本実施形態に係る照明器具Aについて、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態に係る照明器具Aは、主に、サッカースタジアムや各種の競技場、学校の運動場などを照明(投光照明)する用途に用いられる投光器である。なお、以下の実施形態で説明する構成は本発明の一例にすぎない。本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態に係る照明器具Aは、図1、図2A、図2B及び図3に示すように、複数(図示例では4つ)の光源ユニット1と、器具本体2とを有する。また、本実施形態に係る照明器具Aは、パネルユニット3、支持部材4、保護カバー5、結線ボックス6などを有することが好ましい。なお、以下の説明においては、特に断りの無い限り、図1において前後、左右、上下の各方向を規定する。すなわち、器具本体2に対してパネルユニット3側を前、器具本体2に対して保護カバー5側を後、器具本体2に対して支持部材4側を下、器具本体2に対して支持部材4と反対側を上とする。さらに、パネルユニット3を正面から見て、左側を左、右側を右とする。
光源ユニット1は、図1に示すように、2つのLEDモジュール10、放熱ブロック11、2つのレンズブロック12、防水パッキン13、2つの押さえ金具14などを備える。LEDモジュール10は、複数個(図示例では11個)のLED(発光ダイオード)100と、矩形平板状の実装基板101と、複数(図示例では2つ)の速結端子台102とを有する(図3参照)。LED100は、例えば、白色光を放射する白色発光ダイオードである。実装基板101は、例えば、アルミ又はアルミ合金製の基板の表面に絶縁膜を介して導電体(銅箔)が形成されたアルミ基板で構成されることが好ましい。複数個のLED100は、実装基板101の表面(実装面)に実装され、かつ、実装面に形成される導電体によって電気的に直列接続されることが好ましい。2つの速結端子台102は、実装基板101の実装面に実装され、かつ、複数個のLED100の直列回路の両端と各別に電気的に接続される。ここで、2つの速結端子台102は、電線が差し込み接続される方向(速結端子台102の長手方向)を、実装基板101の長手方向(上下方向)に対して傾けるようにして実装基板101の表面に実装されることが好ましい。ただし、1枚の実装基板101に実装されるLED100の個数は11個に限定されない。
放熱ブロック11は、ベース部110と、複数枚(図示例では18枚)の放熱板111と、複数本(図示例では10本)のヒートパイプ112とを有する(図3参照)。ベース部110は、アルミ又はアルミ合金によって矩形の平板状に形成されることが好ましい。ベース部110の前面に、2つのLEDモジュール10がねじ止めによって取り付けられる(図4参照)。放熱板111は、アルミ又はアルミ合金によって矩形の薄板状に形成されることが好ましい。これら複数枚の放熱板111は、厚み方向を左右方向に一致させて、互いに間隔を空けて並び、かつ、ベース部110の後面から後方へ突出するように形成されている。ヒートパイプ112は、U字形状に形成される。ヒートパイプ112の一端側がベース部110の後面に半分ほど埋め込まれるように接合される(図4参照)。また、ヒートパイプ112の他端側は、複数枚の放熱板111を貫通するように構成される(図3参照)。つまり、複数個のLED100が発する熱は、実装基板101からベース部110へと伝わり、さらに、ヒートパイプ112によって放熱板111に伝導されて放熱される。
レンズブロック12は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料により、本体120と複数(図示例では11個)のレンズ121とが一体に形成されることが好ましい(図1参照)。本体120は、矩形の平板状に形成される。レンズ121は、本体120の後面に、上下及び左右に並べて一体に形成される。ただし、これら複数個のレンズ121は、本体120の後面において、LEDモジュール10の複数個のLED100と一対一に対応する位置に配置される(図4参照)。
