JP2017028074A - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】信頼性が高く歩留まりが向上したプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】真空容器内部に配置された減圧可能な処理室と、この処理室内に配置され処理対象のウエハが上面に載せられて保持される試料台と、この試料台の上方の前記処理室内にプラズマを形成する手段とを備え、前記試料台が、誘電体製の円板状のブロック及びその下方に隙間を開けて配置された金属製の円板状のジャケットと、このジャケットの上面の中央部に配置され前記ブロックの中央部下方に配置された誘電体製の筒状の部材が内側に挿入される凹み部と、前記ジャケットの内部に配置され内側を冷媒が通流する冷媒流路とを備え、前記筒状の部材及びその外周側の前記ブロックの下面との間を介して前記ブロックと前記ジャケットとが熱を伝達するプラズマ処理装置。
【選択図】図2
【解決手段】真空容器内部に配置された減圧可能な処理室と、この処理室内に配置され処理対象のウエハが上面に載せられて保持される試料台と、この試料台の上方の前記処理室内にプラズマを形成する手段とを備え、前記試料台が、誘電体製の円板状のブロック及びその下方に隙間を開けて配置された金属製の円板状のジャケットと、このジャケットの上面の中央部に配置され前記ブロックの中央部下方に配置された誘電体製の筒状の部材が内側に挿入される凹み部と、前記ジャケットの内部に配置され内側を冷媒が通流する冷媒流路とを備え、前記筒状の部材及びその外周側の前記ブロックの下面との間を介して前記ブロックと前記ジャケットとが熱を伝達するプラズマ処理装置。
【選択図】図2
Description
本発明は、真空容器内部の減圧可能な処理室内に配置された試料台上に載せられた半導体ウエハ等の基板状の試料を当該処理室内に形成したプラズマを用いて処理するプラズマ処理装置に係り、特に、試料を載せる試料台の温度を調節して試料を処理するプラズマ処理装置に関する。
半導体デバイスの分野では、より高い集積度を実現するため回路構造をさらに微細にする要求が増大しており、デバイスの製造において半導体ウエハ上面の膜構造をドライエッチング処理する工程に求められる加工の精度は益々厳しいものになっている。また、近年では半導体素子に不揮発性材料を用いるものが増えており、その代表例としては磁気抵抗を用いてデータの記憶を行うMRAM(Magnetic Random Access Memory)などが挙げられ、磁性材料としてCoFeB等の不揮発性材料が用いられている。このような不揮発性材料の膜層をエッチングする処理では、こうした材料は化学的な反応性が低いことからプラズマ中のイオンを膜層に衝突させる際の運動エネルギーによるスパッタリング効果が主なエッチング機構となる。
このようなスパッタリング効果の高いエッチングでは、半導体ウエハ上のエッチング中に生じた副生成物がエッチング中の膜の溝や孔の側壁に付着することによって当該溝や孔の縦断面の形状がテーパー状になるという課題が生じる。このテーパー形状が発生すると回路の配線の幅が所期のものから大きくなってしまうことになり、デバイスの微細化(実装密度向上)の達成が困難となってしまう。さらには、素子間のショート等不良の原因が発生する可能性も高くなり歩留まりが低下してしまうという問題も生じる。
エッチングによる加工形状がテーパー状となってしまうことを防ぐには、エッチングの際のウエハの温度を高く保つことが有効な手段であることが従来から知られている。一般的に、副生成物の付着係数は温度に依存し、温度の上昇に伴って付着係数は低下する。このことから、ウエハを高温にすることによって副生成物が素子側面に付着せずに排気される確率を高くすることができ加工後の形状がテーパー状となってしまうことが抑制される。
典型的なプラズマ処理装置では、処理中のウエハの温度を所望の値の範囲に調節するために、ウエハの裏面と当該ウエハがその上に載せられる試料台上面を覆う誘電体膜との間にHeガス等の熱伝達媒体を供給しつつ試料台内部またはこれと熱的に接続される試料台上部の誘電体膜表面の温度が調節される。一般的な試料台の構成は、金属製の試料台の基材の上面にこれを覆うアルミナあるいはイットリアといったセラミクス等の誘電体製の膜とその内部に配置され静電気を形成してウエハを吸着保持する電極とを有した静電チャックを備えている。このような試料台上部上面にウエハを静電吸着して保持し、更に静電チャックの誘電体膜表面とウエハ裏面との間に熱伝達ガスを供給して真空中における試料台とウエハと間の熱の伝達を促進している。
さらに、試料台の温度を所望の範囲内の値に調節するために、内側を冷媒が通流して循環する冷媒流路等の冷却手段と電力が供給されて発熱するヒータ等の加熱手段との両者を試料台内部に配置した構成が広く知られており、これら冷却手段の排熱量または加熱手段の加熱量のバランスを適切に調節することで試料台、延いてはこれに載せられたウエハの温度とその分布とが処理に適した所期のものにされている。一般に、熱容量の大きさから現在の多くのエッチング装置においては試料台内部の冷媒流路に所定の温度に調節された冷媒を循環させて供給しつつヒータの出力を可変に調節することで、処理に用いられる複数の値の温度を実現することが行なわれている。
