの戻り光は、参照光路からの光と干渉する。すなわち光路分岐部材5を透過し、レンズ15によりファイバー16に入射した光は、レンズ17によりコリメータされ、ミラー18で左方に反射され、調光光学系19を通り、ミラー20、ミラー21、ミラー23により反射されレンズ24によりファイバー27に入り、カプラー28に導かれファイバー26により導かれる被検眼からの戻り光と干渉する。この干渉光はカプラー28によりそれぞれの干渉縞の位相が反転しファイバー29、ファイバー30により作動検知器31の入力ポート31a、31bに入る。差動検知器31は、入力ポート31a、31bへの光入力を電気信号に変換し差分つまり反転した干渉成分に相当する信号を出力する。この差動信号は制御回路32に入り、光源1の出力する等波数信号のタイミングでA/D変換部32aによりデジタル信号に変換されメモリー32bに記録される。メモリー32bに記録された光源の1回の掃引に相当する、1Aスキャンデータは、フーリエ変換され、周波数成分に変換されOCT信号が生成され、モニター33の断層像表示エリア33fには断層像が表示される。
(参照光路長調整)
光源1は、掃引光源であるため、発する光の波長は時間とともに変化する。干渉は、参照光学系とサンプル光学系の光路長差が、ちょうど波長の整数倍のとき強めあい、半波長ずれた時弱めあう。すなわち、干渉により強めあう波長と弱めあう波長が周期的に変化する。この周期は、サンプル光学系と参照光学系の光路長差に関係する。ただし、この光路長差があまり大きいと、この周期はとても短くなり周波数は大きくなる。したがって干渉信号をデジタル信号に変換するA/D変換のタイミングより周波数が大きくなると周期を正確にとらえることはできない。したがって、操作者は、サンプル光学系と参照光学系の光路長差が、短くなり所定の範囲にOCTの断層像を表示できるように、CG操作スイッチ33eを用いて、ステージ22を駆動して移動させることにより参照光学系の光路長を調整する。
光源1は、掃引光源であるため、発する光の波長は時間とともに変化する。干渉は、参照光学系とサンプル光学系の光路長差が、ちょうど波長の整数倍のとき強めあい、半波長ずれた時弱めあう。すなわち、干渉により強めあう波長と弱めあう波長が周期的に変化する。この周期は、サンプル光学系と参照光学系の光路長差に関係する。ただし、この光路長差があまり大きいと、この周期はとても短くなり周波数は大きくなる。したがって干渉信号をデジタル信号に変換するA/D変換のタイミングより周波数が大きくなると周期を正確にとらえることはできない。したがって、操作者は、サンプル光学系と参照光学系の光路長差が、短くなり所定の範囲にOCTの断層像を表示できるように、CG操作スイッチ33eを用いて、ステージ22を駆動して移動させることにより参照光学系の光路長を調整する。
このようにして、光路長調整が適正に行われると眼底の部位に対応した干渉信号が得られる。この干渉信号より眼底の断層像を生成し、モニター33の断層像表示エリア33fに断層像を表示する。
[眼の非点収差]
人眼の眼底の周辺部を撮像する場合、光学系には、メリジオナル光線とサジタル光線で結像位置に差が出る非点収差が存在し、広画角撮像をする場合には周辺部の画質の低下の原因になる。図2において201は網膜面であり、202は紙面垂直方向に広がりを持つ光線の結像面であるサジタル像面であり、また203は紙面内に広がりを持つ光線の結像面であるメリジオナル像面である。すなわち網膜中心部204で、ピントをあわせても周辺部では、ピントが合わなくなる。このピントずれの原因は、非点収差であり、光線入射角により変化するため、フォーカスレンズによるピント調整や、シリンダーレンズによる乱視補正では、調整できない。
