JP2017021113A - 感光性樹脂組成物、硬化レリーフパターンの製造方法、並びに半導体装置 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]
(A)下記一般式(1):
(B)光重合開始剤:該(A)ポリイミド前駆体100質量部を基準として1質量部以上20質量部以下、
(C)大気圧下における沸点が180℃以上である有機溶媒、並びに、
(D)大気圧下における沸点が130℃以上160℃以下である有機溶媒:該(A)ポリイミド前駆体100質量部を基準として有機溶媒全量が185〜600質量部、を含み、
23℃における粘度が0.5P以上40P以下であることを特徴とする、感光性樹脂組成物。
[2]
前記溶媒は、(C)成分の含有量が有機溶媒全量に対して60重量%以上90重量%以下であり、(D)成分の含有量が有機溶媒全量に対して10重量%以上40%重量以下である、[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3]
前記溶媒は、(C)成分がN−メチル−2−ピロリドンまたはγ−ブチロラクトンであり、(D)成分が乳酸エチルである、[1]または[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4]
[1]〜[3]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を、ノンスピン塗布を用いて基板に塗布し、塗布膜を形成する工程、および、
前記塗布膜を乾燥する工程を含むことを特徴とする、感光性樹脂膜の製造方法。
[5]
以下の:
(1)[1]〜[3]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を基板上にノンスピン塗布することによって感光性樹脂層を該基板上に形成する工程と、
(2)該感光性樹脂層を露光する工程と、
(3)該露光後の感光性樹脂層を現像してレリーフパターンを形成する工程と、
(4)該レリーフパターンを加熱処理することによって硬化レリーフパターンを形成する工程と、
を含むことを特徴とする、硬化レリーフパターンの製造方法。
[6]
[5]に記載の製造方法により得られた硬化レリーフパターンを有することを特徴とする、半導体装置。
本発明は、(A)下記一般式(1):
本発明に用いられる(A)ポリイミド前駆体について説明する。(A)ポリイミド前駆体は、本発明の感光性樹脂組成物における樹脂成分であり、上記一般式(1)で表される構造を有するポリアミドである。(A)ポリイミド前駆体は、加熱(例えば200℃以上)環化処理を施すことによってポリイミドに変換される。
で表される構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、Y1の構造は1種でも2種以上の組み合わせでも構わない。上記式(6)及び(7)で表される構造を有するY1基は、耐熱性と感光特性とを両立するという点で好ましい。
(A)ポリイミド前駆体において、上記一般式(1)で表される構造は、例えば、まず、前述の4価の有機基X1を含むテトラカルボン酸二無水物と、光重合性の不飽和二重結合を有するアルコール類及び任意に炭素数1〜4の飽和脂肪族アルコール類とを反応させて、部分的にエステル化したテトラカルボン酸(以下、アシッド/エステル体ともいう)を調製する。その後、得られたアシッド/エステル体と、前述の2価の有機基Y1を含むジアミン類とをアミド重縮合させることにより得られる。
本発明で、(A)ポリイミド前駆体を調製するために好適に用いられる、4価の有機基X1を含むテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルメタン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−無水フタル酸)プロパン、2,2−ビス(3,4−無水フタル酸)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独で用いることができるのは勿論のこと、2種以上を混合して用いてもよい。
上記アルコール類に、炭素数1〜4の飽和脂肪族アルコールとして、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等を一部混合して用いることもできる。
反応溶媒としては、その他、ケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類として、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらは必要に応じて、単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
上記アシッド/エステル体(典型的には上記反応溶媒中の溶液)に、氷冷下、適当な脱水縮合剤、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン、1,1−カルボニルジオキシ−ジ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、N,N’−ジスクシンイミジルカーボネート等を投入混合してアシッド/エステル体をポリ酸無水物とした後、これに、本発明で好適に用いられる2価の有機基Y1を含むジアミン類を別途溶媒に溶解又は分散させたものを滴下投入し、アミド重縮合させることにより、目的のポリイミド前駆体を得ることができる。
