JP2017020856A - 歪みセンサ素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、所望の寸法及び所望の電気抵抗特性を有する歪みセンサ素子を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る歪みセンサ素子は、伸縮性を有する帯状の基板と、この基板に積層され、前記基板の長手方向に引き揃えられる複数のカーボンナノチューブを含む検出層と、前記検出層の両端部に配設される一対の電極とを備える歪みセンサ素子であって、前記検出層が、前記基板の幅方向に並列して配置される複数の検出領域を有することを特徴とする。前記複数の検出領域が、異なる電気抵抗を有するとよい。前記複数の検出領域が、異なる断面積を有するとよい。前記複数の検出領域が、帯状又は糸状であり、互いに離間して配設されるとよい。前記複数の検出領域が、検出層に形成される開口によって画定されるとよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、歪みセンサ素子に関する。
伸縮に対する抵抗体の抵抗変化から歪みを検出する歪みセンサ素子が知られている。また、このような抵抗体としては、一般的には金属や半導体が用いられている。しかしながら、金属や半導体は可逆的に伸縮可能な変形量が小さい。そのため、抵抗体として金属や半導体を用いた歪みセンサ素子は用途等に制限がある。
そこで、前記抵抗体として、カーボンナノチューブ(CNT)を用いた歪みセンサ素子が提案されている(特開2011−47702号公報参照)。この歪みセンサ素子は、所定方向に配向させた複数のカーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブ膜を有する。この歪みセンサは、カーボンナノチューブ膜がカーボンナノチューブの配向方向又は配向方向と垂直方向へ比較的大きく伸縮できるため、大きな歪みにも対応できる。
前記カーボンナノチューブ膜は、伸びによって裂け目を生じることによって部分的にカーボンナノチューブ間の電気的接触が絶たれることで電気抵抗が増大する。このような機構により電気抵抗が増大するカーボンナノチューブ膜は、伸び歪みに対する電気抵抗の変化率と例えばカーボンナノチューブ膜の厚さ等の製造上管理できるパラメーターとの関係が非線形であるため、電気抵抗の変化率を所望の値に調整することは容易ではない。
一方、歪みセンサ素子には、その用途に応じて、特定の寸法を有すると共に特定の電気抵抗特性(無負荷時の電気抵抗及び歪みに対する電気抵抗の変化率)を有することが要求される場合がある。従って、前記公報に記載の歪みセンサ素子の構成では、所望の寸法及び所望の電気抵抗特性を同時に得ることが難しいという不都合がある。
特開2011−47702号公報
前記不都合に鑑みて、本発明は、所望の寸法及び所望の電気抵抗特性を有する歪みセンサ素子を提供することを課題とする。
前記課題を解決するためになされた発明は、伸縮性を有する帯状の基板と、この基板に積層され、前記基板の長手方向に引き揃えられる複数のカーボンナノチューブを含む検出層と、前記検出層の両端部に配設される一対の電極とを備える歪みセンサ素子であって、前記検出層が、前記基板の幅方向に並列して配置される複数の検出領域を有することを特徴とする歪みセンサ素子である。
当該歪みセンサ素子は、前記検出層が、前記基板の幅方向に並列して配置される複数の検出領域を有することによって、基板の幅に拘わらず検出層の電気抵抗特性を設定することができるので、比較的正確に所望の寸法及び所望の電気抵抗特性が得られる。
前記複数の検出領域が、異なる電気抵抗を有するとよい。このように、前記複数の検出領域が異なる電気抵抗を有することによって、電気抵抗特性が異なる多様な歪みセンサ素子を実現できる。
前記複数の検出領域が、異なる断面積を有するとよい。このように、前記複数の検出領域が異なる断面積を有することによって、電気抵抗と引張応力との関係が異なる複数の検出領域を用い、より正確に所望の電気抵抗特性が得られる。
前記複数の検出領域が、帯状又は糸状であり、互いに離間して配設されるとよい。このように、前記複数の検出領域が帯状又は糸状であり、互いに離間して配設されることによって、既知の電気抵抗特性を有する帯状又は糸状の検出領域を選択してより正確に所望の電気抵抗特性が得られる。
前記複数の検出領域が、検出層に形成される開口によって画定されるとよい。このように、前記複数の検出領域が検出層に形成される開口によって画定されることによって、比較的容易に複数の検出領域を形成できる。
以上のように、本発明の歪みセンサ素子は、比較的正確に所望の寸法及び所望の電気抵抗特性を有することができる。
