JP2017021311A - 光走査装置、及び画像形成装置 - Google Patents

光走査装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光走査装置に載置された折り返しミラーの長手方向軸周りの回転方向振動を抑制する。
【解決手段】折り返しミラー101は、一面に反射面101aを備え、対向面に鏡面101bを備えた直方体状、又は板状の透光部材を備え、折り返しミラーの長手方向と直交する面に沿った断面形状が、透光材料の鏡面側、又は反射面の一つの角部E1、又はE2をある角度で平坦面状に切除した面取り部101cを備えた五角形(五辺形)である。
【選択図】図3

Description

本発明は、光走査装置、及びこの光走査装置を用いるレーザープリンタやデジタル複写機等の画像形成装置に関する。
光走査装置は、電子写真方式の画像形成装置の書き込みユニットとして装備され、レーザービームにより感光体上を走査して光書き込みを行う手段である。
即ち、光走査装置は、画像信号によって変調されたレーザービームを、高速回転する回転多面鏡(ポリゴンミラー)によって偏向走査し、その走査光を折り返しミラー(反射ミラー)で反射させて感光体に照射して画像を形成するものである。折り返しミラーは、光路折り曲げの為に使用される。
折り返しミラーは、光学箱内に配置されたミラー座面によって一面を支持された状態で、その長手方向両端部を板バネ等によって固定されるのが一般である。このミラー座面には、加工精度によっては微小な凹凸が現れることがある。その場合、折り返しミラーが長手方向の軸周りの回転方向に振動することがある。このような振動が発生しやすい周波数帯では、例えばポリゴンミラーの回転起因やギア噛み合い周波数起因の加振力が付与された場合、折り返しミラーに回転振動が励起されてレーザービームの光路が変動するため、出力された画像にこの周波数でバンディングと呼ばれる縞模様が現れ、画像劣化の要因となる。
一般に、画像の可視感度と空間周波数との関係については、人間の視覚系の特性から、空間周波数0.2〜2.0(line/mm)の範囲の濃度変化が最も目に付きやすくなると言われている。感光体の回転速度や用紙の搬送速度を考え合わせると、数Hzから数百Hz程度の周波数領域におけるレーザー光の振動を回避、または抑制することが必要である。
そこで、特許文献1では折り返しミラー端部以外の部位に、ミラーの長手方向に移動可能な支持部を設け、加振力となる周波数に応じて支持部を移動して共振を避ける構成を提案している。
また、特許文献2や特許文献3では複数のミラー支持部を設け、折り返しミラーを3点以上で支持することで折り返しミラーの固有振動数を前記周波数帯よりも高くする構成を提案している。
しかし、特許文献1や、特許文献2、特許文献3の発明では、折り返しミラーの端部以外にも複数の支持部を設けることになるため、構成が複雑になり、大型化する。特に多色の光学部品を一つの光学箱内に収容するものにおいては、この構成をとることで他の色のレーザー光路の妨げとなり、それを回避するためには光学箱を大きくする必要がある。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、折り返しミラーの支持部の数を増加させることによる構成の複雑化、大型化を招くことなく、折り返しミラーの長手方向軸周りの回転振動を抑えることができる光走査装置を提供することにある。
上記本発明の目的を達成するために、本発明の光走査装置は、光源と、前記光源から出射された光ビームを走査する光偏向器と、前記光偏向器により偏向走査された光ビームを被走査面に反射する単一若しくは複数の折り返しミラーと、前記光源、前記光偏向器、及び前記折り返しミラーを保持する光学箱と、を備えた光走査装置であって、前記折り返しミラーは、一面に反射面を備え、対向面に鏡面を備えた直方体状、又は板状の透光部材を備え、前記折り返しミラーの長手方向と直交する面に沿った断面形状が、前記透光材料の前記鏡面側、又は前記反射面側の一つの角部をある角度で平坦面状に切除した面取り部を備えた五辺形(五角形)であることを特徴とする。