本発明で好適に用いられる2価の有機基Y1を含むジアミン類としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、オルト−トリジンスルホン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、及びこれらのベンゼン環上の水素原子の一部が、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ハロゲン等で置換されたもの、例えば3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、並びにその混合物等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明に用いられる(B)光重合開始剤について説明する。(B)光重合開始剤としては、UV硬化用の光重合開始剤として従来用いられている化合物を任意に選択できる。(B)光重合開始剤として好適に使用できる化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール等のベンジル誘導体、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン誘導体、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム等のオキシム類、N−フェニルグリシン等のN−アリールグリシン類、ベンゾイルパークロライド等の過酸化物類、芳香族ビイミダゾール類等が好ましく挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの使用にあたっては、1種でも2種以上の混合物でもかまわない。上記の光重合開始剤の中では、特に光感度の点で、オキシム類がより好ましい。
本発明に用いられる(C)大気圧下における沸点が180℃以上の有機溶媒について説明する。
(C)大気圧下における沸点が180℃以上の有機溶媒を用いることにより、乾燥後の膜厚が均一で、ゆず肌状の塗布ムラの無い硬化膜を得る事ができる。大気圧下における沸点が180℃以上の有機溶媒を用いると、十分にレベリングさせ、膜を形成させてから溶媒を揮発させることができため、膜厚均一性に優れる。また、乾燥速度がゆっくりであるため、ゆず肌状の塗布ムラを抑制する事が出来る。
溶媒としては、(A)ポリイミド前駆体に対する溶解性の点から、極性の有機溶媒を用いることが好ましい。具体的には、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上の組合せで用いることができる。感光性樹脂組成物の保存安定性の観点から、N−メチル−2−ピロリドンもしくはγ−ブチロラクトンが好ましい。
本発明に用いられる(D)大気圧下における沸点が130℃以上160℃以下の有機溶媒について説明する。
(C)大気圧下における沸点が180℃以上の有機溶媒に加えて、(D)大気圧下における沸点が130℃以上160℃以下の有機溶媒を含有することにより、膜欠陥の無い硬化膜を得る事が出来る。大気圧下における沸点が130℃以上160℃以下の有機溶媒を用いると、塗布後に溶媒が揮発しやすいため、下地のはじきを抑制する事が出来て、乾燥後に膜欠陥の無い硬化膜を得る事が出来る。一方、大気圧下における沸点が130℃以下の有機溶媒を用いた場合、(A)成分の溶解性が低下し、析出する場合がある。
光感度を向上させるための増感剤を感光性樹脂組成物が含有する場合の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、0.1〜25質量部であることが好ましい。
レリーフパターンの解像性を向上させるための上記の光重合性の不飽和結合を有するモノマーを感光性樹脂組成物が含有する場合の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、1〜50質量部であることが好ましい。
これらの接着助剤のうちでは、接着力の点からシランカップリング剤を用いることがより好ましい。感光性樹脂組成物が接着助剤を含有する場合の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、0.5〜25質量部の範囲が好ましい。
感光性樹脂組成物に配合する場合の熱重合禁止剤の配合量としては、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、0.005〜12質量部の範囲が好ましい。
I)チタンキレート化合物:中でも、アルコキシ基を2個以上有するチタンキレートが、組成物の安定性及び良好なパターンが得られることからより好ましく、具体的には、チタニウムビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキサイド、チタニウムジ(n−ブトキサイド)ビス(2,4−ペンタンジオネート、チタニウムジイソプロポキサイドビス(2,4−ペンタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス( エチルアセトアセテート)等である。
IV)モノアルコキシチタン化合物:例えば、チタニウムトリス(ジオクチルホスフェート)イソプロポキサイド、チタニウムトリス(ドデシルベンゼンスルフォネート)イソプロポキサイド等である。
VI)チタニウムテトラアセチルアセトネート化合物:例えば、チタニウムテトラアセチルアセトネート等である。
VII)チタネートカップリング剤:例えば、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルフォニルチタネート等である。
これらの有機チタン化合物の添加量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、0.05〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜 2重量部である。添加量が0.05重量部以上となると所望の耐熱性あるいは耐薬品性が発現し、一方10 重量部以下であれば保存安定性に優れる。
