JP2017026484A - 回帰式を用いた多孔性食品の食感評価方法及び評価システム - Google Patents

回帰式を用いた多孔性食品の食感評価方法及び評価システム Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明の課題は、官能検査を行うことなく、実験的に多孔性食品の食感を評価する方法及び評価システムを提供することである。より詳細には、官能検査の結果との整合性を一層向上し、迅速かつ精度良く多孔性食品の食感を評価する方法及び評価システムを提供することである。さらに、多孔性食品の食感の経時的な変化を予測できる方法を提供することである。
【解決手段】
多孔性食品の破砕又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析し、該音響解析により得られた心理音響評価量を用いて多孔性食品の食感を評価する方法であって、ラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス、変動強度からなる群から選ばれる2以上の心理音響評価量を決定し、前記2以上の心理音響評価量に基づいて算出されるサクミ指数を用いて多孔性食品の食感を評価する、官能検査試験を必要としない、前記方法を提供する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、多孔性食品の食感評価方法及び評価システムに関する。より詳細には、多孔性食品のサクミを、官能検査を行うことなく、実験的に評価する食感評価方法及び評価システムに関する。
フライ食品、クッキー等のスナック菓子、米菓等の多孔性食品は、口に入れて咀嚼した際のバリバリ(サクサク)とした食感(サクミ)が品質上非常に重要であり、そのような食感の低下が商品価値を著しく低下させる原因となっている。それゆえ、多孔性食品のサクミを正しく評価することは極めて重要であり、従来から多孔性食品の食感(サクミ)は官能検査により評価されている。このような官能検査は、機器によって測定し難い風味や食感等の評価に主に用いられている手法であり、精度が高く正確なデータが得られることが知られている。
しかし、官能検査はパネラーの選定や育成が困難であり、また官能検査を行うに際しては複数のパネラーを使用することから、複数のパネラーのスケジュール調整に手間がかかる等の問題があり、非効率的な側面を有している。
そこで近年、ハードネス(硬さ)、スプリンジネス(弾力性)、ブリットルネス(脆さ)、チューイネス(咀嚼性)、スティッキネス(粘り)、クリスプネス(サクミ)等の食品の食感を、レオメーター等の機器分析により評価されており、現在では優れた成果が得られるようになってきている。機器分析の中でも、特に音響分析により、食品の食感を評価することも行われている。
例えば、シャープネス及び/又はラフネスといった心理音響評価量を用いて、多孔性食品の食感を評価する方法が既に開発されている(特許文献1)。このように、心理音響評価量を用いて、多孔性食品の食感を評価する方法は既に確立されているが、心理音響評価量は測定誤差が生じやすく、1回の測定で正確な評価を行うことは難しく、一般的に複数回の測定を行い、その平均値を取って評価する必要性があったことや、また、心理音響評価量との相関分析から導かれる評価結果と官能検査の評価結果との整合性をさらに向上させることが望まれていた。このようなことから、より一層迅速かつ精度の高い、実験的に評価する食感評価方法を開発することが求められていた。また、多孔性食品のサクミは製造後に経時的に変化するものであるところ、このような変化を事前に予測する技術を開発することも求められていた。
特許4111723号公報
本発明の課題は、官能検査を行うことなく、実験的に多孔性食品の食感を評価する方法及び評価システムを提供することである。より詳細には、官能検査の結果との整合性を一層向上し、迅速かつ精度良く多孔性食品の食感を評価する方法及び評価システムを提供することである。さらに、多孔性食品の食感の経時的な変化を予測できる方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、多孔性食品を音響解析して得られる心理音響評価量と当該多孔性食品の官能検査の結果とを照合して、重回帰分析を行うことにより、多孔性食品の食感評価に関係する心理音響評価量を5種類に特定し、これらを2種以上組み合わせて、多孔性食品の食感を迅速かつ精度よく評価できる指標(サクミ指数)を確立し、本発明を完成させた。さらに、サクミ指数が、油ちょう後の時間と直線的な関係にあることに基づいて、多孔性食品の食感の経時的な変化が予測できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の一態様によれば、多孔性食品の破砕又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析し、該音響解析により得られた心理音響評価量を用いて多孔性食品の食感を評価する方法であって、ラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス、変動強度からなる群から選ばれる2以上の心理音響評価量を決定し、前記2以上の心理音響評価量に基づいて算出されるサクミ指数を用いて多孔性食品の食感を評価する、官能検査試験を必要としない、前記方法を提供することができる。
また、本発明の好ましい一態様によれば、上記サクミ指数が、ラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス、変動強度のいずれか2以上を変数として含む、下記式(1)〜(15)によって算出される計算値(Y)である、上記方法を提供することができる。
(1)Y=a×ラウドネス+b×ラウドネスレベル+c×シャープネス+d×ラフネス+e×変動強度+X(a〜eは係数であり、Xは切片)ここで、前記係数及び切片は次の不等式を満たす。−0.173≦a≦−0.026、+0.133≦b≦+0.159、+1.371≦c≦+4.695、−0.671≦d≦−0.370、+0.763≦e≦+2.594、−12.770≦X≦−9.258
(2)Y=−0.026×ラウドネス+0.159×ラウドネスレベル+1.371×シャープネス−0.671×ラフネス+0.763×変動強度−9.258
(3)Y=−0.173×ラウドネス+0.133×ラウドネスレベル+4.695×シャープネス−0.370×ラフネス+2.594×変動強度−12.770
(4)Y=b×ラウドネスレベル+c×シャープネス+d×ラフネス+e×変動強度+X(b〜eは係数であり、Xは切片)ここで、前記係数及び切片は次の不等式を満たす。+0.029≦b≦+0.147、+1.395≦c≦+5.439、−0.642≦d≦−0.203、+0.878≦e≦+2.058、−8.700≦X≦−8.252
