以下に、本発明に係る実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
以下では、容器のポット部外周に装着される筒状のフィルムが熱収縮性のラベルである例について説明する。ただし、筒状のフィルムは、例えば、ボトル容器の胴部に被嵌される熱収縮性の筒状ラベル、容器の口部外周に被嵌される熱収縮性の筒状フィルム、容器に添付物を結束するための熱収縮性の筒状フィルム等であってもよい。
また、以下では、ラベル被嵌システムでは、ヨーグルト等の内容物がそれぞれ収容された2列×2組の4つの容器を一体に含む容器パックである4ポットパックが搬送およびラベル被嵌される例について説明するが、本実施形態における容器搬送装置およびラベル被嵌装置はこれに限定されるものではない。例えば、2列×1組の2個の容器を一体に含む2ポットパック、2列×3組の6個の容器を一体に含む6ポットパック、3列×3組の9個の容器を一体に含む9ポットパック等について適用されてもよいし、あるいは、1つずつ分離した各容器が一列又は複数列で連続搬送されながらラベル被嵌される場合にも適用可能である。
図1は、本発明の一実施形態であるマンドレルヘッド40を備えるラベル被嵌システム10の全体構成を示す正面図である。また、図2は、図1のラベル被嵌システム10を上方から見た平面図である。さらに、図3において、(a)は4ポットパック、(b)は2ポットパック、(c)は6ポットパックの平面図および側面図である。
図1および図2に示すように、ラベル被嵌システム10は、矢印Aで示す容器搬送方向に沿って順に、第1容器搬送装置12、第2容器搬送装置14、第3容器搬送装置16、および第4容器搬送装置18を備える。また、ラベル被嵌システム10は、第3容器搬送装置16に沿って設置されているラベル被嵌装置(フィルム被嵌装置)20をさらに備える。
第1容器搬送装置12は、図3(a)に示す4ポットパックからなる容器パックCP4が図示しない製造装置によって製造されてラベル被嵌システム10に導入するために搬送する装置である。第1容器搬送装置12は、無端状のコンベヤベルト13が循環移動するように駆動され、各容器パックCP4はコンベヤベルト13上に載置された状態で矢印A方向へ直線状に搬送される。
また、第4容器搬送装置18は、ポット部外周にラベルが被嵌された容器パックCP4をラベル被嵌システム10から搬出する機能を有し、上記第1容器搬送装置12と同様に構成されている。
図3(a)に示すように、容器パックCP4は、2列×2組の4個の容器Cを一体に含む。各容器Cは、それぞれ、ヨーグルト等の内容物を収容可能に凹設されたポット部Pと、ポット部Pの上方開口の周縁に側方へ突出して形成されたフランジ部Fと、ポット部Pの上方開口を封止するシート状の蓋Sとを有する。これら4つの容器Cは、略正方形状の外形輪郭を有するフランジ部Fの端縁部で一体に連結されている。
各容器Cのポット部Pは、上方開口が角部を丸くした略四角形状に形成されている。また、ポット部Pの側壁は、上部開口から下端の底部に向けてテーパー状をなす外形に形成されている。また、4個の容器Cを一体に含む容器パックCP4において、容器搬送方向Aに隣り合う2つの容器Cのポット部P同士のピッチは、後述する成形機の成形型によって規定される所定ピッチPPに形成されている。さらに、4つの容器Cの各フランジ部Fによって囲まれた容器パックCP4の中央部には、略四角形の貫通孔が形成されている。さらにまた、各容器Cの上方開口を封止する蓋Sには、図示しない商品名等が記入されている。なお、フランジ部F同士の連結部には、1つずつの容器Cに破断分離し易くするための浅い破断容易化溝が形成されてもよい。
上記の容器パックCP4の製造方法の一例は、次のとおりである。まず、樹脂平板が製造装置の成形機に供給される。この成形機において、ポット部成形用の凸部が整列して形成された雄型と、各ポット部の外周面に対応する形状の内面をなす凹部が整列して形成された雌型とを含む成形型によって、上記樹脂平板が挟持される。これにより、各容器Cのポット部Pに相当する凹部が形成される。このようなポット部の成形動作が、樹脂平板を間欠的に供給して成形型を閉じて開くという工程を繰り返し実行することにより、多数のポット部Pが所定ピッチPPで成形された容器中間体が形成される。
上記成形機から送り出された容器中間体は、次に充填機に供給される。この充填機では、容器中間体の各ポット部Pにヨーグルト等の内容物が上方開口から注入および充填される。その後、容器中間体の上面にシート状の蓋Sをフランジ部Fに熱シールすることによってポット部Pの上方開口を密封する。そして、複数の容器パックCP4がフランジ部Fで連結された容器パック連続体が充填機から送り出される。
充填機から送り出された容器パック連続体は、所定個数ごとの容器Cを一体に含む容器パックCP4に分断される。本実施形態では、上述したように2列×2組の4個の容器Cを一体に含むように分断されて、各容器パックCP4が製造される。その後、各容器パックCP4は、第1容器搬送装置12のコンベヤベルト13上に供給されて、第2容器搬送装置14へと搬送される。
図1および図2を再び参照すると、製造装置から第1容器搬送装置12によって搬送されてきた各容器パックCP4は、容器貯留部22において第2容器搬送装置14の手前で一旦集積される。そして、各容器パックCP4は、第2容器搬送装置14によって、各容器パックCP4間の搬送ピッチが容器パックCP4に含まれるポット部P間の所定ピッチPPになるようピッチ出しされた状態で第3容器搬送装置16へと搬送される。
具体的には、第2容器搬送装置14は、第1容器搬送装置12に連続する直線状の容器搬送経路25の両側において容器搬送方向Aに沿って移動する複数の移動爪24を備える。複数の移動爪24は、容器搬送経路25の両側で略トラック状の移動軌跡を描きながら循環移動するように構成されている。直線帯状をなす容器搬送経路25に沿って直線状に移動する移動爪24の駆動機構は、容器搬送経路25の両側で同じ構成とすることができる。
各移動爪24は、各容器パックCP4を構成する各容器Cのフランジ部Fの下面に当接して吊下げ支持する支持上面と、各容器Cのポット部P間に嵌まり込んで搬送方向Aに隣り合う2つのポット部Pの外周にそれぞれ接触する先端外周面とを有する。ここで、移動爪24の先端外周面は半円形に形成されるのが好ましい。このような形状に形成されることで、上記容器貯留部22においてポット部P間の間隔が狭くなった隣り合う2つの容器パックCP4間に入り込むときにポット部Pの間隔を広げながら円滑に進入することができ、容器パックCP4の搬送ピッチを所定ピッチPPにピッチ出しすることができる。