人眼の眼底の周辺部を撮像する場合、光学系には、メリジオナル光線とサジタル光線で結像位置に差が出る非点収差が存在し、広画角撮像をする場合には周辺部の画質の低下の原因になる。図2において201は網膜面であり、202は紙面垂直方向に広がりを持つ光線の結像面であるサジタル像面であり、また203は紙面内に広がりを持つ光線の結像面であるメリジオナル像面である。すなわち網膜中心部204で、ピントをあわせても周辺部では、ピントが合わなくなる。このピントずれの原因は、非点収差であり、光線入射角により変化するため、フォーカスレンズによるピント調整や、シリンダーレンズによる乱視補正では、調整できない。
すなわちメリジオナル光線、サジタル光線を光線入射角に応じて別々にピント調整する必要がある。
図3は、人眼の非点収差をシミュレーションにより求めた図であり、横軸はディオプター(屈折異常値)、縦軸は、光線入射角(撮像画角)である。図2と同様、メリジオナル光線は2点鎖線であり、サジタル光線は波線である。周辺部撮像時すなわち瞳への入射角が大きい場合には、メリジオナル、サジタル像面が網膜面から逆方向に離れ、メリジオナル像面は、網膜から瞳に近い方向すなわちマイナスディオプター方向、サジタル像面はプラスディオプター方向にずれ、その量は、入射角(画角)50°でそれぞれ約3D程度である。すなわち、6Dに相当する非点収差が発生することなる。
[シリンダーレンズによる非点収差補正]
図4に、非点収差補正光学系7を構成するシリンダーレンズ7aとシリンダーレンズ7bを示す。シリンダーレンズ7aは、凸のシリンダーレンズでありシリンダー面は軸d2に平行な曲率中心を有し、d1の方向には、被検眼の視度換算で+p(D)相当のパワーを有する。一方、軸d2の方向には、パワーを有さない。シリンダーレンズ7bは凹のシリンダーレンズでありシリンダー面は軸d2に平行な曲率中心を有し、軸d1の方向には、−p(D)相当のパワーを有する。またそれに垂直な軸d2の方向にはパワーを有さない。
図4に、非点収差補正光学系7を構成するシリンダーレンズ7aとシリンダーレンズ7bを示す。シリンダーレンズ7aは、凸のシリンダーレンズでありシリンダー面は軸d2に平行な曲率中心を有し、d1の方向には、被検眼の視度換算で+p(D)相当のパワーを有する。一方、軸d2の方向には、パワーを有さない。シリンダーレンズ7bは凹のシリンダーレンズでありシリンダー面は軸d2に平行な曲率中心を有し、軸d1の方向には、−p(D)相当のパワーを有する。またそれに垂直な軸d2の方向にはパワーを有さない。
図5に示すように、凸シリンダーレンズ7aのパワー方向の水平軸とのなす角度をa1、凹シリンダーレンズ7bのパワー方向が水平軸となす角度をa2とする。ここで
(a1+a2)/2=a a1−a=a−a2=b
とすると、水平から角度θの経線方向のパワーP1(θ)、P2(θ)は、それぞれ下記のようにあらわすことができる。
P1(θ)=P×(1+cos((θ−a−b)*2)/2
P2(θ)=P×(−1−cos((θ−a+b)*2)/2
これより、P1、P2を合成したパワーをP(θ)とすると
P(θ)
=P*((cos((θ−a−b)*2)−cos((θ−a+b)*2))
=P*sin(2*(θ−a))*sin(2*b)
となる。
(a1+a2)/2=a a1−a=a−a2=b
とすると、水平から角度θの経線方向のパワーP1(θ)、P2(θ)は、それぞれ下記のようにあらわすことができる。
P1(θ)=P×(1+cos((θ−a−b)*2)/2
P2(θ)=P×(−1−cos((θ−a+b)*2)/2
これより、P1、P2を合成したパワーをP(θ)とすると
P(θ)
=P*((cos((θ−a−b)*2)−cos((θ−a+b)*2))
=P*sin(2*(θ−a))*sin(2*b)
となる。
この式は、合成したパワーは角度a方向とそれに垂直な方向ではゼロであり、θ=a±45°方向で、±P*sin(2*b)のパワーを有することがわかる。すなわち、簡単のためa=45°とすると、θ=0°方向には、−P*sin(2*b)、θ=90°方向には、P*sin(2*b)のパワーを持つことが分かる。これは、合成したパワーは垂直方向に符号の異なる非点収差を有し、パワーを持つ角度方向は、2つのシリンダーレンズの角度の平均値できまり、非点収差のパワーは2つのシリンダーレンズのなす角度で決まることを示す。
