JP2017026661A - コマンド管理装置および画像形成装置 - Google Patents

コマンド管理装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】音声認識により生成したコマンドのうちの直ちには使用されなかったコマンドによる不用意な動作を回避するとともに、後で必要となるコマンドを保存しておく。【解決手段】音声認識により生成されたコマンドに声紋分析により得られたユーザIDを対応づけて格納しておき、ICカードによる個人認証により今回のユーザを確定し、その確定したユーザの音声によるコマンドを実行そのコマンドをして削除し、残ったコマンドが有った場合、その残ったコマンドのうち、プリンタ50の画像メモリ51に画像データが残っている場合の、その画像データに対応するユーザのコマンドは残し、画像データには対応しないコマンドは削除する。【選択図】図4

Description

本発明は、コマンド管理装置および画像形成装置に関する。
特許文献1には、コマンド指示を音声ですることで、声紋認証し、声紋認証に成功した場合に、認証されたユーザが保有するデータに関して、指示内容に従った処理を行うことが提案されている。
特許文献2には、キーワードをあらかじめ登録しておくことで、声紋で特定されるユーザと、そのユーザがあらかじめ登録しておいたキーワードが一致した場合に装置の操作許可を与えることが提案されている。
特開2007−188001号公報 特開2007−193138号公報
本発明は、音声認識により生成したコマンドのうちの直ちには使用されなかったコマンドによる不用意な動作を回避するとともに後で必要となるコマンドを保存しておく機能を備えたコマンド管理装置、および、そのコマンド管理装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1は、外部機器からの、ユーザを特定するユーザIDが対応づけられたデータの入力を受けて該データを格納するデータ格納部を有し、該データの入力とは別途の動作指示を受けて該データ格納部に格納されたデータを利用した処理動作を実行する機能を備えた第1の機能部を含む、各々に応じた動作を実行する機能を備えた複数の機能部を有する動作実行装置に対し動作を指示するコマンドを管理するコマンド管理装置であって、
ユーザを特定するユーザIDと、該ユーザの声の特徴を表す特徴量と、該ユーザであることを認証する、該特徴量とは別種の認証情報とが互いに対応づけられたユーザ情報を記憶しておくユーザ情報記憶部と、
音声を検知して音声信号を生成する音検知部と、
前記音検知部で生成された音声信号から声の特徴量を抽出し前記ユーザ情報記憶部を参照して該特徴量に対応するユーザIDを取得する特徴量抽出部と、
前記音検知部で生成された音声信号に基づいて音声認識を行い、前記特徴量抽出部で取得したユーザIDを受け取って該ユーザIDが対応づけられたコマンドを生成する音声認識部と、
前記音声認識部で生成されたコマンドを格納しておくコマンド格納部と、
前記認証情報を用いた、ユーザの個人認証を行う個人認証部と、
前記個人認証部での個人認証の成功を受けて、前記コマンド格納部に格納されているコマンドの中から、今回の個人認証の対象となったユーザのユーザIDに対応づけられたコマンドを抽出するコマンド抽出部と、
前記動作実行装置を制御して、該動作実行装置に、前記コマンド抽出部で抽出されたコマンドに応じた動作を実行させる動作制御部と、
前記コマンド格納部に格納されているコマンドを前記コマンド抽出部で抽出された抽出コマンドと抽出されずに残った残存コマンドとに分けたときの該抽出コマンドについて該コマンド格納部から削除し、該残存コマンドのうちの、前記データ格納部に格納されているデータに対応づけられているユーザIDと同一のユーザIDが対応づけられた同一ID付与残存コマンドについては削除せずに該コマンド格納部に残し、該残存コマンドのうちの該同一ID付与残存コマンド以外の残存コマンドについては該コマンド格納部から削除するコマンド管理部とを備えたことを特徴とするコマンド管理装置である。
請求項2は、予め定められた境界を越えて人が近づいてきたことを検知する人検知部を備え、前記音声認識部が、前記人検知部による人が近づいてきたことの検知を受けて、音声認識を開始するものであることを特徴とする請求項1に記載のコマンド管理装置である。
請求項3は、
前記動作実行装置が、前記データ格納部に格納されて利用されなかったデータを定期もしくは不定期に該データ格納部から消去するものであって、
前記コマンド管理部が、前記データ格納部からデータが消去されたことを受けて、前記コマンド格納部に格納されている残存コマンドのうちの、今回消去されたデータに対応づけられていたユーザIDと同一のユーザIDが対応づけられている残存コマンドを、該コマンド格納部から削除するものであることを特徴とする請求項1または2に記載のコマンド管理装置である。