本発明の一実施形態の歪みセンサ素子を示す模式的平面図である。 図1の歪みセンサ素子の模式的A−A線断面図である。 図1の歪みセンサ素子の模式的B−B線断面図である。 本発明の図1とは異なる実施形態の歪みセンサ素子を示す模式的平面図である。 図4の歪みセンサ素子の模式的C−C線断面図である。 本発明の図1及び図4とは異なる実施形態の歪みセンサ素子を示す模式的平面図である。 図6の歪みセンサ素子の模式的D−D線断面図である。 本発明の図1、図4及び図6とは異なる実施形態の歪みセンサ素子を示す模式的平面図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
[第一実施形態]
図1、図2及び図3に示す本発明の第一実施形態の歪みセンサ素子は、伸縮性を有する帯状の基板1と、この基板1の一方の面側に積層され、基板1の長手方向に引き揃えられる複数のカーボンナノチューブを含む検出層2と、この検出層2の一方の面側の両端部に配設される一対の電極3と、基板1の検出層2と他方の面側の両端部に一対の電極3に対向するよう配設される一対の挟持シート4とを備える。
<基板>
基板1は、当該歪みセンサ素子の構造材であり、検出層2、一対の電極3及び一対の挟持シート4を保持する。また、基板1は、当該歪みセンサ素子が取り付けられた測定対象と共に伸縮し、この伸縮を検出層2に伝達することによって検出層2を測定対象と共に伸縮させる機能を果たす。
基板1の材質としては、柔軟性を有する限り特に限定されず、例えば合成樹脂、ゴム、不織布、変形可能な形状又は材質の金属や金属化合物等が挙げられ、好ましくは合成樹脂やゴムを主成分とし、柔軟性に優れるエラストマーが用いられる。
前記合成樹脂としては、例えばフェノール樹脂(PF)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)、尿素樹脂(ユリア樹脂、UF)、不飽和ポリエステル(UP)、アルキド樹脂、ポリウレタン(PUR)、熱硬化性ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)、アクリロニトリルスチレン樹脂(AS)、ポリメチルメタアクリル(PMMA)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、環状ポリオレフィン(COP)等が挙げられる。
前記ゴムとしては、例えば天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)、イソプレンゴム(IR)、エチレン・プロピレンゴム(EPDM)、ブタジエンゴム(BR)、ウレタンゴム(U)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム(Q)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム(CSM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、塩素化ポリエチレン(CM)、アクリルゴム(ACM)、エピクロルヒドリンゴム(CO,ECO)、フッ素ゴム(FKM)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等が挙げられる。中でも、強度等の点から天然ゴムが好ましい。
基板1の平均厚さの下限としては、10μmが好ましく、15μmがより好ましい。一方、基板1の平均厚さの上限としては、5mmが好ましく、2mmがより好ましい。基板1の平均厚さが前記下限に満たない場合、強度が不十分となるおそれがある。逆に、基板1の平均厚さが前記上限を超える場合、当該歪みセンサ素子が不必要に厚くなるおそれや、当該歪みセンサ素子の弾性率が不必要に大きくなり測定対象の変形を阻害するおそれがある。
<検出層>
検出層2は、基板1の長手方向に延伸することによりカーボンナノチューブ同士が次第に離間して電気抵抗が増大する。また、この延伸した検出層2は、収縮することによりカーボンナノチューブ同士が再度接触して電気抵抗が減少する。このように、検出層2は、基板1と一体に伸縮するよう、例えば接着剤により基板1に接着される。
当該歪みセンサ素子において、検出層2は、基板1の幅方向に並列するよう互いに離間して配置される複数の検出領域5,6を有する。これらの検出領域5,6は、それぞれ帯状に形成されている。また、この検出領域5,6は、後述する一対の電極3によって両端がそれぞれ電気的に接続されている。換言すると、検出領域5,6は、一対の電極3間に、電気的に並列に接続されている。
