JP3598316B2 - 油ちょう食品美味しさ評価方法、油ちょう食品美味しさ評価方法をコンピュータに実行させるプログラム、及び油ちょう食品美味しさ評価装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油ちょう食品美味しさ評価方法、油ちょう食品美味しさ評価装置、及び油ちょう食品美味しさ評価方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
食用油脂は、一般的に炒め物、天ぷら、フライ、ドレッシング及びマヨネーズ等を作る際に使用されている。このような食用油脂としては、一般家庭用のみならず、外食産業や冷凍食材メーカー等の多くが業務用油脂として使用している。近年においては、特に電子レンジによる再加熱によりフライ食品が調理可能な冷凍食品の需要は年々増加傾向にあり、食感の維持や油っこさを低減することが重要となっている。しかし、上記フライ食品は、保存時に食感が劣化したり油っこさが増加することが官能試験により知られている。また、再加熱時に油が容器等に付着することにより、より油っこく感じられることも知られている。
【0003】
クッキー及びスナック菓子等のフライ食品は、口に入れて咀嚼した際のパリパリ(サクサク)とした食感が品質上非常に重要であり、その低下が商品価値を著しく失わせる原因となっている。それゆえ、フライ食品のパリパリとした食感を正しく評価することが重要となっており、従来から官能検査により評価されている。官能検査は機器では測定し難い風味、食感等の評価に主に用いられる手法であり、精度が良く、正確なデータが得られることが知られている。
【0004】
しかし、一方でフライ食品の官能試験を行うパネラーの選定や育成は困難であり、また、複数のパネラーにより官能試験を行っていることからスケジュール調整に手間を要する等の非効率な側面を持っている。
【0005】
従来、ハードネス(硬さ)、スプリンジネス(弾力性)、ブリットルネス(脆さ)、チューイネス(咀嚼性)、スティッキネス(粘り)、クリスプネス(パリパリ感)等の食品の食感を、レオメータ等の機器分析により評価する試みが行われており、ある程度の成果が得られている。
【0006】
咀嚼音に関しては、マイクロフォンから入力された音声をFFTにより周波数解析する技術を開示した文献があり(C.Dacremont:J.Texture Studies,26,27−43,1995)、アーモンドや人参等の食品を、パリパリ、バリバリ及びカリカリの3種類の食感に分類している。しかし、フライ食品等の油ちょう食品の保存における食感、特にクリスプネスの変化についての記載はない。
【0007】
また、スナック菓子の咀嚼音(L.M.Duizer,O.H.Campanella:Journal of Texture Studies,29,397−411,1998)、ポテトチップ酢の破砕音P.Wide,Conf Proc IEEE Instrum Meas Technol Conf,1,570−575,1997)をFFT解析し、多変量解析等を行っている文献があるが、官能評価に代わる評価方法として確立されているわけではなく、ましてはラフネス、シャープネスに関する記載はされていない。
【0008】
食品のパリパリ感を評価するための測定器を設計する試みもなされている(S.K.Seymour,Pap Am Soc Agric Eng,24,1984)が、該文献には、0.5〜3.3kHzの低中周波領域における音圧レベルを示しているのみであり、食感との相関を判断し、官能評価に代わる評価方法として確立されたものではない。
【0009】
力学特性に関しては、テクスチャーの曲げ試験による評価(E.V.Heck,K.Allaf and J.M.Bouvier:J.Texture Studies,26,11−25,1995)、応力−ひずみ曲線を高速フーリエ変換(FFT)することによる周波数解析(F.Rohde,M.D.Normand and M.Peleg:J.Texture Studies,25,77−95,1993)、応力−ひずみ曲線をフラクタル理論に基づいて次元数を求める解析(A.Borges,M.Peleg:J.Texture Studies,27,243−255,1996)等がなされている。
【0010】
しかし、上述した文献に記載されたものは、何れも食感の知覚との相関性については言及しておらず、食品のレオロジーの一側面の評価がなされているのみであった。
上述したように、油ちょう食品、特にフライ食品等の美味しさ、油っこさ、ましてやフライ食品の美味しさの食感は官能検査により行われているのが通常であり、最も重要な食感である、美味しさを機器分析により正確に測定することは困難であった。
【0011】
従来は衣を有する油ちょう食品、特にフライ食品等の美味しさ、油っこさ、ましてやフライ食品の美味しさを実験的に評価する方法はなく、官能試験に頼っていたのであるが、官能試験は上述したような問題があるため、フライ食品等の油ちょう食品の美味しさを実験的に評価する評価方法及び評価システムが望まれていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、衣を有する油ちょう食品の美味しさを実験的に評価するための官能試験を行わなくても、油ちょう食品の美味しさを実験的に評価することのできる美味しさ評価方法及び評価システムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を達成するため、鋭意検討した結果、衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られた油っこさ値と、衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られた油ちょう食品の油っこさ値と、油ちょう食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られた音響評価値、及び/又は単軸圧縮試験器により油ちょう食品の破断曲線を取得し該破断曲線から得られた単軸圧縮破断評価値とを用いることにより、油っこさ及びパリパリ感の評価を行うことが可能であることを見出した。油ちょう食品の美味しさの評価には、油っこさ及びパリパリ感が重要であり、油っこくなく、かつパリパリ感のあるものが美味しく感じることを見出し、本発明を完成した。