請求項4は、請求項1から3のうちのいずれか1項に記載のコマンド管理装置と、前記動作実行装置とを備え、前記第1の機能部が、画像を表す画像データを前記データ格納部に格納し、画像形成指示に応じて、用紙上に、該画像データに基づく画像を形成する機能部であることを特徴とする画像形成装置である。
請求項1のコマンド管理装置および請求項4の画像形成装置によれば、不用意な動作の回避と必要なコマンドの保存とを両立させることができる。
請求項2のコマンド管理装置によれば、人検知部を備えない場合と比べ、元々不必要な音声をコマンドと取り込むことが回避される。
請求項3のコマンド管理装置によれば、データの消去とコマンドの削除とをリンクさせない場合と比べ、保存しておいたコマンドについても、不要になったタイミングで消去される。
本発明の画像形成装置の一実施形態としての複合機の外観を示した図である。 図1に外観を示した複合機の機能ブロック図である。 図1,図2に示す複合機の使用にあたっての問題点の説明図である。 図2に1つのブロックで示した制御装置の内部構成を示したブロック図である。 ユーザ情報データベースの模式図である。 コマンドデータベースの模式図である。 コマンド格納部にコマンドを格納する場面における制御装置の処理フローを示した図である。 ICカードによる個人認証が行われた場面における制御装置の処理フローを示した図である。 タイマ起動によるコマンド削除処理のフローを示した図である。 プリンタにおけるタイマ起動による画像データ消去処理のフローを示した図である。 図10のステップS405におけるユーザIDの通知を受けたときの、制御装置での処理を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態としての複合機の外観を示した図である。図1(A)は平面図、図1(B)は正面図である。
この複合機1には、人感センサ10が備えられている。この人感センサ10は、赤外線を検出するセンサであって、この人感センサ10によってこの複合機1への人の接近が検知される。この人感センサ10は、本発明にいう人検知部の一例に相当する。
また、この複合機1には、音声を検知して音声信号を生成するマイク20が備えられている。この複合機1は、このマイク20でユーザの音声を検知し、音声認識により、この複合機1の動作を指示するコマンドを生成し、そのコマンドに応じて動作する機能を備えている。このマイク20は、本発明にいう音検知部の一例に相当する。
また、この複合機1には、ICカードリーダ30が備えられている。ユーザは、このICカードリーダ30に自分のICカードを翳し、正当なユーザであることの認証を受けた後、この複合機1を使用することが可能となる。
さらに、図1には、UI(ユーザインタフェース)90が示されている。このUI90には、この複合機1のユーザにより操作される操作子が備えられている。ユーザは、音声による指示に加え、このUI90を操作することによっても、この複合機1に各種の指示を伝えることができる。また、このUI90には、表示部91が備えられている。この表示部91には、この複合機1の状態やユーザへのメッセージなど、様々な情報が表示される。この表示部91は、タッチパネル式の表示部であり、表示部91をタッチすることによっても、そこに表示される各種ボタンに応じた指示を入力することもできる。
図2は、図1に外観を示した複合機の機能ブロック図である。この複合機1には、図1を参照して説明したUI90が備えられている。また、この複合機1には、制御装置100が備えられている。図1を参照して説明した人感センサ10、マイク20、およびICカードリーダ30は、この制御装置100の構成要素である。
また、この複合機1には、スキャナ40、プリンタ50、ファクシミリ送受信機60、およびI/Oコントローラ70が備えられている。スキャナ40は、原稿に記録されている画像を読み取ってその画像を表す画像データを生成する機能を有する。
また、プリンタ50は、画像データを受け取って、用紙上にその画像データに基づく画像をプリント出力する機能を有する。このプリンタ50には、受け取った画像データを、プリント出力するまでの間記憶しておく画像メモリ51が備えられている。
このプリンタ50としては、電子写真方式のプリンタが好適である。ただし、電子写真方式である必要はなく、例えばインクジェットプリンタなど、用紙上に他の方式で画像をプリント出力するプリンタであってもよい。
ここで、このプリンタ50は、スキャナ40で生成された画像データに基づく画像をプリント出力するだけでなく、以下に説明するファクシミリ送受信機60やI/Oコントローラ70で受信した画像データに基づく画像のプリント出力も担っている。
ファクシミリ送受信機60は、電話回線61に接続されていて、ファクシミリの送信と受信を行う機能を有する。このファクシミリ送受信機60は、ファクシミリ送信の際は、原稿がスキャナ40で読み取られることにより得られる画像データを受け取り、ファクシミリ送信用の画像データに変換して送信する。また、ファクシミリ受信の際は、このファクシミリ送受信機60は、電話回線61を経由して送信されてきた画像データを受信し、その画像データをこの複合機1で取り扱う形式の画像データに変換してプリンタ50に渡す。すると、プリンタ50では、その画像データに基づく画像が用紙上にプリント出力される。