本発明では、折り返しミラーをその長手方向軸回りの回転振動を抑制するように光学箱に載置することができるため、折り返しミラーの支持部の個数を増加させることなく、折り返しミラーの長手方向軸周りの回転振動を抑えることができる。
本実施形態における光走査装置の構成を示す上面図である。 本実施形態に係る折り返しミラーの斜視図である。 折り返しミラーを第1及び第2第ミラー座面に固定した状態を示した断面図である。 折り返しミラーの設置角度(θA)と面取り部の傾斜角度(θB)を一致させない場合の一つの実施形態例を示した断面図である。 折り返しミラーの設置角度(θA)と面取り部の傾斜角度(θB)を一致させない場合の他の実施形態例を示した断面図である。 反射面側の角部に面取り部を設けた構成例に係る折り返しミラーとその支持構造を示した図である。 図6の折り返しミラーの外観斜視図である。 本発明の光走査装置を装備した画像形成装置の構成説明図である。
以下、本発明の光走査装置を図面に示した一実施形態に基づいて説明する。
図1は本実施例における光走査装置の構成を示す上面図である。
光走査装置1を構成する光学箱(光学ハウジング)11は、以下の部品を収容(装備)した構成を備えている。即ち、光学箱11は、レーザービーム(光ビーム)を出射する光源ユニット(光源)12、光源ユニット12からのレーザービームを副走査方向に集光するシリンダレンズ13、レーザービームを偏向走査する偏向走査ユニット14(レーザービームを反射するポリゴンミラー14a、ポリゴンミラー14aを回転駆動する駆動モータ14b)、fθレンズや面倒れ補正レンズなどからなる走査レンズ15a、15b、感光体ドラム(被走査面)に照射する前のレーザービームL2を反射する光検出ミラー16、光検出ミラー16からのレーザービームL2を検出する光検出ユニット17、レーザービームL1を反射して感光体に照射する折り返しミラー101、折り返しミラー101を支持するミラー支持部102(ミラー座面102a、102b)、折り返しミラー101をミラー座面102a、102bの方向に付勢する押圧力をあたえる板バネ104a、104b、を備えている。
なお、本例では光学箱11の底面(基準面)が水平面であり、この水平な底面上にミラー支持部102の水平な底面が支持されている構成を想定している。なお、光学箱の底面は常に水平面と一致するとは限らず、水平面に対して傾斜している場合もある。
図2は本実施例の折り返しミラー101の斜視図を示している。
本例に係る折り返しミラー101は、略直方体の一つの角部E1(図3)を平坦面状に面取りした断面形状(端面形状)が五角形(五辺形)の板状体である。即ち、折り返しミラー101は、一面に反射膜から成ってレーザービームL1を反射する反射面101aを備えると共に、反射面の対向面に鏡面(入射面)101bを備えた直方体状、又は板状の透光材料(ガラス、樹脂等)から成る透光部材を備え、鏡面101b側に位置する一つの角部E1を長手方向全長に渡って平坦面状、且つ同幅に面取りした面取り部101cを更に備えている。
面取り部101cは鏡面101bに対して角度θで斜めに傾斜した面となっている。
反射面101a(又は鏡面101b)に対する面取り部101cの角度θは、折り返しミラーが光ビームを折り返す反射角度によって決定される。
折り返しミラー101は、板厚が均一な(端面形状が長方形の)透光部材の一端角部を長手方向全長に渡って平坦面状に面取りした構成を備えている。
言い換えれば、本例に係る折り返しミラー101を構成する透光部材は、面取り部101cが形成された部位以外の厚みが均一で、且つ底面から見た形状が長方形となっている。つまり、基本形状が直方体、或いは板状体の透光部材の一面に反射膜を形成して反射面101aとし、反射面101aの対向面である鏡面101bの一つの角部を斜めに(直線状に)切除した面取り部101cを設けた構成を有する。
面取り部101cは、互いに並行な2つの面である反射面101a、及び鏡面101bに対して、θAだけ傾斜した角度で連設された平坦面であり、面取り部101cはミラー支持部102の第2ミラー座面102bに押し当てられる。面取り部101cの傾斜角度、及び幅方向寸法は、長手方向全長に渡って一定である。長手方向全長に渡って傾斜角度、幅寸法を一定にすることにより加工手数を低減できると共に、取付け対象部である第2ミラー座面102bの形状、構造をシンプル化することができる。
