JP2017023404A - マイクロニードルパッチ用インパクト付加型アプリケータ及び先端部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マイクロニードルパッチ用インパクト付加型アプリケータ1は、マイクロニードルパッチを皮膚に貼付するためのアプリケータであって、本体5、バネ伸縮レバー7、弾性体9、止め機構11、打ち込みスイッチ13を備える。バネ伸縮レバーは、本体に対して移動可能に装着され、先端にマイクロニードルパッチを装着可能である。弾性体は、バネ伸縮レバーに付勢力を与えるための部材である。止め機構は、本体に対して弾性体の付勢力を作用させる状態でバネ伸縮レバーを止めるための機構である。打ち込みスイッチは、止め機構とバネ伸縮レバーの係合を解除するための部材である。また、付勢力付与機構は、バネ伸縮レバーが本体の先端側に移動することでマイクロニードルパッチが皮膚に押し当てられた状態で、さらにバネ伸縮レバーに付勢力を付与する。
【選択図】図2
Description
マイクロニードルパッチは、基板と、基板の一面に形成された複数のマイクロニードルとを有している。マイクロニードルの長さは例えば30μm以上である。マイクロニードルパッチが皮膚に貼布されると、マイクロニードルの鋭利な先端部が強固な角質層を局所的に破壊することで、表皮を貫通させてマイクロニードルの大部分が真皮内に刺入されてマイクロニードルに含有させた薬剤を真皮層に適切に投与できる。
デバイスとしては、バネの弾性力を利用して、マイクロニードルを皮膚に穿刺する構造を持つインパクト付加型アプリケータが提案されている。
アプリケータ201は、バネ伸縮レバー205を有している。バネ伸縮レバー205は、本体203に対して本体延長方向に移動可能に装着されている。具体的には、バネ伸縮レバー205は、本体203内に配置されている。バネ伸縮レバー205の先端205aには、マイクロニードルパッチを装着可能である。バネ伸縮レバー205は、本体5内で本体延長方向に長く延びている。なお、バネ伸縮レバー205の後端205bは、本体203の後端壁の貫通穴からさらに後側に突出して延びている。
駆動体は、本体に対して移動可能に装着され、先端にマイクロニードルパッチを装着可能である。
弾性体は、駆動体に付勢力を与えるための部材である。
止め機構は、弾性体の付勢力を本体に対して作用させる状態で駆動体を止めるための機構である。
解除部材は、止め機構と駆動体の係合を解除するための部材である。
このアプリケータでは、止め機構によって駆動体を望む付勢力を発生する位置に止めた状態にできる。つまり、アプリケータにおいて、弾性体の駆動体に対する付勢力を設定した状態を維持できる。以上より、安定的な薬剤投与が実現される。詳細には、マイクロニードルパッチから皮膚に作用する荷重の再現性が向上する。従来であれば、アプリケータの位置決めの際に例えば片手でアプリケータを把持固定し、もう一方の手でバネを圧縮することで弾性力を発生させていたが、本実施形態ではそのような動作が不要になる。つまり、本実施形態では、片手で簡単にアプリケータを操作できる。それにより、例えば、手振れが減る、刺入治療部位の位置決め、刺入方向の決定も正確になる、もう一方の手で皮膚を伸ばして平面度を向上できる、などの効果が得られる。その結果、アプリケータの皮膚に対する位置決めが正確かつ容易になる。
このアプリケータでは、マイクロニードルパッチが皮膚に穿刺されるときの衝撃力を目的に応じて容易に変更可能である。
本体は、押し付け部が本体の延長方向移動するように押し付け部を案内する内周面を有しかつ駆動体の移動方向に延びる先端部を有していてもよい。
このアプリケータでは、駆動体の押し付け部は、本体の先端部の内周面に沿って移動する。したがって、押し付け部の移動中の姿勢が打ち込み面に対して平行に正確に保たれる。その結果、マイクロニードルパッチが皮膚に当たるときのパッチの並んだ平面の皮膚に対する平行度が高くなり、それによりマイクロニードルパッチが垂直に打ち込まれ、薬剤投与の効率が高くなる。
