JP2017025228A - プリプレグ - Google Patents
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Description
によって表され、且つ数平均分子量が1000〜7000であり、一般式(1)において、Xはアリール基を示し、(Y)mはポリフェニレンエーテル部分を示し、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を示し、mは1〜100の整数を示し、nは1〜6の整数を示し、qは1〜4の整数を示す。
以下、本発明に係るプリプレグについて詳細に説明する。但し、本発明のプリプレグは、以下に示す実施形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
本発明の実施形態1に係るプリプレグは、ポリフェニレンエーテル及び架橋型硬化剤を含む樹脂組成物と、有機基材と、を含む。
本発明樹脂組成物に含まれるポリフェニレンエーテルは上記の一般式(1)で表され、数平均分子量が1000以上7000以下のものを用いることができる。
一般式(1)におけるアリール基としては、芳香族炭化水素基を用いることができる。具体的には、アリール基として、フェニル基、ビフェニル基、インデニル基、及びナフチル基を用いることができ、好ましくはアリール基を用いるとよい。ここで、アリール基は、上記のアリール基が酸素原子で結合されているジフェニルエーテル基等や、カルボニル基で結合されたベンゾフェノン基等、アルキレン基により結合された2,2−ジフェニルプロパン基等を含んでもよい。また、アリール基は、アルキル基(好適にはC1−C6アルキル基、特にメチル基)、アルケニル基、アルキニル基やハロゲン原子など、一般的な置換基によって置換されていてもよい。但し、当該「アリール基」は、酸素原子を介してポリフェニレンエーテル部分に置換されているので、一般的置換基の数の限界は、ポリフェニレンエーテル部分の数に依存する。
一般式(1)におけるポリフェニレンエーテル部分は以下の一般式(2)で表され、フェニルオキシ繰返し単位からなる。ここで、フェニル基は、一般的な置換基によって置換されていてもよい。
一般式(1)及び一般式(2)におけるアルキル基としては、飽和炭化水素基を用いることができる。上記のアルキル基としては、C1−C10アルキル基を用いるとよい。好ましくは、上記のアルキル基としてC1−C6アルキル基を用いるとよい。さらに好ましくは、上記のアルキル基としてC1−C4アルキル基を用いるとよい。さらに好ましくは、上記のアルキル基としてC1−C2アルキル基を用いるとよい。具体的には、アルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基を用いることができる。
一般式(1)及び一般式(2)におけるアルケニル基としては、構造中に少なくとも一つの炭素−炭素二重結合を有する不飽和炭化水素基を用いることができる。上記のアルケニル基としては、C2−C10アルケニル基を用いるとよい。好ましくは、上記のアルケニル基としてC2−C6アルケニル基を用いるとよい。さらに好ましくは、上記のアルケニル基としてC2−C4アルケニル基を用いるとよい。具体的には、アルケニル基として、エチレン基、1−プロピレン基、2−プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基を用いることができる。
一般式(1)及び一般式(2)におけるアルキニル基としては、構造中に少なくとも一つの炭素−炭素三重結合を有する不飽和炭化水素基を用いることができる。上記のアルキニル基としては、C2−C10アルキニル基を用いるとよい。好ましくは、上記のアルキニル基としてC2−C6アルキニル基を用いるとよい。さらに好ましくは、上記のアルキニル基としてC2−C4アルキニル基を用いるとよい。具体的には、アルキニル基として、エチン基、1−プロピン基、2−プロピン基、イソプロピン基、ブチン基、イソブチン基、ペンチン基、ヘキシン基を用いることができる。
本樹脂組成物に含まれる架橋型硬化剤は、ポリフェニレンエーテルを3次元架橋する硬化剤を用いることができる。具体的には、架橋型硬化剤として、多官能ビニル化合物、ビニルベンジルエーテル系化合物、アリルエーテル系化合物、又はトリアルケニルイソシアヌレートを用いることができる。多官能ビニル化合物は、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニルを含む。ビニルベンジルエーテル系化合物は、フェノール及びビニルベンジルクロライドの反応によって合成される。アリルエーテル系化合物は、スチレンモノマー、フェノール、及びアリルクロライドの反応によって合成される。トリアルケニルイソシアヌレートは相溶性が良好であり、トリアリルイソシアヌレート(以下TAIC)又はトリアリルシアヌレート(以下TAC)を用いることができる。
