JP2017021297A - 量子ドットシート、バックライト及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一次光を吸収して二次光を放出する量子ドット及びバインダー樹脂を含む量子ドット含有層と、前記量子ドット含有層の一方の面上に配置されてなる積層体Aと、前記量子ドット含有層の他方の面上に配置されてなる積層体Bとを有してなり、
前記積層体A及び前記積層体Bは、少なくともバリア層、光拡散層及び一以上の光透過性基材を有する構成であり、
前記量子ドット含有層を中心として厚み方向に上下対称の層構成となるように前記積層体A及び前記積層体Bが配置されてなる量子ドットシート。
【選択図】図1
Description
また、量子ドットの発光波長は、このように量子化された化合物半導体微粒子のバンドギャップエネルギーにより決まるため、量子ドットの粒径を変化させることで任意の発光波長、すなわち任意の発光スペクトルを得ることができる。これらの量子ドットを青色LED等と組み合わせることで、高発光効率で高演色性のバックライトを実現することが可能とされている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかしながら、オンチップ方式においては、光源中に量子ドットを組み込むので、量子ドットが高温に晒されてしまい、量子ドットの変換効率が劣る。また、オンエッジ方式においては、量子ドットを収容した透明チューブを光源と導光板との間に配置するので、サイズが大きくなってしまう。特に、モバイル機器においては、小型化が要求されるので、オンエッジ方式では対応することが難しい。
一方、オンサーフェス方式においては、上記の問題がなく、また従来から用いられてきたバックライト装置を利用することも可能である。このようなことから、現在、オンサーフェス方式で量子ドットをバックライト装置に組み込むことが検討されている。
しかし、積層構造の量子ドットシートは、面内の輝度の均一性に欠ける場合があった。
本発明は、上記問題に鑑み、面内の輝度の均一性が良好である量子ドットシート、バックライト及び液晶表示装置を提供することを目的とする。
前記積層体A及び前記積層体Bは、少なくともバリア層、光拡散層及び一以上の光透過性基材を有する構成であり、
前記量子ドット含有層を中心として厚み方向に上下対称の層構成となるように前記積層体A及び前記積層体Bが配置されてなる量子ドットシート。
[2]前記量子ドット含有層は、接着剤層を介することなく前記積層体A及び前記積層体Bに密着してなる上記[1]に記載の量子ドットシート。
[3]前記バインダー樹脂は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物を含む組成物の硬化物である上記[1]又は[2]に記載の量子ドットシート。
[4]前記電離放射線硬化性官能基を有する化合物中に、単官能モノマーを40質量%以上含む上記[3]に記載の量子ドットシート。
[5]前記量子ドットシートの両表面のJIS B0601:2001に準拠するカットオフ値0.8mmの算術平均粗さRaが0.1〜10μmである上記[1]〜[4]の何れかに記載の量子ドットシート。
[7]バックライト及び液晶パネルを備えた液晶表示装置であって、前記バックライトが上記[6]に記載のバックライトである液晶表示装置。
(a)少なくともバリア層、光拡散層及び一以上の光透過性基材を積層し、積層体A及び積層体Bを得る工程。
(b)積層体A及び積層体Bの何れか一方の積層体の一方の面に、一次光を吸収して二次光を放出する量子ドット及びバインダー樹脂成分を含む量子ドット含有層塗布液を塗布し、量子ドット含有層を形成する工程。
(c)工程(b)で量子ドット含有層を形成していない積層体と、工程(b)で量子ドット含有層を形成した積層体の量子ドット含有層側の面とを、量子ドット含有層を中心として厚み方向に上下対称の層構成となるように貼り合わせる工程。
[9]前記工程(c)において、量子ドット含有層を形成していない積層体と、工程(b)で量子ドット含有層を形成した積層体の量子ドット含有層側の面とを、接着剤層を介することなく貼り合わせる、上記[8]に記載の量子ドットシートの製造方法。
[量子ドットシート]
本発明の量子ドットシートは、一次光を吸収して二次光を放出する量子ドット及びバインダー樹脂を含む量子ドット含有層と、前記量子ドット含有層の一方の面上に配置されてなる積層体Aと、前記量子ドット含有層の他方の面上に配置されてなる積層体Bとを有してなり、
前記積層体A及び前記積層体Bは、少なくともバリア層、光拡散層及び一以上の光透過性基材を有する構成であり、
前記量子ドット含有層を中心として厚み方向に上下対称の層構成となるように前記積層体A及び前記積層体Bが配置されてなるものである。
(1)積層体A及び積層体Bを作製する工程、(2)積層体Aに量子ドット含有層を形成する工程、(3)量子ドット含有層を形成した積層体Aと、積層体Bとを接着剤層を介して貼り合わせる工程