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法は、衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られた油ちょう食品の油っこさ値と、油ちょう食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られた音響評価値、及び/又は単軸圧縮試験器により油ちょう食品の破断曲線を取得し該破断曲線から得られた単軸圧縮破断評価値とを用いて、油ちょう食品の美味しさを評価することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法は、衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られた油ちょう食品の油っこさ値と、油ちょう食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られた音響評価値、及び/又は単軸圧縮試験器により油ちょう食品の破断曲線を取得し該破砕曲線から得られた単軸圧縮破断評価値と、前記衣を有する油ちょう食品の官能試験により得られた官能評価とを相関分析することにより得られた基準データと、前記油っこさ値、音響評価値及び/又は単軸圧縮破断評価値とを対比することを含む、油ちょう食品の美味しさを評価することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法は、衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られた油ちょう食品の油っこさ値と、油ちょう食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られた音響評価値、及び/又は単軸圧縮試験器により油ちょう食品の破断曲線を取得し該破砕曲線から得られた単軸圧縮破断評価値と、前記衣を有する油ちょう食品の官能試験により得られた官能評価とを相関分析することにより得られた相関式と、前記油っこさ値、音響評価値及び/又は単軸圧縮破断評価値とを対比することを含む、油ちょう食品の美味しさを評価することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法をコンピュータに実行させるプログラムは、衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られた油ちょう食品の油っこさ値と、油ちょう食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られた音響評価値、及び/又は単軸圧縮試験器により油ちょう食品の破断曲線を取得し該破断曲線から得られた単軸圧縮破断評価値とを用いて、油ちょう食品の美味しさを評価する油ちょう食品美味しさ評価方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法をコンピュータに実行させるプログラムは、衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られた油ちょう食品の油っこさ値と、油ちょう食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られた音響評価値、及び/又は単軸圧縮試験器により油ちょう食品の破断曲線を取得し該破砕曲線から得られた単軸圧縮破断評価値と、前記衣を有する油ちょう食品の官能試験により得られた官能評価とを相関分析することにより得られた基準データと、前記油っこさ値、音響評価値及び/又は単軸圧縮破断評価値とを対比することを含む、油ちょう食品の美味しさを評価する油ちょう食品美味しさ評価方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法をコンピュータに実行させるプログラムは、衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られた油ちょう食品の油っこさ値と、油ちょう食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られた音響評価値、及び/又は単軸圧縮試験器により油ちょう食品の破断曲線を取得し該破砕曲線から得られた単軸圧縮破断評価値と、前記衣を有する油ちょう食品の官能試験により得られた官能評価とを相関分析することにより得られた相関式と、前記油っこさ値、音響評価値及び/又は単軸圧縮破断評価値とを対比することを含む、油ちょう食品の美味しさを評価する油ちょう食品美味しさ評価方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の油ちょう食品美味しさ評価装置は、衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られた油ちょう食品の油っこさ値と、油ちょう食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られた音響評価値、及び/又は単軸圧縮試験器により油ちょう食品の破断曲線を取得し該破断曲線から得られた単軸圧縮破断評価値とを用いて、油ちょう食品の美味しさを評価する評価手段を有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明の油ちょう食品美味しさ評価装置は、衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られた油ちょう食品の油っこさ値と、油ちょう食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られた音響評価値、及び/又は単軸圧縮試験器により油ちょう食品の破断曲線を取得し該破砕曲線から得られた単軸圧縮破断評価値と、前記衣を有する油ちょう食品の官能試験により得られた官能評価とを相関分析することにより得られた基準データと、前記油っこさ値、音響評価値及び/又は単軸圧縮破断評価値とを対比することを含む、油ちょう食品の美味しさを評価する評価手段を有することを特徴とする。
【0022】
また、本発明の油ちょう食品美味しさ評価装置は、衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られた油ちょう食品の油っこさ値と、油ちょう食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られた音響評価値、及び/又は単軸圧縮試験器により油ちょう食品の破断曲線を取得し該破砕曲線から得られた単軸圧縮破断評価値と、前記衣を有する油ちょう食品の官能試験により得られた官能評価とを相関分析することにより得られた相関式と、前記油っこさ値、音響評価値及び/又は単軸圧縮破断評価値とを対比することを含む、油ちょう食品の美味しさを評価する評価手段を有することを特徴とする。
【0023】
本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法、油ちょう食品美味しさ評価方法をコンピュータに実行させるプログラム及び油ちょう食品美味しさ評価装置における対象食品としては衣を有する油ちょう食品である。衣を有する油ちょう食品とは、油脂を使用して調理、製造した食品のうち、多孔性食品のことである。多孔性食品とは材料中の蒸発成分の拡散、あるいは材料に注入したガスの微細気泡の膨化により生じた多孔性組織を有するものであり、具体的には、クラッカー、コーンパフ、ポテトチップ等のスナック菓子、せんべい、あられ等の米菓、コロッケ、豚カツ、春巻き、天ぷらの衣、かき揚げ及び揚げパン等のフライ食品が揚げられる。
【0024】
油ちょう食品の美味しさは、油っこさ及びパリパリ感に依存しており、すなわち油っこくなくパリパリ感を有するものが美味しいと感じられるものであり、本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法は、油っこさ値とパリパリ感を評価することにより、油ちょう食品の美味しさを評価するものである。
【0025】
先ず、本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法について説明する。
