JP2023023196A - 感光性樹脂組成物、ポリイミドの製造方法、硬化レリーフパターンの製造方法、及び半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】再配線層(Cu層)とポリイミド層との密着性の向上と、高温保存試験後におけるポリイミド層に接する界面でのボイド発生の抑制とを、高いレベルで両立することができるポリイミド層が得られる感光性樹脂組成物を提供すること。【解決手段】以下の成分:(A)不飽和基を有する特定構造のポリイミド前駆体;(B)トリアジン化合物;及び(C)光重合開始剤;を含み、(B)トリアジン化合物は、トリアジン環の少なくとも1つの水素原子が、アミノ基、メルカプト基、(トリアルコキシシリルプロピル)アミノ基、ヒドロキシエトキシ基、(ヒドロキシエチル)アミノ基、ヒドロキシメチルカルボニルオキシアルキル基、アルキルオキシカルボニル基及びアルキルチオエチル基からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む置換基で置換されている、感光性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、例えば電子部品の絶縁材料、及び半導体装置におけるパッシベーション膜、バッファーコート膜、層間絶縁膜等のレリーフパターンの形成に用いられる感光性樹脂組成物、それを用いたポリイミドの製造方法、硬化レリーフパターンの製造方法、及び半導体装置に関するものである。
従来、電子部品の絶縁材料、及び半導体装置のパッシベーション膜、表面保護膜、層間絶縁膜等には、優れた耐熱性、電気特性及び機械特性を併せ持つポリイミド樹脂が用いられている。このポリイミド樹脂の中でも、感光性ポリイミド前駆体組成物の形で提供されるものは、該組成物の塗布、露光、現像、及びキュアによる熱イミド化処理によって、耐熱性のレリーフパターン皮膜を容易に形成することができる。このような感光性ポリイミド前駆体組成物は、従来の非感光型ポリイミド材料に比べて、大幅な工程短縮を可能にするという特徴を有している。
ところで、半導体装置(以下、「素子」とも言う。)は、目的に合わせて、様々な方法でプリント基板に実装される。従来の素子では、素子の外部端子(パッド)からリードフレームまで細いワイヤで接続する、ワイヤボンディング法により作製されることが一般的であった。しかし、素子の高速化が進み、動作周波数がGHzまで到達した今日、実装における各端子の配線長さの違いが、素子の動作に影響を及ぼすまでに至った。そのため、ハイエンド用途の素子の実装では、実装配線の長さを正確に制御する必要が生じた。しかしながら、ワイヤボンディングではその要求を満たすことが困難であった。
そこで、半導体チップの表面に再配線層を形成し、その上にバンプ(電極)を形成した後、該チップを裏返し(フリップ)て、プリント基板に直接実装する、フリップチップ実装が提案されている(例えば特許文献1参照)。このフリップチップ実装では、配線距離を正確に制御できる。このため、フリップチップ実装は、高速な信号を取り扱うハイエンド用途の素子に、あるいは、実装サイズの小ささから携帯電話等に、それぞれ採用され、需要が急拡大している。フリップチップ実装にポリイミド材料を使用する場合、該ポリイミド層のパターンが形成された後に、金属配線層形成工程を経る。金属配線層は、通常、つぎのようにして形成される。まず、ポリイミド層表面をプラズマエッチングして表面を粗化した後、メッキのシード層となる金属層を、1μm以下の厚みでスパッタにより形成する。その後、その金属層を電極として、電解メッキすることにより金属配線層が形成される。このとき、一般に、シード層となる金属としてはTiが、電解メッキにより形成される再配線層の金属としてはCuが用いられる。
このような金属再配線層について、信頼性試験後に、再配線された金属層とポリイミド層との密着性が高いことが求められる。ここで行なわれる信頼性試験としては、例えば、湿度5%の空気中で、150℃の条件下で168時間保存する、高温保存試験等が挙げられる。
特開2001-338947号公報
しかしながら、従来のポリイミド樹脂を用いて上記高温保存試験を行うと、再配線層のCu原子の一部がポリイミド層に移動する(マイグレーション)。すると、再配線されたCu層がポリイミド層に接する界面で、空隙(以下、ボイドともいう。)が発生する、という問題があった。Cu層とポリイミド層との界面でボイドが発生すると、両者の密着性が低下してしまう。そして、Cu層とポリイミド層とが剥離してしまうと、再配線層でショートや断線が起こる可能性が高くなる。
再配線層(Cu層)とポリイミド層との密着性が高いことが好ましいが、再配線層とポリイミド層との密着性が高いと、上述したようなCu原子のマイグレーションも起こりやすくなる。すなわち、再配線層(Cu層)とポリイミド層との密着性の確保と、Cu原子のマイグレーションの抑制とは互いにトレードオフの関係にあり、両者を高いレベルで両立することは困難であった。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものである。すなわち、本発明の目的は、再配線層(Cu層)とポリイミド層との密着性の向上と、高温保存試験後におけるポリイミド層に接する界面でのボイド発生の抑制とを、高いレベルで両立することができるポリイミド層が得られる感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を用いたポリイミドの製造方法、硬化レリーフパターンの製造方法、再配線層(Cu層)とポリイミド層との密着性が高く、及び、高温保存試験後、Cu層がポリイミド層に接する界面でボイドが発生しにくく、高温保存試験後のショートや断線が生じにくい半導体装置を提供することにある。
本発明者らは、ポリイミド前駆体と、特定の置換基を有するトリアジン化合物と、光重合開始剤とを組み合わせることにより、上記の目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
以下の成分:
(A)下記一般式(A1)で表されるポリイミド前駆体;
(B)トリアジン化合物;及び
(C)光重合開始剤;
を含み、
前記(B)トリアジン化合物は、トリアジン環の少なくとも1つの水素原子が、アミノ基、メルカプト基、(トリアルコキシシリルプロピル)アミノ基、ヒドロキシエトキシ基、(ヒドロキシエチル)アミノ基、ヒドロキシメチルカルボニルオキシアルキル基、アルキルオキシカルボニル基及びアルキルチオエチル基からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む置換基で置換されている、感光性樹脂組成物。
Figure 2023023196000001
{式中、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、下記一般式(R1):
Figure 2023023196000002
(一般式(R1)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~3の有機基であり、pは2~10から選ばれる整数である。)で表される1価の有機基、又は炭素数1~4の飽和脂肪族基である。但し、R及びRの両者が同時に水素原子であることはない。}
[2]
前記一般式(A1)において、前記Xが下記式(2)で表される構造を含む、[1]に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2023023196000003
[3]
前記一般式(A1)において、前記Yが下記式(8)で表される構造を含む、[1]又は[2]に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2023023196000004
[4]
前記一般式(A1)において、前記Yが下記式(9)で表される構造を含む、[1]又は[2]に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2023023196000005
[5]
前記(A)成分100質量部に対する前記(B)成分の含有量が0.05~5.0質量部である、[1]~[4]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[6]
[1]~[5]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化するポリイミドの製造方法。
[7]
(1)[1]~[5]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布して、感光性樹脂層を前記基板上に形成する工程と、
(2)前記感光性樹脂層を露光する工程と、
(3)露光後の前記感光性樹脂層を現像して、レリーフパターンを形成する工程と、
(4)前記レリーフパターンを加熱処理して、硬化レリーフパターンを形成する工程と、
を含む、硬化レリーフパターンの製造方法。
[8]
[7]に記載の硬化レリーフパターンの製造方法により得られる硬化レリーフパターンを有して成る、半導体装置。
本発明によれば、再配線層(Cu層)とポリイミド層との密着性の向上と、高温保存試験後におけるポリイミド層に接する界面でのボイド発生の抑制とを、高いレベルで両立することができるポリイミド層が得られる感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を用いた硬化レリーフパターンの形成方法、再配線層(Cu層)とポリイミド層との密着性が高く、及び、高温保存試験後、Cu層がポリイミド層に接する界面でボイドが発生しにくく、高温保存試験後のショートや断線が生じにくい半導体装置を提供することができる。
本実施の形態について、以下に具体的に説明する。なお本明細書を通じ、一般式において同一符号で表されている構造は、分子中に複数存在する場合、互いに同一でも異なっていてもよい。
<感光性樹脂組成物>
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)ポリイミド前駆体と、(B)トリアジン化合物と、(C)光重合開始剤と、を含有する。
