JP2017029054A - 産卵床の設置方法及び魚類用産卵床 - Google Patents

産卵床の設置方法及び魚類用産卵床 Download PDF

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Abstract

【課題】岩礁又はその周辺領域を産卵場所とする特定の魚類に産卵させやすくする産卵床の設置方法及び産卵床の提供。
【解決手段】特定の魚類の雌が1回に産卵する複数個の卵からなる1個の卵塊を内部に押し込みつつ開口付近(一点鎖線の位置)に付着させることができるように凹部21、22、23をパネル11に形成する。かかるパネル11を、凹部21、22、23の開口を通じてこれらの凹部内が上方から視認可能となるように海底又は海底の構造物に設置する。
【選択図】図3

Description

本発明は、産卵床の設置方法及び魚類用産卵床に関する。
従来、海藻や魚介類の生育や養生を目的として、さまざまな人工礁や産卵床が提案されている。特許文献1及び2は、海藻類を付着させ、生育するための海藻礁である。特許文献3はイカ類の産卵床である。
特開2000−197426号公報 特開平11−137117号公報 特開平9−187188号公報
特許文献1〜3などの従来技術は、岩礁又はその周辺領域を産卵場所とする特定の魚類の産卵特性を利用したものではない。
本発明の目的は、岩礁又はその周辺領域を産卵場所とする特定の魚類の産卵特性を利用することにより当該特定の魚類に産卵させやすくした産卵床の設置方法及び魚類用産卵床を提供することにある。
ホッケやアイナメなどの岩礁又はその周辺領域を産卵場所とする特定の魚類には、岩礁等に形成された凹部に産卵するものがいる。本発明者は、これら特定の魚類による産卵例を観察した結果、産卵に適した凹部とそうでない凹部があることに気付いた。そして、凹部が産卵に適しているか否かは、凹部の大きさが、これら特定の魚類の雌が1回に産卵する卵からなる1個の卵塊の産み付けに適しているか否かによることを知見した。
上記観点に基づく本発明による産卵床の設置方法は、海底の岩礁又はその周辺領域を産卵場所とする特定の魚類用に産卵床を設置する方法であって、前記特定の魚類の雌が1回に産卵する複数個の卵からなる1個の卵塊を内部に押し込みつつ開口付近に付着させることができるように形成された1又は複数個の凹部を有する1又は複数個の産卵床体を、前記開口を通じて前記1又は複数個の凹部内が上方から又は側方から視認可能となるように海底又は海底の構造物に設置する。
本発明の産卵床の設置方法によると、ホッケやアイナメなどの岩礁やその周辺領域を産卵場所とする特定の魚類の雌が1個の卵塊を内部に押し込みつつ開口付近に付着させることができるように凹部が形成されている。例えば、凹部の開口部が1個の卵塊に比べて大き過ぎると、卵塊が開口にうまく付着できず、凹部の奥に落ち込んでしまうおそれがある。この場合、卵塊への酸素供給が減少して卵が孵化するまで成長できない可能性が生じる。一方、卵塊と比べて開口が小さ過ぎるとそもそも卵塊を凹部内に押し込むことができない。卵塊が凹部内に押し込まれず、凹部の開口から外側に盛り上がった状態になると、外敵により食害されやすくなる。つまり、卵塊に対して適度な大きさに開口が形成されており、尚且つ、卵塊を押し込むのに十分な大きさに凹部内が形成されていることにより、魚類の雌が1個の卵塊を凹部の内部に押し込みつつ凹部の開口付近に付着させることができる。本発明によると、このように凹部が形成されているため、特定の魚類が産卵しやすい。また、このように特定の魚類が産卵しやすい凹部が、上方又は側方から視認可能となるように産卵床体が設置される。このため、特定の魚類を産卵のために凹部へと誘引しやすい。なお、本発明における産卵床の設置場所は、例えば、海底の岩礁、転石、人工魚礁等である。また、特定の魚類とは、本発明の産卵床の対象となるいずれか特定の種類の魚類を示す。
また、本発明においては、前記特定の魚類が産卵場所において縄張り行動を示す魚類であり、前記特定の魚類の1個体が形成する縄張りの1領域に相当する範囲内に、前記特定の魚類の雌が複数の卵塊を産卵できる前記凹部が配置されるように、前記1又は複数個の産卵床体を設置することが好ましい。特定の魚類の中には産卵場所に縄張りを形成し、縄張り内に産卵された卵を保護するものがいる。この場合、縄張りの範囲内に複数の卵塊が集中して産み付けられると、魚が卵を保護する効率が高まる。上記構成によると、縄張りの1領域内に複数の卵塊を産卵できるように凹部が配置される。このため、縄張り内に複数の卵塊が産み付けられる確率が高まる。よって、産み付けられた卵が効率よく保護される。
