JP2017022112A - 接続構造体 - Google Patents

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敬士 久保田
Takashi Kubota
敬士 久保田
石澤 英亮
Hideaki Ishizawa
英亮 石澤
松下 清人
Kiyoto Matsushita
清人 松下
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Abstract

【課題】電極間の導通信頼性に優れており、高速伝送に対応できる接続構造体を提供する。【解決手段】本発明に係る接続構造体は、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、前記第1の接続対象部材と前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、前記接続部の材料が、複数のはんだ粒子とバインダーとを含む導電材料であり、前記第1の電極と前記第2の電極とが前記接続部中のはんだ部により電気的に接続されており、前記第1の電極と対向している前記第2の電極部分の表面積が、0.05mm2以上、1mm2以下であり、前記第1の電極と前記第2の電極との対向し合う部分に、前記接続部中の前記はんだ部100%中の70%以上が配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、複数のはんだ粒子を含む導電材料を用いた接続構造体に関する。
異方性導電ペースト及び異方性導電フィルム等の異方性導電材料が広く知られている。上記異方性導電材料では、バインダー中に導電性粒子が分散されている。
上記異方性導電材料は、各種の接続構造体を得るために、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))、並びにフレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))等に使用されている。
上記異方性導電材料により、例えば、フレキシブルプリント基板の電極とガラスエポキシ基板の電極とを電気的に接続する際には、ガラスエポキシ基板上に、導電性粒子を含む異方性導電材料を配置する。次に、フレキシブルプリント基板を積層して、加熱及び加圧する。これにより、異方性導電材料を硬化させて、導電性粒子を介して電極間を電気的に接続して、接続構造体を得る。
上記異方性導電材料の一例として、下記の特許文献1には、導電性粒子と、該導電性粒子の融点で硬化が完了しない樹脂成分とを含む異方性導電材料が記載されている。上記導電性粒子としては、具体的には、錫(Sn)、インジウム(In)、ビスマス(Bi)、銀(Ag)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、ガリウム(Ga)、銀(Ag)及びタリウム(Tl)等の金属や、これらの金属の合金が挙げられている。
特許文献1では、上記導電性粒子の融点よりも高く、かつ上記樹脂成分の硬化が完了しない温度に、異方性導電樹脂を加熱する樹脂加熱ステップと、上記樹脂成分を硬化させる樹脂成分硬化ステップとを経て、電極間を電気的に接続することが記載されている。また、特許文献1には、特許文献1の図8に示された温度プロファイルで実装を行うことが記載されている。特許文献1では、異方性導電樹脂が加熱される温度にて硬化が完了しない樹脂成分内で、導電性粒子が溶融する。
下記の特許文献2には、熱硬化性樹脂を含む樹脂層と、はんだ粉と、硬化剤とを含み、上記はんだ粉と上記硬化剤とが上記樹脂層中に存在する接着テープが開示されている。この接着テープは、フィルム状であり、ペースト状ではない。
また、下記の特許文献3には、複数の電極端子を有する配線基板と対向させて、複数の接続端子を有する半導体チップを配設し、上記配線基板の上記電極端子と、上記半導体チップの上記接続端子とを電気的に接続するフリップチップ実装方法が開示されている。
特開2004−260131号公報 WO2008/023452A1 特開2006−114865号公報
近年、モバイル機器などの電子機器において、薄型化や、高速伝送可能であることが求められている。
従来のはんだ粉や、はんだ層を表面に有する導電性粒子を含む異方性導電ペーストでは、はんだ粉又は導電性粒子が電極(ライン)上に効率的に配置されていないことがある。
また、特許文献1に記載の異方性導電材料を用いて、特許文献1に記載の方法で電極間を電気的に接続すると、導電性粒子におけるはんだが電極(ライン)上に効率的に配置されないことがある。また、特許文献1の実施例では、はんだの融点以上の温度で、はんだを十分に移動させるために、一定温度に保持しており、接続構造体の製造効率が低くなる。特許文献1の図8に示された温度プロファイルで実装を行うと、接続構造体の製造効率が低くなる。
特許文献2,3に記載の異方性導電材料を用いても、導電性粒子が電極(ライン)上に効率的に配置されないことがある。
結果として、接続構造体の導通信頼性が低いことがあり、接続構造体を高速伝送に対応できないことがある。
本発明の目的は、電極間の導通信頼性に優れており、高速伝送に対応できる接続構造体を提供することである。
本発明の広い局面によれば、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、前記第1の接続対象部材と前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、前記接続部の材料が、複数のはんだ粒子とバインダーとを含む導電材料であり、前記第1の電極と前記第2の電極とが前記接続部中のはんだ部により電気的に接続されており、前記第1の電極と対向している前記第2の電極部分の表面積が、0.05mm以上、1mm以下であり、前記第1の電極と前記接続部と前記第2の電極との積層方向と直交する方向に接続構造体をみたときに、前記第1の電極と前記第2の電極との対向し合う部分に、前記接続部中の前記はんだ部100%中の70%以上が配置されている、接続構造体が提供される。
本発明に係る接続構造体のある特定の局面では、前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置している前記はんだ部の厚みが5μm以上、75μm以下である。
本発明に係る接続構造体のある特定の局面では、1つの前記第1の電極と1つの前記第2の電極との間に、1つの前記はんだ部のみが位置している。
本発明に係る接続構造体のある特定の局面では、前記第1の接続対象部材の電極幅が、100μm以下であり、かつ前記第1の接続対象部材の電極間幅が、100μm以下であるか、又は、前記第2の接続対象部材の電極幅が、100μm以下であり、かつ前記第2の接続対象部材の電極間幅が、100μm以下である。
本発明に係る接続構造体のある特定の局面では、前記第1の電極と対向している前記第2の電極部分は、前記第2の接続対象部材の中央よりも一端側に位置しており、前記第1の接続対象部材と前記接続部と前記第2の接続対象部材との積層部分において、前記第2の接続対象部材の前記一端と他端を結ぶ方向に、前記第1の接続対象部材に対して、前記第2の接続対象部材が1度以上、10度以下で傾いている。
前記第2の接続対象部材が、樹脂フィルム、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル又はリジッドフレキシブル基板であることが好ましい。
本発明に係る接続構造体は、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、上記接続部の材料が、複数のはんだ粒子とバインダーとを含む導電材料であり、上記第1の電極と上記第2の電極とが上記接続部中のはんだ部により電気的に接続されており、上記第1の電極と対向している上記第2の電極部分の表面積が、0.05mm以上、1mm以下であり、上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向と直交する方向に接続構造体をみたときに、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分に、上記接続部中の上記はんだ部100%中の70%以上が配置されているので、電極間の導通信頼性に優れており、高速伝送に対応できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る接続構造体を模式的に示す正面断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る接続構造体を模式的に示す部分切欠側面断面図である。 図3(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る接続構造体の製造方法の各工程を説明するための部分切欠正面断面図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る接続構造体の製造方法において得られる積層体を説明するための正面断面図である。 図5は、接続構造体の変形例を示す部分切欠側面断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る接続構造体は、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備える。本発明に係る接続構造体では、上記接続部の材料が、複数のはんだ粒子とバインダーとを含む導電材料である。本発明に係る接続構造体では、上記第1の電極と上記第2の電極とが上記接続部中のはんだ部により電気的に接続されている。上記接続部が、複数のはんだ粒子とバインダーとを含む導電材料により形成されている。
本発明に係る接続構造体では、上記第1の電極と対向している上記第2の電極部分の表面積Aが、0.05mm以上、1mm以下である。上記表面積Aには、上記第1の電極と対向していない部分は含まれない。上記表面積Aは、接続構造体全体の全ての上記第2の電極部分の表面積が該当する。
本発明に係る接続構造体では、上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向と直交する方向に接続構造体をみたときに、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分に、上記接続部中の上記はんだ部100%中の70%以上が配置されている。
本発明では、上述した構成が備えられているので、電極間の導通信頼性に優れており、高速伝送に対応できる。
本発明に係る接続構造体では、はんだが、上下の対向した電極間、即ち接続されるべき電極間に集まっており、はんだが電極(ライン)上に十分に配置されている。電極が形成されていない領域(スペース)に配置されたはんだの量が少なくなる。従って、電極間の導通信頼性を高めることができる。本発明では、接続構造体の作製時において、上記第1の電極と上記第2の電極との間に位置していないはんだ粒子を、上記第1の電極と上記第2の電極との間に向かって移動させることが好ましい。
導通信頼性をより一層高め、高速伝送適合性をより一層高める観点からは、上記第1の電極と対向している上記第2の電極部分の表面積Aは好ましくは1mm以下、より好ましくは0.5mm以下である。
導通信頼性をより一層高め、高速伝送適合性をより一層高める観点からは、1つの上記第1の電極と1つの上記第2の電極との間に、1つの上記はんだ部のみが位置していることが好ましい。1つの上記第1の電極と1つの上記第2の電極との間において、上記はんだ部は複数箇所に分かれていないことが好ましい。
また、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分に関しては、電極の形状アスペクト比(対向部電極長さ/対向部電極幅)は、好ましくは5以上、好ましくは20以下である。上記比が上記下限以上であると、十分な電極面積が確保でき、狭ピッチで電極を配置できる。上記比が上記上限以下であると、1つの上記第1の電極と1つの上記第2の電極との間に、1つの上記はんだ部のみが位置することが容易になる。
はんだ部が複数存在する場合、一方の接続対象部材から、他方の接続対象部材への信号伝送経路が、複数存在することとなり、それにより、アイダイアグラムの開口部が狭くなることがある。
導通信頼性をより一層高め、高速伝送適合性をより一層高める観点からは、上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向と直交する方向に接続構造体をみたときに(例えば図2の手前から奥側にみたときに)、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分に、上記接続部中の上記はんだ部100%(面積)中の80%以上が配置されている接続構造体を得ることが好ましく、上記接続部中の上記はんだ部100%(面積)中の90%以上が配置されている接続構造体を得ることがより好ましい。