(5)Y=+0.147×ラウドネスレベル+1.395×シャープネス−0.642×ラフネス+0.878×変動強度−8.700
(6)Y=+0.029×ラウドネスレベル+5.439×シャープネス−0.203×ラフネス+2.058×変動強度−8.252
(7)Y=b×ラウドネスレベル+c×シャープネス+d×ラフネス+X(b〜dは係数であり、Xは切片)ここで、前記係数及び切片は次の不等式を満たす。+0.039≦b≦+0.160、+0.856≦c≦+4.891、−0.382≦d≦+0.114(ただし、0を除く)、−8.632≦X≦−7.677
(8)Y=0.160×ラウドネスレベル+0.856×シャープネス−0.382×ラフネス−8.632
(9)Y=0.039×ラウドネスレベル+4.891×シャープネス+0.114×ラフネス−7.677
(10)Y=b×ラウドネスレベル+c×シャープネス+X(b〜cは係数であり、Xは切片)ここで、前記係数及び切片は次の不等式を満たす。+0.040≦b≦+0.151、+0.821≦c≦+4.865、−8.274≦X≦−7.542
(11)Y=0.151×ラウドネスレベル+0.821×シャープネス−8.274
(12)Y=0.040×ラウドネスレベル+4.865×シャープネス−7.542
(13)Y=c×シャープネス+d×ラフネス+X(c〜dは係数であり、Xは切片)ここで、前記係数及び切片は次の不等式を満たす。+6.211≦c≦+6.822、+0.024≦d≦+0.125、−8.454≦X≦−7.374
(14)Y=6.211×シャープネス+0.024×ラフネス−7.374
(15)Y=6.822×シャープネス+0.125×ラフネス−8.454
また、本発明の好ましい一態様によれば、上記サクミ指数が、3.0以上、より好ましくは4.0以上、さらに好ましくは4.5以上であるときに、多孔性食品の食感が良好であると評価する、上記方法を提供することができる。
また、本発明の好ましい一態様によれば、多孔性食品を製造するために用いられる油脂が、菜種油又はパーム油から選ばれる、上記方法を提供することができる。
また、本発明の一態様によれば、上記方法により評価された、多孔性食品を提供することができる。
また、本発明の一態様によれば、上記方法を含む、多孔性食品の製造方法を提供することができる。
また、本発明の一態様によれば、多孔性食品の破砕又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を取得する手段、ラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス、変動強度からなる群から選ばれる2以上の心理音響評価量を音響解析する手段、及び、該音響解析により得られた前記2以上の心理音響評価量を用いて多孔性食品のサクミ指数を算出する手段を有する、官能検査試験を必要としない、多孔性食品の食感評価システムを提供することができる。
また、本発明の好ましい一態様によれば、上記サクミ指数が上記式(1)〜(15)により算出される計算値(Y)である、上記システムを提供することができる。
また、本発明の好ましい一態様によれば、上記サクミ指数が、3.0以上、より好ましくは4.0以上、さらに好ましくは4.5以上であるときに、多孔性食品の食感が良好であると評価する、上記システムを提供することができる。
また、本発明の好ましい一態様によれば、多孔性食品を製造するために用いられた油脂が、菜種油又はパーム油から選ばれる、上記システムを提供することができる。
また、本発明の一態様によれば、上記方法を、所要の時間をおいて2回以上行い、2以上のサクミ指数を得て、横軸を時間とし縦軸をサクミ指数とする検量線を作成し、当該検量線に基づいて、所望の時間における多孔性食品の食感を予測する方法を提供することができる。
また、本発明の好ましい一態様によれば、上記サクミ指数が、3.0未満、より好ましくは4.0未満になる時間を予測する、上記方法を提供することができる。
また、本発明の一態様によれば、上記方法を、所要の時間をおいて2回以上行い、2以上のサクミ指数を得て、横軸を時間とし縦軸をサクミ指数とする検量線を作成し、当該検量線の傾きに基づいて、油脂の種類を特定する方法を提供することができる。
また、本発明の好ましい一態様によれば、上記検量線の傾きが−0.9〜−0.8であるときに、油脂が菜種油であると特定し、前記傾きが−0.4〜−0.3であるときに、油脂がパーム油であると特定する、上記方法を提供することができる。
また、本発明の一態様によれば、上記方法を、所要の時間をおいて2回以上行い、2以上のサクミ指数を得て、横軸を時間とし縦軸をサクミ指数とする検量線を作成し、当該検量線の傾きに基づいて、多孔性食品のサクミを強くする油脂であるか否かを特定する方法を提供することができる。
また、本発明の好ましい一態様によれば、上記検量線の傾きが−0.5以上であるときに、多孔性食品のサクミを強くする油脂であると特定する、上記方法を提供することができる。
本発明によれば、サクミ指数を割り出す計算式が提供されるので、多孔性食品につき単回の音響解析を行い、心理音響評価量を決定するだけで、官能検査を行うことなく、多孔性食品の食感、つまり、サクミを客観的かつ迅速に評価することができる。例えば、多数の多孔性食品を短時間に評価しなければならない際にも有用である。さらに、多孔性食品の種類を問わず、どのようなものであっても利用できるので、その応用性、汎用性は非常に幅広いということができる。
また、所要時間をあけて、2以上のサクミ指数を決定すれば、横軸を時間とし縦軸をサクミ指数とする検量線(直線)を描くことができ、当該検量線に基づいて、所望の時間後の多孔性食品の食感を事前に予測することもできる。この予測方法に基づけば、例えば、スーパー等の店頭に並べて販売される多孔性食品について、食感が悪くなったために、これをいつ廃棄しなければならないか等の判断にも利用することができる。結果として、良好なサクミを有する多孔性食品が、消費者のもとへ届けられるという効果も期待できる。
また、上記検量線の傾きに基づいて、油脂の種類(菜種油かパーム油か等)や、油脂の性質(サクミを強くする油脂であるか否か)を特定することもできるといった優れた効果を有する。
各心理音響評価量の観測地グラフ(菜種油) 各心理音響評価量の観測地グラフ(パーム油) 各心理音響評価量の経時的な変化(菜種油+パーム油) サクミ指数と時間経過(菜種油) サクミ指数と時間経過(パーム油) サクミと時間経過(菜種油+パーム油)
以下、本発明の「多孔性食品の食感評価方法」について順を追って説明する。