このような感光性樹脂組成物によれば、再配線層(Cu層)とポリイミド層との密着性の向上と、高温保存試験後におけるポリイミド層に接する界面でのマイグレーションを抑制することによるボイドの発生の抑制とを、高いレベルで両立することができる硬化レリーフパターンを得ることができる。
[(A)ポリイミド前駆体]
本実施の形態にかかる(A)ポリイミド前駆体について説明する。
本実施の形態にかかる(A)ポリイミド前駆体は、下記一般式(A1)で表されるポリイミド前駆体である。
Figure 2023023196000006
{式中、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、下記一般式(R1):
Figure 2023023196000007
(一般式(R1)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~3の有機基であり、pは2~10から選ばれる整数である。)で表される1価の有機基、又は炭素数1~4の飽和脂肪族基である。但し、R及びRの両者が同時に水素原子であることはない。}
上記(A)ポリイミド前駆体の構造であると、(C)光重合開始剤の作用のよい硬化レリーフパターンを得ることができる。
上記一般式(A1)中、Xで表される4価の有機基は、好ましくは炭素数6~40の有機基であり、更に好ましくは、-COOR基及び-CONH-基のうちの一方とが同一の芳香環に結合し、両者が互いにオルト位置にある、4価の芳香族基であるか、或いは脂環式脂肪族基である。前者の場合、-COOR基が結合している芳香環と、-COOR基が結合している芳香環とは、同一の芳香環であってもよいし、異なる芳香環であってもよい。この文脈における芳香環は、ベンゼン環であることが好ましい。
Xで表される4価の有機基として、更に好ましくは、下記式:
Figure 2023023196000008
のそれぞれで表される構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、Xの構造は、1種でも2種以上の組み合わせでも構わない。
本実施の形態では、(A)ポリイミド前駆体は、ボイドをより効果的に抑制する観点から、上記Xが下記式(1)~(3)で表される構造を少なくとも一つ含むことが好ましい。
Figure 2023023196000009
Figure 2023023196000010
Figure 2023023196000011
上記一般式(A1)中、Yで表される2価の有機基は、好ましくはC~C40の芳香族基であり、例えば、下記式:
Figure 2023023196000012
{上記式中、Aは、メチル基(-CH)、エチル基(-C)、プロピル基(-C)、ブチル基(-C)、又はトリフルオロメチル基(-CF)である。}のそれぞれで表される構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、Yの構造は、1種でも2種以上の組み合わせでも構わない。
本実施の形態では、(A)ポリイミド前駆体は、ボイドをより効果的に抑制する観点から、上記Yが下記一般式(4)~(7)で表される構造を少なくとも一つ含むことが好ましい。
Figure 2023023196000013
Figure 2023023196000014
Figure 2023023196000015
Figure 2023023196000016
{上記式中、Aは、メチル基(-CH)、エチル基(-C)、プロピル基(-C)、ブチル基(-C)、又はトリフルオロメチル基(-CF)である。}
本実施の形態では、ボイドを抑制する観点から、(A)ポリイミド前駆体において、Xが式(2)で表される構造を含むことが好ましい。すなわち、(A)ポリイミド前駆体はODPA(4,4’-オキシジフタル酸無水物)由来の構造を含むことが好ましい。
Figure 2023023196000017
上記一般式(R1)中のRは、水素原子又はメチル基であることが好ましく、R及びRは、感光特性の観点からそれぞれ水素原子であることが好ましい。pは、感光特性の観点から2以上10以下の整数であることが好ましく、より好ましくは2以上4以下の整数である。
本実施形態において、(A)ポリイミド前駆体は、一般式(A1)中のXが、下記式(2):
Figure 2023023196000018
を含有し、かつ、Yが下記式(8):
Figure 2023023196000019
を含有することが、密着性をより高めるとともに、ボイドをより確実に抑制することができ、特に好ましい。
本実施形態において、(A)ポリイミド前駆体は、一般式(A1)中のXが、下記式(2):
Figure 2023023196000020
を含有し、かつ、Yが下記式:
Figure 2023023196000021

または、下記化学式:
Figure 2023023196000022
を含有することが、密着性をより高めるとともに、ボイドをより確実に抑制することができ、特に好ましい。
(A)ポリイミド前駆体の重量平均分子量は、熱処理後に得られる膜の耐熱性及び機械特性の観点から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算値として、1,000以上であることが好ましい。5,000以上であることがより好ましい。上限は100,000以下であることが好ましい。現像液に対する溶解性の観点から、重量平均分子量は50,000以下であることがより好ましい。感度と解像度両立の観点から6000~40000が好ましく、7000~30000がより好ましく、8000~22000が特に好ましい。
[(A)ポリイミド前駆体の調製方法]
上記エステル結合型のポリイミド前駆体は、例えば、先ず、所望の4価の有機基Xを有するテトラカルボン酸二無水物と、光重合性基(例えば不飽和二重結合)を有するアルコール類とを反応させて、部分的にエステル化したテトラカルボン酸(以下、アシッド/エステル体ともいう)を調製する。その後、このアシッド/エステル体と、2価の有機基Yを有するジアミン類とをアミド重縮合させることにより得られる。上記光重合性基を有するアルコール類とともに、任意に飽和脂肪族アルコール類を併用してもよい。
(アシッド/エステル体の調製)
本発明において、エステル結合型のポリイミド前駆体を調製するために好適に用いられる、4価の有機基Xを有するテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸無水物、ジフェニルエーテル-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホン-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルメタン-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-無水フタル酸)プロパン、2,2-ビス(3,4-無水フタル酸)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独で用いることができるのは勿論のこと、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明で、エステル結合型のポリイミド前駆体を調製するために好適に用いられる、光重合性基を有するアルコール類としては、例えば、2-アクリロイルオキシエチルアルコール、1-アクリロイルオキシ-3-プロピルアルコール、2-アクリルアミドエチルアルコール、メチロールビニルケトン、2-ヒドロキシエチルビニルケトン、2-ヒドロキシ-3-メトキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-t-ブトキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-シクロヘキシルオキシプロピルアクリレート、2-メタクリロイルオキシエチルアルコール、1-メタクリロイルオキシ-3-プロピルアルコール、2-メタクリルアミドエチルアルコール、2-ヒドロキシ-3-メトキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-t-ブトキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-シクロヘキシルオキシプロピルメタクリレート等を挙げることができる。
上記光重合性基を有するアルコール類とともに、任意的に使用できる飽和脂肪族アルコール類としては、炭素数1~4の飽和脂肪族アルコールが好ましい。その具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、tert-ブタノール等を挙げることができる。
上記の本発明に好適なテトラカルボン酸二無水物と上記のアルコール類とを、好ましくはピリジン等の塩基性触媒の存在下、好ましくは適当な反応溶媒中、温度20~50℃で4~10時間撹拌、混合することにより、酸無水物のエステル化反応が進行し、所望のアシッド/エステル体を得ることができる。
上記反応溶媒としては、原料のテトラカルボン酸二無水物及びアルコール類、並びに生成物であるアシッド/エステル体を完全に溶解するものが好ましい。より好ましくは、更に、該アシッド/エステル体とジアミンとのアミド重縮合生成物であるポリイミド前駆体も完全に溶解する溶媒である。例えば、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等を挙げることができる。これらの具体例としては、
ケトン類として、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等を;
エステル類として、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル等を;
ラクトン類として、例えば、γ-ブチロラクトン等を;
エーテル類として、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等を;