これらの検出領域5,6は、互いに異なる電気抵抗を有する。具体的には、図3に示すように、検出領域5,6は、同じ素材から構成され、互いに幅(ひいては断面形状)だけが異なることによって断面積が異なっている。これらの検出領域5,6は、伸び歪みがない状態では、一対の電極3間でそれぞれの幅に略反比例して互いに異なる電気抵抗を有する。しかしながら、伸び歪みがある状態(延伸状態)における検出領域5,6の電気抵抗は、必ずしもその幅に反比例する値とはならない。これは、検出領域5,6の伸び歪みに対する電気抵抗の変化が、以下に詳しく説明するカーボンナノチューブ間の接離によって生じるためである。従って、検出領域5,6は、一定の製造条件により一定の電気抵抗特性(伸び歪みがない状態の値及び伸び歪みに対する変化率)が確保できることが明らかとなっているカーボンナノチューブ膜の帯状体の中から、検出領域5,6の並列抵抗が所望の電気抵抗特性となるよう選択されたものである。
検出層2すなわち検出領域5,6は、基板1の長手方向に引き揃えられる複数のカーボンナノチューブを含む芯材部5a,6aと、絶縁性エラストマーを主成分とし、芯材部5a,6aの少なくとも一方側及び他方側の表面を覆う被覆部5b,6bとを有する。
(芯材部)
芯材部5a,6aは、カーボンナノチューブ又は複数のカーボンナノチューブから形成される長尺のカーボンナノチューブ繊維を主に含む。また、芯材部5a,6aは、カーボンナノチューブ繊維の接触し易さを調整するために、例えば合成樹脂製繊維等の他の繊維を含んでもよい。なお、複数のカーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブ繊維は、カーボンナノチューブの端部同士が連結する連結部を有する。つまり、カーボンナノチューブは、前記引き揃え方向に互いに連結し合う。逆にいうと、このようにカーボンナノチューブが連結したカーボンナノチューブ繊維を使用することにより、複数のカーボンナノチューブを一方向に引き揃えた薄膜状の芯材部5a,6aを容易に形成することができる。このように複数のカーボンナノチューブが一方向に引き揃えられた芯材部5a,6aは、複数のカーボンナノチューブが引き揃え方向に互いに接触して導通する。
また、芯材部5a,6aを構成する複数のカーボンナノチューブ繊維は、網目構造を形成していてもよい。具体的には、複数のカーボンナノチューブ繊維はカーボンナノチューブ同士が連結する連結部等により網目状に連結又は接触していてもよい。この際、この連結部では3つ以上のカーボンナノチューブの端部が結合していてもよく、2つのカーボンナノチューブの端部と他の単繊維の中間部とが結合していてもよい。複数のカーボンナノチューブ繊維がこのような網目構造を形成することで、カーボンナノチューブ繊維同士が密接し、芯材部5a,6aの抵抗を下げることができる。
さらに、芯材部5a,6aは、長手方向に配向する複数のカーボンナノチューブ繊維からなるカーボンナノチューブ繊維束を有してもよい。芯材部5a,6aが長手方向に配向する複数のカーボンナノチューブ繊維束を有する場合、芯材部5a,6aが伸縮方向に延伸されるよう歪みが加わった際にカーボンナノチューブ繊維の切断、離間、カーボンナノチューブ繊維束の切断空間(ギャップ)の伸縮等により芯材部5a,6aの抵抗がより的確に変化する。
より具体的には、前記カーボンナノチューブ繊維束は、複数のカーボンナノチューブ繊維からなるバンドル構造となっており、このカーボンナノチューブ繊維束の任意の横断面においては、切断されないカーボンナノチューブ繊維と、カーボンナノチューブ繊維が切断及び離間したギャップの両方が存在することになる。また、複数のカーボンナノチューブ繊維束は、表層が絶縁性エラストマーを主成分とする材料で被覆されているので、このギャップ内の圧力は大気圧よりも低い(負圧である)と考えられるため、当該歪みセンサ素子の収縮時(歪みの解放時)にはこのギャップの収縮力によって歪みセンサ素子の収縮が付勢される。さらに、このギャップ内ではカーボンナノチューブ繊維同士の摩擦が低減されるため、カーボンナノチューブ繊維の動きが制限され難い。
なお、芯材部5a,6aは、複数のカーボンナノチューブ繊維又は複数のカーボンナノチューブ繊維束を平面状に略平行に配置した単層構造からなってもよいし、多層構造からなってもよい。但し、ある程度の導電性を確保するためには、多層構造とすることが好ましい。
カーボンナノチューブとしては、単層のシングルウォールナノチューブ(SWNT)や、多層のマルチウォールナノチューブ(MWNT)のいずれも用いることができるが、導電性及び熱容量等の点から、MWNTが好ましく、直径1.5nm以上100nm以下のMWNTがさらに好ましい。
前記カーボンナノチューブは、公知の方法で製造することができ、例えばCVD法、アーク法、レーザーアブレーション法、DIPS法、CoMoCAT法等により製造することができる。これらの中でも、所望するサイズのカーボンナノチューブ(MWNT)を効率的に得ることができる点から、鉄を触媒とし、エチレンガスを用いたCVD法により製造することが好ましい。この場合、石英ガラス基板や酸化膜付きシリコン基板等の基板上に触媒となる鉄又はニッケル薄膜を成膜し、カーボンナノチューブを垂直配向成長させることによって、所望の長さのカーボンナノチューブの結晶を得ることができる。