つまり、折り返しミラー101は、反射面、又は、鏡面を光学箱に設けたミラー支持部102の一部(第1ミラー座面102a)により支持されることにより反射角度を決定され、かつ、面取り部をミラー支持部の他部(第2ミラー座面102b)により支持されることにより位置決め(挟圧保持による振動防止)される。
なお、他の部品などとのレイアウトの関係で、必要に応じて折り返しミラーの長手方向の一部のみに面取り部101cを設けるようにしても良い。具体的には例えば、折り返しミラーの長手方向両端部のみをミラー支持部により支持する場合には、ミラー支持部に対応する部分のみに面取り部を設けても良い。
図3は折り返しミラー101を光学箱11の内部に配置したミラー支持部102の第1及び第2ミラー座面102a、102bに固定した状態を示している。104は板バネであり、ミラー支持部102の適所に対してネジ105を締め付けることで折り返しミラー101の反射面101aを第1ミラー座面102aに、面取り部101cを第2ミラー座面102bに夫々押し付ける力を与えている。また、第1ミラー座面102aは折り返しミラー101の角度(折り返し角度、反射角度)を決めており、その光学箱11の底面に対する角度はθAであり、ミラー面取り部101cの鏡面101bに対する角度と同じである。
即ち、折り返しミラー101は、反射面101aを光学箱に設けた第1ミラー座面102a(ミラー支持部の一部)に押し当てて反射角度を決定し、かつ、面取り部101cをミラー支持部の他部である第2ミラー座面102bに押し当てて位置決めする。折り返しミラー101の背面(鏡面)101bは板バネ104によって反射面101aに向けて付勢されることにより、第1ミラー座面102aとの間で挟持され、折り返しミラーの厚さ方向への変位を抑制される。
本例に係るミラー支持部102は例えば所定の剛性を備えた樹脂材料、或いは金属材料から構成した全体形状が略直方体状のブロックであり、折り返しミラー101の反射面101a(長手方向両端部)を面接触状態で支持する第1ミラー座面102aと、面取り部101cを面接触状態で支持する第2ミラー座面102bと、を備えている。第1ミラー座面102aはミラー支持部102の上面102Tの一部をその底面102B(上面102T)に対する角度がθAとなるように凹状に傾斜させて加工したものであり、第1ミラー座面102aの下端縁からは凹所103が連設されている。第1ミラー座面102aと対向する凹所103の内壁面は第2ミラー座面102bとなっている。第2ミラー座面102bは、ミラー支持部102の底面102B、及び上面102Tと直交する壁面であり、折り返しミラーの面取り部101cと面接触状態で密着する。即ち、反射面101a、及び鏡面101bに対する面取り部101cの傾斜角度を、ミラー支持部102の底面102B(光学箱の底面11B)に対する反射面101aの設置角度θAと一致させることにより、図示のようにミラー支持部102に対して折り返しミラー101を組み付けた時に、面取り部101cの水平面(ミラー支持部の底面102B)に対する角度が直交状態(垂直)となる。
つまり、折り返しミラーは反射面101aを第1ミラー座面102aにより面接触状態で支持されると共に、その幅方向下端部(一つの角部)を凹所103内に嵌合させつつ(入り込ませつつ)、面取り部101cを第2ミラー座面102bに面接触させている。この状態では、折り返しミラーは両座面によって挟圧保持され、振動が封じられた状態にある。
反射面101aの大半の部分を第1ミラー座面102aにより支持しつつ、下方の他方の角部E2を凹所(収容空間)103内に嵌合させることにより、面取り部101cを第2ミラー座面102bによって支持することを可能にしている。また、面取り部101cの上端部と第2ミラー座面102bの上端部とが一致するように寸法設定することにより、鏡面101bに第2ミラー座面が干渉(遮蔽)することを防止している。なお、面取り部101cの上端部よりも、第2ミラー座面102bの上端部が下方に位置ずれするようにしてもよい。
