JP2017024928A - セラミクス焼成体の台座分離装置、セラミクス焼成体の台座分離方法及びセラミクス焼成体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セラミクス焼成体に欠けが生じることを防止しつつ、台座をセラミクス焼成体からより容易に分離することができるセラミクス焼成体の台座分離装置、セラミクス焼成体の台座分離方法及びセラミクス焼成体の製造方法を提供する。【解決手段】台座分離装置100の打撃部130a,130bにより、固着面60aに対して10°〜60°の角度θa,θbをなしてセラミクス焼成体10から遠ざかる方向に、台座分離装置100の固定部120により固定されたセラミクス焼成体10に固着した台座50に対して、打撃力Fa,Fbが加えられる。これにより、セラミクス焼成体10に欠けが生じることを防止しつつ、台座50をセラミクス焼成体10からより容易に分離することができる。【選択図】図3
Description
本発明は、セラミクス焼成体の台座分離装置、セラミクス焼成体の台座分離方法及びセラミクス焼成体の製造方法に関する。
従来より、柱体の形状を有し、柱体の一方の底面から他方の底面に伸びる複数の流路を有し且つセラミクス原料を含むグリーン(未焼成)成形体を焼成することにより、ディーゼルパティキュレートフィルタ等に用いられるセラミクス焼成体を製造する方法が知られている。例えば、特許文献1の方法では、グリーン成形体は、その一方の底面を台座により支持された状態で焼成される。当該台座は、グリーン成形体と同様のセラミクス原料を含む。当該台座はトチとも呼ばれる。焼成後には、セラミクス焼成体の一方の底面に台座が固着しているため、セラミクス焼成体から台座を分離する必要がある。そこで、台座に対してセラミクス焼成体から遠ざかる方向に力を加えながら、台座に対して台座の側方からハンマーにより打撃力を与えることにより、セラミクス焼成体から台座が分離される。
ところで、焼成後において、セラミクス焼成体と台座との固着力が強い場合は、台座をセラミクス焼成体から分離することが困難であることがある。また、打撃により、台座をセラミクス焼成体から分離するときに、台座に固着したセラミクス焼成体の一部が台座とともにセラミクス焼成体から分離して、セラミクス焼成体に欠けが生じることがある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、セラミクス焼成体に欠けが生じることを防止しつつ、台座をセラミクス焼成体からより容易に分離することができるセラミクス焼成体の台座分離装置、セラミクス焼成体の台座分離方法及びセラミクス焼成体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、柱体の形状を有し、柱体の一方の底面から他方の底面に伸びる複数の流路を有し且つ一方の底面に台座が固着したセラミクス焼成体から、台座を分離するセラミクス焼成体の台座分離装置であって、セラミクス焼成体を固定する固定部と、一方の底面に対して10°〜60°の角度をなしてセラミクス焼成体から遠ざかる方向に、固定部により固定されたセラミクス焼成体に固着した台座に対して、打撃力を加える打撃部とを備えたセラミクス焼成体の台座分離装置である。
この構成によれば、固定部により固定されたセラミクス焼成体に固着した台座に対して、打撃部により、一方の底面に対して10°〜60°の角度をなしてセラミクス焼成体から遠ざかる方向に打撃力が加えられる。これにより、セラミクス焼成体に欠けが生じることを防止しつつ、台座をセラミクス焼成体からより容易に分離することができる。
この場合、打撃部は、台座の複数の部位に対して打撃力を加えることが好適である。
この構成によれば、打撃部により、台座の複数の部位に対して打撃力が加えられる。これにより、セラミクス焼成体に欠けが生じることをさらに防止しつつ、台座をセラミクス焼成体からさらに容易に分離することができる。
この場合、打撃部による台座の複数の部位に対する打撃力の方向のそれぞれは、一方の底面から他方の底面を通るセラミクス焼成体の中心軸と交差する方向であり、打撃部による台座の複数の部位に対する打撃力の合力の方向は中心軸に平行であることが好適である。
この構成によれば、台座に対称に打撃力が加えられるため、セラミクス焼成体に欠けが生じることをより一層防止しつつ、台座をセラミクス焼成体からより一層容易に分離することができる。
また、打撃部は、シリンダーと、シリンダーの内部で加圧されることによりシリンダーに沿って摺動するピストンロッドと、ピストンロッドの先端で台座に接触することにより打撃力を加えるハンマーヘッド部とを有することが好適である。