上記(1)〜(3)の工程により製造された量子ドットシートは、量子ドット含有層に接する接着剤層が一方の側のみに形成されているため、量子ドット含有層を中心として厚み方向に上下対称の層構成とはならない。
まず、量子ドットシートを上下対称の層構成とすることにより、量子ドットシートの各層の伸縮による歪みを均等に分散させることができる。歪みを均等に分散させると、量子ドットシートの平面性を良好にできるとともに、量子ドットシートに存在する複数の界面(例えば、量子ドット含有層と光透過性基材との界面)のうちの特定の界面に歪みが集中することを防止できる。
量子ドットシートの平面性が良好な場合、後述する光学板と量子ドットシートとの間で漏れる光の量を減少させたり、量子ドットシートから出射する光の角度が本来よりも高角度となることを防止することができる。この結果、量子ドットシートの面内の輝度の均一性を良好にすることができる。
また、量子ドットシートに存在する複数の界面のうちの特定の界面に歪みが集中することを防止した場合、該界面の剥離を防止することができる。界面の剥離は諸機能の低下につながる。したがって、量子ドットシートを上下対称の層構成とすることにより、量子ドットシートの初期段階及び経時的な機能低下も抑制できる。
各層の厚みは、例えば、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した断面の画像から20箇所の厚みを測定し、20箇所の値の平均値から算出できる。STEMの加速電圧は10kv〜30kV、倍率は1000〜7000倍とすることが好ましい。なお、厚みがナノオーダーの場合は、STEMの倍率は5万〜30万倍とすることが好ましい。
また、対称の関係にある層同士は組成も略同一であることが好ましい。例えば、積層体Aの光拡散層と、積層体Bの光拡散層とは組成が略同一であることが好ましい。組成が略同一と言えるためには、層の構成成分の90質量%以上が同一であることが好ましく、95質量%以上が同一であることがより好ましく、99質量%以上が同一であることがさらに好ましい。
量子ドット含有層は、一次光を吸収して二次光を放出する量子ドット及びバインダー樹脂を含むものである。
量子ドットとしては、青に相当する波長の一次光を吸収して赤に相当する波長の二次光を放出する第1量子ドット、及び青に相当する波長の一次光を吸収して緑に相当する波長の二次光を放出する第2量子ドットの少なくとも一種を含むことが好ましく、前記第1量子ドット及び前記第2量子ドットの両方を含むことがより好ましい。
青に相当する波長の一次光は、ピーク波長が380〜480nmの範囲であることが好ましく、ピーク波長が450nmであることがより好ましい。また、緑に相当する波長の二次光は、ピーク波長が495〜570nmの範囲であることが好ましく、ピーク波長が528nmであることがより好ましい。赤に相当する波長の二次光は、ピーク波長が620〜750nmの範囲であることが好ましく、ピーク波長が637nmであることがより好ましい。
量子ドット(Quantum dot)は、半導体のナノメートルサイズの微粒子で、電子や励起子がナノメートルサイズの小さな結晶内に閉じ込められる量子閉じ込め効果(量子サイズ効果)により、特異的な光学的、電気的性質を示し、半導体ナノ粒子とか、半導体ナノ結晶とも呼ばれるものである。
量子ドットは、半導体のナノメートルサイズの微粒子であり、量子閉じ込め効果(量子サイズ効果)を生じる材料であれば特に限定されない。例えば、既に述べたような、自らの粒径によって発光色が規制される半導体微粒子と、ドーパントを有する半導体微粒子がある。本発明における量子ドットとしては、自らの粒径によって発光色が規制される半導体微粒子及びドーパントを有する半導体微粒子のいずれも用いることができ、共に優れた色純度を得ることができる。
なお、量子ドット含有層中に、赤に相当する波長の二次光を放出する量子ドット、及び緑に相当する波長の二次光を放出する量子ドット以外の量子ドットを含有してもよい。
量子ドットの含有量は、量子ドット含有層の厚み、バックライトにおける光のリサイクル率、目的とする色味等に応じて適宜調整する。量子ドット含有層の厚みが後述する範囲であれば、量子ドット含有層のバインダー樹脂100質量部に対して、量子ドットの含有量は、0.01〜1.0質量部程度である。
さらに、ドーパントを有する半導体微粒子からなる量子ドットとしては、上記半導体化合物に、Eu3+、Tb3+、Ag+、Cu+のような希土類金属のカチオン又は遷移金属のカチオンをドープしてなる半導体結晶を用いることもできる。
量子ドットのコアとなる材料としては、作製の容易性、可視域での発光を得られる粒径の制御性、蛍光量子収率の観点から、CdS、CdSe、CdTe、InP、InGaP等の半導体結晶が好適である。
コアシェル型の量子ドットを用いる場合にシェルを構成する半導体としては、励起子がコアに閉じ込められるように、コアを形成する半導体化合物よりもバンドギャップの高い材料を用いることで、量子ドットの発光効率を高めることができる。
