JP2017022918A - 電力管理装置 - Google Patents
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Abstract
Description
従来の電力管理装置としての需給制御装置は、消費電力と消費熱量とを取得する取得部と、電力および熱量の各々の需要予測データを求める予測処理部と、該需要予測データを所定の関数に入力する事により、蓄電システム、および貯湯槽に熱を供給するヒートポンプの動作制御を行う為の制御パラメータを求める需給計画部と、該制御パラメータで動作制御を行う需給制御部とを備える。そして上記需給計画部は、太陽光発電システムで生成された電力を、蓄電システムとヒートポンプとに配分するように制御パラメータを求める(例えば、特許文献1)。
また、上記特許文献2では、HEMSが、複数の運転モードから蓄電池を制御する運転モードを決定して蓄電池に通知するものであるが、電力料金が低い適切な運転モードを、負荷の消費電力およびPVの発電電力に基づいて決定することは困難であった。
以下、この発明の実施の形態1による電力管理装置を図に基づいて説明する。図1は、この発明の実施の形態1による電力管理装置100を含む電力管理システム全体の構成を概略的に示す図である。電力管理システム(以下、システムと称す)は、創エネ機器A、蓄電機器B、蓄熱機器C、宅内の電気負荷である負荷機器20、系統電源10に接続される商用系統11および電力管理装置100を備えて、電力管理装置100により電力需給が管理される家庭内のシステム(HEMS)である。
蓄電機器Bは、蓄電池3と、蓄電池3の充放電を管理する蓄電池パワコン4とを有する。この実施の形態1では、蓄電機器Bの一例としてリチュウムイオンバッテリを使用した蓄電池3、および蓄電池パワコン4で構成された蓄電装置を用いた場合について説明する。なお、蓄電機器Bは、リチュウムイオンバッテリを使用した蓄電池3に限るものではなく、例えば電気自動車のバッテリを蓄電池として利用する場合、あるいは鉛蓄電池を用いる場合でも良いことは言うまでもない。
系統電源10は200Vの交流電力を商用系統11に供給し、創エネ機器A、蓄電機器B、蓄熱機器Cおよび負荷機器20は商用系統11に接続される。また、創エネ機器A、蓄電機器B、蓄熱機器Cおよび負荷機器20よりも系統電源10側に、分電盤14とスマートメータ15が設けられる。分電盤14は、創エネ機器Aの発電電力、機器Bの充放電電力、蓄熱機器Cおよび負荷機器20の消費電力を計測する電力計測回路14aを内蔵する。
また、分電盤14内の電力計測回路14aで計測される創エネ機器Aの発電電力、蓄電機器Bの充放電電力、蓄熱機器Cおよび負荷機器20の消費電力の各電力計測結果は、信号線13を介して電力管理装置100に通知される。なお、分電盤14は、電力計測回路14aを内蔵しない構成でも良いことは言うまでもない。その際は、各種機器の電力計測結果は各機器内で計測し、計測結果は上記通信ネットワーク12を介して電力管理装置100に通知する等の構成をとれば良いことは言うまでもない。
さらに、電力管理装置100は、公衆回線網30に接続され、公衆回線網30を介してクラウドサーバ31に接続される。
図に示すように、電力管理装置100は、CPU110、ROM111、RAM112、Echonet Lite通信I/F部113、Ethenet通信I/F部114、表示部115、電力計測部116、時刻管理部117、運転計画部118、機器管理部119、負荷機器制御部120、家族スケジュール管理部121、DR(デマンドレスポンス)対応部122、蓄電池運転モード決定部123、およびCPUバス130で構成される。
ROM111はプログラムを記憶する。RAM112は、プログラムを実行する際にデータを一次記憶したり、プログラムを実行する際の作業領域として使用する。
Ethernet(登録商標)通信I/F114は、電力管理装置100を公衆回線網30に接続するEthernet(登録商標)通信のI/Fである。この実施の形態1では、物理層としてEthernet(登録商標)を使用する場合について説明するが、無線LANや光通信I/Fを用いても良いことは言うまでもない。また、電力管理装置100が公衆回線網30に直接接続する場合について説明するが、ホームゲートウェイなどを介して公衆回線網30に接続しても良く、同様の効果を奏することは言うまでもない。
機器管理部119は、創エネ機器A、蓄電機器B、蓄熱機器Cおよび各負荷機器20の動作状況などを管理する機器管理部である。なお、機器管理部119では、新規に機器が投入された際の機器認証も実施するものとする。
また、負荷機器制御部120は負荷機器20の動作を制御し、家族スケジュール管理部121は家族のスケジュールを管理する。DR対応部122は、デマンドレスポンスを受信した際に、使用電力の削減量や電力使用量を削減する機器の優先順位などを決定する。蓄電池運転モード決定部123は蓄電池3の運転モードを決定する。
また、Echonet Lite通信I/F113は、蓄電機器Bの情報取得、および蓄電池3の運転モードを蓄電機器Bに通知する運転モード通知に用いられる。
電力管理装置100の起動が完了すると、CPU110は機器管理部119に対して、接続されている機器の認証を実施するよう指示を出す。この実施の形態1では、Echonet Lite規格を使用するものとし、各機器との接続認証などの詳細な説明は省略する。各機器との接続認証が完了すると、CPU110は機器管理部119に対して接続されている各機器の動作状況を確認するよう指示を出す。機器管理部119は、接続認証が完了した各機器に対して動作状況を通知するようEchonet Lite通信I/F部113に対して指示を出す。指示を受けたEchonet Lite通信I/F部113は、機器管理部119により指示された機器に対して動作状況を通知するようEchonet Lite規格で定義されたコマンドを通信ネットワーク12に送信する。Echonet Lite通信I/F部113より各機器に対して送付された上記コマンドを受信すると、各機器は、現在の動作状態をEchonet Lite規格で定義されたコマンドに基づきEchonet Lite通信I/F部113に通信ネットワーク12を介して送信する。各機器の動作状態を受信するとEchonet Lite通信I/F部113は、機器管理部119にその内容を通知する。認証された機器全ての動作状態の取得を終了すると機器管理部119はその旨をCPU110に通知する。
この実施の形態1では、天気予報情報として「晴れ」、「曇り」、「雨」または「雪」を使用するものとし、気温予測情報としては、1時間毎の気温予測情報を入手し使用するものとする。
天気予報情報を入手すると、CPU110は運転計画部118に対して運転計画を作成するよう指示を出す。
図に示すように、運転計画部118は、負荷消費電力学習管理部200と、PV発電電力学習管理部201と、負荷電力予測部となる負荷消費電力予測部202と、発電電力予測部となるPV発電電力予測部203と、蓄電池モデル204と、給湯機モデル205と、蓄電池3および給湯機5の運転計画を作成する運転計画作成部206とを備える。
負荷消費電力学習管理部200は、時刻管理部117より出力される日付、曜日、時刻データ、Ethenet通信I/F114を介して入手した現在の天気、図示していない温度計により計測した現在の気温情報(外気温)を元に、電力計測部116より出力される、給湯機5および負荷機器20の消費電力を学習する。
PV発電電力学習管理部201は、時刻管理部117より出力される日付、時刻データ、およびEthenet通信I/F114を介して入手した現在の天気を元に、電力計測部116より出力される、太陽光パネル1にて発電される発電電力を学習する。
PV発電電力予測部203は、天気予報結果、PV発電電力学習管理部201内のデータベース、および太陽光パネル1のPV発電電力実績を元に、以降のPV発電電力を予測する。