この構成によれば、打撃部は、シリンダーと、シリンダーの内部で加圧されることによりシリンダーに沿って摺動するピストンロッドと、ピストンロッドの先端で台座に接触することにより打撃力を加えるハンマーヘッド部とを有する。これにより、簡単な構造で台座に打撃力を加えることができる。
また、本発明は、柱体の形状を有し、柱体の一方の底面から他方の底面に伸びる複数の流路を有し且つ一方の底面に台座が固着したセラミクス焼成体から、台座を分離するセラミクス焼成体の台座分離方法であって、セラミクス焼成体を固定する固定工程と、一方の底面に対して10°〜60°の角度をなしてセラミクス焼成体から遠ざかる方向に、固定工程により固定されたセラミクス焼成体に固着した台座に対して、打撃力を加える打撃工程とを備えたセラミクス焼成体の台座分離方法である。
この場合、打撃工程では、台座の複数の部位に対して打撃力を加えることが好適である。
この場合、打撃工程による台座の複数の部位に対する打撃力の方向のそれぞれは、一方の底面から他方の底面を通るセラミクス焼成体の中心軸と交差する方向であり、打撃工程による台座の複数の部位に対する打撃力の合力の方向は中心軸に平行であることが好適である。
また、本発明は、柱体の形状を有し、柱体の一方の底面から他方の底面に伸びる複数の流路を有し且つセラミクス原料を含むグリーン成形体を焼成することにより、セラミクス焼成体を製造するセラミクス焼成体の製造方法であって、グリーン成形体の一方の底面をセラミクス原料を含む未焼成台座により支持する支持工程と、支持工程により未焼成台座に支持されたグリーン成形体を焼成する焼成工程と、焼成工程により一方の底面に台座が固着したセラミクス焼成体から、台座を分離する分離工程とを備え、分離工程は、セラミクス焼成体を固定する固定工程と、一方の底面に対して10°〜60°の角度をなしてセラミクス焼成体から遠ざかる方向に、固定工程により固定されたセラミクス焼成体に固着した台座に対して、打撃力を加える打撃工程とを有するセラミクス焼成体の製造方法である。
この場合、打撃工程では、台座の複数の部位に対して打撃力を加えることが好適である。
打撃工程による台座の複数の部位に対する打撃力の方向のそれぞれは、一方の底面から他方の底面を通るセラミクス焼成体の中心軸と交差する方向であり、打撃工程による台座の複数の部位に対する打撃力の合力の方向は中心軸に平行であることが好適である。
本発明のセラミクス焼成体の台座分離装置、セラミクス焼成体の台座分離方法及びセラミクス焼成体の製造方法によれば、セラミクス焼成体に欠けが生じることを防止しつつ、台座をセラミクス焼成体からより容易に分離することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るセラミクス焼成体の台座分離装置、セラミクス焼成体の台座分離方法及びセラミクス焼成体の製造方法について詳細に説明する。まず、本発明で台座が分離されるセラミクス焼成体及びセラミクス焼成体の焼成前のグリーン成形体について説明する。図1に示すように、グリーン成形体1は、円柱体の形状を有する。グリーン成形体1は、円柱体の一方の底面1aから他方の底面1bに伸びる複数の流路4を有する。グリーン成形体1は、底面1aの中心から底面1bの中心を通る中心軸Aを有する。未焼成台座5は、グリーン成形体1の底面1a,1bと同じ直径の底面5a,5bを有する円柱体である。未焼成台座5は、グリーン成形体1と同様に、円柱体の一方の底面5aから他方の底面5bに伸びる複数の流路4を有する。未焼成台座5は、底面5aの中心から底面5bの中心を通る中心軸aを有する。グリーン成形体1の底面1aから底面1bまでの長さは特に限定されないが、例えば、40〜350mmとすることができる。未焼成台座5の底面5aから底面5bまでの長さは例えば、5〜50mmとすることができる。
グリーン成形体1及び未焼成台座5の流路4は、その底面1a,1b又は底面5a,5bから視て、例えば、同じ大きさの正六角形状を有する。複数の正六角形状の流路4は、底面1a,1b又は底面5a,5bから視て、互いに隔壁を隔てて密集して配置されたハニカム構造を有する。正六角形状を有する流路4の大きさは特に限定されないが、例えば、正六角形の対向する辺同士の距離を0.8〜2.5mmとすることができる。また、隔壁の厚みは、例えば、0.15〜0.76mmとすることができる。