このようなバンドギャップの大小関係を有するコアシェル構造(コア/シェル)としては、例えば、CdSe/ZnS、CdSe/ZnSe、CdSe/CdS、CdTe/CdS、InP/ZnS、Gap/ZnS、Si/ZnS、InN/GaN、InP/CdSSe、InP/ZnSeTe、InGaP/ZnSe、InGaP/ZnS、Si/AlP、InP/ZnSTe、InGaP/ZnSTe、InGaP/ZnSSe等が挙げられる。
一般的には、量子ドットの粒径(直径)は0.5〜20nmの範囲であることが好ましく、特に1〜10nmの範囲であることが好ましい。なお、量子ドットのサイズ分布が狭いほど、より鮮明な発光色を得ることができる。
量子ドットの形状は特に限定されず、例えば、球状、棒状、円盤状、その他の形状であってもよい。量子ドットの粒径は、粒子ドットが球状でない場合、同体積を有する真球状の値とすることができる。
量子ドットは、樹脂で被覆されているものであってもよい。また、量子ドット含有層のバインダー樹脂の屈折率をnAと、量子ドットを被覆する樹脂(被覆樹脂)の屈折率をnBとした際に、nB/nAが1.02以上又は0.98以下の関係を満たすことが好ましい。樹脂で被覆された量子ドットは、量子ドットの耐久性を向上することができる。また、バインダー樹脂の屈折率と被覆樹脂の屈折率とが前記関係を満たすことにより、樹脂で被覆された量子ドットは、後述する内部拡散粒子の作用を奏する。
なお、本発明において、屈折率は波長450nmの光によるものとする。
熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及びアクリレートを指すものである。また、本明細書において、「電離放射線」は、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
また、電離放射線硬化性化合物は、モノマーであってもよく、オリゴマーであってもよく、低分子量のポリマーであってもよく、これらの混合物であってもよい。
電離放射線硬化性化合物の中でも単官能モノマーは、重合収縮を抑制して量子ドットシートの平面性を良好にし得るとともに、量子ドット含有層の密着性を向上して量子ドットシートの初期段階及び経時的な機能低下を抑制する点で好適である。特に、量子ドット含有層の厚みが厚い場合、単官能モノマーを用いた場合の前記効果が顕著となる。
また、単官能モノマーを用いて量子ドット含有層の密着性が向上すると、接着剤層を介することなく、量子ドット含有層を積層体A及び積層体Bに密着させることが可能となる。つまり、単官能モノマーを用いて量子ドット含有層の密着性を向上させることにより、量子ドットシートの構成を、量子ドット含有層を中心として厚み方向に上下対称の構成としやすくできる。また、接着剤層を介することなく、量子ドット含有層を積層体A及び積層体Bに密着させることにより、量子ドットの耐湿性及び耐酸素性を向上することができる。
全電離放射線硬化性化合物中における単官能モノマーの割合は40質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることがよりさらに好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
電離放射線硬化性化合物として単官能モノマーを用いる場合、製造時の液垂れ防止、量子ドット含有層の厚みの均一化、及び量子ドット含有層の密着性の観点から、単官能モノマーの分子量は、100〜500であることが好ましく、120〜400であることがより好ましく、150〜250であることがさらに好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサンソン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
これら光重合開始剤は、融点が20℃以下であることが好ましい。融点が20℃以下の場合、製造時に上記の電離放射線硬化性化合物に添加する際に、室温下で容易に溶解させることができるためである。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
量子ドット含有層中には、内部拡散粒子を含んでいてもよい。内部拡散粒子を含有することにより、以下の理由により、一次光を均等拡散に近づけることができ、色味の角度依存性を抑制できる。
量子ドットシートから出射される光のうち、二次光は均等拡散である一方、一次光は指向性を有している。このため、一次光を均等拡散に近づけることは、色味の角度依存性の抑制につながる。また、指向性は強い拡散によって均等拡散に近づけることができ、内部拡散粒子による拡散は、大きな角度にまで光を拡散させることができる。したがって、内部拡散粒子を含有することは、色味の角度依存性の抑制につながる。
また、均等拡散である二次光は高角度まで多くの割合の光が拡散し、量子ドットシートのエッジ領域から光が漏れやすい一方で、一次光は高角度の拡散光の割合が少なく、エッジ領域から光が漏れにくい。このため、エッジ領域は一次光の割合が多くなり、一次光の色味(一次光が青色の場合は青味)を帯びやすくなるが、量子ドット含有層中に内部拡散粒子を含有することにより、エッジ領域が一次光の色味を帯びにくくすることができる。