なお、光学箱11の底面(基準面)11Bが水平面と一致していない場合、即ち光学箱の底面が水平面に対して傾斜している場合にはミラー支持部の底面102Bは水平とはならない。この場合、ミラー支持部102に組み付けられた折り返しミラーの面取り部101cはミラー支持部の底面102Bに対して直交した状態となるが、水平面に対して直交した状態とはならない。
板バネ104は、一端をネジ105によってミラー支持部の上面102Tに固定されると共に他端部によって折り返しミラーの面取り部とは反対側の端面と、鏡面101bの長手方向両端部を押さえる。つまり、反射面を第1ミラー座面により支持され、面取り部を第2ミラー座面により支持された折り返しミラーの支持されていない他の部位を、板バネ104によって弾性的に支持することにより折り返しミラーの位置ずれ、振動を防止している。
この構成によれば、ミラー座面102aに凹凸があった場合でも、折り返しミラー101の長手軸周りの回転方向Rへの振動を、第2ミラー座面102bがθAの角度で物理的に抑制することになり、回転方向Rの振動が少ない光走査装置を提供できる。言い換えれば、第2ミラー座面102bの存在により、各座面と折り返しミラーとの接触面積をより広く確保することが可能となるため、折り返しミラーの回転方向Rへの振動を抑制することが可能となる。
なお、長手軸周りの回転方向Rとは、折り返しミラーの最も面積の小さい2つの側端面101Sの中心部に沿って長手方向へ延びる軸Aを中心とした回転方向Rを意味する。
また、設置角度の違う複数の折り返しミラーを有する場合、そのミラー角度に合わせた角度で加工すればよい。即ち、各折り返しミラーに設ける面取り部101cの角度θAは、個々の折り返しミラーの設置角度(光ビームを折り返す角度)によって決定される。本実施形態では、折り返しミラーの左側からレーザービームL1を、左斜め下側に折り返す構成の場合の例示である。例えば、上下を反転させると、左側からのレーザービームL1を、左斜め上側に折り返すことも可能である。このように、レーザービームの方向と、折り返しミラーの配置により、任意の方向にレーザービームを折り返しすることができる。
なお、上記実施形態において光学箱の底面(基準面)11Bと反射面101a(鏡面101b)との角度θA(折り返しミラーの設置角度)と、面取り部の角度θAとを一致させているのは、光学箱11の加工手数を低減させるための一例に過ぎない。つまり、ミラー支持部の底面102Bに対する反射面101a、又は鏡面101bの角度を、折り返しミラーの光学箱底面11Bに対する設置角度と等しくすることで、面取り部101cが押し当てられる第2ミラー座面102bを光学箱底面と直交させることができ、ミラー支持部の加工が容易になる。
従って、ミラー支持部の加工容易性を考慮しないのであれば、面取り部101cの角度はθA以外の角度であっても良い。
つまり、上記実施形態では折り返しミラー101の設置角度θAと、面取り部101cの傾斜角度θAとを同等としたが、矢印R方向の回転振動を抑制するように面取り部101cを他の角度で形成することも可能である。
図4は折り返しミラーの設置角度(θA)と面取り部の傾斜角度(θB)を一致させない場合の一つの実施例であり、折り返しミラーの設置角度(θA)よりも面取り部の傾斜角度(θB)の方が小さい構成例(θA>θB)を示している。
折り返しミラーの設置角度(θA)よりも面取り部の傾斜角度(θB)の方を小さくした場合には、矢印R方向の回転振動を抑制する効果は大きくなるが、一つのミラー支持部102を構成する第1ミラー座面102aの底面102Bに対する角度θAと、第2ミラー座面102bの鏡面101bに対する角度θBが異なるため、加工が難しくなる。つまり、第2ミラー座面102bを形成するために凹所103の内壁を略L字状に削った構成とする必要があるため、加工手数が増大する。射出成形によりミラー支持部を成形する場合には、凹所状の第2ミラー座面102bがアンダーカットとなって型開き時の障害となる。
次に、図5は折り返しミラーの設置角度(θA)と面取り部の傾斜角度(θB)を一致させない場合の他の実施例であり、折り返しミラーの設置角度(θA)よりも面取り部の傾斜角度(θB)の方が大きい構成例(θA<θB)を示している。