防水パッキン13は、シリコーンゴムなどの電気絶縁性を有する弾性材料によって矩形の枠状に形成されることが好ましい(図1及び図3参照)。また、防水パッキン13は、後面に形成される凹所130に、放熱ブロック11のベース部110を嵌め込むように構成される(図4参照)。
押さえ金具14は、押さえ片140及び固定片141と、押さえ片140と固定片141を連結する連結片142とを有する。押さえ片140は、帯状に形成される。連結片142は、押さえ片140の長手方向に沿った一方の端縁から押さえ片140の厚み方向の一方の向きに立ち上がるように形成される。固定片141は、連結片142の長手方向に沿った端縁から押さえ片140と逆向きに立ち上がるように形成される(図1及び図4参照)。また、固定片141の長手方向における両端に、それぞれ円形のねじ挿通孔1410が設けられる(図1参照)。なお、押さえ金具14は、ステンレス鋼板などの金属板が曲げ加工されることで押さえ片140、固定片141及び連結片142を一体に形成して構成されることが好ましい。
器具本体2は、図5及び図6A〜図6Dに示すように、枠部20、第1固定部21、仕切壁22A、22B、補強部23A、23B、第2固定部24、第3固定部25、第4固定部26、軸受け部27などを有する。枠部20は、アルミ又はアルミ合金により、扁平な角筒状に形成される。なお、以下の説明においては、枠部20の上側の側壁を上側壁200、下側の側壁を下側壁201、左側の側壁を左側壁202、右側の側壁を右側壁203と呼ぶ。
上側壁200には、逆U字状のハンドル2000が設けられる(図5参照)。このハンドル2000は、人の手で握り易い大きさに形成されることが好ましい。また、上側壁200の左右方向の中央に、円形のケーブル挿通孔2001と、一対のねじ孔2002とが設けられる。一対のねじ孔2002は、ケーブル挿通孔2001の左右両隣にそれぞれ設けられる(図6B参照)。さらに、上側壁200には、4つのねじ孔2003が左右方向に間隔を空けて並ぶように設けられる(図6B参照)。なお、下側壁201における左右方向の中央にも、上側壁200と同様に円形のケーブル挿通孔と、一対のねじ孔とが設けられる。さらに、下側壁201にも、4つのねじ孔が左右方向に間隔を空けて並ぶように設けられる
仕切壁は、上側壁200に平行な第1仕切壁22Aと、下側壁201に平行な第2下側壁22Bとを有する。ただし、第1仕切壁22Aと第2仕切壁22Bの間には、第1仕切壁22Aと上側壁200及び第2仕切壁22Bと下側壁201のそれぞの間隔よりも狭い空間(開口)220が設けられている(図5及び図6A参照)。なお、この空間220の左右方向の中央には、第1仕切壁22Aと第2仕切壁22Bに跨がる、薄板状の補強壁221が設けられることが好ましい。
ここで、上側壁200と第1仕切壁22Aに挟まれた領域に2つの光源ユニット1が左右方向に並べて配置される。同様に、下側壁201と第2仕切壁22Bに挟まれた領域に残り2つの光源ユニット1が左右方向に並べて配置される(図3参照)。そして、これら2つの領域の左右方向の中央には、上側壁200と第1仕切壁22Aに跨がる第1補強部23Aと、下側壁201と第2仕切壁22Bに跨がる第2補強部23Bとがそれぞれ設けられることが好ましい(図5及び図6A参照)。ここで、上側壁200と第1仕切壁22Aと第1補強部23Aと左側壁202に囲まれた孔を第1窓孔204と呼び、上側壁200と第1仕切壁22Aと第1補強部23Aと右側壁203に囲まれた孔を第2窓孔205と呼ぶ。また、下側壁201と第2仕切壁22Bと第2補強部23Bと左側壁202に囲まれた孔を第3窓孔206と呼び、下側壁201と第2仕切壁22Bと第2補強部23Bと右側壁203に囲まれた孔を第4窓孔207と呼ぶ。
第1固定部21は、図5及び図6Bに示すように、上側壁200及び下側壁201の外側の側面に、それぞれ4つずつ設けられる。また、第1仕切壁22A及び第2仕切壁22Bの空間220に臨む面にも、第1固定部21がそれぞれ4つずつ設けられる(図5参照)。これら16個の第1固定部21は、半円柱状のボスの内周面にねじ山が形成された雌ねじで構成され、後から前に向かってねじ(雄ねじ)がねじ込まれるように形成される。