したがって、光軸を通る水平断面の撮像を考えた場合、図3に示したように、垂直方向の光線(サジタル光線)と、水平方向の光線(メリジオナル光線)で非点収差が光線入射角により変化する。この非点収差を補正するためには、図6に示すように、前述のシリンダーレンズの平均角度をa=45°に保ったまま、光線入射角を決める走査光学系9を構成する、Xガルバノミラーの角度に同期して、シリンダーレンズ7a、7bにそれぞれ反対方向に回転振動を与えればよい。
例えば、シリンダーレンズのパワーP=5(D)として±3Dの非点収差を与えるための角度は、Sin(2*b)=3/5より、b=18.4°となる。
すなわち、図7に示すようにシリンダーレンズ7aは45°から63.4°、シリンダーレンズ7bは45°から26.6°の範囲で回転振動させることにより、被検眼への光線入射角(撮像画角)0°から50°に対応した非点収差が補正できる。
実際には、非点収差量を入射角の関数としてフィッティングを行い、あらかじめ入射角θに対して、非点収差量を表す関数
AS(θ)=a*θ^3+b*θ^2+c*θ+d
を求めておき、
b(θ)=asin(AS(θ)/5)*2
に従って、シリンダーレンズ7a、7bの回転角度を与えると良い。
AS(θ)=a*θ^3+b*θ^2+c*θ+d
を求めておき、
b(θ)=asin(AS(θ)/5)*2
に従って、シリンダーレンズ7a、7bの回転角度を与えると良い。
[シリンダーレンズ回転機構]
シリンダーレンズ7a、7bは、それぞれ図8に示すハウジング81に収納されており、ハウジング81は、レンズ収納部81aとその外周部に歯車が形成されている歯車部81bより構成されている。
シリンダーレンズ7a、7bは、それぞれ図8に示すハウジング81に収納されており、ハウジング81は、レンズ収納部81aとその外周部に歯車が形成されている歯車部81bより構成されている。
このハウジング81のレンズ収納部は、図9に示す、ベアリングガイド91に回転可能に収納されており、歯車部81bは、ガルバノモータの軸に固定された歯車8bにより駆動される。
シリンダーレンズ7a、7bは、それぞれ同様に、ガルバノモータにより回転可能に構成されているため、それぞれのレンズをその光軸を回転中心とした任意の回転角に制御することができる。
OCTのビーム入射径を2mmとし、走査光学系と被検眼瞳孔との瞳倍率を2倍とすると、非点収差補正レンズ付近における光線有効径は、4mmになる。余裕を考えてレンズ外径をΦ8mm、厚さを1mm、硝材をS−BSL7(OHARA INC.)を使用した場合、比重2.52g/cm^3なので、レンズの重さは、0.13gとなる。この重さは、十分軽いため市販の中空ステッピングモータの中空部分にレンズを保持することにより駆動制御することも可能である。
[シリンダーレンズ回転角の設定]
非点収差の量は、人(被検眼)により異なるため、操作者は、モニターに映る断層像の周辺部をみて、非点収差の確認を行う。操作者が非点収差量増減スイッチ33dを操作すると、制御回路は、2つのシリンダーレンズの角度の平均値(=a)は一定のまま、駆動範囲(=b)の大きさを変える。操作者は、断層像表示エリア33fに表示される断層像を観察し周辺部の画質が最も良くなるように非点収差量増減スイッチ33dを操作する。
非点収差の量は、人(被検眼)により異なるため、操作者は、モニターに映る断層像の周辺部をみて、非点収差の確認を行う。操作者が非点収差量増減スイッチ33dを操作すると、制御回路は、2つのシリンダーレンズの角度の平均値(=a)は一定のまま、駆動範囲(=b)の大きさを変える。操作者は、断層像表示エリア33fに表示される断層像を観察し周辺部の画質が最も良くなるように非点収差量増減スイッチ33dを操作する。
[断層像撮像]
以上説明したように、操作者は断層像表示エリア33fに表示されたプレビュー画面を観察し、フォーカス、C−gate位置、周辺部の画質(非点収差)が適正であることを確認したのち、断層像の撮像をおこなうよう指示する。
