JP2019050347A - 電子基板の製造方法および異方性導電ペースト - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、本発明の電子基板の製造方法は、第一配線基板と、第二配線基板または電子部品とを、異方性導電ペーストを用いて接続して電子基板を作製する電子基板の製造方法であって、前記異方性導電ペーストが、(A)融点が150℃以下であるはんだ粉末と、(B)エポキシ樹脂、(C)硬化剤、および(D)活性剤を含む熱硬化性樹脂組成物とを含有し、前記(A)成分の配合量が、前記異方性導電ペースト100質量%に対して、50質量%超75質量%以下であり、前記熱硬化性樹脂組成物の配合量が、前記異方性導電ペースト100質量%に対して、25質量%以上50質量%未満であり、前記第一配線基板上に前記異方性導電ペーストを塗布する塗布工程と、前記異方性導電ペースト上に前記第二配線基板または前記電子部品を配置し、前記(A)成分の融点よりも高い温度で、前記第二配線基板または前記電子部品を前記第一配線基板に熱圧着する熱圧着工程と、前記熱圧着工程後の前記第一配線基板および前記第二配線基板または前記電子部品を加熱して、前記熱硬化性樹脂組成物を硬化させる熱硬化工程と、を備え、前記第一配線基板の電極のピッチ、および、前記第二配線基板または前記電子部品の電極のピッチが、それぞれ60μm以上500μm以下であり、前記第一配線基板の電極の厚みと、前記第二配線基板または前記電子部品の電極の厚みとの合計が、20μm以上100μm以下であることを特徴とする方法である。
また、本発明の電子基板の製造方法によれば、異方性導電ペーストを用いて、高い接続信頼性を有する電子基板を作製できる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。
先ず、本実施形態の異方性導電ペーストについて説明する。
本実施形態の異方性導電ペーストは、後述する本実施形態の電子基板の製造方法に用いる異方性導電ペーストである。そして、この異方性導電ペーストは、以下説明する(A)融点が150℃以下であるはんだ粉末と、以下説明する熱硬化性樹脂組成物とを含有し、(A)成分の配合量が、異方性導電ペースト100質量%に対して、50質量%超75質量%以下であり、熱硬化性樹脂組成物の配合量が、異方性導電ペースト100質量%に対して、25質量%以上50質量%未満であるものである。
(A)成分の配合量が50質量%以下の場合(熱硬化性樹脂組成物の配合量が50質量%以上の場合)には、得られる異方性導電ペーストを熱圧着した場合に、電極表面の全体がはんだ接合を形成することができない。他方、(A)成分の配合量が75質量%を超える場合(熱硬化性樹脂組成物の配合量が25質量%未満の場合)には、はんだブリッジにより、異方性を示さなくなる。また、得られる異方性導電ペーストにおいて、絶縁性と接続信頼性とのバランスをとるという観点から、(A)成分の配合量は、50.5質量%以上70質量%以下であることが好ましく、50.5質量%以上65質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態に用いる(A)はんだ粉末は、150℃以下の融点を有するものである。また、このはんだ粉末は、環境への影響の観点から、鉛フリーはんだ粉末であることが好ましい。ここで、鉛フリーはんだ粉末とは、鉛を添加しないはんだ金属または合金の粉末のことをいう。ただし、鉛フリーはんだ粉末中に、不可避的不純物として鉛が存在することは許容されるが、この場合に、鉛の量は、100質量ppm以下であることが好ましい。
本実施形態に用いる熱硬化性樹脂組成物は、(B)エポキシ樹脂、(C)硬化剤、および(D)活性剤を含むものである。そして、この熱硬化性樹脂組成物の酸価は、10mgKOH/g以上55mgKOH/gであることが好ましく、15mgKOH/g以上50mgKOH/gであることがより好ましく、30mgKOH/g以上45mgKOH/gであることが特に好ましい。はんだの活性化という観点からは、酸価が前記下限以上であることが好ましく、得られる異方性導電ペーストにおける絶縁性の観点からは、酸価が前記上限以下であることが好ましい。
