JP2017023598A - X線撮像装置及び透視撮影制御方法 - Google Patents

X線撮像装置及び透視撮影制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】X線撮像装置において、問診や手動による照射モードの切り替えに依存することなく、確実に植込み機器のオーバーセンシングを防止するX線撮像装置を提供する。【解決手段】X線撮像装置は、X線源及びX線検出器を含み、被写体のX線画像を取得する撮像部と、被写体に植込まれている機器の有無或いは機器に関する情報を取得する機器情報取得部19と、機器情報取得部が取得した情報に基づき、撮像部を制御し、透視時のX線照射条件及び/又は撮影条件を制御する制御部10と、を備える。機器情報取得部は、例えば、被写体のX線画像または予め登録された被写体の情報から、機器に関する情報を取得する。【選択図】図2

Description

本発明は、X線撮像装置に関し、特に植込み型心臓ペースメーカや植込み型除細動器などの機器が体内に植込まれた被写体を撮影する際にパルス状のX線が機器に与える影響を回避する技術に関する。
X線撮像装置は、X線を被写体に照射し、被写体を透過したX線を検出し画像化する装置であり、診断の目的に応じて、静止画像としてX線画像を取得する撮影と、比較的弱いX線条件で連続的にX線を照射しながら動画像を取得する透視とが適宜選択して行われる。透視に用いるX線としては、連続X線の他に、近年では被ばく量低減のために断続的にX線照射を行うパルス状のX線が広く用いられている(例えば特許文献1)。
心臓ペースメーカや除細動器などの機器は、パルス状X線の照射によりオーバーセンシングを起こし、患者の脈拍を不必要に抑制するおそれがあることが知られている。このため、これら機器が植込まれている被写体をX線撮影する際には、事前に問診を行い、機器の植込みの確認し、放射線技師や医師によって、X線を非パルス状で照射するモードに手動で選択し、機器がパルス状X線によりオーバーセンシングすることを防止している。
特開2007−97666号公報
救急の時や被写体が意識を喪失している場合など、事前に植込み機器の有無を十分に確認できない場合がある。また放射線技師や医師が、植込み機器の確認やX線照射モードの変更を失念する可能性もある。これらの場合、機器が植込まれているにも拘わらず、パルス状X線を照射するモードで透視が行われ、機器がオーバーセンシングを起こし、重大な結果を招きかねない。
本発明は、このような問診や手動による照射モードの切り替えに依存することなく、確実に植込み機器のオーバーセンシングを防止することを課題とする。
本発明は、X線撮像装置に、植込み機器の有無に関する情報を自動的に取得する機能を持たせることにより上記課題を解決する。すなわち、本発明のX線撮像装置は、X線源及びX線検出器を含み、被写体のX線画像を取得する撮像部と、前記被写体に植込まれている機器の有無或いは前記機器に関する情報を取得する機器情報取得部と、前記機器情報取得部が取得した情報に基づき、前記撮像部を制御し、透視時のX線照射条件及び/又は撮影条件を制御する制御部と、を備える。
機器情報取得部は、例えば、被写体のX線画像または予め登録された被写体の情報から、機器に関する情報を取得する。
本発明によれば、機器情報取得部が取得した情報に基づいて、透視時のX線照射条件を制御するので、緊急時や不注意な操作による植込み機器へのパルス状X線照射を回避し、確実にオーバーセンシングを防止することができる。
本発明が適用されるX線撮像装置の全体構成を示す図 X線撮像装置の制御部及び画像処理部の機能ブロック図 第一実施形態のX線撮像装置の動作の流れを示す図 第一実施形態の変更例の動作の流れを示す図 (a)〜(c)は、第二実施形態の画像処理部の処理を説明する図 第二実施形態のX線撮像装置の動作の流れを示す図 第三実施形態のX線撮像装置の動作の流れを示す図 第四実施形態のX線撮像装置の動作の流れを示す図 第四実施形態のX線撮像装置の表示装置の表示例を示す図 第四実施形態のX線撮像装置の動作の流れ(適用例)を示す図 第四実施形態の変更例の動作の流れを示す図 可動絞りの動きを説明する図 第五実施形態のX線撮像装置の動作の流れを示す図 X線画像とX方向ラインプロファイルを示す図 X線画像とY方向ラインプロファイルを示す図 可動絞りとX線照射範囲との関係を示す図 第五実施形態の変更例の動作の流れを示す図 第六実施形態のX線撮像装置の動作の流れを示す図 テーブル位置とX線照射範囲との関係を示す図 第七実施形態のX線撮像装置の動作の流れを示す図 第八実施形態のX線撮像装置の動作の流れを示す図 X線撮像装置の機能ブロック図
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態のX線撮像装置は、X線源及びX線検出器を含み、被写体のX線画像を取得する撮像部と、被写体に植込まれている機器の有無或いは前記機器に関する情報を取得する機器情報取得部と、機器情報取得部が取得した情報に基づき、被写体に植込まれている機器の有無を判定する判定部と、判定部の判定結果に基づき、撮像部を制御し、透視時のX線照射条件及び/又は撮影条件を制御する制御部と、を備える。
機器情報取得部は、前記被写体のX線画像をもとに、被写体に前記機器が植込まれているか否かを判定する、或いは、被写体の状態を計測する外部計測器からの計測結果を入力し、被写体に前記機器が植込まれているか否かを判定する判定部を備える。制御部は、判定部が被写体に前記機器が埋め込まれていると判定したときに、透視時のX線照射条件を非パルス照射モードに設定する。或いは、被写体に対するX線照射位置及び/又はX線照射範囲を制御する。
機器情報取得部は、被写体の情報を格納する格納部から、被写体に機器が植込まれているか否かの情報を取得するものであってもよい。
以下、本実施形態のX線撮像装置の具体的な構成を、図1を参照して説明する。なお図1に示す要素のうち、一部の要素は具体的な実施形態によっては必ずしも備えていなくてもよい。
このX線撮像装置は、主な要素として、X線源1と、X線検出器4と、制御部10と、画像処理部20と、表示装置30と、被写体を載せるテーブル5とを備えている。X線源1、X線検出器4及びそれらを支持する機構(不図示)を含めて撮像部が構成される。またX線撮像装置は、制御部10による自動制御の結果をユーザーに知らせるための通知装置(図2:40)を備えていてもよい。通知手法は、ランプの点灯による通知、音や音声による通知、表示装置30へのメッセージ表示などがあり、その手法に応じて、ランプ、ブザーなどの装置が備えられる。
さらにX線撮像装置は、院内情報や患者情報を共有するためのサーバー80(HIS:Hospital Information System、RIS:Radiology Information System、PACS:Picture Archiving and Communication System)や検査中の被写体の状態を計測する機器類、例えば心電計71などの外部計測装置や異常通知装置72などの外部機器70と接続することができる。
X線源1は、陽極回転X線管などのX線管を備え、高電圧発生装置(X線発生器)2から電力が供給されることで、X線を発生する。X線源1には、被写体に対する照射されるX線の照射領域を制限するX線可動絞り3が備えられている。また図示していないが、X線の線種を選択するためのボータイフィルターなどが付加されていてもよい。