第2容器搬送装置14によって所定ピッチPPで搬送される各容器パックCP4は、第3容器搬送装置16に受け渡される。第3容器搬送装置16は、容器搬送方向Aに沿って直線状に移動する下面を有する無端状のコンベヤベルト34を備える。コンベヤベルト34は、定速で回転駆動される場合には、第2容器搬送装置14によって所定ピッチPPにピッチ出しされた各容器パックCP4をその状態を維持しつつ天面吸着しながら搬送する吸着搬送ベルトである。
コンベヤベルト34には、図示しない多数の貫通孔が形成されている。また、ループ状をなすコンベヤベルト34の内側には、コンベヤベルト34の下面に隣接して吸引ボックス36が配置されている。吸引ボックス36の下壁部には、容器搬送方向Aに沿って延びる長穴38が形成されている。また、吸引ボックス36は、例えばポンプ等の図示しない吸引源に接続されている。これにより、第3容器搬送装置16のコンベヤベルト34は、第2容器搬送装置14によって搬送されてきた容器パックCP4の天面(すなわち蓋Sで封止された容器パックCP4の上面)をベルト下面に吸着し、各容器パックCP4を吊り下げた状態で搬送することができる。この際、第2容器搬送装置14によってピッチ出しされた各容器パックCP4間のピッチは維持されたままで吊下げ搬送されることになる。
次に、ラベル被嵌システム10におけるラベル被嵌装置20について説明する。図1に示すように、ラベル被嵌装置20は、容器パックCP4を吊下げ搬送する第3容器搬送装置16の下方に設置されている。また、図2に示すように、作業者OPが作業可能なスペースをラベル被嵌システム10の前方とし、第3容器搬送装置16を挟んだ奥側を後方としたとき、ラベル被嵌装置20はその前方部分が第2容器搬送装置16と鉛直方向に重なる位置に設置されている。
ラベル被嵌装置20は、第3容器搬送装置16によって吊下げ搬送される各容器パックCP4のポット部Pの外周に筒状のラベルLを被嵌するため多数のマンドレルヘッド40と、各マンドレルヘッド40をトラック状の移動軌跡で循環移動させるマンドレル移動装置42とを備える。
マンドレル移動装置42は、所定間隔を開けて設けられた駆動プーリ44および従動プーリ46と、これらのプーリ44,46に掛け渡された無端状のベルト48とを含む。駆動プーリ44はモータ49によって回転駆動されるように構成されている。また、上記多数のマンドレルヘッド40は、ベルト48の外周面に所定ピッチで取り付けられている。これにより、モータ49によって駆動プーリ44が回転駆動されるとベルト48が矢印方向に回転する。その結果、ベルト48に取り付けられた多数のマンドレルヘッド40がトラック状またはループ状の循環経路に沿って循環移動するようになっている。すなわち、マンドレルヘッド40は、ラベル被嵌装置20の前方部分においては直線移動区間47a(図6参照)を移動する。このマンドレルヘッド40の直線移動区間47aの移動経路が第3容器搬送装置16の真下に位置し、これにより第3容器搬送装置16によって吊下げ搬送される容器パックCP4と同期して並進移動しつつ、ラベル被嵌位置βにおいてラベルを各容器Cのポット部Pの外周に被嵌できるようになっている。
また、ラベル被嵌装置20には、ラベル形成ユニット50が設けられている。ラベル形成ユニット50は、長尺状のラベル基材を所定長さに切断して筒状のラベルLを形成し、そのラベルLを開口した状態で各マンドレルヘッド40のマンドレルの外周に被嵌させて受け渡す機能を有する。
本実施形態では、各マンドレルヘッド40が従動プーリ46の周囲を周る円弧状の曲線移動区間47b(図6参照)にあるラベル供給位置αでラベルがマンドレルヘッド40に受け渡されるように、ラベル形成ユニット50が設置されている。このように各マンドレルヘッド40が円弧状に移動する領域では各マンドレルヘッド40間に隙間が比較的大きく形成されるため、各マンドレルヘッド40にラベルを供給する動作を互いに干渉することなく確実に行うことができるという利点がある。ただし、これに限定されるものではなく、ラベル形成ユニット50はラベル被嵌装置20の他の領域(例えば、ラベル被嵌装置20の後方領域等)に設置されてもよい。また、各マンドレルヘッド40に設けられる2本のマンドレルについて別々の位置でラベルLが受け渡されるように2台のラベル供給ユニットを離して設置してもよい。
上述したようにラベル形成ユニット50は、ラベル被嵌システム10を上方から見たとき第3容器搬送装置16による容器搬送経路から外れた位置でラベルの形成およびマンドレルヘッド40へのラベルの受け渡しを行うように設置される。これにより、ラベル被嵌位置βにおいて容器パックCP4の容器Cに収容された内容物が何らかのトラブルでこぼれ落ちた場合でも、その下にラベル形成ユニット50を構成する切断ユニット等が存在しないため、ラベル形成ユニット50によるラベル供給動作を止めることなく継続することができる。したがって、ラベル被嵌システム10の稼働率が高くなり、生産性を向上させることができる。
また、多数のマンドレルヘッド40を循環移動させるマンドレル移動装置42の循環経路は、第3容器搬送装置16における直線状の容器搬送経路におけるラベル被嵌位置βと重なる位置から容器搬送経路の後方側を周ってラベル供給位置αを経てラベル被嵌位置βに戻る経路として形成されている。このようにマンドレルヘッド40の循環経路がラベル被嵌システム10の後方側のみに設置されているため、ラベル被嵌位置βの前方側を作業者OPの作業スペースとして使用することができ、作業性が向上するという利点がある。
さらに、ラベル被嵌システム10は、容器成形、内容物充填、蓋による密封、および、1個ずつ又は所定個数ごと容器を含む容器パックに分割するという一連の工程を行う製造装置に対して付加することができ、容器パックの各容器のポット部外周に商品名等を付したラベルを装着することが可能になる。
さらにまた、ラベル被嵌装置20には、清掃ステーション200および乾燥ステーション300を設けることもできる。これらのステーション200,300については後述する。
図4はラベル被嵌装置20に設けられるラベル形成ユニット50の正面図であり、図5はラベル形成ユニット50の側面図である。図4および図5において、ラベル基材LMとそこから切断形成されたラベルLが二点鎖線で示されている。