折り返しミラーの設置角度(θA)よりも面取り部の傾斜角度(θB)の方を大きくした場合には、一つのミラー支持部102を構成する第1ミラー座面102aの底面102Bに対する角度θAと、第2ミラー座面102bの鏡面101bに対する角度θBが異なるが、第2ミラー座面102bはアンダーカットとならないため、製造、加工が容易である。ただ、第2ミラー座面が矢印R方向の回転振動を抑制する効果は小さくなる。
また、上記の各実施形態では反射面101aと対向する鏡面101b側の角部E1に面取り部101cを形成しているが、レーザービームL1の光路を遮らない範囲で反射面101a側の角部E2に面取り部101cを形成してもよい。
即ち、図6は反射面側の角部に面取り部を設けた構成例に係る折り返しミラーとその支持構造を示しており、図7はこの折り返しミラーの外観斜視図を示している。ここで、先の例示と異なる点は、まずレーザービームの方向が異なる方向から来るものとして例示する。
この場合には、ミラー支持部102を、レーザービームL3の光路を回避した折り返しミラーの長手方向両端部のみに部分的に配置することになる。つまり、レーザービームL3はミラー支持部102が存在しない折り返しミラーの反射面101aから進入して反射することになり、上記実施形態とはレーザービームの導入方向と、反射方向が逆方向となる。つまり、折り返しミラー101の右側から来るレーザービームを、右上方向に反射させることができる。
このように折り返しミラーの用途(レーザービームの反射方向)の違いに応じて反射面101aの角部E2に面取り部101cを形成しつつ、長手軸R周りの回転方向の振動を、第2ミラー座面102bが物理的に抑制することになり、回転方向Rの振動が少ない光走査装置を提供できることとなる。
この場合には、面取り部101cをミラー支持部102と対応する位置のみに設けるようにしてもよい。このように、折り返しミラーの配置を考慮することで、レーザービームの反射方向を制御することができる。
次に、図8は上記の光走査装置を用いた画像形成装置の一例の全体構成説明図である。
電子写真装置である画像形成装置200は、各色の画像形成ユニット110、120、130、140を中間転写ベルト151上に配置し、中間転写ベルト151上にトナーによるカラー像を形成し、そのカラー像を給紙装置170から搬送される用紙171に転写し、定着装置160で熱と圧力でトナーを溶融定着してカラー画像を形成する。画像形成ユニット110、120、130、140は4式あり、それぞれ、黒色トナーを有するK現像ユニット110、シアン色トナーを有するC現像ユニット120、マゼンタ色トナーを有するM現像ユニット130、イエロー色トナーを有するY現像ユニット140である。そして、例えば画像形成ユニット110は、トナーを貯めるトナーホッパ、トナー層を形成し感光体ドラム111にトナーを接触させる現像ローラを含む現像装置114、感光体ドラム111上をクリーニングするドラムクリーナ115、感光体ドラム111上を帯電させる帯電装置112、感光体ドラム111上に静電潜像を書き込む光走査装置113(1)で構成されている。画像形成ユニット110に含まれる上記のトナーホッパ、現像ローラ、ドラムクリーナ115、帯電装置112などは図示しないフレームに取り付けられ、画像形成装置200本体から引き出し可能に構成されている。光走査装置113には、上記実施形態で説明したミラー支持部102によって支持された折り返しミラー101が用いられている。
中間転写ベルト151は、複数のローラに張架され、二次転写ローラ150で搬送される。ベルトクリーナ152は中間転写ベルト151上の残留トナーを除去する。一次転写ローラは、感光体ドラム111などに対向して中間転写ベルト151内側に感光体ドラム111等に対向して配置される。
用紙171は、堆積する給紙装置170からピックローラーで引き出され、分離ローラを経て、二次転写ローラ150とその対向ローラにより押し付けられながら中間転写ベルト151と接触して画像を転写され、搬送ベルトを介して定着装置160へ至る。