また、本発明においては、少なくともいずれか1つの前記産卵床体上に前記縄張りが形成された場合に前記縄張りの1領域内に複数個の卵塊が産卵可能となるように前記1つの産卵床体に前記凹部が形成されていることが好ましい。本発明によると、1つの産卵床体を設置することで、当該産卵床体上に縄張りが形成された場合に、その縄張りの1領域内に複数個の卵塊が産み付け可能となる。これにより、少なくとも1つの産卵床体を設置するだけで縄張りの1領域内に複数個の卵塊が産み付け可能な産卵床を設置できる。つまり、簡易な設置作業で効果の高い産卵床を設置できる。
また、本発明においては、少なくともいずれか1個の前記凹部が、前記1個の卵塊のみを付着可能であってもよい。また、本発明においては、少なくともいずれか1つの前記凹部が、複数個の前記卵塊が並ぶことができる長さを有していてもよい。これらは、それぞれ、卵塊を内部に押し込みつつ開口付近に付着させることができるような凹部の一具体例である。
また、本発明においては、前記産卵床体の上面に前記凹部が形成され、底面と一側面との間に切り欠き面が形成されており、前記切り欠き面と前記産卵床体が載置される表面とによって前記凹部がさらに形成されるように、前記産卵床体を海底又は海底の構造物上に載置することが好ましい。これによると、産卵床体の側面と底面の間に形成された切り欠き面によって凹部がさらに形成される。したがって、この凹部は側方に向かって開口することとなる。つまり、凹部が側方に開口した産卵床を簡易な構成で設置できる。
また、本発明においては、前記産卵床の設置場所として、前記特定の魚類による産卵が過去又は現時点で確認されている岩礁又はその周辺領域を選択することが好ましい。これによると、特定の魚類に関して実際に産卵が確認された岩礁又はその周辺領域に産卵床を設置する。このため、特定の魚類による産卵床への産卵を確保しやすい。また、天然の岩礁には産卵に適した凹部がまばらにしか存在しないが、そのような場所に産卵床を設置することで、産卵に適した凹部を増加できる。したがって、天然の産卵場所をより産卵に適した場所に改良することができる。なお、産卵床を砂地上の産卵好適地に設置してもよい。この場合は、砂地面の洗掘により埋まり込まないように設計された魚礁や増殖礁に取り付けられることが好ましい。これにより、砂地上にも産卵場を広げられ、砂地漁場の有効利用を図ることができる。
本発明の魚類用産卵床は、岩礁又はその周辺領域を産卵場所とする特定の魚類用に、海底又は海底の構造物に設置して用いられる産卵床であって、前記特定の魚類の雌が1回に産卵する1個の卵塊を内部に押し込みつつ開口付近に付着させることができるように形成された1又は複数個の凹部が、前記開口を通じて内部が上方から又は側方から視認可能となるように形成されている。
本発明の魚類用産卵床は、特定の魚類が産卵しやすい凹部が上方又は側方から視認可能となるように設置可能である。このため、特定の魚類を産卵のために凹部へと誘引しやすい。
本発明の一実施形態に係る産卵床体が設置された魚礁台座の斜視図である。 図2(a)は図1の産卵床体の正面図であり、図2(b)はその平面図である。 図3(a)〜図3(c)は図2の産卵床体に関する凹部周辺の部分縦断面図である。図3(d)は凹部の平面図である。 図4(a)は、1個の産卵床体が設置された領域上に対象魚が縄張りを設定した状況を示す概略図である。図4(b)は、複数個の産卵床体が設置された領域上に対象魚が縄張りを設定した状況を示す概略図である。 図5(a)は、産卵床体を構成するパネルに関する第1変形例の平面図である。図5(b)は第1変形例の正面図である。図5(c)及び図5(d)は第1変形例のさらに変形例の正面図である。図5(e)は、図5(d)の変形例を他の変形例に係るパネル上に載置した状態の斜視図である。 図6(a)及び図6(d)は、産卵床体を構成するパネルに関する第2変形例及び第3変形例の平面図である。図6(b)は第2変形例の正面図である。図6(c)は第2変形例のさらに変形例の正面図である。図6(e)は第3変形例の正面図である。図6(f)は第3変形例のさらに変形例の平面図である。 図7(a)、図7(b)及び図7(d)は、産卵床体を構成するパネルに関する第4変形例、第5変形例及び第6変形例の平面図である。図7(c)は第5変形例の凹部周辺の部分縦断面図である。図7(e)は第6変形例の正面図である。図7(f)は第6変形例のさらに変形例の正面図である。 図8(a)は産卵床体に関する別の変形例の斜視図である。図8(b)は図8(a)の正面図である。 図9(a)及び図9(c)はパネルに関する第7変形例及び第8変形例の平面図である。図9(b)及び図9(d)は第7変形例及び第8変形例の正面図である。図9(e)はパネルに関する第9変形例の斜視図である。 図10(a)及び図10(c)は、パネルの別の固定方法を示す平面図である。図10(b)及び図10(d)はその正面図である。 図11(a)は、産卵床体を設置する石かごの正面図である。図11(b)はその平面図である。石かご内の礫は一部のみ図示している。