グリーン成形体1及び未焼成台座5は、後で焼成することにより多孔性セラミクスとなるグリーン体(未焼成体)であり、セラミクス原料を含む。セラミクスは特に限定されないが、例えば、アルミナ、シリカ、ムライト、コージェライト、ガラス、チタン酸アルミニウム等の酸化物、シリコンカーバイド、窒化珪素、金属等が挙げられる。なお、チタン酸アルミニウムは、更に、マグネシウム及び/又はケイ素を含むことができる。
グリーン成形体1及び未焼成台座5は、好ましくは、セラミクス原料である無機化合物源粉末、メチルセルロース等の有機バインダ、及び、必要に応じて添加される添加剤を含む。
例えば、セラミクスがチタン酸アルミニウムの場合、無機化合物源粉末は、αアルミナ粉等のアルミニウム源粉末、及び、アナターゼ型やルチル型のチタニア粉末等のチタニウム源粉末、及び/又は、チタン酸アルミニウム粉末を含み、必要に応じて、更に、マグネシア粉末やマグネシアスピネル粉末等のマグネシウム源粉末及び/又は、酸化ケイ素粉末やガラスフリット等のケイ素源粉末を含むことができる。
有機バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩が挙げられる。
添加物としては、例えば、造孔剤、潤滑剤、可塑剤、分散剤、及び溶媒が挙げられる。
造孔剤としては、グラファイト等の炭素材;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂類;でんぷん、ナッツ殻、クルミ殻、コーンなどの植物材料;氷;及びドライアイスなどが挙げられる。
潤滑剤及び可塑剤としては、グリセリンなどのアルコール類;カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸Alなどのステアリン酸金属塩などが挙げられる。
分散剤としては、例えば、硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸;シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;ポリカルボン酸アンモニウム、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどの界面活性剤などが挙げられる。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類;及び水などを用いることができる。
グリーン成形体1の複数の流路4のうちの一部の底面1aの側の端部が封口材により封口され、グリーン成形体1の複数の流路4のうちの残部の底面1bの側の端部が封口材により封口されていてもよい。封口材としては、グリーン成形体1と同様の焼成することによりセラミクスとなる材料を用いることができる。上述の「複数の流路4のうちの一部」とは、例えば、底面1aの側から視てハニカム状に配列された正六角形状の流路4の内で、周囲を六つの正六角形状の流路4に囲まれた一つの正六角形状の流路4とすることができる。また、グリーン成形体1の複数の流路4のうちの一部は、隔壁同士を圧着又は溶着することにより、上述した封口材により封口するのと同様に封口されていてもよい。
グリーン成形体1及び未焼成台座5は、例えば、以下のような押出工程、乾燥工程及び切断工程を経て製造することができる。まず、無機化合物源粉末と、有機バインダと、溶媒と、必要に応じて添加剤とを用意する。そして、これらを混練機等により混合して原料混合物を得、得られた原料混合物を隔壁の断面形状に対応する出口開口を有する押出機から押し出し、乾燥をし、所望の長さに切ることにより、グリーン成形体1及び未焼成台座5を得ることができる。未焼成台座5は、ディーゼルパティキュレートフィルタ等として製品とするために精密に切断されたグリーン成形体1の端材を適用することができる。同じ押出機から製造することにより、グリーン成形体1及び未焼成台座5は、同じ断面構造の流路4及び隔壁を有することができ、同一の組成とすることができる。その後、必要に応じて、グリーン成形体1の流路4の端部を封口することができる。
次に、グリーン成形体1を焼成することにより、セラミクス焼成体を製造する。グリーン成形体の焼成では、例えば、以下のような支持工程、焼成工程及び分離工程が行われる。支持工程は、グリーン成形体1の一方の底面1aを未焼成台座5の底面5aにより支持する。支持工程では、グリーン成形体1の中心軸Aと未焼成台座5の中心軸aとが一致するように、グリーン成形体1の底面1aを未焼成台座5により支持する。焼成工程は、未焼成台座5に支持されたグリーン成形体1を焼成炉により焼成する。焼成工程は、通常、管状電気炉、箱型電気炉、トンネル炉、遠赤外線炉、マイクロ波加熱炉、シャフト炉、反射炉、ロータリー炉、ローラーハース炉などの通常の焼成炉を用いて行なわれる。