内部拡散粒子の形状は、球形、円盤状、ラグビーボール状、不定形等の形状が挙げられる。
また、内部拡散粒子は、中空粒子、多孔質粒子及び中実粒子の何れであってもよい。
nB/nAは、強い拡散性、偏光板の光漏れの抑制、及び正面輝度のバランスの観点から、1.10以上又は0.95以下であることがより好ましく、又は1.15以上又は0.90以下であることが更に好ましい。
内部拡散粒子の屈折率はベッケ法、バインダー樹脂の屈折率はアッベ法で測定することができる。
(1)光学顕微鏡にて量子ドット含有層の透過観察画像を撮像する。倍率は500〜2000倍が好ましい。
(2)観察画像から任意の10個の粒子を抽出し、個々の粒子の長径及び短径を測定し、長径及び短径の平均から個々の粒子の粒子径を算出する。長径は、個々の粒子の画面上において最も長い径とする。また、短径は、長径を構成する線分の中点に直交する線分を引き、該直交する線分が粒子と交わる2点間の距離をいうものとする。
(3)同じサンプルの別画面の観察画像において同様の作業を5回行って、合計50個分の粒子径の数平均から得られる値を内部拡散粒子の平均粒子径とする。
後述する光拡散層の拡散粒子の平均粒子径も、上記作業にならって算出できる。
積層体A及び積層体Bの量子ドット含有層と密着する側の面は、量子ドットの耐湿性及び耐酸素性を向上する観点から、光透過性基材又はバリア層であることが好ましい。
積層体A及び積層体Bは、少なくともバリア層、光拡散層及び一以上の光透過性基材を有する構成である。
厚み方向に上下対称の層構成とは、層の数が同一であるとともに、対称となる層の厚み及び組成が略同一であることをいう。このため、積層体A及び積層体Bは、層の数が同一であるとともに、対称となる層の厚み及び組成を略同一とする。
積層体A及び積層体Bの光透過性基材は、図1のように一枚のみであってもよいし、図2のように二枚以上であってもよい。
光透過性基材は特に制限されないが、耐熱性を有し、平滑性、コシ、機械的強度に優れたものであることが好ましい。このような透明基材としては、ポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、アクリル、ポリカーボネート、ポリウレタン及び非晶質オレフィン(Cyclo−Olefin−Polymer:COP)等のプラスチックフィルムが挙げられる。
上記の中でも、機械的強度、寸法安定性及び耐熱性の観点からは、延伸加工、特に二軸延伸加工されたポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)が好ましい。
光透過性基材の表面には、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理の他、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
バリア層は、量子ドットの耐湿性及び耐酸素性を向上する役割を有する。
積層体A及び積層体Bにおけるバリア層の位置は特に制限されないが、量子ドットシートとした際に、光拡散層よりも量子ドット含有層側の位置とすることが好ましい。
バリア層は、公知の無機物、無機酸化物及び無機アルコキシド等を用いて、公知の方法により形成することができ、その組成及び形成方法は特に限定されない。バリア層は、単層でもよく、2層以上有してもよい。バリア層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
加水分解膜の材料である無機アルコキシドは、金属アルコキシドともよばれるものであり、テトラアルコキシシラン等のケイ素アルコキシド、チタンアルコキシド、アルミニウムアルコキシド等が挙げられる。
バリア層としての蒸着膜の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法及びイオンプレ−ティング法等の物理気相成長法(PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法及び光化学気相成長法等の化学気相成長法(CVD法)等が挙げられる。
光拡散層は、量子ドットシートの拡散を強くして色味の角度依存性を抑制する役割を有する。
光拡散層は、量子ドットシートの最外層あるいは最外層と同一視できる位置に配置することが好ましい。最外層と同一視できる位置とは、光拡散層の表面凹凸に実質的な影響を与えないような薄膜(厚み100nm以下の層)が光拡散層上に形成されている際の光拡散層の位置をいう。
光拡散層は、例えば、バインダー樹脂及び拡散粒子から形成できる。
熱硬化性樹脂組成物及び電離放射線硬化性樹脂組成物は、量子ドット含有層で例示したものと同様のものを用いることができる。