以上説明したように、操作者は断層像表示エリア33fに表示されたプレビュー画面を観察し、フォーカス、C−gate位置、周辺部の画質(非点収差)が適正であることを確認したのち、断層像の撮像をおこなうよう指示する。
撮像スイッチ33hへの入力を検知した制御回路32は、Yスキャナーを固定しXスキャナーのみを走査し、繰り返し撮像することにより同一部位の断層像を50枚〜100枚撮像し、画像データを記録する。これらの複数枚の断層像を用いて重ね合わせ画像が生成され断層像表示エリア33fに表示されるとともにメモリー32bに記録され撮像を終了する。
[第2の実施形態]
第1の実施形態においては、光軸を通る水平断面上の断層像を撮像する場合を示したが、眼底を2次元的に撮像し、深さ方向の情報も合わせて3次元のデータを得るボリュームスキャンに適用することもできる。
第1の実施形態においては、光軸を通る水平断面上の断層像を撮像する場合を示したが、眼底を2次元的に撮像し、深さ方向の情報も合わせて3次元のデータを得るボリュームスキャンに適用することもできる。
図10に示すように、2次元スキャンの場合、眼底のスキャン位置は、人眼への光線入射角のX成分θx、Y成分θyを用いて表すことができる。このθx、θyは、ガルバノミラーX、Yの光線振り角に結像倍率をかけることにより求めることができる。
前述の通り補正すべき非点収差量は、経線方向の角度
θr=atan(tan(θx)/tan(θy))
により決まるので、前述の式を用い、補正すべき非点収差量AS(θr)は、
b(θx,θy)=asin(AS(θr)/5)*2
とし、前述と同様に近似多項式を用い、
AS(θr)=a*θr^3+b*θr^2+c*θr+d
より求めることができる。
θr=atan(tan(θx)/tan(θy))
により決まるので、前述の式を用い、補正すべき非点収差量AS(θr)は、
b(θx,θy)=asin(AS(θr)/5)*2
とし、前述と同様に近似多項式を用い、
AS(θr)=a*θr^3+b*θr^2+c*θr+d
より求めることができる。
また、非点収差を発生させる経線方向θaも走査角(θx,θy)にともない変化し、
a(θx,θy)=atan(tan(θx)/tan(θy))
となる。
a(θx,θy)=atan(tan(θx)/tan(θy))
となる。
シリンダーレンズ7aの角度θ_CL1、シリンダーレンズ7bの角度θ_CL2は、
θ_CL1=45°+a(θx,θy)+b(θx,θy)
θ_CL2=45°+a(θx,θy)−b(θx,θy)
となるように、Xガルバノミラー、Yガルバノミラーの動きに連動して角度制御することにより、3Dボリュームスキャンの際も非点収差を補正することができる。
θ_CL1=45°+a(θx,θy)+b(θx,θy)
θ_CL2=45°+a(θx,θy)−b(θx,θy)
となるように、Xガルバノミラー、Yガルバノミラーの動きに連動して角度制御することにより、3Dボリュームスキャンの際も非点収差を補正することができる。
このような角度制御の例を図13に示す。破線は、シリンダーレンズ7aの角度を示し、二点鎖線はシリンダーレンズ7bの角度を、実線は、その平均角度を示す。このように軸外の水平ラインを走査する場合には、平均角度も光線入射角とともに変化する。
[第3の実施形態]
第2の実施形態においては、シリンダーレンズペアを用いて、3Dボリュームスキャンをする際にも、全撮像範囲に亘って非点収差を補正できることを示した。しかし、被検者によっては図11に示すように周辺部においては、網膜面が、眼球光学系の像面とずれている場合もある。特に近視眼においては網膜部の曲率半径が小さくなり、眼球光学系の結像面と網膜面がずれる傾向がある。図11のサジタル像面202とメリジオナル像面203の中間像面204が、網膜面と一致するように、走査光学系の走査角に連動してフォーカスレンズを動かすと良い。