ラベル形成ユニット50は、図4および図5に示すように、筒状のラベルLが連続的につながり且つシート状に折り畳まれた状態のラベル基材LMから個別のラベルLを切り離しながら、このラベルLをラベル供給位置αに順次放出することで、マンドレル移動装置42によって順次に移送されてくるマンドレルヘッド40のマンドレルMに受け渡すようになっている。
ラベル形成ユニット50は、上から順に、マークセンサ51、インナーガイド52、ピッチ送りローラ対53、切断ユニット54、ラベル整形ガイド部材55、一対のショットローラ57a,57b、および移送ユニット58を備える。
マークセンサ51は、ラベル基材LM上に印刷等によって形成されたカットマークを検出するものである。マークセンサ51から出力されるマーク検出信号に基づいて、後述するピッチ送りローラ対53や切断ユニット54等の動作が制御される。
インナーガイド52は、マークセンサ51の下方に設けられており、つながった状態で連続的に搬送される筒状のラベル基材LMの内側に配置される。インナーガイド52は、ラベル基材LMの密着状態を解除するとともに、ラベル基材LMが鉛直方向に沿ってピッチ送りローラ対53に進入するのをガイドする機能を果たす。
ピッチ送りローラ対53は、ラベル基材LMを切断位置に向けて所定ピッチずつ間欠的に送り出す駆動ローラ53a及び従動ローラ53bのローラ対からなる。駆動ローラ53aは、例えばサーボモータやステッピングモータ等の図示しないモータによって回転駆動される。このモータは、上記マークセンサ51によるマーク検出信号に基づいて、ラベル基材LMがピッチ送りローラ対53の各ローラ53a,53b間から所定のカット長ずつ下方へ送り出されるように間欠的に駆動制御される。
切断ユニット54は、ピッチ送りローラ対53から所定長さずつ下方へ送り出されるラベル基材LMを順次切断することで個別のラベルLを形成する固定刃54a及び可動刃54bからなる切断装置である。可動刃54bは、例えばサーボモータやステッピングモータ等の図示しないモータによって往復駆動され、上記マークセンサ51によるマーク検出信号に基づいて、ピッチ送りローラ対53によるラベル基材LMの送出動作が一時停止している間に作動してラベル基材LMからラベルLを切り離すように制御される。なお、切断ユニット54は、固定刃と回転式の可動刃とによって構成されてもよい。
ラベル整形ガイド部材55は、ピッチ送りローラ対53によって送出されてきたラベル基材LMを被嵌することによって所定状態に開口するとともに、ラベル基材LMから切断されたラベルLを移送ユニット58の搬送作用によって下方へ搬送する際のガイド部材として機能する。
ラベル整形ガイド部材55は、上端側が先細楔状のラベル開口部55aと、このラベル開口部55aの下部に連設された断面円形状のラベル整形部55bとを有している。ラベル開口部55aの上端部に被嵌されたラベル基材LMは、個別のラベルLに切り離された後、ラベル開口部の下方側に移送されることによって徐々に開口されてゆき、ラベル整形部55bに被嵌されることで筒状に開口整形されるようになっている
移送ユニット58は、ラベル整形ガイド部材55のラベル開口部55aに被嵌した状態で、切断ユニット54によってラベル基材LMから切り離されたラベルLを、ラベル開口部55aとの間に挟み込んでラベル整形部55bに移送するフィードベルトユニット58a,58bから構成されている。フィードベルトユニット58a,58bは、それぞれ駆動プーリ59aと4個の従動プーリ59b,59c,59d,59eと、これらに掛け渡される細幅(例えば数mm程度)で無端状のフィードベルト59fとから構成されている。フィードベルト59fは、ラベル整形ガイド部材55の両側で軸方向に沿って回転駆動されることにより、ラベルLを開口した状態に整形しつつラベル整形ガイド部材55の下端部まで移送できるようになっている。
一対のショットローラ57a,57bは、ラベル整形ガイド部材55の下端部において径方向に対向する位置に設けられている。各ショットローラ57a,57bは、図示しないモータの回転軸にそれぞれ直結されている。これにより、各ショットローラ57a,57bが回転駆動されると、ラベル整形ガイド部材55に被嵌されたラベルLがラベル整形部55bの外周面に沿って下方に送り出されて、マンドレルヘッド40のマンドレルMに被嵌されることになる。
次に、図6および図7を参照して、本実施形態のラベル被嵌装置20についてより詳細に説明する。図6は、ラベル被嵌装置20のマンドレル移動装置42を上方から見て示す図である。図7は、図6中のG−G断面図である。
図6に示すように、ラベル被嵌装置20における多数のマンドレルヘッド40は、駆動プーリ44および従動プーリ46に架け渡されたベルト48が回転移動することにより、トラック状の移動経路で反時計回り方向(矢印J方向)に循環移動するように構成されることは上述した通りである。
本実施形態におけるマンドレルヘッド40は、上述した第1、第2および第3容器搬送装置12,14,16によって搬送される容器パックCP4が容器搬送方向Aと直交する方向に容器Cが2列に並んで搬送されるのに対応して、2本のマンドレルMをそれぞれ備えている。そして、このようなマンドレルヘッド40がマンドレル移動装置42の直線移動区間47を移動するとき、12本のマンドレルMを含む6つのマンドレルヘッド40が所定ピッチPPで平行に整列した状態で一群をなして移動するように構成されている。上記所定ピッチPPは、容器パックCP4に一体に含まれる容器Cのポット部P間のポットピッチ、および、第2容器搬送装置14によってピッチ出しされた各容器パックCP4の隣り合う2つのポット部P間の搬送ピッチPPと同等である。本実施形態では、このように整列した6つのマンドレルヘッド40が所定ピッチPPで整列した一群をなして直線移動区間47aを移動する間に、その上方で第3容器搬送装置16によって同期して搬送される容器パックCP4の各ポット部PにマンドレルMから押し上げられた筒状のラベルLが下方から被嵌される。
各マンドレルヘッド40は、ループ状の循環経路の内周側において可撓性を有するベルト48に上記所定ピッチPPで取り付けられている。マンドレルヘッド40は、ベルト48が従動プーリ46に巻き掛けられている領域では、隣接するマンドレルヘッド40間に扇状の隙間が形成された状態(第1移動状態)で円弧状の曲線移動区間47bを移動する。これに対し、ベルト48が直線状に移動する直線移動区間47aでは、所定ピッチPPで平行に整列した状態(第2移動状態)で一群をなして移動する。この場合、一群をなす各マンドレルヘッド40間には一定幅の隙間が形成されている。