光出射面側の光拡散層の拡散粒子の平均粒子径と、光拡散層の厚みとの比を0.10以上とすることにより、強い外部拡散を付与することができる。また、光入射面側の光拡散層の拡散粒子の平均粒子径と、光拡散層の厚みとの比を0.10以上とすることにより、再帰反射性が付与され、光のリサイクル率が高まり、量子ドットの含有量を少なくすることが可能となる。また、拡散粒子の平均粒子径と、光拡散層の厚みとの比を2.00以下とすることにより、光拡散層において拡散粒子を十分に保持できる。
また、上記の比に基づく効果を得やすくする観点から、光拡散層の拡散粒子の平均粒子径は、1〜20μmであることが好ましく、1〜10μmであることがより好ましい。
光拡散層の拡散粒子は、拡散性と塗膜強度のバランスの観点から、バインダー樹脂100質量部に対して、10〜200質量部であることが好ましく、30〜170質量部であることがより好ましく、50〜150質量部であることがさらに好ましい。
積層体A及び積層体Bを構成する各層を積層するため、各層の間に接着剤層を介在させてもよい。例えば、図2では、光透過性基材とバリアフィルムとの間、バリアフィルムと拡散フィルムとの間に接着剤層を有している。
接着剤層は、汎用の感圧型接着剤(粘着剤)、熱硬化型接着剤、電離放射線硬化型接着剤から形成することができる。
接着剤層の厚みは、接着力及び薄膜化の観点から、0.5〜20μmであることが好ましく、1〜10μmであることがより好ましい。
量子ドットシートの総厚みは特に限定されないが、100〜700μm程度である。
量子ドットシートの製造方法は特に限定されないが、例えば、以下の(a)〜(c)の順で製造することができる。
(a)少なくともバリア層、光拡散層及び一以上の光透過性基材を積層し、積層体A及び積層体Bを得る工程。
(b)積層体A及び積層体Bの何れか一方の積層体の一方の面に、一次光を吸収して二次光を放出する量子ドット及びバインダー樹脂成分を含む量子ドット含有層塗布液を塗布し、量子ドット含有層を形成する工程。
(c)工程(b)で量子ドット含有層を形成していない積層体と、工程(b)で量子ドット含有層を形成した積層体の量子ドット含有層側の面とを、量子ドット含有層を中心として厚み方向に上下対称の層構成となるように貼り合わせる工程。
工程(b)のバインダー樹脂成分は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、及び電離放射線硬化性樹脂組成物の何れか、あるいはこれらの混合物を用いることができる。
第一に、電離放射線硬化性樹脂組成物が単官能モノマーを含むことが好ましい。
第二に、工程(b)で量子ドット含有層を形成する際に、電離放射線を照射しないか、電離放射線の照射量を抑制して電離放射線硬化性樹脂組成物に未硬化の部分を残しておき、工程(c)の後に電離放射線を照射して、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化を進行させることが好ましい。
第一の手法及び第二の手法を組み合わせると、工程(c)において接着剤層を介することなく2つの積層体を貼り合わせる作業性がより向上する点で好ましい。
本発明の量子ドットシートのJIS K7361−1:1997の全光線透過率は特に限定されないが、通常は40%以上程度である。
本発明の量子ドットシートは、両表面の算術平均粗さRaが0.1〜10μmであることが好ましく、0.2〜8μmであることがより好ましく、0.5〜5μmであることがさらに好ましい。量子ドットシートの両表面のRaは略同一であることが好ましい。具体的には、積層体A側の表面のRaをRaA、積層体B側の表面のRaをRaBとした場合、RaA/RaBが0.9〜1.1の範囲内であることが好ましい。
Raを0.1μm以上とすることにより、量子ドットシートと接触する部材との密着を防止できる。量子ドットシートと接触する部材とは、例えば、量子ドットシートの光出射側に位置するプリズムシート、量子ドットシートの光入射側に位置する導光又は拡散のための光学板が挙げられる。また、Raを10μm以下とすることにより、偏光板の光漏れ及び正面輝度の低下を抑制できる。
また、拡散の強さを制御することによって、色味の角度依存性の抑制、エッジ領域の色味の抑制、偏光板の光漏れ、及び正面輝度の低下の抑制のバランスを図る観点からは、Raは0.5〜10μmであることが好ましく、1〜5μmであることがより好ましい。また、光入射面側のRaを1μm以上とすることにより、再帰反射性が付与され、光のリサイクル率が高まり、量子ドットの含有量を少なくすることが可能となる。
なお、Ra及び後述するRzJISは、JIS B0601:2001に準拠するものであり、カットオフ値0.8mmで20回測定した際の平均値である。
RzJISが上記範囲を満たすことは、量子ドットシートの表面粗さが一定のランダム性を有しつつ、かつ粗さに極端な偏りがないことを示している。したがって、RzJISが上記範囲を満たすことにより、拡散の偏りを低減するとともに、局所的な密着を防止することができる。
また、拡散の強さを制御することによって、色味の角度依存性の抑制、エッジ領域の色味の抑制、偏光板の光漏れ、及び正面輝度の低下の抑制のバランスを図る観点からは、RzJISは1〜10μmであることが好ましく、2〜8μmであることがより好ましい。