X線検出器4は、FPD(Flat Panel Detector)等の平面検出器から構成され、被検体を挟んでX線源1と対向する位置に配置される。
制御部10は、上述したX線発生器2を制御するX線制御装置12、X線可動絞り3を制御する絞り制御装置13、X線検出器4を制御するX線検出器制御装置14、テーブル5を制御するテーブル制御装置15、及び各制御装置12〜15や画像処理部20を含む装置全体の動作を総括的に制御するシステム制御装置11を含む。
システム制御装置11には、図示しない外部記憶装置やマウス、キーボード、タッチパネル等の操作装置が備えられる。操作者は操作装置を介して、制御部10による制御に必要な指令やパラメータなどを入力することができる。
システム制御装置11は、予め設定されたプログラムに基づく制御及び操作装置を介して入力された指令に基づく制御に加えて、画像処理部20或いはサーバー80や外部機器(外部計測装置)70からの取り込んだ情報をもとに、被写体が植込み機器を装着しているか否かを判断する(機器情報取得部及び判定部の機能)。そして、判定結果に従いX線制御装置12を制御する。
X線制御装置12は、予め設定された、或いは操作装置から入力された撮像条件に従い、X線管1に与えられる管電流、管電圧が所定の値となるようにX線発生器2を制御するとともに、X線管1から照射されるX線のモード、連続モードかパルスモードか、を制御する。また照射モードがパルスモードの場合にはパルスレート等を制御する。さらに本実施形態のX線制御装置12は、システム制御装置11から送られる植込み機器の有無に関する情報に従い照射モードを切り替える。照射モードの切替制御の詳細は後述する。
絞り制御装置13は、被写体の位置やSID等に基づき、被写体の照射位置が適切な位置となるように可動絞り3を構成する鉛羽根の位置を制御する。
X線検出器制御装置14は、X線検出器4からのX線信号の読出しを制御するとともにX線信号を画像処理部20が処理するために必要なデータ変換等の処理を行う場合もある。
テーブル制御装置15は、テーブル5に備えられた水平方向或いは上下方向の駆動機構(不図示)を制御し、テーブル5に載せられた被写体が適切な撮影位置に配置されるように制御する。
制御部10に含まれる各制御装置は、それぞれ独立した装置で構成しても、一つの統合された装置で構成してもよく、また、それらの機能の一部又は全部は、CPUとCPUに組み込まれたソフトウェアで実現することができる。一部は、ASICやFPGAなどのハードウェアで実現してもよい。
画像処理部20は、X線検出部4が検出したX線信号を用いて、X線画像(静止画像及び透視による動画を含む)を作成し、表示装置30に表示させる。また画像処理部20は、外部のサーバー(HISやRIS)80から患者情報を取り込み、これら情報を必要に応じて表示装置30に表示させたり、X線画像に重畳するなどの処理を行う。
画像処理部20は、作成したX線画像を用いて、被写体に植込まれた機器に関する情報を抽出する処理やX線画像のプロファイル作成などを行うことも可能である。
画像処理部20は、制御部10の一部又は全部を構成するCPUと同じ計算機に組み込んでもよいし、それとは独立したワークステーションとして構築してもよい。またその機能の一部はソフトウェア以外のハードウェアで実現してもよい。
このような構成のX線撮像装置の一般的な動作を簡単に説明する。まずX線制御装置12による制御のもとで、X線源1から被写体に対し所定の撮影条件(X線条件、撮像手技)、照射モードでX線を照射し、被写体を透過したX線をX線検出器4で検出する。画像処理部20は、X線検出器4から出力される検出X線量に相当するX線信号を入力し、必要に応じて前処理やガンマ補正等の補正を行い、X線画像を作成し、必要な付帯情報(例えば患者情報や日付等)とともに表示装置30に出力する。撮像手技が透視の場合には、画像処理部20は所定のフレームレートでX線信号を入力し、作成したX線画像を透視画像(動画)として表示装置30に表示させる。透視時の照射モードがパルスモードに設定されている場合、動画のフレームレートはパルスレートである。また撮像手技が撮影の場合には、画像処理部20は撮影の都度、X線画像を作成するが、撮影も複数回連続して行われる場合もあり、その場合には、連続して複数回分の画像を作成する。
本実施形態のX線撮像装置では、上述した動作を基本として、被写体に植込み機器が装着されているかによって、X線照射の制御を行う処理が含まれることが特徴であり、植込み機器の有無の判断手法及びX線照射の制御手法は種々の形態を取りえる。以下、これら手法とその組み合わせが異なる各実施形態を説明する。
<第一実施形態>
本実施形態では、植込み機器の有無をX線画像から判断し、それにより透視時のX線照射条件を非パルス照射モードに変更する。
即ち本実施形態のX線撮像装置は、機器情報取得部は、被写体のX線画像をもとに、被写体に機器が植込まれているか否かを判定する判定部を備え、制御部は、判定部が被写体に機器が埋め込まれていると判定したときに、透視時のX線照射条件を非パルス照射モードに設定する。画像処理部は、被写体のX線画像から、機器の特徴量を算出する算出部を備え、判定部は、算出部が算出した特徴量を用いて前記被写体に前記機器が植込まれているか否かを判定する。
以下、図2に示す画像処理部20と制御部10の機能ブロック図を参照して、本実施形態のX線撮像装置を説明する。なお図2は、本明細書に含まれる複数の実施形態の画像処理部及び制御部を総括的に示す図であり、その一部の要素(点線で示すブロック)は本実施形態では省略することができる。また図2では、制御部10が操作者と情報のやりとりをする装置をユーザーインタフェイスとして一つのブロックに示し、データ等を格納する装置を記録装置として一つのブロックに示しているが、ブロック内の各部或いは装置はそれぞれ独立していてもよい。また記録装置に含まれる各部は、画像処理部20や制御部10の内部メモリに含まれる場合もあり得る。
図2に示すように、画像処理部20は、入力したX線信号に対しガンマ補正や周波数強調処理などを施す補正部21、X線画像から植込み機器に関する特徴量を算出する特徴量算出部23、及び、表示部30に表示する画像を作成する表示画像作成部27を備えている。また画像処理部20は内部メモリ或いは付随する記録装置として、X線画像や表示画像作成部27が表示画像を作成する際に使用するキャラクタやメッセージの画像を格納する記憶部29を備えている。
制御部10(システム制御装置11)は、画像処理部20などから植込み機器に関する情報を取得する機器情報取得部19、画像処理部20の特徴量算出部23が算出した植込み機器に関する特徴量に基き植込み機器の有無を判断する判定部16、及び、判定部16の結果によってX線制御装置12に照射モードの切り替えを指示する照射モード切替部17を備えている。
画像処理部20が行う処理のうち補正部21及び表示画像作成部27が行う処理は、従来のX線撮像装置において周知の技術であり、ここでは説明は省略する。以下、本実施形態において特徴的な特徴量算出部23、判定部16及び照射モード切替部17における処理を中心に、本実施形態のX撮像装置の動作の流れを説明する。図3に動作の流れを示す。
まず操作装置60を介して透視モードが選択されると、X線制御装置12はX線管1を制御し、透視モードでX線曝射を行う(S101)。この場合、照射モードの初期設定はパルスモードとする。