<多孔性食品>
本発明における「多孔性食品」とは、材料中の蒸発成分の拡散、又は材料に注入したガスの微細気泡の膨化により生じた多孔性組織を有する食品のことであり、例えば、ビスケット、クラッカー、プレッシェル、クッキー、コーンパフ、コーンフレーク、ポップコーン及びポテトチップス等のスナック菓子、せんべい、あられ等の米菓、天ぷら、かき揚げ、コロッケ、トンカツ、エビフライ等のフライ食品が挙げられる。特にコロッケ、天ぷら、かき揚げが好ましい。
<多孔性食品の食感>
食品の食感は、ハードネス(硬さ)、スプリンジネス(弾力性)、ブリットルネス(脆さ)、チューイネス(咀嚼性)、スティキッネス(粘り)、クリスプネス(サクミ)等で評価される。多孔性食品の場合、上記食感のうち、特にサクミが重要であり、本発明において、「多孔性食品の食感」とは、原則、サクミのことを指す。
<多孔性食品の食感の評価>
本発明の多孔性食品の食感評価方法は、多孔性食品の破砕又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析し、該音響解析により得られた心理音響評価量を用いるが、特に、ラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス、変動強度からなる群から選ばれる2以上の心理音響評価量を決定し、前記2以上の心理音響評価量に基づいて算出されるサクミ指数を用いて多孔性食品の食感を評価することを特徴とする。
ここで、「心理音響評価量に基づいて算出されるサクミ指数を用いて多孔性食品の食感を評価する」とは、ラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス、変動強度のいずれか2以上を変数として含む、予め定められた回帰式に、心理音響評価量の値を代入することによって算出される計算値(Y)をサクミ指数として利用することを含むだけでなく、音響解析により得られた心理音響評価量の値と、官能検査により得られた官能評価の値とを重回帰分析し、サクミ指数を算出するための上記回帰式を導出することをも含む。
<多孔性食品の破砕>
本発明の多孔性食品の食感評価方法において多孔性食品を破砕するには食品破砕装置を用いる。食品破砕装置とは、食品を圧縮及び切断する装置の総称であり、その装置は食品を圧縮、切断する際に破砕音を発生し、装置に音や振動を伝えるものである。本発明において用いられる食品破砕装置の一例としては、特許第4111723号公報に開示されている食品破砕装置やレオメーターが挙げられる。前記公報において詳しく説明されているので、ここでは詳細を割愛する。なお、前記公報の内容は、本明細書の中に取り込まれる。以下、本発明の食品破砕装置の特徴を要約して説明する。
<食品破砕装置>
特許第4111723号公報に開示されている食品破砕装置にはコンタクトマイクが備え付けられているか、食品破砕部の近くにこれが設置されている。これにより、食品破砕時の音及び/又は振動を測定することができる。食品破砕部はアダプター式になっており、食品の種類に応じて形状を変えることができる。一例を挙げると、アダプターは格子型又はフォーク型のものが挙げられる。格子型のアダプターは、コロッケ及び天ぷら等を破砕する際に用いられ、フォーク型のアダプターは春巻き及びクッキー等を破砕する際に用いられる。また、このような食品破砕装置としては、破砕音を測定する際にできるだけ稼働音が小さいものが好ましい。アダプターの押し込み速度は20〜300mm/秒で測定することが好ましい。
<レオメーター>
また、本発明において用いられる食品破砕装置の一種としてはレオメーターも用いられる。レオメーターとは、物質の力学的性状を測定する装置であり、レオメーターによれば、圧縮破砕強度(荷重)、引張強度、切断強度、弾性、粘弾性、脆さ、粘着性、応力緩和及びクリーム等の測定が可能である。本発明においては、レオメーターを用いて、多孔性食品をプランジャーにより一定の速度で押し潰し、その荷重を測定する単軸圧縮破砕強度試験を行うと共に、多孔性食品を押し潰す際に発生する音及び振動の収集・解析を行う。上述したレオメーターを用いた単軸圧縮破砕試験において、プランジャーの押し込み速度を0.1〜10mm/秒として測定することが好ましく、プランジャーの形状は特に制限されない。また、データ収集間隔(距離分離能)には特に制限はないが、データ収集間隔が小さく、データ収集数が多い方が好ましい。例えばデータ収集間隔としては0.01〜0.001mmであることが好ましい。
本発明の多孔性食品の食感評価方法においては、食品破砕装置を用いて一定荷重により多孔性食品の破砕を行い、音、振動等が求められる。また、本発明の多孔性食品の食感評価方法においては、レオメーターを使用して一定速度により多孔性食品の破砕を行い、音、振動等が求められる。本発明の多孔性食品の食感評価方法においては、多孔性食品の咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析し、該音響解析により得られた心理音響評価量の数値を用いることにより多孔性食品の食感が評価される。
<収音>
本発明の多孔性食品の食感評価方法においては、多孔性食品を破砕又は多孔性食品を咀嚼する際に発生する音及び/又は振動を収音して音響解析を行う。音及び/又は振動を収音する装置としては録音装置が用いられる。用いられる録音装置としては、音を評価するための試験において通常に用いられるものが使用可能である。例えば、マイクロフォン、パーソナルコンピューター及び記録媒体からなる。マイクロフォンとは、マイク及びコンタクトマイクを含み、前記マイクとは騒音計をも含む概念である。
上記マイクとは、空気中の振動、いわゆる“音”を電気振動に変換することにより収音するものであり、騒音計を含む、コンタクトマイクとは骨や食品破砕装置等の固体を伝わる振動を測定するものである。コンタクトマイクとしては、例えば、骨伝導マイクHG17A((株)テムコジャパン製)等が挙げられる。
音及び/又は振動を収音する際に用いられるマイクロフォン等の録音装置の設置位置として、一例を挙げると、破砕又は咀嚼される多孔性食品から3〜50cm程度の距離に設置し、コンタクトマイクにより収音する際には、食品破砕装置の食品切断部分から1〜30cmの距離に装着する。マイクロフォン等の録音装置の設置位置としては、上記距離に限定されることはなく、多孔性食品破砕又は咀嚼する音を安定に収音することができる位置であればよい。
また、本発明の多孔性食品の食感評価方法においては、上記のように音及び/又は振動を音響解析し、心理音響評価量である、ラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス及び/又は変動強度を決定する。
<ラウドネス>