この実施の形態1では、蓄電池3の劣化の進度を推定して推定結果に基づき蓄電池特性情報に補正を加え、補正された蓄電池特性を、例えば重回帰分析手法を利用し、二次計画法で使用可能な二次系のモデルに近似して蓄電池モデルを生成する。なお、詳細は後述する。
一般に、給湯機5は運転、停止を繰り返し使用すると機器寿命が短くなるため、起動停止は1日2〜3回程度に制限して使用する。従って、この実施の形態1では、電力管理装置100からの給湯機5の起動停止回数を1日に最大2回とする。なお、ユーザからの追いだき要求がある場合は、給湯機5の起動に制限を設けない。この場合、給湯機5は、二次系のモデルに近似するのではなく、予め運転パターンを複数用意しておき運転計画を作成するものとする。給湯機モデル205は、給湯機5の複数の運転パターンによる運転計画を管理する。給湯機5は、起動停止回数が1日に最大2回に限られているため、運転パターン数を絞ることができ演算量の削減が図れる。
なお、給湯機モデル205は、運転パターンを用いるものに限らず、蓄電池3と同様に重回帰分析等の手法を用い、二次系のモデルに近似しても良いことは言うまでもない。
なお、図3では、説明を簡単にするために、気温の予測結果等、本来、運転計画作成部206から各部に供給する情報についても、接続先が明瞭に分かるように外部から供給されているように図示した。
この実施の形態1では、PV発電電力予測および負荷消費電力予測の結果を元に、蓄エネ機器(蓄電機器B、蓄熱機器C)である蓄電池3および給湯機5の特性を加味して、蓄電池3および給湯機5の運転計画を作成する。運転計画を作成する際、図4に示すように、運転計画作成のエンジン部となる運転計画作成部206には、例えば30分間の平均PV発電電力予測結果(図4(a)参照)、および給湯機5の消費電力を除いた、負荷機器20の平均消費電力予測結果(図4(b)参照)が24時間分通知される。
図5は、この発明の比較例による蓄電池制御の際の不具合を説明する図である。
図5(a)に示すように、蓄電池3の運転計画として放電電力(破線)が30分単位で指定されても、負荷消費電力からPV発電電力を差し引いた電力(実線)は変化する。従って、蓄電池3の放電電力が、負荷消費電力からPV発電電力を差し引いた電力より大きい期間で、蓄電池3の放電電力が系統電源10側へ逆潮してしまい、系統連系規定に違反する。
また、図5(b)に示すように、蓄電池3の運転計画として指定された充電電力(破線)が、PV発電電力から負荷消費電力を差し引いた余剰電力(実線)より大きい期間で、本来、電力料金が高いため買電は想定していない電力まで買電して充電し、不必要な電力料金が発生してしまう。
図6(a)は、横軸に充電電力量の割合(以下、SoCと称す)、縦軸に充電電流を示す。図6(b)は、フル放電状態からフル充電状態まで充電する際のSoCの変化を示した。図6(b)において、横軸に時間、縦軸にSoCを示す。図6(c)は、横軸にSoC、縦軸に蓄電池3より出力される電圧を示す。
一般に、蓄電池3は過充電(蓄電池電圧が所定値を超えて充電)、過放電(蓄電池電圧が所定値以下になるまで放電)を行うと蓄電池3の劣化が必要以上に進み、最悪壊れることがある。リチュウムイオンバッテリは、図6(c)に示すように満充電付近(SoCが1.0付近)になると、急激に蓄電池電圧が上昇する。また、満充電付近で充電電流の電流リップルが大きいと、蓄電池3の劣化が必要以上に進む場合がある。
従って、蓄電池3に充電する際は、上記過充電の防止、および充電電流リップル量を低減するため、蓄電池電圧が所定の電圧になるまでは定電流で蓄電池3に充電し、所定の電圧になると蓄電池3へは定電圧で充電する方式がとられる。
この実施の形態1では、蓄電池容量が50%を切った時点が使用期限として説明を続ける。なお、使用期限については上記蓄電池容量が50%を切った時点に限るものではなく、例えば電池メーカが定めた、蓄電池3を安全に使用できる蓄電池残容量等で決定しても良いことは言うまでもない。
一般に蓄電池劣化を抑制するため、蓄電池3内のマネジメントユニットにより、過充電、あるいは過放電を検出した場合、温度の高い状態、あるいは低い状態で充放電を行った場合等、強制的に蓄電池3と蓄電池パワコン4とを切り離すような仕組みが組み込まれていることが多い。
図8は、蓄電池セル温度に対する最大充放電電流とSoCとの関係を示し、この実施の形態1では、充放電電流の最大値を制限する制限テーブルとして用いる。なお、図8(a)は最大充電電流の変化を示し、図8(b)は最大放電電流の変化を示す。また、充電電力量の割合を示すSoCの変化により、SoCに対応して変化する電圧の変化も示される。
また、蓄電池セル温度が室温から低くなるときも、同様に最大充電電流は徐々に小さくなり、また、充電終止電圧が低くなりSoCも低くなる。そして、この実施の形態1では、蓄電池セル温度が0℃以下になると充電動作を禁止する。
また、この実施の形態1では、蓄電池劣化の要因となる蓄電池保存劣化についての説明を省略するが、例えば、保存劣化が進む高温時については、気温予測結果に基づき最大充電電力量(あるいは充電終止電圧)の上限値を制限するよう、さらに制限テーブルを設けても良いことは言うまでもない。
さらに、この実施の形態1では、蓄電池3の劣化を進める要因として、蓄電池セル温度、最大充放電電流、充電終止電圧、放電終止電圧、および保存劣化について説明したがこれに限るものではなく、例えば、蓄電池3の劣化度合い(現在の蓄電池の容量/初期の蓄電池の容量)に応じて、上述した充放電時の制限テーブルを切り替えて使用しても良いことは言うまでもない。具体的には、劣化の進んだ蓄電池3は、より厳しい制限テーブルを使用しても良い。
図9は、ヒートポンプ式の給湯機5の特性であるCOP(エネルギ変換効率)について示す図である。図9(a)は、横軸に気温、縦軸にCOPを示す。ヒートポンプサイクルを利用する給湯機5は、気温によってCOPが異なる。例えば、同じ温度の同量の水を所定の温度のお湯に沸き上げる場合、気温が0℃の場合ではCOPは約2.7程度、気温が30℃の場合ではCOPは約6程度であり、気温が0℃の場合は30℃の場合の2倍以上の電力を必要とする。従って、お湯を沸き上げる場合、気温が高いほど消費電力が低くなる。
また、ヒートポンプサイクルを利用しお湯を沸き上げる給湯機5は、気温、負荷(湯量)等によって、COPが最高効率となるように動作する負荷率(消費電力)も異なる。
図10は、電力管理装置100における運転計画作成動作の全体フロー図である。図11は、図10に示す全体フロー図の部分詳細フロー図であり、図12は、図11に示すフロー図の部分詳細フロー図である。
時刻等の情報の取得が完了すると、電力計測部116は、現在の消費電力、PV発電電力等の情報(リアルタイム計測値)を取得する。その際、気温についても取得する(S12)。
現在のPV発電電力等の取得を終了すると、運転計画部118は、第1蓄電池情報である充放電電力情報(充放電電力あるいは充放電電流)を取得する(S13)。
蓄電池3の充放電電力情報の取得を完了すると、運転計画部118は、第1給湯機情報である給湯機5の消費電力を取得する(S14)。
なお、ステップS11からステップS14の各計測データは、50μsの周期(20KHz)でサンプリングするものとする。なお、サンプリングは50μsに限るものではない。また、取得した各計測データを元に、後述する運転計画更新周期内(この場合、30分)で平均値を算出するものとする。
通常、電力管理装置100は、定期的に太陽光パワコン2、蓄電池パワコン4、給湯機5、および負荷機器20であるエアコン21、冷蔵庫22、照明23、IHクッキングヒータ24と通信を行い、各機器の情報をEchonet Lite通信I/F部113を介して取得する。この実施の形態1では、30分毎に各機器の情報を取得して運転計画を作成するものとする。
なお、電力管理装置100での運転計画の作成周期は30分に限るものではなく、CPU110の処理速度や通信速度等で決定すれば良い。また、運転計画の作成周期は一定である必要はなく、例えば、深夜などPV発電がなく、また負荷消費電力も予測値とあまり変わらない時間帯は、運転計画の作成周期を長くとることで電力管理装置100でも消費電力の削減を図っても良い。あるいはPV発電電力が予測から外れ、運転計画の変更を余儀なくされた場合等については、不定期に運転計画の作成または変更を行って良いことは言うまでもない。