本発明の一実施形態に係る産卵床及びその設置方法について説明する。本実施形態に係る産卵床は、岩礁及びその周辺領域(転石帯等)を産卵場所とする特定の魚類、特に、ホッケやアイナメなどのアイナメ科の魚類(以下、対象魚とする。)を対象とする。本実施形態の産卵床は、水深10m前後から50mまで、好ましくは30〜40m付近の海底にある岩礁、転石又は人工魚礁等の構造物上に設置される。設置場所は、対象魚による産卵が過去に観測された又は現在観測されている地点又はその付近であることが好ましい。これにより、対象魚による産卵床への産卵を確保しやすい。また、対象魚による実際の産卵場所を周辺領域に連続的に拡張するように産卵床を設置していくことができる。なお、産卵床を砂地上の産卵好適地(対象魚による産卵が過去に観測された地点付近を含む)に設置してもよい。この場合は、砂地面の洗掘により埋まり込まないように設計された魚礁や増殖礁に取り付けられることが好ましい。設置場所までは船で運搬され、海底まで自然沈下させるか、ダイバーの徒手によって海底へと運ばれる。また、公共工事等によって魚礁等が設置されるに当たって、あらかじめ産卵床が設置された魚礁等が海底等に設置されてもよい。
本実施形態の産卵床を構成する産卵床体1は、海底に設置された人工魚礁である魚礁台座81(図1参照)や天然の岩礁上に固定される。なお、魚礁台座81は、魚礁を産卵床体1の固定場所とする場合の一例である。産卵床体1は、図2(a)及び図2(b)に示すように、パネル11及び固定用ステイ10を有している。パネル11はコンクリート等の素材からなる部材であり、平板状に形成されている。パネル11内には鉄筋が設けられてもよい。パネル11の厚みに沿った方向(厚み方向)と直交する表面は正方形の形状を有している。あるいは、パネル11の当該表面が正方形以外の四角形の形状を有していてもよい。一実施例において、パネル11の正方形の表面における一辺の長さは20cm〜1mである。産卵床体1は、パネル11の厚み方向が上下方向にほぼ沿うように配置される。
固定用ステイ10はパネル11の下部に埋め込まれている。パネル11内に鉄筋が設けられている場合にはその鉄筋に固定されてもよい。固定用ステイ10の両端には固定孔10aが形成されている。この固定孔10aを通じてボルトなどによって固定用ステイ10が魚礁台座81や天然岩礁に固定されることにより、産卵床体1が固定されている。例えば、あらかじめ魚礁台座81の上面にボルトを固定しておき、固定孔10aにボルトを通すと共に、そのボルトにナットを取り付けて締めることで産卵床体1を魚礁台座81に固定する。なお、パネル11に固定用ステイ10を設けず、水中ボンド等の接着剤によってパネル11の下面を岩盤等の表面に直接接着してもよい。
パネル11の上面には産卵用の凹部21〜23の少なくともいずれかからなる複数の凹部が形成されている。1個のパネル11には凹部21〜23の全種類が形成されてもよいし、凹部21〜23のうち、一部の種類のみが形成されてもよい。図2は、一例として、凹部21のみが形成される場合を示す。凹部21又は22は、図3(a)又は図3(b)に示すように、概略的にU字型又はV字型の断面形状を有している。凹部21及び22は、このように、上方に向かって広がるように開口している。一方、凹部23は、図3(c)に示すように、上部の開口23a付近が窄まった瓶型の形状を有している。凹部21〜23の開口21a〜23aは、図3(d)に示すように、いずれも上方から見て円形(又は、比較的円形に近い楕円形)の概略形状を有している。なお、凹部21〜23の開口の形状が真円や楕円形よりいびつな形状であってもよい。凹部21〜23の上方からは、開口21a〜23aを通じて凹部21〜23の内部を視認可能である。開口21a〜23aの直径Rは2〜6cmである。また、凹部21〜23の内部は、いずれも、後述の1卵塊の全体が十分に収容される大きさを有している。
産卵床体1は、図4(a)及び図4(b)に示すように、平面視において直径1〜1.5mの領域Aごとに1個以上、好ましくは複数個が配置される。各産卵床体1にはそれぞれ複数の凹部が形成されているため、上記のように配置されることにより、平面視において直径1〜1.5mの領域Aごとに凹部21〜23などの凹部が複数個配置される。
