JP2017025649A - 屋根材の接続構造 - Google Patents

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健太 澤
古田 彰彦
Akihiko Furuta
彰彦 古田
克也 太田
Katsuya Ota
克也 太田
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Abstract

【課題】ハゼ部によって屋根材同士をつなぎあわせる場合に、サイフォン現象に起因する大量浸水を防止できる接続構造を提供する。【解決手段】屋根材本体Mの幅方向の一端に下ハゼ2を有し、他端に上ハゼ3を有する屋根材の複数枚を横並びで配列するとともに、隣接する屋根材の相互間で上ハゼ3、下ハゼ2を嵌合させて屋根材同士をつなぎ合わせる屋根材の接続構造において、下ハゼ2に、上方に向けて開放され、かつ、屋根材本体Mの長手方向に沿って連続的に伸延する少なくとも1本の溝部4を設け、溝部4の溝底4aから隣接する屋根材の上ハゼの天板に至る寸法Hを、下式で定められるbを上回る値に設定する。【選択図】図3

Description

本発明は、屋根材本体の幅方向端縁に設けられた下ハゼ、上ハゼをそれぞれ隣接する屋根材の上ハゼ、下ハゼに嵌合させて屋根材同士を相互につなぎ合わせて建築構造物(一般住宅や事務所、マンション、福祉施設、リゾート施設等)の屋根を葺きあげるのに好適な屋根材の接続構造に関するものである。
従来、建築構造物の屋根を葺きあげる屋根材として、屋根材本体部分の幅方向の端縁の一方に下ハゼを設け、もう一方の幅方向の端縁に上ハゼを設けた嵌合式の屋根材が用いられている。
かかる屋根材は、その本体部分が一対の短辺部と一対の長辺部にて区画され、軒乃至軒−棟方向に沿って長尺な、偏平、矩形の平面形状を有するものが多く使用されており、下ハゼを、隣接配置する屋根材(同等の構成からなるもの)の上ハゼに嵌合させる一方、該上ハゼを隣接配置する他の屋根材の下ハゼに嵌合させることによって屋根材同士のつなぎ合わせが可能になっており、これによって屋根の効率的な葺きあげ施工を実現している。
ところで、この種の屋根材は、下ハゼと上ハゼとの嵌合部の合わせ面から毛細管現象により雨水が侵入しやすい不具合を有している。
この点に関する先行技術として、特許文献1には、係合雌部の開口部内に、接着時に流動性を示し、接着後に連結する他の屋根板材に対して接着性を示す弾性体となるシール材(ホットメルト型シール材)を装着した屋根板材およびその製造方法が提案されている。
また、特許文献2には、面板部の幅方向の一端に設けられた断面略三角形状の嵌合部の内側に長手方向に沿って弾性シール部材(スポンジ、ゴム、ウレタン材等)を装着し、この弾性シール部材を、鉤状膨出部の膨出頂片との間で圧縮変形させることによって雨水の侵入を防止した屋根板およびその屋根が提案されている。
特開2005−213810号公報 特開平9−256557号公報
しかしながら、上記特許文献1、2で提案されている従来のシール構造においては、以下に述べるような解決すべき課題が残されている。
すなわち、特許文献1のような、ホットメルト型シール材を用いたシール構造においては、屋根材の葺あげ施工に際してシール材の厚さ(断面積)を一定にするのが難しく、上ハゼ、下ハゼとの間に隙間が生じやすい。また、特許文献2のような弾性シール部材を用いたものにあっては、上ハゼ、下ハゼの嵌合に際してシール部材が位置ずれしやすいうえ、経年劣化等によりシール部材を固定する接着剤が劣化した場合に、屋根にかかる荷重の影響あるいは熱膨張による屋根材の変形等によりシール部材が剥がれてしまうこともある。