ハロゲン化炭化水素類として、例えば、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1,4-ジクロロブタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等を;
炭化水素類として、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等を、
それぞれ挙げることができる。これらは必要に応じて、単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
(ポリイミド前駆体の調製)
上記アシッド/エステル体(典型的には上記反応溶媒中に溶解された溶液状態にある)に、好ましくは氷冷下、適当な脱水縮合剤を投入混合してアシッド/エステル体をポリ酸無水物とする。次いでこれに、本発明で好適に用いられる2価の有機基Yを有するジアミン類を別途溶媒に溶解又は分散させたものを滴下投入し、両者をアミド重縮合させることにより、目的のポリイミド前駆体を得ることができる。上記2価の有機基Yを有するジアミン類とともに、ジアミノシロキサン類を併用してもよい。
上記脱水縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-エトキシカルボニル-2-エトキシ-1,2-ジヒドロキノリン、1,1-カルボニルジオキシ-ジ-1,2,3-ベンゾトリアゾール、N,N’-ジスクシンイミジルカーボネート等が挙げられる。
以上のようにして、中間体であるポリ酸無水化物が得られる。
本発明において、上記のようにして得られるポリ酸無水化物との反応に好適に用いられる2価の有機基Yを有するジアミン類としては、例えば、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノビフェニル、3,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、
1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、9,10-ビス(4-アミノフェニル)アントラセン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4-ビス(3-アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、オルト-トリジンスルホン、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン等;
及びこれらのベンゼン環上の水素原子の一部が、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ハロゲン原子等で置換されたもの;
並びにその混合物等が挙げられる。
前記置換体の具体例としては、例えば3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジメチトキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノビフェニル等;及びこれらの混合物等が挙げられる。ジアミン類は、上記の例示に限定されるものではない。
ジアミノシロキサン類は、本発明の感光性樹脂組成物から形成される塗膜と各種基板との間の密着性の向上を目的として、(A)感光性ポリイミド前駆体の調製に際して、上記2価の有機基Yを含むジアミン類と併用される。このようなジアミノシロキサン類の具体例としては、例えば、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラフェニルジシロキサン等を挙げることができる。
アミド重縮合反応終了後、当該反応液中に共存している脱水縮合剤の吸水副生物を、必要に応じて濾別した後、重合体成分を含有する溶液に適当な貧溶媒例えば水、脂肪族低級アルコール、その混合液等)を投入し、重合体成分を析出させ、更に必要に応じて、再溶解及び再沈析出操作等の操作を繰り返して重合体を精製した後、真空乾燥を行うことにより、目的のポリイミド前駆体を単離する。精製度を向上させるために、陰イオン及び/又は陽イオン交換樹脂を適当な有機溶媒で膨潤させて充填したカラムに、この重合体の溶液を通し、イオン性不純物を除去してもよい。
エステル結合型のポリイミド前駆体の重量平均分子量は、熱処理後に得られる膜の耐熱性及び機械特性の観点から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算値として、1,000以上であることが好ましい。5,000以上であることがより好ましい。上限は100,000以下であることが好ましい。現像液に対する溶解性の観点から、重量平均分子量は50,000以下であることがより好ましい。感度と解像度の両立の観点から、6000~40000が好ましく、7000~30000がより好ましく、8000~22000が特に好ましい。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの展開溶媒としては、テトラヒドロフラン又はN-メチル-2-ピロリドンが推奨される。分子量は標準単分散ポリスチレンを用いて作成した検量線から求める。標準単分散ポリスチレンとしては、昭和電工社製 有機溶媒系標準試料 STANDARD SM-105から選ぶことが推奨される。
[(B)トリアジン化合物]
本実施の形態にかかる(B)トリアジン化合物は、トリアジン環の少なくとも1つの水素原子が、アミノ基、メルカプト基、(トリアルコキシシリルプロピル)アミノ基、ヒドロキシエトキシ基、(ヒドロキシエチル)アミノ基、ヒドロキシメチルカルボニルオキシアルキル基、アルキルオキシカルボニル基及びアルキルチオエチル基からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む置換基で置換されている。これらの置換基は、さらに上記の置換基又は他の置換基で置換されていても構わない。
(B)トリアジン化合物は、トリアジン環の少なくとも1つの水素原子が、上記のような置換基を含んで置換されていれば、特に限定されない。トリアジン環の3つの水素原子すべてが置換されていることが好ましい。
前記群から選ばれる置換基は、トリアジン環上の炭素原子に結合しても良いし、窒素原子に結合しても良い。
(B)トリアジン化合物は、トリアジン環に結合した、上記のような置換基を有していれば、特に限定されないが、トリアジン環に他の置換基も合わせて有しても良い。他の置換基としては、メチル基、エチル基、ウンデカン基などの脂肪族基、脂環族基、フェニル基などの芳香族基などが挙げられる。なかでも、トリアジン環に導入しやすい観点から、メチル、エチル、フェニルが望ましい。また、他の置換基はなくても、単数でも、複数でもよく、複数の場合は、異なる置換基であることが望ましい。複数の場合は、メチルとエチルの組合せ、メチルとフェニルの組合せが望ましい。
(B)トリアジン化合物としては、再配線層(Cu層)とポリイミド層との密着性を向上する観点、及び高温保存試験後におけるポリイミド層に接する界面でのボイド発生を抑制する観点から、下記のいずれかで表される構造を有するものが好ましい。
2,4-ジアミノ-6-(2-{2-[(2-エチルへキシル)オキシカルボニル]エチルチオ}エチル)-1,3,5-トリアジン:
Figure 2023023196000023
2,4-ジアミノ-6-(2-{2-[(3-メトキシブチル)オキシカルボニル]エチルチオ}エチル)-1,3,5-トリアジン:
Figure 2023023196000024
2,4-ジアミノ-6-{2-[(2、3-ジヒドロキシプロピル)チオ]エチル}-1,3,5-トリアジン:
Figure 2023023196000025
2-(4,6-ジアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イルアミノ)エタノール:
Figure 2023023196000026
N-(3-トリメトキシシラニル-プロピル)-[1,3,5]トリアジン-2,4,6-トリアミン:
Figure 2023023196000027
N-(3-トリエトキシシラニル-プロピル)-[1,3,5]トリアジン-2,4,6-トリアミン:
Figure 2023023196000028
2-メルカプト-4,6-ビス[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-1,3,5-トリアジン:
Figure 2023023196000029
2-メルカプト-4,6-ビス[(3-トリエトキシシリルプロピル)アミノ]-1,3,5-トリアジン:
Figure 2023023196000030
2,4-ジアミノ-6-[2-(ヒドロキシエトキシ)エチル]-1,3,5-トリアジン:
Figure 2023023196000031
2,4-ジアミノ-6-(2-ヒドロキシエチル)オキシ-1,3,5-トリアジン:
Figure 2023023196000032
2,4-ジアミノ-6-[2-(ヒドロキシメチルカルボニルオキシ)エチル]-1,3,5-トリアジン:
Figure 2023023196000033
2-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-4,6-ビス(ジメチルアミノ)-1,3,5-トリアジン:
Figure 2023023196000034

これらのトリアジン化合物は、必要に応じて、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの中でも、2,4-ジアミノ-6-(2-{2-[(2-エチルへキシル)オキシカルボニル]エチルチオ}エチル)-1,3,5-トリアジン、N-(3-トリエトキシシラニル-プロピル)-[1,3,5]トリアジン-2,4,6-トリアミン、2-メルカプト-4,6-ビス[(3-トリエトキシシリルプロピル)アミノ]-1,3,5-トリアジン、および、2-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-4,6-ビス(ジメチルアミノ)-1,3,5-トリアジンが好ましい。