一方、ステップS15でYesの場合は、電力料金テーブルを取得するため、Ethernet(登録商標)通信I/F部114を介してクラウドサーバ31に現在契約している電力料金テーブル情報を送付するよう要求する。クラウドサーバ31は、電力料金テーブル情報の要求を受信すると、需要者である現在ユーザが契約している電力料金体系としての電力料金テーブルをEthernet(登録商標)通信I/F部114を介して運転計画部118内の運転計画作成部206に送信する。なお、電力料金テーブルには太陽光パネル1で発電した電力(余剰電力)の売電価格情報についても送付されてくるものとする。クラウドサーバ31から電力料金テーブル情報を受信すると運転計画作成部206は、図示していないデータ記憶部に電力料金テーブルを記憶する(S16)。
なお、電力料金体系は図13に示すものに限るものではなく、例えば、料金体系が現在の総需要量で時々刻々と変化すような可変電力料金体系等でも良いことは言うまでもない。また、デマンドレスポンスに基づくインセンティブが発生する場合は、そのインセンティブを考慮した電力料金体系であっても良いことは言うまでもない。
第2蓄電池情報の取得を完了すると、運転計画部118は、給湯機5の蓄熱量、湯量等の第2給湯機情報をEchonet Lite通信I/F部113を介して取得する(S18)。
第2給湯機情報の取得が完了すると、運転計画部118は、ステップS19で示す運転計画の作成を開始する。
運転計画作成が開始されると運転計画部118内の運転計画作成部206は、Ethernet(登録商標)通信I/F部114を介してクラウドサーバ31から天気予報情報、および気温予報情報を取得し、図示していない記憶領域に記憶する(S31)。
天気予報情報、および気温予報情報の取得および記憶が完了すると、運転計画作成部206は、入手した天気予報情報が更新されているか確認する(S32)。
ステップS32でYes、即ち天気予報情報が更新されていた場合、運転計画作成部206はPV発電電力予測部203に対してPV発電電力の予測、および補正を行うよう指示を出す。PV発電電力予測部203は指示を受け取ると、太陽光パネル1の取り付け角、および取り付け方位、経度、緯度情報を取得する。具体的には、太陽光パネル1の取り付け角、および取り付け方位情報については、太陽光パネル1の取り付け工事完了時にユーザが入力したものを、ROM111内に記憶しておき、そのデータを読み出す。経度、緯度情報については、クラウドサーバ31より入手する。
太陽光パネル1に関する各情報の取得を完了すると、運転計画作成部206は天気予報に基づく日射量推定を実施する。
PV発電電力学習管理部201は、天気実績、およびPV発電電力から推定した日射量情報、および日時情報を元に日射量推定用のデータベースを作成する。この実施の形態1では、日射量推定用のデータベースとして、月毎に天気情報の種類毎にデータベーステーブルを持つものとする。なお、日射量推定用のデータベースは学習により追加、更新されるもので、日毎、あるいは週毎、あるいは季節毎に持たせるように構成しても良いことは言うまでもない。
図14は、PV発電電力学習管理部内のデータベースに格納された各天気、時刻の日射量の予測データを示すもので、各天気(晴れ、曇り、雨)の学習データを内挿し求めた日射量の学習結果から得られたものである。なお、30分単位の棒グラフでは3種類のデータを表示できないため、図14では波形で示した。図において、縦軸は推定日射量値、横軸は時刻を示す。なお、この実施の形態1では、データベースを30分単位で構成する場合について説明するがこれに限るものではなく、与えられたメモリサイズで、例えば15分単位、あるいは1時間単位で構成しても良いことは言うまでもない。また、冬季であれば雪の天気についてもデータベースを作成する。
そして、上述の要領で取得した経度、緯度情報、ステップS11で取得した日時情報(本日の月日、時刻情報)を元に、太陽の高度を算出する。太陽の高度の算出結果、太陽光パネル1の取り付け角、取り付け方位、および実測PV発電電力に基づく30分間の平均PV発電電力から日射量を算出する。
日射量の算出が完了すると、算出した日射量から過去30分間の天気を推定する。この実施の形態1では、日時、および上記算出した日射量から天気を推定するデータベースを準備しておくものとして説明を続ける。なお、上記日射量の算出結果は、図示していないPV発電電力学習管理部201内のメモリに日射量データとして記憶する。なお、該日射量データは、当日、太陽光パネル1が発電している時間帯分のデータを蓄積するものとして説明を続ける。
図15は、ステップS33と後述するステップS34を説明する図で、推定日射量を実測結果に基づいて補正する日射量補正動作を説明する図である。
図15(a)に、学習用データベースから読み出した日射量データを示す。図において、縦軸は推定日射量(日射量予測値)、横軸は時刻を示す。なお、この実施の形態1では、データベースを30分単位で構成する場合について説明したがこれに限るものではなく、与えられたメモリサイズで、例えば15分単位、あるいは1時間単位で構成しても良いことは言うまでもない。また、冬季であれば雪の天気についてもデータベースを作成する。また、天気種別も晴れ、曇り、雨に限るものではなく、例えば、晴れのち曇り、曇りのち晴れ、晴れ時々曇り等、天気予報で通知される情報を用いてデータベースを構築しても良いことは言うまでもない。
ステップS32でNoの場合は、ステップS33をパスする。
次に、実測PV発電電力に基づく30分毎の平均PV発電電力から日射量を算出、即ち平均PV発電電力を日射量に換算した、現時刻までの日射量算出値(図15(b)参照)を用いて、図15(a)に示す推定日射量に補正をかける。具体的には、以下の(式1)に示す演算で補正係数k1を算出して補正する。
k1=Σ(日射量算出値)/Σ(推定日射量)
PV発電開始前:
k1=1
・・・・・・・・・・(式1)
但し、Σは、0時(あるいは発電開始)から現時刻までの合計を示す。
この実施の形態1では、以下の理由により実測結果に基づく日射量補正を行っている。上述したように、天気予報は、晴れ、曇り、雨、雪の4種類程度である。従って、天気予報が晴れであっても、雲1つない晴天と、雲の割合が75%程度の晴れでは、PV発電電力は異なる。このため、実測結果に基づき推定日射量に補正を加えることで日射量の予測誤差の最小化を図っている(S34)。
なお、PV発電電力予測に際しては、PV発電電力予測部203は、各時刻の日射量からPV発電電力を予測する学習テーブルを準備しておき、該学習テーブルを用いて各予測時刻のPV発電電力を予測するものとする。また、該PV発電電力を予測する学習テーブルは、電力計測部116で30分間の平均発電電力、およびその情報から推定した日射量を元にデータを学習し、学習テーブルを構築するものとする。なお、当該学習テーブルは、この実施の形態1では時刻毎12ヶ月分の学習テーブルを持つものとする。学習テーブルは12カ月分に限るものではなく、例えば、13カ月や季節毎4つのテーブル、週単位でテーブル、あるいは日単位でテーブルを持たせても良いことは言うまでもない(S35)。
まず、負荷消費電力予測部202は、実測結果に基づく気温の補正を実施する。以下、気温の実測結果に基づく補正方法について説明する。
図16は、実測結果に基づいて気温情報を補正する動作を説明する図である。この実施の形態1では、気温予測情報は30分単位でクラウドサーバ31から通知されるものとする。図16(a)に、クラウドサーバ31から通知された気温予測情報を示す。図において、縦軸は予測気温、横軸は時刻を示す。