直線移動区間47aにおいて一群をなす6つのマンドレルヘッド40の移動方向上流側および下流側には、他の一群をなすマンドレルヘッド40との間に隙間41が形成されている。この隙間41は、一群をなす6つのマンドレルヘッド40間の隙間よりも大きく形成されている。このような隙間41を設けておくことで、他の形状およびサイズの容器パックのラベル被嵌に対応するためにマンドレルヘッド40を交換する必要が生じた場合でも、マンドレル移動装置42をそのまま使用することが可能になる。
図7に示すように、マンドレルヘッド40に含まれる2本のマンドレルMは、第3容器搬送装置16によって吊下げ搬送される容器パックCP4の並んだ2つのポット部Pの底部との間に隙間(例えば数mm〜10mm程度)を介して対向しつつ非接触状態のままで並進移動しながらラベル被嵌動作が行われる。このラベル被嵌動作の間に容器パックCP4およびマンドレルMはいずれも上下動せずに水平方向へ直線状に移動する。そのため、容器搬送速度を増大させた場合にも、容器パックCP4の各ポット部Pへのラベル被嵌動作を安定して行うことができる。また、マンドレルMの上端がポット部Pの底部に非接触のままラベル被嵌動作が行われるため、容器パックCP4に含まれる容器Cのポット部Pを傷つけることもない。
また、本実施形態におけるラベル被嵌装置20では、12本のマンドレルMを含む6つのマンドレルヘッド40が所定ピッチPPで整列した一群をなして直線移動区間47aを移動する構成を採用している。このように2ポット、4ポットおよび6ポットの最小公倍数である12本のマンドレルMを含む6つのマンドレルヘッド40が1グループをなして移動する構成としたことで、本実施形態で例示する4ポットパックCP4以外に、2つの容器Cがフランジ部Fを介して2列×1組で一体に連なった2ポットパックCP2(図3(b)参照)や、6つの容器Cがフランジ部Fを介して2列×3組で一体に連なった6ポットパックCP6(図3(c)参照)についても部品変更(または型替え)なしで対応可能である。
より詳しくは、2ポットパックCP2の場合、計12個の容器Cを含む6つの2ポットパックCP2が第2容器搬送装置14によって所定ピッチPPにピッチ出しされた後、第3容器搬送装置16に受け渡されてラベル被嵌位置βに吊下げ搬送されてくる。4ポットパックCP4の場合、計12個の容器Cを含む3つの4ポットパックCP4が第2容器搬送装置14によって所定ピッチPPにピッチ出しされた後、第3容器搬送装置16に受け渡されてラベル被嵌位置βに吊下げ搬送されてくる。6ポットパックCP6の場合、計12個の容器Cを含む2つの6ポットパックCP6が第2容器搬送装置14によって所定ピッチPPにピッチ出しされた後、第3容器搬送装置16に受け渡されてラベル被嵌位置βに吊下げ搬送されてくる。このように2ポットパックCP2、4ポットパックCP4および6ポットパックCP6のいずれの場合にも、本実施形態におけるラベル被嵌装置20にてラベル被嵌を行うことが可能である。したがって、ラベル被嵌システム10の汎用性が向上し、設備コストを低減することができる。
なお、上記において一群をなす6つのマンドレルヘッド40の搬送方向の前後に隙間41が形成されているが、この隙間に対応する隙間が第3容器搬送装置16で搬送される容器パック間に形成されるように、例えば、第2容器搬送装置14から容器パックを第3容器搬送装置16に受け渡す際に第2容器搬送装置14の搬送速度(すなわちモータ30による移動爪24の移動速度)を減速させる等の制御を行えばよい。
ただし、4ポットパック等の特定個数の容器Cを一体に含む容器パックだけを考慮すれば、上記のような隙間41を設ける必要はなく、全てのマンドレルヘッド40が所定ピッチに相当する等ピッチでベルト48に取り付けられていてもよい。この場合にも、上記と同様に、2ポットパックCP2、4ポットパックCP4および6ポットパックCP6についての兼用が可能である。
次に、図7を参照して、ラベル被嵌装置20のマンドレル移動装置42について詳細に説明する。マンドレルヘッド40の2本のマンドレルMは、各下端部が例えば金属製のベース板60上に立設した状態で支持されている。ベース板60の内周端にはブラケット62が例えばボルト等の固定手段によって固定されている。そして、このブラケット62が外周側取付部材64を介してベルト48に例えばボルトおよびナット等の固定手段によって取り付けられている。また、ベルト48の内側には内周側取付部材66が配置されており、上記外周側取付部材64と内周側取付部材66との間にベルト48を挟持した状態でマンドレルヘッド40が例えばボルトおよびナット等の固定手段によってベルト48に固定されている。このようにしてマンドレルヘッド40は、ベルト48に対して片持ち状態で取り付けられている。
内周側取付部材66には、上下方向に所定距離だけ離れた位置に2つのローラ68が回転可能に取り付けられている。これらのローラ68のうち上側のローラ68は、マンドレル移動装置42内において所定位置に固定されているレール部材70の下面に当接されている。これにより、片持ち状態でベルト48とともに循環移動するマンドレルヘッド40の重量がローラ68およびレール部材70によって支持される構造としている。
上述したようにベルト48は駆動プーリ44および従動プーリ46に架け渡されており、モータ49(図2参照)によって駆動プーリ44を回転駆動させることによって循環移動する。各プーリ44,46は、マンドレル移動装置42の架台43に立設された軸45によってそれぞれ回転可能に支持されている。なお、図7では従動プーリ46およびこれを支持する軸45のみが示されている。
マンドレル移動装置42は、断面がコ字状をなす上部カバー80が設置されている。上部カバー80は、架台43に立設された軸45の上端に固定されるフレーム72に例えばねじ等の固定手段によって固定されている。上部カバー80の前方壁部80aおよび後方壁部80bは上方からマンドレルヘッド40のブラケット62の外周側にそれぞれ垂下して、各下端部がベース板60の上面に近接する位置までそれぞれ延びている。このように上部カバー80によって覆われることで、後述するようにマンドレルヘッド40を洗浄する場合にもマンドレル移動装置42の内部に洗浄液が進入するのを抑制できる。