Ra及びRzJISを上記範囲とするには、量子ドットシートの最表面に後述する光拡散層を位置させればよい。
本発明のバックライトは、一次光を放出する少なくとも1つの光源と、前記光源に隣接して配置され、導光又は拡散のための光学板と、前記光学板の光出射側に配置された量子ドットシートとを備えたバックライトにおいて、前記量子ドットシートが上述した本発明の量子ドットシートであるものである。
なお、量子ドットシートの量子ドット含有層中に、第1量子ドット及び第2量子ドットの一方のみを含有する場合、青に相当する波長の一次光を放出する発光体からなる一次光源に加えて、補助光源を有することが好ましい。具体的には、量子ドット含有層中に第1量子ドットのみを含有する場合には、緑色に相当する波長の光を放出する発光体を補助光源として用いることが好ましい。また、量子ドット含有層中に第2量子ドットのみを含有する場合には、赤色に相当する波長の光を放出する発光体を補助光源として用いることが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、バックライト及び液晶パネルを備えた液晶表示装置であって、前記バックライトが上述した本発明のバックライトであるものである。
カラーフィルターの形成方法は、所定の色に着色したインキ組成物を調整して、着色パターン毎に印刷することによって形成する方法や、所定の色の着色剤を含有した塗料タイプの感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィ法によって形成する方法が挙げられる。
以下のように、実施例及び比較例の量子ドットシート及び液晶表示装置の物性測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
表面粗さ測定器(型番:SE−3400/小坂研究所株式会社製)を用いて、JIS B0601:2001に準拠して、下記の測定条件により、量子ドットシートの両表面のRa及びRzJISを測定した。20回測定した際の平均値を表1に示す。
[表面粗さ検出部の触針]
小坂研究所社製の商品名SE2555N(先端曲率半径:2μm、頂角:90度、材質:ダイヤモンド)
[表面粗さ測定器の測定条件]
・基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):0.8mm
・評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):4.0mm
・触針の送り速さ:0.5mm/s
・予備長さ:(カットオフ値λc)×2
・縦倍率:2000倍
・横倍率:10倍
製造直後の量子ドットシートの平面性を目視で評価した。その結果、量子ドットシートの表面の波打ち及び量子ドットシートの端部の浮き上がりが観察されないものを「A」、波打ち及び端部の浮き上がりの少なくとも何れかが観察されるものを「C」とした。
下記「4」で作製した液晶表示の電源を入れ、面内の輝度の均一性を目視で評価した。面内の輝度ムラが全く気にならないものを1点、面内の輝度ムラが若干気になるが実用上問題ないレベルであるものを2点、面内の輝度ムラが大きく実用上問題あるレベルであるものを3点とする評価基準で、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出した。平均点が1.25点未満のものを「AA」、平均点が1.25点以上1.50点未満のものを「A」、平均点が1.50点以上2.00点未満のものを「B」、平均点が2.0点以上のものを「C」とした。
実施例及び比較例の量子ドットシートを作製する際に、積層体Aとして幅25mm長さ170mmのもの、積層体Bとして幅25mm長さ150mmのものを作製した。積層体Aの二軸延伸PETフィルム側の面の一方の端部から150mmの領域のみに量子ドット層を形成し、量子ドット層を形成した部分に積層体Bを二軸延伸PETフィルム側から貼り合わせた後、紫外線を照射して実施例及び比較例の密着性測定用サンプルを得た。
測定用サンプルの積層体Aが突出している箇所を引っ張り試験機(エ−・アンド・デイ社製、商品名:テンシロン)に付属しているチャッキング用冶具に固定し、剥離角180°の方向に固定した突出箇所を引っ張り、量子ドット含有層から積層体Aの二軸延伸PETフィルムを引き剥がすのに要する力(剥離力)を測定した。測定は、室温において引張速度0.3m/分の条件で行った。その結果、剥離できずに二軸延伸PETが破壊され、剥離力が測定不能なものを「A」、10N/25mm以上であるものを「B」、10N/25mm未満であるものを「C」とした。基材が破壊されるものは、基材が破壊されるほど密着性が良好であることを意味している。
下記「4」で作製したバックライトについて、量子ドットシートと導光板との間、並びに、量子ドットシートとプリズムシートとの間でブロッキングの発生を目視で評価した。その結果、ブロッキングが生じていないものを「A」、ブロッキングが生じたものを「C」とした。