本実施形態に用いる(B)エポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂を適宜用いることができる。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビフェニル型、ナフタレン型、クレゾールノボラック型、フェノールノボラック型、およびジシクロペンタジエン型などのエポキシ樹脂が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらのエポキシ樹脂は、常温で液状のものを含有することが好ましく、常温で固形のものを用いる場合には、常温で液状のものと併用することが好ましい。
本実施形態に用いる(C)硬化剤としては、イミダゾール類、イミダゾール誘導体およびエポキシ樹脂アミンアダクト系硬化剤などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、硬化性および硬化物の性能の観点から、イミダゾール類およびイミダゾール誘導体の少なくともいずれか1つと、エポキシ樹脂アミンアダクト系硬化剤と併用することが好ましい。
なお、本実施形態に用いる熱硬化性樹脂組成物は、はんだの凝集を阻害しないことが好ましい。この観点から、熱硬化性樹脂組成物は、熱圧着時に硬化が進み過ぎないことが好ましく、(C)成分は、熱圧着時に硬化が進みにくいものを選択することが好ましい。
イミダゾール類の市販品としては、2P4MHZ、2PHZ−PW、2E4MZ−A、2MZ−A、2MA−OK、2PZ−CN、2PZCNS−PW、C11Z−CN、およびC11Z−Aなど(四国化成工業社製など、商品名)が挙げられる。
エポキシ樹脂アミンアダクト系硬化剤としては、例えば、アミキュアPN−23、PN−F、MY−24、VDH、UDH、PN−31、PN−40(味の素ファインテクノ社製、商品名)、EH−3615S、EH−3293S、EH−3366S、EH−3842、EH−3670S、EH−3636AS、EH−4346S(ADEKA社製、商品名)が挙げられる。
本実施形態に用いる(D)活性剤としては、有機酸、有機酸アミン塩、非解離型活性剤、およびアミン系活性剤などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、環境対策の観点からは、有機酸、有機酸アミン塩を用いることが好ましい。
モノカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチリック酸、バレリック酸、カプロン酸、エナント酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、グリコール酸などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、ジグリコール酸などが挙げられる。これらの中でも、グルタル酸、アジピン酸などが好ましい。
その他の有機酸としては、ダイマー酸、レブリン酸、乳酸、アクリル酸、安息香酸、サリチル酸、アニス酸、クエン酸、ピコリン酸などが挙げられる。
芳香族アミンとしては、ベンジルアミン、アニリン、1,3−ジフェニルグアニジンなどが挙げられる。これらの中でも、ベンジルアミンが特に好ましい。
脂肪族アミンとしては、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、シクロヘキシルアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
本実施形態に用いる熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、(B)成分〜(D)成分以外に、チクソ剤、界面活性剤、カップリング剤、消泡剤、粉末表面処理剤、反応抑制剤、沈降防止剤などの添加剤を含有していてもよい。これらの添加剤の配合量としては、熱硬化性樹脂組成物100質量%に対して、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
なお、本実施形態に用いる熱硬化性樹脂組成物は、はんだの凝集を阻害しないことが好ましい。この観点から、熱硬化性樹脂組成物は、チクソ剤などを含有しないことが好ましい。また、チクソ剤を用いる場合、その配合量は、熱硬化性樹脂組成物100質量%に対して、2質量以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
次に、本実施形態の電子基板の製造方法について、図面に基づいて説明する。図1〜図8は、本実施形態の電子基板の製造方法を説明するための図である。