通常、この種のシール部材は、上ハゼと下ハゼとの相互間で挟持、圧着することによって防水性を確保しているところ、施工時に隙間が残されたままになっていたり、シール部材の位置ずれや剥がれ等によって上ハゼと下ハゼとの間に隙間が形成されると、降雨時に、毛細管現象によって嵌合部内の雨水の水位が外側の水位よりも上昇し、図5に示すような経路を辿って雨水が屋根裏側へと流れ込んでしまった場合に、その流れが継続し、外側の平板部に滞留している雨水が大量に屋根裏側へ侵入してしまうことがあった。これは、嵌合部の隙間が雨水により完全に満たされた状態になると、その部位(サイフォン管と見なせる)でサイフォン現象が起こることによる。
また、軒先に氷雪等が堆積し、雨水や融雪水が軒先でダム状に滞留して屋根の一部を水没させ、上ハゼと下ハゼとの嵌合部内が雨水や融雪水で満たされてしまうことがあり、この場合にあっては、上記のような隙間が形成されていると外部の水位が上ハゼ頂上を下回ってもサイフォン現象によって雨水が屋根裏へと流れ込み続けてしまい、これが「すが漏れ」を起こす原因になっていた。
本発明の目的は、上ハゼと下ハゼを嵌合させて屋根材同士をつなぎ合わせる場合において従来懸念された嵌合部分からの雨水の侵入について、サイフォン現象によって上ハゼ頂上以下の水位の滞留水が侵入することによる大量浸水を、シール部材を使用することなしに確実に防止できる屋根材の接続構造を提案するところにある。
本発明は、屋根材本体の幅方向の一端に下ハゼを有し、該屋根材本体の幅方向の他端に上ハゼを有する屋根材の複数枚を軒に沿って横並び状態で配列するとともに、隣接する屋根材の相互間で上ハゼ、下ハゼをそれぞれ嵌合させて屋根材同士をつなぎ合わせる屋根材の接続構造において、前記下ハゼに、上方に向けて開放され、かつ、前記屋根材本体の長手方向に沿って連続的に伸延する少なくとも1本の溝部を設け、
前記隣接する屋根材との相互間で上ハゼ、下ハゼをそれぞれ嵌合させて屋根材同士をつなぎ合わせた接続姿勢につき、該溝部の溝底から該隣接する屋根材の上ハゼの天面に至るまでの寸法(垂直距離)が下記式で定められる値(b)を上回る値であることを特徴とする屋根材の接続構造である。
Figure 2017025649
ここに、b:溝部の底壁から隣接する屋根材の上ハゼの天板に至るまでの垂直
距離(mm)
T:水の表面張力(μN/mm)
h:平板上に水を滴下させたときに該平板の上に形成される水滴の最
大高さ(mm)
ρ:水の密度(g/mm
θ:水の屋根材裏面との接触角(deg)
g:重力加速度(9.8×10mm/s)
上記の構成からなる屋根材の接続構造において、前記下ハゼは、前記溝部が形成されており、かつ、隣接する屋根材の上ハゼの裏面に当接可能な天板と、該隣接する屋根材の上ハゼおよび屋根材の固定用タイトフレームにそれぞれに引き抜け不能に連係する顎部を有し一端が屋根材本体の幅方向の一端につながり他端が前記天板の幅方向の端部につながる側板とを備えたものからなること(折板屋根材等)、また、前記下ハゼは、前記溝部を形成する凹状片と、隣接する屋根材の上ハゼに第1の顎部を介して引き抜け不能に連係するとともに一端が屋根材本体の幅方向の端部につながり他端が該凹状片の上端部につながる側板と、該凹状片に一体連結しその底壁で屋根材の固定面を形成する板状片と、この板状片の端縁につながり隣接する屋根材の上ハゼに第2の顎部を介して引き抜け不能に連係する側板とからなること、が課題解決のための具体的手段として好ましい。
また、本発明は、屋根材本体の幅方向の両端にそれぞれハゼ部を有する屋根材の複数枚を軒方向もしくは軒−棟方向に沿って横並び状態で配列するとともに、隣接する屋根材の相互間で各ハゼ部にカバーキャップを被せて屋根材同士をつなぎ合わせる屋根材の接続構造において、前記各ハゼ部を、前記溝部を形成する凹状片と、前記カバーキャップに顎部を介して引き抜け不能に連係するとともに一端が屋根材本体の幅方向の端部につながり他端が該凹状片の上端部につながる側板と、該凹状片に一体連結しその底壁を隣接する屋根材の板状片と重ね合わせて屋根材の固定面を形成する板状片からなるもので構成し、前記屋根材本体の幅方向の両端に位置するハゼ部については、顎部が相互に向い合せになるように構成することもできる。