本発明のプリプレグに含まれる有機基材として、液晶ポリエステル基材、フッ素樹脂基材、及びポリイミド基材のうち少なくとも1以上を含んでもよい。ここで、有機基材とは、少なくとも基材を構成する原材料が有機物である基材を意味する。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、未修飾のポリフェニレンエーテル、無機材料又は有機材料の充填材、難燃剤、及び反応開始剤から選択される1以上の添加剤を添加することができる。また、さらにプリント配線基板などの電子機器の製造に用いられる樹脂組成物の一般的な添加成分を添加してもよい。
本発明の樹脂組成物は、上記のポリフェニレンエーテルに加え、数平均分子量が9000以上18000以下の未修飾のポリフェニレンエーテルを添加することができる。未修飾のポリフェニレンエーテルを添加することで、樹脂組成物の流動性の制御や耐熱性の向上を実現することができる。また、樹脂組成物中において、充填材などの添加成分の沈殿を抑制することができる。ここで、未修飾のポリフェニレンエーテルとは、分子中に炭素−炭素の不飽和基を有さないポリフェニレンエーテルのことであり、その添加量は、ポリフェニレンエーテルと架橋型硬化剤の合計質量100質量部に対して3質量部以上70質量部以下が好ましい。
本樹脂組成物に無機材料の充填材(以降、無機充填材という)を添加することで、本樹脂組成物を用いたプリプレグの熱膨張係数の低減や剛性を向上させることができる。無機充填材としては、シリカ、窒化ホウ素、ワラストナイト、タルク、カオリン、クレー、マイカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の金属酸化物、窒化物、珪化物、硼化物等を用いることができる。特に、シリカや窒化ホウ素のような低誘電率充填材を添加することで、樹脂組成物の低誘電率化させることができる。
本樹脂組成物に難燃剤を添加することで、本樹脂組成物を用いたプリプレグの耐水性、耐湿性、吸湿耐熱性、及びガラス転移点を向上させることができる。難燃剤としては、臭素化有機化合物、例えば芳香族臭素化合物を用いることができる。具体的には、デカブロモジフェニルエタン、4,4-ジブロモビフェニル、エチレンビステトラブロモフタルイミド等を用いることができる。好ましくは、臭素の含有量が樹脂組成物全量に対して8質量%以上20質量%以下となる量の臭素化有機化合物を含有するとよい。
本樹脂組成物に反応開始剤を添加することで、架橋型硬化剤のより顕著な効果を得ることができる。反応開始剤としては、適度な温度及び時間で樹脂組成物の硬化を促進することによって、樹脂組成物の耐熱性等の特性を向上できるものであれば一般的な材料を用いることができる。具体的には、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン、過酸化ベンゾイル、3,3’,5,5’−テトラメチル−1,4−ジフェノキノン、クロラニル、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノキシル、t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、アゾビスイソブチロニトリル等の酸化剤を用いることができる。ここで、必要に応じてカルボン酸金属塩などを添加して、硬化反応をさらに促進させてもよい。
本発明によるプリプレグにおいて、基材としては液晶ポリエステル基材、フッ素樹脂基材、及びポリイミド基材のうち少なくとも1以上を含む有機基材を用いることができる。ここで、有機基材と樹脂組成物との密着性を向上させるために、ワニスを含浸させる前に基材をプラズマ処理、コロナ処理、低紫外線処理、薬液処理、サンドブラスト処理などの処理をしてもよい。また、有機基材と樹脂組成物との密着性を向上させるために、本樹脂組成物にカップリング剤を添加してもよい。
ここでは、上記のようにして作製したプリプレグを用いた積層体の製造方法について説明する。まず、プリプレグを一枚または複数枚重ね、さらにその上下の両面又は片面に銅箔等の金属箔を重ねて、その積層体を加熱加圧成形する。この成形によって、両面又は片面に金属箔を有する積層体を作製することができる。この積層体の金属箔をパターニング及びエッチング加工して回路形成することでプリント配線基板を得ることができる。また、回路が形成された金属箔を間に挟んで複数枚のプリプレグを重ねて加熱加圧成形することで、多層化されたプリント配線基板を作製することができる。