このアプリケータでは、衝撃吸収用低剛性部材が基体と装着部との間に設けられているので、押し付け部がマイクロニードルパッチを皮膚に押し付けるときに、衝撃吸収用低剛性部材によってマイクロニードルパッチがねじれる動作を行ない、さらに平面性を高めることが可能になる。その結果、マイクロニードルが皮膚に穿刺される割合が高くなる。
このアプリケータでは、マイクロニードルパッチが皮膚に押し付けられた後に、さらに、付勢力付与機構によってマイクロニードルパッチに荷重を付与できる。これにより、皮膚の弾性による反発力が作用したとしても、マイクロニードルを最初に刺さった深さに維持できるのみでなく、薬剤を含有したマイクロニードル先端部が確実に真皮内に適切な真皮の深部にまで刺入させることを可能とする。その結果、例えば薬剤を真皮内に確実に投与できる。
接触部は、枠状本体に設けられ皮膚に接触するための部分である。
取り付け部は、枠状本体に設けられ、インパクト付加型アプリケータの先端に着脱自在に嵌められるための部分である。
この先端部材では、先端部材がインパクト付加型アプリケータに着脱自在であるので、マイクロニードルパッチを皮膚に穿刺する行為を行うごとに先端部材を交換することができる。つまり、先端部材は1回のみ使用の使い捨て部材として利用される。このように毎回新たな先端部材を用いることで、インパクト付加型アプリケータの先端を消毒する作業が不要になる。
この先端部材では、枠状本体にマイクロニードルパッチが取り付けられているので、先端部材とともにマイクロニードルパッチの脱着ができ、それにより作業が簡単になる。
(1)アプリケータの構成の概要
図1〜図5を用いて、本発明の一実施形態に係るマイクロニードルパッチ用インパクト付加型アプリケータ1(以下、「アプリケータ1」という)を説明する。図1は、本発明の第1実施形態におけるマイクロニードルパッチ用インパクト付加型アプリケータの斜視図である。図2及び図4は、アプリケータの断面図である。図3及び図5は、アプリケータの断面斜視図である。
アプリケータ1は、マイクロニードルパッチ3(図6及び図7)を皮膚に押し当てマイクロニードルを真皮内へと刺入させるためのデバイスである。具体的には、アプリケータ1は、マイクロニードルパッチ3を皮膚に打ち込むに十分な付勢力を発生可能である。
アプリケータ1は、止め機構11を有している。止め機構11は、本体5に対して弾性体9の付勢力を作用させる状態でバネ伸縮レバー7を止めるための機構である。
アプリケータ1は、打ち込みスイッチ13(解除部材の一例)を有している。打ち込みスイッチ13は、止め機構11とバネ伸縮レバー7の係合を解除するための部材である。
さらに、図6〜図7を用いて、アプリケータ1の基本動作を説明する。図6及び図7は、アプリケータの先端部分の断面図である。
図6の状態では、バネ伸縮レバー7は本体5内に収納されている。そこで、図7に示すように、バネ伸縮レバー7を本体5の先端側に移動させ、さらに、バネ伸縮レバー7の先端にマイクロニードルパッチ3を装着する。次に、図2及び図3に示すように、止め機構11によって、本体に対して弾性体9の付勢力を作用させる状態でバネ伸縮レバー7を止める。この状態でアプリケータ1を皮膚に対して適切な向き及び位置に配置する。最後に、打ち込みスイッチ13を操作することで止め機構11とバネ伸縮レバー7の係合を解除する。すると、図4及び図5に示すように、弾性体9の付勢力によってバネ伸縮レバー7が移動し、その結果、マイクロニードルパッチ3のマイクロニードル3bが皮膚に穿刺される。