本発明の屋根材の接続構造によれば、下ハゼに、上ハゼの天板に向けて開放され、屋根材本体の長手方向に沿って連続的に伸延する少なくとも1本の溝部を設け、この溝部の溝底から上ハゼの天壁に至るまでの寸法(垂直距離)を上記の式で定められる値(b)を上回る値に設定することで、たとえ、雨水等が毛細管現象により下ハゼの頭部の頂面まで吸上げられたとしても溝部においてそれ自体の自重により水の層(水路)が断ち切られることになり、サイフォン現象によって雨水等が屋根裏側へ流れ込むのを防止することができる。
また、本発明の屋根材の接続構造によれば、下ハゼを、溝部が形成されており、かつ、隣接する屋根材の上ハゼの裏面に当接可能な天板と、該隣接する屋根材の上ハゼおよび屋根材の固定用タイトフレームにそれぞれに引き抜け不能に連係する顎部を有し一端が屋根材本体の幅方向の一端につながり、他端が前記天板の幅方向の端部につながる側板とを備えたもので構成することで、サイフォン現象による雨水等の屋根裏側への流れ込みが防止されるだけでなく屋根材の嵌合強度を高めることができる。
また、本発明の屋根材の接続構造によれば、下ハゼを、溝部を形成する凹状片と、隣接する屋根材の上ハゼに第1の顎部を介して引き抜け不能に連係するとともに一端が屋根材本体の幅方向の端部につながり他端が該凹状片の上端部につながる側板と、該凹状片に一体連結しその底壁で屋根材の固定面を形成する板状片と、この板状片の端縁につながり隣接する屋根材の上ハゼに第2の顎部を介して引き抜け不能に連係する側板とを備えたもので構成したため、サイフォン現象による雨水等の流れ込みを阻止することができることに加え、板状片を利用して屋根材を野地板へ直接固定することができる。
本発明にしたがう屋根材の接続構造に用いて好適な屋根材の正面を示した図である。 図1に示した屋根材の外観斜視図である。 図1、2に示した屋根材を用いて構成された屋根材の接続構造を模式的に示した図である。 図1、2に示した屋根材をつなぎ合わせる直前の状態を示した図である。 式の導出要領の説明図である。 本発明にしたがう他の接続構造に用いて好適な屋根材の正面を示した図である。 図6に示した屋根材を用いて構成された屋根材の接続構造の要部を模式的に示した図である。 本発明の接続構造に用いることができる屋根材の正面を示した図である。 図8に示した屋根材を用いて構成された屋根材の接続構造の要部を模式的に示した図である。
以下、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明に用いて好適な屋根材の正面を示した図であり、図2は、その屋根材の外観斜視図であり、図3は、図1、2に示した屋根材によって構成された屋根材の接続構造の実施の形態をその要部断面について模式的に示した図であり、図4は、図1、2に示した屋根材をつなぎ合わせる直前の状態を示した図である。
なお、本発明の屋根材の接続構造は、建築構造物の屋根のサイズに合わせて複数枚の屋根材をつなぎ合わせて構成するものを基本とするが、ここでは、3枚の屋根材をつなぎ合わせて屋根材の接続構造を構成する場合を例示して説明する。また、本発明において「隣接する屋根材」とは、右隣、左隣に配置される屋根材あるいは軒−棟方向に沿って配置される屋根材を意味しており、形状や寸法等は全て同じものが使用される。
図1〜4における符号1は、縦葺きタイプの例で示した屋根材である。この屋根材1は、軒方向に沿って伸延する一対の短辺部1a、1bと、この短辺部1a、1bにつながり、軒−棟方向に沿って伸延する一対の長辺部1c、1dとによって区画された偏平、矩形の平面形状からなる屋根材本体Mを備えたものであって、ここでは屋根材本体Mの幅方向の両端部をそれぞれ角度をもって上開き状態で立ち上げた折り曲げ部1e、1fを形成したもの(折板屋根材)を例として示してある。