第2固定部24は、図6Aに示すように、上側壁200及び下側壁201の前面に、それぞれ3つずつ設けられる。また、第1仕切壁22A及び第2仕切壁22Bの前面にも、第2固定部24がそれぞれ3つずつ設けられる(図6A参照)。これら12個の第2固定部24は、半円柱状のボスの内周面にねじ山が形成された雌ねじで構成され、前から後に向かってねじ(雄ねじ)がねじ込まれるように形成される。
第3固定部25は、図6Aに示すように、上側壁200及び下側壁201の前面における左右両端に、それぞれ1つずつ設けられる。また、第1仕切壁22A及び第2仕切壁22Bの前面における左右両端にも、第3固定部25がそれぞれ1つずつ設けられる(図6B参照)。これら8個の第3固定部25は、半円柱状のボスの内周面にねじ山が形成された雌ねじで構成され、前から後に向かってねじ(雄ねじ)がねじ込まれるように形成される(図6A〜図6D参照)。
第4固定部26は、図6Aに示すように、上側壁200及び下側壁201の内側の側面に、それぞれ4つずつ設けられる。また、第1仕切壁22A及び第2仕切壁22Bの第1窓孔204〜第4窓孔207に臨む面にも、第4固定部26がそれぞれ4つずつ設けられる(図3及び図6A参照)。これら16個の第4固定部26は、半円柱状のボスの内周面にねじ山が形成された雌ねじで構成され、前から後に向かってねじ(雄ねじ)がねじ込まれるように形成される。
軸受け部27は、図6A〜図6Dに示すように、円筒形状の外郭270と、外郭270の中心に設けられる雌ねじ部271とを有する。また、軸受け部27は、支持片272によって枠部20に支持されることが好ましい。支持片272は、軸受け部27の軸方向(左右方向)からみて略台形状に形成される(図6C、図6D参照)。また、支持片272の左右両側には、それぞれ一対の補強リブ273、274が設けられている(図6B参照)。
支持部材4は、図1及び図3に示すように、固定板40と、固定板40の左右両端から上向きに立ち上がる一対のアーム片41とが金属板によって一体に形成されている。固定板40は、略中心に円形の固定孔400が貫通し、固定孔400よりも後方に、固定孔400を中心とする半円弧状の長孔401が貫通している。そして、固定孔400に挿通されるボルトと、長孔401に挿通されるボルトで固定板40が照明台などに固定される。また、長孔401に挿通されるボルトを緩めることにより、支持部材4の向き(光源ユニット1の光軸の向き)を略180度の範囲で変更することができる。
一対のアーム片41は、先端部に円形の挿通孔410がそれぞれ貫通している。そして、挿通孔410に挿通されるボルト43が、軸受け部27の雌ねじ部271にねじ込まれる。つまり、支持部材4は、一対の軸受け部27を介して器具本体2と結合され、かつ、雌ねじ部271にねじ込まれるボルト43を回転軸として器具本体2を回転可能に支持することができる(図2A及び図2B参照)。なお、左側の軸受け部27には円盤状の目盛板42が取り付けられる。この目盛板42には、ボルト43を中心とする角度の目盛りが刻印されており、アーム片41に対する器具本体2の角度が読み取れるように構成されている(図2B参照)。
パネルユニット3は、図1に示すように、2枚のパネル30と、2つのパネル押さえ31と、2つのパネルパッキン32とを有する。各パネル30は、例えば、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料、あるいは、ガラスなどの透光性材料で矩形の平板状に形成される。また、各パネル30は、2つの窓孔(第1窓孔204と第2窓孔205及び第3窓孔206と第4窓孔207)を共通かつ前方から覆うことができる寸法に形成されることが好ましい。さらに、各パネル30は、長手方向に沿った上縁及び下縁に、それぞれ半球状の切欠300が3つずつ間隔を空けて設けられている。