また、I/Oコントローラ70は、通信回線71に接続されている。この通信回線71の先には、この複合機1を使うことのあるユーザ各自のパーソナルコンピュータ(以下、「PC」と略記する)が接続されている。各ユーザは、この複合機1を使って画像をプリント出力することができる。プリント出力しようとするユーザは、自分のPCを操作し、通信回線71経由で複合機1に向けて画像データを送信する。ユーザのPCからこの複合機1に向けて送信されてきた画像データは、I/Oコントローラ70で受信され、この複合機1で取り扱う形式の画像データに変換されてプリンタ50に送られる。プリンタ50は、そのI/Oコントローラ70から画像データを受け取って、その受け取った画像データを、一旦、画像メモリ51に格納する。ここで、ユーザのPCから送信されてきた画像データには、そのユーザのPCのアドレス情報が付されている。また、この複合機1には、このユーザのPCのアドレスとユーザIDとの対応関係が予め登録されている(図5参照)。そこで、ユーザのPCから画像データが送信されてくると、この複合機1では、画像データに付されているPCのアドレスの情報からユーザIDを知り、画像データにユーザIDの情報を付して画像メモリ51に格納する。
このプリンタ50では、画像メモリ51に画像データが格納された段階では、その画像データに基づく画像のプリント出力は実行しない。自分のPCから画像データを送信したユーザは、その送信の後、この複合機のもとへ来て、この複合機1に自分のICカードを翳し、自分が正当なユーザであることの認証を受ける。プリンタ50は、その認証の後、その認証を受けたユーザのIDと一致するユーザIDが付されている画像データを画像メモリ51から読み出して、その画像データに基づく画像をプリント出力する。
また、このI/Oコントローラ70は、スキャナ40での原稿の読み込みにより得られた画像データを受け取り、通信回線71での送信用の画像データに変換して、その画像データをユーザのPCに向けて送信する機能も有する。スキャナ40での原稿の読み込みにあたっては、それに先立って、ユーザのICカードがICカードリーダ30に翳されていて、今回スキャナ40を利用しているユーザのIDが分かっているため、そのユーザIDからそのユーザのPCのアドレスが分かり(図5参照)、I/Oコントローラ70から、そのユーザのPCに向けて画像データを送信することができる。
さらに、図2に示すように、この複合機1には、電源装置80が備えられている。この電源装置80は、この複合機の各部に電力を供給する。この電源装置80は、この複合機1の動作に必要な十分な電力を各部に供給する動作モードのほか、各部への電力供給を抑えた節電モードを有する。
この電源装置80は、この複合機1が使われていない期間は節電モードに移行して電力消費量を抑える。そして、人感センサ10によりこの複合機1に人が近づいてきたことが検知されると、節電モードから動作モードに復帰して、この複合機1の各部に、その動作に必要なだけの電力を供給する。
この複合機1の各部は、電力の供給が開始されても、直ちに動作可能となるとは限らず、様々な準備動作を経た後に動作可能となる機能部分も存在する。すなわち、電力の供給が開始されてから使用可能となるまでにはタイムラグが存在する。人感センサ10を備えてこの複合機1に人が近づいてきたときに節電モードから動作モードに復帰させるのは、この準備期間の開始タイミングを早めることで、ユーザが複合機1に到着してICカードを翳してからの待ち時間を短縮するための措置である。
また、この人感センサ10による人の接近が検知されると、ユーザの声による指示を受け付ける状態となる。すなわち。ユーザは、ICカードを翳すよりも前に、複合機1に向かって歩きながら、この複合機1に、声でその動作を指示することができる。
図3は、図1,図2に示す複合機の使用にあたっての問題点の説明図である。
この複合機1は複数のユーザで共用されている。このため、この図3に示すように、この複合機1を使おうとする複数人のユーザ(この図3では2人のユーザ)が、相前後して、例えば1人のユーザAが「コピー」と発音し、もう1人のユーザBが「プリント」と発音するといった事態が生じ得る。
ここで、「コピー」は、スキャナ40で原稿を読み取り、それにより得られた画像データに基づく画像をプリンタ50でプリント出力することを指示するコマンドである。
また、「プリント」は、自分のPCから予め送信しておいた画像データに基づく画像をプリンタ50でプリント出力することを指示するコマンドである。
この複合機1は、複数人のユーザが同時には使用することはできず、複数人が使用するときは、順番に使用することになる。