本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法は、衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られた油ちょう食品の油っこさ値と、油ちょう食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られた音響評価値、及び/又は単軸圧縮試験器により油ちょう食品の破断曲線を取得し該破断曲線から得られた単軸圧縮破断評価値とを用いて、油ちょう食品の美味しさを評価することを特徴とする。
すなわち、本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法においては、油っこさ値と音響評価値とを用いてもよいし、油っこさ値と単軸圧縮破断評価値とを用いてもよく、油っこさ値と音響評価値と単軸圧縮破断評価値とを用いてもよい。
【0026】
本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法において用いられる油っこさ値について説明する。本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法において用いられる油っこさ値は、衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られる。具体的には、〔衣中に含まれる水分含有量/衣中に含まれる油分含有量〕比から算出した値を用いる。なお、衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量とは、衣の質量に対する、衣中に含まれる水分及び油分の質量のことである。
【0027】
衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量の算出方法について説明する。
(1)衣中の水分含有量算出方法
油ちょう食品の衣を110℃の温度で3時間乾燥させ、乾燥前後の質量から衣中に含まれる水分含有量を算出する(基準油脂分析試験法1.4.1)。衣中の水分含有量算出式を以下に示す。
衣中の水分含有量(%)
=(乾燥前の衣の質量−乾燥後の衣の質量)/(乾燥前の衣の質量)×100
なお、ここでいう「衣」とは、食材の外部と内部とが均一の場合は食材全体のことを意味するものとし、食材の外部と内部とが均一のものでない場合には、内部を除去したものを意味する。例えば、コロッケ等は外部と内部とが不均一であるため、内部の具材を除去した、残りの部分を衣とする。
【0028】
(2)衣中の油分含有量算出方法
衣中の油分含有量は、ソックスレー抽出器にて測定する(基準油脂分析試験法1.5)(ソックスレー抽出により測定した油脂量をAとする)。油脂を抽出した後の油ちょう食品の衣を除去し、脱溶剤することにより油脂抽出後の衣質量を得る(B)。
なお、ソックスレー抽出に用いる溶剤(ジエチルエーテル)の量は、油ちょう食品1g〜100gに対して50〜300ml程度である。
衣中の油分含有量算出式を以下に示す。
衣中の油分含有量(%)
=(A)/(A+B)
=(衣中の油分含有量)/(衣中の油分含有量+衣の質量)×100
【0029】
次に、本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法において用いられる音響評価値について説明する。本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法において用いられる音響評価値は、油ちょう食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られる。本発明において油ちょう食品を破砕するには食品破砕装置を用いる。食品破砕装置とは、食品を圧縮及び切断する装置の総称であり、その装置は食品を圧縮、切断する際に破砕音を発生し、装置に振動を与えるものである。本発明において用いられる食品破砕装置の一例としては、図1に示す食品破砕装置や図3に示すレオメータ等が挙げられる。食品を切断する切断部分はアダプター式になっているものが好ましい。食品の種類によって形状を変えることができるので好ましい。一例を挙げると、アダプターは格子型又はフォーク型のものが挙げられる。格子型のアダプターは、コロッケ及び天ぷら等を破砕する際に用いられ、フォーク型のアダプターは春巻き及びクッキー等を破砕する際に用いられる。また、食品破砕装置としては、破砕音を測定する際にできるだけ稼働音が小さいものが好ましい。
切断部分の押し込み速度は20〜300mm/秒で測定することが好ましい。
【0030】
また、本発明において「人による咀嚼時の音」とは、油ちょう食品を人によって咀嚼した際の咀嚼1回目を含む嚥下するまでに繰り返し食品を噛む際に発生する音、振動のことをいう。
【0031】
本発明において用いられる食品破砕装置の一例を図1に示す。図1は、本発明において用いられる食品破砕装置の一例を示す斜視図であり、図1に示す食品破砕装置10は、アーム部11の先端部に重り12が搭載されており、また該重り12の下部には油圧シリンダー13が備えられており、該油圧シリンダー13によりアーム部11が一定速度で落下するようになされている。前記アーム部11のほぼ中間部には食品破砕部14が備えられている。重り12の重みにより、食品破砕部14を有するアーム部11が落下し、サンプル台16の上に搭載された食品(図示せず)を破砕するようになっている。また、食品破砕部14はアダプター式になっており、食品の種類によって食品破砕部14の形状を変えることができる。
また、食品破砕装置10には、図示していないコンタクトマイクが備えられているか、又はマイク(図示せず)を食品破砕部14の近くに設置できるようになされている。
【0032】
食品破砕部の一例を図2(a)及び(b)に示す。図2(a)はフォーク型のアダプターであり、春巻き等を破砕する際に用いられる。食品破砕部に用いられるアダプターとしては、図2に示すものに限られず、どのような形状のものでも用いることが可能であり、例えば格子型のアダプター等も使用可能である。また、アダプターとしては、図2(b)に示すような形状のものを用いることも可能である。
【0033】
また、本発明において用いられる食品破砕装置の一種であるレオメータとは、物質の力学的性状を測定する装置として用いられるものであり、該レオメータによれば、圧縮破断強度(荷重)、引張強度、切断強度、弾性、粘弾性、脆さ、粘着性、応力緩和及びクリーム等の測定が可能である。本発明においては、レオメータを用いて、フライ食品をプランジャーにより一定の速度で押し潰し、その荷重を測定する単軸圧縮破断強度試験を行うと共に、油ちょうを押し潰す際に発生する音及び振動の収集・解析を行う。
【0034】
本発明において用いられるレオメータの一例を図3に示す。図3は、本発明において用いられるレオメータの一例を示す図であり、図3に示すように、レオメータ30は、上下動可能な試料台31、ロードセル32、ロードセルに接続されたプランジャー33を有しており、ロードセル32及びプランジャー33にコンタクトマイク34が備えられている。また、試料台31の近くにマイク35が設置可能になされている。また、試料台31の上に載せたフライ食品39をプランジャー33により破砕し、プランジャー33により破砕された食品の音を録音、測定する測定部38が接続されている。
【0035】
プランジャーの一例を図4(a)、(b)、(c)及び(d)に示す。プランジャーとしては、図4に示すような、棒状であり、先端が平坦なもの(図4(a))、先端が尖ったもの(図4(b)及び(c))、先端にナイフが備えられたもの(図4(d))等が挙げられるが、本発明において用いられるレオメータに接続されるプランジャーとしては、食感を評価する対象となる食品を破砕するのに適した形状であれば、どのような形状であってもよく、例示したものに限定されない。