各パネルパッキン32は、シリコーンゴムなどの弾性を有する材料で矩形の枠状に形成される。また、各パネルパッキン32の内周面には、パネル30の周部が嵌め込まれる溝321が全周に渡って形成されている(図4参照)。さらに、各パネルパッキン32は、長手方向に沿った上縁及び下縁において、パネル30の切欠300と重なる位置に、それぞれ半球状の切欠320が3つずつ間隔を空けて設けられている。
各パネル押さえ31は、図1に示すように、矩形枠状の押さえ片310と、押さえ片310の四隅を除く外周縁から後方に突出する4つの突片311とを有する。なお、押さえ片310と4つの突片311とは、ステンレス鋼板などの金属板によって一体に形成されることが好ましい。また、押さえ片310は、四隅にそれぞれ第1ねじ挿通孔312が設けられ、左右方向に隣り合う2つの第1ねじ挿通孔312の間に、それぞれ3つの第2ねじ挿通孔313が等間隔に並ぶように設けられる(図1及び図3参照)。
保護カバー5は、図1及び図2Bに示すように、一対の第1カバー体50と、一対の第2カバー体51とで箱形に形成される。一対の第1カバー体50は、保護カバー5の左右の壁を構成し、一対の第2カバー体51は、保護カバー5の上下の壁及び後の壁(底壁)を構成する。
第1カバー体50は、図1に示すように、ステンレス鋼板などの金属板により、矩形の平板状に形成される。第1カバー体50は、前側の辺を除く3つの辺から、それぞれ幅細の固定片500が突出する。これら3つの固定片500には、それぞれ複数(2つ又は4つ)のねじ挿通孔501が長手方向に並ぶように設けられる。また、第1カバー体50は、前端側における上下方向の中央付近に、台形状の切欠部502が設けられている。
第2カバー体51は、矩形の横板510と、矩形の縦板511とを有し、横板510の後端縁から縦板511が立ち上がるように構成されている。なお、横板510と縦板511は、ステンレス鋼板などの金属板によって一体に形成されることが好ましい。横板510は、左右両側の2つの辺から、それぞれ幅細の固定片5100が突出する。これら2つの固定片5100には、それぞれ複数(2つ)のねじ孔5101が前後方向の両端に設けられる。また、横板510は、前端側における左右方向の中央付近に、六角形状の凹部5102が設けられている。さらに、横板510は、前端部分における凹部5102の左右両側に、ねじ挿通孔5103がそれぞれ2つずつ、等間隔に並ぶように設けられている。
縦板511は、左右両側の端部に、それぞれ2つのねじ孔5110が上下方向に間隔を空けて並ぶように設けられる。また、上側の第2カバー体51の縦板511は、下端側における左右方向の中央付近に、矩形の切欠5111が設けられている。同様に、下側の第2カバー体51の縦板511は、上端側における左右方向の中央付近に、矩形の切欠5111が設けられている。さらに、第2カバー体51は、切欠5111の左右両側に矩形の切り溝5112がそれぞれ設けられている。またさらに、第2カバー体51は、それぞれ切り溝5112の近くにねじ挿通孔5113が1つずつ設けられている。
第1カバー体50の上下の固定片500がそれぞれ2つの第2カバー体51の横板510の固定片5100にねじ止めされ、第1カバー体50の後の固定片500がそれぞれ2つの第2カバー体51の縦板511にねじ止めされて保護カバー5が組み立てられる。このように構成される保護カバー5は、図2A及び図2Bに示すように、4つの光源ユニット1の放熱ブロック11を覆うように、器具本体2に取り付けられる。ただし、保護カバー5には、放熱ブロック11から放射される熱を逃がすため、多数の通気孔52が上下、左右及び前後に並ぶように設けられている(図1、図2A及び図2B参照)。
結線ボックス6は、図1に示すように、ボックス本体60、蓋61、端子台62、ボックスパッキン63、ケーブル保持部64などを備える。ボックス本体60は、アルミダイカストによって後面が開口した矩形の箱状に形成されることが好ましい。また、ボックス本体60は、開口端(後端)の全周に渡って矩形枠状の外鍔600が一体に形成されている。外鍔600の四隅にそれぞれねじ孔601が設けられている。