画像処理部20は、最初のパルスX線照射によってX線検出器4が検出したX線信号(入力画像)を用いて、被検体画像に植込み機器が存在するか否かを調べる。このため、まず特徴量算出部23は、X線画像から植込み機器に関する特徴量を算出する(S102)。特徴量としては、機器本体やリード線の外形の特徴や、植込み部位と周辺部位との画素値の違いなどがある。一般に心臓ペースメーカや除細動器はX線を透過しないため、その部分の画素値はゼロであるので、画素値がゼロであることを植込み機器の特徴量として抽出することで高速且つ簡便に植込み機器を抽出することができる。植込み機器の抽出に先立って、被写体領域を抽出し、抽出された被検体領域において、画素値がゼロの領域を抽出するようにしてもよい。
次いで特徴量算出部23は、例えば、画素値ゼロの領域の面積或いは連続する長さを特徴量として算出する。面積は、例えば、画素値ゼロの画素をカウントすることにより算出する。その際、画素値ゼロの画素のうち所定の画素を基準として、それと上下、左右及び斜め方向に隣接する画素の数を順次カウントし、互いに隣接する画素の数の総和を算出し、面積とする。長さは、基準の画素に連続して隣接する画素値ゼロの画素の数をカウントすることにより算出する。
特徴量算出部23が算出した特徴量は、機器情報取込部19を介して判定部16に送られる。判定部16は、特徴量算出部23が算出した特徴量から、植込み機器の有無を判断する。具体的には、算出した特徴量(面積或いは長さ)が予め設定した閾値以上の場合には、植込み機器があると判断し、その判定結果である制御信号を照射モード切替部17と表示画像作成部27或いは通知装置40に送る(S103)。算出した面積或いは長さが閾値未満の場合には、植込み機器は存在しないと判断する。なお判定部16が判定するために使用する閾値は、誤差で画素値ゼロとカウントされる領域を除くためのものであり、想定される機器のサイズや機器と埋め込み部位とをつなぐ導線の長さなどを考慮して、それより小さい所定の値に設定しておくことができる。
植込み機器が存在しない場合には、初期設定されている照射モードすなわちパルスモードが維持される(S106)。植込み機器が存在すると判断された場合には、照射モード切替部17は照射モードを切り替える指令をX線制御装置12に送る。X線制御装置12はX線発生器2を制御し、初期設定されている照射モードを、パルスモードから連続モードに変更する(S104)。
また通知装置40は、X線照射モードが連続モードに切り替わった旨をユーザーに通知する(S105)。例えば表示装置30が通知装置40を兼ねる場合には、表示画像作成部27が、予め記憶部29に格納されている照射モード変更を知らせるメッセージを表示装置30に表示させる。それに代えて、或いは、その表示とともに、ランプの点灯やブザーによる通知してもよい。照射モード変更の通知と併せて、被写体中に植込み機器があるという情報、例えばメッセージや判定に用いたX線画像そのものを表示等して通知してもよい。
以上のX線信号取得から照射モード変更までは、例えば特徴量抽出を画素値により行った場合には、33ms程度で実行され、パルスレート30fpsの場合に、1回又は2回のパルス照射で済むため、パルス照射によるオーバーセンシングの問題は生じない。
以上の説明では、透視モードの初期設定がパルスモードとしたが、初期設定を連続X線モードにしておくことも可能である。この場合には、ステップS103において植込み機器がないと判定された場合には、照射モードを初期設定の連続モードからパルスモードに変更し、その旨を通知する。これによりオーバーセンシングの可能性を確実に防止しながら、速やかに被ばく量の少ない照射モードへの切り替えを行うことができる。従って、画像処理部20における特徴量抽出(S102)及び植込み機器の有無の判定(S103)にかかる時間が、パルス間隔に比べ長い場合にも、パルス照射によるオーバーセンシングを確実に防止できる。
また別の変形例として、透視モードを選択したときに、比較的弱いX線を用いた前撮影を行うステップが自動的に行われるようにしておき、この前撮影で撮影したX線画像から植込み機器の有無を判断した後、有無に応じた照射モードで透視モードが開始されるようにしてもよい。
本実施形態によれば、X線画像から被写体内の植込み機器の有無を自動的に判定し、それに応じて照射モードを切り替えるので、被写体から植込み機器の情報が得られない場合にも確実に植込み機器に対するパルス照射によるオーバーセンシングを回避できる。また操作者は、植込み機器の有無について注意を払わずに、透視モードの撮影ができるので、操作者の作業的及び心理的負担を軽減できる。さらに本実施形態によれば、照射モードが自動的に変更されたことを操作者が知ることができ、それにより、例えば連続モードの撮影条件を変更するなど、操作者がより適切な透視を行うことができる。
<第一実施形態の変更例>
本変更例も、機器情報取得部が判定部を備え、被写体のX線画像をもとに被写体に機器が植込まれているか否かを判定することは第一実施形態と同じである。ただし第一実施形態では、植込み機器の特徴量を算出して、その有無を判定したのに対し、本変更例では、被写体のX線画像をもとに機器の動作状態を監視し、それによってX線照射モードを制御することが特徴である。本変更例は機器が心臓ペースメーカ又は除細動装置である場合に適用される。
即ち本変更例のX線撮像装置は、判定部が、被写体のX線画像における所定部位の位置変動をもとに、被写体に機器が植込まれているか否かを判定する。
所定部位は、具体的には、心臓であり、心臓ペースメーカ又は除細動装置が正常に作動しているときには、心拍に伴う心臓の動き(位置変動)は一定周期である。即ち心拍数は一定である。しかしこれら機器がオーバーセンシングを起こした時には、機器は心臓の動きを不必要に抑制する。従ってX線画像から周期の変動を解析し、心周期或いは心拍数を算出することで、機器の存在を判断することができる。
本変更例の画像処理部20の構成は、図2における特徴量算出部23を、心拍数算出部24或いは心周期算出部に置き換えたものであるので、説明を省略し、以下、適宜図2を援用して本変更例における処理の流れを説明する。図4に動作の流れを示す。
まず透視モードが選択されると、X線制御装置12はX線管1を制御し、透視モードでX線曝射を行う(S201)。この場合、照射モードの初期設定はパルスモードとする。
画像処理部20は、透視によって取得される複数フレームの画像から、心臓の動きをモニターできる部位、例えば図5(a)に示すように、左側の肋骨の最下端にROI501を設定し、その部分の変動を監視し、心拍数を算出する(S202)。位置の変動は、パターンマッチング等の画像処理技術によって検出することができる。ここでは変動の周期だけを知ればよいので、ROI内の画素値(平均値)の変動502(図5(b))から変動の周期を検出してもよい。
判定部16は、図5(c)に示すような心拍数の変化を監視し、例えば心拍数算出部が算出した心拍数が過度に減少していないかを判断する(S203)。過度に減少していないか否かの判断は、例えば、最初と2つめのフレーム画像の心周期から算出される心拍数に対する割合が所定の割合(例えば50%)以下になったか否かを基準とする。或いは心拍数が所定の値(例えば40)以下になったか否かを基準とする。
判定部16は、過度の減少があると判断したときには、制御信号をX線制御装置12および通知装置40或いは異常通知装置72に対し出力する。この制御信号を受けてX線制御装置12は、X線発生器2を制御し、照射モードをパルスモードから非パルスモードに切り替える(S204)。同時に通知装置40は照射モードの変更をユーザーに通知する(S205)。この照射モード変更とともに、埋め込み型機器が存在すること、そのオーバーセンシングが生じていること或いは心拍数が減少していること、を併せて通知してもよい。過度の減少がない場合には、初期設定された照射モードであるパルスモードが維持される(S206)。