【0036】
本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法においては、油ちょう食品の咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られた音響評価値を用いて油ちょう食品の美味しさを評価することができる。
咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析するには、コンタクトマイクにより収音する。この場合、人の頭部(喉及び首を含む)であれば、どこに設置してもよいが、好ましくは額、頭頂及び耳内部に設置することが好ましい。また、通常のマイクを用いて収音を行ってもよく、この場合、マイクを顔に近づけ、咀嚼時に発生する音を収音する。咀嚼時に発生する音及び/又は振動を収音する場合のマイク、コンタクトマイクを設置する場所の一例を図5に示す。図5において、人の顔の前部にマイクが設置されているが、顔に印をつけてある部位がコンタクトマイクの設置部である。例えば、コンタクトマイクは頭頂、額、こめかみ、喉、耳内部及び耳の後ろに設置することができる。
【0037】
本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法においては、油ちょう食品を破砕又は咀嚼する際に発生する音及び/又は振動を収音して音響解析を行う。音及び/又は振動を収音する装置としては録音装置が用いられる。用いられる録音装置としては、音を評価するための試験において通常に用いられるものが使用可能である。例えば、マイクロフォン、パーソナルコンピュータ及び記録媒体からなる。マイクロフォンとはマイク及びコンタクトマイクを含み、前記マイクとは騒音計をも含む概念である。
【0038】
上記マイクとは、空気中の振動、いわゆる“音”を電気振動に変換することにより収音するものであり、騒音計を含む。コンタクトマイクとは骨や食品破砕装置等の固体を伝わる振動を測定するものである。コンタクトマイクとしては、例えば骨伝導マイクHG17A((株)テムコジャパン製)等が挙げられる。
【0039】
音及び/又は振動を収音する際に用いられるマイクロフォン等の録音装置の設置位置として、一例を挙げると、破砕又は咀嚼される油ちょう食品から3〜50cm程度の距離に設置し、コンタクトマイクにより収音する際には、食品破砕装置の食品切断部分から1〜30cmの距離に装着する。マイクロフォン等の録音装置の設置位置としては、上記距離に限定されることはなく、油ちょう食品を破砕又は咀嚼する音を安定に収音することができる位置であればよい。
【0040】
本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法においては、シャープネス及び/又はラフネスを音響評価量として用いる。
本発明において音響評価を行うために用いられるシャープネスとは、いわゆる“音の鋭さ感”のことであり、アコースティックワークステーションCF85(ノイトリックコルテクスインスツルメント社製)を用いて算出することができる。シャープネスは、周波数成分に依存する評価量であり、低周波数、高周波数間におけるスペクトルバランスを示す。
シャープネス(S)の定義式を以下に示す。
【0041】
【数1】
【0042】
式中、N’ 各臨界帯域番号(Bark)におけるラウドネス
すなわち、分母はトータルラウドネスである。
g(z) 臨界帯域番号に依存する重み関数
z 臨界帯域番号
すなわち上記は、g(z)にて重みのかかったN’を臨界帯域番号軸に並べた時の重心位置を表す。
なお、ラウドネスとは人が感じる音の大きさ、すなわち“音の大きさ感”(単位:sone)を示す。
【0043】
また、本発明において音響評価を行うために用いられるラフネスとは、いわゆる “音の粗さ感” (単位:asper)であり、アコースティックワークステーションCF85(ノイトリックコルテクスインスツルメント社製)を用いて算出することができる。ラフネスは、音が早く変動する際のその変動を知覚することができないために生じる粗さ感の評価量である。
ラフネス(R)の定義式を以下に示す。
【0044】
【数2】
【0045】
c 正規化係数(約0.3;信号に依存)
r’i 各臨界帯域番号におけるラフネス
Δz 臨界帯域幅
ki−1 臨界帯域番号iとi−1番目とのラウドネスの時間変化の相関係数
ki 臨界帯域番号iとi+1番目とのラウドネスの時間変化の相関係数
g(z) 臨界帯域番号に依存する重み関数
m 時間包絡信号の時間変動に依存する係数
【0046】
本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法においては、1/1、1/3、1/6、1/12オクターブ解析を使用することもできる。かかる1/1、1/3、1/6、1/12オクターブ解析について説明する。
周波数を対数軸上で等間隔となるように幾つかのバンド(帯域)に分割し(定比バンド幅分析)、バンド毎の成分の大きさを求める。一つのバンドの中心周波数fcと下限、上限の周波数(f1、f2)の関係はf2/f1=2n(nオクターブバンド)となり、1/1、1/3、1/6、1/12では、それぞれf2/f1=2、21/3、21/6、21/12となる。f1、f2間の強度の和をその中心周波数fcの値として、周波数毎に同様な値を求め、全体の周波数での変化を見る解析方法を言う。
【0047】
音響評価値とクリスプネスとの相関分析は以下の通りである。
相関分析法1
食品破砕装置により油ちょう食品を破砕した際に発生する音又は振動、人が油ちょう食品を咀嚼した際に発生する音又は振動を、マイク又はコンタクトマイクを通じてパーソナルコンピュータに取り込み、データをシャープネス解析する。
シャープネス解析することにより、官能試験による美味しさ、特にパリパリ感の評価との間に高い相関関係を導き出すことにより、食感、特にクリスプネスについての客観的な評価が可能となる。
【0048】
相関分析法2
食品破砕装置により油ちょう食品を破砕した際に発生する音又は振動、人が油ちょう食品を咀嚼した際に発生する音又は振動を、マイク又はコンタクトマイクを通じてパーソナルコンピュータに取り込み、データをラフネス解析する。
ラフネス解析することにより、官能試験による美味しさ、特にパリパリ感の評価との間に高い相関関係を導き出すことにより、食感、特にクリスプネスについての客観的な評価が可能となる。
【0049】
相関分析法3
食品破砕装置により油ちょう食品を破砕した際に発生する音又は振動、人が油ちょう食品を咀嚼した際に発生する音又は振動を、マイク又はコンタクトマイクを通じてパーソナルコンピュータに取り込み、データを1/1、1/3、1/6、1/12オクターブ解析し、特徴ある周波数帯域の音圧暴露レベル(例:コロッケについては2000〜4000Hz)から官能試験による美味しさ、特にパリパリ感の評価との間に関係を導き出す。
【0050】
相関分析4
かかる分析は比較例として行うものであるが、食品破砕装置により油ちょう食品を破砕した際に発生する音又は振動、人が油ちょう食品を咀嚼した際に発生する音又は振動を、マイク又はコンタクトマイクを通じてパーソナルコンピュータに取り込み、データの音圧暴露レベル(100〜20000Hz:オーバーオール音圧暴露レベル)から、官能試験による美味しさ、特にパリパリ感の評価との間に関係を導き出す。