なお、気温予測情報は30分単位に限るものではなく、1時間単位、4時間単位、あるいは6時間単位であっても良いことは言うまでもない。また、1時間、4時間、あるいは6時間単位で通知される場合は、データ間は内挿して使用するものとする。また、各時刻単位の気温情報ではなく、最高気温、最低気温情報のみでも良い。ただし、最高気温、最低気温の場合は、気温学習用のデータテーブルを例えば月毎、天気毎で準備し、該気温学習用のデータテーブルを利用して、24時間の気温の変化を決定し、該最高気温、最低気温情報にて補正をかけるように構成しても良い。
負荷消費電力学習管理部200は、図16(b)に示す実測気温による平均気温情報を用いて、図16(a)に示す気温予測情報に対して補正をかける。具体的には、以下の(式2)に示すように、当日の0時より現時刻までの30分単位の平均気温(実測気温)と予測気温との各差分データの平均値である補正値k2を算出する。
・・・・・・・・・・(式2)
但し、Σは、0時から現時刻までの合計を示し、データ数は差分データの数を示す。
図17は、補正後蓄電池セル予測温度の算出動作を説明する図である。なお、当日の0時より現時刻までの30分単位の蓄電池セル温度の平均データは、ステップS17にて取得した蓄電池セル温度から算出されて図示していないメモリへ記憶される。
具体的には、以下の(式3)に示すように、最新の平均蓄電池セル温度(蓄電池セル温度)と平均気温(実測気温)との差分である補正値k3を算出する。なお、蓄電池3は使用により温度上昇する為、k3は0以上である。
・・・・・・・・・・(式3)
なお、蓄電池セル温度に対して想定される現時刻以降の30分毎の予測温度を算出し、その予測温度をステップS36での気温補正と同様に補正して補正後蓄電池セル予測温度を求めても良い。
実測結果に基づく負荷消費電力量学習が完了すると、負荷消費電力学習管理部200は負荷消費電力予測部202にその旨を通知する。終了通知を受け取った負荷消費電力予測部202は、ステップS31で取得した天気予報情報、ステップS11で取得した月日、曜日情報から負荷消費電力の予測値(学習テーブルデータ内のデータ)を当日の24時間分読み出す(図18(a)参照)。
図18(a)において、縦軸は消費電力、横軸は時刻を示す。なお、この実施の形態1では、データベースを30分単位で構成する場合について説明したがこれに限るものではなく、与えられたメモリサイズで、例えば15分単位、あるいは1時間単位で構成しても良いことは言うまでもない。
なお、負荷消費電力の予測においては、誤差値をそのまま補正値に用いて予測値に加える。これは、上述したように、消費電力の誤差は、エアコン21や照明23等の運転時間、および個別の負荷機器20の消費電力の変動に起因するものが大きいためである。例えば、予定外の時間からエアコン21が動作する、あるいは気温が高い(あるいは低い)ためエアコン21の消費電力が予定より多くなるなど個別の負荷機器20の消費電力増加に起因して負荷消費電力は増加する。
この実施の形態1では、実測結果との平均誤差を補正値k4として負荷消費電力の予測値に加算するよう構成した。また、家族のスケジュールに基づき補正を加えることで負荷消費電力の予測誤差の最小化を図っている(S38)。
余剰電力の予測が終了すると、運転計画作成部206は蓄電池3および給湯機5の運転計画の作成を行う(S40)。
蓄電池3および給湯機5の運転計画作成が開始されると、運転計画部118内の運転計画作成部206は、給湯機5の情報を収集する。具体的には、家族スケジュール管理部121から、給湯機5の使用計画である使用時刻および使用湯量を取得する。図19に、給湯機5の使用計画の一例を示す。給湯機5の使用計画を入手すると、水温情報を元に現在の蓄熱量を求める。なお、翌日の給湯機5の運転計画を立てる際の水温は、給湯機5内の図示していない水温計で予め定められた時間に測定した水温を使用するものとする(S41)。
なお、取得した給湯機5の情報(使用湯量、使用時間および蓄熱量)、および給湯機5の特性情報は給湯機モデル205に入力する(S42)。
この実施の形態1では、毎日23時に、1日の蓄電池3の動作履歴および計測結果から容量維持率を推定するものとして説明する。容量維持率は、23時の時点で、24時間の蓄電池3の充放電履歴、蓄電池セル温度からCPU110が算出し、運転計画作成部206に通知する。なお、容量維持率の計算方法の説明は省略する。
また、蓄電池パワコン効率は、電力計測部116にて、充電電流、放電電流、およびSoC情報から算出するものとする。なお、蓄電池パワコン効率の算出方法はこれに限るものではなく、予め蓄電池パワコン4に記憶しておき、Echonet Lite通信I/F部113介して取得しても良いことは言うまでもない(S43)。
取得した蓄電池3の情報、および蓄電池3の特性情報は蓄電池モデル204に入力する(S44)。
上述したように、蓄電池3は、蓄電池セル温度および蓄電電力量により充放電電流の最大値が変わる。また、蓄電池セル温度により、充電可能な最大SoC値も変わる。更に、上記充放電電流の最大値、充電可能な最大SoC値も蓄電池3の劣化進度によって変わる。
この実施の形態1では、ステップS37にて補正した補正後蓄電池セル予測温度に基づいて図8に示す蓄電池充放電電流の制限テーブルを選択する。そして、更に、劣化進度により、蓄電池充放電電流の制限テーブルを変更すると共に、劣化が進んだ蓄電池3に対しては充電終止電圧を新品のものに比べ低くする。具体的には、図8に示す蓄電池充放電電流の制限テーブルを最大充放電電流も低く抑えるように変更する。また、図6(b)に示す定電流充電から定電圧充電に切換える蓄電池電圧を低くするとともに、SoCについても1.0(満充電)になる前に終了する。
一般に、給湯機5は1日に運転、停止を繰り返し使用すると機器寿命が短くなるため、起動および停止は1日2〜3回程度に制限して使用する。このため、運転パターンを選択することで運転計画を作成する方法において、運転パターン数を絞ることができ演算量の削減が図れる。なお、蓄電池3と同様に重回帰分析等の手法を用い、二次系のモデルに近似しても良いことは言うまでもない。
この実施の形態1では、給湯機5の1日の起動停止回数を最大2回とする。この場合、ユーザが風呂の追いだきで使用する場合等を考慮し運転計画では2回に制限し、ユーザからの追いだき要求がある場合は、給湯機5の起動に制限を設けないものとする。
上述したように、給湯機5はヒートポンプサイクルを利用するため、気温によりCOPが変わる。例えば、3℃と9℃では1.5倍以上COPが変わる場合もある。従って、この実施の形態1では、給湯機モデル205において、図9に示すCOP特性、電力料金体系および余剰電力に基づいて、給湯機5の運転パターンの数を予め絞ることで、運転計画作成部206部での負担を減らす。具体的には、気温予測結果に基づき、各時刻(この実施の形態1では、30分単位)の平均使用電力および蓄熱量を算出する。この平均使用電力算出結果と余剰電力予測結果とから売電あるいは買電電力を算出する。そして、この売買電力算出結果を元に、給湯機5を運転した場合の電力料金と運転しなかった場合の電力料金を算出する。この電力料金は、ユーザの契約に基づく電力料金体系における買電料金および余剰電力の売電料金を参照して算出される。そして、算出結果の中から、電力料金の削減効果の高い複数の運転パターンを抽出する。なお、抽出により給湯機モデル205が生成する運転パターンは、給湯機5の深夜給湯を必ず含むものとする。これは、運転計画には蓄電池3の充放電の計画も含まれており、給湯機5で余剰電力を用いて給湯するよりも、余剰電力を蓄電池3に充電し、給湯機5の運転は、深夜給湯にて行う場合の方が電力料金が安い場合があるためである。
なお、CPU110の処理能力に余裕がある場合は、給湯機5の全ての運転パターンを用いて運転計画を作成しても良いことは言うまでもない。
このように給湯機モデル205が生成する複数の運転パターン内から、運転計画作成部206は、上述したように運転パターンを選択する(S46)。
次に、運転計画作成部206は、給湯機5の運転パターン、蓄電池3の運転計画、PV発電電力予測結果および負荷消費電力予測結果から電力料金を算出する(S48)。
そして、電力料金の算出が完了すると、給湯機モデル205で生成された全ての運転パターンについて処理して電力料金を確認したかを判定する(S49)。