このような技術の例としては、例えば特開2004−288471号公報(特許文献1)に開示のものが知られている。特許文献1には、内部に抵抗発熱体を有した平板状のセラミックサセプターの下面の中央部に筒状の支持体を有し、この筒状支持体の外周側でリング状にこれを囲んで配置されセラミックサセプターの裏面と隙間を有した冷却部材を備え、セラミックサセプターの裏面と冷却部材との間の隙間を気密に封止して内部に伝熱ガスを供給して伝熱空間としセラミックサセプターの熱を冷却部材に伝達してこれを冷却する構成が開示されている。更には、伝熱ガスが供給される伝熱空間からのガス排出を防止する排出防止手段により当該伝熱空間内の圧力をすることで伝熱空間を通した熱の移動量を調節する構成が開示されている。
また、焼結セラミックと冷却部材の間に隙間を設けることで、ウエハ載置面の変形を抑制することもできる。例えば従来の一般的なウエハステージ構成に基づき、金属ブロック内に冷媒流路を形成し、冷媒流路上方にヒータを配置し、金属ブロック上面に静電チャックを設置した場合には、ウエハ温度を高めるためにヒータに大電力を投入すると、金属ブロック内のヒータ部近傍で熱膨張が発生し、金属ブロック全体が凸型に変形する。これにより、ウエハ載置面も凸型に変形し、静電吸着エラーの発生原因となる。
一方、特許文献1のように焼結セラミックと冷却部材間に径方向の拘束を無くすことで、焼結セラミックには熱膨張による凸変形が生じない。これにより、高温時においてもウエハを確実に静電吸着可能となる。
また、特許文献2には、基板をのせるセラミックス製の円板状のパックとその内部に配置されたヒータとを備えた静電チャックと、パック内に配置された内部電極に高周波電源または直流電源が電気的に接続された構成が開示されている。さらに、内部電極の外周端は、静電チャックの上方に載せられるウエハの外周縁よりも外周側に延在して配置され、このことにより処理中に静電チャックまたはウエハ上方に形成されるプラズマシースがウエハの外周端部において屈曲することを防止し、ウエハの面内の方向について処理の特性のバラつきを低減してより均一に近付けたエッチング処理を実施することができる。
上記従来の技術では、次の点について考慮が不十分であったため、問題が生じていた。
すなわち、不揮発性材料から構成された処理対象の膜層のエッチングにおいて、加工形状の垂直化やスループットを向上するうえでは当該膜表面へのイオン等荷電粒子の入射のエネルギーを高めることが求められる。一方で、イオンの入射エネルギーを高めるとプラズマからウエハが受ける熱量、つまりプラズマからの入熱の量も増加するため、このような入熱量が従来よりも大きい状態でウエハの温度の値とその分布をウエハの面内方向について加工の結果としての処理後の形状のバラつきを低減できるに十分な所望の範囲内にすることが必要となる。
これに対して特許文献1では、筒状の支持体の外周側のセラミックサセプター裏面は冷却部材との間で伝熱ガス供給により冷却されものの、中央部に配置された筒状支持体を介しては積極的に冷却される構成ではなく、中央部と外周部とで熱伝達の量が異なることになる。このため、大きな量の熱を受けつつウエハが処理される場合にはウエハの中心近傍で温度が高くなってしまい、ウエハの半径方向についての温度の変化が大きくなり、加工形状のバラつきが大きくなって処理の歩留まりが損なわれてしまう虞が有る。
また、一般に、ウエハ上面にイオンを入射させるため試料台の内部に配置された金属製の電極に所定の周波数の高周波電力を供給してウエハ上方にバイアス電位を形成することが行われるが、イオンの入射エネルギーを高めるために高いバイアス電力が供給された状態でウエハステージ内部において異常放電が発生する懸念がある。例えば、特許文献1に開示の構成において、内部に電極が埋設された誘電体製のパックと下方の冷却部材と間に電位差が生起した場合には、これらの間の隙間内に高周波電力による異常放電が発生して装置の歩留まりと信頼性とが損なわれてしまう虞が有った。
このような課題について、特許文献1および2は考慮されておらず、問題が生じていた。本発明の目的は、信頼性が高く歩留まりが向上したプラズマ処理装置を提供することにある。
上記目的は、真空容器内部に配置された減圧可能な処理室と、この処理室内に配置され処理対象のウエハが上面に載せられて保持される試料台と、この試料台の上方の前記処理室内にプラズマを形成する手段とを備え、前記試料台が、誘電体製の円板状のブロック及びその下方に隙間を開けて配置された金属製の円板状のジャケットと、このジャケットの上面の中央部に配置され前記ブロックの中央部下方に配置された誘電体製の筒状の部材が内側に挿入される凹み部と、前記ジャケットの内部に配置され内側を冷媒が通流する冷媒流路とを備え、前記筒状の部材及びその外周側の前記ブロックの下面との間を介して前記ブロックと前記ジャケットとが熱を伝達するプラズマ処理装置により達成される。
本発明によれば、筒状部材以外の誘電体製のブロックの裏面はジャケットとの間で輻射または伝熱ガスにより冷却され、かつ筒状部材を通しても熱が伝達される。この構成により、発熱層を有する誘電体製のブロックの温度をその面内方向について所望の値あるいは分布に実現することができる。また、被加工試料であるウエハの外径よりも大きな径を有する発熱層およびジャケットの外径を配置することで、発熱層および冷却ジャケットの外周部で生じる温度不均一状態が被加工試料の面内温度均一性に影響することを抑制できる。