【0051】
次に、本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法において用いられる単軸圧縮破断評価値について説明する。
単軸圧縮破断評価値は、レオメータを用いて油ちょう食品をプランジャーにより一定速度で押し潰し、その荷重を測定し、油ちょう食品を押し潰す際の音及び波動の収集・解析を行う。本発明において用いるレオメータとは、物質の力学的性状を測定する装置の総称であり、圧縮破断強度(荷重)、引張り強度、切断強度、弾性、粘弾性、脆さ、粘着性、応力緩和、クリープ等の測定が可能である測定機器である。
【0052】
上述したレオメータを用いた単軸圧縮破断試験において、プランジャーの押し込み速度は0.1〜10mm/秒として測定することが出来、プランジャーの形状に特に制限は無い。また、データ収集間隔(距離分離能)には、特に制限はないが、データ収集間隔が小さく、データ収集数の多い方が好ましく、例示すると、データ収集間隔としては0.01〜0.001mmである。
【0053】
本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法において、油ちょう食品の破砕音及び破断曲線を得るため、レオメータに、くさび型プランジャーを装着し、圧縮速度を1.0mm/秒、データ収集間隔を0.01mm(サンプリング周波数:100Hz)、最大ひずみ0.8に設定して単軸圧縮破砕試験によって、油ちょう食品の力−変形曲線が得られる。
上述した、単軸圧縮破砕試験により得られた力―変形曲線から力―時間曲線の変換を行う。その変換は供試食品の変形とプランジャー移動距離は同一であるため、プランジャーの移動速度(圧縮速度)から求めることができる。得られた力―時間曲線に対し、離散フーリエ変換(DFT)処理が施され、パワースペクトルを得る。詳細については、詳細は特開2001−133374号公報に開示された通りである。
【0054】
ここで、離散フーリエ変換(DFT)の定義式を以下に示す。
X(m)=N−1
Σω−mn・X(n) m=0,1,……,N−1
n=0
ω=e2πi/N=cos(2π/N)+i・sin(2π/N)
【0055】
このようにして得られたパワースペクトルの低周波数領域(0〜15Hz)、中周波数領域(15〜35Hz)、高周波数領域(35〜50Hz)にそれぞれに存在する第1ピーク(最大の強度を示すピーク)、第2ピーク(2番目に強度の大きいピーク)および第3ピーク(3番目に強度の大きいピーク)の比と、官能評価が高い相関を導き出す事から評価が可能となる。なお、評価に用いるピークは、評価対象となる油ちょう食品によって異なるものである。
【0056】
本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法は、前記油っこさ値と、音響評価値又は単軸圧縮破断評価値とを用いて、油ちょう食品の美味しさを評価することを特徴とする。すなわち、油っこさ値及び音響評価を用いてもよく、油っこさ値及び単軸圧縮破断評価値を用いてもよい。
具体的には、前記〔油ちょう食品の衣中に含まれる水分含有量/油ちょう食品の衣中に含まれる油分含有量〕比から算出した値と、官能試験(官能試験については後述する)により求めた官能評価値とを相関分析することにより基準データ、すなわち油っこさ値を求め、かかる基準データと、〔油ちょう食品の衣中に含まれる水分含有量/油ちょう食品の衣中に含まれる油分含有量〕比から算出した値とを対比することにより、油ちょう食品の油っこさを評価することができる。
【0057】
同様に、上記音響評価値又は単軸破断評価値と、官能試験により求めた官能評価値とを相関分析することにより基準データを求め、かかる基準データと、上記音響評価値又は単軸破断評価値とを対比することにより、油ちょう食品のパリパリ感を評価することができる。
【0058】
また、官能試験により求めた官能評価値と、油っこさ値、音響評価値及び単軸圧縮破断評価値から相関式を求め、かかる相関式と上記油っこさ値、音響評価値又は単軸圧縮破断評価値を対比することにより、油ちょう食品の美味しさを評価することができる。
【0059】
上記官能評価について説明する。官能試験は15名のパネラーにより行う。官能評価用紙を用いて、美味しさを0〜4点の間で評価する。官能評価に用いられる評価用紙の一例を図6に示す。図6に示すように、美味しさの度合いは、非常に美味しい場合は0点であり、美味しくない場合は4点として評価を行い、15名のパネラーの平均点により美味しさの評価を行う。
【0060】
次に、本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法をコンピュータに実行させるプログラムについて説明する。本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法をコンピュータに実行させるプログラムとは、コンピュータの動作を制御し、以上に説明した本発明の油ちょう食品の美味しさ評価方法を実施するためのプログラムであり、官能試験により求めた官能評価値と、油っこさ値、音響評価値及び単軸圧縮破断評価値とから求めた基準データ、相関式を記憶しており、油ちょう食品の衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量と、音響評価値又は単軸圧縮破断評価値とを入力することにより、油ちょう食品の美味しさの評価を算出するためのプログラムである。
かかるプログラムにより、油ちょう食品の衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量と、音響評価値又は単軸圧縮破断評価値を求めることにより、かかる値を入力し、自動的に美味しさを評価することが可能となる。
【0061】
次に、本発明の油ちょう食品美味しさ評価装置について説明する。
本発明の油ちょう食品美味しさ評価装置は、衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られた油ちょう食品の油っこさ値と、油ちょう食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られた音響評価値、及び/又は単軸圧縮試験器により油ちょう食品の破断曲線を取得し該破断曲線から得られた単軸圧縮破断評価値とを用いて、油ちょう食品の美味しさを評価する評価手段を有することを特徴とする。
【0062】
前記評価手段は、前記油っこさ値と、音響評価値又は単軸圧縮破断評価値を用いることにより、油ちょう食品の美味しさを評価する。油っこさ値、音響評価値及び単軸圧縮破断評価値については、上述した油ちょう食品美味しさ評価方法において説明した通りである。
【0063】
また、上記官能試験により求めた官能評価値と、油っこさ値、官能評価値と音響評価値又は単軸圧縮破断評価値とを相関分析すると、油っこさ値が油っこくないという値であり、音響評価値又は単軸破断評価値がパリパリ感があるという場合には、官能評価値が美味しいという相関関係があることは上述した。すなわち、上記評価手段においては、上記官能試験により求めた官能評価値と、油っこさ値、音響評価値及び/又は単軸圧縮破断評価値とを相関分析することにより基準データを求め、かかる基準データと、油っこさ値、音響評価値又は単軸圧縮破断評価値とを対比することにより、油ちょう食品の美味しさを評価する。