焼成工程では、グリーン成形体1の焼成の前に仮焼(脱脂)が行われる。仮焼(脱脂)は、グリーン成形体1及び未焼成台座5中の有機バインダや、必要に応じて配合される有機添加物を、焼失、分解等により除去するための工程であり、典型的には、焼成温度に至るまでの昇温段階(例えば、150〜900℃の温度範囲)になされる。
グリーン成形体1及び未焼成台座5の焼成温度は、通常、1300℃以上、好ましくは1400℃以上である。また、焼成温度は、通常、1650℃以下、好ましくは1550℃以下である。焼成温度までの昇温速度は特に限定されるものではないが、通常、1℃/時間〜500℃/時間である。焼成は通常、大気中で行なわれるが、用いる原料粉末の種類や使用量比によっては、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス中で焼成してもよいし、一酸化炭素ガス、水素ガスなどのような還元性ガス中で焼成してもよい。また、水蒸気分圧を低くした雰囲気中で焼成を行なってもよい。焼成に要する時間は、セラミクスが生成するのに十分な時間であればよく、グリーン成形体1の大きさ、焼成炉の形式、焼成温度、焼成雰囲気などにより異なるが、通常は10分〜24時間である。
このようにして、グリーン成形体1及び未焼成台座5が焼成された後に、図2に示すように、固着面(焼成前の底面1a)60aに台座50が固着したセラミクス焼成体10が製造される。セラミクス焼成体10及び台座50は、グリーン成形体1及び未焼成台座5と同様の流路40を有する。
次に、焼成工程により固着面60aに台座50が固着したセラミクス焼成体10から、台座50を分離する分離工程が行われる。まず、本実施形態のセラミックス焼成体の台座分離装置について説明する。図3に示すように、本実施形態の台座分離装置100は、平板状の基部110の上面に、固定部120と、一対の打撃部130a,130bとを備えている。固定部120は、台座50が固着したセラミクス焼成体10を固定する。固定部120は、分離面123で上下に分離する下側固定部121と上側固定部122とを有している。固定部120は、円柱体であるセラミクス焼成体10の側面を下側固定部121と上側固定部122との間に挟むことにより、セラミクス焼成体10を固定する。セラミクス焼成体10の側面を挟んだ下側固定部121及び上側固定部122は、例えば、ねじ止め等により固定される。
打撃部130a,130bは、固定部120により固定されたセラミクス焼成体10に固着した台座50に対して、打撃力を加える。打撃力は、固着面60aに平行な方向に対して、10°〜60°の角度をなしてセラミクス焼成体10から遠ざかる方向の打撃力である。打撃部130a,130bは、支持部131a,131b、シリンダー132a,132b、ピストンロッド133a,133b、ハンマーヘッド部134a,134b及び送気管135a,135bをそれぞれ有する。
支持部131a,131bは、シリンダー132a,132bをそれぞれ支持する。支持部131a,131bは、後述するような台座50の任意の部位に任意の角度で打撃部130a,130bが打撃力を加えられるように、基部110上での固定部120に対するシリンダー132a,132bの相対的な位置及び角度を自在に変更可能に構成されている。
シリンダー132a,132bは、送気管135a,135bを介して不図示のコンプレッサから送気される圧搾空気を内部に送られることにより、ピストンロッド133a,133bをそれぞれ摺動させる。ピストンロッド133a,133bは、シリンダー132a,132bの内部で加圧されることによりシリンダー132a,132bに沿ってそれぞれ摺動する。
ハンマーヘッド部134a,134bは、ピストンロッド133a,133bの先端で台座50に接触することにより打撃力を加える。ハンマーヘッド部134a,134bは、例えば、硬質ゴム等により形成することができる。
以下、分離工程において、上記の台座分離装置100を用いたセラミクス焼成体10の台座分離方法について説明する。図3に示すように、固定工程として、セラミクス焼成体の台座分離装置100の固定部120により、台座50が固着したセラミクス焼成体10が固定される。次に、図4(A)に示すように、打撃工程として、固定工程により固定されたセラミクス焼成体10に固着した台座50に対して、セラミクス焼成体の台座分離装置100の打撃部130a,130bのハンマーヘッド部134a,134bにより打撃力Fa,Fbがそれぞれ加えられる。