第2の実施形態においては、シリンダーレンズペアを用いて、3Dボリュームスキャンをする際にも、全撮像範囲に亘って非点収差を補正できることを示した。しかし、被検者によっては図11に示すように周辺部においては、網膜面が、眼球光学系の像面とずれている場合もある。特に近視眼においては網膜部の曲率半径が小さくなり、眼球光学系の結像面と網膜面がずれる傾向がある。図11のサジタル像面202とメリジオナル像面203の中間像面204が、網膜面と一致するように、走査光学系の走査角に連動してフォーカスレンズを動かすと良い。
第2の実施形態と同様、アライメントモードで眼底像を観察する。このときモニター33の付加視度エリア33iの欄に数字を入力すると、スキャンの最外側でフォーカスが、入力された量だけ付加されるようにフォーカスレンズが駆動される。たとえば、+2Dが入力されると図12の実線1201で示すようにこの場合の最大画角±50°で+2Dの調節が付加されるようにフォーカスレンズは駆動される。操作者は、周辺部の画質を見ながら最適な値を選ぶ。これにより、図11の平均像面204は、網膜面と一致する。この調整のあと前述の通り非点収差補正を実施することによりさらに正確に結像面を網膜面に合わせることができるため、画質を向上させることができる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
このプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、本発明に含まれる。
なお、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
Claims (5)
- フォーカス調整光学系、非点収差補正光学系、被検眼を走査する走査手段から構成されるサンプルアームと、
光路長を調整する調整手段から構成される参照アームと、
光源からの光を、前記サンプルアームと前記参照アームに分岐し、前記被検眼で反射された光と前記参照アームを介した光を干渉させた干渉に基づいて断層像を生成する生成手段を有する断層像撮像装置であって、
前記非点収差補正光学系は、その光軸を中心に回転可能に保持された2枚のシリンダーレンズを有し、前記走査手段の走査角に同期して前記シリンダーレンズを回転振動させる駆動手段を有することを特徴とする断層像撮像装置。 - 前記走査手段は、眼底を2次元走査でき、走査角に対応した、前記シリンダーレンズの角度を演算する演算手段を有し、2次元の走査角に対応して前記2枚のシリンダーレンズを回転振動することを特徴とする請求項1に記載の断層像撮像装置。
- 前記フォーカス調整光学系は、前記走査手段の走査に同期してフォーカス調整する構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載の断層像撮像装置。
- 前記2枚のシリンダーレンズは、凸シリンダーレンズと凹シリンダーレンズであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の断層像撮像装置。
- 前記駆動手段は、前記2枚のシリンダーレンズをそれぞれ回転振動させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の断層像撮像装置。
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JP2015155460A JP2017029611A (ja) | 2015-08-05 | 2015-08-05 | 断層像撮像装置 |
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---|---|---|---|---|
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-
2015
- 2015-08-05 JP JP2015155460A patent/JP2017029611A/ja active Pending
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