上部カバー80の天板部には、断面または側面がL字状をなす固定部材74がマンドレル移動装置42の前後にそれぞれ取り付けられている。そして、マンドレル移動装置42の前部の固定部材74には、第1カムプレート76および第2カムプレート78が固定され、後部の固定部材74には支持プレート77が固定されている。支持プレート77の上面は水平方向に延伸しており、この上面にマンドレルヘッド40の第1カムフォロワ94が当接している。これにより、マンドレルヘッド40に含まれるマンドレルMの構成部材(すなわち、ラベル送出ガイド、押上げプレート、第1および第2連結部材等)の重量を支持する構造としている。
なお、上記においては、マンドレルヘッド40を循環移動させる移動部材としてベルト48を用いる例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、複数本のチェーンを複数のスプロケットで循環移動させる構成としてマンドレルヘッド40を上記チェーンに連結してもよい。
マンドレルヘッド40のベース板60の下面には、アーム部材110を介してカムフォロワ112が回転可能に取り付けられている。このカムフォロワ112は、従動プーリ46の下方に配置された曲線カムプレート114のカム溝に係合している。これらのアーム部材110、カムフォロワ112および曲線カムプレート114によって構成されるマンドレルヘッド40の角度調整機構の詳細については後述する。
続いて、図8〜図10を参照してマンドレルヘッド40の構成および動作についてより詳細に説明する。図8(a)はマンドレルヘッド40の一部断面を含む正面図であり、図8(b)は図8(a)中のH−H断面図であり、図8(c)は図8(a)中のI−I断面図である。図8(および図9)では、マンドレルヘッド40に取り付けられたアーム部材110およびカムフォロワ112の図示が省略されている。
図8(a)に示すように、マンドレルヘッド40は、2本のマンドレルMと、マンドレルMの各下端部を支持するベース板60と、ベース板60の内周端(図8(a)の右側)に固定されてマンドレルMと平行に上方へ延びるブラケット62とを備える。マンドレルMは、容器搬送方向A(図1および図2参照)と直交する方向に並ぶ2つのポット部Pに等しいピッチでベース板60上に立設されている。
マンドレルヘッド40のベース板60は、軽量でかつ防錆性を有する金属板で構成されるのが好ましい。具体例として、ベース板60には、例えばアルミニウム板を用いることができる。ただし、これに限定されるものではなく、軽量でかつ防錆性を有する樹脂製の平板をベース板60として用いてもよい。
各マンドレルMは、下端部がベース板60に固定されて上方に延伸するマンドレルシャフト84と、マンドレルシャフト84の周囲においてシャフト軸方向(本実施形態では上下方向)に移動可能に外装されたラベル送出ガイド86と、ラベル送出ガイド86の周囲においてシャフト軸方向に移動可能に外装された押上げプレート88とを備える。
マンドレルシャフト84は、例えば樹脂製の棒状部材で形成される。本実施形態では、マンドレルシャフト84の上端部は略四角錐台状に形成されている。このようなテーパー状の上端部84aを有することで、開口状態でラベル形成ユニット50から下方に供給されるラベルLを受け取り易くできる。
また、マンドレルMは、マンドレルシャフト84の上端部84aの下側にラベル保持部85を有する。ラベル保持部85は、マンドレルヘッド40がラベル供給位置αからラベル被嵌位置βまで移動する間、マンドレルMに被嵌されたラベルLがマンドレルMの外周面上に保持される部分である。ラベル保持部85は、退避位置にあるラベル押上げプレート88よりも上方に位置している。
マンドレルMのラベル保持部85は、ラベルLの長さ以上にわたって延びるテーパー面として形成されるのが好ましい。このようにラベル保持部85をラベル長さ以上に設定することで、ラベルLの全長にわたってラベル保持部85との間の隙間を小さくすることができ、その結果、ラベルLの保持状態を安定させるのに有利である。また、このようなテーパー面でラベル保持部85を形成することで、ラベルLが自然収縮や製造上の公差によって若干小径になった場合でも、保持位置が少し高くなるだけであって、ラベルLの被嵌および送出に何ら支障を来すことはない。したがって、ラベルLの自然収縮や製造上の公差にも十分に対応可能になる。また、ラベルLの折径が変更になった場合でも、変更幅が小さければ同じマンドレルMを用いることができる。
マンドレルシャフト84は、上端部84aに下側に続く中間軸部84bを有する。図8(b)に示すように、マンドレルシャフト84の中間軸部84bは、略正方形状の断面を有し、その四隅に例えばV字状の切り込みからなるガイド溝98がシャフト軸方向に沿って形成されている。
マンドレルシャフト84の中間軸部84bのガイド溝98には、ラベル送出ガイド86の一部をなすガイドバー86aが嵌まり込んでいる。ラベル送出ガイド86aのガイドバー86aは、中心角度が略直角の扇状断面を有しており、円弧状をなす外側表面がラベル保持部85の表面の一部を形成している。また、マンドレルシャフト84の中間軸部84bにおいて外周に露出した外側表面も、ラベル保持部85の表面の一部を構成している。
マンドレルシャフト84の中間軸部84bには、略正方形の各辺部の中央位置に4本の係合溝87がシャフト軸方向に沿ってそれぞれ延伸形成されている。係合溝87には、後述する押上げプレート88の片部89aが上下移動可能に嵌まり込んでいる。
図8(c)に示すように、マンドレルシャフト84において中間軸部84bに連続する下側軸部84cは、円形断面を有する丸棒軸部として形成されている。上記ガイド溝98と係合溝87は、マンドレルシャフト84の中間軸部84bから上端部84aまで延びて形成されているが、下側軸部84cには形成されていない。
マンドレルMのラベル送出ガイド86は、マンドレルシャフト84と同様の樹脂材料からなる筒状部材で構成される。ラベル送出ガイド86の下部86bは、図8(a),(c)に示すように、マンドレルMのラベル保持部85と同様に、角部を丸めた略正方形状の外形輪郭を有する。また、ラベル送出ガイド86の下部86bは、内部に円形の空洞が形成された筒状をなしている。これに対し、ラベル送出ガイド86の上部にはマンドレルシャフト84のガイド溝98に対応する4本のガイドバー86aが形成されている。これらのガイドバー86aは、マンドレルシャフト84のガイド溝98内に上下移動可能にそれぞれ配置されている。ガイドバー86aの円弧状の外側表面は、マンドレルシャフト84の中間軸部84bの外周面とほぼ段差なく形成されるのが好ましい。このように形成することで、マンドレルMについてのラベルLの受取りおよび送出しを引っ掛かりなく円滑に行うことができる。