(被覆部)
絶縁性エラストマーを主成分とする被覆部5b,6bは、芯材部5a,6aを被覆し、好ましくは芯材部5a,6aの表層及び裏層(一方側の面又は他方側の面に近い領域)に含浸する。これにより、複数のカーボンナノチューブ繊維は、この絶縁性エラストマーの弾性力によって伸縮可能となる。また、複数のカーボンナノチューブ繊維から構成されるCNT繊維束の表面が絶縁性エラストマーで被覆されることで、この絶縁性エラストマーは複数のカーボンナノチューブ繊維の伸縮方向をガイドするガイド部材としても機能する。その結果、当該歪みセンサ素子は、伸長時に離間されたカーボンナノチューブ繊維同士を収縮時に再度同一部位で再接触させることが可能となり、繰り返し使用した際の伸縮歪みの検出精度の低下を防止することができる。芯材部5a,6aの下側にある被覆部5b,6bは、基板1の一部で構成されてもよい。また、芯材部5a,6aの上側にある被覆部5b,6aは、芯材部5a,6aの上面から絶縁性エラストマーを塗布することで形成してもよい。すなわち、芯材部5a,6a、被覆部5b,6b及び基板1の積層体は、カーボンナノチューブ繊維の層を一対の絶縁性エラストマーで挟み込んだ3層構造であってもよい。また、検出層2の少なくとも一方の面、つまり上側の被覆部5b,6bの上面及び下側の被覆層5b,6bの下面の少なくとも一方、又は基板1の下面に、歪みセンサの弾性力を高めるためのアシスト樹脂がさらに積層されていてもよい。
さらに、かかる構成の検出領域5,6は、複数のカーボンナノチューブ繊維間の当接関係が維持され易く、複数のカーボンナノチューブ繊維の伸縮性を比較的調整し易い。従って、芯材部5a,6aの伸縮歪みをさらに精度よく検出することができる。
被覆部5b,6bを形成する絶縁性エラストマーとしては、基板1を形成するエラストマーと同様の材料を用いることができる。
また、被覆部5b,6bを形成する絶縁性エラストマーを主成分とする材料は、水性エマルジョンの塗工により芯材部5a,6aに被覆されているとよい。前記水性エマルジョンとは、分散媒の主成分が水であるエマルジョンをいう。カーボンナノチューブは疎水性が高いため、水性エマルジョンを用いた塗工により絶縁性エラストマーを被覆させると、この絶縁性エラストマーは複数のカーボンナノチューブ繊維間に完全には入り込まない。つまり、複数のカーボンナノチューブ繊維の間には部分的に絶縁性エラストマーが含浸するが、この絶縁性エラストマーは各カーボンナノチューブ繊維の厚さ方向の断面における全領域には付着しない。これにより、絶縁性エラストマーが複数のカーボンナノチューブ繊維間に完全にしみ込んで、芯材部5a,6aの抵抗変化に影響を及ぼすことを抑制し、絶縁性エラストマーの存在に起因する芯材部5a,6aの歪みに対する感度の低下を抑えることができる。
前記水性エマルジョンの分散媒の主成分は、水であるが、その他の例えばアルコール等の親水性分散媒が含有されていてもよい。
好ましいエマルジョンとしては、分散媒を水とし、ゴムを分散質とするいわゆるラテックスが挙げられ、天然ゴムラテックスが好ましい。天然ゴムラテックスを用いることで、薄くかつ強度のある被膜を形成することができる。
また、前記絶縁性エラストマーを主成分とする材料はカップリング剤を含有しているとよい。絶縁性エラストマーを主成分とする材料がカップリング剤を含有することで、絶縁性エラストマーとカーボンナノチューブ繊維とを架橋し、絶縁性エラストマーとカーボンナノチューブ繊維との接合力を向上させることができる。
前記カップリング剤としては、例えばアミノシランカップリング剤、アミノチタンカップリング剤、アミノアルミニウムカップリング剤等のアミノカップリング剤やシランカップリング剤などを用いることができる。
また、絶縁性エラストマーを主成分とする材料はカーボンナノチューブ繊維に対する吸着性を有する分散剤を含有することが好ましい。このような吸着性を有する分散剤としては、例えば吸着基部分が塩構造になっているもの(例えばアルキルアンモニウム塩等)、カーボンナノチューブ繊維の疎水性の基(例えばアルキル鎖や芳香族リング等)と相互作用できる親水性の基(例えばポリエーテル等)を分子中に有するもの等を用いることができる。
このような構成からなる検出領域5,6は、芯材部5a,6aの複数のカーボンナノチューブが基板1の長手方向に互いに接触することによって基板1の長手方向には比較的小さい電気抵抗を示すが、基板1の幅方向及び厚さ方向には、カーボンナノチューブ間の接触が少なく、比較的大きい電気抵抗を示す。