プリン誘導体としては、プリン、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、キサンチン、テオブロミン、カフェイン、尿酸、イソグアニン、2,6-ジアミノプリン、9-メチルアデニン、2-ヒドロキシアデニン、2-メチルアデニン、1-メチルアデニン、N-メチルアデニン、N,N-ジメチルアデニン、2-フルオロアデニン、9-(2-ヒドロキシエチル)アデニン、グアニンオキシム、N-(2-ヒドロキシエチル)アデニン、8-アミノアデニン、6-アミノ‐8-フェニル‐9H−プリン、1-エチルアデニン、6-エチルアミノプリン、1-ベンジルアデニン、N-メチルグアニン、7-(2-ヒドロキシエチル)グアニン、N-(3-クロロフェニル)グアニン、N-(3-エチルフェニル)グアニン、2-アザアデニン、5-アザアデニン、8-アザアデニン、8-アザグアニン、8-アザプリン、8-アザキサンチン、8-アザヒポキサンチン等が挙げられる。特に好ましくは、8-アザアデニン、8-アザグアニンが挙げられる。
本発明はまた、(1)上述した本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布することによって感光性樹脂層を該基板上に形成する工程と、(2)該感光性樹脂層を露光する工程と、(3)該露光後の感光性樹脂層を現像してレリーフパターンを形成する工程と、(4)該レリーフパターンを加熱処理することによって硬化レリーフパターンを形成する工程とを含む、硬化レリーフパターンの製造方法を提供する。以下、各工程の典型的な態様について説明する。
本工程では、本発明の感光性樹脂組成物を基材上に塗布し、必要に応じてその後乾燥させて感光性樹脂層を形成する。塗布方法は、ノンスピン塗布である。本発明の感光性樹脂組成物を用いることによって、基板を回転する事なしに膜厚が均一で膜に欠陥がなく、ゆず肌状の塗布ムラの無い硬化膜を形成出来る。ノンスピン塗布方法としては、特に限定されるものではないが、例えばバーコート又はスリットコートを用いることができる。
本工程では、上記で形成した感光性樹脂層を、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー等の露光装置を用いて、パターンを有するフォトマスク又はレチクルを介して又は直接に、紫外線光源等により露光する。
この後、光感度の向上等の目的で、必要に応じて、任意の温度及び時間の組合せによる露光後ベーク(PEB)及び/又は現像前ベークを施してもよい。ベーク条件の範囲は、温度は40〜120℃、時間は10秒〜240秒が好ましいが、本発明の感光性樹脂組成物の諸特性を阻害するものでない限り、この範囲に限らない。
本工程では、露光後の感光性樹脂層のうち未露光部を現像除去する。露光(照射)後の感光性樹脂層を現像する現像方法としては、従来知られているフォトレジストの現像方法、例えばスプレー法、パドル法、浸漬法等の中から任意の方法を選択して使用することができる。また、現像の後、レリーフパターンの形状を調整する等の目的で、必要に応じて任意の温度及び時間の組合せによる現像後ベークを施してもよい。
本工程では、上記現像により得られたレリーフパターンを加熱して感光成分を希散させるとともに、(A)ポリイミド前駆体をイミド化させることによって、ポリイミドからなる硬化レリーフパターンに変換する。加熱硬化の方法としては、ホットプレートによるもの、オーブンを用いるもの、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンを用いるもの等種々の方法を選ぶことができる。加熱は、例えば200℃〜400℃で30分〜5時間の条件で行うことができる。加熱硬化の際の雰囲気気体としては空気を用いてもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いることもできる。
本発明はまた、上述した本発明の硬化レリーフパターンの製造方法により得られる硬化レリーフパターンを有する、半導体装置を提供する。本発明は、半導体素子である基材と、該基材上に上述した硬化レリーフパターン製造方法により形成されたポリイミドの硬化レリーフパターンとを有する半導体装置も提供する。また、本発明は、基材として半導体素子を用い、上述した硬化レリーフパターンの製造方法を工程の一部として含む半導体装置の製造方法にも適用できる。本発明の半導体装置は、上記硬化レリーフパターン製造方法で形成される硬化レリーフパターンを、表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、又はバンプ構造を有する半導体装置の保護膜等として形成し、公知の半導体装置の製造方法と組合せることで製造することができる。
なお、以下の説明では具体的な化合物名や数値を挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、実施例、比較例、及び製造例においては、感光性樹脂組成物の物性を以下の方法に従って測定及び評価した。
各ポリイミド前駆体の重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(標準ポリスチレン換算)で測定した。測定に用いたカラムは昭和電工社製 商標名 Shodex 805M/806M直列であり、標準単分散ポリスチレンは、昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM−105を選び、展開溶媒はN−メチル−2−ピロリドンであり、検出器は昭和電工製 商標名 Shodex RI−930を使用した。
感光性樹脂組成物をガラス基板上にSA−201ベーカー式アプリケーター(テスター産業株式会社製)でブレードコート塗布し、乾燥して15μm厚の塗膜を感光性樹脂層として形成した。
得られた塗膜を光学顕微鏡下で目視により観察して、ゆず肌状の塗布ムラを下記評価基準にしたがって評価した。
◎(最良): ゆず肌状の塗布ムラが確認されない。
○(良): ゆず肌状の塗布ムラがわずかに確認される。
×(不良): ゆず肌状の塗布ムラが明確に確認される。
塗布均一性の評価は、得られた塗布膜をナノスペック5100L光干渉膜厚測定器(ナノメトリクス・ジャパン株式会社製)で膜厚測定を行い、下記評価基準にしたがって評価した。
◎(最良): 膜厚均一性が良好である。
○(良): 膜厚均一性がわずかに劣る。
×(不良): 膜厚均一性が劣る。