以上説明した本実施形態の産卵床及びその設置方法は、ホッケやアイナメ等のアイナメ科の対象魚が有する習性を以下のように利用したものである。以下においては主にホッケを例に挙げて説明するが、アイナメに関してもほぼ同様である。
秋に婚姻色を呈したホッケの雄は、群れを形成しつつ、岩礁やその周辺領域に産卵場を形成する。群れ内の各雄ホッケは、産卵場に縄張りを形成する。本発明者が実施した潜水観察によると、雄ホッケが産卵場を形成する岩礁地帯は、水深10m前後から50m前後の海底にあり、水深30〜40m付近において雄の縄張りの密度が高い傾向にある。
雄ホッケは、岩礁の平坦な上面や緩い傾斜面に産卵場を形成することが多い。このような表面であって産卵に適した凹部が点在する場所を利用する。上記の凹部21〜23は、かかる凹部の一部の形状を模したものである。各雄ホッケは、直径1〜1.5m程度の領域で縄張りを形成する。この縄張りの範囲では、各雄ホッケは、別の雄ホッケやその他の外敵を縄張り外へと排除する行動を取る。産卵に適した天然の凹部は、しばしば上方に向かって開口している。このため、産卵期以外の期間には凹部内に砂などが滞留していることが多い。雄ホッケは、縄張り内に存在する産卵に適した凹部内に滞留した砂などを排出することで、卵塊が収まる空間を凹部内に形成する。
一方、雌ホッケは、雄ホッケが産卵場を形成した岩礁へと群れで来遊する。各雄ホッケは来遊した雌ホッケを自らの縄張り内に誘導する。誘導された雌ホッケは、1回の産卵当たりに平均4000個の沈性固着卵を産卵する。産卵された卵は不定形であるが、相互に密着した卵塊となる。雄ホッケがこの卵塊に放精した後、雌ホッケは、胸びれ、胸部、腹部等を用いて雄ホッケが砂などを排出した凹部内に卵塊を押し込む。これにより、卵塊は凹部内の形状に合わせて変形しながら固化し、凹部の内表面に強固に付着する。
例えば、凹部21〜23のような大きさ及び形状の凹部の場合、1個の凹部ごとに1個の卵塊が産み付けられる。各卵塊は、凹部の形状に応じて変形しつつ、その大半が凹部内に収まると共に、卵塊の上部が凹部の開口付近に付着する。すなわち、図3(a)〜図3(c)において、開口21a〜23a付近の領域(一点鎖線で囲まれた領域)に卵塊が固定される。このとき、凹部の開口が大き過ぎると卵塊が開口付近にうまく付着しない。また、凹部の開口が小さ過ぎると卵塊を凹部内に押し込みにくい。ホッケの場合、親魚の年齢によって産卵数が増減するため、卵塊を押し込む孔や溝は、その開口部の直径の上限が6cm程度、下限が2cm程度であることが好ましい。1つの縄張り内には複数の雌ホッケが次々に誘導され、縄張り内の空いている凹部に産卵していく。産卵を済ませた雌ホッケは産卵場所を離れるが、雄ホッケは縄張り内に留まり、別の雄ホッケやその他の外敵を追い払い続ける。これにより、各雄ホッケは、自らの縄張り内に産み付けられた1又は複数個の卵塊を卵から稚魚が孵化するまで保護し続ける。
対象魚に関するかかる習性を利用することで、本実施形態に係る産卵床は、下記のように、対象魚にとって産卵しやすく且つ卵を孵化させやすいものとなっている。まず、産卵床体1に形成された凹部21〜23は、開口21a〜23aの直径Rが2〜6cmに形成されている。また、凹部21〜23の内部は1卵塊の全体が収まるような大きさを有している。これにより、対象魚(ホッケ)が1個の卵塊を凹部の内部に押し込みつつ、凹部の開口付近に付着させることができる。つまり、対象魚が卵を産み付けやすい産卵床が形成される。以下、1個の卵塊を凹部の内部に押し込みつつ、凹部の開口付近に付着させることができる凹部の内部及び開口の大きさの範囲を、産卵好適範囲とする。
産卵好適範囲は魚種によって異なる。対象魚がホッケである場合、上記の通り、凹部の開口の大きさを2〜6cm程度にすると産卵好適範囲になる。その他、対象魚によって適切な範囲が産卵好適範囲とされればよい。魚種に応じた産卵好適範囲は、自然における実際の産卵態様を観察することによって取得可能である。あるいは、様々な大きさ・形状の凹部を形成した産卵床を対象魚の産卵場所等に試験的に設置し、産卵態様を観察することによって取得してもよい。産卵好適範囲になるように凹部が形成されているかどうかは、上記のように対象魚の産卵場所等に試験的に産卵床を設置し、対象魚が凹部に卵塊を産み付けるか否かを実際に観察することで判定可能である。