検出層2の歪みがない状態での電気抵抗(一対の電極3間で測定される芯材部5a,6aの並列抵抗)の下限としては、10Ωが好ましく、100Ωがより好ましい。一方、検出層2の歪みがない状態での電気抵抗の上限としては、100kΩが好ましく、10kΩがより好ましい。検出層2の歪みがない状態での電気抵抗が前記下限に満たない場合、伸び歪みを検出するための電流が大きくなり当該歪みセンサ素子の消費電力が大きくなるおそれがある。逆に、検出層2の歪みがない状態での電気抵抗が前記上限を超える場合、検出回路の電圧が高くなり、当該歪みセンサ素子の出力を処理する装置の小型化や省電力化が困難となるおそれがある。
検出領域5,6の長手方向の平均長さとしては、特に限定されず、当該歪みセンサ素子を用いる測定対象に応じて自由に選択することができるが、例えば1cm以上20cm以下とすることができる。
検出領域5,6の平面視で一対の電極3間に挟まれる領域における長手方向の平均長さは、当該歪みセンサ素子を用いる測定対象に応じて自由に選択することができる。前記平均長さとしては、例えば2mm以上18cm以下とすることができる。
検出領域5,6の平面視で一対の電極3と重複する領域における長手方向の平均長さは、測定対象への固定方法、電極3への配線方法等に応じて適宜選択されるが、例えば3mm以上5cm以下とすることができる。
検出領域5,6の平均幅は、当該歪みセンサ素子を用いる測定対象に応じて自由に選択することができる。検出領域5,6の平均幅の下限としては、1mmが好ましく、2mmがより好ましい。一方、検出領域5,6の平均幅の上限としては、5cmが好ましく、3cmがより好ましい。検出領域5,6の平均幅が前記下限に満たない場合、検出領域5,6の電気抵抗が過度に大きくなったり、ばらついたりするおそれがある。逆に、検出領域5,6の平均幅が前記上限を超える場合、当該歪みセンサ素子が大きくなり、適用可能な測定対象が過度に限定されるおそれがある。
検出層2(検出領域5,6)の平均厚さの下限としては、1μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、検出層2の平均厚さの上限としては、5mmが好ましく、1mmがより好ましい。検出層2の平均厚さが前記下限に満たない場合、検出層2の形成が困難になるおそれや、抵抗が上昇しすぎるおそれがある。逆に、検出層2の平均厚さが前記上限を超える場合、歪みに対する感度が低下するおそれがある。
<電極>
一対の電極3は、基板1の両端部の一方の面側に検出領域5,6の両端部を覆うよう積層される。この電極3と検出領域5,6の芯材部5a,6aとは電気的に接続される。
電極3と芯材部5a,6aとの接続方法としては、特に限定されないが、芯材部5a,6aが露出する検出領域5,6の端面と電極3の端面とに跨るよう導電性接着剤等を盛り付ける方法、電極3又は電極3と電気的に接続される部材に検出領域5,6の被覆部5b,6bを貫通させる方法等が挙げられる。
電極3は当該歪みセンサ素子の検出信号を電気的に取り出すための端子として使用される。また、電極3は、当該歪みセンサ素子の使用中に実質的に伸縮しない。なお、「実質的に伸縮しない」とは、当該歪みセンサ素子を用いた測定中における平面視で一対の電極3間に配設される領域(以下、「伸縮領域」ともいう。)の長手方向の伸縮率に対する電極3の長手方向の伸縮率の比が、1/100以下、好ましくは1/1000以下であることを意味する。
また、当該歪みセンサ素子を用いた測定中における電極3の伸縮率に対する伸縮領域の伸縮率の比の桁数としては、測定における有効数値の桁数より大きいことが好ましく、2桁以上大きいことがより好ましい。
電極3を構成する材料としては、十分な非伸縮性(引張強度)と導電性とを有するものであれば特に限定されないが、例えば金属箔、導電性織布等が使用される。また、電極3は、少なくとも外面に配置される導電層と、非伸縮性を付与する補強材層とを有する積層体であってもよい。前記金属箔の材質としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼等が挙げられる。また、前記導電性織布としては、導電性を有する金属やカーボンの繊維を含むものが使用できる。さらに、電極3の表面を金等の腐食しにくい材料で被覆してもよい。また、セラミックスの表面を金等で被覆することで電極3を構成してもよい。
電極3の平均厚みの下限としては、10μmが好ましく、50μmがより好ましい。一方、電極3の平均厚みの上限としては、1mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。電極3の平均厚みが前記下限に満たない場合、曲げ等により電極3が破断するおそれがある。逆に、電極3の平均厚みが前記上限を超える場合、当該歪みセンサ素子が不必要に厚くなるおそれや、非伸縮領域の可撓性が不足して測定対象に適切に貼着できないおそれがある。