本実施形態の電子基板の製造方法は、第一配線基板と、第二配線基板または電子部品とを、前述した異方性導電ペーストを用いて接続して電子基板を作製する方法である。
また、本実施形態の電子基板の製造方法は、以下説明する塗布工程、熱圧着工程、および熱硬化工程を備える。
第一配線基板および第二配線基板としては、フレキシブル性を有するフレキシブル基板、フレキシブル性を有しないリジット基板のいずれも用いることができる。なお、ここでは、第一配線基板として、リジット基板を用い、第二配線基板として、フレキシブル基板を用いて、リジット基板とフレキシブル基板とを、前述した異方性導電ペーストを用いて接続する場合を例に挙げて説明する。
また、リジット基板1には、図1に示すように、リジット基板1とフレキシブル基板2との接続部分において、平面視において、ソルダレジスト膜13が設けられていない接続領域AAが、ソルダレジスト膜13に囲われるように、設けられていることが好ましい。接続領域AAの外側にあるソルダレジスト膜13により、熱圧着時に、異方性導電ペーストを堰き止めることができるため、異方性導電ペースト中のはんだが、流出し過剰に集まってブリッジとなるような問題を抑制できる。接続領域AAは、平面視において、四角形状であることが好ましい。
フレキシブル基板2は、図3および図4に示すように、第二基材としてのフレキシブル基材21と、第二配線22と、第二絶縁被膜としてのカバーレイ23とを備えている。
また、本実施形態の電子基板の製造方法においては、リジット基板1の電極の厚みと、フレキシブル基板2の電極の厚みとの合計が、20μm以上100μm以下であることが必要である。厚みの合計が前記範囲外である場合には、異方性導電ペーストを用いて、高い接続信頼性と絶縁性とを両立できない。
ここで用いる塗布装置としては、例えば、ディスペンサー、スクリーン印刷機、ジェットディスペンス、およびメタルマスク印刷機が挙げられる。
また、塗布膜の厚みは、特に限定されないが、10μm以上500μm以下であることが好ましく、20μm以上300μm以下であることがより好ましく、30μm以上100μm以下であることが特に好ましい。厚みが前記下限以上であれば、リジット基板とフレキシブル基板との付着力を向上できる。他方、厚みが前記上限以下であれば、接続部分以外にペーストがはみ出しにくくできる。
熱圧着時の温度が、(A)成分の融点よりも高いという条件を満たさない場合には、はんだを十分に溶融させることができず、リジット基板1およびフレキシブル基板2の間に十分なはんだ接合を形成できず、リジット基板1およびフレキシブル基板2の間の導電性が不十分となる。なお、熱圧着時の温度は、(A)成分の融点よりも5℃以上高いことが好ましく、(A)成分の融点よりも10℃以上高いことがより好ましく、(A)成分の融点よりも30℃以上高いことが特に好ましい。
熱圧着時の圧力は、特に限定されないが、0.05MPa以上3MPa以下とすることが好ましく、0.2MPa以上2MPa以下とすることがより好ましく、0.5MPa以上1.5MPa以下とすることが特に好ましい。圧力が前記下限以上であれば、リジット基板1およびフレキシブル基板2の間に十分なはんだ接合を形成でき、リジット基板1およびフレキシブル基板2の間の導電性を向上できる。他方、圧力が前記上限以下であれば、リジット基板1に過度のストレスがかかることを抑制でき、デッドスペースを少なくできる。
なお、本実施形態においては、上記のように、熱圧着時の圧力を、従来の方法による場合と比較して、低い圧力範囲に設定することができる。そのため、熱圧着工程に用いる装置の低コスト化を達成することもできる。
熱圧着時の時間は、特に限定されないが、通常、1秒間以上60秒間以下であり、2秒間以上20秒間以下であることが好ましく、3秒間以上15秒間以下であることがより好ましい。
条件(x1):異方性導電ペースト3上にフレキシブル基板2を配置する際に、平面視において、フレキシブル基板2の端部と、ソルダレジスト膜13とが重なっている。
条件(x2):異方性導電ペースト3上にフレキシブル基板2を配置する際に、平面視において、リジット基板1の端部と、カバーレイ23とが重なっていない。
条件(x3):熱圧着の際に、平面視において、熱圧着に用いるヒートツール4が、接続領域AAの全領域にわたり重なっている。