マンドレルMの押上げプレート88は、図8(b),(c)に示すように、2本のマンドレルMを挿通可能な2つの貫通孔89が形成された例えば樹脂製の平板部材である。これらの貫通孔89は、マンドレルシャフト84の中間軸部84bおよびラベル送出ガイド86のガイドバー86aを含んで構成されるラベル保持部85の外形輪郭より一回り大きい略正方形状に形成されている。貫通孔89の周縁部において各辺部の中央位置には、貫通孔89の中心部に向かって突出する4つの片部89aが形成されている。そして、これらの片部89aが上記マンドレルシャフト84の中間軸部84bに形成された係合溝87内に係合しつつ上下移動可能に配置されている。
マンドレルヘッド40に含まれる2本のマンドレルMの各ラベル送出ガイド86は、各下端部において、例えば樹脂製の連結板92aにそれぞれ固定されている。連結板92aの一端部は、例えばボルト等の固定手段によって第1連結部材92bに固定されている。ベース板60上には、マンドレルMと平行に2本のガイド部材90が立設されている。各ガイド部材90の上端には、ストッパ91が固定されている。ここで、ガイド部材90は、防錆性を有する金属製の丸棒部材で構成されるのが好ましい。具体的には、例えばステンレス製の丸棒をガイド部材90として好適に使用できる。
上記第1連結部材92bは、例えば樹脂製のブッシュ93を介してガイド部材90に摺動可能に支持されている。第1連結部材92bの側部には、第1カムフォロワ94が回転可能に取り付けられている。そして、第1カムフォロワ94がマンドレル移動装置42の第1カムプレート76上に当接している。第1カムフォロワ94と第1カムプレート76とにより、各マンドレルMのラベル送出ガイド86を上下移動させる第1カム機構が構成される。
また、マンドレルヘッド40の押上げプレート88は、一端部において第2連結部材95に例えばボルト等の固定手段で固定されている。第2連結部材95は、第1連結部材92bと同様に、例えば樹脂製のブッシュ93を介してガイド部材90に摺動可能に支持されている。第2連結部材95の側部には、第2カムフォロワ96が回転可能に取り付けられている。そして、第2カムフォロワ96がマンドレル移動装置42の第2カムプレート78上に当接している。第2カムフォロワ96と第2カムプレート78とによって、マンドレルヘッド40の押上げプレート88を上下移動させる第2カム機構が構成される。
図9(a)は、ラベル供給位置αにおけるマンドレルヘッド40の状態を示す正面図であり、図9(b)は、ラベル被嵌位置βにおけるマンドレルヘッド40の状態を示す正面図である。
図9(a)に示すように、マンドレルヘッド40がマンドレル移動装置42によってラベル供給位置αを通過するとき、上方に配置されたラベル形成ユニット50から筒状のラベルが開口した状態で供給される。このとき、マンドレルヘッド40の各マンドレルMでは、ラベル送出ガイド86がマンドレルシャフト84に対して下降したラベル受取位置にある。この状態では、ラベル送出ガイド86のガイドバー86aがマンドレルシャフト84のテーパー状の上端部84aより下に位置してガイド溝98内に収納されている。したがって、マンドレルヘッド40は、テーパー状の上端部84aを介して筒状のラベルLを各マンドレルMの外周に円滑かつ確実に受け取ることができる。
これに対し、図9(b)に示すように、ラベル被嵌位置βでは、第1カム機構76,94の駆動によりラベル送出ガイド86が所定高さまで上昇移動してラベル送出位置となる。このラベル送出位置では、ラベル送出ガイド86のガイドバー86aの各上端部がマンドレルシャフト84のテーパー状の上端部84a周囲に突出した状態となって、容器Cのポット部Pの外周形状とほぼ同等の大きさにラベルLを開口させた状態で送出可能になる。
この状態で、第2カム機構78,96の駆動により押上げプレート88が、図9(a)に示す退避位置から図9(b)に示すラベル押上げ位置へと上昇移動する。これにより、押上げプレート88の片部89aがマンドレルシャフト84の中間軸部84bの係合溝87に沿って上昇移動する。すると、マンドレルシャフト84のラベル保持部85に被嵌されたラベルLは、その下端縁に押上げプレート88の片部89aが当接して持ち上げられ、マンドレルMから容器Cのポット部Pの外周に下方から被嵌される。
次に、図10を参照して、本実施形態のマンドレルヘッド40によるラべル被嵌動作について説明する。図10(a)〜(l)は、マンドレルヘッド40のラベル被嵌動作を経時的に示す動作説明図である。図10(a)〜(l)において、マンドレルMのラベル被嵌動作は図中の左側から右側に移行する。また、図10中において、第1カムフォロワ94の中心点の移動軌跡が二点鎖線140で示され、第2カムフォロワ96の中心点の移動軌跡が二点鎖線79によって示されている。なお、図12では、容器パックCP4を搬送する第3容器搬送装置16の図示が省略されている。
図10(a)〜(c)に示すように、マンドレルヘッド40は、マンドレル移動装置42によって直線移動区間47aに沿って移動する。そして、図10(d),(e)に示すように、マンドレルヘッド40がラベル被嵌位置βに移動してくると、第1カムプレート76によって第1カムフォロワ94が押し上げられて、ラベル送出ガイド86のガイドバー86aがマンドレルシャフト84の上端部84a周囲に突出したラベル送出位置になる。このとき、ガイドバー86aの上端は、マンドレルシャフト84の上端よりも少し高いが容器Cのポット部Pに接触しない位置まで上昇するのが好ましい。これにより、マンドレルMから送り出されたラベルLをポット部Pの周囲により確実に被嵌することができる。
ラベル送出ガイド86の上昇と同期して、図10(d)〜(g)に示すように、第2カムプレート78によって第2カムフォロワ96が押し上げられる。これにより、押上げプレート88は、マンドレルMのラベル保持部85より下方に位置する退避位置から上昇移動を開始する。そして、押上げプレート88は、その上面がラベル送出ガイド86のガイドバー86aの上端とほぼ同じ高さになるラベル押上げ位置まで上昇移動する。その結果、押上げプレート88によってマンドレルMから押し出されたラベルLが容器Cのポット部Pの外周に下方から被嵌される。