上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向に上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分をみたときに(例えば、図2の上側から下側にみたとき)、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分の面積100%中の50%以上に、上記接続部中のはんだ部が配置されている接続構造体を得ることが好ましい。はんだ部の面積は、上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向に上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、はんだ部の輪郭により囲まれた部分の面積として算出される。
本発明では、第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分の面積100%中の50%以上に、上記接続部中のはんだ部を配置させる場合に、電極間に導電性成分を十分に配置するためには、はんだ粒子を用いることには大きな意味がある。例えば、導電部の外表面部分がはんだではない導電性粒子を用いたり、基材粒子と基材粒子の表面上に配置されたはんだ部とを有する導電性粒子を用いたりした場合には、電極間に配置される導電性成分の量を十分に多くできないことがあり、結果として導通信頼性が低くなる傾向があり、更に接続信頼性が低くなる傾向がある。
本発明の効果が効果的に発揮されることから、本発明に係る接続構造体では、上記第1の接続対象部材の電極幅が、100μm以下であり、上記第1の接続対象部材の電極間幅が、100μm以下であるか、又は、上記第2の接続対象部材の電極幅が、100μm以下であり、上記第2の接続対象部材の電極間幅が、100μm以下であることが好ましい。この場合に、上記第1の接続対象部材の電極幅が、100μm以下であり、かつ上記第1の接続対象部材の電極間幅が、100μm以下であり、上記第2の接続対象部材の電極幅が、100μm以下であり、かつ上記第2の接続対象部材の電極間幅が、100μm以下であってもよい。上記電極幅は、L/Sにおけるライン(L)の幅であり、上記電極間幅は、L/Sにおけるスペース(S)の幅である。
インピーダンスの変化量をより一層低くする観点からは、上記電極幅は、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下である。インピーダンスの変化量をより一層低くする観点からは、上記電極間幅は、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下である。また、上記電極幅は、10μm以上であってもよい。上記電極間幅は、10μm以上であってもよい。
本発明に係る接続構造体では、上記第1の電極と対向している上記第2の電極は、上記第2の接続対象部材の中央よりも一端側に位置していてもよい。本発明に係る接続構造体では、上記第1の接続対象部材と上記接続部と上記第2の接続対象部材との積層部分において、上記第2の接続対象部材の上記一端と他端を結ぶ方向に、上記第1の接続対象部材に対して、上記第2の接続対象部材が1度以上、10度以下で傾いていることが好ましい。この場合には、接続構造体では、第2の接続対象部材の反りが小さくなり、更にはんだが、接続されるべき電極間に十分に配置されており、かつ、電極間の導通信頼性に優れる。
上記第1の電極と対向している上記第2の電極部分の全体が、上記第2の接続対象部材の一端から他端に向けて3mmまでの距離よりも、一端側に配置されていることが好ましい。この場合には、上記第1の電極及び上記第2の電極以外でのはんだの凝集が過度に生じにくくなる。
上記第1の電極と対向している上記第2の電極部分の全体が、上記第2の接続対象部材の一端から他端に向けて0.5mm以上離れて、一端側に配置されていることが好ましい。この場合には、一端部分にてショートが発生しにくくなる。
上記第1の電極と上記第2の電極とが対向している位置における上記はんだ部の厚みD1は好ましくは5μm以上、より好ましくは20μm以上であり、好ましくは75μm以下、より好ましくは50μm以下である。上記厚みD1が上記下限以上であると、接続部と接続対象部材との接続信頼性がより一層高くなり、かつ第1の電極と対向している第2の電極部分の表面積Aが小さいにも関わらず高速伝送に十分に対応可能になる。上記厚みD1が上記上限以下であると、接続部の形成時にはんだ粒子が電極上により一層集まりやすくなり、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
また、本発明では、導電フィルムではなく、導電ペーストを用いることが好ましい。導電フィルムではなく導電ペーストを用いることにより、ボイドの発生を抑え、複数のはんだ粒子を電極上に効率的に配置し、かつ電極が形成されていない領域に配置されるはんだ粒子の量をかなり少なくすることができる。また、導電フィルムではなく、導電ペーストを用いれば、導電ペーストの塗布量によって、接続部及びはんだ部の厚みを調整することが容易になる。一方で、導電フィルムでは、接続部の厚みを変更したり、調整したりするためには、異なる厚みの導電フィルムを用意したり、所定の厚みの導電フィルムを用意したりしなければならないという問題がある。また、導電フィルムでは、はんだの溶融温度で、導電フィルムの溶融粘度を十分に下げることができず、はんだ粒子の凝集が阻害されやすい傾向があるという問題がある。
また、導電材料は、対流添加剤を含まないことが好ましい。導電材料に対流添加剤などを添加しないことによって、対流添加剤に起因する導電ペーストの品質の低下を抑えることができ、対流添加剤に起因する電極間の接続抵抗の低下を抑えることができる。また、導電材料の基本性能が、対流添加剤により低下することを抑えることができる。
上記接続構造体は、例えば、上記第1の接続対象部材の表面上に、上記導電材料を配置する工程と、上記導電材料の上記第1の接続対象部材側とは反対の表面上に、上記第2の接続対象部材を、上記第1の電極と上記第2の電極とが対向するように配置して、積層体を得る工程と、上記はんだ粒子の融点以上に加熱することで、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材とを接続している接続部を、上記導電材料により形成し、かつ、上記第1の電極と上記第2の電極とを、上記接続部中のはんだ部により電気的に接続する工程を経て得ることができる。
また、接続構造体の作製時に、はんだ融点温度以下で、はんだ粒子が溶融前に隣接粒子同士で、網目構造を形成させることが好ましい。これにより、隣り合う電極間に残存するはんだ粒子の量を低減させることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態及び実施例を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る接続構造体を模式的に示す正面断面図である。図2は、本発明の一実施形態に係る接続構造体を模式的に示す部分切欠側面断面図である。図2では、図1の右側からみた断面図が拡大して示されている。
図1,2に示す接続構造体1は、第1の接続対象部材2と、第2の接続対象部材3と、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材3とを接続している接続部4とを備える。接続部4は、複数のはんだ粒子と、バインダーとを含む導電材料により形成されている。本実施形態では、上記バインダーは、熱硬化性成分を含む。なお、上記バインダーは、熱硬化性成分を含んでいなくてもよい。
接続部4は、複数のはんだ粒子が集まり互いに接合したはんだ部4Aと、熱硬化性成分が熱硬化された硬化物部4Bとを有する。本実施形態では、はんだ部4Aを形成するために、導電性粒子として、はんだ粒子を用いている。はんだ粒子は、中心部分及び導電部の外表面部分のいずれもが、はんだにより形成されている。
第1の電極2aと対向している第2の電極3a部分の表面積Aは上述した範囲内にある。
第1の接続対象部材2は表面(上面)に、複数の第1の電極2aを有する。複数の第1の電極2aは、図1の手前側から奥側及び図2の右側から左側に向けて、並んで配置されている。第2の接続対象部材3は表面(下面)に、複数の第2の電極3aを有する。複数の第2の電極3aは、図1の手前側から奥側及び図2の右側から左側に向けて、並んで配置されている。図1に示すように、第1の電極2aと対向している第2の電極3a部分は、第2の接続対象部材3の中央よりも一端3b側において位置している。
第1の電極2aと第2の電極3aとが、はんだ部4Aにより電気的に接続されている。従って、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材3とが、はんだ部4Aにより電気的に接続されている。なお、接続部4において、第1の電極2aと第2の電極3aとの間に集まったはんだ部4Aとは異なる領域(硬化物部4B部分)では、はんだは存在しない。はんだ部4Aとは異なる領域(硬化物部4B部分)では、はんだ部4Aと離れたはんだは存在しない。なお、少量であれば、第1の電極2aと第2の電極3aとの間に集まったはんだ部4Aとは異なる領域(硬化物部4B部分)に、はんだが存在していてもよい。
図1,2に示すように、接続構造体1では、第1の電極2aと第2の電極3aとの間に、複数のはんだ粒子が集まり、複数のはんだ粒子が溶融した後、はんだ粒子の溶融物が電極の表面を濡れ拡がった後に固化して、はんだ部4Aが形成されている。このため、はんだ部4Aと第1の電極2a、並びにはんだ部4Aと第2の電極3aとの接続面積が大きくなる。すなわち、はんだ粒子を用いることにより、導電性の外表面がニッケル、金又は銅等の金属である導電性粒子を用いた場合と比較して、はんだ部4Aと第1の電極2a、並びにはんだ部4Aと第2の電極3aとの接触面積が大きくなる。このことによっても、接続構造体1における導通信頼性及び接続信頼性が高くなる。なお、導電材料にフラックスが含まれる場合に、フラックスは、一般に、加熱により次第に失活する。
接続構造体1では、第1の接続対象部材2と接続部4と第2の接続対象部材3との積層部分(図1の破線で囲まれた領域)において、第2の接続対象部材3が、一方側から他方側にむけて傾斜している。第2の接続対象部材3の一端3bと他端3cを結ぶ方向に、第1の接続対象部材2に対して、第2の接続対象部材3が1度以上(図1に示す傾斜角度α)傾いている。一端3b側で他端3c側よりも、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材3との間の距離が狭い。第2の接続対象部材は傾いていなくてもよい。
なお、第1の接続対象部材と接続部と第2の接続対象部材との積層部分よりも側方において、第2の接続対象部材の一端と他端とを結ぶ方向に、第1の接続対象部材に対して、第2の接続対象部材は、傾いていてもよく、傾いていなくてもよい。
接続構造体において、第1の接続対象部材と接続部と第2の接続対象部材との積層部分において、第2の接続対象部材の一端と他端を結ぶ方向に、第1の接続対象部材に対する第2の接続対象部材の傾斜角度αは、0度以上であってもよく、好ましくは1度以上、より好ましくは2度以上であり、好ましくは10度以下、より好ましくは8度以下である。
なお、第1の接続対象部材2では、第2の電極3aと対向される第1の電極2a部分の側方、及び接続部4の側方において、第1の電極2aの表面上にソルダーレジスト膜5が形成されている。ソルダーレジスト膜の形成によって、導通信頼性及び高速伝送適合性がより一層高くなる。第2の接続対象部材3では、第1の電極2aと対向される第2の電極3a部分の側方において、第2の電極3aの表面上にカバーレイ6が形成されている。
なお、図2に示す接続構造体1では、はんだ部4Aの全てが、第1,第2の電極2a,3a間の対向している領域に位置している。図5に示す変形例の接続構造体1Xは、接続部4Xのみが、図2に示す接続構造体1と異なる。接続部4Xは、はんだ部4XAと硬化物部4XBとを有する。接続構造体1Xのように、はんだ部4XAの多くが、第1,第2の電極2a,3aの対向している領域に位置しており、はんだ部4XAの一部が第1,第2の電極2a,3aの対向している領域から側方にはみ出していてもよい。第1,第2の電極2a,3aの対向している領域から側方にはみ出しているはんだ部4XAは、はんだ部4XAの一部であり、はんだ部4XAから離れたはんだではない。なお、本実施形態では、はんだ部から離れたはんだの量を少なくすることができるが、はんだ部から離れたはんだが硬化物部中に存在していてもよい。
はんだ粒子の使用量を少なくすれば、接続構造体1を得ることが容易になる。はんだ粒子の使用量を多くすれば、接続構造体1Xを得ることが容易になる。
はんだ粒子を電極上により一層効率的に配置するために、上記導電材料の25℃での粘度(η25)は好ましくは10Pa・s以上、より好ましくは20Pa・s以上、更に好ましくは50Pa・s以上であり、好ましくは800Pa・s以下、より好ましくは600Pa・s以下、更に好ましくは500Pa・s以下である。上記粘度が上記下限以上であると、導電材料が塗布直後に過度に流れ出しにくくなる。上記粘度が上記上限以下であると、はんだがより一層効率的に凝集する。