条件(x1)および(x2)を満たす場合には、熱圧着時に、ヒートツール4による圧力が異方性導電ペースト3に直接的にかからなくなる。また、接続領域AAの外側にソルダレジスト膜13による堰ができることになり、熱圧着時に、接続領域AAの外側に異方性導電ペースト3が流れ出るのを確実に防止できる。さらに、条件(x3)により、接続領域AAの全領域にわたり、熱圧着がされるために、より確実にはんだ接合を形成できる。
条件(y1):異方性導電ペースト3上にフレキシブル基板2を配置する際に、平面視において、フレキシブル基板2の端部と、ソルダレジスト膜13が重なっている。
条件(y2):異方性導電ペースト3上にフレキシブル基板2を配置する際に、平面視において、リジット基板1の端部と、カバーレイ23とが重なっている。
条件(y3):熱圧着の際に、平面視において、熱圧着に用いるヒートツール4と、接続領域AAとが重なっているが、接続領域AAの周縁部が、ヒートツール4と重なっていない。
条件(y1)および(y2)を満たす場合には、熱圧着時に、ヒートツール4による圧力が異方性導電ペースト3に直接的にかからなくなる。また、また、接続領域AAの外側にソルダレジスト膜13による堰ができることになり、熱圧着時に、接続領域AAの外側に異方性導電ペースト3が流れ出るのを確実に防止できる。さらに、条件(y3)により、図8に示すように、フレキシブル基板2が変形することになり、これにより、接続領域AAの周縁部から、異方性導電ペースト3中の気泡などを逃がすことができるために、異方性導電ペースト3中のボイドより確実に抑制できる。
加熱炉としては、公知の加熱炉を適宜用いることができる。
加熱条件としては、加熱温度が、100℃以上150℃以下であることが好ましく、110℃以上135℃以下であることがより好ましく、120℃以上130℃以下であることが特に好ましい。加熱温度が前記範囲内であれば、熱硬化性樹脂組成物を十分に硬化させることができ、電子基板に搭載された電子部品への悪影響も少ない。
加熱時間は、10分間以上2時間以下であることが好ましく、15分間以上1時間以下であることがより好ましく、20分間以上40分間以下であることが特に好ましい。加熱時間が前記範囲内であれば、熱硬化性樹脂組成物を十分に硬化させることができ、電子基板に搭載された電子部品への悪影響も少ない。
なお、本発明の異方性導電ペーストおよび電子基板の製造方法は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
((A)成分)
はんだ粉末:平均粒子径は12μm(粒子径範囲:5μm〜20μm)、はんだの融点は139℃、はんだの組成は42Sn/58Bi
((B)成分)
エポキシ樹脂A:液状エポキシ樹脂、商品名「ZX−1059」、新日鉄住金化学社製
エポキシ樹脂B:ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、商品名「NC−3000」、日本化薬社製
エポキシ樹脂C:テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、商品名「GTR−1800」、日本化薬社製
((C)成分)
硬化剤:2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、商品名「キュアゾール2MZA−PW」、四国化成工業社製
((D)成分)
活性剤A:アジピン酸
活性剤B:ベンジルアミンアジピン酸塩
(他の成分)
チクソ剤:商品名「ゲルオールD」、新日本理化社製
エポキシ樹脂A60質量%、エポキシ樹脂B20質量%、エポキシ樹脂C10質量%、硬化剤5質量%、活性剤A2質量%、活性剤B2質量%、およびチクソ剤1質量%を容器に投入し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールを用いて室温にて混合し分散させて熱硬化性樹脂組成物を得た。
その後、得られた熱硬化性樹脂組成物49.5質量%に対し、はんだ粉末50.5質量%を容器に投入し、混練機にて2時間混合することで異方性導電ペーストを調製した。