定着装置160は、バックアップローラ163、弾性ローラ162、加熱ローラ、定着ベルト161などを有する。定着ベルト161は、弾性ローラ162と加熱ローラに掛け渡され、加熱ローラあるいは他のローラの回転により搬送される。用紙はバックアップローラ163により弾性ローラ162側に押し付けられる。加熱ローラは、金属の中空シャフト内にハロゲンヒータ等の加熱手段を有し、定着ベルト161を加熱する。弾性ローラ162表面は、シリコンゴムなどの弾性材で形成され、バックアップローラ163の押し付けにより、ニップ部を弾性ローラ162側に凸とし、用紙171が定着ベルト161に巻きつくのを防止する。
画像を形成する場合、感光体ドラム111上を帯電装置112で帯電させ、光走査装置113で画像に応じたレーザービームをあてて、感光体ドラム111上の電位を落とす。その部位が感光体ドラム1の回転により、現像装置114に達し、現像装置114上のトナー層と接すると帯電しているトナーが画像位置に付着する。
感光体ドラム111上のトナー画像は、一次転写ローラが中間転写ベルト151を感光体ドラム111に向かって押し付ける部位で、中間転写ベルト151上に転写される。各画像形成ユニット110、120、130、140の感光体ドラム111上のトナー画像は、中間転写ベルト151上に転写され、カラーのトナー画像が形成される。そして、中間転写ベルト151の搬送により、二次転写ローラ150の部位で搬送されてきた用紙171上にトナー画像は転写される。トナー画像が転写された用紙171は、搬送ベルトにより定着装置160に搬送され、熱と圧力により、トナーが溶融定着されカラー画像が形成される。
以上述べた本実施例の画像形成装置では、光走査装置113(1)における折り返しミラー101の長手方向軸周りの回転振動が抑制されるため、バンディングや色ずれの少ない画像形成装置が提供できる。
<本発明の構成、作用、効果のまとめ>
第1の本発明に係る光走査装置1は、光源12と、光源から出射された光ビームを走査する光偏向器14と、光偏向器により偏向走査された光ビームを被走査面111に反射する単一若しくは複数の折り返しミラー101と、光源、光偏向器、及び折り返しミラーを保持する光学箱11と、を備え、折り返しミラーは、一面に反射面101aを備え、対向面に鏡面101bを備えた直方体状、又は板状の透光部材を備える。更に、折り返しミラーの長手方向と直交する面に沿った断面形状が、透光材料の鏡面側、又は反射面の一つの角部E1、又はE2をある角度で平坦面状に切除した面取り部101cを備えた五角形(五辺形)であることを特徴とする。
折り返しミラーの一角を切除して面取り部とすることにより折り返しミラーの端面形状を五角形、或いは五辺形とした。このため、反射面(鏡面)の他に面取り部をもミラー座面によって支持することが可能となる。このため、回転方向の振動を物理的に抑制することが可能となる。
折り返しミラーの鏡面側にミラー座面を設ける場合には、折り返しミラーの反射面側全面をミラー支持部によって挟圧保持しながら支持することができるため、支持安定性を高めて振動を防止することができる。
折り返しミラーの反射面側に面取り部を設ける場合には、折り返しミラーの長手方向両端部をミラー支持部によって支持することとなるが、鏡面側と面取り部を同時にミラー座面によって挟み込んで支持するので回転方向の振動を効率的に抑制することが可能となる。
つまり、本発明では、折り返しミラーをその長手方向軸回りの回転振動を抑制するように光学箱に載置することができるため、ミラー支持部の個数を増加させることなく、折り返しミラーの長手方向軸周りの回転振動を抑えることができる。
第2の本発明に係る光走査装置は、反射面101a、又は鏡面101bに対する折り返しミラーの面取り部101cの角度は、折り返しミラーが光ビームを折り返す反射角度によって決定されることを特徴とする。
折り返しミラーの設置角度、つまり光ビームを反射する角度に応じて反射面101a、又は鏡面101bに対する折り返しミラーの面取り部101cの角度を決定することにより、回転方向の振動を効率的に抑制する面取り部の角度を得ることができる。
第3の本発明に係る光走査装置では、折り返しミラーは、反射面、又は、鏡面を光学箱に設けたミラー支持部102の一部により支持されることにより反射角度を決定され、かつ、前記面取り部を前記ミラー支持部の他部により支持されることにより位置決めされることを特徴とする。