膜欠陥の評価は、得られた塗布膜をNaランプ下で目視により観察して膜欠陥の評価を下記評価基準にしたがって評価した。
◎(最良): 膜欠陥が確認されない。
〇(良): 膜欠陥がわずかに確認される。
×(不良): 膜欠陥が明確に確認される。
4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gを2リットル容量のセパラブルフラスコに入れ、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)131.2gとγ―ブチロラクトン400mlを入れて室温下で攪拌し、攪拌しながらピリジン81.5gを加えて反応混合物を得た。反応による発熱の終了後に室温まで放冷し、16時間放置した。
次に、氷冷下において、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)206.3gをγ−ブチロラクトン180mlに溶解した溶液を攪拌しながら40分かけて反応混合物に加え、続いて4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)93.0gをγ−ブチロラクトン350mlに懸濁したものを攪拌しながら60分かけて加えた。更に室温で2時間攪拌した後、エチルアルコール30mlを加えて1時間攪拌し、次に、γ−ブチロラクトン400mlを加えた。反応混合物に生じた沈殿物をろ過により取り除き、反応液を得た。
製造例1の4,4’−オキシジフタル酸二無水物155.1gに代えて、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物147.1gを用いた以外は、前述の製造例1に記載の方法と同様にして反応を行い、第2のポリマーA2を得た。ポリマーA2の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準ポリスチレン換算)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は22,000であった。
第1および第2のポリマーA1,A2を用いて以下の方法で感光性樹脂組成物を調製し、調製した組成物の評価を行った。ポリイミド前駆体である第1のポリマーA1を50gと第2のポリマーA2を50g((A)ポリイミド前駆体)を、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)−オキシム((B)光重合開始剤)4g、8−アザアデニン0.2g、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン1.5g、N−フェニルジエタノールアミン10g、メトキシメチル化尿素樹脂(MX−290)4g、テトラエチレングリコールジメタクリレート8g、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]フタルアミド酸1.5g、及び2−ニトロソ−1−ナフト−ル0.05gと共に、(C)大気圧下における沸点が180℃以上の有機溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(以下ではNMPという。沸点202℃)320gと、(D)大気圧下における沸点が130℃以上160℃以下の有機溶媒として乳酸エチル80g(沸点151〜155℃)からなる混合溶媒に溶解することにより、感光性樹脂組成物とした。
該組成物を、前述の方法に従って評価した結果、ゆず肌状の塗布ムラの評価が◎(最良)であり、塗布均一性の評価が◎(最良)であり、膜欠陥の評価が◎(最良)であった。
実施例1の、(C)大気圧下における沸点が180℃以上の有機溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンに代えて、γ−ブチルラクトン(沸点204℃)を表1に示す組成内容で用いて感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。その評価結果は、ゆず肌状の塗布ムラの評価が◎(最良)であり、塗布均一性の評価が◎(最良)であり、膜欠陥の評価が◎(最良)であった。
実施例1の、(C)大気圧下における沸点が180℃以上の有機溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンおよび(D)大気圧下における沸点が130℃以上160℃以下の有機溶媒としての乳酸エチルの配合比率を表1に示す組成内容に変更して感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。
評価結果は、ゆず肌状の塗布ムラの評価が◎(最良)であり、塗布均一性の評価が◎(最良)であり、膜欠陥の評価が◎(最良)であった。
実施例1の、(C)大気圧下における沸点が180℃以上の有機溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンおよび(D)大気圧下における沸点が130℃以上160℃以下の有機溶媒としての乳酸エチルの配合比率を表1に示す組成内容に変更して感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。
評価結果は、ゆず肌状の塗布ムラの評価が◎(最良)であり、塗布均一性の評価が◎(最良)であり、膜欠陥の評価が◎(最良)であった。
実施例1の、(C)大気圧下における沸点が180℃以上の有機溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンおよび(D)大気圧下における沸点が130℃以上160℃以下の有機溶媒としての乳酸エチルの配合比率を表1に示す組成内容に変更して感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。
塗布均一性の評価結果は〇(良)であり、その他、ゆず肌状の塗布ムラの評価が◎(最良)であり、膜欠陥の評価が◎(最良)であった。