さらに、ボックス本体60は、前面(底面)に2つの導入口602が左右方向に並べて設けられている。これら2つの導入口602には、光源ユニット1への給電用の電気ケーブルがそれぞれ挿通される。また、これらの導入口602は、ボックス本体60の内底面にねじ止めされるケーブル保持部64によって電気ケーブルとの間の隙間が塞がれる。なお、このようなケーブル保持部64は、例えば、防水型のケーブルグランドで構成されることが好ましい。さらに、ボックス本体60は、下面の中央に引き込み口が設けられている。この引き込み口を通して電源ケーブルが引き込まれる。なお、この引き込み口は、防水型のケーブルグランド65によって電源ケーブルとの間の隙間が塞がれる(図2B参照)。
端子台62は、ボックス本体60の内底面にねじ止めされる。この端子台62は、複数対のねじ端子を備え、それぞれのねじ端子に電源ケーブルの導体と電気ケーブルの導体とが電気的に接続される。つまり、外部に設置されている電源ユニットから電源ケーブルを介して供給される電力(直流電力)が、端子台62から電気ケーブルを介して4つの光源ユニット1にそれぞれ給電される。
蓋61は、アルミダイカストにより、縦横寸法がボックス本体60の外鍔600の縦横寸法にほぼ等しい矩形板状に形成されている。また、蓋61の四隅にそれぞれねじ挿通孔610が設けられている(図1参照)。ボックスパッキン63は、シリコーンゴムなどの弾性材料によって矩形の枠状に形成される。ボックスパッキン63は、外鍔600の表面(後面)に形成された凹所に嵌め込まれる。蓋61は、後方から外鍔600に被せられ、ねじ挿通孔610に挿通される4本のねじが外鍔600の四隅のねじ孔601にねじ込まれてボックス本体60に固定される。そして、蓋61と外鍔600との間の隙間がボックスパッキン63で塞がれる。
ところで、ボックス本体60の前面(外側の底面)における左右両端には、左右方向に沿って外向きに突出する、一対の取付片603が上下方向に並ぶようにそれぞれ設けられている(図1参照)。また、これら4つの取付片603の先端部には、それぞれねじ孔604が設けられている。
次に、本実施形態に係る照明器具Aの組立手順を説明する。ただし、以下に説明する組立手順は一例であり、いくつかの手順が入れ替えられても構わない。なお、器具本体2には、先に支持部材4が取り付けられていることが好ましい。
まず、組立作業の作業者は、放熱ブロック11のベース部110に2つのLEDモジュール10をねじ止めして取り付ける。また、作業者は、2つのLEDモジュール10のそれぞれの速結端子台102に電気ケーブルの電線65(の導体)をそれぞれ電気的に接続する。続いて、作業者は、放熱ブロック11のベース部110に防水パッキン13を装着する。つまり、図4に示すように、作業者は、防水パッキン13の凹所130にベース部110を全周に渡って嵌め込めばよい。そして、作業者は、防水パッキン13の外周面に形成されている溝131に、器具本体2の上側壁200及び下側壁201の後端から第1〜第4窓孔204〜207の方へ突出する部分を挿入する(図4参照)。さらに、作業者は、防水パッキン13の後端側の溝132に、押さえ金具14の押さえ片140を差し込み、押さえ金具14の固定片141のねじ挿通孔1410に挿通したねじを器具本体2の第1固定部21にねじ込む。その結果、ベース部110は、防水パッキン13を介して、器具本体2の枠部20及び仕切壁(第1仕切壁22A、第2仕切壁22B)と押さえ金具14の押さえ片140とに挟み込まれ、器具本体2に固定される(図4参照)。さらに、作業者は、速結端子台102に接続されている電気ケーブルの電線65を、上側壁200のケーブル挿通孔2001及び下側壁201のケーブル挿通孔に挿通して枠部20の外にそれぞれ引き出す。このとき、作業者は、第1窓孔204及び第2窓孔205の位置に取り付けられた2つの光源ユニット1の電気ケーブルを、上側壁200のケーブル挿通孔2001に挿通して枠部20の外に引き出す。一方、作業者は、第3窓孔206及び第4窓孔207の位置に取り付けられた2つの光源ユニット1の電気ケーブルを、下側壁201のケーブル挿通孔に挿通して枠部20の外に引き出す。なお、2つの速結端子台102は、実装基板101の長手方向に対して傾くように実装されている。そのため、作業者は、それぞれのLEDモジュール10の1つの速結端子台102に差し込み接続する電線65をケーブル挿通孔2001に挿通するに当たり、電線65を急激に曲げずに緩やかに曲げればよい。その結果、電線65や速結端子台102に加わる力を抑えることができる。