次に、リジット基板(基材:FR−4、ライン幅:100μm、ピッチ:200μm、銅厚:18μm)を準備し、リジット基板の櫛形電極上に、得られた異方性導電ペーストをメタルマスク印刷機にて塗布した(厚み:0.05mm)。そして、異方性導電ペースト上に、フレキシブル基板(ライン幅:100μm、ピッチ:200μm、銅厚:12μm)を配置し、熱圧着装置(大橋製作所社製)を用いて、温度190℃、圧力1MPa、圧着時間10秒の条件で、フレキシブル基板をリジット基板に熱圧着し(熱圧着工程)、その後、温度120℃にて30分間の加熱処理を施して(熱硬化工程)、フレキシブル基板付のリジット基板(評価基板)を作製した。なお、熱圧着工程および熱硬化工程における加熱条件を表1に示す。
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
また、得られた異方性導電ペーストを用いた以外は実施例1と同様にして、フレキシブル基板付のリジット基板(評価基板)を作製した。なお、熱圧着工程および熱硬化工程における加熱条件を表1に示す。
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
次に、リジット基板(基材:FR−4、ライン幅:100μm、ピッチ:200μm、銅厚:18μm)を準備し、リジット基板の櫛形電極上に、得られた異方性導電ペーストをメタルマスク印刷機にて塗布した(厚み:0.05mm)。そして、塗布後のリジット基板に対し、130℃の温度で6秒間のプリヒートを行い、その後、異方性導電ペースト上に、フレキシブル基板(ライン幅:100μm、ピッチ:200μm、銅厚:12μm)を配置し、熱圧着装置(大橋製作所社製)を用いて、温度180℃、圧力3MPa、圧着時間15秒の条件で、フレキシブル基板をリジット基板に熱圧着して(熱圧着工程)、フレキシブル基板付のリジット基板(評価基板)を作製した。なお、熱圧着工程における加熱条件を表1に示す。
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
また、得られた異方性導電ペーストを用いた以外は実施例1と同様にして、フレキシブル基板付のリジット基板(評価基板)を作製した。なお、熱圧着工程および熱硬化工程における加熱条件を表1に示す。
異方性導電ペーストの評価(導通性、絶縁性、はんだ接合)を以下のような方法で行った。得られた結果を表1に示す。なお、はんだ接合については、比較例2の評価を行わなかった。
(1)導通性
デジタルマルチメーター(アジレント・テクノロジー社製の「34410A」)を用いて、評価基板の抵抗値を測定した。なお、リジット基板の電極とフレキシブル基板の電極に、それぞれ端子を接続して抵抗値を測定した。測定基準として抵抗値が測定されれば、導通していることがわかり、回路の形成が可能であると判断できる。導通性は、以下の基準に従って評価した。
○:抵抗値が100mΩ以下である。
×:抵抗値が高すぎて、測定できない。
(2)絶縁性
評価基板の櫛形電極の部分に、ハイレジスタントメーター(Agilent社製)を用いて、15Vの電圧を印加した時の絶縁抵抗値(単位:Ω)を測定した。絶縁性は、以下の基準に従って評価した。
○:絶縁抵抗値が1.0×1010Ω以上である。
×:絶縁抵抗値が1.0×108Ω未満である。
(3)はんだ接合
評価基板からフレキシブル基板を剥離して、リジット基板の櫛形電極の部分を目視にて観察した。実施例1で得られた評価基板におけるリジット基板の櫛形電極の部分を示す写真を図9に示す。また、比較例1で得られた評価基板におけるリジット基板の櫛形電極の部分を示す写真を図10に示す。
また、評価基板の櫛形電極の部分を切断し、その部分の断面を拡大鏡にて観察した。実施例1で得られた評価基板における櫛形電極の部分の断面を示す写真を図11に示す。また、比較例1で得られた評価基板における櫛形電極の部分の断面を示す写真を図12に示す。
そして、以下の基準に従って、はんだ接合を評価した。
○:電極表面の表面積の90%以上に、はんだがぬれていた。
△:電極表面の表面積の50%以上90%未満に、はんだがぬれていた。
×:電極表面の表面積の50%未満に、はんだがぬれていた。
これに対し、異方性導電ペースト中の(A)成分の配合量が少な過ぎる場合(比較例1)には、電極表面の一部のみがはんだ接合されていて、電極表面の全体がはんだ接合されていないことが分かった。また、異方性導電ペースト中の(A)成分の配合量が多過ぎる場合(比較例2)には、絶縁性が不十分となることが分かった。
11…リジット基材
12…第一配線
13…ソルダレジスト膜
2…フレキシブル基板
21…フレキシブル基材
22…第二配線
23…カバーレイ
3…異方性導電ペースト