以下、本発明に係るプリプレグについて詳細に説明する。但し、本発明のプリプレグは、以下に示す実施形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
本発明の実施形態2に係るプリプレグは、エポキシ化合物、ポリフェニレンエーテル、シアン酸エステル化合物、硬化触媒、及びハロゲン系難燃剤を有する樹脂ワニスからなる樹脂組成物と、有機基材と、を含む。ここで、エポキシ化合物は、数平均分子量が1000以下で、一分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するハロゲン原子を含有しない。また、ポリフェニレンエーテルは数平均分子量が5000以下である。また、硬化触媒は、エポキシ化合物及びポリフェニレンエーテルと硬化剤であるシアン酸エステル化合物との反応を促進させる。
エポキシ化合物としては、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物等を用いることができる。これらは、単独で用いることもでき、複数を組み合わせて用いることもできる。上記のうち、特にジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物がポリフェニレンエーテルとの相溶性が良好であるため好ましい。なお、本樹脂組成物には、ハロゲン化エポキシ化合物を含有しないことが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて添加してもよい。
ポリフェニレンエーテルとしては、数平均分子量は5000以下であり、好ましくは2000以上4000以下である。
シアン酸エステル化合物としては、1分子中に2個以上のシアネート基を有する化合物を用いることができる。具体的には、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−シアナートフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)エタン等、又はこれらの誘導体等の芳香族系シアン酸エステル化合物等を用いることができる。これらは、単独で用いることもでき、複数を組み合わせて用いることもできる。
硬化触媒としては、オクタン酸、ステアリン酸、アセチルアセトネート、ナフテン酸、サリチル酸等の有機酸のZn,Cu,Fe等の有機金属塩、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の3級アミン、2−エチル−4−イミダゾール、4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類等を用いることができる。これらは、単独で用いることもでき、複数を組み合わせて用いることもできる。上記のうち、有機金属塩、特にオクタン酸亜鉛がより高い耐熱性が得られるため好ましい。
ハロゲン系難燃剤としては、トルエン等の溶媒により調整されるワニス中で溶解しないハロゲン系難燃剤を用いることができる。具体的には、ハロゲン系難燃剤としては、エチレンジペンタブロモベンゼン、エチレンビステトラブロモフタルイミド、デカブロモジフェニルオキサイド、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン等を用いることができる。上記のうち、特にエチレンジペンタブロモベンゼン、エチレンビステトラブロモフタルイミド、デカブロモジフェニルオキサイド、テトラデカブロモジフェノキシベンゼンは、融点が300℃以上で耐熱性が高いため、プリプレグの耐熱性を向上させることができる。融点が300℃以上の耐熱性が高いハロゲン系難燃剤を用いると、高温時におけるハロゲンの脱離を抑制することができるため、硬化物の分解による耐熱性の低下を抑制することができる。
本発明のプリプレグに含まれる有機基材として、液晶ポリエステル基材、フッ素樹脂基材、及びポリイミド基材のうち少なくとも1以上を含んでもよい。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、無機充填材を添加することができる。無機充填材は加熱時の寸法安定性の向上及び難燃性の向上の効果を得ることができる。無機充填材としては、具体的に球状シリカ等のシリカ、アルミナ、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、マイカ、ホウ酸アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等を用いることができる。また、無機充填材として、エポキシシランタイプ又はアミノシランタイプのシランカップリング剤で表面処理されたものを用いることができる。シランカップリング剤で表面処理された無機充填材を含有することで、吸湿時における耐熱性の向上及び層間の密着性を向上させることができる。