電極3は、例えば検出層2の非存在領域に充填される接着剤Pを用いて積層することができる。またこの接着剤Pとしては、例えば粘着剤、硬化性接着剤、熱可塑性接着剤等が使用できる。前記粘着剤としては、例えばアクリル系粘着剤等が挙げられる。前記硬化性接着剤としては、エポキシ系接着剤等が挙げられる。また、前記接着剤としては、合成樹脂中に導電性フィラーを含有する導電性接着剤を用いることもできる。
(挟持シート)
挟持シート4は、非伸縮領域の他方の面を覆うよう基板1の他方の面に積層されている。挟持シート4は、例えば接着剤を用いて積層することができる。この接着剤としては、電極3を積層するために使用されるものと同様のものを用いることができる。
この挟持シート4は、電極3と同様に、当該歪みセンサ素子の使用中に実質的に伸縮せず、非伸縮領域の伸縮を防止する。つまり、挟持シート4は、電極3との間に基板1及び検出層2の非伸縮領域を挟み込むことで、非伸縮領域の伸縮をより確実に防止する。このため、挟持シート4を備えることにより、当該歪みセンサ素子は、基板1及び検出層2の非伸縮領域と伸縮領域とがより明確に区分される。従って、当該歪みセンサ素子は、伸縮量と検出層2の電気抵抗との相関が高く、歪の検出精度に優れる。
挟持シート4の材質としては、十分な非伸縮性を有するものであればよく、導電性のものであっても絶縁性のものであってもよい。具体的には、挟持シート4としては、例えばポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等を主成分とする樹脂製シート、ガラスクロス等の織布などを使用することができ、電極3と同様のものを使用することもできる。また、挟持シート4として、予め粘着剤が積層された市販の粘着テープを使用してもよい。
挟持シート4の平均厚みの下限としては、20μmが好ましく、50μmがより好ましい。一方、挟持シート4の平均厚みの上限としては、1mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。挟持シート4の平均厚みが前記下限に満たない場合、曲げ等により挟持シート4が破断するおそれがある。逆に、挟持シート4の平均厚みが前記上限を超える場合、当該歪みセンサ素子が不必要に厚くなるおそれや、非伸縮領域の可撓性が不足して測定対象に適切に貼着できないおそれがある。
対向し合う電極3と挟持シート4とは、例えばボルト、リベット、クランプ等の締結部材(不図示)により挟持されてもよい。この締結部材は、基板1、検出層2、電極3及び、挟持シート4を貫通してもよい。また、締結部材は、測定対象に当該歪みセンサ素子を固定するための部材と兼用されてもよい。
<製造方法>
当該歪みセンサ素子は、一方向に引き揃えられる複数のカーボンナノチューブを含む芯材層と、絶縁性エラストマーを主成分とし、前記芯材層の少なくとも一方側及び他方側の表面を覆う被覆層とを有する、つまり検出層2と同じ積層構造を有するシート体(カーボンナノチューブ膜)を形成する工程と、このシート体の切断により帯状の検出領域5,6を形成する工程と、基板1の一方の面に検出層2(検出領域5,6)を貼着する工程と、基板1の一方の面に一対の電極3を配設する工程と、基板1の他方の面に一対の挟持シート4を配設する工程とを備える方法により製造することができる。
<利点>
当該歪みセンサ素子は、検出層2が、基板1の幅方向に並列して配置される複数の検出領域5,6を有するので、基板1の幅に拘わらず検出領域5,6の幅、ひいては電気抵抗特性を設定することができる。このため、当該歪みセンサ素子は、比較的正確に所望の寸法及び所望の電気抵抗特性を有することができる。
[第二実施形態]
図4及び図5に示す本発明の第二実施形態の歪みセンサ素子は、伸縮性を有する帯状の基板1と、この基板1の一方の面側に積層され、基板1の長手方向に引き揃えられる複数のカーボンナノチューブを含む検出層12と、この検出層12の一方の面側の両端部に配設される一対の電極3と、基板1の検出層12と他方の面側の両端部に一対の電極3に対向するよう配設される一対の挟持シート4とを備える。
図4の歪みセンサ素子における基板1、電極3及び挟持シート4は、図1の歪みセンサ素子における基板1、電極3及び挟持シート4と同様であるため、同じ符号を付して重複する説明を省略する。
<検出層>
検出層12は、基板1の長手方向に延伸することによりカーボンナノチューブ同士が次第に離間して電気抵抗が増大する。また、この延伸した検出層12は、収縮することによりカーボンナノチューブ同士が再度接触して電気抵抗が増大する。