屋根材1の屋根材本体Mは、軒方向に沿って伸延する一対の長辺部と、この長辺部につながり、軒−棟方向に沿って伸延する一対の短辺部とによって区画された扁平、矩形の平面形状からなるものを適用することも可能であり、本発明では屋根材の屋根材本体Mの平面形状については図示のものに限定されることはない。また、屋根材本体Mの両端部に折り曲げ部1e、1fを形成するかどうかについても任意に変更し得る。
屋根材1としては、具体的には、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム亜鉛合金めっき鋼板、アルミニウム板、ステンレス鋼板、銅板等が用いられる。
また、2は、屋根材本体Mの幅方向の一端に設けられた下ハゼである(曲げ加工、プレス加工等により成形される)。この下ハゼ2は、図3、4に示すように、隣接する屋根材1′の上ハゼ3′の内部空間N′に嵌合可能で、かつ、屋根材の固定用タイトフレームTの外表面に嵌合可能な凹部Eを有する台形状の断面形状をなしており、該隣接する屋根材1′の上ハゼ3′の天板3a′の裏面に当接可能な天板(水平板等)2aと、該隣接する屋根材1′の上ハゼ3′の顎部3d′および屋根材の固定用タイトフレームTの顎部それぞれ引き抜け不能に連係(引っ掛かる)する顎部2bを有し一端が屋根材本体Mの幅方向の一端につながる一方、他端が天板2aの幅方向の端部に角度をもってつながる側板(傾斜板等)2cと、天板2aの幅方向の外側端縁にて角度をもって垂下保持され、例えば、固定用タイトフレームTの頭部外表面に当接可能な垂下片(傾斜板等)2dから構成されている。
また、3は、屋根材本体Mの幅方向の他端に設けられた上ハゼである(曲げ加工、プレス加工等により成形される)。この上ハゼ3は、図3、4に示すように、隣接する屋根材1′′の下ハゼ2′′に嵌合可能な内部空間Nを有する台形状の断面形状をなすものであって、隣接する屋根材1′′の下ハゼ2′′の天板2a′′の上面に当接可能な天板3aと、屋根材の固定用タイトフレームTの顎部に引き抜け不能に連係(引っ掛かる)する顎部3bを有し一端が屋根材本体Mの幅方向の一端につながる一方、他端が天板3aの幅方向の端部に角度をもってつながる側板(傾斜板等)3cと、隣接する屋根材1′′の下ハゼ2′′の顎部2b′′に連係する顎部3dを有し天板3aの幅方向の外側端縁にて角度をもって垂下保持される側板(傾斜板等)3eから構成されている。
また、4は、下ハゼ2の天板2aに設けられた溝部である。この溝部4は、上方に向けて開放され、かつ、根材本体Mの長手方向に沿って連続的に伸延するものであって、風圧、毛細管現象などにより雨水等が下ハゼ2の頂部に達した場合に、その雨水等を軒に向けて流下させる機能を有している。溝部4の断面形状は、逆台形状のものを例として示したが、その形状については任意に変更し得る。
溝部4は、隣接する屋根材1′との相互間で上ハゼ3′、下ハゼ2をそれぞれ嵌合させて屋根材同士をつなぎ合わせた接続姿勢において、溝部4の溝底4aから隣接する屋根材1′の上ハゼ3′の天板3a′に至るまでの寸法Hが上記式で定められる値(b)を上回るように設定されるものであって(図3参照)、これにより、サイフォン現象による屋根裏への雨水等の侵入を防止している。溝部4の溝幅は、下ハゼ2のサイズに応じて適宜変更される。
本発明にしたがう屋根材の接続構造を構成するには、屋根材の固定用タイトフレームTに既に固定された屋根材(隣接する屋根材)1′′の下ハゼ2′′に上ハゼ3を嵌合させるとともに、下ハゼ2を屋根材の固定用タイトフレームTに嵌合させ、さらに下ハゼ2に、隣接する屋根材1′の上ハゼ3′を嵌合させればよく、この作業を、建築構造物の屋根の軒方向に沿って繰り返していけばよい。