本発明において音響解析を行う「ラウドネス」とは、人が感じる音の大きさ、すなわち“音の大きさ感”(単位:sone)であり、定常音については、ISO532Bで規格化されている。音の強度を表す物理量である音圧とは区別されるものであり、例えば、同じ音圧レベルでも周波数が異なれば音の大きさに違いが生じる。ラウドネスは、例えば、音質評価ソフトウェアWS−5160((株)小野測器社製)を用いて算出することができる。
<ラウドネスレベル>
本発明において音響解析を行う「ラウドネスレベル」とは、ラウドネスを対数表示したものであり、人が感じる音の大きさ、すなわち“音の大きさ感”(単位:phon)を表す点は上記ラウドネスと同じである。なお、ラウドネスレベル(L)は、ラウドネスをNとすると、次の式で表すことができる。L=10・log(N)+40。ラウドネスレベルは、例えば、音質評価ソフトウェアWS−5160((株)小野測器社製)を用いて算出することができる。
<シャープネス>
本発明において音響解析を行う「シャープネス」とは、いわゆる“音の鋭さ感(甲高さ)”(単位:acum)のことであり、低域と高域の音のバランスが高域側に偏った時に感じるものである。周波数成分に依存する評価量であり、低周波数、高周波数間におけるスペクトルバランスを示す。シャープネスは、例えば、音質評価ソフトウェアWS−5160((株)小野測器社製)を用いて算出することができる。
シャープネス(S)の定義式を以下に示す。
Figure 2017026484
式中、N’:各臨界帯域番号(Bark)におけるラウドネス
すなわち、分母はトータルラウドネスである。
g(z):臨界帯域番号に依存する重み関数
z :臨界帯域番号
すなわち上記は、g(z)にて重みのかかったN’を臨界帯域番号軸に並べた時の重心位置を表わす。
<ラフネス>
本発明において音響解析を行う「ラフネス」とは、いわゆる“音の粗さ感(ざらざら、ぶるぶる感)”(単位:asper)のことであり、ラウドネスが短い周期で変動する時に感じるものである。音が早く変動する際のその変動を知覚することができないために生じる粗さ感の評価量である。ラフネスは、例えば、音質評価ソフトウェアWS−5160((株)小野測器社製)を用いて算出することができる。
ラフネス(R)の定義式を以下に示す。
Figure 2017026484
c 正規化係数(約0.3;信号に依存)
ri 各臨界帯域番号におけるラフネス
Δz 臨界帯域幅
ki-1 臨界帯域番号iとi-1番目とのラウドネスの時間変化の相関係数
k1 臨界帯域番号iとi+1番目とのラウドネスの時間変化の相関係数
g(z) 臨界帯域番号に依存する重み係数
m 時間包絡信号の時間変動に依存する係数
<変動強度>
本発明において音響解析を行う「変動強度」とは、人が感じる音の大きさの変動であり、いわゆる“変動感、滑らかさ感の逆”(単位:vacil)のことであり、ラウドネスがゆっくりとした周期で変動する時に感じるものである。変動強度は、例えば、音質評価ソフトウェアWS−5160((株)小野測器社製)を用いて算出することができる。
本発明の多孔性食品の食感評価方法においては、上記音響解析により算出した値と、多孔性食品の官能検査により求めた官能評価値とを重回帰分析することにより、回帰式を確立し、該回帰式により算出されるサクミ指数を用いて、多孔性食品の食感を評価する。
<官能検査>
官能検査は、熟練したパネラーにより行なう。官能評価用紙を用いて、サクミを1〜5の5段階で採点する。これを油ちょう完了後から一定時間後に複数回行う。次いで、パネラーの平均点を算出し、所定の判断基準に従ってサクミを評価する。平均点が3.0以上のものをサクミがあるものと評価する。
<音響解析>
上記官能検査に用いた多孔性食品と同時に製造されたものを音響解析に供する。音響解析では、食品破砕装置により多孔性食品を破砕した際に生じる音又は振動を、マイク又はコンタクトマイクを通じてパーソナルコンピューターに取り込み、データをラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス及び/又は変動強度という心理音響評価量を用いて解析する。
<重回帰分析>
上記のとおり、本発明の多孔性食品の食感評価方法は、ラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス、及び/又は変動強度により算出されるサクミ指数を用いるものである。後述するように、本発明においては、多数のサンプルについて、ラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス、及び/又は変動強度の値が決定され、これらの値と官能評価値とを重回帰分析(文献:例解重回帰分析ガイド EXCELアドインソフトを利用して、第1刷、2011年4月25日発行、東京図書株式会社)する。そして、係数(文献同)を求め、この結果をもとに回帰式(文献同)を算出した。当該式にラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス、及び/又は変動強度の値を代入することによって、サンプルの判別得点(Y値)を得ることができる。この判別得点(Y値)は官能評価値のサクミと相関関係があるので、本発明では、この判別得点(Y値)のことを「サクミ指数」と呼ぶ。これが3.0以上であるときに、多孔性食品の食感が良好であると評価できる。特に、サクミ指数が4.0以上であるときに、多孔性食品の食感がきわめて良好であり、サクミ指数が4.5以上であるとき、揚げたての食感であると評価できる。このように、サクミ指数は、揚げ物の品質を評価する際にも利用できる。
さらに、サクミ指数は油ちょう後の時間が長くなればなるほど値が減少するため、所要の時間をおいて2回以上の評価を行い、2以上のサクミ指数を得て、横軸を時間とし縦軸をサクミ指数とする検量線を作成し、当該検量線に基づいて、所望の時間における多孔性食品の食感を事前に予測することもできる。また、当該検量線の傾きから、油脂の種類や油脂の性質を特定することもできる。
上記回帰式においては、係数はある一定の値に定めて利用される。しかしながら、本来、係数は、油ちょうに用いる油脂や揚げ物の種類等によって影響を受けるものである。したがって、本発明において、係数は一定に定まらず、状況によって変動し得る。このように、係数は変化し得るものであるが、本発明で定義される不等式に表される一定の数値範囲内にあれば、回帰式を用いて、多孔性食品の食感を評価することができる。このことは当業者に自明なことである。そこで、本発明においては、係数が1つの数値に定まる場合だけでなく、一定の範囲内である場合についても、本発明の好ましい一態様として説明している。
<使用する油脂>