ミラー支持部には、反射面101a、又は、鏡面101bを支持する第1ミラー座面102aと、面取り部を支持する第2ミラー座面102bが設けられており、折り返しミラーを挟圧しつつ保持、位置決めすることができる。このため、回転方向の振動を効率的に抑制することが可能となる。
第4の本発明に係る光走査装置では、反射面、又は鏡面に対する面取り部の角度を、折り返しミラーをミラー支持部に配置したときに、面取り部がミラー支持部を支持する光学箱の基準面11Bと直交するように設定したことを特徴とする。
光学箱の底面(基準面)11Bに対する反射面101a(鏡面101b)の角度θA(折り返しミラーの設置角度)と、面取り部の角度θAとを一致させることにより、面取り部を光学箱の基準面11Bと直交させることができる。このように構成することにより、光学箱11(ミラー支持部)の加工手数を低減させることができる。
第5の本発明に係る画像形成装置は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の光走査装置を備えたので、折り返しミラーの振動によるバンディングや色ずれの機差を小さくでき、画質を向上させることができる。
1…光走査装置、11…光学箱、11B…光学箱底面(基準面)、12…光源、13…シリンダレンズ、14…光偏向器(偏向走査ユニット)、14a…ポリゴンミラー、14b…駆動モータ、16…光検出ミラー、17…光検出ユニット、101…ミラー、101S…側端面、101a…反射面、101b…鏡面、101c…面取り部、102…ミラー支持部、102B…底面、102T…上面、102a…第1ミラー座面、102b…第2ミラー座面、103…凹所、104…板バネ、105…ネジ、110…画像形成ユニット、111…感光体ドラム、111…被走査面、112…帯電装置、113…光走査装置、114…現像装置、115…ドラムクリーナ、120…C現像ユニット、130…M現像ユニット、14…、140…Y現像ユニット、150…二次転写ローラ、151…中間転写ベルト、152…ベルトクリーナ、160…定着装置、161…定着ベルト、162…弾性ローラ、163…バックアップローラ、170…給紙装置、171…用紙、200…画像形成装置
特開2006−184548公報 特開平10−221627号公報 特許第3649934号

Claims (5)

  1. 光源と、前記光源から出射された光ビームを走査する光偏向器と、前記光偏向器により偏向走査された光ビームを被走査面に反射する単一若しくは複数の折り返しミラーと、前記光源、前記光偏向器、及び前記折り返しミラーを保持する光学箱と、を備えた光走査装置であって、
    前記折り返しミラーは、一面に反射面を備え、対向面に鏡面を備えた直方体状、又は板状の透光部材を備え、
    前記折り返しミラーの長手方向と直交する面に沿った断面形状が、前記透光材料の前記鏡面側、又は前記反射面側の一つの角部をある角度で平坦面状に切除した面取り部を備えた五辺形であることを特徴とする光走査装置。
  2. 前記反射面、又は前記鏡面に対する前記面取り部の角度は、前記折り返しミラーが前記光ビームを折り返す反射角度によって決定されることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記折り返しミラーは、前記反射面、又は、前記鏡面を前記光学箱に設けたミラー支持部の一部により支持されることにより前記反射角度を決定され、かつ、前記面取り部を前記ミラー支持部の他部により支持されることにより位置決めされることを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
  4. 前記反射面、又は前記鏡面に対する前記面取り部の角度を、前記折り返しミラーを前記ミラー支持部に配置したときに、前記面取り部が前記ミラー支持部を支持する前記光学箱の基準面と直交するように設定したことを特徴とする請求項3に記載の光走査装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の光走査装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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