下記「4」で作製した実施例のバックライトを点灯し、様々な方向からバックライトの中心付近の色味を目視で評価した。角度による色味の変化が全く気にならないものを1点、角度による色味の変化が若干気になるが実用上問題ないレベルであるものを2点、角度による色味の変化が大きく実用上問題あるレベルであるものを3点とする評価基準で、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出した。平均点が1.50点以下のものを「AA」、平均点が1.50点超2.00点以下のものを「A」、平均点が2.00点超2.50点未満のものを「B」、平均点が2.5点以上のものを「C」とした。
技術文献「Journal of American Chemical Society.2007,129,15432−15433」に記載されている方法を参照し、蛍光スペクトルのピーク波長が637nmのInP/ZnSコアシェル型量子ドット(量子ドットA)、及び蛍光スペクトルのピーク波長が528nmのInP/ZnSコアシェル型量子ドット(量子ドットB)を作製した。
[実施例1]
厚み12μmの二軸延伸PETフィルムの一方の面上に、PVD法にて酸化ケイ素からなる膜厚20nmのバリア層を形成し、バリアフィルムを得た。次いで、厚み50μmの二軸延伸PETフィルムの一方の面上に、下記処方の光拡散層塗布液a1を乾燥後の厚みが11μmとなるように塗布、乾燥した後、紫外線照射して光拡散層を形成し、光拡散フィルムを得た。次いで、光拡散フィルムと、バリアフィルムと、厚み50μmの二軸延伸PETフィルムとを、前記の順番で厚み3μmの接着剤層を介して積層し、積層体Aを得た(図2参照)。バリアフィルムと光拡散フィルムとは、両者の二軸延伸PETフィルム側の面が対向するようにして貼り合わせた。次いで、上記と同様の作業により積層体Bを得た。
次いで、積層体Aの二軸延伸PETフィルム側の面に、下記処方の量子ドット含有層塗布液b1を乾燥後の厚みが100μmとなるように塗布、乾燥し、電離放射線未照射の量子ドット含有層を形成した。
次いで、電離放射線未照射の量子ドット含有層と、積層体Bの二軸延伸PETフィルム側の面とを対向させて貼り合わせ、積層体Aの光拡散層側から紫外線を照射して、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化を進行させ、実施例1の量子ドットシートを得た。
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 30部
(日本化薬社製、KAYARAD−PET−30)
・ウレタンアクリレート 70部
(日本合成化学社製、UV1700B)
・光重合開始剤 5部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤 0.1部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、TSF4460)
・ウレタン樹脂系拡散粒子 100部
(平均粒子径3μm)
・希釈溶剤 500部
・イソノニルアクリレート 100部
(単官能モノマー、屈折率1.45)
・光重合開始剤 5部
(BASF社製、イルガキュア184)
・量子ドットA 0.2部
・量子ドットB 0.2部
・希釈溶剤 5部
量子ドット含有層塗布液1aに、内部散乱粒子(真球状アルミナ、平均粒子径1.5μm、屈折率1.76)を20部加えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の量子ドットシートを得た。
実施例1と同様にして積層体A及び積層体Bを準備した。次いで、積層体Aの二軸延伸PETフィルム側の面に、量子ドット含有層塗布液b1を乾燥後の厚みが100μmとなるように塗布、乾燥した後、量子ドット含有層側から紫外線を照射した。紫外線の照射量は電離放射線硬化性樹脂組成物が完全硬化する理論量とした。
次いで、積層体Bの二軸延伸PETフィルム側の面に、ウレタン二液硬化型の接着剤を乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布、乾燥して接着剤層を形成した。
次いで、積層体Aに形成した量子ドット含有層と、積層体Bに形成した接着剤層とを対向させて貼り合わせ、比較例1の量子ドットシートを得た。
積層体Bを下記の積層体B−1に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例1の量子ドットシートを得た。
(積層体B−1)
厚み12μmの二軸延伸PETフィルムの一方の面上に、PVD法にて酸化ケイ素からなる膜厚20nmのバリア層を形成し、バリアフィルムを得た。次いで、厚み50μmの二軸延伸PETフィルムの一方の面上に、下記処方のブロッキング防止層塗布液c1を乾燥後の厚みが3μmとなるように塗布、乾燥した後、紫外線照射してブロッキング防止層を形成し、ブロッキング防止フィルムを得た。次いで、ブロッキング防止フィルムと、バリアフィルムと、厚み50μmの二軸延伸PETフィルムとを、前記の順番で厚み3μmの接着剤層を介して積層し、積層体B−1を得た。バリアフィルムとブロッキング防止フィルムとは、両者の二軸延伸PETフィルム側の面が対向するようにして貼り合わせた。