なお、屋根材同士のつなぎ合わせに際しては、下ハゼ2を屋根材の固定用タイトフレームTに嵌合させたのち、上ハゼ3を、隣接する屋根材1′′の下ハゼ2′′に嵌合させてもよく、屋根材のつなぎ合わせの手順についてはとくに限定されない。
屋根材1の上ハゼ3を、隣接する屋根材1′′の下ハゼ2′′に嵌合させるには、上ハゼ3を下ハゼ2′の上方に位置せしめ、上ハゼ3を下ハゼ2′に向けて強く押し込めばよく、これにより、上ハゼ3の側板3c、3eが弾性変形して隣接する屋根材の下ハゼ2′が上ハゼ3の内部空間Nに入り込んで嵌合する。
また、屋根材1の下ハゼ2を屋根材の固定用タイトフレームTに嵌合させるには、下ハゼ2を屋根材の固定用タイトフレームTの上方に位置せしめ、下ハゼ2を屋根材の固定用タイトフレームTに向けて押し込めばよく、これにより、下ハゼ2の側板2c、垂下片2dが弾性変形して屋根材の固定用タイトフレームTの頭部が下ハゼ2の凹部Eに入り込んで嵌合する。
上記の構成からなる屋根材の接続構造においては、屋根材1の下ハゼ2の外表面のほぼ全域(溝部4を除いた領域)が隣接する屋根材1′の上ハゼ3′の裏側面に密着するため、嵌合強度が高い利点を有している。
本発明においては、とくに、隣接する屋根材1′との相互間で上ハゼ3′、下ハゼ2をそれぞれ嵌合させて屋根材同士をつなぎ合わせた接続姿勢において、溝部4の溝底4aから隣接する屋根材1′の上ハゼ3′の天板3a′に至るまでの寸法Hが上記式で定められる値(b)を上回る値とすることとしたが、上記の式は、以下のようにして導き出されるものである。
すなわち、図5に示すように、上下に隙間を隔てて水平かつ平行に配置された二枚の板材5、6(上側の板材を上ハゼ、下側の板材を下ハゼとみなすことができる)があって、その相互間に水の層7が介在している場合、該水の層7が上側の板材5から剥がれ落ちるのに必要なエネルギー(界面エネルギー)Wは、水の表面張力をT(μN/mm)、水と上側の板材5の裏面(水が接着している面)との接触角をθ(deg)、水の接着幅をL(mm)とすると、ヤング・デュプレの式から、
=T(1+cosθ)L …(1)
で求められる。
また、水の層7が上側の板材5から剥がれ落ちるときに失う重力ポテンシャルエネルギーUは、二枚の板材5、6の隙間をb(mm)、水の密度をρ(g/mm)、重力加速度をg(mm/s)、水の接着幅をL(mm)、下側の板材に形成される水(水滴)の最大高さをh(mm)とすると、
U=ρgL(b−h) …(2)
で求められる。
ここに、水の層7が上側の板材5から剥がれ落ちるときに失う重力ポテンシャルエネルギーUが、界面エネルギーWと釣り合うとすると、上記(1)、(2)より、
Figure 2017025649
となり、溝部4の溝底から隣接する屋根材の上ハゼの天板に至るまでの寸法(垂直隙間)Hを、少なくともbの値よりも大きくすれば、サイフォン現象を引き起こすような水の層が形成されることはなくなる。
例えば、最大高さhが3.5(mm)で、水の表面張力Tが72.8(μN/mm)(20℃)、接触角θが79.7(deg)(カラー鋼板裏面)、水の密度ρが0.998×10−3(g/mm)(20℃)、重力加速度gが9.8×10(mm/s)とすると、
Figure 2017025649
となり、この場合、垂直隙間Hはこの値よりも大きな値として例えば7mm程度に設定される。
図6は、本発明に用いて好適な他の屋根材をその正面について示した図であり、図7は、その屋根材を用いて構成された本発明にしたがう屋根材の接続構造の他の実施の形態を示した図である。