更に、誘電体製のブロックと金属製のジャケットとの間に供給される伝熱ガスの圧力を調整することにより、ブロックとャケットとの間での伝熱量を変化させ誘電体製のブロックの面内方向について所望の範囲内の値の温度または分布を実現できる。加えて、誘電体製のブロックと金属製のジャケットとの隙間に絶縁体を配置してこれらの間の隙間内において異常放電が抑制される。
これにより、ウエハの温度とその面内方向についての分布を処理に適したものに実現でき、かつ内部の異常放電による局所的な加熱を抑制できる。このことにより、バイアス電位形成用の高周波電力を大きくして大きな入熱が生じる処理の条件においても、ウエハの温度とその分布を適切なものに実現できる。更に、一部の実施例では、誘電体製のブロックと金属製のジャケットとが接触するのは中心部分において筒状の部材を介してのみであり、上方のブロックの加熱層を用いてウエハを高温にする運転においても、ウエハが載置されるブロック上面の凸変形ひいてはウエハの吸着の剥れが抑制される。これにより誘電体ブロックは広い温度範囲で使用可能となり、不揮発性材料のエッチングで必要となる高温領域にも対応できる。
本発明の実施の形態を図面を用いて以下に説明する。
以下、本発明の第1の実施例について図1乃至3を用いて説明する。図1は、本発明の実施例に係るプラズマ処理装置の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。特に、本実施例では、プラズマが真空容器外側に配置されたコイルに高周波電力が供給されて形成される誘導磁場により形成される、所謂誘導結合方式のプラズマを用いて真空容器内部の処理室内に配置されたウエハ表面に予め配置されたマスクを含む複数の膜層を有した膜構造の処理対象の膜層をエッチングするエッチング装置を示している。
本実施例のプラズマ処理装置100は、内部に所定の真空度まで減圧される処理室22を有した真空容器35と、その上方に配置され処理室22内にプラズマ29を形成するため電界を形成する電界形成装置と、真空容器下方に配置されて処理室内のプラズマや反応生成物、ガスの粒子を排気して減圧するターボ分子ポンプ27や粗引き用のロータリーポンプを含む真空ポンプを有した排気装置とを備えている。真空容器35は、その側壁が図示しない別の真空容器であって減圧された内部を搬送ロボット等の搬送手段のアーム上に載せられてウエハWが搬送される搬送容器と連結されている。
真空容器35は円筒形状を有した処理室22を囲む円筒形を有した処理室壁20と、その上端部の上方に載せられてアルミナセラミックまたは石英等の高周波の電界を透過する誘電体を含んで構成された円板形の蓋部材21とを備え、これらがその間で図示しないOリング等のシール部材が挟まれて接続されることで、処理室22がその内側を気密に封止されて構成される。また、処理室22内側の下部には、円筒形状を有した試料台101が配置され、試料台101の上面にはウエハWが載置される誘電体製の載置面を備えられている。
処理室22の上部にはガス導入管23が接続され、ガス導入管23を通して図示しないガスタンク等のガス源に貯留された単一または複数の種類のガスが所定の比率で混合された処理用ガス24が処理室22内に導入される。さらに、処理室22の下部であって試料台101の上面下方には円形を有した排気口25が配置され、排気口25に連通して真空容器35の下方に配置された排気装置の動作により当該排気口25を処理室22に導入された処理用ガス24やエッチングによって生じた反応生成物が処理室22外部に排気される。
排気装置を構成するターボ分子ポンプ27の入り口と排気口25との間を連結する管路上には、当該管路の軸方向を横切って配置された軸の周りに回転しその回転の角度位置に応じて管路の流路断面の大きさを可変に調節する板状のフラップ複数枚を備えた圧力調節バルブ26が配置され、圧力調節バルブ26の複数のフラップの回転による流路の開度を調節することにより、排気口25からの排気の流量または速度が調節される。ガス導入管23の処理室22側の開口からの処理用ガス24の流量または速度と排気口25からの排気の流量または速度とのバランスにより、処理室22内の圧力が数Pa〜数十Paの範囲内のプラズマ処理装置の処理または運転に適した値に調節される。
処理室22の上方の真空容器35の上部を構成する蓋部材21の上方には、蓋部材21の外壁に沿って複数回巻かれたコイル28が配置されている。コイル28の一端側は高周波電力を出力する電源であるプラズマ生成用電源30が電気的に接続され、このプラズマ生成用電源30からコイル28に所定の周波数、例えば13.56MHzの高周波電力が供給される。