本実施の形態においてトリアジン化合物を添加すると密着性が良好となる理由は明らかではないが、ポリイミド樹脂のカルボニル基と、本実施形態のトリアジン化合物のアミノ基、メルカプト基、(トリアルコキシシリルプロピル)アミノ基、ヒドロキシエトキシ基、(ヒドロキシエチル)アミノ基、ヒドロキシメチルカルボニルオキシアルキル基、アルキルオキシカルボニル基及びアルキルチオエチル基から選ばれる少なくとも1つの基とが水素結合を形成するために密着性が向上すると推定している。
本実施の形態においてトリアジン化合物を添加すると銅ボイドが抑制できる理由は明らかではないが、基板の銅原子とトリアジン環の窒素原子が配位結合を形成することにより銅原子のマイグレーションを抑制し、銅ボイドの形成が抑えられると推定している。
特に、本実施形態の感光性樹脂組成物では、(B)トリアジン化合物を樹脂組成物中に含有、すなわち内包していることによって、該化合物を基板表面に表面処理剤として塗布する場合に比べて、ポリイミド樹脂とCu層とをより強固に密着させるとともに、Cu原子のマイグレーションをより効果的に抑制することができ、より顕著な効果を得ることができる。
また、本実施形態の感光性樹脂組成物において、(B)トリアジン化合物の合計含有量は、(A)ポリイミド前駆体成分100質量部に対して、0.05~5.0質量部であることが好ましく、0.1~3質量部であることがより好ましい。
(B)トリアジン化合物の含有量が少ないと、上述したような本発明の効果が十分に得られず、多すぎると、密着性を却って低下させてしまう。
[(C)光重合開始剤]
本実施の形態にかかる(C)光重合開始剤について説明する。
本実施の形態にかかる光重合開始剤は、特定の波長を吸収、分解する事でラジカルを発生する光重合開始剤が好適に用いられる。
(C)光重合開始剤は、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2’-ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル-β-メトキシエチルアセタール等のベンジル誘導体、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン誘導体、1-フェニル-1,2-ブタンジオン-2-(o-メトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-メトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-ベンゾイル)オキシム、1,3-ジフェニルプロパントリオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-3-エトキシプロパントリオン-2-(o-ベンゾイル)オキシム等のオキシム類、N-フェニルグリシン等のN-アリールグリシン類、ベンゾイルパークロライド等の過酸化物類、芳香族ビイミダゾール類、チタノセン類、α-(n-オクタンスルフォニルオキシイミノ)-4-メトキシベンジルシアニド等の光酸発生剤類等が好ましく挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記の光重合開始剤の中では、特に光感度の点で、オキシム類がより好ましい。
上記オキシム類光重合開始剤の中では、接着性の観点から、下記式(C1)から(C6)のいずれかで表わされる構造をもつものが最も好ましい。
Figure 2023023196000035
(式中、R39はメチル基又はフェニル基であり、R40はそれぞれ独立に炭素数1~12の1価の有機基を表す。)
Figure 2023023196000036
(式中、Zはイオウ又は酸素原子であり、そしてR41はメチル基、フェニル基または2価の有機基を表し、R42~R44は、それぞれ独立に、水素原子または1価の有機基を表す。)。
Figure 2023023196000037
Figure 2023023196000038
Figure 2023023196000039
Figure 2023023196000040
[(D)架橋剤]
本発明において任意的に用いられる(D)架橋剤としては、分子内に複数の官能基を有する任意の化合物を挙げることができる。ここで官能基としては、例えばアクリル基、メタクリル基、エポキシ基、メチロール基、アリル基、ビニル基、マレイミド基等を挙げることができる。
(D)架橋剤の配合量は、(A)樹脂100質量部に対して、1~40質量部であることが好ましく、より好ましくは2~30質量部である。
また、発明の感光性樹脂組成物において、(D)架橋剤の合計含有量は、(A)ポリイミド前駆体成分100質量部に対して、0.1~20質量部であることが好ましい。
[(E)その他の成分]
本発明の感光性樹脂組成物は、上記(A)~(D)成分以外の成分を更に含有してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、典型的には、上記各成分及び必要に応じて更に使用される任意成分を溶剤に溶解してワニス状にした液状の感光性樹脂組成物として使用される。そのため、(D)その他成分としては、溶剤を挙げることができる他、例えば上記(A)感光性ポリイミド前駆体以外の樹脂、増感剤、光重合性の不飽和結合を有するモノマー、接着助剤、熱重合禁止剤、アゾール化合物、ヒンダードフェノール化合物等を挙げることができる。
前記溶剤としては、例えば極性の有機溶剤、アルコール類等を挙げることができる。
溶剤としては、(A)感光性ポリイミド前駆体に対する溶解性の点から、極性の有機溶剤を用いることが好ましい。具体的には、例えばN,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ-ブチロラクトン、α-アセチル-γ-ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3-ジメチル-2-イミダゾリノン、N-シクロヘキシル-2-ピロリドン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上の組合せで用いることができる。
本発明における溶剤としては、感光性樹脂組成物の保存安定性を向上させる観点から、アルコール類を含む溶剤が好ましい。好適に使用できるアルコール類は、典型的には、分子内にアルコール性水酸基を持ち、オレフィン系二重結合を有さないアルコールである。具体的な例としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール等のアルキルアルコール類;
乳酸エチル等の乳酸エステル類;
プロピレングリコール-1-メチルエーテル、プロピレングリコール-2-メチルエーテル、プロピレングリコール-1-エチルエーテル、プロピレングリコール-2-エチルエーテル、プロピレングリコール-1-(n-プロピル)エーテル、プロピレングリコール-2-(n-プロピル)エーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール-n-プロピルエーテル等のモノアルコール類;
2-ヒドロキシイソ酪酸エステル類;
エチレングリコール、プロピレングリコール等のジアルコール類
等を挙げることができる。これらの中では、乳酸エステル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、2-ヒドロキシイソ酪酸エステル類、及びエチルアルコールが好ましく、特に乳酸エチル、プロピレングリコール-1-メチルエーテル、プロピレングリコール-1-エチルエーテル、及びプロピレングリコール-1-(n-プロピル)エーテルがより好ましい。
上記溶剤は、感光性樹脂組成物の所望の塗布膜厚及び粘度に応じて、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対して、例えば30~1500質量部の範囲、好ましくは100~1,000質量部の範囲で用いることができる。溶剤が、オレフィン系二重結合を有さないアルコールを含有する場合、全溶剤中に占める、オレフィン系二重結合を有さないアルコールの含量は、5~50質量%であることが好ましく、より好ましくは10~30質量%である。オレフィン系二重結合を有さないアルコールの上記含量が5質量%以上の場合、感光性樹脂組成物の保存安定性が良好になり、50質量%以下の場合、(A)ポリイミド前駆体の溶解性が良好になる。
本実施の形態にかかる感光性樹脂組成物は、上述した(A)ポリイミド前駆体以外の樹脂成分を更に含有してもよい。含有できる樹脂成分としては、例えば、ポリイミド、ポリオキサゾール、ポリオキサゾール前駆体、フェノール樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂、シロキサン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。これらの樹脂成分の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対して、好ましくは0.01~20質量部の範囲である。
本実施の形態にかかる感光性樹脂組成物には、光感度を向上させるために増感剤を任意に配合することができる。該増感剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,5-ビス(4’-ジエチルアミノベンザル)シクロペンタン、2,6-ビス(4’-ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6-ビス(4’-ジエチルアミノベンザル)-4-メチルシクロヘキサノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p-ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p-ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2-(p-ジメチルアミノフェニルビフェニレン)-ベンゾチアゾール、2-(p-ジメチルアミノフェニルビニレン)ベンゾチアゾール、2-(p-ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3-ビス(4’-ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3-ビス(4’-ジエチルアミノベンザル)アセトン、