実施例1の、本発明における(C)大気圧下における沸点が180℃以上の有機溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンおよび(D)大気圧下における沸点が130℃以上160℃以下の有機溶媒としての乳酸エチルの溶媒量を表1に示す組成内容に変更して感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。
塗布均一性の評価結果は〇(良)であり、その他、ゆず肌状の塗布ムラの評価が◎(最良)であり、膜欠陥の評価が◎(最良)であった。
実施例1の、本発明における(C)大気圧下における沸点が180℃以上の有機溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンおよび(D)大気圧下における沸点が130℃以上160℃以下の有機溶媒としての乳酸エチルの溶媒量を表1に示す組成内容に変更して感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。
評価結果は、ゆず肌状の塗布ムラの評価結果が○(良)であり、塗布均一性の評価結果が○(良)であり、膜欠陥の評価結果が◎(最良)であった。
実施例1の、本発明における(C)大気圧下における沸点が180℃以上の有機溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンおよび(D)大気圧下における沸点が130℃以上160℃以下の有機溶媒としての乳酸エチルの配合比率を表1に示す組成内容に変更して感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。膜欠陥の評価結果◎(最良)であったが、ゆず肌状の塗布ムラの評価結果が×(不良)であり、塗布均一性の評価結果が×(不良)であった。
実施例1の、本発明における(D)大気圧下における沸点が130℃以上160℃以下の有機溶媒としての乳酸エチルを抜いて、表1に示す組成内容で用いて感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。ゆず肌状の塗布ムラの評価結果は◎(最良)であり、塗布均一性の評価結果は◎(最良)であったが、膜欠陥の評価結果が×(不良)であった。
実施例1の、本発明における(C)大気圧下における沸点が180℃以上の有機溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンを抜いて、沸点が165℃であるN,N−ジメチルアセトアミド320gを加えた他は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。膜欠陥の評価結果は◎(最良)であったが、ゆず肌状の塗布ムラの評価結果は〇(良)であり、塗布均一性の評価結果は×(不良)であった。
実施例1の、本発明における(C)大気圧下における沸点が180℃以上の有機溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンおよび(D)大気圧下における沸点が130℃以上160℃以下の有機溶媒としての乳酸エチルの溶媒量を、表1に示す組成内容に変更して感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。膜欠陥の評価結果は◎(最良)であり、ゆず肌状の塗布ムラの評価結果は◎(最良)であったが、塗布均一性の評価結果が×(不良)であった。
実施例1の、本発明における(C)大気圧下における沸点が180℃以上の有機溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンおよび(D)大気圧下における沸点が130℃以上160℃以下の有機溶媒としての乳酸エチルの溶媒量を表1に示す組成内容に変更して感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。膜欠陥の評価結果は◎(最良)であったが、ゆず肌状の塗布ムラの評価結果は×(不良)であり、塗布均一性の評価結果は×(不良)であった。
Claims (6)
- (A)下記一般式(1):
(B)光重合開始剤:該(A)ポリイミド前駆体100質量部を基準として1質量部以上20質量部以下、
(C)大気圧下における沸点が180℃以上である有機溶媒、並びに、
(D)大気圧下における沸点が130℃以上160℃以下である有機溶媒:該(A)ポリイミド前駆体100質量部を基準として有機溶媒全量が185〜600質量部、を含み、
23℃における粘度が0.5P以上40P以下であることを特徴とする、感光性樹脂組成物。 - 前記溶媒は、(C)成分の含有量が有機溶媒全量に対して60重量%以上90重量%以下であり、(D)成分の含有量が有機溶媒全量に対して10重量%以上40%重量以下である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記溶媒は、(C)成分がN−メチル−2−ピロリドンまたはγ−ブチロラクトンであり、(D)成分が乳酸エチルである、請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を、ノンスピン塗布を用いて基板に塗布し、塗布膜を形成する工程、および、
前記塗布膜を乾燥する工程を含むことを特徴とする、感光性樹脂膜の製造方法。 - 以下の:
(1)請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を基板上にノンスピン塗布することによって感光性樹脂層を該基板上に形成する工程と、
(2)該感光性樹脂層を露光する工程と、
(3)該露光後の感光性樹脂層を現像してレリーフパターンを形成する工程と、
(4)該レリーフパターンを加熱処理することによって硬化レリーフパターンを形成する工程と、
を含むことを特徴とする、硬化レリーフパターンの製造方法。 - 請求項5に記載の製造方法により得られた硬化レリーフパターンを有することを特徴とする、半導体装置。
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