そこで、この図3にあるように、1人のユーザAが声で「コピー」と指示し、もう1人のユーザBが声で「プリント」と指示したとし、例えば、「コピー」と指示したユーザAが先にICカードを翳して使い始めたとする。すると、「プリント」と指示したもう1人のユーザBは、自分の席に戻り、そのまま他の仕事を始めてしまい、プリント出力が行われないままとなることが有り得る。また、これとは逆に、「プリント」と指示したユーザBが先に使い始め、「コピー」と指示したユーザAが、コピーを行わずにそのまま自分の席に戻ってしまうことも有り得る。さらに、その「コピー」と指示したユーザAは、その後、「コピー」を実行することなく、自分のPCから複合機1に向けて画像データを送信し、複合機1に向かって歩いて来て、「プリント」を指示するかも知れない。その時には、同じユーザAによる、先の「コピー」の指示の取り扱いが問題となる。
本実施形態では、この図3を参照して説明したような事態が生じたときに、音声によるコマンドを以下のようにして調整している。
図4は、図2に1つのブロックで示した制御装置の内部構成を示したブロック図である。本実施形態では、この制御装置100が、本発明にいうコマンド管理装置の一例に相当する。
ここには、図1,図2にも示した、人感センサ10、マイク20、およびカードリーダ30が示されている。カードリーダ30は、後述する個人認証部130の構成要素である。
また、この制御装置100には、ユーザ情報データベース180とコマンドデータベース190が備えられている。
図5は、ユーザ情報データベースの模式図である。
このユーザ情報データベース180には、各ユーザごとに、「ユーザID」と、「特徴量」と、「認証情報」と、「PCアドレス」とが互いに対応づけられて記憶されている。
「ユーザID」は、そのユーザを特定する番号や記号である。
「特徴量」は、そのユーザの声紋分析等から抽出される、そのユーザの声を特徴づける量である。
また、「認証情報」は、ICカードリーダ30でユーザのICカードを読み取って得られる情報と照合されて、そのユーザがこの複合機1を使用する権限を有するユーザであることの認証を行うための情報である。
さらに、「PCアドレス」は、通信回線71(図2参照)の先に接続されている、そのユーザのPCのアドレスである。
図6は、コマンドデータベースの模式図である。
ここには、ユーザが声で指示することのできるコマンドの一覧が格納されている。この図6に示す例では、図3を参照して紹介した、「コピー」および「プリント」のほか、「スキャン」と「ファックスAへ」が示されている。
「スキャン」は、スキャナ40で原稿を読み取り、それにより得られた画像データを自分のPCに送信することを指示するコマンドである。また、「ファックスAへ」は、スキャナ40で原稿を読み取り、それにより得られた画像データを、ファクシミリ送受信機60を使って、予め登録してある送信先の1つであるAへ送信することを指示するコマンドである。
図4に戻って説明を続ける。
この図4に示す制御装置100には、さらに、特徴量抽出部110、音声認識部120、個人認証部130、コマンド格納部140、コマンド抽出部150、動作制御部160、および、コマンド管理部170が備えられている。
特徴量抽出部110および音声認識部120は、人感センサ10で人が近づいてきたことが検知されたことをトリガとして動作を開始する。特徴量抽出部110では、マイク20で得られた音声信号に基づいて声紋分析が行われ、その声の特徴を表す特徴量が抽出される。そして、この特徴量抽出部110ではさらに、ユーザ情報データベース180を参照して、その特徴量に対応付けられているユーザIDを取得する。また、音声認識部120では、マイク20で生成された音声信号に基づく音声認識が行われ、さらにコマンドデータベース190が参照されて、今回の音声信号によるコマンドが認識される。この音声認識部120ではさらに、特徴量抽出部110で取得したユーザIDを受け取って音声認識により得られたコマンドに対応づけ、ユーザIDが付されたコマンドが生成される。
コマンド格納部140には、音声認識部120においてこのようにして生成された、ユーザID付きのコマンドが格納される。
ここで、図3を参照して例示したように、ユーザAが「コピー」と発声し、ユーザBが「プリント」と発声した場合には、ユーザAのIDが付された「コピー」のコマンドと、ユーザBのIDが付された「プリント」のコマンドとの双方が生成されて、それら双方のコマンドがコマンド格納部140に格納される。音声認識部120において3つ以上のコマンドが認識された場合も同様である。
個人認証部130には、ICカードリーダ30が備えられている。この複合機1を使おうとするユーザは、このICカードリーダ30に自分のICカードを翳す。すると、ICカードリーダ30は、翳されたICカードから情報を読み取る。そして、この個人認証部130は、ユーザ情報データベース180を参照して、そこに記録されている認証情報とICカードリーダ30で読み取って得た情報とを照合して、ICカードから読み取って得た情報が、ユーザ情報データベース180に記録されている認識情報のいずれかと合致するか、あるいは、いずれとも合致しないかが判定される。ICカードから読み取って得た情報がユーザ情報データベース180に記録されている認識情報のいずれかと合致した場合は、認証成功となり、いずれの認証情報とも合致しない場合は、認証失敗となる。