3,3’-カルボニル-ビス(7-ジエチルアミノクマリン)、3-アセチル-7-ジメチルアミノクマリン、3-エトキシカルボニル-7-ジメチルアミノクマリン、3-ベンジロキシカルボニル-7-ジメチルアミノクマリン、3-メトキシカルボニル-7-ジエチルアミノクマリン、3-エトキシカルボニル-7-ジエチルアミノクマリン、N-フェニル-N’-エチルエタノールアミン、N-フェニルジエタノールアミン、N-p-トリルジエタノールアミン、N-フェニルエタノールアミン、4-モルホリノベンゾフェノン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、2-メルカプトベンズイミダゾール、1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(p-ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2-(p-ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2-(p-ジメチルアミノスチリル)ナフト(1,2-d)チアゾール、2-(p-ジメチルアミノベンゾイル)スチレン、ジフェニルアセトアミド、ベンズアニリド、N-メチルアセトアニリド、3‘,4’-ジメチルアセトアニリド等が挙げられる。これらは単独で又は例えば2~5種類の組合せで用いることができる。
光感度を向上させるための増感剤を感光性樹脂組成物が含有する場合の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対して、0.1~25質量部であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物には、レリーフパターンの解像性を向上させるために、光重合性の不飽和結合を有するモノマーを任意に配合することができる。このようなモノマーとしては、光重合開始剤によりラジカル重合反応する(メタ)アクリル化合物が好ましい。以下に限定されるものではないが、特に、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレートをはじめとする、エチレングリコール又はポリエチレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート;
プロピレングリコール又はポリプロピレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート;
グリセロールのモノ、ジ又はトリ(メタ)アクリレート;
シクロヘキサンジ(メタ)アクリレート;
1,4-ブタンジオールのジアクリレート及びジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールのジ(メタ)アクリレート;
ネオペンチルグリコールのジ(メタ)アクリレート;
ビスフェノールAのモノ又はジ(メタ)アクリレート;
ベンゼントリメタクリレート;
イソボルニル(メタ)アクリレート;
アクリルアミド及びその誘導体;
メタクリルアミド及びその誘導体;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;
グリセロールのジ又はトリ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールのジ、トリ、又はテトラ(メタ)アクリレート;
並びにこれら化合物のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物等の化合物を挙げることができる。
本実施の形態にかかる感光性樹脂組成物がレリーフパターンの解像性を向上させるための上記の光重合性の不飽和結合を有するモノマーを含有する場合の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対して、1~50質量部であることが好ましい。
本実施形態にかかる感光性樹脂組成物から形成される膜と基材との接着性向上のために、該感光性樹脂組成物には接着助剤を任意に配合することができる。接着助剤としては、例えば、γ-アミノプロピルジメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジメトキシメチル-3-ピペリジノプロピルシラン、ジエトキシ-3-グリシドキシプロピルメチルシラン、N-(3-ジエトキシメチルシリルプロピル)スクシンイミド、N-〔3-(トリエトキシシリル)プロピル〕フタルアミド酸、ベンゾフェノン-3,3’-ビス(N-〔3-トリエトキシシリル〕プロピルアミド)-4,4’-ジカルボン酸、ベンゼン-1,4-ビス(N-〔3-トリエトキシシリル〕プロピルアミド)-2,5-ジカルボン酸、3-(トリエトキシシリル)プロピルスクシニックアンハイドライド、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、及びアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系接着助剤等が挙げられる。
これらの接着助剤のうちでは、接着力の点からシランカップリング剤を用いることがより好ましい。感光性樹脂組成物が接着助剤を含有する場合の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対して、0.5~25質量部の範囲が好ましい。
本実施の形態にかかる感光性樹脂組成物が特に溶剤を含む溶液状態にある場合、その保存時の粘度及び光感度の安定性を向上させるために、該感光性樹脂組成物に熱重合禁止剤を任意に配合することができる。熱重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、N-ニトロソジフェニルアミン、p-tert-ブチルカテコール、フェノチアジン、N-フェニルナフチルアミン、エチレンジアミン四酢酸、1,2-シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、2,6-ジ-tert-ブチル-p-メチルフェノール、5-ニトロソ-8-ヒドロキシキノリン、1-ニトロソ-2-ナフトール、2-ニトロソ-1-ナフトール、2-ニトロソ-5-(N-エチル-N-スルフォプロピルアミノ)フェノール、N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N-ニトロソ-N(1-ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩等が用いられる。
感光性樹脂組成物に配合する場合の熱重合禁止剤の配合量としては、(A)感光性ポリイミド前駆体100質量部に対して、0.005~12質量部の範囲が好ましい。
本実施の形態にかかる樹脂組成物を適用する基板が、例えば銅又は銅合金からなる基板を用いる場合には、銅表面の変色を抑制するためにアゾール化合物を任意に配合することができる。アゾール化合物としては、例えば1H-トリアゾール、5-メチル-1H-トリアゾール、5-エチル-1H-トリアゾール、4,5-ジメチル-1H-トリアゾール、5-フェニル-1H-トリアゾール、4-t-ブチル-5-フェニル-1H-トリアゾール、5-ヒドロキシフェニル-1H-トリアゾール、フェニルトリアゾール、p-エトキシフェニルトリアゾール、5-フェニル-1-(2-ジメチルアミノエチル)トリアゾール、5-ベンジル-1H-トリアゾール、ヒドロキシフェニルトリアゾール、1,5-ジメチルトリアゾール、4,5-ジエチル-1H-トリアゾール、1H-ベンゾトリアゾール、2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α―ジメチルベンジル)フェニル]-ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール、4-メチル-1H-ベンゾトリアゾール、4-カルボキシ-1H-ベンゾトリアゾール、5-カルボキシ-1H-ベンゾトリアゾール、1H-テトラゾール、5-メチル-1H-テトラゾール、5-フェニル-1H-テトラゾール、5-アミノ-1H-テトラゾール、1-メチル-1H-テトラゾール等が挙げられる。特に好ましくは、トリルトリアゾール、5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール、及び4-メチル-1H-ベンゾトリアゾールから選ばれる1種以上である。これらアゾール化合物は、1種で用いても2種以上の混合物で用いても構わない。
本実施の形態にかかる感光性樹脂組成物が上記アゾール化合物を含有する場合の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、0.1~20質量部である事が好ましく、光感度特性の観点から0.5~5質量部がより好ましい。アゾール化合物の(A)ポリイミド前駆体100質量部に対する配合量が0.1質量部以上である場合、本実施の形態にかかる感光性樹脂組成物を銅又は銅合金の上に形成した場合に、銅又は銅合金表面の変色が抑制され、一方、10質量部以下である場合、該感光性樹脂組成物の優れた光感度が維持される。
銅表面の変色を抑制するために、前記のアゾール化合物に代えて、或いは前記のアゾール化合物とともに、ヒンダードフェノール化合物を任意に配合することができる。ヒンダードフェノール化合物としては、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,5-ジ-t-ブチル-ハイドロキノン、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネ-ト、イソオクチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4、4’-メチレンビス(2、6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4’-チオ-ビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、トリエチレングリコール-ビス〔3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6-ヘキサンジオール-ビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2-チオ-ジエチレンビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