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 30部
(日本化薬社製、KAYARAD−PET−30)
・ウレタンアクリレート 70部
(日本合成化学社製、UV1700B)
・光重合開始剤 5部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤 0.1部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、TSF4460)
・ウレタン樹脂系粒子 10部
(平均粒子径3μm)
・希釈溶剤 500部
光源に青色LEDを用いている市販の液晶表示装置(対角7インチ)を分解し、バックライトを取り出した。バックライトはエッジライト型であり、導光板の下方に反射板、導光板の上方に光拡散フィルム、プリズムシート2枚を有するものであった。なお、2枚のプリズムシートは、下側のものと上側のものとでストライプラインが直交するものであった。
上記バックライトから光拡散フィルムを取り除き、導光板とプリズムシートとの間に、実施例1〜2及び比較例1〜2の量子ドット含有シートを配置して、実施例1〜2及び比較例1〜2のバックライトを得た。
次いで、分解した液晶表示装置のバックライトが設置されていた箇所に、実施例1〜2及び比較例1〜2のバックライトを戻し、実施例1〜2及び比較例1〜2の液晶表示装置を得た。
21a、21b、31a、31b、41a、41b:光透過性基材
30a、30b:バリアフィルム
32a、32b:バリア層
40a、40b:光拡散フィルム
42a、42b:光拡散層
51a、51b、52a、52b:接着剤層
61:積層体A
62:積層体B
100:量子ドットシート
110:光源
120:光学板
130:反射板
140:プリズムシート
200:バックライト
210:液晶パネル
220:ホルダ
300:液晶表示装置
Claims (9)
- 一次光を吸収して二次光を放出する量子ドット及びバインダー樹脂を含む量子ドット含有層と、前記量子ドット含有層の一方の面上に配置されてなる積層体Aと、前記量子ドット含有層の他方の面上に配置されてなる積層体Bとを有してなり、
前記積層体A及び前記積層体Bは、少なくともバリア層、光拡散層及び一以上の光透過性基材を有する構成であり、
前記量子ドット含有層を中心として厚み方向に上下対称の層構成となるように前記積層体A及び前記積層体Bが配置されてなる量子ドットシート。 - 前記量子ドット含有層は、接着剤層を介することなく前記積層体A及び前記積層体Bに密着してなる請求項1に記載の量子ドットシート。
- 前記バインダー樹脂は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物を含む組成物の硬化物である請求項1又は2に記載の量子ドットシート。
- 前記電離放射線硬化性官能基を有する化合物中に、単官能モノマーを40質量%以上含む請求項3に記載の量子ドットシート。
- 前記量子ドットシートの両表面のJIS B0601:2001に準拠するカットオフ値0.8mmの算術平均粗さRaが0.1〜10μmである請求項1〜4の何れか1項に記載の量子ドットシート。
- 一次光を放出する少なくとも1つの光源と、前記光源に隣接して配置され、導光又は拡散のための光学板と、前記光学板の光出射側に配置された量子ドットシートとを備えたバックライトにおいて、前記量子ドットシートが請求項1〜5の何れか1項に記載の量子ドットシートであるバックライト。
- バックライト及び液晶パネルを備えた液晶表示装置であって、前記バックライトが請求項6に記載のバックライトである液晶表示装置。
- 以下の(a)〜(c)の工程を順に行う量子ドットシートの製造方法。
(a)少なくともバリア層、光拡散層及び一以上の光透過性基材を積層し、積層体A及び積層体Bを得る工程。
(b)積層体A及び積層体Bの何れか一方の積層体の一方の面に、一次光を吸収して二次光を放出する量子ドット及びバインダー樹脂成分を含む量子ドット含有層塗布液を塗布し、量子ドット含有層を形成する工程。
(c)工程(b)で量子ドット含有層を形成していない積層体と、工程(b)で量子ドット含有層を形成した積層体の量子ドット含有層側の面とを、量子ドット含有層を中心として厚み方向に上下対称の層構成となるように貼り合わせる工程。 - 前記工程(c)において、量子ドット含有層を形成していない積層体と、工程(b)で量子ドット含有層を形成した積層体の量子ドット含有層側の面とを、接着剤層を介することなく貼り合わせる、請求項8に記載の量子ドットシートの製造方法。
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