打撃力Fa,Fbは、例えば、固着面60aから30mm以上離れた部位に加えられることが好ましい。打撃力Fa,Fbは、例えば、320N以上であることが好ましい。セラミクス焼成体10の固着面60aの角が欠けることを抑制するために、ハンマーヘッド部134a,134bの速度は、例えば、250mm/s以上であることが好ましい。
打撃力Fa,Fbは、固着面60aに対してそれぞれ角度θa,θbをなしてセラミクス焼成体10から遠ざかる方向に加えられる。角度θa,θbは、10°〜60°であり、より好ましくは30°〜60°であり、さらに好ましくは40°〜50°である。
打撃部130a,130bによる台座50の複数の部位に対する打撃力Fa,Fbの方向のそれぞれは中心軸Aと交差する方向である。また、打撃部130a,130bによる台座50の複数の部位に対する打撃力Fa,Fbの合力Rabの方向は中心軸Aに平行である。例えば、本実施形態の台座分離装置100は、一対の打撃部130a,130bを備えているため、中心軸Aに平行な方向から視た打撃部130a,130bの打撃力Fa,Fbの方向は互いに180°の角度をなす。また、打撃部130a,130bの打撃力Fa,Fbの固着面60aに対する角度θa,θbは等しい。
なお、台座分離装置100がn個の打撃部130a〜130nを備えている場合は(nは2以上の整数)、中心軸Aに平行な方向から視た互いに隣接し合う打撃部130a〜130nの打撃力Fa〜Fnの方向は互いに360°/nの角度をなすことができ、打撃部130a〜130nの打撃力Fa〜Fnの固着面60aに対する角度θa〜θnは等しくできる。
打撃部130a,130bによる台座50に対する打撃力Fa,Fbは、同時に単数回及び複数回のいずれか加えられることが好ましい。あるいは、打撃部130a,130bによる台座50に対する打撃力Fa,Fbは、異なる時刻に単数回及び複数回のいずれか加えられてもよい。例えば、打撃部130a,130bによる台座50に対する打撃力Fa,Fbは、1回〜複数回ずつ交互に加えられてもよい。いずれの場合においても、打撃部130a,130bの打撃力Fa,Fbの方向や打撃力Fa,Fbの合力Rabの方向は、上記と同様にすることができる。以上のような打撃部130a,130bの打撃力Fa,Fbにより、図4(B)に示すように、セラミクス焼成体10から台座50が分離される。
本実施形態では、打撃部130a,130bにより、固着面60aに対して10°〜60°の角度θa,θbをなしてセラミクス焼成体10から遠ざかる方向に、固定部120により固定されたセラミクス焼成体10に固着した台座50に対して、打撃力Fa,Fbが加えられる。これにより、セラミクス焼成体10に欠けが生じることを防止しつつ、台座50をセラミクス焼成体10からより容易に分離することができる。
また、本実施形態によれば、打撃部130a,130bにより、台座50の複数の部位に対して打撃力Fa,Fbが加えられる。これにより、セラミクス焼成体10に欠けが生じることをさらに防止しつつ、台座50をセラミクス焼成体10からさらに容易に分離することができる。
また、本実施形態によれば、打撃部130a,130bによる台座50の複数の部位に対する打撃力Fa,Fbの方向のそれぞれは中心軸Aと交差する方向であり、打撃部130a,130bによる台座50の複数の部位に対する打撃力Fa,Fbの合力Rabの方向は中心軸Aに平行である。これにより、台座50に対称に打撃力Fa,Fbが加えられるため、セラミクス焼成体10に欠けが生じることをより一層防止しつつ、台座50をセラミクス焼成体10からより一層容易に分離することができる。
また、本実施形態によれば、打撃部130a,130bは、シリンダー132a,132bと、シリンダー132a,132bの内部で加圧されることによりシリンダー132a,132bに沿って摺動するピストンロッド133a,133bと、ピストンロッド133a,133bの先端で台座50に接触することにより打撃力Fa,Fbを加えるハンマーヘッド部134a,134bとを有する。これにより、簡単な構造で台座50に打撃力を加えることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、様々な変形態様が可能である。例えば、打撃部130a,130bは圧搾空気によりピストンロッド133a,133b及びハンマーヘッド部134a,134bを動かすものに限定されず、打撃部130a,130bは油圧等によりピストンロッド133a,133b及びハンマーヘッド部134a,134bを動かして打撃力Fa,Fbを加えてもよい。また、打撃部130a,130bは、電力、バネ、火薬等によりハンマーヘッド部134a,134bを動かして打撃力Fa,Fbを加えてもよい。また、固定部120の下側固定部121及び上側固定部122は、圧搾空気、油圧及びバネ等の力によって、セラミクス焼成体10の側面を挟んで固定してもよい。また、固定部120は、セラミクス焼成体10の側面の水平方向又は三箇所以上の方向から力を加えることにより、セラミクス焼成体10を固定してもよい。