認証成功の場合、個人認証部130は、その合致した認証情報に対応付けられているユーザIDを取得して、コマンド抽出部150に渡す。すると、コマンド抽出部150は、コマンド格納部140に格納されているコマンドの中から、個人認証部130から受け取ったユーザIDと同一のユーザIDが付されているコマンドを抽出して、動作制御部160に渡す。この動作制御部160は、コマンド抽出部150から受け取ったコマンドに応じて、プリンタ50やスキャナ40、あるいはファクシミリ送受信機60等に動作を指示する。
ここで、プリンタ50やスキャナ40等は、それぞれが本発明にいう機能部の一例に相当し、その中で、プリンタ50は、本発明にいう第1機能部の一例に相当する。さらに、プリンタ50やスキャナ40等からなる各機能部の集合が、本発明にいう動作実行装置の一例に相当する。
また、コマンド抽出部150は、コマンド格納部に格納されているコマンドの中から、個人認証部130から受け取ったユーザIDと同一のユーザIDが付されたコマンドを抽出すると、そのユーザIDをコマンド管理部170に渡す。すると、コマンド管理部170は、コマンド格納部140に格納されているコマンドのうち、コマンド抽出部150によって抽出されたコマンド、すなわち、コマンド抽出部150から受け取ったユーザIDと同一のユーザIDが付されているコマンドを削除する。さらに、このコマンド管理部170は、コマンド格納部140に、削除したコマンド以外のコマンド、すなわち、個人認証部130で今回認証に成功したユーザのIDとは異なるユーザIDが付されたコマンドが残存している場合、プリンタ50から、そのプリンタ50の画像メモリ51内に画像データが格納されている場合の、その画像データに付されているユーザIDを取得する。そして、コマンド格納部140に残存しているコマンドのユーザIDが画像メモリ51に格納されている画像データに付されているユーザIDと一致する場合は、その一致するユーザIDが付されているコマンドは、そのままコマンド格納部140に残しておく。画像メモリ51に画像データが格納されているときは、そのユーザは速やかにプリント出力を要求する可能性が高いからである。一方、画像メモリ51に画像データが格納されていない場合、および、格納されていてもその格納されている画像データに付されているユーザIDとは異なるユーザIDが付されたコマンドがコマンド格納部140に残存していたときは、コマンド管理部170は、そのコマンド格納部140に残存しているコマンドをコマンド格納部140から削除する。
さらに、このコマンド管理部170は、コマンド抽出部150からユーザIDを受け取る場面でなくても定期的に動作する。このとき、このコマンド管理部170は、コマンド格納部140内に格納されているコマンドの中に、そのコマンドが格納された時点から予め定められた一定時間(例えば1時間)以上経過しているコマンドがないかを調べる。そして、その一定時間以上経過したコマンドを見つけると、コマンド管理部170は、プリンタ50の画像メモリ51内への画像データの格納の有無と、格納されていた場合の、その画像データに付されているユーザIDを問い合わせる。そして、画像メモリ51内に画像データが格納されていなかったとき、あるいは、その一定時間以上経過したコマンドに付されているユーザIDが画像データに付されていたユーザIDとは異なるユーザIDであったときは、その一定時間以上経過したコマンドについては、コマンド格納部140から削除する。これは、例えば、複合機1への指示を意図していない音声をマイク20が拾い、その音声がコマンドとして認識されてコマンド格納部140に格納されたままになることや、ユーザが意図して指示した後で、その指示による実際の使用を取りやめてコマンド格納部140に格納されたままになることを回避するための措置である。
また、プリンタ50は、画像メモリ51に格納されている画像データについて、その画像データが画像メモリ51に格納されてからの経過時間を定期的に(例えば1時間おきに)チェックしている。そして、プリンタ50は、画像メモリ51に画像データが格納されていて、その画像データがプリント出力には使われないまま予め定められた一定時間、例えば24時間が経過すると、その画像データを画像メモリ51から消去する。そして、プリンタ50は、その消去した画像データに付されていたユーザIDをコマンド管理部170に通知する。すると、コマンド管理部170は、プリンタ50から通知を受けたユーザIDと同一のユーザIDがコマンド格納部140に格納されていた場合に、そのコマンドをコマンド格納部140から削除する。