より詳細には、マイクロニードルパッチ3が皮膚に作用する荷重の再現性が向上する。従来であれば、アプリケータ1の位置決めの際に例えば片手でバネを圧縮することで弾性力を発生させていたが、本実施形態ではそのような動作が不要になる。つまり、本実施形態では、片手で簡単にアプリケータ1を操作できる。それにより、例えば、手振れが減る、向き及び位置が正確になる、もう一方の手で皮膚を伸ばして平面度を向上できる、などの効果が得られる。その結果、アプリケータ1の皮膚に対する位置決めが正確かつ容易になる。より具体的には、皮膚に対するマイクロニードルパッチ3の平行度を高めた状態でマイクロニードルパッチ3を皮膚に押し当てることができる。
また、アプリケータ1を皮膚に対して押し付けながらマイクロニードルパッチ3を皮膚に打ち込むことができるので、マイクロニードル3bをより確実に皮膚に穿刺できる。従来であればアプリケータを両手で操作しなければならなかったので、アプリケータを適切な付勢力で皮膚に押当てることが困難であった。
止め機構11は、弾性体の付勢力の大きさが異なる状態になるように、複数段階の止め状態を実現できる。具体的には、止め機構11は、バネ伸縮レバー7に形成された係合部21を有している。係合部21は、複数の歯としての突起部23を有している。複数の突起部23は、バネ伸縮レバー7の片側の面に本体延長方向に並んで形成されている。また、複数の突起部23の形成位置は、バネ伸縮レバー7の本体延長方向中間部分である。突起部23は、先端側が本体延長方向に直交する平面の一部である平坦面であり、後端側が傾斜面である。なお、この実施形態では、突起部23の数は5であるが、通常は1〜10であり、望ましくは2〜6であり、特に限定されない。また、常に一定の付勢力を付与する目的であれば1でも良い。
止め機構11は、さらに、複数の突起部23に係合可能な歯止めとしての爪部材25を有している。爪部材25は、図2〜図5に示すように、突起部23の平坦面に当接可能な部材である。爪部材25は、突起部23に係合することでバネ伸縮レバー7が先端側に移動することを防止する第1位置(図2及び図3)と、突起部23から離れることでバネ伸縮レバー7が先端側に移動すること許容する第2位置(図4及び図5)との間で移動可能である。
なお、ストッパーを設けることで、バネ伸縮レバー7の本体延長方向後側への移動を制限してもよい。その場合は、弾性体9による反発力をある値以上大きくできないように予め設定できる。
打ち込みスイッチ13は、止め機構11とバネ伸縮レバー7の係合を解除するための部材である。打ち込みスイッチ13は、爪部材25を移動させることで、爪部材25をバネ伸縮レバー7の突起部23から離脱させるための部材である。具体的には、打ち込みスイッチ13は、本体5の表面の一部に形成され、人の指によって押し込み可能なスイッチ構造である。打ち込みスイッチ13は、本体延長方向に延びる形状を有しており、先端部分に爪部材25が固定されている。
このアプリケータ1では、マイクロニードルパッチ3のマイクロニードル3bが皮膚に穿刺されるときの衝撃力を目的に応じて容易に変更可能である。例えば、骨が近くにある皮膚に対しては付勢力を小さく設定し、骨が離れている皮膚に対しては付勢力を大きく設定することが好ましい。
具体的には、打ち込みスイッチ13は、本体5において、バネ伸縮レバー7の突起部23が形成された面と反対側部分に形成されている。打ち込みスイッチ13は、本体延長方向の一方の端部のみが本体5に固定されており、したがって本体延長方向の他方の端部がバネ伸縮レバー7側に押し込まれると、全体が弾性変形可能である。
具体的には、打ち込みスイッチ13及び爪部材25は一体の部材として形成されている。また、本体5において打ち込みスイッチ13及び爪部材25が形成されている部分は、本体5の他の部分とは別部材の半割形状の部材として構成されており、本体5の他の部分に着脱可能になっている。
バネ伸縮レバー7は、マイクロニードルパッチ3が装着される押し付け部41を有している。押し付け部41は、レバー7本体の先端に設けられている。