N,N’ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナマミド)、2,2’-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、ペンタエリスリチル-テトラキス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-イソシアヌレイト、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5-トリス(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-4-イソプロピルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-s-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス[4-(1-エチルプロピル)-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、
1,3,5-トリス[4-トリエチルメチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-4-フェニルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,5,6-トリメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-5-エチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-6-エチル-3-ヒドロキシ-2-メチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-6-エチル-3-ヒドロキシ-2,5-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-5,6-ジエチル-3-ヒドロキシ-2-メチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、
1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2-メチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,5-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-5‐エチル-3-ヒドロキシ-2-メチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン等が挙げられるが、これに限定されるものではない。これらの中でも、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン等が特に好ましい。
ヒンダードフェノール化合物の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、0.1~20質量部であることが好ましく、光感度特性の観点から0.5~10質量部であることがより好ましい。ヒンダードフェノール化合物の(A)ポリイミド前駆体100質量部に対する配合量が0.1質量部以上である場合、例えば銅又は銅合金の上に本発明の感光性樹脂組成物を形成した場合に、銅又は銅合金の変色・腐食が防止され、一方、20質量部以下である場合、該感光性樹脂組成物の優れた光感度が維持される。
本発明の感光性樹脂組成物は、100質量部の(A)ポリイミド前駆体と、(A)ポリイミド前駆体100質量部を基準として、0.05~5.0質量部の(B)トリアジン化合物と、0.1~20質量部の(C)光重合開始剤と、を含むことが好ましい。これにより、感光性樹脂組成物は、特に良好な感度を示し、銅又は銅合金との密着性の低下がより効果的に抑えられる硬化レリーフパターンを与えることができる。
<硬化レリーフパターンの製造方法>
本発明はまた、硬化レリーフパターンの製造方法も提供するものである。
本発明における効果レリーフパターンの製造方法は、例えば以下の工程:
(1)上述した本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、該基板上に感光性樹脂層を形成する塗布工程と、
(2)該感光性樹脂層を露光する露光工程と、
(3)該露光後の感光性樹脂層を現像してレリーフパターンを形成する現像工程と、
(4)該レリーフパターンを加熱処理することによって硬化レリーフパターンを形成する加熱工程と
を上記に記載の順で経由することを特徴とする。
以下、各工程の典型的な態様について説明する。
(1)塗布工程
本工程では、本発明の感光性樹脂組成物を基材上に塗布し、必要に応じてその後乾燥させて感光性樹脂層を形成する。
基板としては、例えばシリコン、アルミニウム、銅、銅合金等から成る金属基板;
エポキシ、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール等の樹脂基板;
前記樹脂基板に金属回路が形成された基板;
複数の金属、又は金属と樹脂とが多層に積層された基板
等を使用することができる。
塗布方法としては、従来から感光性樹脂組成物の塗布に用いられていた方法、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布する方法、スプレーコーターで噴霧塗布する方法等を用いることができる。
必要に応じて、感光性樹脂組成物膜を乾燥させることができる。乾燥方法としては、風乾、オーブン又はホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥等の方法が用いられる。また、塗膜の乾燥は、感光性樹脂組成物中の(A)ポリイミド前駆体(ポリアミド酸エステル)のイミド化が起こらないような条件で行うことが望ましい。具体的には、風乾又は加熱乾燥を行う場合、20℃~140℃で1分~1時間の条件で乾燥を行うことができる。以上により基板上に感光性樹脂層を形成できる。
(2)露光工程
本工程では、上記で形成した感光性樹脂層を露光する。露光装置としては、例えばコンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー等の露光装置が用いられる。露光は、パターンを有するフォトマスク又はレチクルを介して、又は直接に行うことができる。露光に使用する光線は、例えば、紫外線光源等である。
露光後、光感度の向上等の目的で、必要に応じて、任意の温度及び時間の組合せによる露光後ベーク(PEB)及び/又は現像前ベークを施してもよい。ベーク条件の範囲は、温度は40~120℃、時間は10秒~240秒が好ましいが、本実施の形態の感光性樹脂組成物の諸特性を阻害するものでない限り、この範囲に限らない。
(3)現像工程
本工程では、露光後の感光性樹脂層のうち未露光部を現像除去する。露光(照射)後の感光性樹脂層を現像する現像方法としては、従来知られているフォトレジストの現像方法を選択して使用することができる。例えば回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸漬法等である。また、現像の後、レリーフパターンの形状を調整する等の目的で、必要に応じて任意の温度及び時間の組合せによる現像後ベークを施してもよい。現像後ベークの温度は、例えば80~130℃とすることができ、時間は例えば0.5~10分とすることができる。
現像に使用される現像液としては、感光性樹脂組成物に対する良溶媒、又は該良溶媒と貧溶媒との組合せが好ましい。良溶媒としては、N-メチル-2-ピロリドン、N-シクロヘキシル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、α-アセチル-γ-ブチロラクトン等が好ましく、貧溶媒としてはトルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート及び水等が好ましい。良溶媒と貧溶媒とを混合して用いる場合には、感光性樹脂組成物中のポリマーの溶解性に応じて、良溶媒に対する貧溶媒の割合を調整することが好ましい。また、各溶媒を2種以上、例えば数種類組合せて用いることもできる。
(4)加熱工程
本工程では、上記現像により得られたレリーフパターンを加熱して感光成分を希散させるとともに、(A)ポリイミド前駆体をイミド化させて、ポリイミドからなる硬化レリーフパターンに変換する。
加熱硬化の方法としては、ホットプレートによるもの、オーブンを用いるもの、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンを用いるもの等種々の方法を選ぶことができる。加熱は、例えば200℃~400℃で30分~5時間の条件で行うことができる。加熱硬化の際の雰囲気気体としては空気を用いてもよいし、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いてもよい。
以上のようにして、硬化レリーフパターンを製造することができる。特に、本発明の硬化レリーフパターンは、Cu層とポリイミド層との密着性の向上と、高温保存試験後、Cu原子のマイグレーションを抑え、ポリイミド層に接する界面でのボイド発生の抑制とを、高いレベルで両立することができる。
<半導体装置>
本発明はまた、上述した本発明の硬化レリーフパターンの製造方法により得られる硬化レリーフパターンを有して成る、半導体装置を提供する。