本変更例によれば、現に生じているオーバーセンシングを検出することで、機器の仕様によっては許容できるX線パルスの場合には、無用な照射モード切替をせずに、現に生じているオーバーセンシングのみに対処することができる。
第一実施形態及びその変形例によれば、外部計測器に依存せずに、透視の開始に連動して、自動的に植込み機器の有無を判定と適切な照射モードの設定を行うことができる。
<第二実施形態>
第一実施形態及びその変形例では、機器情報取得部の判定部が被写体のX線画像をもとに被写体に機器が植込まれているか否かを判定する構成であったが、本実施形態は判定部が外部計測器からの情報を用いて植込み機器の有無を判定することが特徴である。判定部が被写体に前記機器が植込まれていると判定したときに、制御部が、透視時のX線照射条件を非パルス照射モードに設定することは第一実施形態と同様である。
即ち本実施形態のX線撮像装置は、機器情報取得部が、被写体の状態を計測する外部計測器からの計測結果を入力し、被写体に機器が植込まれているか否かを判定する判定部を備える。外部計測器は、心拍計、心電計、パルスオキシメーターなど被写体の心拍情報を計測する計測器であり、判定部は心拍数の変化をもとに被写体に機器が植込まれているか否かを判定する。
本実施形態における制御部10および画像処理部20の構成は、図2に示す機能ブロック図において、画像処理部20の特徴量算出部23に代えて心拍数算出部24が備えられていること、また機器情報取得部19は、機器情報として外部計測器70からの情報を取り込むことが第一実施形態と異なる。
以下、制御部10における処理を中心に、本実施形態のX線撮像装置の動作を説明する。図6に動作の流れを示す。
まず透視が開始されるともに(S301)、情報取得部19が心電計71等の外部計測装置70から心電波形や心拍数を取得する(S302)。判定部16は、情報取得部19が取り込んだ心拍数を予め設定した閾値と比較し、心拍数が閾値以下になったときにX線照射モード切替部17が照射モードを切り替える信号をX線制御装置12に送る。これによりX線制御装置12はX線発生部2をパルスモードから非パルスモードに変更する(S303、S304)。また判定部16は、通知装置40に信号を送り、通知装置40は照射モードが非パルスモードに切り替えられたことを検査者に知らせる(S305)。心拍数が減少したことも同時に検査者に知らせる。
機器情報取得部19が取得した心拍数の変化が閾値以上の場合には、初期設定されたパルスモードが維持される(S306)。
心拍数が減少する原因は、植込み機器によるオーバーセンシング以外にもあり得るが、本実施形態によれば、オーバーセンシングの可能性を考慮して、非パルスモードに切り替えておくことにより、オーバーセンシング状態からの速やかな回復が可能となる。また照射モードの切り替えとともに心拍数の低下を知らせることによって、検査者は被写体の異常の可能性も含めた迅速な対応が可能となる。
なお上記第一実施形態及び第二実施形態において、判定部16が植込み機器の有無を判定するタイミングはX線照射の開始直後としたが、判定のタイミングはX線照射開始直後だけでなく、例えば一定周期ごとに判定を繰り返し実施してもよい。
<第三実施形態>
本実施形態は、被写体の情報を格納する記憶装置を備えるX線撮像装置やHIS或いはRIS等の院内サーバーに接続されているX線撮像装置に適用され、これら記憶装置或いは院内サーバーから被写体に植込み機器が植込まれているか否かを判断し、X線を制御する。
即ち、本実施形態のX線撮像装置は、機器情報取得部が、予め登録された被写体の情報から、被写体に前記機器が植込まれているか否かの情報を取得する。被写体の情報を予め登録する媒体は、X線撮像装置に備えられた記憶装置でもよいし、X線撮像装置が接続される外部記憶装置でもよい。
以下、制御部10における処理を中心に、図2及び図7のフローを参照して、本実施形態のX線撮像装置の動作を説明する。
まず操作装置60を介して、被写体を特定する情報、例えばID等が入力され且つ透視或いは撮影の開始が選択されると、情報取得部19は、被写体の特定情報を用いて院内サーバー80或いは記憶装置50を検索し、当該被写体の情報を得る(S401)。その被写体情報に「植込み機器有」との情報が含まれている場合には、透視の照射モードを非パルスモードに変更する(S402、S403)とともに、非パルスモードへの変更を通知する(S404)。被写体情報に「植込み機器無」との情報が含まれている場合には、照射モードは初期設定のパルスモードが維持される(S405)。その後、選択されたX線条件で透視が開始される(S406)。
なお被写体を特定する情報は、操作装置60から入力する代わりに、被写体のカルテや被写体に装着した特定情報を担持する媒体から読み取り装置(不図示)を介して情報取得部19が読み込むことも可能である。
なお上述した例は、被写体の情報には「植込み機器有」又は「植込み機器無」のいずれかが含まれる場合であるが、被写体情報に植込み機器に関する情報がない場合もあり得る。その場合には「植込み機器有」と同じ処理を行う。
本実施形態によれば、被写体を特定する情報などが予めわかっている場合には、その情報をもとに「植込み機器の有無」を判断し、自動的に、植込み機器有の場合にパルスモードから非パルスモードに切替え、オーバーセンシングを防止できる。また植込み機器の情報がなくても、その可能性がある場合について、オーバーセンシングを防止できる。
<第四実施形態>
本実施形態は、上述した第一〜第三実施形態の機能に加えて、透視の際のX線照射レートや撮影手法に制限を加える機能を追加したものであり、第一〜第三実施形態及びその組み合わせのX線撮像装置のいずれにも適用できる。
即ち、本実施形態のX線撮像装置は、撮影条件の制限を設定・解除する撮影条件制限設定部を備え、撮影条件制限設定部は、判定部が被写体に機器が植込まれていると判定したときに、撮影条件の制限を設定する。
撮影条件制限設定部は、操作装置を介した操作者の指令によって制限の設定・解除を行ってもよいし、植込み機器毎のX線許容条件を予め登録しておき、この登録された植込み機器許容条件に基き制限の設定・解除を行ってもよい。
後者の場合、本実施形態における制御部10および画像処理部20の構成は、図2に示す機能ブロック図において、制御部10に撮影条件制限部18が追加される。また記録装置50に、植込み機器のX線許容条件を登録した登録部53を追加することができる。
植込み機器の種類、メーカー、型式等によって、許容可能なX線照射モード、パルスレート、X線照射条件は異なる。登録部53は、このような植込み機器によって異なるX線許容条件を植込み機器毎に登録した記憶装置である。撮影条件制限部18は、操作装置60を介した操作者の操作或いは登録部53の登録内容を参照して、植込み機器に適合する条件を設定し、或いは解除する。
以下、図2及び図8のフローを参照して、本実施形態のX線撮像装置の動作を説明する。
まず透視の開始が選択されると、画像の特徴量、画像或いは外部計測装置から得た心拍数の変化、或いは、被写体情報から植込み機器の有無を判断し、植込み機器有無によって照射モードを変更することは、第一〜第三実施形態のX線撮像装置のいずれかの動作と同じである(S501〜S503)。初期設定がパルスモードの場合には、植込み機器有の場合に照射モードを非パルスモードに変更し、初期設定が非パルスモードの場合には、植込み機器無の場合に照射モードをパルスモードに変更する。