本体5の先端部43は、バネ伸縮レバー7の移動方向に延びており、押し付け部41の外周縁に実質的に一致する内周面43aを有している。このようにして、押し付け部41の外周縁(本体延長方向に厚みを有している)は、先端部43の内周面43aにガイドされている。つまり、押し付け部41は、本体5の先端部43の内周面43aに沿って移動する。したがって、押し付け部41の移動中の姿勢が正しく保たれる。その結果、マイクロニードルパッチ3が皮膚に当たるときの平行度が高くなり、それにより薬剤投与の均一性が向上し、治療効率が高くなる。
図6及び図7に示すように、押し付け部41は、基体45を有している。基体45は、バネ伸縮レバー7の先端に形成された板状部分である。この実施形態では、基体45は、概ね矩形の板状である。
装着部47は、例えば、磁石又は磁石を含んだ部材である。マイクロニードルパッチ3は、基板3aと、多数のマイクロニードル3bを有している。基板3aは、磁性体を含んでおり、装着部47に着脱自在である。例えば、基板3aには、鉄粉が混ぜられた材料が用いられる。このようにフィルム等の貼付剤を用いていない場合は、粘着剤等の不純物が肌に接触しない。
マイクロニードルパッチ3が装着部47とほぼ同じ形状(面積)であるので、マイクロニードルパッチ3への付勢力2により生ずる圧力を均等にできる。
低剛性部材49の材料の種類としては、主に、ゴム、スポンジ、フェルト、これらのゴム・スポンジ・フェルトの混合材料がある。ゴムとしては、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴムがある。低剛性部材49のゴム硬度は、例えば、20〜50である。スポンジとしては、ウレタン、ポリエチレン、シリコーンがある。フェルトとしては、羊毛、その他の動物の毛、ウールなどの天然素材、レーヨン、ポリエステルなどの合成繊維がある。
図6では、押し付け部41は、穿刺準備位置に配置され、マイクロニードルパッチ3が装着されていない。図7では、押し付け部41は、穿刺位置に配置され、マイクロニードルパッチ3が装着されている。
本体5、バネ伸縮レバー7等は例えば金属、樹脂からなり、金型、3Dプリンタ、成形装置及び他の装置によって製造可能である。
図8〜図10用いて、第2実施形態のアプリケータ101を説明する。図8は、本発明の第2実施形態におけるマイクロニードルパッチ用インパクト付加型アプリケータの先端部分の斜視図である。図9は、アプリケータの先端部分の断面図である。図10は、アプリケータの先端部分の断面図である。
アプリケータ101は、マイクロニードルパッチ103を皮膚に貼付するためのデバイスであり、基本的な構造は第1実施形態と同じである。
先端部材102は、枠状本体104を有している。
先端部材102は、接触部106を有している。接触部106は、枠状本体104に設けられ皮膚に接触するための部分である。具体的には、接触部106は、枠状本体104の開口部周囲の枠状部分である。この実施形態では、枠状本体104の開口部は矩形であるが、その形状は特に限定されない。
以上に述べたように先端部材102はアプリケータ101に着脱自在であるので、マイクロニードルパッチ103を皮膚に穿刺するごとに先端部材102を交換できる。したがって、アプリケータ101の先端を消毒する作業が不要になる。また、1台のアプリケータ101を複数回使用できるので、短時間で多数の患者を治療可能な点に加え、経済的でもある。
例えば、図9の状態から先端部材102を本体105に近づけていくと、取り付け部108が先端部材102の外側に移動し、図10に示すように、さらに係合部108aが凸部105aを乗り越えて移動する。このとき、本体105の先端面105bが枠状本体104の着座面104aに当接する。以上のようにして、先端部材102を本体105に装着できる。
これにより、先端部材102は、本体105の先端にがたつかない状態で装着される。また、先端部材102は、本体105の先端から外すには所定以上の力が必要になるので、先端部材102が本体105の先端から脱落しにくい。また、取り付け部108Aが側方支持部105cに当接するので、先端部材102Aが本体105Aに対して側方に移動することも生じにくい。