上記の半導体装置は、例えば、半導体素子である基材と、該基材上に、上述した硬化レリーフパターン製造方法により形成された硬化レリーフパターンとを有する半導体装置であることができる。すなわち、本発明の半導体装置は、基材と、該基材上に形成された硬化レリーフパターンとを有する。
上記半導体装置は、例えば、基材として半導体素子を用い、上述した硬化レリーフパターンの製造方法を工程の一部として含む方法によって製造することができる。本発明の半導体装置は、上記硬化レリーフパターン製造方法で形成される硬化レリーフパターンを、例えば表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、又はバンプ構造を有する半導体装置の保護膜等として形成し、公知の半導体装置の製造方法と組合せることにより、製造することができる。
本発明の半導体装置は、例えばCu層からなる金属再配線層と、ポリイミド樹脂からなるレリーフパターンに適用した場合、再配線層とポリイミド層との密着性の向上と、界面でのボイドの発生の抑制とを高いレベルで両立することができ、高温保存試験後のショートや断線が生じにくい、優れた特性を有するものとなる。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記のような半導体装置への適用の他、多層回路の層間絶縁、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等の用途にも有用である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。実施例、比較例、及び製造例における感光性樹脂組成物の物性は、以下の方法に従って測定及び評価した。
(1)Cu上の硬化レリーフパターンの作製
6インチシリコンウェハー(フジミ電子工業株式会社製、厚み625±25μm)上に、スパッタ装置(L-440S-FHL型、キヤノンアネルバ社製)を用いて200nm厚のTi、400nm厚のCuをこの順にスパッタした。続いて、このウェハー上に、後述の方法により調製した感光性樹脂組成物をコーターデベロッパー(D-Spin60A型、SOKUDO社製)を用いて回転塗布し、乾燥することにより10μm厚の塗膜を形成した。この塗膜に、テストパターン付マスクを用いて、平行光マスクアライナー(PLA-501FA型、キヤノン社製)により300mJ/cmのエネルギーを照射した。次いで、この塗膜を、現像液としてネガ型の場合はシクロペンタノンを用いてコーターデベロッパー(D-Spin60A型、SOKUDO社製)でスプレー現像し、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートでリンスすることにより、Cu上のレリーフパターンを得た。
Cu上に該レリーフパターンを形成したウェハーを、昇温プログラム式キュア炉(VF-2000型、光洋リンドバーグ社製)を用いて、窒素雰囲気下、230℃で2時間加熱処理することにより、Cu上に約6~7μm厚の樹脂からなる硬化レリーフパターンを得た。
(2)銅密着性試験
(1)で作製した硬化レリーフパターンの膜に、JIS K 5600-5-6規格のクロスカット法に準じて、銅基板/硬化樹脂塗膜間の接着特性を以下の基準に基づき評価した。
「◎」:基板に接着している硬化樹脂塗膜の格子数が100
「〇」:基板に接着している硬化樹脂塗膜の格子数が70~99
「△」:基板に接着している硬化樹脂塗膜の格子数が40~69
「×」:基板に接着している硬化樹脂塗膜の格子数が40未満
(3)Cu上の硬化レリーフパターンの高温保存(high temperature storage)試験と、その後のボイド面積評価
Cu上に該硬化レリーフパターンを形成したウェハーを、昇温プログラム式キュア炉(VF-2000型、光洋リンドバーグ社製)を用いて、空気中、150℃で168時間加熱した。続いて、プラズマ表面処理装置(EXAM型、神港精機社製)を用いて、Cu上の樹脂層を全てプラズマエッチングにより除去した。プラズマエッチング条件は下記の通りである。
出力:133W
ガス種・流量:O:40mL/分 + CF:1mL/分
ガス圧:50Pa
モード:ハードモード
エッチング時間:1800秒
樹脂層を全て除去したCu表面を、FE-SEM(S-4800型、日立ハイテクノロジーズ社製)によって観察し、画像解析ソフト(A像くん、旭化成社製)を用いて、Cu層の表面に占めるボイドの面積を算出した。
比較例1に記載の感光性樹脂組成物を評価した際のボイドの総面積を100%とした際に、ボイドの総面積比率が50%未満のものを「◎」、50%以上75%未満のものを「○」、75%以上100%未満のものを「△」100%以上のものを「×」と判定した。
<製造例1>((A)ポリイミド前駆体(ポリマーA-1)の合成)
4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gを2リットル容量のセパラブルフラスコに入れ、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)134.0g及びγ―ブチロラクトン400mlを加えて室温下で攪拌しながらピリジン79.1gを加えて、反応混合物を得た。反応による発熱の終了後、室温まで放冷し、更に16時間静置した。
次に、氷冷下において、反応混合物に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)206.3gをγ-ブチロラクトン180mlに溶解した溶液を、攪拌しながら40分かけて加え、続いて4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)93.0gをγ-ブチロラクトン350mlに懸濁した懸濁液を、攪拌しながら60分かけて加えた。更に室温で2時間攪拌した後、エチルアルコール30mlを加えて1時間攪拌した後に、γ-ブチロラクトン400mlを加えた。反応混合物に生じた沈殿物をろ過により取り除き、反応液を得た。
得られた反応液を3リットルのエチルアルコールに加えて、粗ポリマーからなる沈殿物を生成した。生成した粗ポリマーを濾取し、テトラヒドロフラン1.5リットルに溶解して粗ポリマー溶液を得た。得られた粗ポリマー溶液を28リットルの水に滴下してポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物を濾取した後に真空乾燥することにより、粉末状のポリマーA-1を得た。
このポリマーA-1の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、20,000であった。
<製造例2>(ポリイミド前駆体(ポリマーA-2)の合成)
上記製造例1において、4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gに代えて、3,3’4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)147.1gを用いた以外は、製造例1に記載の方法と同様にして反応を行うことにより、ポリマーA-2を得た。
このポリマーA-2の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、22,000であった。
<製造例3>(ポリイミド前駆体(ポリマーA-3)の合成)
上記製造例1において、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)93.0gに代えて、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)(190.7g)を用いた以外は製造例1に記載の方法と同様にして反応を行うことにより、ポリマーA-3を得た。
このポリマーA-3の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、21,000であった。
<製造例4>(ポリイミド前駆体(ポリマーA-4)の合成)
上記製造例1において、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)93.0gに代えて、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(m-TB)(98.6g)を用いた以外は製造例1に記載の方法と同様にして反応を行うことにより、ポリマーA-4を得た。
このポリマーA-4の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、21,000であった。
<製造例5>(ポリイミド前駆体(ポリマーA-5)の合成)
上記製造例1において、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)93.0gに代えて、p-フェニレンジアミン(p-PD)(50.2g)を用いた以外は製造例1に記載の方法と同様にして反応を行うことにより、ポリマーA-5)を得た。
このポリマーA-5の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、21,000であった。
<製造例6>(ポリイミド前駆体(ポリマーA-6)の合成)
上記製造例1において、4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gに代えて、ピロメリット酸無水物(PMDA)(54.5g)と4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)(77.6g)を用い、また、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)93.0gに代えて、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(m-TB)(98.6g)を用いた以外は製造例1に記載の方法と同様にして反応を行うことにより、ポリマーA-6を得た。
このポリマーA-6の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、21,000であった。