ステップS502で照射モードが非パルスモード即ち連続照射に切り替えた場合、撮影条件制限部18は、X線条件に制限を加える(S504)。X線条件の制限は、例えば、連続照射時の被ばく量を考慮した管電流や管電圧などのX線条件の上限値であり、非パルスモードの際の初期値として設定しておいてもよいし、操作者が操作装置60を介して設定するようにしてもよい。初期値として予め設定されていた場合には、連続照射の切り替えと連動して自動的に設定される。
X線条件(管電流や管電圧)の制限が設定されると、X線制御装置は上限値以上の管電流や管電圧がX線源1に供給されないようにX線発生器2を制御する。これによりパルス照射によるオーバーセンシング以外に、X線照射による植込み機器への影響などを排除することができる(S507)。
連続照射に切り替えると同時に、自動的にX線条件を制限した場合には、制限を解除するか否かを操作者が指示できる構成とする(S505)。その場合には、ステップS504でX線条件の制限を設定するとともに、例えば図9に示すように、表示装置(表示画面900A)に制限時のX線条件を表示する。また「制限の承認」或いは「制限の解除」についての操作者の意思を確認するための入力を促す表示をしてもよい。図9の表示画面900Aでは、照射モードが連続モードに変更され、その際のX線条件と、操作者の入力のためのGUIが表示され、制限の維持が選択された場合を示している。
操作者が「制限の解除」を指示した場合には、撮影条件制限部18は設定したX線条件を解除する(S506)。また「制限の解除」の指示がない、或いは「制限の承認」が行われた場合には、制限が維持される(S507)。
なお以上の説明では、照射モードの初期設定がパルスモードであって、ステップS502において照射モードが非パルスモードに変更された場合であるが、初期設定を非パルスモードとし、ステップS502で「植込み機器無」の場合に、パルスモードに変更する場合もある。この場合には、ステップS504において制限されるX線条件のとして、パルスモードにおけるフレームレートや管電流及び管電圧などがありえる。即ち、ステップS504では、初期設定されているパルスモードの際のフレームレートや管電流及び管電圧にX線条件が制限される。これにより、図9の表示画面900Bに示すように、変更後の照射モード(パルスモード)とその際のX線条件が表示され、操作者の入力のためのGUIが表示され、操作者による制限の解除要求を受け付ける(S505)。
制限の解除要求がある場合には、制限を解除し(S506)、制限の解除要求がない場合には、制限が維持される(S507)ことは、上述の場合と同様である。
本実施形態によれば、照射モードに応じた適切なX線条件の制限が設定されている場合に、照射モードの変更に連動して、設定されたX線条件の制限を加えることで、不要な被ばくをなくしたり、適切な照射レートの透視を行うことができる。
なお透視の場合のX線条件を制限する場合を説明したが、撮影時のX線条件に制限を設定したり解除したりする構成を追加してもよい。
<第四実施形態の適用例>
上述したように第四実施形態は、第一〜第三実施形態のX線撮像装置のいずれにも適用することができ、図8のフローでは、これらをまとめた処理の流れ手順を示したが、具体的に第三実施形態のX線撮像装置に適用した場合の処理の流れの一例を図10に示す。
第三実施形態のX線撮像装置は、被写体情報から植込み機器の登録情報を得て、植込み機器の有無を判断することが特徴である。従って処理の流れは、まず被写体情報を取得し(S601)、被写体情報から植込み機器の情報が登録されているか否かを調べる(S602)。植込み機器の情報が有り、且つ植込み機器があると判断された場合には(S603)、照射モードを初期設定のパルスモードから非パルスモードに変更する(S604)。ステップS602で植込み機器の情報がない場合にも、ステップS604に進み照射モードを切り替える。植込み機器の情報があって且つ植込み機器が無い場合には、初期設定のパルスモードが維持される(S610)。
植込み機器が有りと判断され、非パルスモードに変更すると、非パルスモードにおけるX線条件の制限が設定される(S605)とともに、その旨がユーザーに通知される(S606)。例えば図9の画面900Aが表示される。ここでユーザーから制限の解除の要求が入力されると、撮影条件制限部18が設定したX線制限が解除される(S607、S608)。ユーザーから制限の解除要求が無い場合には、X線制限が維持される(S607、S609)。
上記適用例では、被写体情報から植込み機器の登録情報を得て、照射モードを切り替える場合を説明したが、図2に示す記憶装置50の植込み機器登録部53に、植込み機器の種類、メーカー、型式など毎に、許容可能なX線照射モードや撮影条件(線量など)が登録されている場合、このような植込み機器に関する情報を取り込み、当該植込み機器で許容されるX線照射モードや撮影条件を設定することも可能である。
この場合の動作の流れを図11に示す。まず検査が開始されると、機器情報取得部19は記憶装置50から被写体情報を取得する(S611)。被写体情報において「植込み機器が無い」ことがわかった場合には初期設定されたX線照射モードが維持される(S612、S613)。「植込み機器有」の場合には、被写体情報に含まれる植込み機器の情報を読み込み、その情報に許容されるX線照射モード(パルスモードが含まれる場合にはパルスレート)や撮影条件が含まれる場合には、その許容されるX線照射モード及び撮影条件をもとにX線照射モードや撮影条件を設定するとともに(S614、S615)、設定された条件等を操作者に通知する(S616)。
ここで通知を受けた操作者から、図9に示したようなGUIを介して、設定された制限を解除要求があった場合には、X線照射の制限を解除する(S617、S618)。解除要求がなければ、制限が維持される(S619)。
この変更例によれば、植込み機器に適した照射モードや撮影条件に自動的に設定することができる。
<第五実施形態>
第一〜第四実施形態では、植込み機器の有無を検出して、X線条件を制御する実施形態を説明したが、本実施形態は、X線照射範囲を制御することが特徴である。
即ち、本実施形態のX線撮像装置は、X線源及びX線検出器を含み、被写体のX線画像を取得する撮像部と、被写体のX線画像を用いて被写体に植込まれている機器の位置を検出する検出部と、検出部が検出した前記機器の位置情報に基づき、被写体に対するX線照射位置及び/又はX線照射範囲を制御する制御部と、を備える。
撮像部は、X線源から照射されるX線の範囲を調整する可動絞りを有し、制御部は、可動絞りを調整して、X線照射範囲を制御する。
本実施形態のX線撮像装置も、装置の構成は図1と同様であり、重複する説明は省略し、可動絞り3と絞り制御装置13の関係を説明する。可動絞り3は、図12に示すように、4枚の鉛羽根31〜34で構成されており、鉛羽根31、33は図中左右方向に、鉛羽根32,34は図中上下方向にそれぞれ独立して移動することができ、その移動は絞り制御装置13によって制御される。初期状態では絞りの開度はゼロで、鉛羽根31及び33が中心で接した状態及び/又は鉛羽根32及び34が中心で接した状態である。これら対となる鉛羽根の中心からの距離を制御することで、被写体のX線照射範囲の位置と大きさが決まる。