この実施形態では、予め載置しておいた先端部材102に対して、上からアプリケータ101を押し込むだけで先端部材102を装着できる。つまり、装着作業性が良い。
なお、先端部材を本体に着脱自在に装着する方法は、本実施形態の前述の構造に限定されない。例えばアプリケータ本体内側に嵌合する四角形に突出した補強板を持っていても良い。
本実施形態に記載の先端部材は、第1実施形態のアプリケータに対して着脱自在にできるが、他の構造のアプリケータに着脱自在にしてもよい。
図11〜図13用いて、第3実施形態のアプリケータ101Aを説明する。図11は、本発明の第3実施形態におけるマイクロニードルパッチ用インパクト付加型アプリケータの先端部分の斜視図である。図12は、アプリケータの先端部分の断面図である。図13は、アプリケータの先端部分の断面図である。
アプリケータ101Aは、マイクロニードルパッチ103Aを皮膚に貼り付けるためのデバイスであり、基本的な構造は第2実施形態と同じである。
アプリケータ101Aは、本体105Aの先端に装着される先端部材102Aを有している。
先端部材102Aは、接触部106Aを有している。接触部106Aは、枠状本体104Aに設けられ皮膚に接触するための部分である。具体的には、接触部106Aは、枠状本体104Aの開口部周囲の枠状部分である。この実施形態では、枠状本体104Aの開口部は矩形であるが、その形状は特に限定されない。
先端部材102Aは、枠状本体104に取り付けられたマイクロニードルパッチ103Aを有している。
図14を用いて、マイクロニードルパッチ103Aの装着方法を説明する。図14は、アプリケータの先端部分の正面図である。接触部106Aの各内側辺には、中心側に延びる円形又は球形の突起106Bが形成されている。マイクロニードルパッチ103Aの各辺は、突起106Bに当接して支持されている。固定のための突起106Bの数は通常は総数4箇所(各辺1箇所)であり、総数で2〜16箇所(各辺0〜4箇所)迄可能であるが2〜4箇所が望ましい。
このような構造によって、マイクロニードルパッチ103Aの脱着が容易である。
取り付け部108Aの構造を具体的に説明する。取り付け部108Aは、枠状本体104Aから一方向に延びる板状部分である。この実施形態では、一対の枠状本体104Aは、対向する2辺に設けられている。取り付け部108Aは、外側に凸となる形状の係合部108aを有している。それに対して、本体105Aの対応する位置には、凸部105aが形成されている。また、凸部105aの両側には、側方支持部105cが形成されている。
これにより、先端部材102Aは、本体105Aの先端にがたつかない状態で装着される。また、先端部材102Aは、本体105Aの先端から外すには所定以上の力が必要になるので、先端部材102Aが本体105Aの先端から脱落しにくい。また、取り付け部108Aが側方支持部105cに当接するので、先端部材102Aが本体105Aに対して側方に移動することも生じにくい。
また、この実施形態では、装着部47に磁石又は磁石を含んだ材料を用いる必要がない。さらに、マイクロニードルパッチ103Aの基板103aに鉄粉等を混ぜる必要がない。
また、複数のマイクロニードルパッチをスペーサを介して積層した状態でアブリケータに充填収納し、順次下方のマイクロニードルパッチから連続的に打ち込む手法をとってもよい。その場合スペーサは枠状の物でもよいし、マイクロニードルパッチと一体化した形状としてもよい。
なお、先端部材を本体に着脱自在に装着する方法は前記実施形態に限定されない。
本実施形態に記載の先端部材は、第1実施形態のアプリケータに対して着脱自在にできるが、他の構造のアプリケータに着脱自在にしてもよい。