当該歪みセンサ素子において、検出層12は、基板1の幅方向に並列するよう互いに離間して配置される複数の検出領域15,16,17を有する。これらの検出領域15,16,17は、それぞれ糸状に形成されている。また、この検出領域15,16,17は、一対の電極3によって両端がそれぞれ電気的に接続されている。換言すると、検出領域15,16,17は、一対の電極3間に、電気的に並列に接続されている。
一の検出領域15は、他の検出領域16,17とは異なる電気抵抗を有する。具体的には、図5に示すように、一の検出領域15は、他の検出領域16,17と異なる径を有する。すなわち、検出領域15との検出領域16,17とは断面積が異なっている。これら検出領域15,16,17は、一定の製造条件により一定の電気抵抗特性(伸び歪みがない状態の値及び伸び歪みに対する変化率)が確保できることが明らかとなっているカーボンナノチューブ糸の中から、並列抵抗が所望の電気抵抗特性となるよう選択されたものである。
検出領域15,16,17を形成するカーボンナノチューブ糸は、基板1の長手方向に引き揃えられた複数のカーボンナノチューブを糸状に束ねた芯材部15a,16a,17aと、絶縁性エラストマーを主成分とし、芯材部15a,16a,17aの周面を覆う被覆部15b,16b,17bとを有する。
図4の歪みセンサ素子の検出層12(検出領域15,16,17)の長さ及び検出層12の電気抵抗(検出領域15,16,17の並列抵抗)としては、図1の歪みセンサ素子の検出層2(検出領域5,6)の長さ及び検出層2の電気抵抗(検出領域5,6の並列抵抗)と同様とすることができる。
(芯材部)
芯材部15a,16a,17aは、一方向に引き揃えられた複数のカーボンナノチューブが互いにオーバーラップしながら接触し、電気的に接続されることによって電流パスを形成することで導電性を有する。このような構成の芯材部15a,16a,17aは、特にカーボンナノチューブ間の接触面積が限られることによってある程度の電気抵抗を示す。そして、芯材部15a,16a,17aが長手方向に伸縮すると、カーボンナノチューブ同士の接触具合に変化が起こり、芯材部15a,16a,17aの電気抵抗に変化を生じる。
芯材部15a,16a,17aには、電気抵抗を調整するために絶縁性の繊維が混糸されていてもよい。図4の歪みセンサ素子の芯材部15a,16a,17aを形成するカーボンナノチューブとしては、図1の歪みセンサ素子の芯材部5a,6aを形成するカーボンナノチューブと同様とすることができる。
芯材部15a,16a,17aの平均径の下限としては、0.5μmが好ましく、5μmがより好ましい。一方、芯材部15a,16a,17aの平均径の上限としては、5mmが好ましく、1mmがより好ましい。芯材部15a,16a,17aの平均径が前記下限に満たない場合、カーボンナノチューブの連続的な接触を確保できず導通が得られないおそれがある。逆に、芯材部15a,16a,17aの平均径が前記上限を超える場合、芯材部15a,16a,17aを形成することが容易ではなくなるおそれや、芯材部15a,16a,17aの中心部のカーボンナノチューブが不規則に移動して検出精度が不十分となるおそれがある。
(被覆部)
被覆部15b,16b,17bは、芯材部15a,16a,17aを被覆し、好ましくは芯材部15a,16a,17aの表層及び裏層(一方側の面又は他方側の面に近い領域)に含浸する。これにより、複数のカーボンナノチューブ繊維は、この絶縁性エラストマーの弾性力によって伸縮可能となる。また、複数のカーボンナノチューブ繊維が絶縁性エラストマーで被覆されることで、この絶縁性エラストマーは複数のカーボンナノチューブ繊維の伸縮方向をガイドするガイド部材としても機能する。その結果、当該歪みセンサ素子は、伸長時に離間されたカーボンナノチューブ繊維同士を収縮時に再度同一部位で再接触させることが可能となり、繰り返し使用に基づく伸縮歪みの検出精度の低下を防止することができる。
芯材部15a,16a,17aの外周面上の被覆部15b,16b,17bの平均厚さの下限としては、0.1μmが好ましく、0.2μmがより好ましい。一方、芯材部15a,16a,17aの外周面上の被覆部15b,16b,17bの平均厚さの上限としては、2mmが好ましく、1mmがより好ましい。芯材部15a,16a,17aの外周面上の被覆部15b,16b,17bの平均厚さが前記下限に満たない場合、芯材部15a,16a,17aの保護が不十分となるおそれがある。逆に、芯材部15a,16a,17aの外周面上の被覆部15b,16b,17bの平均厚さが前記上限を超える場合、当該歪みセンサ素子の伸縮を阻害するおそれがある。
図4の歪みセンサ素子の検出層12の被覆部15b,16b,17bの材質としては、図1の歪みセンサ素子の検出層2の被覆部5b,6bの材質と同様とすることができる。
<利点>