このように、本実施形態によれば、コマンド格納部140に残存しているコマンドのうち、画像メモリ51に格納されている画像データに付されているユーザIDと同一のユーザIDが付されているコマンドについては、例えば24時間などの一定時間、コマンド格納部140にそのまま保存され、それ以外のコマンドについてはコマンド格納部140から削除される。したがって、本実施形態によれば、画像データに対応付けられている、必要なコマンドについては、コマンド格納部140にそのまま保存しつつ、残存しているコマンドによる不用意な動作が回避される。
図7は、コマンド格納部にコマンドを格納する場面における制御装置の処理フローを示した図である。
人感センサ10による人が近づいてきたことの検知があると(ステップS101)、動作モードに移行して、電源装置80(図2参照)により必要な電力が各部に供給される(ステップS102)。そして、音声受信を開始し(ステップS103)、特徴量抽出部110における、声紋分析による声の特徴量の抽出とユーザ情報データベース180を参照してのユーザIDの取得が行われる(ステップS104)。
この特徴量抽出処理に失敗したときは(ステップS105)、特徴量抽出処理の対象となった今回の音声は破棄される(ステップS106)。一方、このステップS105における特徴量抽出処理に成功したときは、次に、音声認識部120における音声認識処理が行われる(ステップS107)。ここでは、コマンドデータベース190が参照され、また、ステップS104で取得したユーザIDを受け取って、ユーザID付きのコマンドが生成される。このユーザID付きのコマンドの生成に失敗したときは(ステップS108)、特徴量抽出に失敗したとき(ステップS105)と同様、今回の音声は破棄される(ステップS109)。
一方、音声認識処理によるユーザID付きコマンドの生成に成功したときは(ステップS108)、そのユーザID付きコマンドがコマンド格納部140に格納される(ステップS110)。
以上の処理が、この複合機1の近くから人が去るか(ステップS111)、あるいは個人認証部130(図4参照)による個人認証が成功するまで(ステップS112)、繰り返される。なお、ここでは省略されているが、人の接近が検知されてから予め定められた一定時間(例えば10分間)が経過しても個人認証成功に至らないときは、音声受信を中止してこの図7の処理を終了し、節電モードに移る。これは、たまたま複合機1の近くを人が通り過ぎた場合などに対処するためである。
図8は、ICカードによる個人認証が行われた場面における制御装置の処理フローを示した図である。
ここでは、ICカードリーダ30にユーザのICカードが翳されると、そのユーザの個人認証処理が行われる(ステップS201)。その個人認証に失敗したときは(ステップS202)、ここでは何もせずに、この処理フローを終了する。
一方、その個人認証に成功したときは(ステップS202)、コマンド格納部140に格納されている全てのコマンドを読み込み(ステップS203)、それらのコマンドの中から今回認証されたユーザのIDが付されたコマンドを抽出する(ステップS204)。この、今回認証されたユーザのIDが付されたコマンドが存在したときは(ステップS205)、そのコマンドを実行し(ステップS206)コマンド格納部140に格納されているコマンドのうちの、今回実行したコマンドを削除する(ステップS207)。
ステップS205において、今回認証されたユーザのIDが付されているコマンドが存在しないと判定されたとき、あるいは、そのユーザのIDが付されたコマンドが実行されて(ステップS206)そのコマンドが削除された(ステップS107)後、次に、コマンド格納部140に、今回認証されたユーザ以外のユーザのIDが付されたコマンドが格納されているか否かが判定される(ステップS208)。そして、今回認証されたユーザ以外のユーザのIDが付されたコマンドが無かったときは、節電モードに移行して(ステップS215)、この処理を終了する。一方、ステップS208において、今回認証されたユーザ以外のユーザのIDが付されたコマンドが有ると判定されたときは、プリンタ50の画像メモリ51に画像データが格納されているか否かが判定され(ステップS209)、画像データが格納されていないときは、コマンド格納部140内に残存しているコマンドを全て削除して(ステップS210)、節電モードに移行する(ステップS215)。一方、画像メモリ51に画像データが格納されていたときは(ステップS209)、その格納されている画像データに付されているユーザIDを取得する(ステップS211)。そして今度は、残存するコマンド1つ1つについて、以下の処理が実行される。すなわち、ここでは、そのコマンドに付されているユーザIDが、画像メモリ51に格納されている画像データに付されているユーザIDと一致するか否かを判定し(ステップS212)、不一致のコマンドはコマンド格納部140から削除する(ステップS213)。ユーザIDが一致するコマンドについては、削除の処理は行わずに、次のコマンドの判定に移る(ステップS214)。残存するコマンドの全てについて順次に、ステップS212,S213の処理を終了すると(ステップS214)、節電モードに移行する(ステップS215)。