図15及び図16を用いて、第4実施形態のアプリケータ1を説明する。図15及び図16は、本発明の第4実施形態における付勢力付与機構内蔵マイクロニードルパッチ用インパクト付加型アプリケータの断面図である。
アプリケータ1は、マイクロニードルパッチ3を皮膚に貼り付けるためのデバイスであり、基本的な構造は第1実施形態と同じである。
本実施形態の変形例として、爪部材25からの被付勢部123への弾性力による荷重を小さく又はゼロに近く設定しておき、付勢力付与機構の一部として、操作者が指で爪部材25を押すことで上記押し付け部41からマイクロニードルパッチ3への押し付け荷重を発生させてもよい。
他の変形例としては、爪部材25からの被付勢部123への荷重をある値に設定しておき、それに操作者が指で爪部材25を押すことで、押し付け部41からマイクロニードルパッチ3に作用する押し付け荷重を増やしてもよい。
さらに他の変形例としては、被付勢部に付勢力を付与可能な付勢部材としては、他の構造、例えば爪部材以外のコイルバネ、板バネ、ゴム成形品さらにアクチュエータを用いてもよい。なお、付勢部材に他の構造を用いた場合でも、操作者の指による上記同様の押し付け荷重を発生可能な構造を採用してもよい。
<1>従来(図21、図22の従来技術に対応)
<2>止め機構を有するアプリケータ(第1〜第3実施形態に対応)
<3>付勢力付与機構を有するアプリケータ(第4実施形態に対応)
図17に示すように、従来のアプリケータでは、パッチに存在するマイクロニードルの折れ方が均一ではなく、偏った部分のみが折れることが多かった。また、1パッチ当たりに存在するマイクロニードルの折れた割合=投与率が30%以下と低く、マイクロニードルの折れた部分の高さ=破断高さも約550μm前後の全高に対して、平均182.9μmという低い傾向にあった。これは真皮層に確実に打ち込むという目的から、好ましいことではない。
さらに、図18に示すように、従来のアプリケータでは、残っているマイクロニードルが高く、全体を見ても破断高さが均一ではない。
図17に示すように、止め機構を有するアプリケータ(打ち込みのみ)では、皮膚に対して垂直に打ち込むことができるなどの効果から、マイクロニードルパッチ上のマイクロニードルの折れの均一性が改善されたことが確認できた。その結果として、投与率は70%に改善され、破断高さも平均262.5μmとより深く、確実に真皮層への投与が実現できることとなった。
さらに、図19に示すように、マイクロニードルの破断高さが大きくなり、全体的に同様の折れが実現できていることが確認できた。しかし、図19の囲み線部分で示すように、外周部の一部で折れていない部分などが確認された。
図17に示すように、付勢力付与機構を有するアプリケータ(打ち込み+押し込み)では、打込み後にニードルを二次加圧により押し付けることによって、より均一な破断が実現し、投与率は95(より良い値)%となった。破断高さも310.2μmとより根元まで折れる結果を得ることができた。
さらに、図20に示すように、図19に比べて、外周部の一部でも折れている部分が増加し、打ち込みの均一性も向上した。
マイクロニードルパッチ用インパクト付加型アプリケータ1(マイクロニードルパッチ用インパクト付加型アプリケータの一例)は、マイクロニードルパッチ3(マイクロニードルパッチの一例)を皮膚に貼り付けるためのアプリケータであって、本体5(本体の一例)と、バネ伸縮レバー7(駆動体の一例)と、弾性体9(弾性体の一例)と、止め機構11(止め機構の一例)と、打ち込みスイッチ13(解除部材の一例)を備えている。バネ伸縮レバー7は、本体5に対して移動可能に装着され、先端にマイクロニードルパッチ3を装着可能である。弾性体9は、バネ伸縮レバー7に付勢力を与えるための部材である。止め機構11は、本体5に対して弾性体9の付勢力を作用させる状態で駆動体を止めるための機構である。打ち込みスイッチ13は、止め機構11とバネ伸縮レバー7の係合を解除するための部材である。