25℃からはんだ融点より10℃低い温度までの上記導電材料の最低溶融粘度は、好ましくは1Pa・s以下、より好ましくは0.5Pa・s以下である。最低溶融粘度が上記上限以下であると、上記はんだ粒子の網目構造の形成を容易にし、はんだ溶融時に粒子の凝集性を向上させることができる。
上記粘度は、配合成分の種類及び配合量により適宜調整可能である。また、フィラーの使用により、粘度を比較的高くすることができる。
上記粘度は、例えば、E型粘度計(東機産業社製「TVE22L」)等を用いて、25℃及び5rpmの条件で測定可能である。
次に、本発明の一実施形態に係る接続構造体の製造方法を説明する。図3(a)〜(c)は、図1に対応する部分の部分切欠正面断面図である。図4は、図3(b)に対応する部分の正面断面図である。
先ず、第1の電極2aを表面(上面)に有する第1の接続対象部材2を用意する。次に、図3(a)に示すように、第1の接続対象部材2の表面上に、熱硬化性成分11Bと、複数のはんだ粒子11Aとを含む導電材料11を配置する(第1の工程)。
第1の接続対象部材2の第1の電極2aが設けられた表面上に、導電材料11を配置する。導電材料11の配置の後に、はんだ粒子11Aは、第1の電極2a(ライン)上と、第1の電極2aが形成されていない領域(スペース)上との双方に配置されている。
導電材料11の配置方法としては、特に限定されないが、ディスペンサーによる塗布、スクリーン印刷、及びインクジェット装置による吐出等が挙げられる。
また、第2の電極3aを表面(下面)に有する第2の接続対象部材3を用意する。次に、図3(b)に示すように、第1の接続対象部材2の表面上の導電材料11において、導電材料11の第1の接続対象部材2側とは反対側の表面上に、第2の接続対象部材3を配置して、積層体を得る(第2の工程、積層体を得る工程)。導電材料11の表面上に、第2の電極3a側から、第2の接続対象部材3を配置する。このとき、第1の電極2aと第2の電極3aとを対向させる。
図3(b)に対応する図4に示すように、本実施形態では、上記積層体を得る工程において、第1の接続対象部材2と導電材料11と第2の接続対象部材3との積層部分(図4の破線で囲まれた領域)において、第2の接続対象部材3の一端3bと他端3cを結ぶ方向に、第1の接続対象部材2に対して、第2の接続対象部材3を1度以上(傾斜角度α)傾けて配置している。第2の接続対象部材3の第2の電極3aがある一端3b側で、第2の接続対象部材3の一端3b側とは反対の他端3c側よりも、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材3との間の距離が狭くなる。このように傾けることで、高速伝送により一層最適な接続構造体が得られる。但し、第2の接続対象部材を傾けなくてもよい。
上記積層体を得る工程において、第1の接続対象部材2に対して、第2の接続対象部材3の傾斜角度αは1度以上であることが好ましい。
第2の接続対象部材の反りを効果的に小さくし、電極間の導通信頼性を高める観点からは、加熱前の上記積層体において、第1の接続対象部材と導電材料と第2の接続対象部材との積層部分において、上記傾斜角度αは好ましくは2度以上であり、好ましくは10度以下、より好ましくは8度以下である。第1の接続対象部材と導電材料と第2の接続対象部材との積層部分よりも側方においては、第1の接続対象部材に対して、第2の接続対象部材は、傾いていてもよく、傾いていなくてもよい。
次に、はんだ粒子11Aの融点以上に導電材料11を加熱する(第3の工程、加熱工程)。好ましくは、熱硬化性成分11B(バインダー)の硬化温度以上に導電材料11を加熱する。上記加熱工程において、第1の接続対象部材2に対して、第2の接続対象部材3が傾いた状態で、加熱を開始する。この加熱時には、電極が形成されていない領域に存在していたはんだ粒子11Aは、第1の電極2aと第2の電極3aとの間に集まる(自己凝集効果)。導電フィルムではなく、導電ペーストを用いた場合には、はんだ粒子11Aが、第1の電極2aと第2の電極3aとの間に効果的に集まる。また、はんだ粒子11Aは溶融し、互いに接合する。また、熱硬化性成分11Bは熱硬化する。この結果、図3(c)に示すように、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材3とを接続している接続部4を、導電材料11により形成する。導電材料11により接続部4が形成され、複数のはんだ粒子11Aが接合することによってはんだ部4Aが形成され、熱硬化性成分11Bが熱硬化することによって硬化物部4Bが形成される。はんだ粒子11Aが十分に移動すれば、第1の電極2aと第2の電極3aとの間に位置していないはんだ粒子11Aの移動が開始してから、第1の電極2aと第2の電極3aとの間にはんだ粒子11Aの移動が完了するまでに、温度を一定に保持しなくてもよい。
本実施形態では、第1の接続対象部材2と接続部4と第2の接続対象部材3との積層部分において、第2の接続対象部材3の一端3bと他端3cを結ぶ方向に、第1の接続対象部材2に対して、第2の接続対象部材3が1度以上、10度以下で傾いている接続構造体を得ている。
上記加熱工程において、上記第1の接続対象部材と上記導電材料と上記第2の接続対象部材との積層部分において、上記第2の接続対象部材の上記一端と他端を結ぶ方向に、上記第1の接続対象部材に対して、上記第2の接続対象部材が傾いた状態で、加熱を開始し、上記はんだ粒子の上記第1の電極と上記第2の電極との間への移動が開始した後に、上記第1の接続対象部材に対して、上記第2の接続対象部材の傾きをなくすか又は小さくしてもよい。
上記第1の接続対象部材と上記接続部と上記第2の接続対象部材との積層部分において、上記第2の接続対象部材の上記一端と他端を結ぶ方向に、上記第1の接続対象部材に対して、上記第2の接続対象部材が傾いていないか又は1度未満で傾いている接続構造体を得るか、又は、上記第1の接続対象部材と上記接続部と上記第2の接続対象部材との積層部分において、上記第2の接続対象部材の上記一端と他端を結ぶ方向に、上記第1の接続対象部材に対して、上記第2の接続対象部材が1度以上、10度以下で傾いている接続構造体を得ることが好ましい。
第2の接続対象部材の傾斜が小さいことが求められる場合には、上記第1の接続対象部材と上記接続部と上記第2の接続対象部材との積層部分において、上記第2の接続対象部材の上記一端と他端を結ぶ方向に、上記第1の接続対象部材に対して、上記第2の接続対象部材が傾いていないか又は1度未満で傾いている接続構造体を得ることが好ましい。第2の接続対象部材の反りを効果的に抑え、導通信頼性を効果的に高める観点からは、上記第1の接続対象部材と上記接続部と上記第2の接続対象部材との積層部分において、上記第2の接続対象部材の上記一端と他端を結ぶ方向に、上記第1の接続対象部材に対して、上記第2の接続対象部材が1度以上、10度以下で傾いている接続構造体を得ることが好ましい。
本発明では、上記加熱工程において、上記第1の接続対象部材に対して、上記第2の接続対象部材が傾いた状態で、加熱を開始し、上記はんだ粒子の上記第1の電極と上記第2の電極との間への移動が開始した後に、上記第1の接続対象部材に対して、上記第2の接続対象部材の傾きをなくすか又は小さくして、上記第1の接続対象部材に対して、上記第2の接続対象部材が傾いていないか又は1度未満で傾いている接続構造体を得てもよい。上記はんだ粒子の上記第1の電極と上記第2の電極との間への移動が開始した後に、上記第1の接続対象部材に対して、上記第2の接続対象部材の傾きを10度未満に小さくしてもよい。
本実施形態では、上記第2の工程及び上記第3の工程において、加圧を行わない方が好ましい。この場合には、導電材料11には、第2の接続対象部材3の重量が加わる。このため、接続部4の形成時に、はんだ粒子11Aが、第1の電極2aと第2の電極3aとの間に効果的に集まる。なお、上記第2の工程及び上記第3の工程の内の少なくとも一方において、加圧を行えば、はんだ粒子が第1の電極と第2の電極との間に集まろうとする作用が阻害される傾向が高くなる。
ただし、第1の電極と第2の電極との間隔を確保できれば、加圧を行ってもよい。電極間の間隔を確保する手段として、例えば、所望の電極間の間隔に相当する絶縁性粒子(スペーサー)を添加し、少なくとも1個、好ましくは3個以上の絶縁性粒子が電極間に配置されるようにすればよい。
また、本実施形態では、加圧を行っていないため、導電材料を塗布した第1の接続対象部材に、第2の接続対象部材を重ね合わせた際に、第1の接続対象部材の電極と第2の接続対象部材の電極のアライメントがずれた状態で、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材とが重ね合わされた場合でも、そのずれを補正して、第1の接続対象部材の電極と第2の接続対象部材との電極を接続させることができる(セルフアライメント効果)。これは、第1の接続対象部材の電極と第2の接続対象部材の電極との間に自己凝集したはんだの溶融物(溶融したはんだ)が、第1の接続対象部材の電極と第2の接続対象部材の電極との間のはんだと導電材料のその他の成分とが接する面積が最小となる方がエネルギー的に安定になるため、その最小の面積となる接続構造であるアライメントのあった接続構造にする力が働くためである。この際、導電材料が硬化していないこと、及び、その温度、時間にて、導電材料のはんだ粒子以外の成分の粘度が十分低いことが望ましい。
このようにして、図1,2に示す接続構造体1が得られる。なお、上記第2の工程と上記第3の工程とは連続して行われてもよい。また、上記第2の工程を行った後に、得られる第1の接続対象部材2と導電材料11と第2の接続対象部材3との積層体を、加熱部に移動させて、上記第3の工程を行ってもよい。上記加熱を行うために、加熱部材上に上記積層体を配置してもよく、加熱された空間内に上記積層体を配置してもよい。
上記第3の工程における上記加熱温度は、好ましくは140℃以上、より好ましくは160℃以上であり、好ましくは450℃以下、より好ましくは250℃以下、更に好ましくは200℃以下である。
なお、上記第3の工程の後に、位置の修正や製造のやり直しを目的として、第1の接続対象部材又は第2の接続対象部材を、接続部から剥離することができる。この剥離を行うための加熱温度は、好ましくははんだの融点以上、より好ましくははんだの融点(℃)+10℃以上である。この剥離を行うための加熱温度は、はんだの融点(℃)+100℃以下であってもよい。
上記第3の工程における加熱方法としては、はんだの融点以上及び熱硬化性化合物の硬化温度以上に、接続構造体全体を、リフロー炉を用いて又はオーブンを用いて加熱する方法や、接続構造体の接続部のみを局所的に加熱する方法が挙げられる。
局所的に加熱する方法に用いる器具としては、ホットプレート、熱風を付与するヒートガン、はんだゴテ、及び赤外線ヒーター等が挙げられる。
また、ホットプレートにて局所的に加熱する際、接続部直下は、熱伝導性の高い金属にて、その他の加熱することが好ましくない個所は、フッ素樹脂等の熱伝導性の低い材質にて、ホットプレート上面を形成することが好ましい。
上記第1,第2の接続対象部材は、特に限定されない。上記第1,第2の接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、半導体パッケージ、LEDチップ、LEDパッケージ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びに樹脂フィルム、プリント基板、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル、リジッドフレキシブル基板、ガラスエポキシ基板及びガラス基板等の回路基板などの電子部品等が挙げられる。上記第1,第2の接続対象部材は、電子部品であることが好ましい。
上記第1の接続対象部材及び上記第2の接続対象部材の内の少なくとも一方が、樹脂フィルム、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル又はリジッドフレキシブル基板であることが好ましい。上記第2の接続対象部材が、樹脂フィルム、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル又はリジッドフレキシブル基板であることが好ましい。樹脂フィルム、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル及びリジッドフレキシブル基板は、柔軟性が高く、比較的軽量であるという性質を有する。このような接続対象部材の接続に導電フィルムを用いた場合には、はんだが電極上に集まりにくい傾向がある。これに対して、導電ペーストを用いることで、樹脂フィルム、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル又はリジッドフレキシブル基板を用いたとしても、はんだを電極上に効率的に集めることで、電極間の導通信頼性を十分に高めることができる。樹脂フィルム、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル又はリジッドフレキシブル基板を用いる場合に、半導体チップなどの他の接続対象部材を用いた場合と比べて、加圧を行わないことによる電極間の導通信頼性の向上効果がより一層効果的に得られる。