絞り制御装置13は、制御部(システム制御装置11)10による制御のもとで被写体に植込み機器がある場合に、植込み機器の部分にX線が照射されないようにこれら鉛羽根の移動を制御する。本実施形態では、この絞りの制御のために必要な被写体内の植込み機器の位置情報をX線画像から取得する。このため画像処理部20は、被写体のX線画像を用いて植込み機器の位置を算出する位置算出部25を備えている。
以下、画像処理部20及び制御部10の処理を中心として、本実施形態のX線撮像装置の動作の流れを説明する。図13に動作の流れを示す。
まず操作装置60を介して透視モードが選択されると、X線制御装置12はX線管1を制御し、透視モードでX線曝射を行う(S701)。この場合、照射モードの初期設定はパルスモードとする。
画像処理部20は、X線撮像装置のX線検出器4が取得したX線信号(入力画像)を取り込み、特徴量算出部23が、被写体に植込まれた機器の特徴を算出する(S702)。ここでは機器の有無とともに位置情報を取得するため、X方向及びY方向のラインプロファイルを得る。図14および図15に、画像処理部20が取り込んだ胸部のX線画像とX方向ラインプロファイル及びY方向ラインプロファイルを示す。図示するように、二つのラインプロファイルにおいて、植込み機器の部分は画素値がほぼゼロであって、周辺との境界に不連続となる。特徴量算出部23は、このようなX方向ラインプロファイル及びY方向ラインプロファイルの両方について、連続して画素値がゼロである領域を植込み機器の領域として抽出する。次いで特徴量算出部23は、例えば、画素値ゼロの領域の連続する長さを特徴量として算出する。
判定部16において、領域の長さが所定の閾値よりも短い場合には、植込み機器無と判断され(S703)、初期設定時の照射モードが維持される(S706)。特徴量算出部23が算出した領域の長さが所定の閾値よりも長い場合には、判定部16は植込み機器有と判断し(S703)、可動絞り制御装置13を介して、植込み機器にX線が照射されないように可動絞りを制御する。
このため、まず位置算出部25が、X方向ラインプロファイル及びY方向ラインプロファイルの両方について、植込み機器領域の端部(周辺領域との境界)の画素の座標(左右端 及び上下端)を求める。位置算出部25が算出した植込み機器領域の端部の座標は、システム制御装置11から可動絞り制御装置13に渡される。可動絞り制御装置13は、X線焦点と絞りとの距離(D1)及びX線焦点と被写体との距離(D2)をもとに、被写体における植込み機器が照射範囲とならないような可動絞り位置を算出し、可動絞りを移動する(S704、S705)。
具体的には、植込み機器の中心の座標がX線画像の中心座標よりも左側に位置している場合には、X線照射範囲の左端が植込み機器の右端かそれより右側になるような鉛羽根の位置(原点からの距離X)を算出する。また植込み機器の中心の座標がX線画像の中心座標よりも下側に位置している場合には、X線照射範囲の下端が植込み機器の上端かそれより上側になるような鉛羽根の位置(原点からの距離Y)を算出する。
即ち、絞りの原点からのX方向の距離Xは
X=[X線画像の中心から植込み機器右端までの距離]×(D1/D2)
となり、絞りの原点からのY方向の距離Yは
Y=[X線画像の中心から植込み機器上端までの距離]×(D1/D2)
となる。
図16に、可動絞り3の左側の鉛羽根33を移動して、植込み機器90がX線照射範囲から外れるようにした状態を示す。
これにより、透視時にパルスモードのX線が植込み機器に照射されるのを防止し、オーバーセンシングが起こるのを回避することができる。
<第五実施形態の変更例>
第五実施形態では、位置算出部25により植込み機器の位置を算出し、それによって絞りの鉛羽根の移動を制御したが、本変更例では、位置を検出せずに鉛羽根の移動を開始し、植込み機器の有無を監視しながら、植込み機器にX線が照射されないように可動絞りを制御する。
本変更例の動作の流れを、図17を参照して説明する。図13と同じ処理は同じ符号で示し詳細な説明は省略する。
まずX線照射を開始し、取得したX線画像から特徴量を算出し、植込み機器が有りと判断されると(S701〜S703)、照射モード切替部17はX線の照射モードを非パルスモードに変更する(S710)。この場合の特徴量の算出は、X線画像或いはそのプロファイルにおける植込み機器の画素値ゼロの領域の大きさ(面積又は長さ)を算出する。
次いで可動絞りの移動を開始し(S711)、特徴量の算出を繰り返しながら(S712)、植込み機器を示す特徴量がなくなるまで、例えば画素値ゼロの領域の面積が所定の値以下になるまで、可動絞りを移動する(S711)。特徴量が検出されなくなったならば、それをユーザーに通知する(S713)。これ同時に照射モードを非パルスモードからパルスモードに変更してもよいし、ユーザーが任意に変更できるようにしてもよい。
本変更例によれば、可動絞りを移動している間は連続モードが維持されるので、第五実施形態と同様に、パルスモードのX線が植込み機器に照射されるのを防止し、オーバーセンシングが起こるのを回避することができる。
<第六実施形態>
本実施形態も、植込み機器の有無を検出して、X線照射範囲を制御することは第五実施形態と同様である。但し、本実施形態のX線撮像装置は、X線照射範囲を制御するために、可動絞りではなく、被写体側即ち被写体を載せたテーブルの位置を制御する。
即ち本実施形態のX線撮像装置は、制御部が、X線源及びX線検出器を備えた撮像部と被写体との相対的な位置関係を変化させて、X線照射位置及び/又はX線照射範囲を制御する。
本実施形態のX線撮像装置の構成は、図1に示すX線撮像装置の概略構成とほぼ同じであるが、X線源(X線管1及び可動絞り3)とX線検出器4とからなる撮像部に対し、テーブル5の位置を変更可能なテーブル支持機構(不図示)、或いは撮像部を支持するとともにテーブル5に対する位置を変更可能な撮像部支持機構が備えられており、これら支持機構の一方或いは両方を制御する制御装置が備えられる。図2では、代表的にテーブル制御装置15を示している。
本実施形態のX線撮像装置の動作を、図18を参照して説明する。図18において、図13と同じ処理は同じ符号で示し、詳しい説明は省略する。
まずX線照射を開始し、取得したX線画像から特徴量を算出し、植込み機器が有りと判断されると(S701〜S703)、X方向及びY方向のラインプロファイルを求め、位置算出部25が、X方向ラインプロファイル及びY方向ラインプロファイルの両方について、植込み機器領域の端部(周辺領域との境界)の画素の座標を求める。
テーブル制御装置15は、被写体における植込み機器がX線照射範囲とならないようなテーブル移動距離を算出し(S714)、テーブル5を移動する(S715)。図19にテーブル5を移動して、植込み機器90がX線照射範囲から外れるようにした状態を示す。
テーブル移動距離は、X線源−被検体間の距離D3と、X線源−X線検出器間の距離D4とをほぼ同一とみなせる場合には、例えばX線画像の左端から植込み機器の右端までの距離Lと同一にする。X線源−被検体間の距離D3と、X線源−X線検出器間の距離D4との差が無視できない場合は、その比(D3/D4)に応じた係数をX線画像の左端から植込み機器の右端までの距離Lに乗算すればよい。
なお本実施形態においても、図17に示す第五実施形態の変更例と同様に、テーブル移動距離を算出する代わりに、植込み機器が有りと判断されたならば、照射モードを非パルスモードに切り替えるとともに、テーブルの移動を開始ししながらX線画像における植込み機器の特徴を検出し、特徴が検出しなくなるまでテーブルを移動させてもよい。この場合、テーブルの移動方向は、表示装置30に移動方向の候補を提示して、ユーザーが候補から選択するようにしてもよい。