本発明において使用する「油脂」は特に制限されないが、例えば、大豆油、菜種油、パーム油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、胡麻油、月見草油、エゴマ油、アマニ油、ぶどう種子油等の植物性油脂、並びに、それらの油脂の硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂が例示できる。本発明で使用する「油脂」として、最も好ましいものは、菜種油とパーム油である。
<多孔性食品評価システム>
本発明の多孔性食品評価システムは、多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を取得する手段、ラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス、変動強度からなる群から選ばれる2以上の心理音響評価量を決定する手段、当該2以上の心理音響評価量に基づいて算出されるサクミ指数に用いて多孔性食品の食感を評価する手段とを備えることを特徴とする。音及び/又は振動はマイクロフォン等を用いて誰でも容易に取得できる。また、音及び/又は振動からラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス、変動強度を決定するソフトウェア等は市販されているのでこれらの心理音響評価量は誰でも容易に決定することができる。また、サクミ指数を算出する回帰式がわかっていれば、心理音響評価の値を代入し、サクミ指数を容易に得ることができる。したがって、多孔性食品を破砕、又は咀嚼した際に発生する音及び/又は振動からラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス、変動強度からなる群から選ばれる2以上の心理音響評価量を決定し、2以上の心理音響評価量の値に基づいて算出されるサクミ指数を用いて多孔性食品の食感を客観的に評価するシステムは誰でも容易に作成することができる。
<多孔性食品の予測方法>
上記多孔性食品の食感評価方法を、所要の時間をおいて2回以上行い、2以上のサクミ指数を得る。横軸を時間とし縦軸をサクミ指数とする平面に、前述の2以上のサクミ指数を点としてプロットする。このプロットされた2以上の点を、例えば、最小二乗法などを用いて、特定の関数に近似させて、検量線を作成する。検量線としては曲線も考えられるが、好ましくは直線(1次関数)である。次に、任意の時間を設定し、検量線から、サクミ指数を割り出す。このサクミ指数は、前記任意の時間における多孔性食品のサクミとほぼ同等と予測することができる。これにより、実際に官能検査を行うことなく、所定の時間における多孔性食品のサクミを予想することができるようになる。
また、上記検量線において、サクミ指数が3.0未満、より好ましくは4.0未満になる時間を予測することができる。このようにすれば、食感の良い多孔性食品のみが供給される時間を割り出すこともできる。これにより、サクミの良い多孔性食品のみが消費者に供給されるようになる。
<油脂の特定方法>
上記検量線の傾きが、油脂固有のものであることに基づいて、上記検量線の傾きから、油脂の種類を特定することもできる。ここで、「傾き」とは、検量線上の2点間の変化の割合、すなわち、時間をX軸、サクミをY軸とした場合、 Xの増加量に対するYの増加量の比率として定義される(図6)。例えば、前記傾きが−0.9〜−0.8であるときに、油脂が菜種油であると特定し、前記傾きが−0.4〜−0.3であるときに、油脂がパーム油であると特定することができる。
また、上記検量線の傾きが小さいときに、サクミが長時間維持されていると判断できるので、上記検量線の傾きから、多孔性食品のサクミを強くする油脂であるか否か(つまり、油脂の性質)を特定することもできる。より詳しくは、上記検量線の傾きが−0.5以上であるときに、多孔性食品のサクミを強くする油脂であると特定することができる。これにより、実際に官能検査を行うことなく、検量線の傾きから、多孔性食品のサクミを強くする油脂を実験的に特定することができる。
次に、実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。また、計算においても何ら制限されるものではない。
[実施例1]菜種油を用いた場合の官能検査
1Lのフライヤーに1kgの菜種油を入れ、180℃で5分間、市販の冷凍コロッケを油ちょう調理して、揚げたてのコロッケを製造した。製造後、1時間経過したものについて、熟練のパネラー7名による官能検査を行なった。下記表1の判断基準に基づいて、コロッケのサクミを1〜5の5段階で採点した。また、このような官能検査は1時間経過したものについて行うだけでなく、3時間経過したもの、5時間経過したものについても同様に行った。次いで、パネラーの点数から平均点を算出し、各時間後のコロッケのサクミとした。その結果を下記表2に示した。
Figure 2017026484
Figure 2017026484
[実施例2]菜種油を用いた場合の破砕試験及び音響解析
(1)破砕試験
コロッケの破砕試験は、特許第4111723号公報に開示されている食品破砕装置を用いて行った。コロッケの破砕条件は、油圧シリンダーの抵抗により一定速度で運動する装置に、重量6kgの重りを搭載し、試料(コロッケ)に約10kgの力が加わるようにしてコロッケを破砕した。コロッケを破砕するアダプターとしては、先端が尖ったプランジャーを使用し、コロッケを咀嚼することを想定した測定を行った。
(2)音響解析
上記破砕試験における破砕音を騒音計(リオン(株)製NL−15)を用い、音質評価ソフトウェアWS−5160((株)小野測器社製)を使用して、パーソナルコンピューター内蔵ハードディスク内にデータを収集した。当該データを解析し、ラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス、変動強度の値をそれぞれ決定した。
(3)まとめ
以上の破砕試験及び音響解析を、コロッケ製造後、1時間後、3時間後、5時間後の各段階において、それぞれ10個のコロッケについて行った。その結果をまとめて下記表3に示した。なお、N(sone)はラウドネス、L(phon)はラウドネスレベル、S(acum)はシャープネス、R(asper)はラフネス、F(vacil)は変動強度をそれぞれ表す(以下同様)。
Figure 2017026484