上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極、銀電極、SUS電極、及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブルプリント基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極、銀電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極、銀電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物層の材料としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
上記導電材料及び上記バインダーは、熱可塑性成分又は熱硬化性成分を含むことが好ましい。上記導電材料及び上記バインダーは、熱可塑性成分を含んでいてもよく、熱硬化性成分を含んでいてもよい。上記導電材料及び上記バインダーは、熱硬化性成分を含むことが好ましい。上記導電材料及び上記バインダーは、熱硬化性化合物と熱硬化剤とを含むことが好ましい。上記バインダーは、25℃で液状成分であるか、又は導電接続時に液状になる成分であることが好ましい。
以下、本発明の他の詳細を説明する。
(はんだ粒子)
上記はんだ粒子は、中心部分及び外表面のいずれもがはんだにより形成されている。上記はんだ粒子は、中心部分及び導電性の外表面とのいずれもがはんだである粒子である。
接続構造体における接続抵抗を効果的に低くし、ボイドの発生を効果的に抑制する観点からは、上記はんだ粒子の外表面(はんだの外表面)に、カルボキシル基が存在することが好ましく、上記はんだ粒子の外表面(はんだの外表面)に、Si−O結合、エーテル結合、エステル結合又は下記式(X)で表される基を介して、カルボキシル基を少なくとも1つ有する基が共有結合していることが好ましい。下記式(X)において、左端部及び右端部は結合部位を表す。
Figure 2017022112
はんだの表面に水酸基が存在する。この水酸基とカルボキシル基を含む基とを共有結合させることにより、他の配位結合(キレート配位)等にて結合させる場合よりも強い結合を形成できるため、電極間の接続抵抗を低くし、かつボイドの発生を抑えることが可能なはんだ粒子が得られる。
上記はんだ粒子では、はんだの表面と、カルボキシル基を含む基との結合形態に、配位結合が含まれていなくてもよく、キレート配位による結合が含まれていなくてもよい。
接続構造体における接続抵抗を効果的に低くし、ボイドの発生を効果的に抑制する観点からは、上記はんだ粒子は、水酸基と反応可能な官能基とカルボキシル基とを有する化合物(以下、化合物Xと記載することがある)を用いて、はんだの表面の水酸基に、上記水酸基と反応可能な官能基を反応させることにより得られることが好ましい。上記反応では、共有結合を形成させる。はんだの表面の水酸基と上記化合物Xにおける上記水酸基と反応可能な官能基とを反応させることで、はんだの表面にカルボキシル基を含む基が共有結合しているはんだ粒子を容易に得ることができ、はんだの表面にエーテル結合又はエステル結合を介してカルボキシル基を含む基が共有結合しているはんだ粒子を得ることもできる。上記はんだの表面の水酸基に上記水酸基と反応可能な官能基を反応させることで、はんだの表面に、上記化合物Xを共有結合の形態で化学結合させることができる。
上記水酸基と反応可能な官能基としては、水酸基、カルボキシル基、エステル基及びカルボニル基等が挙げられる。水酸基又はカルボキシル基が好ましい。上記水酸基と反応可能な官能基は、水酸基であってもよく、カルボキシル基であってもよい。
水酸基と反応可能な官能基を有する化合物としては、レブリン酸、グルタル酸、グリコール酸、コハク酸、リンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、アジピン酸、5−ケトヘキサン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、4−アミノ酪酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトイソブチル酸、3−メチルチオプロピオン酸、3−フェニルプロピオン酸、3−フェニルイソブチル酸、4−フェニル酪酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、9−ヘキサデセン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、(9,12,15)−リノレン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、デカン二酸及びドデカン二酸等が挙げられる。グルタル酸又はグリコール酸が好ましい。上記水酸基と反応可能な官能基を有する化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記水酸基と反応可能な官能基を有する化合物は、カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物であることが好ましい。
上記化合物Xは、フラックス作用を有することが好ましく、上記化合物Xははんだの表面に結合した状態でフラックス作用を有することが好ましい。フラックス作用を有する化合物は、はんだの表面の酸化膜及び電極の表面の酸化膜を除去可能である。カルボキシル基はフラックス作用を有する。
フラックス作用を有する化合物としては、レブリン酸、グルタル酸、グリコール酸、コハク酸、5−ケトヘキサン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、4−アミノ酪酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトイソブチル酸、3−メチルチオプロピオン酸、3−フェニルプロピオン酸、3−フェニルイソブチル酸及び4−フェニル酪酸等が挙げられる。グルタル酸又はグリコール酸が好ましい。上記フラックス作用を有する化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
接続構造体における接続抵抗を効果的に低くし、ボイドの発生を効果的に抑制する観点からは、上記化合物Xにおける上記水酸基と反応可能な官能基が、水酸基又はカルボキシル基であることが好ましい。上記化合物Xにおける上記水酸基と反応可能な官能基は、水酸基であってもよく、カルボキシル基であってもよい。上記水酸基と反応可能な官能基がカルボキシル基である場合には、上記化合物Xは、カルボキシル基を少なくとも2個有することが好ましい。カルボキシル基を少なくとも2個有する化合物の一部のカルボキシル基を、はんだの表面の水酸基に反応させることで、はんだの表面にカルボキシル基を含む基が共有結合しているはんだ粒子が得られる。
上記はんだ粒子の製造方法は、例えば、はんだ粒子を用いて、該はんだ粒子、水酸基と反応可能な官能基とカルボキシル基とを有する化合物、触媒及び溶媒を混合する工程を備える。上記はんだ粒子の製造方法では、上記混合工程により、はんだの表面に、カルボキシル基を含む基が共有結合しているはんだ粒子を容易に得ることができる。
また、上記はんだ粒子の製造方法では、はんだ粒子を用いて、該はんだ粒子、上記水酸基と反応可能な官能基とカルボキシル基とを有する化合物、上記触媒及び上記溶媒を混合し、加熱することが好ましい。混合及び加熱工程により、はんだの表面に、カルボキシル基を含む基が共有結合しているはんだ粒子をより一層容易に得ることができる。
上記溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール溶媒や、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン及びキシレン等が挙げられる。上記溶媒は有機溶媒であることが好ましく、トルエンであることがより好ましい。上記溶媒は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記触媒としては、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及び10−カンファースルホン酸等が挙げられる。上記触媒は、p−トルエンスルホン酸であることが好ましい。上記触媒は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記混合時に加熱することが好ましい。加熱温度は好ましくは90℃以上、より好ましくは100℃以上であり、好ましくは130℃以下、より好ましくは110℃以下である。
接続構造体における接続抵抗を効果的に低くし、ボイドの発生を効果的に抑制する観点からは、上記はんだ粒子は、イソシアネート化合物を用いて、はんだの表面の水酸基に、上記イソシアネート化合物を反応させる工程を経て得られることが好ましい。上記反応では、共有結合を形成させる。はんだの表面の水酸基と上記イソシアネート化合物とを反応させることで、はんだの表面に、イソシアネート基に由来する基の窒素原子が共有結合しているはんだ粒子を容易に得ることができる。上記はんだの表面の水酸基に上記イソシアネート化合物を反応させることで、はんだの表面に、上記イソシアネート基に由来する基を共有結合の形態で化学結合させることができる。
また、イソシアネート基に由来する基には、シランカップリング剤を容易に反応させることができる。上記はんだ粒子を容易に得ることができるので、上記カルボキシル基を少なくとも1つ有する基が、カルボキシル基を有するシランカップリング剤を用いた反応により導入されているか、又は、シランカップリング剤を用いた反応の後に、シランカップリング剤に由来する基にカルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物を反応させることで導入されていることが好ましい。上記はんだ粒子は、上記イソシアネート化合物を用いて、はんだの表面の水酸基に、上記イソシアネート化合物を反応させた後、カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物を反応させることにより得られることが好ましい。
接続構造体における接続抵抗を効果的に低くし、ボイドの発生を効果的に抑制する観点からは、上記カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物が、カルボキシル基を複数有することが好ましい。
上記イソシアネート化合物としては、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)等が挙げられる。これら以外のイソシアネート化合物を用いてもよい。この化合物をはんだの表面に反応させた後、残イソシアネート基と、その残イソシアネート基と反応性を有し、かつカルボキシル基を有する化合物を反応させることで、はんだの表面に式(X)で表される基を介して、カルボキシル基を導入することができる。
上記イソシアネート化合物としては、不飽和二重結合を有し、かつイソシアネート基を有する化合物を用いてもよい。例えば、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート及び2−イソシアナトエチルメタクリレートが挙げられる。この化合物のイソシアネート基をはんだの表面に反応させた後、残存している不飽和二重結合に対し反応性を有する官能基を有し、かつカルボキシル基を有する化合物を反応させることで、はんだの表面に式(X)で表される基を介して、カルボキシル基を導入することができる。
上記シランカップリング剤としては、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製「KBE−9007」)、及び3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(MOMENTIVE社製「Y−5187」)等が挙げられる。上記シランカップリング剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物としては、レブリン酸、グルタル酸、グリコール酸、コハク酸、リンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、アジピン酸、5−ケトヘキサン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、4−アミノ酪酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトイソブチル酸、3−メチルチオプロピオン酸、3−フェニルプロピオン酸、3−フェニルイソブチル酸、4−フェニル酪酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、9−ヘキサデセン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、(9,12,15)−リノレン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、デカン二酸及びドデカン二酸等が挙げられる。グルタル酸、アジピン酸又はグリコール酸が好ましい。上記カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記イソシアネート化合物を用いて、はんだの表面の水酸基に、上記イソシアネート化合物を反応させた後、カルボキシル基を複数有する化合物の一部のカルボキシル基を、はんだの表面の水酸基と反応させることで、カルボキシル基を少なくとも1つ有する基を残存させることができる。