以上、テーブルを移動する場合を説明したが、テーブルではなく撮像部を移動させてもよく、同じ効果が得られる。
本実施形態によれば、第五実施形態と同様に、パルスモードのX線が植込み機器に照射されるのを防止し、オーバーセンシングが起こるのを回避することができる。
<第七実施形態>
上述した第一〜第六実施形態とそれらの変更例は、基本的に植込み機器の有無の情報をもとにX線の照射モードを制御し、また必要に応じてX線条件の制限の設定/解除を行うものであるが、本実施形態は被写体内に植込み機器が存在する場合において、植込み機器の交換や取り外し或いは電池交換など、植込み機器に関する手技を行う場合の照射モード制御に関する。
一般にX線撮像装置には、撮影部位や撮影手技に応じたX線条件等が登録された登録部51が備えられている。本実施形態では、この登録部51に、手技の一つとして、植込み機器の交換及び植込み機器の電池交換を予め登録しておき、登録部51における登録情報に基づきX線照射モードを切り替えることを特徴とする。
本実施形態のX線撮像装置における動作の流れを、図20を参照して説明する。
まず手技・部位登録部51に「植込み機器の交換」及び「植込み機器の電池交換」を登録する(S801)。これらはまとめて一つの手技として登録してもよいし、それぞれ別の手技として登録してもよいが、いずれもX線照射モードは非パルスモードとし、所定のX線条件の制限を設定しておく。この作業はユーザーが事前に操作装置60等を介して行う作業である。
次いで検査が開始され(S802)、その際、手技として「植込み機器の交換」或いは「植込み機器の電池交換」が選択されると(S803)、照射モード切替部17は自動的に照射モードを非パルスモードに切替え(S804)、撮影条件制限部18は登録されたX線条件の制限を設定する(S805)。その際、ユーザーによる制限の解除要求を受け付けるようにしてもよい(S806)。制限の解除要求がなければ、設定されたX線条件の制限のもと非パルスモードの透視を継続する(S807)。制限の解除要求があった場合には、設定されたX線条件の制限を解除し、非パルスモードの透視を継続する(S808)。
なおステップS803で「植込み機器の交換」或いは「植込み機器の電池交換」が選択されない場合には、第一〜第四実施形態のX線撮像装置と同様に、植込み機器の有無に応じた照射モードの切り替え及び/又はX線条件の制限の設定・解除が行われる(S809)。或いは第五及び第六実施形態のX線撮像装置と同様に、植込み機器がある場合に、可動絞り或いはテーブルを制御してX照射範囲が変更される。
本実施形態によれば、植込み機器に対する処置のような特定の手技を登録しておくことにより、処置時に植込み機器にパルス状X線が照射されるのを防止することができる。
<第八実施形態>
上述した第一〜第六実施形態とそれらの変更例は、基本的に植込み機器の有無の情報をもとにX線の照射モードを制御し、また必要に応じてX線条件の制限の設定/解除を行うものであるが、本実施形態は植込み機器がある場合において、当該植込み機器にオーバーセンシングが起きた場合のレポート出力機能に関する。
本実施形態のX撮像装置、主としてシステム制御装置の動作を、図21を参照して説明する。
所定の条件を設定してX線検査が開始されると(S901)、システム制御装置11は、そのときのX線照射モード、線量(X線条件)検査手技、部位の情報を記憶装置50に書き込む(S902)。検査中に被写体の植込み機器にオーバーセンシングが起きた場合(S903)、システム制御装置11は、予め植込み機器登録部53に登録されている植込み機器の情報(種類、メーカー、型式など)とともに、記録装置50に書き込んだX線照射モード等の検査に関する情報と植込み機器に関する情報を併せて、レポートを作成する(S904)。オーバーセンシングが起きたことは、例えば、心電計71等の外部計測装置が計測した心拍数の変化や、取得したX線画像を用いて画像処理部20の心拍数算出部24が算出した心拍数の変化から検出することができる。
作成したレポートは、異常通知装置72或いは印刷装置(不図示)や表示装置30を介して出力することができる。X線撮像装置が、HIS等のサーバー80に接続されている場合には、サーバー等にも、レポートの情報を送ってもよい。
また植込み機器登録部53に登録されている許容X線条件に従って検査を行ってオーバーセンシングが起きた場合は、登録内容を更新してもよい(S904)。その場合、例えば、登録された許容X線条件を、より厳しい条件に更新する(S905)。サーバー80においても、植込み機器の情報が登録されている場合にはその情報が更新される。
本実施形態は、例えば、第四実施形態のX線撮像装置において、植込み機器登録部53に設定された許容X線条件に従ってX線条件の制限を行ったり制限解除を行ったりして、オーバーセンシングが起こった場合に適用することができる。このような場合は、登録されていた許容X線条件や制限解除した際のX線条件が不適切であった可能性が高いので、登録されていた許容X線条件を更新し、或いは新たにX線条件の制限を追加することにより、将来的なオーバーセンシングを予防することができる。またレポートとして出力することで、検査を行ったX線撮像装置以外のX線撮像装置でも情報を共有することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることなく、技術的に矛盾しない限り、二乃至三以上の実施形態を適宜組み合わせることも可能であるし、一つの実施形態で必要な要素を他の実施形態で省いたり、追加したりすることも可能である。
また以上の実施形態は、主として透視を行う場合を例に説明したが、撮影を連続して行う場合にも適用することができ、その場合には、連続撮影の撮影間隔などが制御すべきX線条件として含まれる。
以上説明した各実施形態のX線撮像装置(制御部及び画像処理部)の主な機能を統合したブロック図を図22に示し、その概略をまとめて説明する。
第一実施形態のX線撮像装置における処理の流れは、X線画像を用いた特徴量の算出S1→植込み機器の有無の判定S2→X線照射モードの切替S3及びユーザーへの通知S4となる。第一実施形態の変形例における処理の流れは、X線画像を用いた心拍数の算出S5→心拍数の減少の検出S6→植込み機器の有無の判定S2→X線照射モードの切替S3及びユーザーへの通知S4となる。
第二実施形態のX線撮像装置における処理の流れは、外部計測器からの心臓情報取得S7→心拍数の減少の検出S6→植込み機器の有無の判定S2→X線照射モードの切替S3及びユーザーへの通知S4となる。
第三実施形態のX線撮像装置における処理の流れは、画像以外の被写体情報からの植込み機器に関する情報の取得S8→植込み機器の有無の判定S2→X線照射モードの切替S3及びユーザーへの通知S4となる。第三実施形態の変更例1は、上述した第三実施形態の処理の流れに対し、予め登録された植込み機器の許容条件の登録情報を参照する処理S9が追加され、参照した登録条件を考慮してX線照射モードの切替を行う。第三実施形態の変更例では、上述した第三実施形態の処理において、被写体情報取得部が植込み機器の有無の情報を取得できない場合に、植込み機器有と判定された場合と同様の処理を行う。
これら第一〜第三実施形態とそれらの変更例の処理は、任意の複数の処理を組み合わせることが可能である。
第四実施形態のX線撮像装置における処理は、上述した第一〜第三実施形態とそれらの変更例及びそれらの組み合わせの処理に加えて、X線照射モードの切替に続けてX線条件に制限を設定する或いは制限を解除する処理S11を含む。またX線条件に与えた制限を操作者が解除する操作を受け付ける(制限解除意思確認部)処理S12が追加される。