高周波電力の電流が流れるコイル28の周囲に形成される誘導磁場により生成された電界により処理室22内の処理用ガス24の原子または分子が励起されて処理室22の試料台101上方の空間に誘導結合型のプラズマ29が発生する。試料台101上のウエハWは、プラズマ29に面しており試料台101内に配置された金属製の電極に図示しない別の高周波電源から供給される所定の周波数の高周波電力によりウエハW上方に形成されるバイアス電位によりプラズマ29中の荷電粒子をウエハW上面の処理対象の膜層に向けて誘引して衝突させエッチング処理が行われる。エッチング処理が完了したことが図示しない検出器により検出されると、コイル28への高周波電力の供給が停止されてプラズマが消火され、バイアス形成用の高周波電力の供給が停止されてエッチングが停止された後、ウエハWが処理室22から搬出され、処理室22内に所定のガスが導入されてプラズマが形成され処理室22内壁に付着した付着物の除去あるいは内壁表面を処理の開始に適した状態にするためのプラズマクリーニングが実施される。
なお、試料台101は下部が上下方向に移動可能に構成された円筒形の可動軸31の上端部に連結されてこれに支持され、可動軸31の上下方向の移動に応じて処理室22内が真空状態であっても上下方向に移動可能に構成されている。試料台101を上下方向に移動させ、ウエハWとプラズマ29の間の距離を所望のものに調整することで、エッチングの性能が調節される。
また、ウエハWの温度を制御するために、試料台101の金属製の部材の内部には内側を冷媒が通流する冷媒流路が配置され、冷媒流路と管路を介して連結された温調ユニット33で所定の温度に調節された冷媒が冷媒流路に供給されて通流した後、再度温調ユニット33に戻って循環するように構成されている。なお、試料台101裏面と真空容器35の処理室22底面との間の空間34も排気口25からの排気により所定の真空度にされる。
図2を用いて、本実施例の試料台101の構成について説明する。図2は、図1に示す実施例に係る試料台の構成の概略を模式的に示した縦断面図である。尚、本図では円筒形を有した試料台101の中心軸から任意の1つの半径方向を含む縦方向の面についての断面を示している。
本実施例の試料台101は、上面に被加工試料W(以下、ウエハW)を載置する円板または円筒形状を有した誘電体ブロック1とその下方に配置された円板形または円筒形の外形を有しその中央部には上方の誘電体ブロック1内部に配置された電極に電力を供給する給電線や同軸ケーブル或いはその上面の熱伝達性のガス用の導入口に当該ガスを供給する管路が内側に配置される貫通孔が配置されたリング状の形状を備えた金属製の冷却ジャケット8とを備えている。誘電体ブロック1はセラミックスの材料を所期の形状に成形して焼成した焼結体で構成されている。
誘電体ブロック1の内部には、膜状の金属製の静電吸着電極2、高周波電極3及び発熱層4が配置されている。静電吸着電極2は図示しない直流電源と電気的に接続されて直流電源から供給され印加される電圧により、誘電体材料を挟んだ静電吸着電極2とウエハWとの間に電荷を形成し静電気力を生成してウエハWを誘電体ブロック1上面上方でこれに吸着して保持する。
誘電体ブロック1の下面下方には、誘電体の材料で構成された円筒または筒状の形状を有した筒状支持体5が配置されている。本実施例では、筒状支持体5は誘電体ブロック1の一部として成形されて焼成されるが、別の部材として形成後に誘電体ブロック1に連結されても良い。
誘電体ブロック1と筒状支持体5とを構成する材料としての誘電体は、耐熱性、耐腐食性の観点からセラミックが用いられている。特に、本実施例の誘電体ブロック1はウエハWを静電吸着する静電チャックとして機能するため、所望のチャック性能を得るために純アルミナセラミック、アルミナに酸化チタンを添加したセラミック、窒化アルミなどの材料から適宜選択される。
本実施例の筒状支持体5は、円筒形が間に角度を有した段差を挟んだ上下方向に2段の部分に分けられ、下部の外径が上部のものより大きな形状を有している。本例の下部の大径部分は下端部を含んで径を上方より大きくしたフランジ状の部分であって、その図上上面は固定部材6下面と接してこれにより上方から下方に向けて押し付けられてその位置が冷却ジャケット8に対して固定される。
固定部材6は、筒状支持体5の下部の大径部分の径より大きな外径を有した円板または円筒形外形を有し、内側にフランジ状の下部が内側に挿入されて嵌合する凹み部を備えている。当該凹み部内に筒状支持体5の下部のフランジ状部分が挿入されてフランジ状部分の上面と凹み部下面とが接して両者が連結される。固定部材6と冷却ジャケット8とが冷却ジャケット8の下方から貫通孔を通して挿入された固定ボルト7によって締結され、誘電体ブロック1と筒状支持体5とが固定部材6で把持されて当該固定部材6と共に冷却ジャケット8上に固定される。
固定部材6は、筒状支持体5の下部と連結された状態でその外周でこれを囲んで配置された複数の部材が結合された、例えば複数の円弧形状を有した部材がその円弧の端部同士を接続させた結果としてリング状の形状を有している。筒状支持体5がセラミックの場合、筒状支持体5のセラミックの材料の部分を直接加工してボルト穴を形成すると強度が不足して欠け、割れ等の損壊や塵埃が発生する虞が有るため、金属または樹脂製の固定部材6と固定ボルト7とを用いて筒状支持体5を冷却ジャケット8に固定している。