4…ヒートツール
AA…接続領域
Claims (6)
- 第一配線基板と、第二配線基板または電子部品とを、異方性導電ペーストを用いて接続して電子基板を作製する電子基板の製造方法であって、
前記異方性導電ペーストが、(A)融点が150℃以下であるはんだ粉末と、(B)エポキシ樹脂、(C)硬化剤、および(D)活性剤を含む熱硬化性樹脂組成物とを含有し、
前記(A)成分の配合量が、前記異方性導電ペースト100質量%に対して、50質量%超75質量%以下であり、
前記熱硬化性樹脂組成物の配合量が、前記異方性導電ペースト100質量%に対して、25質量%以上50質量%未満であり、
前記第一配線基板上に前記異方性導電ペーストを塗布する塗布工程と、
前記異方性導電ペースト上に前記第二配線基板または前記電子部品を配置し、前記(A)成分の融点よりも高い温度で、前記第二配線基板または前記電子部品を前記第一配線基板に熱圧着する熱圧着工程と、
前記熱圧着工程後の前記第一配線基板および前記第二配線基板または前記電子部品を加熱して、前記熱硬化性樹脂組成物を硬化させる熱硬化工程と、を備え、
前記第一配線基板の電極のピッチ、および、前記第二配線基板または前記電子部品の電極のピッチが、それぞれ60μm以上500μm以下であり、
前記第一配線基板の電極の厚みと、前記第二配線基板または前記電子部品の電極の厚みとの合計が、20μm以上100μm以下である
ことを特徴とする電子基板の製造方法。 - 請求項1に記載の電子基板の製造方法において、
前記第一配線基板は、第一基材と、第一配線と、第一絶縁被膜とを備え、
前記第一配線基板および前記第二配線基板または前記電子部品との接続部分における前記第一配線基板の端部においては、前記第一配線を覆うように、前記第一絶縁被膜が設けられている
ことを特徴とする電子基板の製造方法。 - 請求項1に記載の電子基板の製造方法において、
前記第一配線基板には、前記第一配線基板および前記第二配線基板または前記電子部品との接続部分に、平面視において、前記第一絶縁被膜が設けられておらず、前記第一絶縁被膜に囲われている接続領域が設けられている
ことを特徴とする電子基板の製造方法。 - 請求項3に記載の電子基板の製造方法において、
前記第二配線基板は、第二基材と、第二配線と、第二絶縁被膜とを備え、
前記熱圧着工程が、下記条件(x1)〜(x3)を満たす
ことを特徴とする電子基板の製造方法。
条件(x1):前記異方性導電ペースト上に前記第二配線基板を配置する際に、平面視において、前記第二配線基板の端部と、前記第一絶縁被膜とが重なっている。
条件(x2):前記異方性導電ペースト上に前記第二配線基板を配置する際に、平面視において、前記第一配線基板の端部と、前記第二絶縁被膜とが重なっていない。
条件(x3):熱圧着の際に、平面視において、熱圧着に用いるヒートツールが、前記接続領域の全領域にわたり重なっている。 - 請求項3に記載の電子基板の製造方法において、
前記第二配線基板は、第二基材と、第二配線と、第二絶縁被膜とを備え、
前記熱圧着工程が、下記条件(y1)〜(y3)を満たす
ことを特徴とする電子基板の製造方法。
条件(y1):前記異方性導電ペースト上に前記第二配線基板を配置する際に、平面視において、前記第二配線基板の端部と、前記第一絶縁被膜とが重なっている。
条件(y2):前記異方性導電ペースト上に前記第二配線基板を配置する際に、平面視において、前記第一配線基板の端部と、前記第二絶縁被膜とが重なっている。
条件(y3):熱圧着の際に、平面視において、熱圧着に用いるヒートツールと、前記接続領域とが重なっているが、前記接続領域の周縁部が、ヒートツールと重なっていない。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電子基板の製造方法に用いる異方性導電ペーストであって、
(A)融点が150℃以下であるはんだ粉末と、(B)エポキシ樹脂、(C)硬化剤、および(D)活性剤を含む熱硬化性樹脂組成物とを含有し、
前記(A)成分の配合量が、前記異方性導電ペースト100質量%に対して、50質量%超75質量%以下であり、
前記熱硬化性樹脂組成物の配合量が、前記異方性導電ペースト100質量%に対して、25質量%以上50質量%未満である
ことを特徴とする異方性導電ペースト。
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