本発明の実施形態2に係るプリプレグの本樹脂組成物は、エポキシ化合物、ポリフェニレンエーテル、及びシアン酸エステル化合物の成分は何れも樹脂ワニス中で溶解されたものであり、無機充填材の成分は、前記樹脂ワニス中で溶解されず、分散されているものである。このような樹脂ワニスは、例えば、以下のようにして調製される。
攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12リットルの縦長反応器にCuBr2 3.88g(17.4mmol)、N,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン 0.75g(4.4mmol)、n−ブチルジメチルアミン 28.04g(277.6mmol)、トルエン 2600gを仕込み、反応温度40℃にて攪拌を行い、あらかじめ2300gのメタノールに溶解させた2,2’、3,3’、5,5’−ヘキサメチル−(1,1’−ビフェノール)−4,4’−ジオール 129.3g(0.48mol)、2,6−ジメチルフェノール233.7g(1.92mol)、2,3,6−トリメチルフェノール 64.9g(0.48mol)、N,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン 0.51g(2.9mmol)、n−ブチルジメチルアミン 10.90g(108.0mmol)の混合溶液を、窒素と空気とを混合して酸素濃度8%に調整した混合ガスを5.2リットル/minの流速でバブリングを行いながら230分かけて滴下し、攪拌を行った。
攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12リットルの縦長反応器にCuBr2 9.36g(42.1mmol)、N,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン 1.81g(10.5mmol)、n−ブチルジメチルアミン 67.77g(671.0mmol)、トルエン 2600gを仕込み、反応温度40℃にて攪拌を行い、あらかじめ2300gのメタノールに溶解させた2,2’、3,3’、5,5’−ヘキサメチル−(1,1’−ビフェノール)−4,4’−ジオール 129.32g(0.48mol)、2,6−ジメチルフェノール 878.4g(7.2mol)、N,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン 1.22g(7.2mmol)、n−ブチルジメチルアミン 26.35g(260.9mmol)の混合溶液を、窒素と空気とを混合して酸素濃度8%に調整した混合ガスを5.2リットル/minの流速でバブリングを行いながら230分かけて滴下し、攪拌を行った。
上記のポリフェニレンエーテル(1)を70質量部準備し、溶媒としてトルエンを100質量部加えて80℃にて30分混合、攪拌して完全に溶解した。このようにして得られたポリフェニレンエーテル溶液に対して、架橋型硬化剤として日本化成株式会社製「TAIC」を30質量部、難燃剤として臭素化有機化合物であるエチレンビス(ペンタブロモフェニル)(アルベマール日本株式会社製「SAYTEX8010(商品名)」)を20質量部、及び無機充填材として球状合成シリカ(株式会社アドマテックス社製「SC2050(商品名)」)を14質量部を配合した。これらを溶媒であるトルエン中で混合、分散、溶解して樹脂組成物のワニスを得た。上記の難燃剤が、ポリフェニレンエーテル及びTAICに非反応の臭素化有機化合物であるので、樹脂組成物であるワニス中で、難燃剤はトルエンには溶解せずに分散していた。
実施例2では、実施例1で用いたポリフェニレンエーテル(1)に代えて、ポリフェニレンエーテル(2)を用いてワニスを作製した。実施例2のワニスの作製方法は実施例1と同様の方法で行った。また、実施例2のワニスを含浸させる有機基材として、液晶ポリエステル基材(液晶ポリマー織布)(旭化成イーマテリアルズ株式会社製「116XC(商品名)」(KBセーレン製繊維、ゼクシオンを織布化したもの))を用いた。