心理音響評価量である、ラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス及び変動強度の値は、いずれも、官能評価のサクミが低下するとともに低下していたので、官能評価と心理音響評価量との間には一定の相関があることが予測された。また、シャープネスは本来、音の大きさには依存しない量であるため、同じ種類の音であれば、基本的に同じ値となるはずであるが、サクミが低下するとともにその値が低下していたので、時間の経過とともに、破砕音の種類が変わっていっていることも確認できた。いずれにしても、サクミの評価に当たっては、音の大きさだけではなく、上記のような心理音響評価量を含めた総合的検討が必要であると考えられた。そこで、本発明では、多孔性食品のサクミを、上記心理音響評価量を組み合わせた多変数の回帰式によって表現することで、より人間の感覚に合致した評価指標が得られるのではないかと予測した。例えば、この回帰式によって計算される値がある基準以上(今回は、3.0以上であると判明)であるときに、サクミが高いと評価できることが期待された。
[実施例3]菜種油を用いた場合の重回帰分析
上記実施例1及び2において、官能検査の評価結果(平均値)と、ラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス、変動強度といった心理音響評価量との間には一定の相関があることが示唆されたので、次に、これらの心理音響評価量を説明変数に用いて、官能検査の評価結果(平均値)に対して重回帰分析を実施した。さらに、得られた回帰式によって、多孔性食品の食感(サクミ)を効率的に説明できるような総合的な指標(サクミ指数)を提案することにした。市販の統計解析ソフト(EXCEL)を用いて、次に示す線形回帰式において、各変数の係数を検討した。なお、係数については、計算結果の妥当性や利便性等を考慮し、本発明では、小数点以下第4位を四捨五入し、小数点以下第3位までとした。
(1)Y=a×ラウドネス+b×ラウドネスレベル+c×シャープネス+d×ラフネス+e×変動強度+X(a〜eは係数であり、Xは切片)
上記回帰式では、ラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス及び変動強度を説明変数としているが、これに限らず、最も効率的な変数の組合せを重回帰分析のステップワイズ法により検討した。その結果を表4に示した。
Figure 2017026484
一般に統計学上、補正(R2)が0.8以上である場合に、相関が比較的高いと判断することができる。そうすると、表4に示された全ての変数の組合せにおいて、補正(R2)は0.8を超えているから、以下の回帰式を用いて、官能検査による評価結果と相関の高い指標を得ることができることが判明した。このような回帰式としては、5変数のものを用いることもできるが、表4にあるとおり、2〜4変数のものを用いることもできる。ここでは詳しく示していないが、どの変数をいくつ選ぶかについては、それぞれのサクミ指数が表す物理的な意味や、評価対象とする音を詳細に検討することによって、当業者であれば最適なものを選択することができる。したがって、下記式以外のものであっても当業者は適宜使用することができる。
(2)Y=−0.026×ラウドネス+0.159×ラウドネスレベル+1.371×シャープネス−0.671×ラフネス+0.763×変動強度−9.258
(5)Y=0.147×ラウドネスレベル+1.395×シャープネス−0.642×ラフネス+0.878×変動強度−8.700
(8)Y=0.160×ラウドネスレベル+0.856×シャープネス−0.382×ラフネス−8.632
(11)Y=0.151×ラウドネスレベル+0.821×シャープネス−8.274
(14)Y=6.211×シャープネス+0.024×ラフネス−7.374
なお当初、音の大きさを示すラウドネスがサクミに最も影響力のある心理音響評価量であると予測したが、実際はむしろ、ラウドネスよりも他の心理音響評価量の方が、官能検査の結果と相関が高く、ラウドネスだけではサクミを十分正確に評価できないことが判明した。
以下、ラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス及び変動強度の5つを変数とする式(2)を例にして、サクミ指数(予測値)と官能検査における評価結果との相関を分析した。その結果を図1に示した。図1における■は予測値であり、これは表3の30サンプルにおける心理音響評価量の値を式(2)に代入して得られる計算値(つまり、サクミ指数)を表す。一方、図1における◆は、表3の30サンプルにおける官能評価のサクミそのものを表す。
図1の結果から明らかであるように、サクミ指数と官能評価におけるサクミは、いずれの心理音響評価量においても、よく重なり合い一致していることが確認された。特に、ラウドネスレベルとシャープネスでは極めてよく一致していることがわかった。
[実施例4]パーム油を用いた場合の官能検査
次に、油ちょう調理に用いる油脂を、菜種油からパーム油に代えて、実施例1と同様に官能検査を行った。パネラーの採点の平均点を算出し、各時間後のコロッケのサクミを官能評価した。その結果を下記表5に示した。
Figure 2017026484
[実施例5]パーム油を用いた場合の破砕試験及び音響解析
(1)破砕試験
パーム油を用いて製造したコロッケの破砕試験及び音響解析は、実施例2と同様に行った。その結果を下記表6に示した。
Figure 2017026484
菜種油の場合と同様に、心理音響評価量である、ラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス、変動強度の値はいずれも、官能評価のサクミ(クリスプネス)が低下するとともに低下していたので、両者の間には相関があることが予測された。そこで、パーム油を用いた場合であっても、サクミの評価に当たっては、音の大きさだけではなく、様々な心理音響評価量を含めた総合的検討が必要であると考えられた。
[実施例6]パーム油を用いた場合の重回帰分析
上記実施例4及び5において、パーム油を用いた場合であっても、官能検査の評価結果(平均値)と、ラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス、変動強度といった心理音響評価量との間には一定の相関があることが示唆されたので、これらの心理音響評価量を説明変数に用いて、官能検査の評価結果(平均値)について、実施例3と同様に重回帰分析を行った。その結果を表7に示した。
Figure 2017026484
一般に統計学上、補正(R2)が0.8以上である場合に相関が比較的高いと判断できるので、表7に示された全ての変数の組合せにおいて、以下の回帰式を用いて、官能検査による評価結果と相関の高いサクミ指数が得られることがわかった。このような回帰式としては、5変数のものを用いることもできるが、表7にあるとおり、2〜4変数のものを選択することもできる。ここでは詳しく示していないが、どの変数をいくつ選ぶかについては、それぞれのサクミ指数が表す物理的な意味や、評価対象とする音を詳細に検討することによって当業者であれば最適なものを選択することができる。したがって、下記式以外のものも当業者は適宜利用することができる。