この屋根材は、屋根材本体Mを全域にわたってフラットにするとともに、上ハゼ3の側板3eの末端部での強度の改善を図るべくヘミング加工を施して、隣接する屋根材1′′の下ハゼ2′′の顎部2f′′の直下に該末端部を適合させて抜け止めする一方、下ハゼ2を、溝部4を形成する凹状片2eと、隣接する屋根材1′の上ハゼ3′に第1の顎部2fを介して引き抜け不能に連係するとともに一端が屋根材本体Mの幅方向の端部につながり他端が該凹状片2eの上端部につながる側板2gと、該凹状片2eに一体連結しその底部で屋根材の固定面を形成する板状片2hと、この板状片2hの端縁につながり隣接する屋根材1′の上ハゼ3′に第2の顎部2iを介して引き抜け不能に連係する側板2jから構成したものである。
かかる屋根材は、板状片2hにおいてビスをねじ込むか、あるいは釘を打ちつけることによって野地板に固定することができるものであって、この場合も、溝部4の溝底4aから隣接する屋根材1′の上ハゼ3′の天板3a′に至るまでの寸法Hを上記式で定められる値(b)を上回るように設定されるため、サイフォン現象による屋根裏への雨水等の侵入を回避することができる。
上記の構成からなる屋根材においては、側板2g、2jを三角断面形状に成形加工を施して横向きの膨出部分を形成しその部位を、第1の顎部2f、第2の顎部2iとしたものを例として示したが、第1の顎部2f、第2の顎部2iが隣接する屋根材1′の上ハゼ3′に引き抜け不能に嵌合するものであれば側板2g、2jの形状は適宜変更可能であり図示のものに限定されることはない。なお、側板2jの末端部にもヘミング加工を施して強度の改善を図るようにしてもよい。
図8は、本発明に用いて好適な屋根材をその正面について示した図であり、図9は、その屋根材を用いて構成された屋根材の接続構造を要部について示した図である。
この接続構造は、屋根材本体Mの両端にそれぞれハゼ部8、9を有する屋根材の複数枚を、軒方向もしくは軒−棟方向に沿って横並び状態で配列するとともに、隣接する屋根材1′、1′′の相互間で各ハゼ部8、9に、図9に示す如きドーム型断面形状をなすカバーキャップ10を被せて屋根材同士を相互につなぎ合わせたものである。
ハゼ部8、9は、溝部4を形成する凹状片8a、9aと、カバーキャップ10に顎部8b、9bを介して引き抜け不能に連係するとともに一端が屋根材本体Mの幅方向の端部につながり他端が凹状片8a、9aの上端につながる側板8c、9cと、該凹状片8a、9aに一体連結し隣接する屋根材1′、1′′の板状片9d′、8d′′と重ね合わさることによって屋根材の固定面を形成する板状片8d、9dから構成されており、ハゼ部8、9の顎部8b、顎部9bは互いに向かい合わせの配置になっている。
また、カバーキャップ10は、ハゼ部8、9の上面および隣接する屋根材1′、1′′のハゼ部9′8′′の上面を覆う天板10aと、この天板10aの幅方向の一端につながりハゼ部8、9の顎部8b、9bに連係(引っ掛かる)する側壁10b、10cと、該天板10aの幅方向の他端につながり隣接する屋根材1′、1′′のハゼ部9′、8′′の顎部9b′、8b′′に連係する側壁10d、10eから構成されている。
かかる屋根材は、板状片8d、9d′、板状片9d、8d′′においてビスをねじ込むかあるいは釘を打ちつけることによって野地板に固定することができるものである。この接続構造においても、屋根材同士をつなぎ合わせた接続姿勢で、溝部4の溝底4aからカバーキャップ10の天板10aに至るまでの寸法Hが上記式で定められる値(b)を上回る値に設定されており、これによりサイフォン現象による屋根裏への雨水等の侵入を回避している。
上掲図8に示した屋根材のハゼ部8、9は、基本的には曲げ加工、プレス加工等によって成形されるものであり、ハゼ部8、9の側板8c、9cを、横向きに膨出部させてその膨出部を顎部8b、9bとする三角断面形状をなすものとし、かつ、カバーキャップ10の側壁10b、10c、10d、10eを該側板8c、9cと同様の形状としたものを例としたが本発明は図示のものに限定されない。とりわけ、この種の屋根材は、ハゼ部8、9の形状を線対称とすることができるため、屋根材をロール成形によって製造する場合にロールの形状を簡素化できる利点を有している。