ステップS49で、給湯機モデル205で生成された全ての運転パターンについて処理されて各電力料金の確認が完了すると、運転計画作成部206は、電力料金が最小である運転パターンを決定する。これにより、電力料金が最小となるように、給湯機5の運転パターンと蓄電池3の運転計画(充放電電力)との組み合わせが決定される(S50)。
これにより、ステップS19で示す運転計画の作成を終了する。
蓄電池3の運転モードの決定が完了すると、電力管理装置100内のCPU110は、1日が経過したか(23時か)を確認する(S21)。ステップS21において、1日が経過していない場合は、ステップS11に戻り、再度フローを実行する。
ステップS21において、1日が経過した場合は、1日の充放電履歴データを使用して蓄電池3の劣化進度を推定し(S22)、再びステップS11に戻り運転計画作成を開始する。
この実施の形態1では、蓄電池3の運転モードとして、強制充電モード、強制放電モード、ピークカットモード、余剰電力充電モード(余剰充電モード)、売電最大モード、買電最小モード、待機モードの7つのモードを有する場合について説明する。
強制充電モードは電力管理装置100から指示された充電電力で充電するモードであり、例えば、深夜電力の充電等で使用する。強制放電モードは電力管理装置100から指示された放電電力で放電するモードである。ピークカットモードは、買電電力が所定の電力を越えないように蓄電池3から電力を放電するモードである。余剰電力充電モードは、PV発電電力から負荷消費電力を差し引いた余剰電力を充電するモードである。なお、創エネ機器Aが、風力発電機器や燃料電池の場合も、発電電力が消費電力より大きい場合に生じる余剰電力を充電する場合は余剰電力充電モードを使用する。売電最大モードはPV発電電力を最大限売電するモードで、基本的には負荷機器20の消費電力を蓄電池3の放電で賄う。買電最小モードは買電電力が最小になるように蓄電池3の充放電制御を行う。そして、待機モードは蓄電池3は充放電を行わずに待機しているモードを示す。
太陽光パネル1(PV)が発電していればPVは発電、発電をしていなければ停止状態とする。また、蓄電池3は、運転計画に基づき充電、放電、充放電なしの3種類で記した。またシステムが系統(商用系統11)へ売電を実施していた場合は売電欄に○を記した。同様に系統から買電をしていた場合は、買電欄に○と記した。なお、買電欄、および売電欄に×が記されている場合は、買電、あるいは売電を実施していないことを示す。
次に、蓄電池3の運転モードについて説明する。蓄電池3の運転モードはPV発電の有無、蓄電池3の動作状態(充電/放電/充放電なし)、系統の状態(売電あり/買電あり/売買電なし)により候補となる運転モードには○、候補とならない運転モードには×を記した。
図21は、蓄電池3の運転モードを決定する際のメインフローを示す。
蓄電池運転モード決定部123は、運転計画部118から蓄電池3の運転計画として現時刻以降の30分間の充放電電力が通知されると、運転モードの決定を開始する。なお、この実施の形態1では、現時刻以降の30分間における蓄電池3の充放電電力を用いて運転モードを決定する場合について説明する。しかし、これに限るものではなく、例えば、現時刻以降の1時間、2時間、あるいは24時間の充放電電力を用いても良いことは言うまでもない。
各種データの取得が完了すると蓄電池運転モード決定部123は、PV発電電力予測結果から現時刻以降の30分間にPV発電があるか否かを確認する(S101)。PV発電があると判断すると(Yesの場合)、蓄電池運転モード決定部123は、蓄電池3の運転計画(充放電電力)から蓄電池3は充電するかを確認する(S102)。
一方、上記条件以外は、ピークカットモードで動作するものとする。想定されたPV発電電力が確保できない、あるいは負荷消費電力が予測を越えて増大する場合、系統からの買電電力が増加する。運転計画では、高負荷機器(例えば、IHクッキングヒータ24や給湯機5等)を複数台同時に使用する場合等を想定して計画される場合があり、その際、使用電力を契約電力以下に抑えるために蓄電池3から放電する。そのような場合に使用する電力を、前もって蓄電池3に充電することを想定している場合があり、買電電力を蓄電池3に充電する事がある。この実施の形態1では、電力を必要以上に買電しないようにピークカットモードを使用する。
次に、算出した買電電力充電時の電力料金が、現時刻以降の一番高い買電価格(最高売電価格)より高いか否かを判断し(S122)、算出した電力料金価格が最高買電価格より高くない場合(Noの場合)は、DR要求があったかを確認する(S123)。DR要求がなければ(Noの場合)、蓄電池3の運転モードを強制充電モードに決定し(S124)、蓄電池3の運転モード決定処理を終了する。なお、蓄電池3は、運転計画部118より通知された充電電力(充放電電力)で充電される。
また、ステップS123において、DR要求がある場合(Yesの場合)も、ステップS125に移行して、蓄電池3の運転モードをピークカットモードに決定し、蓄電池3の運転モード決定処理を終了する。
ステップS103において、買電電力がないと判断すると(Noの場合)、蓄電池運転モード決定部123は、売電電力があるかを確認する(S104)。売電電力があると判断すると(Yesの場合)、蓄電池運転モード決定部123は、図23に示すフローF2を実行する。フローF2は、PV発電ありで、蓄電池3は充電、系統へ売電している。この場合、PV発電電力は蓄電池3、負荷機器20および系統に供給されることとなるので、図20に示すように、蓄電池3は余剰電力充電モード、もしくは買電最小モード(余剰充電あるいは余剰売電)で運転される。
次に、余剰電力と充電電力が等しいか否かを確認する。蓄電池セル温度等の情報が運転計画部118で使用したものとは異なるため、マージンをとって等しいか否かを確認する。この実施の形態1では10%程度の誤差を許容して、等しいと判断する(S143)。 余剰電力と充電電力が等しいと判断すると(Yesの場合)、蓄電池3の運転モードを余剰電力充電モードに決定し(S144)、蓄電池3の運転モード決定処理を終了する。
充電電流が図8に示す最大充電電流の値とほぼ同じ値になる場合は、蓄電池3の特性により充電電流が最大値にクリップされたものと判断するため、余剰電力充電モードに決定する。なお、充電電流が最大値にクリップされたと判断するのは、以下の理由による。運転計画部118では、30分間の平均充放電電力を算出する。従って、計画の後半部でSoCが0.8を越えると蓄電池3は定電流充電から定電圧充電に切り換る。それに伴い、後半の充電電力は少なくなり、30分間の平均充電電力が小さくなる。また、充電中に、蓄電池3や蓄電池パワコン4での損失により蓄電池セル温度が上昇し、充電の前半と後半では最大充電電流が変わってくる場合も想定される。よって、この実施の形態1では、例えば数A程度のマージンを取ることにする。
ステップS104において、売電電力がないと判断すると(Noの場合)、蓄電池運転モード決定部123は、図24に示すフローF3を実行する。フローF3は、PV発電ありで、蓄電池3は充電、系統への売買電は無い場合に使用する。
この場合、PV発電電力と、蓄電池3の充電電力および負荷機器20の消費電力とのバランスがとれている。従って、蓄電池3の運転モードとしては、余剰電力充電モードと買電最小モードの2種類のモードが考えられる。
ステップS162において、買電価格が売電電力充電時の電力料金より高くない場合、ステップS121と同様に買電電力充電時の電力料金の算出を行い(S164)、算出した買電電力充電時の電力料金と、現時刻以降、例えば深夜電力時間帯に入るまで(23時まで)の買電価格の最大値とを比較する(S165)。
ステップS165において、買電電力充電時の電力料金が高い場合は、蓄電池3の運転モードを買電最小モードで余剰電力を売電するモードに決定し(S166)、蓄電池3の運転モード決定処理を終了する。