(3)Y=−0.173×ラウドネス+0.133×ラウドネスレベル+4.695×シャープネス−0.370×ラフネス+2.594×変動強度−12.770
(6)Y=0.029×ラウドネスレベル+5.439×シャープネス−0.203×ラフネス+2.058×変動強度−8.252
(9)Y=0.039×ラウドネスレベル+4.891×シャープネス+0.114×ラフネス−7.677
(12)Y=0.040×ラウドネスレベル+4.865×シャープネス−7.542
(15)Y=6.822×シャープネス+0.125×ラフネス−8.454
以下、ラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス及び変動強度の5つを変数とする式(3)を例として、サクミ指数(予測値)と官能検査における評価結果との相関を分析した。その結果を図2に示した。図2における■は予測値であり、表6の30サンプルにおける心理音響評価量の値を式(3)に計算した値(つまり、サクミ指数)を表す。一方、図2における◆は、表6の30サンプルにおける官能評価のサクミそのものを表す。
図2の結果から明らかであるように、サクミ指数と官能評価におけるサクミは、いずれの心理音響評価量においてもきれいに重なり合っていることが確認された。これは、式(3)の精度の高さをうかがわせるものである。
[実施例7]菜種油及びパーム油における心理音響評価量の経時的変化
上記表3及び表6に示された各サンプルコロッケにおける心理音響評価量の値を用いて、その経時的な変化の様子を検討した。その結果を図3と示した。図3における■は菜種油を表し、◆はパーム油を表す。
図3の結果から明らかであるように、ラウドネス(N)、ラウドネスレベル(L)及びシャープネス(S)はいずれも、補正(R2)が0.8以上の高い相関をもって、時間に対して直線的な関係を有していることがわかった。一方、ラフネス(R)及び変動強度(F)は、時間に対して相関が低いという結果が得られた。この結果から、回帰式に心理音響評価量を代入しても求められるサクミ指数が、時間と直線的な関係を有している可能性が示唆された。なお、この結果から明らかであるように、経時的な変化を予測する場合、時間に対して相関の低いラフネス及び変動強度を除く、ラウドネス、ラウドネスレベル及びシャープネスの3つの変数で回帰式を作ることが好ましい。
[実施例8]菜種油及びパーム油におけるサクミ指数の経時的変化
上記実施例7でサクミ指数が時間と直線的関係を有していることが示唆されたので、表3及び表6に示された各サンプルコロッケにおける心理音響評価量の値を式(オ)又は(コ1)に代入し、サクミ指数を求めた。これを縦軸とし、時間を横軸として、サクミ指数の経時的変化を検討した。その結果を図4(菜種油)、図5(パーム油)に示した。
図4、5の結果から明らかであるように、菜種油、パーム油のいずれにおいても、サクミ指数は時間とともに減少しており、しかも高い相関をもって、時間に対して直線的な関係を有していることがわかった。このことから、所要の時間をおいて2以上のサクミ指数を求めて検量線(好ましくは直線)を作成すれば、当該検量線に基づいて、所望の時間における多孔性食品の食感を予測することがわかった。また、菜種油、パーム油の検量線は傾きが異なっているため、油脂の種類を特定するために利用できることもわかった。また、検量線の傾きが小さいほど、長時間サクミを維持していると予測できるため、検量線の傾きに基づき、サクミを強くする油脂を特定できることもわかった。
なお、確認のため、官能検査の評価結果におけるサクミと時間との関係も検討した。その結果を図6に示した。図6における■は菜種油を表し、◆はパーム油を表す。
図6にあるように、官能評価によるサクミは時間とともに減少するが、菜種油に比べて、パーム油の方がサクミを長時間維持することがわかった。図4及び5のサクミ指数と時間との関係を表す直線式は、図6の官能評価のサクミと時間との関係を表す直線式とほぼ同様になった。このことは、サクミ指数を用いることにより、官能評価のサクミと同等の食感評価が行えることを示すものである。また、サクミ指数を用いれば、官能検査を行わなくても、多孔性食品の食感の違い等を評価できることがわかった。

Claims (30)

  1. 多孔性食品の破砕又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析し、該音響解析により得られた心理音響評価量を用いて多孔性食品の食感を評価する方法であって、ラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス、変動強度からなる群から選ばれる2以上の心理音響評価量を決定し、前記2以上の心理音響評価量に基づいて算出されるサクミ指数を用いて多孔性食品の食感を評価する、官能検査試験を必要としない、前記方法。
  2. 上記サクミ指数が、ラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス、及び変動強度を変数として含む、下記式(1)によって算出される計算値(Y)である、請求項1に記載の方法。
    (1)Y=a×ラウドネス+b×ラウドネスレベル+c×シャープネス+d×ラフネス+e×変動強度+X(a〜eは係数であり、Xは切片)
  3. 上記係数及び切片が、以下の不等式を満たすいずれかの数値である、請求項2に記載の方法。
    −0.173≦a≦−0.026、
    +0.133≦b≦+0.159、
    +1.371≦c≦+4.695、
    −0.671≦d≦−0.370、
    +0.763≦e≦+2.594、
    −12.770≦X≦−9.258
  4. 上記サクミ指数が、下記式(2)又は(3)により算出される計算値(Y)である、請求項2又は3に記載の方法。
    (2)Y=−0.026×ラウドネス+0.159×ラウドネスレベル+1.371×シャープネス−0.671×ラフネス+0.763×変動強度−9.258
    (3)Y=−0.173×ラウドネス+0.133×ラウドネスレベル+4.695×シャープネス−0.370×ラフネス+2.594×変動強度−12.770
  5. 上記サクミ指数が、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス、及び変動強度を変数として含む、下記式(4)によって算出される計算値(Y)である、請求項1に記載の方法。
    (4)Y=b×ラウドネスレベル+c×シャープネス+d×ラフネス+e×変動強度+X(b〜eは係数であり、Xは切片)