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
当然ながら、第1実施形態と第2実施形態は互いに組み合わせ可能であり、さらに、第1実施形態と第3実施形態は互いに組み合わせ可能である。さらに、第4実施形態に第2実施形態又は第3実施形態を互いに組み合わせてもよい。
3 :マイクロニードルパッチ
3a :基板
3b :マイクロニードル
5 :本体
7 :バネ伸縮レバー
9 :弾性体
11 :止め機構
13 :打ち込みスイッチ
21 :係合部
23 :突起部
25 :爪部材
31 :接触部
33 :後端壁
33a :穴
35 :ナット
37 :支持部材
41 :押し付け部
43 :先端部
43a :内周面
45 :基体
47 :装着部
49 :低剛性部材
51 :ネジ
101 :アプリケータ
101A :アプリケータ
102 :先端部材
102A :先端部材
103 :マイクロニードルパッチ
103A :マイクロニードルパッチ
103a :基板
103b :マイクロニードル
104 :枠状本体
104A :枠状本体
104a :着座面
105 :本体
105A :本体
105a :凸部
105b :先端面
106 :接触部
106A :接触部
108 :取り付け部
108A :取り付け部
108a :係合部
121 : 付勢力付与機構
123 : 被付勢部
Claims (8)
- マイクロニードルパッチを押し当て皮膚に貼付するためのインパクト付加型アプリケータであって、
本体と、
前記本体に対して移動可能に装着され、先端にマイクロニードルパッチを装着可能な駆動体と、
前記駆動体に付勢力を与えるための弾性体と、
前記駆動体を前記本体に対して前記弾性体の付勢力を作用させる状態で止めるための止め機構と、
前記止め機構と前記駆動体の係合を解除するための解除部材と、
を備えたマイクロニードルパッチ用インパクト付加型アプリケータ。 - 前記止め機構は、前記弾性体の付勢力の大きさが異なる状態になるように、複数段階の止め状態を実現できる、請求項1に記載のマイクロニードルパッチ用インパクト付加型アプリケータ。
- 前記駆動体は、前記マイクロニードルパッチが装着される押し付け部を有し、
前記本体は、前記押し付け部が前記本体の延長方向に移動するように前記押し付け部を案内する内周面を有しかつ前記駆動体の移動方向に延びる先端部を有している、請求項1又は2に記載のマイクロニードルパッチ用インパクト付加型アプリケータ。 - 前記押し付け部は、基体と、前記マイクロニードルパッチが装着される装着部と、前記基体と前記装着部との間に配置された衝撃吸収用低剛性部材と、を有している、請求項3に記載のマイクロニードルパッチ用インパクト付加型アプリケータ。
- 前記駆動体が前記本体の先端側に移動することで前記マイクロニードルパッチが皮膚に押し当てられた状態で、さらに前記駆動体に付勢力を付与する付勢力付与機構をさらに備えている、請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロニードルパッチ用インパクト付加型アプリケータ。
- 前記付勢力付与機構は、前記駆動体に設けられた被付勢部と、前記被付勢部に付勢力を付与可能な付勢部材とを有している、請求項5に記載のマイクロニードルパッチ用インパクト付加型アプリケータ。
- マイクロニードルパッチを皮膚に貼り付けるためのインパクト付加型アプリケータに装着される先端部材であって、
枠状本体と、
前記枠状本体に設けられ皮膚に接触するための接触部と、
前記枠状本体に設けられ、前記インパクト付加型アプリケータの先端に着脱自在に嵌められるための取り付け部と、
を備えた先端部材。 - 前記枠状本体に取り付けられたマイクロニードルパッチをさらに備えている、請求項7に記載の先端部材。
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