ステップS165において、買電電力充電時の電力料金が買電価格の最大値より高くない場合は、ステップS163に移行し、蓄電池3の運転モードを余剰電力充電モードに決定し、蓄電池3の運転モード決定処理を終了する。
ステップS102において、蓄電池3が充電しない場合(Noの場合)、蓄電池運転モード決定部123は、蓄電池3が放電するかを確認する(S105)。蓄電池3が放電する場合は(Yesの場合)、蓄電池運転モード決定部123は、買電電力があるか確認する(S106)。そして、買電電力がある場合は(Yesの場合)、蓄電池運転モード決定部123は、図25に示すフローF4を実行する。フローF4は、PV発電ありで、蓄電池3は放電、系統からの買電がある場合に使用する。この場合、基本的にはピークカットで動作する。しかしながら、算出された放電電流が、図8に示す最大放電電流の値とほぼ同じである場合は、運転計画部118で放電電流がクリップされたものとして、ピークカットモードではなく買電最小モード、あるいは売電最大モードを選択する。買電最小モードと売電最大モードの選択は、余剰電力の売電価格で決定する。
次に、算出した放電電流と最大放電電流が等しいか否かを確認する。この場合も上述した充電の場合と同様に、一定のマージンを許容して判断する(S183)。放電電流と最大放電電流が等しくないと判断すると(Noの場合)、蓄電池3の運転モードをピークカットモードに決定し(S184)、蓄電池3の運転モード決定処理を終了する。
買電最小モードあるいは売電最大モードを選択する場合、蓄電池3は放電電力と負荷の消費電力がほぼ等しくなるように制御される。フローF4の場合では、買電電力があるため、基本的には上述したように指定された買電電力になるように蓄電池3はピークカットモードで動作する。しかし、蓄電池3の特性により放電電流が確保できない(例えば、蓄電池セル温度が高く、最大放電電流がクリップされているような場合)は、買電最小モード、あるいは売電最大モードのどちらかを選択する。なお、この実施の形態1では、ステップS183において、放電電流と最大放電電流がほぼ等しいか否かで、ピークカットモードかどうかの決定を判断した。これは、例えば、蓄電池セル温度等の情報が運転計画部118で使用したものとは異なるためマージンをとっているためであり、フローF2の場合と同様に10%程度の誤差は、ほぼ等しいと判断する。
ステップS185において、売電価格が買電価格より高くない場合(Noの場合)は、現時刻以降、例えば深夜電力時間帯に入るまで(23時まで)の買電価格の最大値を、売電電力充電時の電力料金と比較する。売電電力充電時の電力料金は、売電価格で購入した電力を蓄電池3に充電する場合を想定した電力料金を、蓄電池3の充放電での損失と蓄電池パワコン4での充放電に伴う電力変換損失を考慮した充放電効率で除算した値である(S187)。売電電力充電時の電力料金が買電価格の最大値より高い場合、ステップS186に移行して蓄電池3の運転モードを売電最大モードに決定し、蓄電池3の運転モード決定処理を終了する。
例えば、余剰電力の売電価格が20円で、PV発電の余剰電力を蓄電池3に充電し、この充電した余剰電力を放電する際の効率を80%とする。その場合、1kWhの充電で、蓄電池3から放電できる電力は0.8kWhとなる。よって、蓄電池3から1kWhの電力を取り出そうとした場合、1kWh/0.8=1.25kWh必要となり、余剰充電の単価は、20円×1.25=25円/kWhとなる。即ち、買電電力料金を1kWh当たり、例えば24円とすると、この電力料金では、余剰電力を充電せずに売電したほうが経済的なメリットがある。
なお、電力料金体系は上述に限るものではない。また、この実施の形態1では、図8に示す最大放電電流と放電電流がほぼ同じ値の場合に放電電流がクリップされたものとしたが、それは以下の理由による。運転計画部118では、30分間の平均放電電力を算出する。従って、放電中に、蓄電池3や蓄電池パワコン4での損失により蓄電池セルの温度が上昇し、充電の前半と後半では最大放電電流が変わってくる場合も想定されるためである。
ステップS106において、買電電力がない場合は(Noの場合)、売電電力があるかを確認する(S107)。そして、売電電力がある場合は、蓄電池運転モード決定部123は、図26に示すフローF5を実行する。フローF5は、PV発電ありで、蓄電池3は放電、系統への売電がある場合に使用する。この場合、売電最大モードと買電最小モードの2種類のモードが考えられる。
次に、放電電力が負荷消費電力と等しいかを確認する(S203)。なお、この場合も上述したように、一定の誤差を許容して等しいと判断する。以降、一定の誤差を許容して等しい事をほぼ等しいと表わす。
ステップS203において、放電電力が負荷消費電力とほぼ等しい場合は、蓄電池3の運転モードを充電最大モードに決定し(S204)、蓄電池3の運転モード決定処理を終了する。
ステップS205において、放電電流と最大放電電流がほぼ等しくない場合、売電価格が買電価格より高いかを判断する(S206)。売電価格の方が高い場合は、余剰電力を売ったほうが経済的にメリットがあると判断し、ステップS204に移行して、蓄電池3の運転モードを売電最大モードに決定し、蓄電池3の運転モード決定処理を終了する。
ステップS206において、売電価格の方が高くない場合は、蓄電池3の運転モードを買電最小モードに決定し(S207)、蓄電池3の運転モード決定処理を終了する。
なお、買電最小モード選択時にPV発電の余剰電力が発生した場合は、蓄電池3に充電するものとする。これは、運転計画部118内の蓄電池モデル204で作成した蓄電池モデルの内容にもよるが、蓄電池3に用いられるリチュウムイオンバッテリはSoCの値により蓄電池3内の内部抵抗の値が変わる。特に蓄電残量がほとんどない場合、あるいは満充電に近い状態では内部抵抗は高くなる。また、内部抵抗は蓄電池セル温度や蓄電池3の劣化状態によっても変わる。従って、買電最小モードで動作することを想定した運転計画であっても、蓄電池3の例えば上記内部抵抗の特性等を考慮することで、消費電力予測結果よりも放電電力が大きくなり、数値上売電が発生するように見えることもあるためである。
ステップS107において、売電電力がない場合(Noの場合)、蓄電池運転モード決定部123は、図27に示すフローF6を実行する。フローF6は、PV発電ありで、蓄電池3は放電、系統との間で売買電がない場合に使用する。この場合、PV発電電力および蓄電池3の放電電力と、負荷消費電力とのバランスがとれている。従って、蓄電池3の運転モードとして、売電最大モードと買電最小モードの2種類のモードが考えられる。
ステップS222で、売電価格の方が高くない場合は、現時刻以降、例えば深夜電力時間帯に入るまで(23時まで)の買電価格の最大値が、ステップS221にて算出した売電電力充電時の電力料金と比較する(S224)。売電電力充電時の電力料金の方が高い場合は、ステップS223に移行し、蓄電池3の運転モードを売電最大モードに決定して、蓄電池3の運転モード決定処理を終了する。
ステップS224において、売電電力充電時の電力料金の方が高くない場合は、蓄電池3の運転モードを買電最小モードに決定して(S225)、蓄電池3の運転モード決定処理を終了する。なお、買電最小モード選択時にPV発電の余剰電力が発生した場合は、蓄電池3に充電するものとする。
ステップS105において、蓄電池3が放電しない場合(Noの場合)、蓄電池3は充放電なしであり、蓄電池運転モード決定部123は、買電電力があるか確認する(S108)。そして、買電電力がある場合は(Yesの場合)、蓄電池運転モード決定部123は、図28に示すフローF7を実行する。フローF7は、PV発電ありで、蓄電池3の充放電はなく、系統からの買電がある場合に使用する。この場合、蓄電池3の運転モードとしては、待機モード、ピークカットモード、余剰電力充電モードの3種類のモードが考えられる。
ステップS241において、DR要求がなかった場合は、現時刻以降、例えば深夜電力時間帯に入るまで(23時まで)の買電価格の最大値と、売電電力充電時の電力料金(売電価格で購入した電力を蓄電池3に充電する場合を想定した電力料金を、蓄電池3の充放電での損失と蓄電池パワコン4での充放電に伴う電力変換損失を考慮した充放電効率で除算した値)と比較する(S243)。売電電力充電時の電力料金の方が高い場合は、蓄電池3の運転モードを待機モードに決定して(S244)、蓄電池3の運転モード決定処理を終了する。