上記はんだ粒子の製造方法では、はんだ粒子を用いて、かつ、イソシアネート化合物を用いて、はんだの表面の水酸基に、上記イソシアネート化合物を反応させた後、カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物を反応させて、はんだの表面に、上記式(X)で表される基を介して、カルボキシル基を少なくとも1つ有する基が結合しているはんだ粒子を得る。上記はんだ粒子の製造方法では、上記の工程により、はんだの表面に、カルボキシル基を含む基が導入されたはんだ粒子を容易に得ることができる。
上記はんだ粒子の具体的な製造方法としては、以下の方法が挙げられる。有機溶媒にはんだ粒子を分散させ、イソシアネート基を有するシランカップリング剤を添加する。その後、はんだ粒子のはんだの表面の水酸基とイソシアネート基との反応触媒を用い、はんだの表面にシランカップリング剤を共有結合させる。次に、シランカップリング剤のケイ素原子に結合しているアルコキシ基を加水分解することで、水酸基を生成させる。生成した水酸基に、カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物のカルボキシル基を反応させる。
また、上記はんだ粒子の具体的な製造方法としては、以下の方法が挙げられる。有機溶媒にはんだ粒子を分散させ、イソシアネート基と不飽和二重結合を有する化合物を添加する。その後、はんだ粒子のはんだの表面の水酸基とイソシアネート基との反応触媒を用い、共有結合を形成させる。その後、導入された不飽和二重結合に対して、不飽和二重結合、及びカルボキシル基を有する化合物を反応させる。
はんだ粒子のはんだの表面の水酸基とイソシアネート基との反応触媒としては、錫系触媒(ジブチル錫ジラウレート等)、アミン系触媒(トリエチレンジアミン等)、カルボキシレート触媒(ナフテン酸鉛、酢酸カリウム等)、及びトリアルキルホスフィン触媒(トリエチルホスフィン等)等が挙げられる。
接続構造体における接続抵抗を効果的に低くし、ボイドの発生を効果的に抑制する観点からは、上記カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物は、下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。下記式(1)で表される化合物は、フラックス作用を有する。また、下記式(1)で表される化合物は、はんだの表面に導入された状態でフラックス作用を有する。
Figure 2017022112
上記式(1)中、Xは、水酸基と反応可能な官能基を表し、Rは、炭素数1〜5の2価の有機基を表す。該有機基は、炭素原子と水素原子と酸素原子とを含んでいてもよい。該有機基は炭素数1〜5の2価の炭化水素基であってもよい。上記有機基の主鎖は2価の炭化水素基であることが好ましい。該有機基では、2価の炭化水素基にカルボキシル基や水酸基が結合していてもよい。上記式(1)で表される化合物には、例えばクエン酸が含まれる。
上記カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物は、下記式(1A)又は下記式(1B)で表される化合物であることが好ましい。上記カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物は、下記式(1A)で表される化合物であることが好ましく、下記式(1B)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2017022112
上記式(1A)中、Rは、炭素数1〜5の2価の有機基を表す。上記式(1A)中のRは上記式(1)中のRと同様である。
Figure 2017022112
上記式(1B)中、Rは、炭素数1〜5の2価の有機基を表す。上記式(1B)中のRは上記式(1)中のRと同様である。
はんだの表面に、下記式(2A)又は下記式(2B)で表される基が結合していることが好ましい。はんだの表面に、下記式(2A)で表される基が結合していることが好ましく、下記式(2B)で表される基が結合していることがより好ましい。なお、下記式(2A)及び下記式(2B)において、左端部は結合部位を表す。
Figure 2017022112
上記式(2A)中、Rは、炭素数1〜5の2価の有機基を表す。上記式(2A)中のRは上記式(1)中のRと同様である。
Figure 2017022112
上記式(2B)中、Rは、炭素数1〜5の2価の有機基を表す。上記式(2B)中のRは上記式(1)中のRと同様である。
はんだの表面の濡れ性を高める観点からは、上記カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物の分子量は、好ましくは10000以下、より好ましくは1000以下、更に好ましくは500以下である。
上記分子量は、上記カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物が重合体ではない場合、及び上記カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物の構造式が特定できる場合は、当該構造式から算出できる分子量を意味する。また、上記カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物が重合体である場合は、重量平均分子量を意味する。
電極間にはんだをより一層効率的に配置する観点からは、上記はんだ粒子は、はんだ粒子本体と、上記はんだ粒子本体の表面上に配置されたアニオンポリマーとを有することが好ましい。上記はんだ粒子は、はんだ粒子本体をアニオンポリマー又はアニオンポリマーとなる化合物で表面処理することにより得られることが好ましい。上記はんだ粒子は、アニオンポリマー又はアニオンポリマーとなる化合物による表面処理物であることが好ましい。上記アニオンポリマー及び上記アニオンポリマーとなる化合物はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記アニオンポリマーは、酸性基を有するポリマーである。
はんだ粒子本体をアニオンポリマーで表面処理する方法としては、アニオンポリマーとして、例えば(メタ)アクリル酸を共重合した(メタ)アクリルポリマー、ジカルボン酸とジオールとから合成されかつ両末端にカルボキシル基を有するポリエステルポリマー、ジカルボン酸の分子間脱水縮合反応により得られかつ両末端にカルボキシル基を有するポリマー、ジカルボン酸とジアミンから合成されかつ両末端にカルボキシル基を有するポリエステルポリマー、並びにカルボキシル基を有する変性ポバール(日本合成化学社製「ゴーセネックスT」)等を用いて、アニオンポリマーのカルボキシル基と、はんだ粒子本体の表面の水酸基とを反応させる方法が挙げられる。
上記アニオンポリマーのアニオン部分としては、上記カルボキシル基が挙げられ、それ以外には、トシル基(p−HCCS(=O)−)、スルホン酸イオン基(−SO )、及びリン酸イオン基(−PO )等が挙げられる。
また、他の方法としては、はんだ粒子本体の表面の水酸基と反応する官能基を有し、さらに、付加、縮合反応により重合可能な官能基を有する化合物を用いて、この化合物をはんだ粒子本体の表面上にてポリマー化する方法が挙げられる。はんだ粒子本体の表面の水酸基と反応する官能基としては、カルボキシル基、及びイソシアネート基等が挙げられ、付加、縮合反応により重合する官能基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、及び(メタ)アクリロイル基が挙げられる。
上記アニオンポリマーの重量平均分子量は好ましくは2000以上、より好ましくは3000以上であり、好ましくは10000以下、より好ましくは8000以下である。上記重量平均分子量が上記下限以上及び上記上限以下であると、はんだ粒子の表面に十分な量の電荷、及びフラックス性を導入することができる。これにより、接続対象部材の接続時に、電極の表面の酸化膜を効果的に除去することができる。
上記重量平均分子量が上記下限以上及び上記上限以下であると、はんだ粒子本体の表面上にアニオンポリマーを配置することが容易であり、電極上にはんだ粒子をより一層効率的に配置することができる。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算での重量平均分子量を示す。
はんだ粒子本体をアニオンポリマーとなる化合物で表面処理することにより得られたポリマーの重量平均分子量は、はんだ粒子中のはんだを溶解し、ポリマーの分解を起こさない希塩酸等により、はんだ粒子を除去した後、残存しているポリマーの重量平均分子量を測定することで求めることができる。
アニオンポリマーのはんだ粒子の表面における導入量に関しては、はんだ粒子1gあたりの酸価が、好ましくは1mgKOH以上、より好ましくは2mgKOH以上であり、好ましくは10mgKOH以下、より好ましくは6mgKOH以下である。
上記酸価は以下のようにして測定可能である。はんだ粒子1gを、アセトン36gに添加し、超音波にて1分間分散させる。その後、指示薬として、フェノールフタレインを用い、0.1mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液にて滴定する。
上記はんだは、融点が450℃以下である金属(低融点金属)であることが好ましい。上記はんだ粒子は、融点が450℃以下である金属粒子(低融点金属粒子)であることが好ましい。上記低融点金属粒子は、低融点金属を含む粒子である。該低融点金属とは、融点が450℃以下の金属を示す。低融点金属の融点は好ましくは300℃以下、より好ましくは160℃以下である。また、上記はんだ粒子は錫を含む。上記はんだ粒子に含まれる金属100重量%中、錫の含有量は好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。上記はんだ粒子における錫の含有量が上記下限以上であると、はんだ部と電極との接続信頼性がより一層高くなる。
なお、上記錫の含有量は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置(堀場製作所社製「ICP−AES」)、又は蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)等を用いて測定可能である。
上記はんだ粒子を用いることで、はんだが溶融して電極に接合し、はんだ部が電極間を導通させる。例えば、はんだ部と電極とが点接触ではなく面接触しやすいため、接続抵抗が低くなる。また、はんだ粒子の使用により、はんだ部と電極との接合強度が高くなる結果、はんだ部と電極との剥離がより一層生じ難くなり、導通信頼性及び接続信頼性が効果的に高くなる。
上記はんだ粒子を構成する低融点金属は特に限定されない。該低融点金属は、錫、又は錫を含む合金であることが好ましい。該合金は、錫−銀合金、錫−銅合金、錫−銀−銅合金、錫−ビスマス合金、錫−亜鉛合金、錫−インジウム合金等が挙げられる。電極に対する濡れ性に優れることから、上記低融点金属は、錫、錫−銀合金、錫−銀−銅合金、錫−ビスマス合金、錫−インジウム合金であることが好ましい。錫−ビスマス合金、錫−インジウム合金であることがより好ましい。
上記はんだ粒子は、JIS Z3001:溶接用語に基づき、液相線が450℃以下である溶加材であることが好ましい。上記はんだ粒子の組成としては、例えば亜鉛、金、銀、鉛、銅、錫、ビスマス、インジウムなどを含む金属組成が挙げられる。低融点で鉛フリーである錫−インジウム系(117℃共晶)、又は錫−ビスマス系(139℃共晶)が好ましい。すなわち、上記はんだ粒子は、鉛を含まないことが好ましく、錫とインジウムとを含むか、又は錫とビスマスとを含むことが好ましい。
上記はんだ部と電極との接合強度をより一層高めるために、上記はんだ粒子は、ニッケル、銅、アンチモン、アルミニウム、亜鉛、鉄、金、チタン、リン、ゲルマニウム、テルル、コバルト、ビスマス、マンガン、クロム、モリブデン、パラジウム等の金属を含んでいてもよい。また、はんだ部と電極との接合強度をさらに一層高める観点からは、上記はんだ粒子は、ニッケル、銅、アンチモン、アルミニウム又は亜鉛を含むことが好ましい。はんだ部と電極との接合強度をより一層高める観点からは、接合強度を高めるためのこれらの金属の含有量は、はんだ粒子100重量%中、好ましくは0.0001重量%以上、好ましくは1重量%以下である。