【0064】
また、上記官能試験により求めた官能評価値と油っこさ値、官能評価評価値と音響評価値又は単軸圧縮破断評価値とを相関分析すると、油っこさ値が油っこくないという値であり、音響評価値又は単軸破断評価値がパリパリ感があるという場合には、官能評価値が美味しいという相関関係があることは上述した通りである。本発明の油ちょう食品美味しさ評価装置の評価手段においては、上記相関式を求め、美味しさを評価したい油ちょう食品の油っこさ値、音響評価値、単軸圧縮破断評価値を求め、それらの値を上記相関式にあてはめて計算することにより、官能試験における美味しさに対応する美味しさの度合いを求め、美味しさを評価する。
【0065】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、本発明の範囲は、かかる実施例に限定されないことはいうまでもない。また、以下の記載において、特に断らない限り部は質量部を、%は質量%を表わす。
【0066】
実施例1
マッシュポテト製のパテ(20g/1個)を調製した。次いで、該パテに、化工澱粉、デキストリン及び植物性タンパク質を含有するバッターを5.5〜6.5g付けた後、パン粉を付け、3Lフライヤーにキャノーラ油を3Kg入れ、160℃の温度で5分間調理してコロッケを製造した。製造したコロッケを8分間放冷した後、−35℃の急速冷凍庫にて1時間保管し、冷凍食品としての冷凍コロッケを得た。得られた冷凍コロッケを密閉式ビニール袋に入れた後、−10℃の冷凍庫中にて保存した。
【0067】
−10℃の冷凍庫中に保存した冷凍コロッケを4日、7日、9日及び12日経過した後に取り出し電子レンジを用いて解凍した後、油っこさ官能試験を行った。油っこさ官能試験は、15名のパネラーにより行い、食感(油っこさ)を評価した。各サンプルについて15名のパネラーにより食してもらい、それぞれのパネラーに油ちょう食品の油っこさの評価をさせ、15名の平均値を官能評価値とした。パネラーは0〜4点の間で油っこさの評価を行うが、官能評価には、図7に示す評価用用紙が用いられる。また、求められた食感(油っこさ)に対する評価の度合いを表1に示す。なお、上記官能評価は、−10℃の冷凍庫に保存する前の冷凍コロッケについても行った。保存前の冷凍コロッケをサンプル1とし、4日、7日、9日及び12日保存したものをサンプル2〜5とした。
【0068】
【表1】
【0069】
また、電子レンジを用いて解凍した冷凍コロッケについて、衣中の水分含有量及び油分含有量を求め、以下の式により、美味しさ評価のために用いる油っこさ値を算出した。なお、水分含有量及び油分含有量の測定は、−10℃の冷凍庫に保存する前の冷凍コロッケについても行った。
衣中の水分含有量及び油分含有量の測定は以下のように行った。
(1)衣中の水分含有量算出方法
衣25gを110℃の温度で3時間乾燥させ、乾燥前後の質量から衣中に含まれる水分含有量を算出する(基準油脂分析試験法1.4.1)。衣中の水分含有量算出式を以下に示す。
衣中の水分含有量(%)
=(乾燥前の衣の質量−乾燥後の衣の質量)/(乾燥前の衣の質量)×100
【0070】
(2)衣中の油分含有量算出方法
衣25gを用いて、ソックスレー抽出器にて測定する(基準油脂分析試験法1.5)(ソックスレー抽出により測定した油脂量をBとする)。油脂を抽出した後の油ちょう食品の衣を除去し、脱溶剤することにより油脂抽出後の衣質量を得る(C)。
なお、用いた溶剤(ジエチルエーテル)量は100mlである。
衣中の油分含有量算出式を以下に示す。
衣中の油分含有量(%)
(A)/(A+B)
=(衣中の油分含有量)/(衣中の油分含有量+衣の質量)×100
【0071】
油っこさ値=(1.5×(衣中の水分含有量)/(衣中の油分含有量))×100+1.2×(衣中の油分含有量)
衣中の水分含有量、油分含有量、油っこさ値及び官能試験の評価結果を表2に示す。
【0072】
【表2】
【0073】
次に、上記のようにして求められた油っこさ値と、官能試験により得られた評価との相関係数及び相関式を求めた。
官能試験により得られた評価値と上記油っこさ値との関係を下記表3に示す。なお、油っこさ値をXとし、官能試験により得られた評価値をYとする。
また、油っこさ値と官能評価との相関を図8に示す。
【0074】
【表3】
【0075】
表3及び図8から明らかなように、油っこさ値と官能評価値とは高い相関を示すことがわかった。従って、表3に示す相関式と、表1に示す官能評価値より、油ちょう食品の食感(油っこさ)の度合いを判断することが可能となる。表4に、油っこさ値と油っこさ度合いとの関係を示す。
【0076】
【表4】
【0077】
実施例2
実施例1と同様なコロッケを使用して単軸圧縮・引張型レオメータによる測定及び離散フーリエ変換(DFT)による周波数解析を行った。
次いで、それぞれの供試食品について、圧縮・引張型レオメータ(RE−33005、ロードセル2Kgf用、(株)山電)、円柱型プランジャー(No.6、直径8mm×高さ25mm)を用い、圧縮速度を1mm/秒、データ収集間隔0.01mm(サンプリング周波数100Hz)、最大ひずみ0.8として単軸圧縮破断評価を行った。
【0078】
さらに、単軸圧縮破断評価で得られたデジタル量の力−変形曲線を力−時間曲線に変換し、科学技術計算ソフトウェア“MATLAB Ver.5.3”(The MATHWORKS Inc.)を用いて離散フーリエ変換(DFT)を行った。
次いで、単軸圧縮破断評価結果の力−時間曲線を離散フーリエ変換(DFT)して得られた各周波数でのパワースペクトルと官能検査結果との相関を調べた。
【0079】
この結果から、低、中、高周波数領域の高周波数領域の第1ピークと第3ピークのパワー比が官能検査のクリスプネスと相関(R2=0.81)を示した。結果を表5及び表6に示す。
また、用いたコロッケについて、パリパリ感官能試験を行った。パリパリ感官能試験は、15名のパネラーにより行い、パリパリ感を評価した。各サンプルについて15名のパネラーにより食してもらい、それぞれのパネラーにパリパリ感の評価をさせ、15名の平均値を官能評価値とした。パネラーは0〜4点の間でパリパリ感の評価を行うが、官能評価には、図9に示す評価用用紙が用いられる。また、求められた食感(パリパリ感)に対する評価の度合いを表7に示す。なお、上記官能評価は、−10℃の冷凍庫に保存する前の冷凍コロッケについても行った。サンプル1〜5についての定義は実施例1と同様である。
【0080】
【表5】
【0081】
【表6】
【0082】
【表7】
【0083】
次に、上記のようにして求められたピーク比と、官能試験により得られた評価値との相関係数及び相関式を求めた。官能試験により得られた評価値とパリパリ感との関係を表8に示す。なお、ピーク比をXとし、官能試験により得られた評価値をYとする。
また、ピーク比と官能評価との相関を図10に示す。
【0084】
【表8】
【0085】
上記表8及び図10から明らかなように、ピーク比と官能評価値とは高い相関を示すことがわかった。従って、表7に示す相関式と、表6に示す官能評価値より、油ちょう食品の食感(パリパリ感)の度合いを判断することが可能となる。表9に、ピーク比と評価度合いとの関係を示す。
【0086】
【表9】
【0087】