ラベルLはポット部Pの外周に被嵌されると、図10(h)〜(l)に示すように、押上げプレート88は下降移動して通常の退避位置まで下降し、ラベル送出ガイドは図10(i)〜(l)に示すように、ラベル送出位置からラベル受取位置まで下降する。これにより、ラベル供給位置αでのラベル受取りの準備が整う。
ラベルLがポット部Pに被嵌された容器Cを含む容器パックCP4は、第3容器搬送装置16によって引き続き搬送される(図1参照)。この際、ラベルLは、例えば、それ自体が有する弾性復元力(またはコシ)によってポット部Pの外周面に接触することにより保持される。この状態で、容器パックCP4は、第3容器搬送装置16の吸着搬送ベルト34による吸引が解除されることによって、第4容器搬送装置18に乗り移る。その後、ラベルLが被嵌された容器パックCP4は、図示しない加熱装置を通過する際にラベルLが熱収縮することで、ラベルLの装着が完了する。そして、容器パックCP4は、梱包等の後工程に搬送される。
次に、本実施形態におけるマンドレル移動装置42でのマンドレルヘッド40の角度調整機構および動作について説明する。図11(a)はマンドレル移動装置42の従動プーリ46側を示す側面図であり、図11(b)はその上方から見たときの曲線カムプレート114のカム溝とマンドレルヘッド40のカムフォロワ112との係合状態を示す平面図である。また、図12は、曲線カムプレート114において円弧状のカム溝と直線状のカム溝との境界部に設けられる角度調整カム溝部分(角度調整溝部)118dを示す拡大図である。
図11(a),(b)に示すように、マンドレルヘッド40のベース板60の下面にはアーム部材110が例えばボルト等の締結手段によって固定されている。アーム部材110は、従動プーリ46の下方へ延伸しており、その端部にカムフォロワ112が回転可能に取り付けられている。マンドレルヘッド40のカムフォロワ112は、ベルト48に取り付されるマンドレルヘッド40の幅方向の中心線116に対して所定寸法dだけ移動方向上流側へずれた位置に配置されている。上記幅方向中心線116がベルト48と交わる位置がマンドレル40のベルト48に対する取付位置に相当し、後述するようにマンドレルヘッド40の揺動中心位置になる。
曲線カムプレート114は、マンドレル移動装置42の曲線移動区間47bに対応する位置に設けられる。具体的には、曲線カムプレート114は、従動プーリ46の下方に配置されている。曲線カムプレート114には下向きに開口するカム溝118が形成されている。カム溝118の幅は、カムフォロワ112の直径よりも少し大きく形成されている。このカム溝118にマンドレルヘッド40のカムフォロワ112が係合している。
曲線カムプレート114のカム溝118は、マンドレル移動装置42の後方の直線移動区間47cを直線状に移動してきたマンドレルヘッド40のカムフォロワ112を受け入れる直線状の入口側カム溝部分118aと、入口側カム溝部分118aから外径側へそれるように膨らんでから一定曲率半径の円弧状に延伸する円弧状カム溝部分118bと、マンドレル移動装置42の曲線移動区間47bから前方の直線移動区間47aに移動したマンドレルヘッド40のカムフォロワ112が出ていく直線状の出口側カム溝部分118cとを含む。そして、円弧状カム溝部分118bと出口側カム溝部分118cとは、角度調整カム溝部分118dを介して連続している。
図11(b)に示すように、曲線カムプレート114に隣接して、直線カムプレート120,122を設けるのが好ましい。直線カムプレート120には曲線カムプレート114の入口側カム溝部分118aに連続する直線状のカム溝121が形成されている。この直線カムプレート120によって、マンドレルヘッド40のカムフォロワ112が曲線移動区間47bに差しかかる際に曲線カムプレート114のカム溝118に確実に進入するようにガイドされる。また、直線カムプレート122には曲線カムプレート114の出口側カム溝118cに連続する直線状のカム溝123が形成されている。この直線カムプレート122によってマンドレルヘッド40のカムフォロワ112がガイドされることによって、マンドレルヘッド40が直線移動区間47aを直線状に移動するガイド機能を果たすことができる。ただし、これらの直線ガイドプレート120,122は、省略されてもよい。
図12に示すように、曲線カムプレート114に形成されたカム溝118において、角度調整カム溝部分118dは、従動プーリ46の回転中心(すなわち軸45の回転中心)から一定の曲率半径Rで円弧状をなす円弧状カム溝部分118bよりも小さい曲率半径rの円弧状に形成されて、直線状の出口側カム溝部分118cに滑らかに接続している。このような角度調整カム溝部分118dは、マンドレルヘッド40が曲線移動区間47bから直線移動区間47aに移行する直前にカムフォロワ112が通過する位置に配置されている。
図13は、曲線カムプレート114の角度調整カム溝部分118dをカムフォロワ112が移動するときにマンドレルヘッド40が傾く状態を示す図である。図14は、マンドレルヘッドの傾きが解消される様子を段階的に示す図である。
図12および図13に示すように、マンドレルヘッド40のカムフォロワ112がカム溝118の角度調整カム溝部分118dに到達すると、角度調整カム溝部分118dの外周側壁119に当接して内周側に押される。これにより、マンドレルヘッド40は、曲線移動区間47bの出口付近であって直線移動区間47aに進入する直前位置において、時計回り方向に若干回動する。その結果、マンドレルヘッド40が、ベルト48の移動軌跡の法線117に対して移動方向上流側に所定角度θ1だけ傾いた状態になる。より詳しくは、マンドレルヘッド40はベルト48への取付位置を揺動中心142として揺動することによって、マンドレルヘッド40のベース板60の幅方向中心線116が上記移動軌跡の法線117に対して移動方向上流側に所定角度θ1だけ傾いた状態になる。ここで、所定角度θ1は、例えば1度〜15度程度(より好ましくは2度〜3度)に設定されるのが好ましい。所定角度θ1がこの範囲より大きいとベルト48の撓み量が大きくなってベルト48の劣化が進行しやすく、一方、所定角度θ1が上記範囲より小さいとマンドレルヘッド40の速度の漸減効果を有効に発揮できなくなるからである。