さらに、作業者は、上側壁200及び下側壁201のねじ孔2002にケーブルグランド208をねじ止めする(図9A参照)。それから、作業者は、器具本体2の第4固定部26にレンズブロック12をねじ止めする。このようにして、器具本体2への光源ユニット1の取付が完了する。
次に、作業者は、パネルパッキン32の内周面の溝321にパネル30の周部を嵌め込み、器具本体2の枠部20内に前方から、パネル30及びパネルパッキン32を挿入する(図7参照)。そして、作業者は、パネルパッキン32の前面側にパネル押さえ31を被せ、四隅の第1ねじ挿通孔312に挿通したねじを器具本体2の第3固定部25にねじ込み、かつ、第2ねじ挿通孔313に挿通したねじを器具本体2の第2固定部24にねじ込む。このようにして、パネル30及びパネルパッキン32は、器具本体2とパネル押さえ31との間に挟み込まれて器具本体2に固定される(図4参照)。このようにして、器具本体2へのパネルユニット3の取付が完了する(図7、図8及び図9A、図9B参照)。
次に、作業者は、枠部20の外に引き出した電気ケーブルをボックス本体60の導入口602からボックス本体60内に導入し、電気ケーブルの電線65を端子台62のねじ端子に結線する。
続いて、作業者は、第2カバー体51を器具本体2に取り付ける。始めに、作業者は、横板510の前方のねじ挿通孔5103にそれぞれ挿通したねじを、下側壁201の下面のねじ孔にそれぞれねじ込むことで下側壁201に第2カバー体51を取り付ける。続いて、作業者は、この第2カバー体51の縦板511の切り溝5112にボックス本体60の取付片603を挿入し、後方から縦板511のねじ挿通孔5113に挿通したねじを、取付片603のねじ孔604にねじ込む。次に、作業者は、横板510の前方のねじ挿通孔5103にそれぞれ挿通したねじを、上側壁200の上面のねじ孔2003にそれぞれねじ込むことで上側壁200に第2カバー体51を取り付ける。続いて、作業者は、この第2カバー体51の縦板511の切り溝5112にボックス本体60の取付片603を挿入し、後方から縦板511のねじ挿通孔5113に挿通したねじを、取付片603のねじ孔604にねじ込む。このようにして、一対の第2カバー体51に結線ボックス6が取り付けられる。ただし、作業者は、一対の第2カバー体51に結線ボックス6を取り付けた後、これら一対の第2カバー体51を器具本体2に取り付けてもよい。
次に、作業者は、2つの第1カバー体50を、一対の第2カバー体51の左右両側にそれぞれ取り付ける。すなわち、作業者は、第1カバー体50の上下2つの固定片500の2つのねじ挿通孔501に挿通した4本のねじを、2つの第2カバー体51の上下2つの固定片5100の2つのねじ孔5010にそれぞれねじ込む。さらに、作業者は、第1カバー体50の後の固定片500の4つのねじ挿通孔501に挿通した4本のねじを、2つの第2カバー体51の縦板511の2つのねじ孔5110にそれぞれねじ込む。このようにして、2つの第1カバー体50が2つの第2カバー体51と結合されて保護カバー5が組み立てられ、かつ、保護カバー5が器具本体2に取り付けられる(図2参照)。
以上のような手順で本実施形態に係る照明器具Aが組み立てられる。