ステップS243において、売電電力充電時の電力料金の方が高くない場合は、蓄電池3の運転モードを余剰電力充電モードに決定して(S245)、蓄電池3の運転モード決定処理を終了する。
ステップS108において、買電電力がない場合は(Noの場合)、蓄電池運転モード決定部123は、売電電力があるか確認する(S109)。そして、売電電力がある場合は(Yesの場合)、蓄電池運転モード決定部123は、図29に示すフローF8を実行する。フローF8は、PV発電ありで、蓄電池3の充放電はなく、系統への売電がある場合に使用する。この場合、蓄電池3の運転モードとしては、待機モード、あるいは買電最小モードが考えられる。
ステップS261において、現在の買電価格が一番高い価格帯でなければ、蓄電池3の運転モードを待機モードに決定して(S263)、蓄電池3の運転モード決定処理を終了する。
ステップS109において、売電電力がない場合は(Noの場合)、蓄電池運転モード決定部123は、図30に示すフローF9を実行する。フローF9は、PV発電ありで、蓄電池3の充放電はなく、系統との間で売買電がない場合に使用する。この場合、蓄電池3の運転モードとしては、待機モード、買電最小モードおよび余剰電力充電モードの3つの運転モードが考えられる。
ステップS281において、現在の買電価格が一番高い価格帯でなければ、現時刻以降、例えば深夜電力時間帯に入るまで(23時まで)の買電価格の最大値と、売電電力充電時の電力料金(売電価格で購入した電力を蓄電池3に充電する場合を想定した電力料金を、蓄電池3の充放電での損失と蓄電池パワコン4での充放電に伴う電力変換損失を考慮した充放電効率で除算した値)と比較する(S283)。売電電力充電時の電力料金の方が高い場合は、蓄電池3の運転モードを待機モードに決定して(S284)、蓄電池3の運転モード決定処理を終了する。
ステップS283において、売電電力充電時の電力料金の方が高くない場合は、蓄電池3の運転モードを余剰電力充電モードに決定して(S285)、蓄電池3の運転モード決定処理を終了する。
ステップS101において、PV発電がないと判断すると(Noの場合)、蓄電池運転モード決定部123は、蓄電池3の運転計画(充放電電力)から蓄電池3は充電するかを確認する(S110)。蓄電池3が充電する場合(Yesの場合)、蓄電池運転モード決定部123は、図31に示すフローF10を実行する。フローF10は、PV発電なしで、蓄電池3は充電で、系統から買電がある場合に使用する。なお、PV発電なしで蓄電池3が充電している場合、系統からの買電がないケースはあり得ない。
この場合、蓄電池3は強制充電モード(充電電力固定)、もしくはピークカットモードで運転される。
ステップS301において、DR要求がなかった場合は、蓄電池3の運転モードを強制充電モードに決定して(S303)、蓄電池3の運転モード決定処理を終了する。この強制充電モードは、安い深夜電力の充電等で使用し、蓄電池3は、運転計画部118より通知された充電電力(充放電電力)で充電される。なお、強制充電モード使用時に、負荷消費電力が増加し、買電電力が契約電力を越える場合は、蓄電池3の充電電力量を絞り、買電電力を抑えるように制御することは言うまでもない。
ステップS110において、蓄電池3が充電しない場合(Noの場合)、蓄電池運転モード決定部123は、蓄電池3が放電するかを確認する(S111)。蓄電池3が放電する場合は(Yesの場合)、蓄電池運転モード決定部123は、買電電力があるか確認する(S112)。そして、買電電力がある場合は(Yesの場合)、蓄電池運転モード決定部123は、図32に示すフローF11を実行する。フローF11は、PV発電なしで、蓄電池3は放電で、系統から買電がある場合に使用する。なお、PV発電しておらず、蓄電池が放電し、系統へ売電するケースはあり得ない。
この場合、蓄電池3の運転モードとしては、ピークカットモード、強制放電モード、買電最小モードの3種類のモードが考えられる。
次に、算出した放電電流と最大放電電流がほぼ等しいか否かを確認する(S323)。放電電流と最大放電電流がほぼ等しくないと判断すると(Noの場合)、蓄電池3の運転モードをピークカットモードに決定し(S324)、蓄電池3の運転モード決定処理を終了する。
なお、負荷消費電力予測結果の予測誤差を考慮し、1時間前の22時に蓄電池3の残量がなくなるように放電開始時刻のリミットを算出する。また、放電開始時刻のリミットを算出するに当たっては、23時に完了するように算出しても良く、また2時間前に放電が完了するように算出しても良いことは言うまでもない。さらに、気温特性を考慮して、蓄電池3の劣化の進行が一番抑えられる時刻に放電を完了しても良いことは言うまでもない(S325)。
ステップS325において、所定の時刻である放電開始時刻のリミットになっていない場合は、蓄電池3の運転モードを買電最小モードに決定し(S327)、蓄電池3の運転モード決定処理を終了する。
ステップS112において、買電電力がない場合は(Noの場合)、蓄電池運転モード決定部123は、図33に示すフローF12を実行する。フローF12は、PV発電なしで、蓄電池3は放電で、系統との間で売買電がない場合に使用する。この場合、蓄電池3の運転モードとしては、買電最小モードと強制放電モードとの2つの運転モードが考えられる。
ステップS341において、所定の時刻である放電開始時刻のリミットになっていない場合は、蓄電池3の運転モードを買電最小モードに決定し(S343)、蓄電池3の運転モード決定処理を終了する。
ステップS111において、蓄電池3が放電しない場合は(Noの場合)、蓄電池運転モード決定部123は、図34に示すフローF13を実行する。フローF13は、PV発電なしで、蓄電池3は充放電なしで、系統から買電する場合に使用する。なお、PV発電なしで、蓄電池3が充放電なしの場合、系統からの買電がないケースはあり得ない。
この場合、蓄電池3の運転モードとしては、ピークカットモードと待機モードの2つの運転モードが考えられる。
ステップS361において、DR要求がなかった場合は、蓄電池3の運転モードを待機モードに決定して(S363)、蓄電池3の運転モード決定処理を終了する。
以上で、ステップS20における、蓄電池3の運転モードの決定処理を終了する。
この実施の形態1では、運転計画部118から出力される蓄電池3の運転計画(充放電電力)を元に蓄電池運転モード決定部123で蓄電池3の運転モードを決定することで、二次計画法等の算術計算で算出した最適な充放電電力を元に、最適に蓄電池3を制御することができ、蓄電池3の放電電力の逆潮流の抑制、あるいは不必要な買電電力の充電、不必要な電力の蓄電池3からの放電を防ぐことができる効果がある。
なお、この実施の形態1では、運転計画作成の際の最適化手法として二次計画法を用いたがこれに限るものではなく、例えば機械学習法等の他の算術演算により他の最適化手法により求めた運転計画でも、蓄電池運転モード決定部123で最適な蓄電池3の運転モードを選択することで同様の効果を奏することは言うまでもない。
また、蓄電池3の充放電電流の制限、蓄電池3の充電電力量に起因する充電電流の制限などが予め蓄電池モデルに組み込まれているため、例えば、蓄電池の充電を予定していた時間帯に気温が高く蓄電池セル温度が高すぎる、あるいは蓄電電力量が多く計画していた充電電流を確保できない等の問題の発生を抑制できる効果がある。同様に、気温による蓄熱機器C(給湯機5)の効率等が、給湯機モデルに組み込まれているため、気温が低く予定していた消費電力では必要となる蓄熱量が確保できない等の問題の発生を抑制できる効果がある。
また、蓄電池3の容量は、カタログ値に対して、実際に使用できる容量は、新品の蓄電池であっても80〜90%程度でどの程度使用できるかはバラツキもある。従って、蓄電池3の容量についても、学習することで、電力管理装置100で、実際に使用できる蓄電池3の容量を把握でき、運転計画を実機に基づき立てることができる効果がある。