また、産卵床体1が領域Aごとに1個以上、好ましくは複数個が配置されることで、領域Aごと、つまり、1つの縄張りに相当する領域ごとに、凹部21〜23の少なくともいずれかからなる複数個の凹部が配置される。したがって、産卵床体1が設置された場所に対象魚が縄張りを形成すると、縄張り内に複数個の凹部が配置されることになる。雌ホッケは、凹部21〜23には1個の凹部に1個ずつ卵塊を産み付けていく。したがって、複数個の凹部が縄張り内に存在すると、1つの縄張りの範囲内に複数の卵塊が集中して産み付けられる可能性が高まる。これによって、雄ホッケが卵を保護する効率が高まり、孵化に至る卵が多くなる。
また、1個の産卵床体1は縦横が20cm〜1mと、縄張りの1辺の長さである1〜1.5m以下である。このような産卵床体1に複数個の凹部が集中的に形成されていることで、雄ホッケが産卵床体1を含むように縄張りを形成すると、縄張り内のさらに小さい領域に凹部が集中して配置されることになる。これによって、雄ホッケが卵を保護する効率がさらに高まる。また、1個の産卵床体1を設置するだけで1つの縄張り内に複数の凹部が配置されるような産卵床を容易に設置可能である。
次に、上述のパネル11の変形例について説明する。パネル11の変形例に係るパネル12〜18は、パネル11と同様、コンクリート等の素材からなる部材であり、縦横の長さが等しく、縦横の寸法に比べて厚みが小さい平板状に形成されている。また、パネル12〜18それぞれの縦横の長さは、パネル11と同様、20cm〜1mである。以下、パネル12〜18の各構成について説明する。
パネル12の上面には、図5(a)に示すように、凹部21〜23の他、凹部24〜26が形成されている。凹部24〜26の上方からは、各凹部の開口を通じて凹部24〜26の内部を視認可能である。凹部24は、横方向に関してパネル12の一端付近から他端付近まで延びている。つまり、凹部24は横方向に長尺である。凹部24の底部は図5(b)に示すように、ランダムな凹凸状に形成されている。凹部24は、縦方向に関して1卵塊の大きさ程度又はそれ以下の幅を有しており、これによって、凹部24の開口の一方の端部と他方の端部の両方に卵塊が付着可能であるように形成されている。凹部24の内部は、上記のように開口付近に付着した状態で卵塊全体が内部に納まるような大きさに形成されている。なお、凹部24の内部が多少小さくても、横方向に伸びるように卵塊が変形することにより、1個の卵塊全体が凹部24内に収まり得る。このように、凹部24の内部及び開口の大きさも、凹部21〜23と同様に、1個の卵塊を凹部の内部に押し込みつつ、凹部の開口付近に付着させることができる範囲となっている。つまり、凹部24の開口及び内部の大きさも産卵好適範囲である。さらに、凹部24は、横方向に長尺に形成されていることで、複数個の卵塊が横方向に並ぶように産卵可能である。凹部24のように細長い溝状に凹部を形成することで、複数個の凹部21〜23を形成する場合と同様、1個の産卵床体に複数個の卵塊を産み付け可能な産卵床を設置できる。
凹部25は、横方向に長尺であるが、凹部24より短い形状を有している。パネル12の上面には2つの凹部25が横方向に並んでいる。凹部25の開口及び内部の大きさも、凹部24と同様、産卵好適範囲である。凹部26は横方向に若干長尺であり、比較的いびつな形状を有している。複数個の凹部26が横方向及び縦方向に関して互いに接しつつ連続している。各凹部26の内部及び開口は産卵好適範囲である。
パネル12の下端部には、図5(b)に示すように、切り欠き面12cが形成されている。切り欠き面12cは、パネル12の底面12aの延長面と側面12bの延長面との間に形成される角を斜めに切り欠くように形成された面である。切り欠き面12cは、底面12aと側面12bの間に形成され、底面12a及び側面12bの両方に対して傾斜した平面に沿っている。切り欠き面12cの上下方向の幅は一定である。パネル12を比較的平坦な上面を有する岩盤等の上面に載置すると、その上面と切り欠き面12cとによって凹部27が形成される。凹部27は、縦方向及び横方向に沿って長尺に形成される。凹部27は、その開口を通じて側方から内部を視認可能である。凹部27の開口の上下方向に関する幅(図5(b)のΔ)及び内部の大きさは、凹部24と同様、産卵好適範囲である。また、縦方向又は横方向に沿って並ぶように複数の卵塊が産卵可能である。