次いで、コロッケの破砕試験を行った。コロッケの破砕試験は、図1に示す食品破砕装置を用いて行った。コロッケの破砕条件は、油圧シリンダーの抵抗により一定速度で運動する装置に、重量6kgの重りを搭載し、試料(コロッケ)に約10kgの力が加わるようにしてコロッケを破砕した。コロッケを破砕するアダプターとしては格子状の金属製パイプレンダー(図2(b)に示されるもの)を用い、コロッケを包丁で切断することを想定した測定を行った。
【0088】
測定に用いたマイクとしては騒音計(リオン(株)製NL−15)を用い、音響解析ソフト(Syntrillium社製Cool Edit2000)を使用してパーソナルコンピュータ内蔵ハードディスク内にデータを収集した。データのラフネス及びシャープネス解析を行い、その結果を表10に示す。
また、同時にパネラー15名を用いた美味しさ官能評価を行った。試験は、各サンプルについて15名のパネラーにより食してもらい、15名の平均値を官能評価値とした。パネラーは0〜4点の間でパリパリ感の評価を行うが、官能評価には、図9に示す評価用用紙が用いられる。また、求められた食感(パリパリ感)に対する評価の度合いを表11に示す。なお、上記官能評価は、−10℃の冷凍庫に保存する前の冷凍コロッケについても行った。サンプル1〜5についての定義は実施例1と同様である。
【0089】
【表10】
【0090】
【表11】
【0091】
次に、上記のようにして求められたラフネス及びシャープネスと、官能試験により得られた評価値との相関係数及び相関式を求めた。官能試験により得られたパリパリ感との関係を表12に示す。なお、ラフネス又はシャープネスをXとし、官能試験により得られた評価値をYとする。
また、ラフネスと官能評価との相関を図11に、シャープネスと官能評価との相関を図12に示す。
【0092】
【表12】
【0093】
上記表12及び図11、上記表及び図12から明らかなように、ラフネスと官能評価値、シャープネスと官能評価値とは高い相関を示すことがわかった。従って、表11に示す相関式と、表10に示す官能評価値より、油ちょう食品の食感(パリパリ感)の度合いを判断することが可能となる。表13にピーク比と評価度合いとの関係を示す。
【0094】
【表13】
【0095】
実施例3
調理温度を160℃及び140℃とした以外は、実施例1と同様に操作を行い、コロッケを製造し、−10℃の冷凍庫中にて保存した。
−10℃の冷凍庫中に保存した冷凍コロッケを1日及び10日経過した後に取り出し電子レンジを用いて解凍した後、油っこさ値、ピーク比、ラフネス及びシャープネスを求めた。それぞれの値の測定方法については上述した通りである。
【0096】
また、電子レンジを用いて解凍した冷凍コロッケについて、美味しさ官能試験を行った。美味しさ官能試験は、15名のパネラーにより行い、美味しさを評価した。各サンプルについて15名のパネラーにより食してもらい、それぞれのパネラーに美味しさの評価をさせた。評価は、美味しいか美味しくないかのどちらかを選択してもらった。
油っこさ値、ピーク比、ラフネス、シャープネス及び官能評価の結果を表14に示す。官能評価結果については15名のパネラーの平均的な意見を記載した。
【0097】
【表14】
【0098】
上記表14から明らかなように、油っこさ値の評価において、全く油っこくない、僅かに油っこい、やや油っこいとの評価され、音響評価値、又は単軸圧縮破断評価値において、パリパリ感が非常にある、パリパリ感がある、パリパリ感がややあると評価されたコロッケは、官能試験において美味しいとの評価が得られた。例えば、160℃で調理し10日保存した後のコロッケは、油っこさ値の評価はやや油っこいとの評価であるが、ピーク比、ラフネス及びシャープネスのいずれにおいても、パリパリ感が僅かにあるとの評価であり、官能試験においては美味しくないとの評価であった。
【0099】
140℃で調理し1日保存した後のコロッケは、ピーク比、ラフネス及びシャープネスにおいては、パリパリ感があるか、パリパリ感がややあるとの評価であったが、油っこさ値においてかなり油っこいとの評価となり、官能試験においては美味しくないとの評価であた。この結果より、油っこさ値と、音響評価値、又は単軸圧縮破断評価値とを用いることにより、コロッケの美味しさを評価することができることがわかる。
【0100】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法によれば、実際に官能試験による評価を行わなくても、衣を有する油ちょう食品の美味しさの評価を実験により行うことが可能である。
【0101】
また、本発明の油ちょう食品食感評価方法をコンピュータに実行させるプログラムによれば、本発明の油ちょう食品美味しさ評価方法をコンピュータに実行させることができ、衣中の水分含有量及び油分含有量と、音響評価値又は単軸圧縮破断評価値とを入力するだけで、油ちょう食品の美味しさを評価することのできる方法を実施することが可能である。
【0102】
また、本発明の油ちょう食品美味しさ評価装置は、衣中の水分含有量及び油分含有量と、音響評価値又は単軸圧縮破断評価値とを入力するだけで、油ちょう食品の美味しさを評価することのできる装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いられる食品破砕装置の一例を示す斜視図でる。
【図2】食品破砕部の一例を示す図である。
【図3】本発明において用いられるレオメータの一例を示す図である。
【図4】プランジャーの一例を示す図である。
【図5】コンタクトマイクを設置する場所の一例を示す図である。
【図6】美味しさ官能評価に用いられる評価用紙の一例を示す図である。
【図7】油っこさの評価に用いられる評価用紙の一例を示す図である。
【図8】油っこさ値と官能評価との相関を示すグラフである。
【図9】パリパリ感の評価に用いられる評価用紙の一例を示す図である。
【図10】ピーク比と官能評価との相関を示すグラフである。
【図11】ラフネスと官能評価との相関を示すグラフである。
【図12】シャープネスと官能評価との相関を示すグラフである。
【符号の説明】
10 食品破砕装置
11 アーム部
12 重り
13 油圧シリンダー
14 食品破砕部
16 サンプル台
30 レオメータ
31 試料台
32 ロードセル
33 プランジャー
34 コンタクトマイク
35 マイク
38 測定部
Claims (18)
- 衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られた油ちょう食品の油っこさ値と、油ちょう食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られた音響評価値、及び/又は単軸圧縮試験器により油ちょう食品の破断曲線を取得し該破断曲線から得られた単軸圧縮破断評価値とを用いて、油ちょう食品の美味しさを評価することを特徴とする、油ちょう食品美味しさ評価方法。
- 衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られた油ちょう食品の油っこさ値と、油ちょう食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られた音響評価値、及び/又は単軸圧縮試験器により油ちょう食品の破断曲線を取得し該破砕曲線から得られた単軸圧縮破断評価値と、前記衣を有する油ちょう食品の官能試験により得られた官能評価とを相関分析することにより得られた基準データと、