<製造例7>(ポリイミド前駆体(ポリマーA-7)の合成)
上記製造例1において、4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gに代えて、4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)(77.6g)と、3,3’4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)(73.6g)とを用いた以外は製造例1に記載の方法と同様にして反応を行うことにより、ポリマーA-7を得た。
このポリマーA-7の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、20,000であった。
<製造例8>(ポリイミド前駆体(ポリマーA-8)の合成)
上記製造例1において、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)93.0gに代えて、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)(160.1g)を用いた以外は製造例1に記載の方法と同様にして反応を行うことにより、ポリマーA-8を得た。
このポリマーA-8の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、21,000であった。
<製造例9>(ポリイミド前駆体(ポリマーA-9)の合成)
上記製造例1において、4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gに代えて、ピロメリット酸無水物(PMDA)(109.1g)を用い、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)93.0gに代えて、p-フェニレンジアミン(p-PD)(50.2g)を用いた以外は製造例1に記載の方法と同様にして反応を行うことにより、ポリマーA-9を得た。
このポリマーA-9の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、20,000であった。
<実施例1>
(A)ポリイミド前駆体として、ポリマーA-1(100g)、(B)トリアジン化合物としてB1(0.5g)、(C)光重合開始剤C-1としてO-ベンゾイル-N-(1-メチル-2-オキソ-2-フェニルエチリデン)ヒドロキシルアミン(4g)その他成分としてテトラエチレングリコールジメタクリレート(M4Gと略称、8g)、N-フェニルジエタノールアミン(DEAと略称、4g)、ガンマブチロラクトン及びDMSOからなる混合溶媒(重量比75:25)に溶解し、粘度が約35ポイズになるように溶媒の量を調整することにより、感光性樹脂組成物溶液とした。
この組成物について、上述の方法により評価した。評価結果は表1に示した。
<実施例2~24、比較例1~5>
表1~表3に記載の割合で樹脂組成物溶液とした以外は、実施例1と同様の方法で評価を行った。評価結果は表1及び表2に示した。
トリアジン化合物B1:2,4-ジアミノ-6-(2-{2-[(2-エチルへキシル)オキシカルボニル]エチルチオ}エチル)-1,3,5-トリアジン
Figure 2023023196000041
トリアジン化合物B2:2,4-ジアミノ-6-(2-{2-[(3-メトキシブチル)オキシカルボニル]エチルチオ}エチル)-1,3,5-トリアジン
Figure 2023023196000042
トリアジン化合物B3:2,4-ジアミノ-6-{2-[(2、3-ジヒドロキシプロピル)チオ]エチル}-1,3,5-トリアジン
Figure 2023023196000043
トリアジン化合物B4:2-(4,6-ジアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イルアミノ)エタノール
Figure 2023023196000044
トリアジン化合物B5:N-(3-トリメトキシシラニル-プロピル)-[1,3,5]トリアジン-2,4,6-トリアミン
Figure 2023023196000045
トリアジン化合物B6:N-(3-トリエトキシシラニル-プロピル)-[1,3,5]トリアジン-2,4,6-トリアミン
Figure 2023023196000046
トリアジン化合物B7:2-メルカプト-4,6-ビス[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-1,3,5-トリアジン
Figure 2023023196000047
トリアジン化合物B8:2-メルカプト-4,6-ビス[(3-トリエトキシシリルプロピル)アミノ]-1,3,5-トリアジン
Figure 2023023196000048
トリアジン化合物B9:2,4-ジアミノ-6-[2-(ヒドロキシエトキシ)エチル]-1,3,5-トリアジン
Figure 2023023196000049
トリアジン化合物B10:2,4-ジアミノ-6-(2-ヒドロキシエチル)オキシ-1,3,5-トリアジン
Figure 2023023196000050
トリアジン化合物B11:2,4-ジアミノ-6-[2-(ヒドロキシメチルカルボニルオキシ)エチル]-1,3,5-トリアジン
Figure 2023023196000051
トリアジン化合物B12:2-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-4,6-ビス(ジメチルアミノ)1,3,5-トリアジン
Figure 2023023196000052
含窒素化合物a:2,4,6-トリアミノ-1,3,5-トリアジン
Figure 2023023196000053
含窒素化合物b:3-アミノプロピルトリエトキシシラン:
Figure 2023023196000054
<比較例6>
トリアジン化合物B1を銅基板表面に直接塗布した以外は実施例1と同様の方法で評価を行った。なお、トリアジン化合物B1(0.5g)をガンマブチロラクトン(10g)に溶解させ、溶解液に対してCuウェハーを10分間浸漬し、B1を基板に塗布した。評価結果は表2に示した。
Figure 2023023196000055
Figure 2023023196000056
Figure 2023023196000057
表1~表3から明らかなように、トリアジン化合物を含有する実施例では、トリアジン化合物を含有しない比較例に比べて、銅とポリイミドとの密着性に優れ、また、高温環境下における銅ボイドの発生が好適に抑えられていた。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明の感光性樹脂組成物を用いることで、高温保存試験後においても、Cu層の、ポリイミド層に接する界面でボイドが発生せず密着性の高いものとなり、例えば半導体装置、多層配線基板等の電気・電子材料の製造に有用な感光性材料の分野において、好適に利用できる。

Claims (8)

  1. 以下の成分:
    (A)下記一般式(A1)で表されるポリイミド前駆体;
    (B)トリアジン化合物;及び
    (C)光重合開始剤;
    を含み、
    前記(B)トリアジン化合物は、トリアジン環の少なくとも1つの水素原子が、アミノ基、メルカプト基、(トリアルコキシシリルプロピル)アミノ基、ヒドロキシエトキシ基、(ヒドロキシエチル)アミノ基、ヒドロキシメチルカルボニルオキシアルキル基、アルキルオキシカルボニル基及びアルキルチオエチル基からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む置換基で置換されている、感光性樹脂組成物。
    Figure 2023023196000058
    {式中、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、下記一般式(R1):
    Figure 2023023196000059
    (一般式(R1)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~3の有機基であり、pは2~10から選ばれる整数である。)で表される1価の有機基、又は炭素数1~4の飽和脂肪族基である。但し、R及びRの両者が同時に水素原子であることはない。}
  2. 前記一般式(A1)において、前記Xが下記式(2)で表される構造を含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2023023196000060
  3. 前記一般式(A1)において、前記Yが下記式(8)で表される構造を含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2023023196000061
  4. 前記一般式(A1)において、前記Yが下記式(9)で表される構造を含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2023023196000062
  5. 前記(A)成分100質量部に対する前記(B)成分の含有量が0.05~5.0質量部である、請求項1~4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を硬化するポリイミドの製造方法。
  7. (1)請求項1~5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布して、感光性樹脂層を前記基板上に形成する工程と、
    (2)前記感光性樹脂層を露光する工程と、
    (3)露光後の前記感光性樹脂層を現像して、レリーフパターンを形成する工程と、
    (4)前記レリーフパターンを加熱処理して、硬化レリーフパターンを形成する工程と、
    を含む、硬化レリーフパターンの製造方法。
  8. 請求項7に記載の硬化レリーフパターンの製造方法により得られる硬化レリーフパターンを有して成る、半導体装置。
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