上記はんだ粒子の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは3μm以上、特に好ましくは5μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは60μm以下、より一層好ましくは40μm以下、更に好ましくは30μm以下、更に一層好ましくは20μm以下、特に好ましくは15μm以下、最も好ましくは10μm以下である。上記はんだ粒子の平均粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、はんだ粒子を電極上により一層効率的に配置することができる。上記はんだ粒子の平均粒子径は、3μm以上、30μm以下であることが特に好ましい。
上記はんだ粒子の「平均粒子径」は、数平均粒子径を示す。はんだ粒子の平均粒子径は、例えば、任意のはんだ粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することや、レーザー回折式粒度分布測定を行うことにより求められる。
上記はんだ粒子の粒子径の変動係数は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上であり、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下である。上記粒子径の変動係数が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだ粒子をより一層効率的に配置することができる。但し、上記はんだ粒子の粒子径の変動係数は、5%未満であってもよい。
上記変動係数(CV値)は下記式で表される。
CV値(%)=(ρ/Dn)×100
ρ:はんだ粒子の粒子径の標準偏差
Dn:はんだ粒子の粒子径の平均値
上記導電性粒子の形状は特に限定されない。上記導電性粒子の形状は、球状であってもよく、扁平状などの球形状以外の形状であってもよい。
上記導電材料100重量%中、上記はんだ粒子の含有量は好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、特に好ましくは20重量%以上、最も好ましくは30重量%以上であり、好ましくは80重量%以下、より好ましくは60重量%以下、更に好ましくは50重量%以下である。上記はんだ粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだ粒子をより一層効率的に配置することができ、電極間にはんだ粒子を多く配置することが容易であり、導通信頼性がより一層高くなる。導通信頼性をより一層高める観点からは、上記はんだ粒子の含有量は多い方が好ましい。
(熱可塑性成分)
上記熱可塑性成分は、熱可塑性化合物であることが好ましい。上記熱可塑性化合物としては、フェノキシ樹脂、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミド樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記導電材料100重量%中、上記熱可塑性化合物の含有量は、好ましくは20重量%以上、より好ましくは40重量%以上、更に好ましくは50重量%以上であり、好ましくは99重量%以下、より好ましくは98重量%以下、更に好ましくは90重量%以下、特に好ましくは80重量%以下である。耐衝撃性をより一層高める観点からは、上記熱可塑性化合物の含有量は多い方が好ましい。
(熱硬化性化合物:熱硬化性成分)
上記熱硬化性化合物は、加熱により硬化可能な化合物である。上記熱硬化性化合物としては、オキセタン化合物、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、(メタ)アクリル化合物、フェノール化合物、アミノ化合物、不飽和ポリエステル化合物、ポリウレタン化合物、シリコーン化合物及びポリイミド化合物等が挙げられる。なかでも、導電材料の硬化性及び粘度をより一層良好にし、接続信頼性をより一層高める観点から、エポキシ化合物が好ましい。上記熱硬化性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記エポキシ化合物としては、芳香族エポキシ化合物が挙げられる。レゾルシノール型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、ベンゾフェノン型エポキシ化合物等の結晶性エポキシ化合物が好ましい。常温(23℃)で固体であり、かつ溶融温度がはんだの融点以下であるエポキシ化合物が好ましい。溶融温度は好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下であり、好ましくは40℃以上である。上記の好ましいエポキシ化合物を用いることで、接続対象部材を貼り合わせた段階では、粘度が高く、搬送等の衝撃により加速度が付与された際に、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材との位置ずれを抑制することができ、なおかつ、硬化時の熱により、粘度を大きく低下させることができ、はんだ粒子の凝集を効率よく進行させることができる。
上記導電材料100重量%中、上記熱硬化性化合物の含有量は、好ましくは20重量%以上、より好ましくは40重量%以上、更に好ましくは50重量%以上であり、好ましくは99重量%以下、より好ましくは98重量%以下、更に好ましくは90重量%以下、特に好ましくは80重量%以下である。耐衝撃性をより一層高める観点からは、上記熱硬化性化合物の含有量は多い方が好ましい。
(熱硬化剤:熱硬化性成分)
上記熱硬化剤は、上記熱硬化性化合物を熱硬化させる。上記熱硬化剤としては、イミダゾール硬化剤、アミン硬化剤、フェノール硬化剤、ポリチオール硬化剤等のチオール化合物、酸無水物、熱カチオン開始剤(熱カチオン硬化剤)及び熱ラジカル発生剤等が挙げられる。上記熱硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
なかでも、導電材料を低温でより一層速やかに硬化可能であるので、イミダゾール硬化剤、チオール硬化剤又はアミン硬化剤が好ましい。また、加熱により硬化可能な硬化性化合物と上記熱硬化剤とを混合したときに保存安定性が高くなるので、潜在性の硬化剤が好ましい。潜在性の硬化剤は、潜在性イミダゾール硬化剤、潜在性チオール硬化剤又は潜在性アミン硬化剤であることが好ましい。なお、上記熱硬化剤は、ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂等の高分子物質で被覆されていてもよい。
電極上にはんだ粒子をより一層効率的に配置する観点からは、上記熱硬化剤は、チオール硬化剤であることが好ましい。本発明における接続構造体のはんだ部の厚みが薄い場合であっても、上記チオール硬化剤を用いることで、接続構造体の高速伝送適合性がより一層良好になる。
上記イミダゾール硬化剤としては、特に限定されず、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン及び2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物等が挙げられる。
上記チオール硬化剤としては、特に限定されず、トリメチロールプロパントリス−3−メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス−3−メルカプトプロピオネート及びジペンタエリスリトールヘキサ−3−メルカプトプロピオネート等が挙げられる。
上記アミン硬化剤としては、特に限定されず、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ[5.5]ウンデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、メタフェニレンジアミン及びジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
上記熱カチオン開始剤(熱カチオン硬化剤)としては、ヨードニウム系カチオン硬化剤、オキソニウム系カチオン硬化剤及びスルホニウム系カチオン硬化剤等が挙げられる。上記ヨードニウム系カチオン硬化剤としては、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。上記オキソニウム系カチオン硬化剤としては、トリメチルオキソニウムテトラフルオロボラート等が挙げられる。上記スルホニウム系カチオン硬化剤としては、トリ−p−トリルスルホニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。
上記熱ラジカル発生剤としては、特に限定されず、アゾ化合物及び有機過酸化物等が挙げられる。上記アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等が挙げられる。上記有機過酸化物としては、ジ−tert−ブチルペルオキシド及びメチルエチルケトンペルオキシド等が挙げられる。
上記熱硬化剤の反応開始温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃以上であり、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下、更に好ましくは150℃以下、特に好ましくは140℃以下である。上記熱硬化剤の反応開始温度が上記下限以上及び上記上限以下であると、はんだ粒子が電極上により一層効率的に配置される。上記熱硬化剤の反応開始温度は80℃以上、140℃以下であることが特に好ましい。
はんだを電極上により一層効率的に配置する観点からは、上記熱硬化剤の反応開始温度は、上記はんだ粒子におけるはんだの融点よりも、高いことが好ましく、5℃以上高いことがより好ましく、10℃以上高いことが更に好ましい。
上記熱硬化剤の反応開始温度は、DSCでの発熱ピークの立ち上がり開始の温度を意味する。
上記熱硬化剤の含有量は特に限定されない。上記熱硬化性化合物100重量部に対して、上記熱硬化剤の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは1重量部以上であり、好ましくは200重量部以下、より好ましくは100重量部以下、更に好ましくは75重量部以下である。熱硬化剤の含有量が上記下限以上であると、導電材料を十分に硬化させることが容易である。熱硬化剤の含有量が上記上限以下であると、硬化後に硬化に関与しなかった余剰の熱硬化剤が残存し難くなり、かつ硬化物の耐熱性がより一層高くなる。
上記熱硬化剤が上記チオール硬化剤である場合には、上記熱硬化性化合物100重量部に対して、上記チオール硬化剤の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは1重量部以上であり、好ましくは200重量部以下、より好ましくは100重量部以下、更に好ましくは75重量部以下である。上記チオール硬化剤の含有量が上記下限以上であると、電極間にはんだを効率的に配置することができ、また導電材料を十分に硬化させることが容易である。上記チオール硬化剤の含有量が上記上限以下であると、高速伝送適合性がより一層良好になる。
(フラックス)
上記導電材料は、フラックスを含むことが好ましい。フラックスの使用により、はんだを電極上により一層効果的に配置することができる。該フラックスは特に限定されない。フラックスとして、はんだ接合等に一般的に用いられているフラックスを使用できる。上記フラックスとしては、例えば、塩化亜鉛、塩化亜鉛と無機ハロゲン化物との混合物、塩化亜鉛と無機酸との混合物、溶融塩、リン酸、リン酸の誘導体、有機ハロゲン化物、ヒドラジン、有機酸及び松脂等が挙げられる。上記フラックスは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記溶融塩としては、塩化アンモニウム等が挙げられる。上記有機酸としては、乳酸、クエン酸、ステアリン酸、グルタミン酸及びグルタル酸等が挙げられる。上記松脂としては、活性化松脂及び非活性化松脂等が挙げられる。上記フラックスは、カルボキシル基を2個以上有する有機酸、松脂であることが好ましい。上記フラックスは、カルボキシル基を2個以上有する有機酸であってもよく、松脂であってもよい。カルボキシル基を2個以上有する有機酸、松脂の使用により、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
上記松脂はアビエチン酸を主成分とするロジン類である。フラックスは、ロジン類であることが好ましく、アビエチン酸であることがより好ましい。この好ましいフラックスの使用により、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