なお、パネル12のさらに変形例として、図5(c)及び図5(d)に示すパネル12’及び12’’が用いられてもよい。パネル12’は、底面12’aに対して上面12’dが傾斜している。また、パネル12’の下端部に形成された切り欠き面12’cは、上下方向に関する幅が一定でない。切り欠き面12’cとパネル12’が載置された面との間には凹部47が形成される。凹部47の上下方向に関する幅(例えば、図5(c)のΔ)及び内部の大きさは、凹部27と同様、産卵好適範囲である。パネル12’’は、下端部に切り欠き面12’’cが形成されているのみならず、上端部にも切り欠き面12’’cと同様の切り欠き面12’’eが形成されている。また、パネル12’’の上面には、図5(e)に示すように複数の凹部21が形成されている。パネル12’’の下面にも複数の凹部21が上面と同様に形成されている。このため、パネル12’’は天地を逆にして使用することができる。パネル12、12’又は12’’を、大きさの異なる別のパネルと併用してもよい。例えば、図5(e)に示すように、パネル18の上面にパネル12’’を固定して使用してもよい。パネル18は、平坦な上面を有し、上面に複数の凹部21が形成されている。また、パネル18の下端部には切り欠き面18aが形成されている。かかるパネル18の上面にパネル12’’が固定されることにより、切り欠き面12’’cとパネル18の上面との間に、側方から内部を視認可能な凹部45が形成される。さらに、パネル18が載置された面とパネル18の下端部の切り欠き面18aとの間に、側方から視認可能な凹部46が形成される。凹部45及び46の上下方向に関する幅と内部の大きさは、凹部27と同様、産卵好適範囲である。
パネル13の上面には、図6(a)及び図6(b)に示すように、北寄貝やホタテの貝殻31及び32が固定されている。貝殻31及び32は、内側が上方に向くように配置されている。これにより、貝殻31及び32の内部によって形成された凹部28が上方に開口している。貝殻31及び32は、凹部28の開口が産卵好適範囲となるような大きさのものが用いられる。これにより、凹部28が、対象魚の1個の卵塊が産み付けられるのに適した大きさとなる。なお、図6(c)のパネル13’に示すように、貝殻31等が斜めに配置されてもよい。パネル13の下端部には切り欠き面13aが形成されている。切り欠き面13aは、平面でなく、曲面に沿っている。切り欠き面13aとパネル13が載置された面との間には凹部49が形成される。凹部49の上下方向に関する幅及び内部の大きさは、凹部27と同様、産卵好適範囲である。
パネル14の上面には、図6(d)及び図6(e)に示すように、天然石からなる複数個(例えば、4個)の礫48が固定されている。礫48同士の隙間には溝状の凹部34が形成されている。礫48の大きさ、形状及び配置関係は、凹部34が産卵好適範囲となる領域を含むように調整されている。凹部34は、複数個の卵塊が産み付け可能となるように形成されることが好ましい。パネル14の下端部には、パネル13と同様の切り欠き面13aが形成されている。なお、礫48より小さい礫33が図6(f)に示すように縦横に並べられることにより、礫33の列同士の間に溝35が凹部34と同様に形成されてもよい。
パネル15の上面には、図7(a)に示すように、幅及び深さのいずれについても一定しない溝状の凹部36が開口している。凹部36は、産卵好適範囲となる領域を含むようにパネル15の上部に形成されており、全長がなるべく長くなるようにパネル15の上面全体に張り巡らさられている。対象魚は、凹部36に沿って複数個の卵塊を産み付け可能である。パネル16の上面には、図7(b)及び図7(c)に示すように、平面形状が矩形であり縦断面が三角形の凹部37が複数個形成されている。凹部37は、産卵好適範囲となる大きさに形成されている。凹部37の横方向に関する長さは、複数個の卵塊が産み付けられるのに適したものとなっていることが好ましい。また、凹部37の底面は、斜めに傾斜しつつ開口まで延びている。このため、内部に砂が滞留した場合にこれを対象魚が掻き出しやすい。
パネル17の上面には、図7(d)及び図7(e)に示すように、側面視において三角形の突出部38が上方に向かって突出している。突出部38は、縦方向に沿って複数本延びている。突出部38同士の間には、縦方向に沿って延びた溝状の凹部39が形成されている。凹部39は、産卵好適範囲となる大きさであり、且つ、複数個の卵塊が縦方向に並ぶように産み付け可能に形成されている。なお、凹部39はパネル17の上面から上方に突出する突出部38の間に形成されているが、図7(f)のパネル17’のように、上面を下方に凹ませることで凹部39と同様な凹部40が形成されていてもよい。