金属製で導電性を有した冷却ジャケット8には、上記の通り、内部に冷媒流路9が配置され冷媒流路9に温度を調節された冷媒が供給され通流することで、冷却ジャケット8の温度が調整される。ウエハWへのイオンの入射や内部の高周波電極3の下方に配置された発熱層4に直流電流が供給され生成される熱によって誘電体ブロック1に熱が供給される場合には、誘電体ブロック1のリング状の下面と冷却ジャケット8のリング状の上面との間及び筒状支持体5の下部下面と筒状支持体5及び固定部材6が内部に挿入される冷却ジャケット8の前記リング状上面の中央側に配置された凹み部の底面との間で、各々伝熱量Q1、伝熱量Q2の熱が伝達され、誘電体ブロック1から冷却ジャケット8への排熱が行われる。
誘電体ブロック1と冷却ジャケット8と間の隙間が試料台101の周囲の処理室22と連通して同じく真空の状態の場合には、Q1は主に輻射によって伝熱される。なお、本実施例では誘電体ブロック1内部に円形または複数の円弧形の領域に配置された発熱層4と冷却ジャケット8の外径はウエハWの外径よりも大きくされている。
すなわち、誘電体ブロック1上面のウエハWが載せられる載置面の外周側の領域には、シリコン、アルミナまたは石英等で構成されたサセプタリング10が載置され、発熱層4は誘電体ブロック1の中央部のみでなくその外周端はサセプタリング10の下方にも配置されている。さらに、筒状支持体5の外周側の誘電体ブロック1の下面と冷却ジャケット8の上面との間の隙間には絶縁層11が配置されている。絶縁層11の詳細は実施例2で述べる。
試料台を構成する金属ブロック内に配置された冷媒流路及びその上方に配置されたヒータと、金属ブロック上面に配置された静電チャックを有した従来の技術において、ウエハの温度を上昇させるためにヒータに大電力を投入すると、金属ブロック内のヒータ部近傍で熱膨張が発生し金属ブロック全体が凸型に変形してしまい、金属ブロック上方のウエハが載せられる載置面も凸型に変形してウエハの外周側領域で吸着ができないエラーが発生してしまう虞が有った。一方、本実施例の構成のように、誘電体ブロック1と冷却ジャケット8とを中央部に配置した筒状支持体5により連結しての固定し、その外周側の領域では隙間を挟んで両者の表面が対向して配置された構成にすることで、熱膨張量が大きくなる試料台または誘電体ブロック1の半径方向についての外周部において誘電体ブロック1と冷却ジャケット8との拘束は本質的に無いか低減されており、誘電体ブロック1の凸型変形が抑制される。これにより、例えば冷却ジャケット8は20℃とし、誘電体ブロック1を200℃以上に昇温させる等ウエハWの処理に適した温度を実現するために試料台101の上下の温度を大きくすることが必要な場合においても半径方向について静電吸着が破れることなくウエハWを誘電体ブロック1上面上方で吸着することが可能となる。
また、誘電体ブロック1の外周側裏面と冷却ジャケット8の外周側上面との間の伝熱量(Q1)と、筒状支持体5下部と冷却ジャケット8中央部上面との間の伝熱量(Q2)により、誘電体ブロック1から冷却ジャケット8への熱の伝達量の半径方向についての変動を低減することができる。例えば、試料台101の伝熱量が外周側の領域でのQ1のみであった場合には、ウエハWの外周側の領域は冷却ジャケット8に熱が伝達されるもののウエハWの中央側の領域では排熱が相対的に小さくウエハWの中心近傍で温度が高くなってしまう。本実施例のように誘電体ブロック1を中央部で支持する筒状支持体5から冷却ブロック1にQ2の量の熱を伝達することで、ウエハWの中央部の温度が上昇することが抑制される。
熱量Q1,Q2の大きさを、誘電体ブロック1の外周側裏面と冷却ジャケット8の外周側上面との間の隙間の距離、対向する面積や、筒状支持体5の下部大径部が冷却ジャケット8中央部の凹み部底面と接触する面積を適切に選択してこれを実現する寸法で構成することにより、ウエハWの所期の温度の値とその分布とを実現することができる。さらに、本発明では発熱層4あるいは冷却ジャケット8の外周縁の位置をウエハWの外径よりも外側に位置するように配置することで、発熱層4および冷却ジャケット8の外周部で生じる温度の不均一を抑制してウエハWの温度の値と分布とに与える悪影響を低減している。
誘電体ブロック1と冷却ジャケット8との円板または円筒形の外径は同等の寸法を有している。また、図1に示すように、アルミナや石英等の耐プラズマ性の相対的に大きな誘電体製の外周保護部材32が試料台101の外周側の部分にこれを囲んで配置されることで試料台101の側面が処理室22との間で区画され、プラズマ29の進入により当該側面が相互作用により変質あるいは付着物が堆積することが抑制される。この場合、誘電体ブロック1内に埋設された発熱層4は冷却ジャケット8よりも外径が小さくなるが、発熱層4の外径は少なくともウエハWの外径よりも大きくなるように配置すべきである。
例えば、発熱層4とウエハWの外径がφ300mmで等しく、冷却ジャケットの外径がφ400mmと大きい場合には、ウエハWの温度は外周部において低下し、面内温度均一性が得られない。このため、ウエハWの外径に対して発熱層4および冷却ジャケット8の外径が大きくなるように配置することで、ウエハW外周部の温度低下を抑制でき、ウエハの面内温度を均一化できる。