なお、ここでは、図8のステップS215に進んだときのみ、節電モードに移行するかのように示されているが、動作モードに移行した後、他の処理が行われずに一定時間が経過し、あるいは、何らかの処理が行われた場合であっても最後の処理が行われたから一定時間が経過すると、ステップS215が実行されなくても、強制的に節電モードに移行する。
また、ここでは、音声認識処理により生成されたコマンドのみを取り上げているためUI90(図1,図2参照)の操作により生成されるコマンドについては、この図8に示す処理フローには記載されていない。しかしながら、ステップS204で抽出されたコマンドのみでは動作に不十分なときは、ステップS206における実行に先立って、UI90を操作するなど、UI90の操作による指示に基づくコマンド生成も併用される。
図9は、タイマ起動によるコマンド削除処理のフローを示した図である。この図9に示す処理は、例えば1分ごとに起動される。
ここでは先ず、コマンド格納部140に格納されているコマンドを読み出し(ステップS301)、コマンド格納部140に格納した時点を起点としたときの、例えば1時間等の一定時間以上経過したコマンドを抽出する(ステップS302)。そのような、一定時間以上経過したコマンドが無かったときは(ステップS303)、コマンド格納部140内のコマンドを削除することなく、この図9の処理を終了する。一方、一定時間以上経過したコマンドが有ったときは(ステップS303)、そのプリンタ50の画像メモリ51に画像データが格納されているか否かが判定され(ステップS304)格納されていなかったときは、その一定時間以上経過しているコマンドの全てがコマンド格納部140から削除される(ステップS305)。画像データが格納されていたときは、その画像データに付されているユーザIDを取得し(ステップS306)、一定時間以上経過しているコマンド1つ1つについて順次に、以下のステップS307,S308の処理が実行される。すなわち、ここでは、そのような一定時間以上経過しているコマンドを1つずつ取り上げて、そのコマンドに付されているユーザIDが画像データに付されているユーザIDと一致するか否かを判定し(ステップS307)、不一致のときは、その不一致のコマンドがコマンド格納部140から削除される。一方、ユーザIDが一致したときは、そのコマンドは削除せずにコマンド格納部140に格納されたままにしておく。この処理を、一定時間以上経過しているコマンド1つ1つについて実行し終わると(ステップS309)、この処理を終了する。
この図9の処理により、ノイズとしてのコマンドがいつまでも残存する事態を避けることができる。なお、図9に示す処理はタイマ起動により定期的に実行されるものとして説明したが、そのタイマ起動の周期に近い不定期なタイミングで繰り返し発生する何らかのイベントで実行されるものであってもよい。
図10は、プリンタにおけるタイマ起動による画像データ消去処理のフローを示した図である。この図10に示す処理は、タイマにより、例えば1時間ごとに起動される。
この図10に示す処理が開始されると、先ず、画像メモリ51に画像データが格納されているか否かが判定される(ステップS401)。画像データが格納されていないときは、このまま何もせずに、この処理を終了する。一方、画像データが格納されていたときは、その画像データが画像メモリ51に格納された時点から予め定められた一定時間(例えば24時間)という寿命が残っているか否かがチェックされる(ステップS402)。そして、その画像データの寿命が未だ残っているときは、ステップS401に戻り、画像メモリ51内に次の画像データが有るか否かが判定される。一方、ステップS403においてその画像データの寿命が尽きていると判定されたときは、その画像データが画像メモリ51から消去され(ステップS404)、今回消去した画像データに付されていたユーザIDが制御装置100のコマンド管理部170(図4参照)に通知される。
この処理が、画像メモリ51に格納されている全ての画像データについて繰り返され、未処理の画像データが無くなると(ステップS401)、この図10に示す処理が終了する。
図11は、図10のステップS405におけるユーザIDの通知を受けたときの、制御装置での処理を示す図である。
ここでは先ず、プリンタ50から通知されてきたユーザIDを取得し(ステップS501)、コマンド格納部140にその取得したユーザIDと同一のユーザIDが付されている「プリント」のコマンドが存在していたときに、その同一のユーザIDが付されている「プリント」のコマンドがコマンド格納部140から削除される(ステップS502)。
これにより、画像データの寿命が尽きるとともに、それに対応した「プリント」のコマンドも削除される。