産卵床体1のその他の変形例について説明する。上記パネル14には天然石が固定されているが、繊維網製のネットを使用することにより、このような天然石からなる礫をパネルに固定せずに用いてもよい。例えば、図8(a)及び図8(b)に示す石詰め礁41及び42は、それぞれ繊維網製のネット43と、ネット43内に詰められた礫44とを有している。なお、図8(a)はネット43の一部を細い破線で示している。石詰め礁41及び42は互いに接するように連結されつつ海底に配置される。石詰め礁41及び42同士の間には溝状の凹部49が形成されている。凹部49の開口の幅(図8(b)のΔ)及び内部の大きさは産卵好適範囲である。対象魚は、凹部49に沿って複数個の卵塊を産み付け可能である。また、対象魚によっては、石詰め礁41又は42の上部から側面にかけての領域(図8(b)の一点鎖線Bに示す領域)にも卵塊を付着させることがある。これはネットが緊張した状態で張られている場合に、内部の石材同士の谷間とネット地の間に空間が形成される。網地を卵塊付着の補強材として利用することでこの空間に好適に卵塊を産卵することができるためと考えられる。
図9(a)〜図9(e)に示すパネル51〜53は、コンクリート等の素材からなる部材であり、縦横の長さが等しく、縦横の寸法に比べて厚みが小さく形成されている。なお、縦横の寸法が異なっていてもよい。例えば、立方体や直方体等の概略形状を有する魚礁などに配置する場合、パネルの平面形状を長方形とすると共に、中央部に波浪を抜けさせる空間をパネルに設けてもよい。パネル51〜53のうち、パネル51及び52は、上記パネル11〜18と異なり、上面が山型に上方へと突出している。パネル51の上部には凹部21が形成されており、山型に傾斜した上面の傾斜面には凹部21の開口が形成されている。凹部21は、縦方向及び横方向のそれぞれに沿って整列している。なお、凹部21の代わりに凹部22や凹部23が形成されていてもよいし、凹部21〜23が混在していてもよい。パネル52の上部には凹部21の他、長尺な溝状の凹部61が形成されている。凹部61は、パネル52の横方向に関する端部から山型の頂上付近まで延びている。凹部61は、幅や深さが不定な、比較的いびつな形状を有している。凹部61の開口の幅や内部の大きさは産卵好適範囲である。凹部61は、一例として、2つの傾斜面の一方に複数本(例えば、3本)、他方に複数本(例えば、3本)が形成されている。また、山型の頂上付近には、一例として、6つの凹部21が形成されている。このうちの4つは縦方向に関して凹部61同士の間に配置されており、残りの2つは縦方向に関してパネル52の端部に形成されている。
パネル53の上部には、上方に突出した複数本の凸部62が形成されている。凸部62は縦方向に沿っている。凸部62同士の間には、縦方向に直交する断面がU字型である凹部63と、縦方向に直交する断面がV字型である凹部64とが、横方向に交互に形成されている。凹部63の開口の幅Δ1と内部の大きさは産卵好適範囲である。凹部64の開口の幅Δ2と内部の大きさも産卵好適範囲である。
上述のパネル11には、図10(a)〜図10(d)に示す金具71又は72が設けられてもよい。金具71は、金属製の矩形の枠体からなるアーム状の部材である。金具71は、パネル11の下端部の内部に埋め込まれており、パネル11から横方向の両方向に突出している。突出した部分は、図10(b)に示すように上方に折り曲げられている。金具71同士をロープ等で結び付けることにより、パネル11同士を連結することができる。また、金具71を持ち手にしてパネル11を徒手で運搬できる。多数のパネル11同士を縦横に連結することで平面的に配列してもよい。この場合には、ところどころに上記の石詰め礁41及び42のような礁を配置すると共に、これとパネル11を連結してもよい。これにより、パネル11の連結体全体を海底に安定して設置できる。
金具72は、図10(c)に示すように、横方向に沿った2本の枠部材72aと、縦方向に沿った4本の枠部材72bと、2本の枠部材72bから上方にコの字型に突出した枠部材72cとからなる。枠部材72a〜72cはいずれも丸棒状の金属製の部材であり、互いに溶接により固定されている。枠部材72aはパネル11の下端部内に埋め込まれており、横方向の両方向に突出している。2本の枠部材72aは、縦方向に関してパネル11の両端部に配置されている。枠部材72bは、一方の枠部材72aから他方の枠部材72aまで延びている。枠部材72cは、4本の枠部材72bのうち、中央の2本の上面に固定されている。金具72は、魚礁台座81等への溶接固定に用いられる。例えば、魚礁台座81の上面に溶接用金具を埋め込み、その溶接用金具と金具72とを溶接で固定することにより、パネル11を魚礁台座81に固定する。なお、金具72の形状は、要求される強度によって適宜変更されてもよい。