可動軸31は冷却ジャケット8の下面に連結されているのみで誘電体ブロック1に接続されていない。このため、可動軸31が上下方向に移動しても誘電体ブロック1と冷却ジャケット8との間の隙間の大きさは一定であるので、例えばエッチング処理の最中に可動軸31の駆動により試料台101を上下させてウエハWとプラズマ29の間の距離を調整した場合でも、処理中の任意の時点で当該隙間で放電が抑制されていればその後の処理においてもこの隙間での放電が抑制される。一方で、誘電体ブロック1だけが垂直方向に移動可能であり冷却ブロック8は位置が固定されている場合には、誘電体ブロック1が移動すると冷却ジャケット8との隙間量が変化した結果、高周波電極3に高周波電力が供給されて形成される電界により当該隙間内で放電が発生する虞が有る。
また、本実施例では、高周波電源30からコイル28に供給された高周波電力により処理室22内に形成された電界は、導電性の冷却ジャケット8により遮断されるため、試料台101が垂直方向に移動することで隙間量(空間量)が変化したとしても冷却ジャケット8下方の空間34での放電が抑制される。
図3を用いて、本実施例の試料台の誘電体ブロック1と冷却ジャケット8との間の隙間のより詳細な構成について絶命する。図3は、図2に示す実施例に係る試料台の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。本図において、図1または2で示した同じ符号の構成については、説明を省略する。
本実施例の誘電体ブロック1の筒状支持体5下部は外径が上部の円筒形状部分より大きくされた形状を有している。当該下部の大径部は、その外周側に配置されて当該大径部の上面と当接して下方に押し付ける固定部材6の中央側の凹み部に嵌合して把持され、導電性の冷却ジャケット8に固定ボルト7で固定されている。誘電体ブロック1を冷却ジャケット8に配置するに際しては、まず筒状支持体5に固定部材6を装着して、これらを冷却ジャケット8の中央部の凹み部に挿入してその底部上面上方に載せて、固定部材6を冷却ジャケット8の下面下方から貫通孔に固定ボルト7を挿入して固定部材6と冷却ジャケット8とを締結して、筒状支持体5及びその上方に連結、接続された誘電体ブロック1の位置を冷却ジャケット8上方で固定する。
本実施例の固定部材6は、半円状の環状部材の複数(本例では2つ)がその端部同士が接続されて1つのリング状の形状を成す部材であり、筒状支持体5の下部のフランジ部上に載せられて装着された状態で筒状支持体5の外周側でこれを囲んで配置されたリング状の部材となる。筒状支持体5の下部の大径部外周を囲んで外に固定部材6が配置され冷却ジャケット8と締結された状態で、筒状支持体5の上部外周側壁と冷却ジャケット8の円筒形の凹み部の内側壁面との間には、水平方向について長さL2のリング状の形状を有した隙間が存在する。
このL2は、筒状支持体5の外径や固定部材6の内外径、凹み部の半径等の寸法の大きさによって定まる大きさである。一方、筒状支持体5の外周側の誘電体ブロック1の下面と冷却ジャケット8の凹み部の外周側の上面との間の隙間の大きさL1は、筒状支持体5の自体の長さと冷却ジャケット8中央部の凹み部の深さとにより定められる大きさである。両者の間の伝熱性能を出来るだけ大きくするためには当該L1は隙間量を極力小さくすることが望ましい。
本実施例では、L1は数mm、好ましくは1mm以下にされる一方で、L2は固定ボルト7が挿入される固定部材6の寸法によって影響を受ける。固定ボルト7との締結の際の機械的な強度を考慮すれば、隙間の大きさはL2>L1の関係となる。
この状態において、誘電体ブロック1内に配置された高周波電極3にバイアス電位形成用の高周波電源16からバイアス電位形成用の高周波電力が供給された場合、L2は相対的が大きいことからL1と比して図中のB方向に放電が発生する可能性が高くなる。このような隙間内の放電が開始される電圧は隙間の大きさと関係があり、図上Aの方向よりもBの方向の方が放電開始電圧は低くなる。
不揮発性材料をエッチングする場合には、化学的な反応性が低いことからイオンエネルギーによるスパッタリング効果が主なエッチングの反応となり、加工形状の垂直化やスループット向上の観点からイオンの入射エネルギーを更に高めることが望まれており、このために高周波電源16の出力電圧を大きくすることが必要になると予想される。一方で、本実施例では冷却ジャケット8は接地または接地電極と電気的に接続されてアース電位なる構成を備え、これにより高周波電極3と冷却ジャケット8間に電位勾配が発生し、誘電体ブロック1と冷却ジャケット8の隙間において放電が発生する可能性が高くなる。
図4は、図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置における放電の特性を模式的に示したグラフである。このような特性はパッシェンの法則として一般に知られており、本図では空間の放電開始電圧が圧力Pと電極間距離dに関係することが示されており、このような関係性は直流放電、高周波放電のいずれにおいても同様の傾向を示す。
図3に示したAの方向は垂直方向隙間量L1が小さいことからP・d値も小さくなり、放電開始電圧も高くなる。一方で、図上Bの方向は水平方向隙間量L2が大きいことからP・d値も大きくなり放電開始電圧が低くなることになり、本実施例では相対的にBの方向において放電がより発生し易いものとなる。ウエハWの処理中に生じるこのような試料台101内部での放電はバイアス電位やプラズマの電位を不安定にしてウエハWの処理に悪影響を及ぼして処理の歩留まりを損なってしまう。