また、蓄電池3の劣化は、蓄電池3のばらつきに加え、使用環境や使用方法に大きく依存する。従って、蓄電池3の充放電履歴(充放電電流、充電終止電圧、放電終止電圧等)、環境情報(気温、蓄電池セル温度)を記憶し、記憶情報および実測した蓄電池容量などから蓄電池3の劣化を判断する。これにより、蓄電池劣化の推定精度を上げることができ、より適切な充放電制限テーブルを使用することができる効果がある。
これにより、蓄電池3の実動作をほぼ正確に模擬して充放電計画を作成することができ、運転計画作成時の誤差を最小限に抑えることができる効果がある。
また、蓄電池3の運転モード決定方法も、実施の形態1で述べた方法に限るものではない。例えば、この実施の形態1では、運転モードを決定する際、現時刻以降の30分間のPV発電電力予測結果、負荷消費電力予測結果、蓄電池3の運転計画、SoC情報、気温予測結果、蓄電池セル温度予測結果、蓄電池特性(充放電電流制限テーブル)、給湯機特性、DR要求の有無等を元に決定したがこれに限るものではなく、例えば現時刻以降の2時間分のPV発電電力予測結果、負荷消費電力予測結果、蓄電池3の運転計画、SoC情報、気温予測結果、蓄電池セル温度予測結果から運転モードを決定しても良いことは言うまでもない。連続する複数時間の予測データを用いて運転モードを決定することで、より運転計画部118で計画した蓄電池3の動作に近い運転モードを選択することができる効果がある。
なお、蓄電池セル温度情報は、気温情報から蓄電池セル温度を推定して用いることもできる。
さらに、この実施の形態1では、蓄電池3として1台の定置型蓄電池を使用した場合について説明したがこれに限るものではなく、2台以上の複数の蓄電池3を連携して使用しても良いことは言うまでもない。その際、蓄電池3の特性が異なれば、電力管理装置100は個々の蓄電池3の特性を元に電力料金が最小になるように各々の蓄電池3の運転計画を立案し、立案された各々の蓄電池3の運転計画に基づき運転モードを決定するよう制御する。これにより、複数の蓄電池3を使用する場合も、効果的に各々の蓄電池3を制御して電力料金を抑えることができる。
なお、複数台の蓄電池3を連携して使用する場合、その中の1つ、あるいは複数がEVやPHEV等の電気自動車であっても良いことは言うまでもない。
また、蓄電池3の劣化度合い等を推定するために必要となる充放電履歴データなどはデータ量が膨大となるため電力管理装置100内で管理するのではなく、クラウドサーバ31内で管理するように構成しても同様の効果を奏することは言うまでもない。
更に、天気予報から日射量を推定するPV発電電力予測部203内の機能は、天気予報が地域単位で出されることを考慮すると必ずしも電力管理装置100内で持つ必要はなく、クラウドサーバ31内で天気予報に基づき地域毎の日射量を推定し、推定結果を電力管理装置100に送付するよう構成しても良いことは言うまでもない。
Claims (11)
- 蓄電機器と、創エネ機器と、電気負荷を有するシステムの電力需給を管理する電力管理装置において、
上記蓄電機器の情報を取得する蓄電機器情報取得手段と、
需要者の契約に基づき電力料金体系を入手し管理する電力料金体系管理手段と、
上記創エネ機器にて発電される電力を予測する発電電力予測手段と、
上記電気負荷の消費電力を予測する負荷電力予測手段と、
上記蓄電機器情報取得手段にて取得した蓄電機器情報、上記発電電力予測手段にて予測した発電電力予測情報、上記負荷電力予測手段にて予測した負荷電力予測情報、および上記電力料金体系に基づいて、上記システムで発生する電力料金が最小になるように上記蓄電機器に計画される充放電電力を決定する運転計画作成手段と、
上記充放電電力に基づいて上記蓄電機器を制御する運転モードを決定する運転モード決定手段と、
決定された上記運転モードを上記蓄電機器に通知する運転モード通知手段とを備え、
上記運転モード決定手段は、上記充放電電力、上記発電電力予測情報、および上記負荷電力予測情報に基づいて、上記創エネ機器の発電電力の有無、上記蓄電機器の充放電電力の有無、上記システムと系統との間の売買電力の有無を導出し、該導出結果に基づき、上記蓄電機器を制御する為に予め設定された複数モードの中から上記蓄電機器の上記運転モードを決定することを特徴とする電力管理装置。 - 上記複数モードは、充電モードと、上記系統からの買電電力の最大量を制限するピークカットモードと、上記創エネ機器の発電電力の余剰電力を充電する余剰電力充電モードとを含むことを特徴とする請求項1に記載の電力管理装置。
- 上記運転モード決定手段は、上記導出結果に基づいて上記複数モードの中から1あるいは複数を抽出し、抽出されたモードが複数の場合に、上記電力料金体系に基づいて、該抽出されたモードの中から上記蓄電機器の上記運転モードを決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力管理装置。
- 上記蓄電機器に蓄電池を用い、
上記蓄電機器情報取得手段にて取得した上記蓄電機器情報は、上記蓄電池の充電電力量情報および温度情報を含み、
上記運転計画作成手段は、上記蓄電機器情報に基づいて上記蓄電機器の最大充放電電流を取得し、該最大充放電電流に基づいて上記蓄電機器の上記充放電電力を決定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力管理装置。 - 上記蓄電池の温度情報を補正する蓄電池温度補正手段を有し、
上記運転計画作成手段は、上記蓄電池温度補正手段による補正後の上記温度情報および上記蓄電池の上記充電電力量情報に基づいて上記最大充放電電流を取得することを特徴とする請求項4に記載の電力管理装置。 - 上記運転モード決定手段は、決定された上記充放電電力が、上記蓄電機器の上記最大充放電電流に基づいて制限されているか否かを判断し、該判断結果と上記導出結果とに基づいて上記運転モードを決定することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の電力管理装置。
- 上記運転計画作成手段は、所定の周期毎に、上記システムで現時刻以降、当該日が終了までに発生する電力料金が最小になるように、上記蓄電機器の上記充放電電力を決定し、
上記運転モード決定手段は、上記所定の周期毎に更新される上記充放電電力に基づいて上記運転モードを決定することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電力管理装置。 - 上記運転モード通知手段は、上記運転モードの種別に応じて、上記運転計画作成手段で決定した上記充放電電力を上記運転モードと共に上記蓄電機器に通知することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電力管理装置。
- 上記電力料金体系には、上記創エネ機器の余剰電力の売電価格情報を含むことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電力管理装置。
- 上記電力料金体系には、デマンドレスポンス時のインセンティブ情報を含むことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電力管理装置。
- 上記システムが蓄熱機器であるヒートポンプ式の給湯機を有し、
上記給湯機の情報を取得する給湯機情報取得手段を備え、
上記運転計画作成手段は、上記蓄電機器情報、上記発電電力予測情報、上記負荷電力予測情報、上記電力料金体系と、さらに上記給湯機の情報に基づいて、上記システムで発生する電力料金が最小になるように上記給湯機の運転パターンと上記蓄電機器の上記充放電電力との組み合わせを決定することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電力管理装置。
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