パネル11等を固定するために図11に示す直方体状の石かご82が用いられてもよい。石かご82は、金属製の枠体83、合成樹脂製の硬質ネット84、枠体83内を仕切る仕切り壁85、及び、枠体83内に充てんされた天然石や砕石からなる礫86を有している。枠体83は、直方体の各辺に相当する位置に配置された金属の棒状部材から構成されている。硬質ネット84は、枠体83を構成する棒状部材同士の間に張られている。棒状部材と硬質ネット84によって枠体83の外壁が形成されている。かかる外壁の内部は仕切り壁85によって仕切られている。礫86は、仕切り壁85によって仕切られることにより形成された枠体83内の各室に充てんされている。仕切り壁85が設けられていることにより、礫86が各室内に安定に保持されている。例えば、石かご82が海底に載置された後、金具72を用いて溶接によりパネル11が石かご82に固定される。石かご82は、海底の岩盤等に固定されてもよいし、魚礁台座81の上面に固定されてもよい。石かご82内には、礫86同士の間に隙間が形成されるため、対象魚の餌となり得る小動物が生息しやすい。したがって、産卵床体を石かご82に固定して使用することで、対象魚を産卵床体に誘引しやすい。
上述のパネル11〜18及び51〜53は、縦横の一辺が20cm〜1mの大きさであるものを想定している。しかし、これらのパネルの大きさはさまざまであってよい。例えば、徒手で扱える程度の大きさであってもよいし、500kg〜1t程度の、重機を用いて設置することが必要な大きさであってもよい。なお、図2等に示されるパネル11等に形成された各種の凹部の個数や配置は一例である。パネル全体の大きさに応じて個数や配置が適宜調整されることが好ましい。
1 産卵床体、11 パネル、21-23 凹部、21a-23a 開口

Claims (8)

  1. 海底の岩礁又はその周辺領域を産卵場所とする特定の魚類用に産卵床を設置する方法であって、
    前記特定の魚類の雌が1回に産卵する複数個の卵からなる1個の卵塊を内部に押し込みつつ開口付近に付着させることができるように形成された1又は複数個の凹部を有する1又は複数個の産卵床体を、前記開口を通じて前記1又は複数個の凹部内が上方から又は側方から視認可能となるように海底又は海底の構造物に設置することを特徴とする産卵床の設置方法。
  2. 前記特定の魚類が産卵場所において縄張り行動を示す魚類であり、
    前記特定の魚類の1個体が形成する縄張りの1領域に相当する範囲内に、前記特定の魚類の雌が複数の卵塊を産卵できる前記凹部が配置されるように、前記1又は複数個の産卵床体を設置することを特徴とする請求項1に記載の産卵床の設置方法。
  3. 少なくともいずれか1つの前記産卵床体上に前記縄張りが形成された場合に前記縄張りの1領域内に複数個の卵塊が産卵可能となるように前記1つの産卵床体に前記凹部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の産卵床の設置方法。
  4. 少なくともいずれか1個の前記凹部が、前記1個の卵塊のみを付着可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の産卵床の設置方法。
  5. 少なくともいずれか1つの前記凹部が、複数個の前記卵塊が並ぶことができる長さを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の産卵床の設置方法。
  6. 前記産卵床体の上面に前記凹部が形成され、底面と一側面との間に切り欠き面が形成されており、
    前記切り欠き面と前記産卵床体が載置される表面とによって前記凹部がさらに形成されるように、前記産卵床体を海底又は海底の構造物上に載置することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の産卵床の設置方法。
  7. 前記産卵床の設置場所として、前記特定の魚類による産卵が過去又は現時点で確認されている岩礁又はその周辺領域を選択することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の産卵床の設置方法。
  8. 岩礁又はその周辺領域を産卵場所とする特定の魚類用に、海底又は海底の構造物に設置して用いられる産卵床であって、
    前記特定の魚類の雌が1回に産卵する1個の卵塊を内部に押し込みつつ開口付近に付着させることができるように形成された1又は複数個の凹部が、前記開口を通じて内部が上方から又は側方から視認可能となるように形成されていることを特徴とする魚類用産卵床。
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