本実施例の試料台101は内部での放電を抑制するため、図2,3に示すように冷却ジャケット8の上面に絶縁層11を配置した。冷却ジャケット8の上面、及び凹み部の内壁面が絶縁体11で被覆され、誘電体ブロック1と冷却ジャケット8との隙間にかかっていた電圧が当該絶縁体11にも分配されて下がることにより、これらの間での隙間、特にBの方向についての放電が抑制される。
また、冷却ジャケット8は導電性、熱伝導性の観点からアルミなどの金属材料を用いればよいが、金属が露出した状態で放電に曝されると異物または汚染物の発生源となる。絶縁層11を配置すれば、仮に上記隙間で放電が発生しても、異物や汚染物の発生量を金属材料に比べてはるかに少なくできる。
絶縁体11はセラミックや樹脂などを用いて焼成や機械加工により成形すればよい。または、冷却ジャケットにアルミを用いた場合には、アルミ表面に陽極酸化処理を行い、陽極酸化皮膜を絶縁層11として使用してもよい。また、冷却ジャケット8表面にアルミナ溶射処理、絶縁樹脂コーティングを実施して絶縁層11としてもよい。
図5を用いて上記実施例の変形例を説明する。図5は、図1に示す実施例の変形例に係るプラズマ処理装置の試料台の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。本図においても、図1乃至3で示した同じ符号の構成については、説明を省略する。
本例では、誘電体ブロック1の筒状支持体5の下部の大径部の底面とこれが内部に挿入される冷却ジャケット8の中央部凹み部の底面との間に断熱材12が挟まれてこれらが当接する構成を備え、当該断熱材12により両者の間の伝熱量Q2が低減される。装置小型化する上では筒状支持体5の軸方向の長さは小さい方が望ましいものの断熱の観点からは筒状支持体5を長くすることが望ましい。
処理の条件や試料台101の寸法の選択によっては、伝熱量Q2が過大となりウエハWの温度が中央部の領域において許容される範囲を超えて低くなることもあり得る。その場合には、予め選択された厚さ等の寸法を有する断熱層12を筒状支持体5の底面と冷却ジャケット8の凹み部底面との間に挟んで伝熱の量Q2が調節される。
この構成により、装置の小型化と所望の伝熱量(Q2)との実現を両立できる。断熱材12の材料としては、熱伝導率の低いものを選択すればよく、例えばステンレス、チタンなどの金属材料や、樹脂材料などを用いることができる。
図6を用いて、さらに別の変形例について説明する。図6は、図1に示す実施例の別の変形例に係るプラズマ処理装置の試料台の構成の概略を模式的に説明する縦断面図である。本図においても、図1乃至5で示した同じ符号の構成については、説明を省略する。
本例では、誘電体ブロック1及び筒状支持体5と冷却ジャケット8との間の隙間に、これを試料台101周囲の処理室22内の空間から気密に区画するOリング等のシール材15が挟んで配置され、周囲から気密に区画された隙間空間にHe等の伝熱ガス14が供給される。伝熱ガスは図示しない伝熱ガス14の貯留部から冷却ジャケット8内に配置された貫通孔あるいは管路から構成されるガスライン13を通して試料台101下方から隙間内に供給される。伝熱ガス14としてはHe以外の希ガスを用いてもよい。
本変形例では、上記隙間に供給したHeは筒状支持体5の外周側の誘電体ブロック1と冷却ジャケット8との間の隙間および冷却ジャケット8中央部に配置された凹み部内壁及び底面と筒状支持体5との間の隙間に分散して充満する。伝熱ガスの供給量あるいは隙間内の圧力が調節されることで伝熱量Q1およびQ2が増減される。このことにより、誘電体ブロック1の上面あるいはウエハWの面内方向について筒状支持体5及び誘電体ブロック1の寸法によるQ1,Q2の伝熱量のバランスを保ちながら誘電体ブロック1と冷却ジャケット8との間の全体としての伝熱量のレベルを可変に調節することが可能となる。
次に、上記実施例のさらに別な変形例について図7,8を用いて説明する。図7,8は、図1に示す実施例のさらに別の変形例に係るプラズマ処理装置の試料台の構成の概略を模式的に説明する縦断面図である。本図においても、図1乃至6で示した同じ符号の構成については、説明を省略する。
上記の通り本実施例において、図3に示したBの方向は水平方向の隙間の大きさL2が相対的にL1より大きいことから、P・d値も大きくなり、放電開始の電圧が低くなる。本変形例では、図上L2の隙間でのBの方向についての放電を抑制するため、固定部材6の上方に第2の絶縁材17を配置した。この第2の絶縁材17を備えたことにより、当該隙間の少なくとも一部が絶縁性の材料で埋められて、電圧が第2の絶縁材17の絶縁材料に分配されて隙間での表面同士の間の電圧が低減され放電が抑制される。
本例の第2の絶縁材17は、固定部材6と同様に、例えば半円の環状または円弧状の部材2個を相互の端部を接続して構成されるリング状の部材であって、筒状支持体5に固定部材6とともに装着した状態でこれの外周側壁を囲む環状の部材である。下部にその径が上部より大きくされた大径部を備える筒状支持体5を冷却ジャケット8に接続する前に、筒状支持体5に第2の絶縁材17と固定部材6が装着され、筒状支持体5がこれに装着された第2の絶縁材17と固定部材6と共に冷却ジャケット8の中央部に配置された凹み部内に挿入され底面同士が接触、接続した後、締結することで相互が位置を固定されて連結される。