第五実施形態のX線撮像装置における処理の流れは、第一実施形態の処理の流れ(特徴量算出S1→判定S2)に続いてX線可動絞りの制御S13なる。第六実施形態における処理の流れは、第一実施形態の処理の流れ(特徴量算出→判定)に続いてテーブル位置の制御S14となる。S13/S14に先立って、植込み機器の位置の算出が挿入されていてもよい。
第五実施形態と第六実施形態の処理は、組み合わせることが可能である。また第五実施形態、第六実施形態及びそれらの組み合わせにおいて、第一〜第四実施形態におけるX線照射モード切替S3やX線照射制限の設定S11と解除S12を組み合わせることも可能であるし、省くことも可能である。
第七実施形態及び第八実施形態の処理は、いずれも植込み機器がある場合を前提としており、第七実施形態の処理は、登録部からの手技・部位情報の取得S10→X線照射モード切替S3となる。また第八実施形態の処理は、心拍数算出S5又は心臓情報取得S7→心拍数減少検出S6→レポート出力(不図示)となる。
本発明によれば、自動的に植込み機器へのパルス状X線照射を防止できるX線撮像装置が提供される。
1・・・X線源、2・・・X線発生器(高電圧発生装置)、3・・・可動絞り、4・・・X線検出器、5・・・テーブル、10・・・制御部、11・・・システム制御装置、12・・・X線制御装置、13・・・絞り制御装置、14・・・X線検出器制御装置、15・・・テーブル制御装置、16・・・判定部、17・・・照射モード切替部、18・・・撮影条件制限部、19・・・機器情報取得部、20・・・画像処理部、21・・・補正部、23・・・特徴量算出部、24・・・心拍数算出部、25・・・機器位置算出部、27・・・表示画像作成部、29・・・記憶部、30・・・表示装置、40・・・通知装置、50・・・記録装置、51・・・手技・部位登録部、53・・・植込み機器登録部、60・・・操作装置、70・・・外部装置、71・・・心電計、72・・・異常通知装置、80・・・サーバー、90・・・植込み機器、100・・・被写体。

Claims (16)

  1. X線源及びX線検出器を含み、被写体のX線画像を取得する撮像部と、
    前記被写体に植込まれている機器の有無或いは前記機器に関する情報を取得する機器情報取得部と、
    前記機器情報取得部が取得した情報に基づき、前記被写体に植込まれている機器の有無を判定する判定部と、
    前記判定部の判定結果に基づき、前記撮像部を制御し、透視時のX線照射条件及び/又は撮影条件を制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とするX線撮像装置。
  2. 請求項1に記載のX線撮像装置であって、
    前記制御部は、前記判定部が前記被写体に前記機器が埋め込まれていると判定したときに、透視時のX線照射条件を非パルス照射モードに設定することを特徴とするX線撮像装置。
  3. 請求項1又は2に記載のX線撮像装置であって、
    前記被写体のX線画像から、前記機器に関する情報を取得する画像処理部をさらに備え、
    前記機器情報取得部は、前記画像処理部から前記機器に関する情報を取得することを特徴とするX線撮像装置。
  4. 請求項3に記載のX線撮像装置であって、
    前記画像処理部は、前記機器の特徴量を算出する算出部を備え、
    前記判定部は、前記算出部が算出した特徴量を用いて前記被写体に前記機器が植込まれているか否かを判定することを特徴とするX線撮像装置。
  5. 請求項3に記載のX線撮像装置であって、
    前記画像処理部は、前記被写体のX線画像における所定部位の位置変動を算出する算出部をさらに備え、
    前記判定部は、前記算出部が算出した位置変動を用いて、前記被写体に前記機器が植込まれているか否かを判定することを特徴とするX線撮像装置。
  6. 請求項1に記載のX線撮像装置であって、
    前記機器情報取得部は、前記被写体の状態を計測する外部計測装置からの計測結果を入力し、前記判定部は、前記計測結果から被写体に前記機器が植込まれているか否かを判定することを特徴とするX線撮像装置。
  7. 請求項6に記載のX線撮像装置であって、
    前記外部計測装置は、心拍計、心電計、パルスオキシメーターのいずれか一つを含み、前記判定部は心拍数の変化をもとに前記被写体に前記機器が植込まれているか否かを判定することを特徴とするX線撮像装置。
  8. 請求項1に記載のX線撮像装置であって、
    前記機器情報取得部は、予め登録された前記被写体の情報から、前記被写体に前記機器が植込まれているか否かの情報を取得することを特徴とするX線撮像装置。
  9. 請求項8に記載のX線撮像装置であって、前記登録された前記被写体の情報は、前記X線撮像装置が備える記憶装置又は前記X線撮像装置から独立した記憶装置或いはネットワーク上に存在することを特徴とするX線撮像装置。
  10. 請求項1に記載のX線撮像装置であって、さらに、
    撮影条件の制限を設定・解除する撮影条件制限設定部を備え、
    前記撮影条件制限設定部は、前記判定部が前記被写体に前記機器が植込まれていると判定したときに、前記撮影条件の制限を設定することを特徴とするX線撮像装置。
  11. X線源及びX線検出器を含み、被写体のX線画像を取得する撮像部と、
    前記被写体のX線画像を用いて被写体に植込まれている機器を検出する検出部と、
    前記検出部が検出した前記機器の情報に基づき、被写体に対するX線照射位置及び/又はX線照射範囲を制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とするX線撮像装置。
  12. 請求項11に記載のX線撮像装置であって、
    前記撮像部は、前記X線源から照射されるX線の範囲を調整するX線絞りを有し、
    前記制御部は、前記X線絞りを調整して、前記X線照射位置及び/又はX線照射範囲を制御することを特徴とするX線撮像装置。
  13. 請求項11に記載のX線撮像装置であって、
    前記制御部は、前記撮像部と前記被写体との相対的な位置関係を変化させて、前記X線照射位置及び/又はX線照射範囲を制御することを特徴とするX線撮像装置。
  14. 請求項1に記載のX線撮像装置であって、
    前記被写体のX線画像を用いて被写体に植込まれている機器を検出する検出部と、
    前記検出部が検出した前記機器の位置情報に基づき、被写体に対するX線照射位置及び/又はX線照射範囲を制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とするX線撮像装置。
  15. X線撮像装置を用いた透視撮影制御方法であって、
    被写体に植込まれている機器を検出し、
    前記機器が検出されたときに、前記X線撮像装置に設定された透視時のX線照射条件を切り替えることを特徴とする透視撮影制御方法。
  16. X線撮像装置を用いた透視撮影制御方法であって、
    被写体に植込まれている機器を検出し、
    前記機器が検出されたときに、X線管とX線検出器とを有する撮像部、X線絞り、及びテーブルの少なくとも一つを制御し、
    X線照射範囲を変更することを特徴とする透視撮影制御方法。

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