セラミクス焼成体10は、コージェライトやシリコンカーバイド等からなる多孔質のセラミックスであってもよい。この場合、原料粉末として、コージェライト若しくはシリコンカーバイド又はこれらの混合物をもちいればよい。流路40の断面形状は、正六角形には限定されず、正方形、矩形、円形、楕円形、三角形、正六角形以外の六角形、八角形等にすることができる。断面の形状及び寸法が互いに異なる複数の種類の流路がセラミクス焼成体10に形成されていてもよい。流路40同士の間隔や、流路40の配置も特に限定されない。セラミクス焼成体10の外形は、底面10a,10bが円である円柱に限られず、例えば、底面10a,10bが楕円である円柱、三角柱、四角柱、六角柱、八角柱等とすることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
図2に示すような固着面60aに台座50が固着したセラミクス焼成体10に対して、図3に示すような台座分離装置100を用いて、以下の表1に示す条件により、セラミクス焼成体10と台座50とを分離した。表1において、「打撃方向」が45°とは、角度θa,θbが45°であることを示す。「打撃方向」が0°とは、角度θa,θbが0°であり、固着面60aに平行に打撃力Fa,Fbを与えたことを示す。表1において、「打撃1」が「有り」であり「打撃2」が「無し」のものは打撃部130aのみにより台座50に打撃力Faを与え、「打撃1」が「有り」であり「打撃2」が「有り」のものは打撃部130a,130bの両方により台座50に打撃力Fa,Fbを与えた。
図2に示すような固着面60aに台座50が固着したセラミクス焼成体10に対して、図3に示すような台座分離装置100を用いて、以下の表1に示す条件により、セラミクス焼成体10と台座50とを分離した。表1において、「打撃方向」が45°とは、角度θa,θbが45°であることを示す。「打撃方向」が0°とは、角度θa,θbが0°であり、固着面60aに平行に打撃力Fa,Fbを与えたことを示す。表1において、「打撃1」が「有り」であり「打撃2」が「無し」のものは打撃部130aのみにより台座50に打撃力Faを与え、「打撃1」が「有り」であり「打撃2」が「有り」のものは打撃部130a,130bの両方により台座50に打撃力Fa,Fbを与えた。
セラミクス焼成体10の固着面60aの直径は163mmであり、高さは140.5mmである。台座50の高さは45mmである。表1の「結果」の「トチ脱着」において、「不可」とは、台座50の分離が不可能であったことを示す。表1の「結果」の「トチ脱着」において、「良」とは、台座50の分離が短時間で行われたことを示す。表1の「結果」の「トチ脱着」において、「優」とは、台座50の分離が「良」よりも短時間で行われたことを示す。表1の「結果」の「欠け」において、「可」とは台座50の分離後にセラミクス焼成体10がわずかな欠けは有するものの製品として許容範囲内であることを示し、「優」とは台座50の分離後にセラミクス焼成体10に欠けが全く無いことを示す。
表1に示すように、打撃方向が45°である実施例1及び2では、打撃部130aのみにより台座50に打撃力Faを与えたにも関わらず、台座50の分離が短時間で完了し、セラミクス焼成体10の欠けもわずかであった。また、打撃方向が45°であり打撃部130a,130bの両方で台座50に打撃力Fa,Fbを与えた実施例3及び4では、台座50の分離がさらに短時間で完了し、セラミクス焼成体10の欠けは発見されなかった。一方、打撃方向が0°である比較例1では、台座50の分離が不可能であった。
1…グリーン成形体、1a,1b…底面、4…流路、5…未焼成台座、5a,5b…底面、10…セラミクス焼成体、40…流路、50…台座、60a…固着面、100…台座分離装置、110…基部、120…固定部、121…下側固定部、122…上側固定部、123…分離面、130a,130b…打撃部、131a,131b…支持部、132a,132b…シリンダー、133a,133b…ピストンロッド、134a,134b…ハンマーヘッド部、135a,135b…送気管、A,a…中心軸、Fa,Fb…打撃力、Rab…合力、θa,θb…角度。
Claims (10)