前記油っこさ値、音響評価値及び/又は単軸圧縮破断評価値とを対比することを含む、油ちょう食品の美味しさを評価することを特徴とする、油ちょう食品美味しさ評価方法。 - 衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られた油ちょう食品の油っこさ値と、油ちょう食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られた音響評価値、及び/又は単軸圧縮試験器により油ちょう食品の破断曲線を取得し該破砕曲線から得られた単軸圧縮破断評価値と、前記衣を有する油ちょう食品の官能試験により得られた官能評価とを相関分析することにより得られた相関式と、
前記油っこさ値、音響評価値及び/又は単軸圧縮破断評価値とを対比することを含む、油ちょう食品の美味しさを評価することを特徴とする、油ちょう食品美味しさ評価方法。 - 前記油っこさ値が、〔前記衣中に含まれる水分含有量/前記衣中に含まれる油分含有量〕比から算出した値である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の油ちょう食品美味しさ評価方法。
- 前記音響解析を、シャープネス及び/又はラフネスを音響評価量として用いて行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の油ちょう食品美味しさ評価方法。
- 前記単軸圧縮破断評価値が、前記破断曲線のパワースペクトルを得、次いで得られたパワースペクトルの所望の周波数領域上の特定のピークから得られるものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の油ちょう食品美味しさ評価方法。
- 衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られた油ちょう食品の油っこさ値と、油ちょう食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られた音響評価値、及び/又は単軸圧縮試験器により油ちょう食品の破断曲線を取得し該破断曲線から得られた単軸圧縮破断評価値とを用いて、油ちょう食品の美味しさを評価することを特徴とする、油ちょう食品美味しさ評価方法をコンピュータに実行させるプログラム。
- 衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られた油ちょう食品の油っこさ値と、油ちょう食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られた音響評価値、及び/又は単軸圧縮試験器により油ちょう食品の破断曲線を取得し該破砕曲線から得られた単軸圧縮破断評価値と、前記衣を有する油ちょう食品の官能試験により得られた官能評価とを相関分析することにより得られた基準データと、
前記油っこさ値、音響評価値及び/又は単軸圧縮破断評価値とを対比することを含む、油ちょう食品の美味しさを評価することを特徴とする、油ちょう食品美味しさ評価方法をコンピュータに実行させるプログラム。 - 衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られた油ちょう食品の油っこさ値と、油ちょう食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られた音響評価値、及び/又は単軸圧縮試験器により油ちょう食品の破断曲線を取得し該破砕曲線から得られた単軸圧縮破断評価値と、前記衣を有する油ちょう食品の官能試験により得られた官能評価とを相関分析することにより得られた相関式と、
前記油っこさ値、音響評価値及び/又は単軸圧縮破断評価値とを対比することを含む、油ちょう食品の美味しさを評価することを特徴とする、油ちょう食品美味しさ評価方法をコンピュータに実行させるプログラム。 - 前記油っこさ値が、〔前記衣中に含まれる水分含有量/前記衣中に含まれる油分含有量〕比から算出した値である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の油ちょう食品美味しさ評価方法をコンピュータに実行させるプログラム。
- 前記音響解析を、シャープネス及び/又はラフネスを音響評価量として用いて行う、請求項7〜10のいずれか1項に記載の油ちょう食品美味しさ評価方法をコンピュータに実行させるプログラム。
- 前記単軸圧縮破断評価値が、前記破断曲線のパワースペクトルを得、次いで得られたパワースペクトルの所望の周波数領域上の特定のピークから得られるものである、請求項7〜11のいずれか1項に記載の油ちょう食品美味しさ評価方法をコンピュータに実行させるプログラム。
- 衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られた油ちょう食品の油っこさ値と、油ちょう食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られた音響評価値、及び/又は単軸圧縮試験器により油ちょう食品の破断曲線を取得し該破断曲線から得られた単軸圧縮破断評価値とを用いて、油ちょう食品の美味しさを評価する評価手段を有することを特徴とする、油ちょう食品美味しさ評価装置。
- 衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られた油ちょう食品の油っこさ値と、油ちょう食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られた音響評価値、及び/又は単軸圧縮試験器により油ちょう食品の破断曲線を取得し該破砕曲線から得られた単軸圧縮破断評価値と、前記衣を有する油ちょう食品の官能試験により得られた官能評価とを相関分析することにより得られた基準データと、
前記油っこさ値、音響評価値及び/又は単軸圧縮破断評価値とを対比することを含む、油ちょう食品の美味しさを評価する評価手段を有することを特徴とする、油ちょう食品美味しさ評価装置。 - 衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量を用いることにより得られた油ちょう食品の油っこさ値と、油ちょう食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより得られた音響評価値、及び/又は単軸圧縮試験器により油ちょう食品の破断曲線を取得し該破砕曲線から得られた単軸圧縮破断評価値と、前記衣を有する油ちょう食品の官能試験により得られた官能評価とを相関分析することにより得られた相関式と、
前記油っこさ値、音響評価値及び/又は単軸圧縮破断評価値とを対比することを含む、油ちょう食品の美味しさを評価する評価手段を有することを特徴とする、油ちょう食品美味しさ評価装置。 - 前記油っこさ値が、〔前記衣中に含まれる水分含有量/前記衣中に含まれる油分含有量〕比から算出した値である、請求項13〜15のいずれか1項に記載の油ちょう食品美味しさ評価装置。
- 前記音響解析を、シャープネス及び/又はラフネスを音響評価量として用いて行う、請求項13〜16のいずれか1項に記載の油ちょう食品美味しさ評価装置。
- 前記単軸圧縮破断評価値が、前記破断曲線のパワースペクトルを得、次いで得られたパワースペクトルの所望の周波数領域上の特定のピークから得られるものである、請求項13〜17のいずれか1項に記載の油ちょう食品美味しさ評価装置。
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