このようなマンドレルヘッド40の傾きは、小さい曲率半径rで形成された角度調整カム溝部分118dの外周側壁119によりカムフォロワ112が内周側に押圧されると、マンドレルヘッド40がブラケット62を介して取り付けられている可撓性のベルト48が撓むことによって生じる。この作用は、カムフォロワ112がマンドレルヘッド40のベース板60の幅方向中心線116(図11(b)参照)からずれて位置することによって可能になる。
マンドレルヘッド40が所定角度θ1だけ傾いた後、マンドレルヘッド40のカムフォロワ112が角度調整カム溝部分118dを通過するにつれて、図14中に一点鎖線40b、破線40c、二点鎖線40dおよび破線40eで示すように、ベルト48の撓みが少しずつ小さくなることによって、マンドレルヘッド40の傾きが次第に解消される。そして、カムフォロワ112が角度調整カム溝部分118dの出口付近に到達すると、図14中に実線40fで示すように、マンドレルヘッド40は直線移動区間47aの最初の位置において、移動方向下流側に隣接するマンドレルヘッド40gとの間に一定幅Wの隙間を空けて平行に整列した状態になる。この状態で、マンドレルヘッド40は、一群をなして直線移動区間47aを直線状に移動してラベル被嵌位置βへ向かう。
このように本実施形態のラベル被嵌装置20では、マンドレル移動装置42において、各マンドレルヘッド40が扇状の隙間を形成した状態で曲線移動区間47bを移動する第1移動状態から所定ピッチで平行に整列した状態で直線移動区間47aを移動する第2移動状態へ移行する直前に、マンドレルヘッド40を移動方向と直交する方向に対して移動方向上流側に傾ける構成としている。これにより、直線移動区間47aで平行状態に整列する直前に、マンドレルヘッド40の外側端部の相対移動速度が所定速度から漸減してゼロになる。ここで「相対移動速度」とは、ベルト48に隣り合って取り付けられている2つのマンドレルヘッド40の外側端部間の相対的な移動速度を意味する。このようにマンドレルヘッド40の相対移動速度が漸減してゼロになることで、曲線移動区間47bから直線移動区間47aに入ったマンドレルヘッド40が移動方向下流側に隣接するマンドレルヘッド40gに衝突するのを抑制または解消することができる。その結果、マンドレルヘッド40同士の衝突による騒音の発生、および、平行に整列した状態でマンドレルヘッド40により行われる容器Cのポット部PへのラベルLの被嵌動作を安定して行うことができる。
図15は、マンドレルヘッド40を移動方向上流側に傾ける別の構成を示す図である。上記においては、可撓性を有するベルト48の撓みを利用してマンドレルヘッド40を傾ける構成としたが、図15に示すように、ベルト48に固定されるブラケット62に対してマンドレルヘッド40のベース板60をピボット軸130で揺動可能に連結し、ベース板60にカムフォロワ(図示せず)を設けて上記と同様の曲線カムプレートのカム溝に係合させることにより、ベース板60をブラケット62に対して移動方向上流側へ所定角度θ2だけ傾ける構成としてもよい。このθ2は、上記θ1と同じ角度であってもよいし、あるいは、異なる角度であってもよい。この場合、マンドレルヘッド40が直線移動区間47aに差しかかったときに、図示しないばね等の弾性部材でベース板60がブラケット62に対して直交する方向に延伸する元の位置に復帰させ、図示しないストッパによってこの状態が維持される構成を追加してもよい。図15に示す変形例は、マンドレルヘッド40が取り付けられる可撓性のベルト48に代えて、可撓性を有しない移動部材が用いられる場合に特に有効である。
図2を再び参照すると、本実施形態のラベル被嵌システム10において、ラベル被嵌装置20に清掃ステーション200を設置してもよい。清掃ステーション200は、マンドレル移動装置42によってマンドレルヘッド40が直線移動区間47aを移送された後に円弧状の軌跡で移動する領域に設けるのが好ましい。この領域では、ベルト48上に所定ピッチPPで取り付けられたマンドレルヘッド40間に扇状の大きな隙間が形成された状態で移動するため、各マンドレルヘッド40をきれいに清掃することが可能になるからである。
清掃ステーション200は、ラベル被嵌位置βを含む直線移動区間47aにおいて容器Cからこぼれ落ちてマンドレルヘッド40に付着した内容物を清掃するための装置である。清掃ステーション200は、例えば内容物が粉体である場合には、エアを吹き付けてマンドレルヘッド40上に落ちた内容物を吹き飛ばして清掃する構成とすることができる。
あるいは、清掃ステーション200は、マンドレルヘッド40に例えば水等の洗浄液を吹き付けて洗浄する構成としてもよい。この場合、マンドレルヘッド40の循環経路において清掃ステーション200の下流側に乾燥ステーション300を設置するのが好ましい。乾燥ステーション300は、例えば温風をマンドレルヘッド40に吹き付けることにより乾燥させる構成とすることができる。
上記のような清掃ステーション200を設けることで、マンドレルヘッド40を清潔な状態に維持してラベル被嵌動作を行うことができ、ラベル被嵌装置20の衛生性(サニタリー性)を確保することができる。
上記清掃ステーション200、および場合によって設けられる乾燥ステーション300は、常時稼働するものとしてもよいし、定期的に稼働するものとしてもよいし、あるいは、内容物がこぼれたときに作業者の手動操作により又は自動的に稼働するものとしてもよい。
なお、本発明の構成は、上述した実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等物の範囲内で種々の変更や改良が可能である。
上記においては、曲線カムプレート114をマンドレル移動装置42の従動プーリ46側に設置した例について説明したが、これに限定されるものではなく、同様の曲線カムプレートを駆動プーリ44側にも設置してもよい。これにより、マンドレル移動装置42において、マンドレルヘッド40がラベル被嵌位置βを通過した後の曲線移動区間47dから後方の直線移動区間47cに入る位置でもマンドレルヘッド40同士の衝突を抑制または解消できる。
また、上記においては、マンドレルヘッド40がトラック状に循環移動される例について説明したが、これに限定されるものではない。本発明は、マンドレルヘッドが円弧状の曲線移動区間から直線移動区間へと移動する移動経路を含むどのようなマンドレル移動装置に適用されてもよい。
さらに、本発明は、上述した実施形態における内容物が充填された容器パックに限定されず、内容物が充填されていない状態を含め、各種形状の容器の外周に筒状フィルムを被嵌するフィルム被嵌装置に広く適用できることはいうまでもない。