ところで、本実施形態に係る照明器具Aは、投光照明に用いられる投光器であり、個々の光源ユニット1から大量の光束が放射される。そのため、それぞれの光源ユニット1からは大量の熱が放出される。そこで、本実施形態に係る照明器具Aは、器具本体2の枠部20における、上段の2つの光源ユニット1と下段の2つの光源ユニット1との間に、前後方向に通気可能な空間220を設けるように構成される。投光照明の場合、投光器は、グランドなどの照明空間を上方から照明することになる。ゆえに、本実施形態に係る照明器具Aも、図7に示すように、光源ユニット1の光軸が水平よりも下に向くように設置される可能性が高い。この場合、放熱ブロック11の放熱で暖められた空気が上昇すると、器具本体2の左右両方向及び後方だけでなく、前方からも空間220を通して空気が放熱ブロック11に向かって流れる。そのため、本実施形態に係る照明器具Aは、空間220が塞がれている場合と比較して、単位時間当たりに放熱ブロック11と熱交換する空気の量を大幅に増やして放熱性の向上を図ることができる。さらに、本実施形態に係る照明器具Aは、放熱性を向上することにより、複数の光源ユニット1の間隔を広げる必要がないから、器具本体2の大型化を抑制することができる。しかも、本実施形態に係る照明器具Aは、器具本体2の枠部20に複数の光源ユニット1が取り付けられて組み立てられるので、組立作業の作業性の向上を図ることもできる。
上述のように本実施形態に係る照明器具Aは、複数の光源ユニット1と、複数の光源ユニット1を支持する器具本体2とを有する。複数の光源ユニット1は、複数個の固体発光素子(LED100)と、複数個のLED100が実装される実装基板101と、実装基板101のLED100の実装面と反対側の面に熱的に結合される放熱部材(放熱ブロック11)とを備える。放熱ブロック11は、前面に実装基板101が取り付けられるベース部110と、ベース部110の後面から後方に突出する複数の放熱板111とを有する。器具本体2は、複数の光源ユニット1のベース部110がそれぞれ固定される複数の固定部21と、複数の固定部21を有し、かつ、複数のベース部110を囲む枠部20とを備える。枠部20は、複数の光源ユニット1のうちの少なくとも2つの光源ユニット1の間に、前後方向に通気可能な空間220を設けるように構成される。
本実施形態に係る照明器具Aは上述のように構成され、空間220が無い場合と比較して、単位時間当たりに放熱ブロック11と熱交換する空気の量を増やして放熱性の向上を図ることができる。さらに、本実施形態に係る照明器具Aは、放熱性を向上することにより、複数の光源ユニット1の間隔を広げる必要がないので、器具本体2の大型化を抑制することができる。しかも、本実施形態に係る照明器具Aは、器具本体2の枠部20が有する第1固定部21に複数の光源ユニット1が固定されて組み立てられるので、組立作業の作業性の向上を図ることもできる。そのため、本実施形態に係る照明器具Aは、大型化を抑制しつつ放熱性及び組立作業の作業性の向上を図ることができる。
また、本実施形態に係る照明器具Aにおいて、透光性を有する材料で板状に形成され、かつ、枠部20の前面に取り付けられる1つ又は複数のパネル30を有することが好ましい。パネル30は、通気可能な空間220を挟まずに隣り合う複数の光源ユニット1(左右方向に隣り合う2つの光源ユニット1)の前方を覆うように構成されることが好ましい。
本実施形態に係る照明器具Aが上述のように構成されれば、個々の光源ユニット1毎にパネル30を設ける場合と比較して、部品点数の削減を図ることができる。
さらに、本実施形態に係る照明器具Aにおいて、パネル30を複数有することが好ましい。複数のパネル30は、通気可能な空間220の前方を塞がないように構成されることが好ましい。
本実施形態に係る照明器具Aが上述のように構成されれば、部品点数の削減を図りつつ、放熱性の向上も図ることができる。
また、本実施形態に係る照明器具Aにおいて、器具本体2は、通気可能な空間220と複数の光源ユニット1との間を仕切る仕切壁(第1仕切壁22A、第2仕切壁22B)を有することが好ましい。
本実施形態に係る照明器具Aが上述のように構成されれば、空間220を移動する空気の流れを仕切壁(第1仕切壁22A、第2仕切壁22B)で整えることができ、放熱性の更なる向上を図ることができる。
さらに、本実施形態に係る照明器具Aにおいて、器具本体2は、枠部20を補強する補強部(第1補強部23A、第2補強部23B)を備えることが好ましい。
本実施形態に係る照明器具Aが上述のように構成されれば、枠部20の機械的な強度の向上を図ることができる。