図8に示される例は、筒状支持体5の上部周囲に第2の絶縁材17を配置してL2の隙間を埋めて図3上のBの方向の隙間の大きさを低減する構成に替えて、固定部材6によりL2を埋めて当該Bの方向の隙間を小さくする構成を備えたものです。固定部材6に金属製の材料を用いる場合には表面に、固定部材6の外周側の冷却ブロック8の上面と同様に絶縁層11を配置することができる。
以上の実施例または変形例によれば、円筒形を有した試料台101の半径方向について誘電体ブロック1と冷却ジャケット8との間の熱の伝達をウエハWの処理に適した所望の範囲内の値にして試料台101またはウエハW上面の温度のばらつきを低減することができる。或いは、誘電体ブロック1と冷却ジャケット8との間の半径方向についての熱の伝達の量を所望の量或いはその分布で実現して、ウエハWまたは試料台101上面の温度とその分布を所期の範囲のものにすることができ、ウエハWの処理の歩留まりを向上させることができる。
以上の実施例または変形例では誘導結合方式のプラズマ処理装置を説明したが、プラズマの生成方法としてマイクロ波ECR、容量結合等の従来から公知の技術を用いた装置においても、本発明と同等の効果が奏される。
また、ウエハWをエッチング処理するプラズマ処理装置のみなく、アッシング装置、スパッタ装置、イオン注入装置、レジスト塗布装置、プラズマCVD装置、フラットパネルディスプレイ製造装置、太陽電池製造装置など、ウエハ温度管理を必要とする他の装置に上記実施例の発明を適用して同様の効果を奏することが可能である。
1…誘電体ブロック、
2…静電吸着電極、
3…高周波電極、
4…発熱層、
5…筒状支持体、
6…固定部材、
7…固定ボルト、
8…冷却ジャケット、
9…冷媒流路、
10…サセプタリング、
11…絶縁層、
12…断熱材、
13…ガスライン、
14…伝熱ガス、
15…シール材、
16…高周波電源、
17…第2の絶縁材、
20…処理室壁、
21…蓋部材、
22…処理室、
23…ガス導入管、
24…処理ガス、
25…排気口、
26…圧力調節バルブ、
27…ターボ分子ポンプ、
28…コイル、
29…プラズマ、
30…プラズマ生成用電源、
31…可動軸、
32…保護部材、
33…温調ユニット、
34…空間、
35…真空容器、
100…プラズマ処理装置、
101…試料台、
W…ウエハ
2…静電吸着電極、
3…高周波電極、
4…発熱層、
5…筒状支持体、
6…固定部材、
7…固定ボルト、
8…冷却ジャケット、
9…冷媒流路、
10…サセプタリング、
11…絶縁層、
12…断熱材、
13…ガスライン、
14…伝熱ガス、
15…シール材、
16…高周波電源、
17…第2の絶縁材、
20…処理室壁、
21…蓋部材、
22…処理室、
23…ガス導入管、
24…処理ガス、
25…排気口、
26…圧力調節バルブ、
27…ターボ分子ポンプ、
28…コイル、
29…プラズマ、
30…プラズマ生成用電源、
31…可動軸、
32…保護部材、
33…温調ユニット、
34…空間、
35…真空容器、
100…プラズマ処理装置、
101…試料台、
W…ウエハ
Claims (7)
- 真空容器内部に配置された減圧可能な処理室と、この処理室内に配置され処理対象のウエハが上面に載せられて保持される試料台と、この試料台の上方の前記処理室内にプラズマを形成する手段とを備え、
前記試料台が、誘電体製の円板状のブロック及びその下方に隙間を開けて配置された金属製の円板状のジャケットと、このジャケットの上面の中央部に配置され前記ブロックの中央部下方に配置された誘電体製の筒状の部材が内側に挿入される凹み部と、前記ジャケットの内部に配置され内側を冷媒が通流する冷媒流路とを備え、前記筒状の部材及びその外周側の前記ブロックの下面との間を介して前記ブロックと前記ジャケットとが熱を伝達するプラズマ処理装置。
- 請求項1に記載のプラズマ処理装置であって、
前記筒状の部材が上部より径が大きな下部を有して当該下部と前記凹み部との間を介して前記ブロックと前記ジャケットとが熱を伝達するプラズマ処理装置。
- 請求項2に記載のプラズマ処理装置であって、
前記凹み部の内側に配置され大きな径を有する前記筒状の部材の下部の外周または上方を覆って囲む金属製のリング状部材であって前記ジャケットと締結されて前記筒状部材を当該ジャケット上で保持するリング状部材を備えたプラズマ処理装置。
- 請求項3に記載のプラズマ処理装置であって、
前記金属製のリング状部材の上面上方の前記凹み部において前記筒状の部材を囲んで配置された絶縁体製の部材を備えたプラズマ処理装置。
- 請求項1乃至4の何れかに記載のプラズマ処理装置であって、
前記ブロックと前記ジャケットとの間の隙間に熱伝達性のガスが供給されるプラズマ処理装置。
- 請求項5に記載のプラズマ処理装置であって、
前記隙間における熱伝達性のガスの圧力を可変に調節する機能を備えたプラズマ処理装置。
- 請求項1乃至6の何れかに記載のプラズマ処理装置であって、
前記ブロック内に円弧状または円板状に配置された発熱層及び前記ジャケットの各々の径が前記ウエハの径よりも大きいプラズマ処理装置。
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