- 柱体の形状を有し、前記柱体の一方の底面から他方の底面に伸びる複数の流路を有し且つ一方の前記底面に台座が固着したセラミクス焼成体から、前記台座を分離するセラミクス焼成体の台座分離装置であって、
前記セラミクス焼成体を固定する固定部と、
一方の前記底面に対して10°〜60°の角度をなして前記セラミクス焼成体から遠ざかる方向に、前記固定部により固定された前記セラミクス焼成体に固着した前記台座に対して、打撃力を加える打撃部と、
を備えたセラミクス焼成体の台座分離装置。 - 前記打撃部は、前記台座の複数の部位に対して前記打撃力を加える、請求項1に記載のセラミクス焼成体の台座分離装置。
- 前記打撃部による前記台座の複数の前記部位に対する前記打撃力の方向のそれぞれは、一方の前記底面から他方の前記底面を通る前記セラミクス焼成体の中心軸と交差する方向であり、前記打撃部による前記台座の複数の前記部位に対する前記打撃力の合力の方向は前記中心軸に平行である、請求項2に記載のセラミクス焼成体の台座分離装置。
- 前記打撃部は、
シリンダーと、
前記シリンダーの内部で加圧されることにより前記シリンダーに沿って摺動するピストンロッドと、
前記ピストンロッドの先端で前記台座に接触することにより打撃力を加えるハンマーヘッド部と、
を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のセラミクス焼成体の台座分離装置。 - 柱体の形状を有し、前記柱体の一方の底面から他方の底面に伸びる複数の流路を有し且つ一方の前記底面に台座が固着したセラミクス焼成体から、前記台座を分離するセラミクス焼成体の台座分離方法であって、
前記セラミクス焼成体を固定する固定工程と、
一方の前記底面に対して10°〜60°の角度をなして前記セラミクス焼成体から遠ざかる方向に、前記固定工程により固定された前記セラミクス焼成体に固着した前記台座に対して、打撃力を加える打撃工程と、
を備えたセラミクス焼成体の台座分離方法。 - 前記打撃工程では、前記台座の複数の部位に対して前記打撃力を加える、請求項5に記載のセラミクス焼成体の台座分離方法。
- 前記打撃工程による前記台座の複数の前記部位に対する前記打撃力の方向のそれぞれは、一方の前記底面から他方の前記底面を通る前記セラミクス焼成体の中心軸と交差する方向であり、前記打撃工程による前記台座の複数の前記部位に対する前記打撃力の合力の方向は前記中心軸に平行である、請求項6に記載のセラミクス焼成体の台座分離方法。
- 柱体の形状を有し、前記柱体の一方の底面から他方の底面に伸びる複数の流路を有し且つセラミクス原料を含むグリーン成形体を焼成することにより、セラミクス焼成体を製造するセラミクス焼成体の製造方法であって、
前記グリーン成形体の一方の前記底面をセラミクス原料を含む未焼成台座により支持する支持工程と、
前記支持工程により前記未焼成台座に支持された前記グリーン成形体を焼成する焼成工程と、
前記焼成工程により一方の前記底面に前記台座が固着したセラミクス焼成体から、前記台座を分離する分離工程と、
を備え、
前記分離工程は、
前記セラミクス焼成体を固定する固定工程と、
一方の前記底面に対して10°〜60°の角度をなして前記セラミクス焼成体から遠ざかる方向に、前記固定工程により固定された前記セラミクス焼成体に固着した前記台座に対して、打撃力を加える打撃工程と、
を有する、セラミクス焼成体の製造方法。 - 前記打撃工程では、前記台座の複数の部位に対して前記打撃力を加える、請求項8に記載のセラミクス焼成体の製造方法。
- 前記打撃工程による前記台座の複数の前記部位に対する前記打撃力の方向のそれぞれは、一方の前記底面から他方の前記底面を通る前記セラミクス焼成体の中心軸と交差する方向であり、前記打撃工程による前記台座の複数の前記部位に対する前記打撃力の合力の方向は前記中心軸に平行である、請求項9に記載のセラミクス焼成体の製造方法。
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JP2015142819A JP2017024928A (ja) | 2015-07-17 | 2015-07-17 | セラミクス焼成体の台座分離装置、セラミクス焼成体の台座分離方法及びセラミクス焼成体の製造方法 |
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- 2015-07-17 JP JP2015142819A patent/JP2017024928A/ja active Pending
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