  6. 上記係数及び切片が、以下の不等式を満たすいずれかの数値である、請求項5に記載の方法。
    +0.029≦b≦+0.147、
    +1.395≦c≦+5.439、
    −0.642≦d≦−0.203、
    +0.878≦e≦+2.058、
    −8.700≦X≦−8.252
  7. 上記サクミ指数が、下記式(5)又は(6)により算出される計算値(Y)である、請求項5又は6に記載の方法。
    (5)Y=+0.147×ラウドネスレベル+1.395×シャープネス−0.642×ラフネス+0.878×変動強度−8.700
    (6)Y=+0.029×ラウドネスレベル+5.439×シャープネス−0.203×ラフネス+2.058×変動強度−8.252
  8. 上記サクミ指数が、ラウドネスレベル、シャープネス、及びラフネスを変数として含む、下記式(7)によって算出される計算値(Y)である、請求項1に記載の方法。
    (7)Y=b×ラウドネスレベル+c×シャープネス+d×ラフネス+X(b〜dは係数であり、Xは切片)
  9. 上記係数及び切片が、以下の不等式を満たすいずれかの数値である、請求項8に記載の方法。
    +0.039≦b≦+0.160、
    +0.856≦c≦+4.891、
    −0.382≦d≦+0.114(ただし、0を除く)、
    −8.632≦X≦−7.677
  10. 上記サクミ指数が、下記式(8)又は(9)により算出される計算値(Y)である、請求項8又は9に記載の方法。
    (8)Y=0.160×ラウドネスレベル+0.856×シャープネス−0.382×ラフネス−8.632
    (9)Y=0.039×ラウドネスレベル+4.891×シャープネス+0.114×ラフネス−7.677
  11. 上記サクミ指数が、ラウドネスレベル及びシャープネスを変数として含む、下記式(10)によって算出される計算値(Y)である、請求項1に記載の方法。
    (10)Y=b×ラウドネスレベル+c×シャープネス+X(b〜cは係数であり、Xは切片)
  12. 上記係数及び切片が、以下の不等式を満たすいずれかの数値である、請求項11に記載の方法。
    +0.040≦b≦+0.151、
    +0.821≦c≦+4.865、
    −8.274≦X≦−7.542
  13. 上記サクミ指数が、下記式(11)又は(12)により算出される計算値(Y)である、請求項11又は12に記載の方法。
    (11)Y=0.151×ラウドネスレベル+0.821×シャープネス−8.274
    (12)Y=0.040×ラウドネスレベル+4.865×シャープネス−7.542
  14. 上記サクミ指数が、シャープネス及びラフネスを変数として含む、下記式(13)によって算出される計算値(Y)である、請求項1に記載の方法。
    (13)Y=c×シャープネス+d×ラフネス+X(c〜dは係数であり、Xは切片)
  15. 上記係数及び切片が、以下の不等式を満たすいずれかの数値である、請求項14に記載の方法。
    +6.211≦c≦+6.822、
    +0.024≦d≦+0.125、
    −8.454≦X≦−7.374
  16. 上記サクミ指数が、下記式(14)又は(15)により算出される計算値(Y)である、請求項14又は15に記載の方法。
    (14)Y=6.211×シャープネス+0.024×ラフネス−7.374
    (15)Y=6.822×シャープネス+0.125×ラフネス−8.454
  17. 上記サクミ指数が、3.0以上、より好ましくは4.0以上、さらに好ましくは4.5以上であるときに、多孔性食品の食感が良好であると評価する、請求項1ないし16に記載の方法。
  18. 多孔性食品を製造するために用いられる油脂が、菜種油又はパーム油から選ばれる、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の方法。
  19. 請求項1ないし16のいずれか1項に記載の方法により評価された、多孔性食品。
  20. 請求項1ないし16のいずれか1項に記載の方法を含む、多孔性食品の製造方法。
  21. 多孔性食品の破砕又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を取得する手段、前記音及び/又は振動に基づいて、ラウドネス、ラウドネスレベル、シャープネス、ラフネス、変動強度からなる群から選ばれる2以上の心理音響評価量を決定する手段、及び、前記で決定された心理音響評価量を用いて多孔性食品のサクミ指数の数値を算出する手段を備える、官能検査試験を必要としない、多孔性食品の食感評価システム。
  22. 上記サクミ指数が上記式(1)〜(15)により算出される計算値(Y)である、請求項21に記載のシステム。
  23. 上記サクミ指数が、3.0以上、より好ましくは4.0以上、さらに好ましくは4.5以上であるときに、多孔性食品の食感が良好であると評価する、請求項21又は22に記載のシステム。
  24. 多孔性食品を製造するために用いられた油脂が、菜種油又はパーム油から選ばれる、請求項21ないし23のいずれか1項に記載のシステム。
  25. 上記請求項1ないし16のいずれか1項に記載の方法を、所要の時間をおいて2回以上行い、2以上のサクミ指数を得て、横軸を時間とし縦軸をサクミ指数とする検量線を作成し、当該検量線に基づいて、所望の時間における多孔性食品の食感を予測する方法。
  26. 上記サクミ指数が、3.0未満、より好ましくは4.0未満になる時間を予測する、請求項25に記載の方法。
  27. 上記請求項1ないし16のいずれか1項に記載の方法を、所要の時間をおいて2回以上行い、2以上のサクミ指数を得て、横軸を時間とし縦軸をサクミ指数とする検量線を作成し、当該検量線の傾きに基づいて、油脂の種類を特定する方法。
  28. 上記検量線の傾きが−0.9〜−0.8であるときに、油脂が菜種油であると特定し、前記傾きが−0.4〜−0.3であるときに、油脂がパーム油であると特定する、請求項27に記載の方法。
  29. 上記請求項1ないし16のいずれか1項に記載の方法を、所要の時間をおいて2回以上行い、2以上のサクミ指数を得て、横軸を時間とし縦軸をサクミ指数とする検量線を作成し、当該検量線の傾きに基づいて、多孔性食品のサクミを強くする油脂であるか否かを特定する方法。
  30. 上記検量線の傾きが−0.5以上であるときに、多孔性食品のサクミを強くする油脂であると特定する、請求項29に記載の方法。
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