上記フラックスの活性温度(融点)は、好ましくは50℃以上、より好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃以上であり、好ましくは200℃以下、より好ましくは190℃以下、より一層好ましくは160℃以下、更に好ましくは150℃以下、更に一層好ましくは140℃以下である。上記フラックスの活性温度が上記下限以上及び上記上限以下であると、フラックス効果がより一層効果的に発揮され、はんだ粒子が電極上により一層効率的に配置される。上記フラックスの活性温度(融点)は80℃以上、190℃以下であることが好ましい。上記フラックスの活性温度(融点)は80℃以上、140℃以下であることが特に好ましい。
フラックスの活性温度(融点)が80℃以上、190℃以下である上記フラックスとしては、コハク酸(融点186℃)、グルタル酸(融点96℃)、アジピン酸(融点152℃)、ピメリン酸(融点104℃)、スベリン酸(融点142℃)等のジカルボン酸、安息香酸(融点122℃)、リンゴ酸(融点130℃)等が挙げられる。
また、上記フラックスの沸点は200℃以下であることが好ましい。
はんだを電極上により一層効率的に配置する観点からは、上記フラックスの融点は、上記はんだ粒子におけるはんだの融点よりも、高いことが好ましく、5℃以上高いことがより好ましく、10℃以上高いことが更に好ましい。
はんだを電極上により一層効率的に配置する観点からは、上記フラックスの融点は、上記熱硬化剤の反応開始温度よりも、高いことが好ましく、5℃以上高いことがより好ましく、10℃以上高いことが更に好ましい。
上記フラックスは、導電材料中に分散されていてもよく、はんだ粒子の表面上に付着していてもよい。
フラックスの融点が、はんだの融点より高いことにより、電極部分にはんだ粒子を効率的に凝集させることができる。これは、接合時に熱を付与した場合、接続対象部材上に形成された電極と、電極周辺の接続対象部材の部分とを比較すると、電極部分の熱伝導率が電極周辺の接続対象部材部分の熱伝導率よりも高いことにより、電極部分の昇温が速いことに起因する。はんだ粒子の融点を超えた段階では、はんだ粒子の内部は溶解するが、表面に形成された酸化被膜は、フラックスの融点(活性温度)に達していないので、除去されない。この状態で、電極部分の温度が先に、フラックスの融点(活性温度)に達するため、優先的に電極上に来たはんだ粒子の表面の酸化被膜が除去され、はんだ粒子が電極の表面上に濡れ拡がることができる。これにより、電極上に効率的にはんだ粒子を凝集させることができる。
上記フラックスは、加熱によりカチオンを放出するフラックスであることが好ましい。加熱によりカチオンを放出するフラックスの使用により、はんだ粒子を電極上により一層効率的に配置することができる。
上記加熱によりカチオンを放出するフラックスとしては、上記熱カチオン開始剤(熱カチオン硬化剤)が挙げられる。
上記導電材料100重量%中、上記フラックスの含有量は好ましくは0.5重量%以上であり、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下である。上記導電材料は、フラックスを含んでいなくてもよい。フラックスの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、はんだ及び電極の表面に酸化被膜がより一層形成され難くなり、さらに、はんだ及び電極の表面に形成された酸化被膜をより一層効果的に除去できる。
(フィラー)
上記導電材料には、フィラーを添加してもよい。フィラーは、有機フィラーであってもよく、無機フィラーであってもよい。フィラーの添加により、基板の全電極上に対して、はんだ粒子を均一に凝集させることができる。
上記導電材料は、上記フィラーを含まないか、又は上記フィラーを5重量%以下で含むことが好ましい。結晶性熱硬化性化合物を用いている場合には、フィラーの含有量が少ないほど、電極上にはんだが移動しやすくなる。
上記導電材料100重量%中、上記フィラーの含有量は好ましくは0重量%(未含有)以上、好ましくは5重量%以下、より好ましくは2重量%以下、更に好ましくは1重量%以下である。上記フィラーの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、はんだ粒子が電極上により一層効率的に配置される。
(高誘電率を有する化合物)
上記導電材料には、水酸基、チオール基又はカルボキシル基を有する化合物、アミン化合物、並びにイミダゾール化合物等の高誘電率を有する化合物を添加してもよい。高誘電率を有する化合物は、高誘電率を有する硬化剤であってもよい。このような化合物の使用により、高速伝送適合性がより一層良好になる。
また、上記高誘電率を有する化合物は、エポキシ基と反応する官能基を有する化合物であることが好ましい。上記高誘電率を有する化合物の誘電率は、4以上であり、好ましくは5以上、好ましくは7以下である。上記高誘電率を有する化合物は、硬化剤であることが好ましい。
上記導電材料100重量%中、上記高誘電率を有する化合物及び誘電率が5以上である硬化剤の各含有量は好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上であり、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。
(他の成分)
上記導電材料は、必要に応じて、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
熱硬化性化合物1:2,4−ビス(グリシジルオキシ)ベンゾフェノン(結晶性熱硬化性化合物、融点:94℃、分子量362)
2,4−ビス(グリシジルオキシ)ベンゾフェノンの合成:
3つ口フラスコに、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン27g、エピクロルヒドリン230g、n−ブタノール70g、及びテトラエチルベンジルアンモニウムクロライド1gを入れ、室温にて撹拌、溶解させた。その後、窒素雰囲気下、撹拌下にて、70℃に昇温し、減圧還流下、水酸化ナトリウム水溶液(濃度48重量%)45gを滴下した。滴下は、4時間かけて行った。その後、70℃にて、ディーンスターク管を用い、水分を除去しながら2時間反応させた。その後、減圧下で、未反応のエピクロルヒドリンを除去した。
得られた反応生成物を、MEK(メチルエチルケトン):n−ブタノール=3:1(重量比)の混合溶剤400gに溶解し、水酸化ナトリウム水溶液(濃度10重量%)5gを添加し、80℃で2時間加熱した。
その後、室温に冷却し、純水により、洗液が中性になるまで洗浄を行った。有機層をろ過しながら分取し、減圧下にて、残水分及び混合溶媒を除去し、反応生成物を得た。
n−ヘキサンを用い、上記反応生成物34gを再結晶により精製し、真空乾燥により残溶剤分を除去した。
得られたエポキシ化合物:DSCによる融点は94℃、エポキシ当量は176g/eq.、マススペクトルによる分子量は362、150℃での溶融粘度は5mPa・sであった。
・示差走査熱量測定(DSC)測定装置及び測定条件
装置;日立ハイテクサイエンス社製「X−DSC7000」、サンプル量;3mg、温度条件;10℃/min
・150℃における溶融粘度:ASTM D4287に準拠し、エムエスティーエンジニアリング社製のICIコーンプレート粘度計を用いて測定
・エポキシ当量の測定:JIS K7236:2001に準拠して測定
・分子量の測定:マススペクトル GC−MS装置(日本電子社製「JMS K−9」)を用いて測定
熱硬化性化合物2:4,4’−ビス(グリジジルオキシ)ベンゾフェノン(結晶性熱硬化性化合物、融点:132℃、分子量362)
4,4’−ビス(グリジジルオキシ)ベンゾフェノンの合成:
3つ口フラスコに、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン27g、エピクロルヒドリン230g、n−ブタノール70g、及びテトラエチルベンジルアンモニウムクロライド1gを入れ、室温にて撹拌、溶解させた。その後、窒素雰囲気下、撹拌下にて、70℃に昇温し、減圧還流下、水酸化ナトリウム水溶液(濃度48重量%)45gを滴下した。滴下は、4時間かけて行った。その後、70℃にて、ディーンスターク管を用い、水分を除去しながら2時間反応させた。その後、減圧下で、未反応のエピクロルヒドリンを除去した。
得られた反応生成物を、MEK(メチルエチルケトン):n−ブタノール=3:1(重量比)の混合溶剤400gに溶解し、水酸化ナトリウム水溶液(濃度10重量%)5gを添加し、80℃で2時間加熱した。
その後、室温に冷却し、純水により、洗液が中性になるまで洗浄を行った。有機層をろ過しながら分取し、減圧下にて、残水分及び混合溶媒を除去し、反応生成物を得た。
n−ヘキサンを用い、上記反応生成物34gを再結晶により精製し、真空乾燥により残溶剤分を除去した。
得られたエポキシ化合物:DSCによる融点は132℃、エポキシ当量は176g/eq.、マススペクトルによる分子量は362、150℃での溶融粘度は12mPa・sであった。
熱硬化性化合物3:エポキシ基含有アクリルポリマー、日油社製「MARPROOF G−0150M」
熱硬化剤1:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、昭和電工社製「カレンズMT PE1」
潜在性エポキシ熱硬化剤1:T&K TOKA社製「フジキュア7000」
フラックス1:グルタル酸、和光純薬工業社製、融点(活性温度)152℃
はんだ粒子1〜3の作製方法:
はんだ粒子1:
SnBiはんだ粒子(三井金属社製「DS−10」、平均粒径(メディアン径)12μm)と、グルタル酸(2つのカルボキシル基を有する化合物、和光純薬工業社製「グルタル酸」)とを、触媒であるp−トルエンスルホン酸を用いて、トルエン溶媒中90℃で脱水しながら8時間攪拌することにより、はんだの表面にカルボキシル基を含む基が共有結合しているはんだ粒子1を得た。
得られたはんだ粒子1では、CV値20%、表面を構成しているポリマーの分子量Mw=2000であった。
はんだ粒子2:
SnBiはんだ粒子(三井金属社製「DS−10」、平均粒子径(メディアン径)12μm)200g、イソシアネート基を有するシランカップリング剤(信越化学工業社製「KBE−9007」)10g、アセトン70gを3つ口フラスコに秤量した。室温で撹拌しながら、はんだ粒子表面の水酸基とイソシアネート基との反応触媒であるジブチルスズラウレート0.25gを添加し、撹拌下、窒素雰囲気下にて、60℃で30分加熱した。その後、メタノールを50g添加し、撹拌下、窒素雰囲気下にて、60℃で10分間加熱した。
その後、室温まで冷却し、ろ紙ではんだ粒子をろ過し、真空乾燥にて、室温で1時間脱溶剤を行った。
上記はんだ粒子を、3つ口フラスコに入れ、アセトン70g、アジピン酸モノエチル30g、エステル交換反応触媒であるモノブチルスズオキサイド0.5gを添加し、撹拌下、窒素雰囲気下で60℃で1時間反応させた。
これにより、シランカップリング剤由来のシラノール基に対して、アジピン酸モノエチルのエステル基をエステル交換反応により反応させ、共有結合させた。
その後、アジピン酸を10g追加し、60℃で1時間反応させることで、アジピン酸モノエチルのシラノール基と反応していない残エチルエステル基に対して、アジピン酸を付加させた。
その後、室温まで冷却し、ろ紙ではんだ粒子をろ過し、ろ紙上でヘキサンにてはんだ粒子を洗浄し、未反応、及びはんだ粒子の表面に非共有結合にて付着している、残アジピン酸モノエチル、アジピン酸を除去したのち、真空乾燥にて、室温で1時間脱溶剤を行った。
得られたはんだ粒子をボールミルで解砕した後、所定のCV値となるように篩を選択した。
はんだの表面に形成されたポリマーの分子量は、0.1Nの塩酸を用い、はんだを溶解後、ポリマーをろ過により回収し、GPCにより重量平均分子量を求めた。
これにより、はんだ粒子2を得た。得られたはんだ粒子2では、CV値20%、表面を構成しているポリマーの分子量Mw=9800であった。
はんだ粒子3:
上記はんだ粒子2を得る工程にて、アジピン酸モノエチルをグルタル酸モノエチルに変更し、アジピン酸をグルタル酸に変更したこと以外は同様にしてはんだ粒子3を得た。
得られたはんだ粒子3では、CV値20%、表面を構成しているポリマーの分子量Mw=9600であった。
(はんだ粒子のCV値)
CV値を、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所社製「LA−920」)にて、測定した。
(実施例1)
(1)異方性導電ペーストの作製
下記の表1に示す成分を下記の表1に示す配合量で配合して、異方性導電ペーストを得た。
(2)第1の接続構造体(L/S=300μm/200μm)の作製
L/Sが300μm/200μm、電極長さ3mmの銅電極パターン(銅電極の厚み12μm)を上面に有するガラスエポキシ基板(FR−4基板、厚み0.6mm)(第1の接続対象部材)を用意した。また、L/Sが300μm/200μm、電極長さ5mmの銅電極パターン(銅電極の厚み12μm)を下面に有するフレキシブルプリント基板(ポリイミドにより形成されている、第2の接続対象部材、厚み0.1mm)を用意した。ガラスエポキシ基板の電極と対向されるフレキシブルプリント基板の電極部分は、フレキシブルプリント基板の中央よりも一端側に位置している。ガラスエポキシ基板、フレキシブルプリント基板とも隣接する配線での差動インピーダンスを90Ωとした(周波数5GHz、クロック立ち上がり時間50(ps)、TDR法にて測定)。