なお、ここでは、個人認証にあたり、ICカードとICカードリーダ30を採用しているが、本発明はそれに限られるものではなく、例えば指紋による個人認証やパスワード入力による個人認証など、ICカード以外の個人認証手段を採用してもよい。
また、ここでは、複合機を例に挙げて説明し、その中で、本発明にいうデータの一例として、プリンタ50の画像メモリ51に格納されている画像データを例に挙げて説明したが、本発明にいう動作実行装置及びコマンド管理装置は、複合機1のみに適用されるものではなく、外部機器からの、ユーザを特定するユーザIDが付されたデータの入力を受けてそのデータを格納するデータ格納部を有し、そのデータの入力とは別途の動作指示を受けてデータ格納部に格納されたデータを利用した処理動作を実行する機能を備えた第1の機能部を含む、各々に応じた動作を実行する機能を備えた複数の機能部を有する動作実行装置に動作を指示するコマンドを管理する場合に、広く適用することができるものである。
1 複合機
10 人感センサ
20 マイク
30 ICカードリーダ
40 スキャナ
50 プリンタ
51 画像メモリ
60 ファクシミリ送受信機
70 I/Oコントローラ
80 電源装置
90 UI(ユーザインタフェース)
91 表示部
100 制御装置
110 特徴量抽出部
120 音声認識部
130 個人認証部
140 コマンド格納部
150 コマンド抽出部
160 動作制御部
170 コマンド管理部
180 ユーザ情報データベース
190 コマンドデータベース

Claims (4)

  1. 外部機器からの、ユーザを特定するユーザIDが対応づけられたデータの入力を受けて該データを格納するデータ格納部を有し、該データの入力とは別途の動作指示を受けて該データ格納部に格納されたデータを利用した処理動作を実行する機能を備えた第1の機能部を含む、各々に応じた動作を実行する機能を備えた複数の機能部を有する動作実行装置に対し動作を指示するコマンドを管理するコマンド管理装置であって、
    ユーザを特定するユーザIDと、該ユーザの声の特徴を表す特徴量と、該ユーザであることを認証する、該特徴量とは別種の認証情報とが互いに対応づけられたユーザ情報を記憶しておくユーザ情報記憶部と、
    音声を検知して音声信号を生成する音検知部と、
    前記音検知部で生成された音声信号から声の特徴量を抽出し前記ユーザ情報記憶部を参照して該特徴量に対応するユーザIDを取得する特徴量抽出部と、
    前記音検知部で生成された音声信号に基づいて音声認識を行い、前記特徴量抽出部で取得したユーザIDを受け取って該ユーザIDが対応づけられたコマンドを生成する音声認識部と、
    前記音声認識部で生成されたコマンドを格納しておくコマンド格納部と、
    前記認証情報を用いた、ユーザの個人認証を行う個人認証部と、
    前記個人認証部での個人認証の成功を受けて、前記コマンド格納部に格納されているコマンドの中から、今回の個人認証の対象となったユーザのユーザIDが対応づけられたコマンドを抽出するコマンド抽出部と、
    前記動作実行装置を制御して、該動作実行装置に、前記コマンド抽出部で抽出されたコマンドに応じた動作を実行させる動作制御部と、
    前記コマンド格納部に格納されているコマンドを前記コマンド抽出部で抽出された抽出コマンドと抽出されずに残った残存コマンドとに分けたときの該抽出コマンドについて該コマンド格納部から削除し、該残存コマンドのうちの、前記データ格納部に格納されているデータに対応づけられているユーザIDと同一のユーザIDが対応づけられた同一ID付与残存コマンドについては削除せずに該コマンド格納部に残し、該残存コマンドのうちの該同一ID付与残存コマンド以外の残存コマンドについては該コマンド格納部から削除するコマンド管理部とを備えたことを特徴とするコマンド管理装置。
  2. 予め定められた境界を越えて人が近づいてきたことを検知する人検知部を備え、
    前記音声認識部が、前記人検知部による人が近づいてきたことの検知を受けて、音声認識を開始するものであることを特徴とする請求項1に記載のコマンド管理装置。
  3. 前記動作実行装置が、前記データ格納部に格納されて利用されなかったデータを定期もしくは不定期に該データ格納部から消去するものであって、
    前記コマンド管理部が、前記データ格納部からデータが消去されたことを受けて、前記コマンド格納部に格納されている残存コマンドのうちの、今回消去されたデータに対応づけられていたユーザIDと同一のユーザIDが対応づけられている残存コマンドを、該コマンド格納部から削除するものであることを特徴とする請求項1または2に記載のコマンド管理装置。
  4. 請求項1から3のうちのいずれか1項に記載のコマンド管理装置と、前記動作実行装置とを備え、前記第1の機能部が、画像を表す画像データを前記データ格納部に格納し、画像形成指示に応じて、用紙上に、該画像データに基づく画像を形成する機能部であることを特徴とする画像形成装置。
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