寸法Hは、その値が大きくなるほど毛細管現象を抑制するのには有利であるため、とくに、上限値については設定されない。また、溝幅に関しても、その値が大きくなればなるほどサイフォン現象を抑制するのに有利であるため、上限値は設定されない。
本発明によれば、ハゼ部(上ハゼ、下ハゼ)を嵌合させて屋根材同士を相互に連結する場合において従来避けられなかった嵌合部からの雨水等の侵入(サイフォン現象に起因する大量浸水)を回避し得る屋根材の接続構造が提供できる。
1、1′、1′′ 屋根材
1a、1b 短辺部
1c、1d 長辺分
1e、1f 折り曲げ部
2、2′′ 下ハゼ
2a、2a′′ 天板
2b、2b′′ 顎部
2c、2c′′ 側板
2d、2d′′ 垂下片
2e、2e′′ 凹状片
2f、2f′′ 第1の顎部
2g、2g′′ 側板
2h、2h′′ 板状片
2i、2i′′ 第2の顎部
2j、2j′′ 側板
3、3′ 上ハゼ
3a、3a′ 天板
3b、3b′ 顎部
3c、3c′ 側板
3d、3d′ 顎部
3e、3e′ 側板
4 溝部
4a 溝底
5 板材
6 板材
7 水の層
8、8′′、9、9′ ハゼ部
8a、8a′′、9a、9a′ 凹状片
8b、8b′′、9b、9b′ 顎部
8c、8c′′、9c、9c′ 側板
8d、8d′′、9d、9d′ 板状片
10 カバーキャップ
10a 天板
10b、10c、10d、10e 側壁
M 屋根材本体
N、N′ 内部空間
E 凹部
、T 屋根材の固定用タイトフレーム

Claims (3)

  1. 屋根材本体の幅方向の一端に下ハゼを有し、該屋根材本体の幅方向の他端に上ハゼを有する屋根材の複数枚を軒方向、軒―棟方向に沿って横並び状態で配列するとともに、隣接する屋根材との相互間で上ハゼ、下ハゼをそれぞれ嵌合させて屋根材同士をつなぎ合わせる屋根材の接続構造において、
    前記下ハゼに、上方に向けて開放され、かつ、前記屋根材本体の長手方向に沿って連続的に伸延する少なくとも1本の溝部を設け、
    前記隣接する屋根材との相互間で上ハゼ、下ハゼをそれぞれ嵌合させて屋根材同士をつなぎ合わせた接続姿勢につき、該溝部の溝底から該隣接する屋根材の上ハゼの天板に至るまでの寸法が下記式で定められる値(b)を上回るものであることを特徴とする屋根材の接続構造。
    Figure 2017025649
    ここに、b:溝部の底壁から隣接する屋根材の上ハゼの天板に至るまでの寸法
    (垂直距離)(mm)
    T:水の表面張力(μN/mm)
    h:平板上に水を滴下させたときに該平板の上に形成される水滴の最
    大高さ(mm)
    ρ:水の密度(g/mm
    θ:水の屋根材裏面との接触角(deg)
    g:重力加速度(9.8×10mm/s)
  2. 前記下ハゼは、前記溝部が形成されており、かつ、隣接する屋根材の上ハゼの裏面に当接可能な天板と、該隣接する屋根材の上ハゼおよび屋根材の固定用タイトフレームにそれぞれに引き抜け不能に連係する顎部を有し一端が屋根材本体の幅方向の端部につながり他端が前記天板の幅方向のもう一方の端部につながる側板とを備えたものからなることを特徴とする請求項1に記載した屋根材の接続構造。
  3. 前記下ハゼは、前記溝部を形成する凹状片と、隣接する屋根材の上ハゼに第1の顎部を介して引き抜け不能に連係するとともに一端が屋根材本体の幅方向の端部につながり他端が該凹状片の上端部につながる側板と、該凹状片に一体連結しその底壁で屋根材の固定面を形成する板状片と、この板状片の端縁につながり隣接する屋根材の上ハゼに第2の顎部を介して引き抜け不能に連係する側板とからなることを特徴とする請求項1に記載した屋根材の接続構造。
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