実施例3では、実施例1で用いたポリフェニレンエーテル(1)を用いてワニスを作製した。実施例3のワニスの作製方法は実施例1と同様の方法で行った。また、実施例3のワニスを含浸させる有機基材として、フッ素樹脂基材(日本ピラー工業株式会社製「NPC−F220A(商品名)」)を用いた。有機基材として用いたフッ素樹脂基材の厚みは130μmである。
上記の実施例1乃至実施例3の比較例である比較例1では、実施例1のワニスを有機基材の代わりに従来のEガラスクロス(日東紡績株式会社製「NEA2116(商品名)」)を用いた。
「ポリフェニレンエーテル(3)」として、ポリフェニレンエーテルの末端が水酸基であるポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス社製のSA90)を用いた。「ポリフェニレンエーテル(3)」の重量平均分子量は1700である。
エポキシ化合物としては、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロンHP7200(商品名)」)を用いた。エピクロンHP7200の数平均分子量は550である。
エポキシ化合物としては、ナフタレン骨格変性エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロンHP4032D(商品名)」)を用いた。エピクロンHP4032Dの数平均分子量は280である。
上記のポリフェニレンエーテル(3)を30質量部準備し、溶媒としてトルエンを加えて、混合、攪拌して完全に溶解した。このようにして得られたポリフェニレンエーテル溶液に対して、上記のエポキシ化合物(1)を45質量部、及びシアン酸エステル化合物として、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパン(三菱ガス化学株式会社製「CA210(商品名)」)を25質量部添加させた後、30分間撹拌して完全に溶解させた。さらに、難燃剤として上記の「SAYTEX8010」を25質量部、及び無機充填材として上記の「SC2050」を24質量部添加して、ボールミルで分散させることにより樹脂ワニスを得た。なお、上記の難燃剤は溶解せず、樹脂ワニス中で1μm以上10μm以下の平均粒子径で分散していた。
実施例5では、実施例4で用いたエポキシ化合物(1)に代えて、エポキシ化合物(2)を用いてワニスを作製した。実施例5のワニスの作製方法は実施例4と同様の方法で行った。また、実施例5のワニスを含浸させる有機基材として、液晶ポリエステル基材(液晶ポリマー織布)「116XC」を用いた。
実施例6では、実施例4と比較して、ポリフェニレンエーテル(3)が少なく(20質量部)、エポキシ化合物(1)が多い(55質量部)含有比率でワニスを作製した。実施例6のワニスの配合方法以外の作製方法は実施例4と同様の方法で行った。また、実施例6のワニスを含浸させる有機基材として、フッ素樹脂基材「NPC−F220A」を用いた。フッ素樹脂基材の厚みは130μmである。
実施例7では、実施例5と比較して、ポリフェニレンエーテル(3)が少なく(20質量部)、エポキシ化合物(2)が多い(55質量部)含有比率でワニスを作製した。実施例7のワニスの配合方法以外の作製方法は実施例5と同様の方法で行った。また、実施例7のワニスを含浸させる有機基材として、フッ素樹脂基材「NPC−F220A」を用いた。フッ素樹脂基材の厚みは130μmである。
上記の実施例4乃至実施例7の比較例として、比較例2では、実施例4のワニスを有機基材の代わりに従来のEガラスクロス「NEA2116」を用いた。
Claims (4)
- 前記有機基材は、液晶ポリエステル基材、フッ素樹脂基材、及びポリイミド基材のうち少なくとも1以上を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリプレグ。
- 数平均分子量が1000以下で、一分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有し、ハロゲン原子を含有しないエポキシ化合物、数平均分子量5000以下のポリフェニレンエーテル、シアン酸エステル化合物、前記エポキシ化合物及び前記ポリフェニレンエーテルと硬化剤である前記シアン酸エステル化合物との反応を促進させる硬化触媒、及びハロゲン系難燃剤を含有する樹脂ワニスを有するポリフェニレンエーテル樹脂組成物と、
有機基材と、を含むことを特徴とするプリプレグ。 - 前記有機基材は、液晶ポリエステル基材、フッ素樹脂基材、及びポリイミド基材のうち少なくとも1以上を含むことを特徴とする請求項3に記載のプリプレグ。
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