ガラスエポキシ基板とフレキシブルプリント基板との重ね合わせ面積は、15mm×1mmとし、接続した電極数は20対とした。ガラスエポキシ基板の電極と対向させるフレキシブルプリント基板の電極部分の表面積Aは0.3mmとした。
上記ガラスエポキシ基板の上面に、作製直後の異方性導電ペーストを、ガラスエポキシ基板の電極上で厚さ100μmとなるように、メタルマスクを用い、スクリーン印刷にて塗工し、異方性導電ペースト層を形成した。次に、異方性導電ペースト層の上面に上記フレキシブルプリント基板を、電極同士が対向するように積層し、第1の積層体を得た。このとき、ガラスエポキシ基板と異方性導電ペースト層とフレキシブルプリント基板との積層部分において、フレキシブルプリント基板の一端と他端を結ぶ方向に、ガラスエポキシ基板に対して、フレキシブルプリント基板を1度(傾斜角度α)傾けた。フレキシブルプリント基板の一端側で他端側よりも、ガラスエポキシ基板とフレキシブルプリント基板との間の距離が狭くなる。また、この積層時に、加圧を行わなかった。異方性導電ペースト層には、上記フレキシブルプリント基板の重量は加わる。
その後、異方性導電ペースト層の温度が190℃となるように加熱しながら、はんだを溶融させ、かつ異方性導電ペースト層を190℃で10秒間硬化させ、第1の接続構造体を得た。
(3)第2の接続構造体(L/S=100μm/100μm)の作製
L/Sが100μm/100μm、電極長さ3mmの銅電極パターン(銅電極の厚み12μm)を上面に有するガラスエポキシ基板(FR−4基板、厚み0.6mm)(第1の接続対象部材)を用意した。また、L/Sが100μm/100μm、電極長さ5mmの銅電極パターン(銅電極の厚み12μm)を下面に有するフレキシブルプリント基板(ポリイミドにより形成されている、第2の接続対象部材、厚み0.1mm)を用意した。ガラスエポキシ基板の電極と対向されるフレキシブルプリント基板の電極部分は、フレキシブルプリント基板の中央よりも一端側に位置している。ガラスエポキシ基板、フレキシブルプリント基板とも隣接する配線での差動インピーダンスを90Ωとした(周波数5GHz、クロック立ち上がり時間50(ps)、TDR法にて測定)。
ガラスエポキシ基板とフレキシブルプリント基板との重ね合わせ面積は、15mm×1mmとし、接続した電極数は20対とした。ガラスエポキシ基板の電極と対向させるフレキシブルプリント基板の電極部分の表面積Aは0.3mmとした。
上記ガラスエポキシ基板の上面に、作製直後の異方性導電ペーストを、ガラスエポキシ基板の電極上で厚さ100μmとなるように、メタルマスクを用い、スクリーン印刷にて塗工し、異方性導電ペースト層を形成した。次に、異方性導電ペースト層の上面に上記フレキシブルプリント基板を、電極同士が対向するように積層し、第2の積層体を得た。このとき、ガラスエポキシ基板と異方性導電ペースト層とフレキシブルプリント基板との積層部分において、フレキシブルプリント基板の一端と他端を結ぶ方向に、ガラスエポキシ基板に対して、フレキシブルプリント基板を1度(傾斜角度α)傾けた。フレキシブルプリント基板の一端側で他端側よりも、ガラスエポキシ基板とフレキシブルプリント基板との間の距離が狭くなる。また、この積層時に、加圧を行わなかった。異方性導電ペースト層には、上記フレキシブルプリント基板の重量は加わる。
その後、異方性導電ペースト層の温度が190℃となるように加熱しながら、はんだを溶融させ、かつ異方性導電ペースト層を190℃で10秒間硬化させ、第2の接続構造体を得た。
(実施例2〜4及び比較例1)
ガラスエポキシ基板の電極と対向しているフレキシブルプリント基板の電極部分の表面積Aを下記の表1に示すように設定したこと以外は実施例1と同様にして、第1,第2の接続構造体を得た。
(実施例5〜8)
得られた第1,第2の積層体(加熱開始前)における傾斜角度αを下記の表1に示すように設定したこと、並びに、上記表面積Aを下記の表1に示すように設定したこと以外は実施例1と同様にして、第1,第2の接続構造体を得た。
(実施例9)
加熱工程において、ガラスエポキシ基板と異方性導電ペースト層とフレキシブルプリント基板との積層部分において、フレキシブルプリント基板の一端と他端を結ぶ方向に、ガラスエポキシ基板に対して、フレキシブルプリント基板が傾いた状態で、加熱を開始し、はんだ粒子の第1の電極と第2の電極との間への移動が開始した後に、ガラスエポキシ基板に対して、フレキシブルプリント基板の傾きを無くしたこと、並びに、上記表面積Aを下記の表1に示すように設定したこと以外は実施例1と同様にして、第1,第2の接続構造体を得た。
(実施例10〜15)
下記の表1に示す成分を下記の表1に示す配合量で配合したこと、並びに、上記表面積Aを下記の表1に示すように設定したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、第1,第2の接続構造体を作製した。
(評価)
(1)導電ペーストの粘度
異方性導電ペーストの25℃での粘度を、E型粘度計(東機産業社製「TVE22L」)を用いて、25℃及び5rpmの条件で測定した。
(2)はんだ部の厚み
得られた第1の接続構造体を断面観察することにより、上下の電極間に位置しているはんだ部の厚みを評価した。
(3)電極上のはんだの配置精度1
得られた第1,第2の接続構造体において、第1の電極と接続部と第2の電極との積層方向に第1の電極と第2の電極との対向し合う部分をみたときに、第1の電極と第2の電極との対向し合う部分の面積100%中の、接続部中のはんだ部が配置されている面積の割合Xを評価した。電極上のはんだの配置精度1を下記の基準で判定した。
[電極上のはんだの配置精度1の判定基準]
○○:割合Xが70%以上
○:割合Xが60%以上、70%未満
△:割合Xが50%以上、60%未満
×:割合Xが50%未満
(4)電極上のはんだの配置精度2
得られた第1,第2の接続構造体において、第1の電極と接続部と第2の電極との積層方向と直交する方向に接続構造体をみたときに、接続部中のはんだ部100%中、第1の電極と第2の電極との対向し合う部分に配置されている接続部中のはんだ部の割合Yを評価した。電極上のはんだの配置精度2を下記の基準で判定した。
[電極上のはんだの配置精度2の判定基準]
○○:割合Yが99%以上
○:割合Yが90%以上、99%未満
△:割合Yが70%以上、90%未満
×:割合Yが70%未満
(5)上下の電極間の導通信頼性
得られた第1,第2の接続構造体(n=15個)において、上下の電極間の1接続箇所当たりの接続抵抗をそれぞれ、4端子法により、測定した。接続抵抗の平均値を算出した。なお、電圧=電流×抵抗の関係から、一定の電流を流した時の電圧を測定することにより接続抵抗を求めることができる。導通信頼性を下記の基準で判定した。
[導通信頼性の判定基準]
○○:接続抵抗の平均値が50mΩ以下
○:接続抵抗の平均値が50mΩを超え、70mΩ以下
△:接続抵抗の平均値が70mΩを超え、100mΩ以下
×:接続抵抗の平均値が100mΩを超える、又は接続不良が生じている
(6)横方向に隣接する電極間の絶縁信頼性
得られた第1,第2の接続構造体(n=15個)において、85℃、湿度85%の雰囲気中に100時間放置後、横方向に隣接する電極間に、5Vを印加し、抵抗値を25箇所で測定した。絶縁信頼性を下記の基準で判定した。
[絶縁信頼性の判定基準]
○○:接続抵抗の平均値が10Ω以上
○:接続抵抗の平均値が10Ω以上、10Ω未満
△:接続抵抗の平均値が10Ω以上、10Ω未満
×:接続抵抗の平均値が10Ω未満
(7)上下の電極間の位置ずれ
得られた第1,第2の接続構造体において、第1の電極と接続部と第2の電極との積層方向に第1の電極と第2の電極との対向し合う部分をみたときに、第1の電極の中心線と第2の電極の中心線とが揃っているか否かを観察し、並びに位置ずれの距離を評価した。上下の電極間の位置ずれを下記の基準で判定した。
[上下の電極間の位置ずれの判定基準]
○○:位置ずれが15μm未満
○:位置ずれが15μm以上、25μm未満
△:位置ずれが25μm以上、40μm未満
×:位置ずれが40μm以上
(8)フレキシブルプリント基板の反り
得られた第1,第2の接続構造体の断面を、電極部横方向、縦方向にて観察し、(はんだ部の厚みの最大値と最小値との差/はんだ部の厚み)×100で算出される値Aを求めた。その値Aから反りを下記の基準で判定した。
[反りの判定基準]
○○:値Aが10%以下
○:値Aが10%より大きく20%以下
△:値Aが20%より大きく30%以下
×:値Aが30%より大きい
(9)高速伝送適合性
得られた第1,第2の接続構造体において、接続部の差動インピーダンスを、アジレントテクノロジー社製「E5072A ENA」を用い、周波数5GHz、クロック立ち上がり時間50(ps)、TDR法にて測定した。接続部分での差動インピーダンス平均値と初期値90Ωとの差から、高速伝送適合性を以下の基準で判定した。
[高速伝送適合性の判定基準]
○○:差が3Ω以下
○:差が3Ωより大きく、5Ω以下
△:差が5Ωより大きく、10Ω以下
×:10Ωより大きい
詳細及び結果を下記の表1に示す。
Figure 2017022112
なお、実施例で得られた接続構造体では、ガラスエポキシ基板の1つの電極とフレキシブルプリント基板の1つの電極との間に、1つのはんだ部のみが位置していた。
フレキシブルプリント基板にかえて、樹脂フィルム、フレキシブルフラットケーブル及びリジッドフレキシブル基板を用いた場合でも、同様の傾向が見られた。
1,1X…接続構造体
2…第1の接続対象部材
2a…第1の電極
2b…一端
2c…他端
3…第2の接続対象部材
3a…第2の電極
3b…一端
3c…他端
4,4X…接続部
4A,4XA…はんだ部
4B,4XB…硬化物部
5…ソルダーレジスト膜
6…カバーレイ
11…導電材料
11A…はんだ粒子
11B…熱硬化性成分

Claims (6)

  1. 第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、
    第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、
    前記第1の接続対象部材と前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、
    前記接続部の材料が、複数のはんだ粒子とバインダーとを含む導電材料であり、
    前記第1の電極と前記第2の電極とが前記接続部中のはんだ部により電気的に接続されており、
    前記第1の電極と対向している前記第2の電極部分の表面積が、0.05mm以上、1mm以下であり、
    前記第1の電極と前記接続部と前記第2の電極との積層方向と直交する方向に接続構造体をみたときに、前記第1の電極と前記第2の電極との対向し合う部分に、前記接続部中の前記はんだ部100%中の70%以上が配置されている、接続構造体。
  2. 前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置している前記はんだ部の厚みが5μm以上、75μm以下である、請求項1に記載の接続構造体。
  3. 1つの前記第1の電極と1つの前記第2の電極との間に、1つの前記はんだ部のみが位置している、請求項1又は2に記載の接続構造体。
  4. 前記第1の接続対象部材の電極幅が、100μm以下であり、かつ前記第1の接続対象部材の電極間幅が、100μm以下であるか、又は、
    前記第2の接続対象部材の電極幅が、100μm以下であり、かつ前記第2の接続対象部材の電極間幅が、100μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接続構造体。
  5. 前記第1の電極と対向している前記第2の電極部分は、前記第2の接続対象部材の中央よりも一端側に位置しており、
    前記第1の接続対象部材と前記接続部と前記第2の接続対象部材との積層部分において、前記第2の接続対象部材の前記一端と他端を結ぶ方向に、前記第1の接続対象部材に対して、前記第2の接続対象部材が1度以上、10度以下で傾いている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の接続構造体。
  6. 前記第2の接続対象部材が、樹脂フィルム、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル又はリジッドフレキシブル基板である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の接続構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019050347A (ja) * 2017-09-08 2019-03-28 株式会社タムラ製作所 電子基板の製造方法および異方性導電ペースト

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