当該歪みセンサ素子は、基板1の一方の面側に並べて配設される複数の検出領域15,16,17の組合せを選択することによって、検出層12の電気抵抗特性(伸び歪みがないときの値及び伸び歪に対する変化率)を基板1の寸法に拘わらず比較的正確に所望のものとすることができる。
[第三実施形態]
図6及び図7に示す本発明の第三実施形態の歪みセンサ素子は、伸縮性を有する帯状の基板1と、この基板1の一方の面側に積層され、基板1の長手方向に引き揃えられる複数のカーボンナノチューブを含む検出層22と、この検出層22の一方の面側の両端部に配設される一対の電極3と、基板1の検出層22と他方の面側の両端部に一対の電極3に対向するよう配設される一対の挟持シート4とを備える。
図6の歪みセンサ素子における基板1、電極3及び挟持シート4は、図1の歪みセンサ素子における基板1、電極3及び挟持シート4と同様であるため、同じ符号を付して重複する説明を省略する。
<検出層>
検出層22は、基板1の幅方向に並列するよう離間して配設され、一対の電極3間に電気的に並列に接続される複数の検出領域25,26を有する。
これらの検出領域25,26は、図7に示すように、互いに等しい幅を有するものの、互いに異なる断面形状を有する。具体的には、一方の検出領域25は厚さが一定の長方形状の断面形状を有し、他方の検出領域26は厚さが幅方向に連続的に変化する楔状(三角形状)の断面形状を有する。これにより、検出領域25,26は、互いに異なる断面積及び互いに異なる延伸時の開裂特性を有するので、伸び歪みがない状態での電気抵抗及び伸び歪みに対する電気抵抗の変化率が互いに異なる。
検出領域25,26は、基板1の長手方向に引き揃えられた複数のカーボンナノチューブを含む芯材部25a,26aと、絶縁性エラストマーを主成分とし、芯材部25a,26aの一方側及び他方側の面を覆う被覆部25b,26bとを有する。
図6の歪みセンサ素子における芯材部25a,26a及び被覆部25b,26bの構成は、その断面形状を除いて、図1の歪みセンサ素子における芯材部5a,6a及び被覆部5b,6bの構成と同様とすることができる。
図6の歪みセンサ素子の検出層22(検出領域25,26)の長さ及び検出層22の電気抵抗(検出領域25,26の並列抵抗)としては、図1の歪みセンサ素子の検出層2(検出領域5,6)の長さ及び検出層2の電気抵抗(検出領域5,6の並列抵抗)と同様とすることができる。
<利点>
当該歪みセンサ素子は、基板1の一方の面側に並べて配設される複数の検出領域25,26の断面形状を異ならせることにより、得られる検出層2の電気抵抗、すなわち検出領域25,26の並列抵抗の可能な組合わせがより多様となる。これによって、当該歪みセンサ素子の電気抵抗特性をより容易に所望のものとすることができる。
[第四実施形態]
図8に示す本発明の第四実施形態の歪みセンサ素子は、伸縮性を有する帯状の基板1と、この基板1の一方の面側に積層され、基板1の長手方向に引き揃えられる複数のカーボンナノチューブを含む検出層32と、この検出層32の一方の面側の両端部に配設される一対の電極3と、基板1の検出層32と他方の面側の両端部に一対の電極3に対向するよう配設される一対の挟持シート(不図示)とを備える。
図8の歪みセンサ素子における基板1、電極3及び挟持シートは、図1の歪みセンサ素子における基板1、電極3及び挟持シートと同様であるため、同じ符号を付して重複する説明を省略する。
<検出層>
検出層32は、基板1の長手方向に引き揃えられる複数のカーボンナノチューブを含む芯材層と、絶縁性エラストマーを主成分とし、芯材層の少なくとも一方側及び他方側の表面を覆う被覆層とを有するシート体(カーボンナノチューブ膜)から形成される。
この検出層32は、基板1の幅方向に延在するスリット状の開口32aが形成されることによって、この開口32aの幅方向両側に検出領域35,36が画定されている。
図8の歪みセンサ素子における検出層32の積層構造は、図1の歪みセンサ素子における検出層2の積層構造と同様とすることができる。従って、図8の歪みセンサ素子は、図1の歪みセンサ素子の検出領域5,6を電極3の積層領域及びその近傍で前記シート体により接続したものと考えることができる。このため、図8の歪みセンサ素子における検出層32の長さ及び電気抵抗(検出領域35,36の並列抵抗)は、図1の歪みセンサ素子における検出層2の寸法及び電気抵抗(検出領域5,6の並列抵抗)と同様である。
ここで、カーボンナノチューブを一方向に引き揃えた芯材層を有する検出層32は、カーボンナノチューブの引き揃え方向(基板1の長手方向)には比較的小さい電気抵抗率を示すが、カーボンナノチューブの引き揃え方向に垂直な方向(基板1の幅方向)には比較的大きい電気抵抗率を示す。従って、図8の歪みセンサ素子は、検出領域35,36の一部が前記シート体によって接続されているが、図1の歪みセンサ素子と近似する電気抵抗特性(伸び歪みがない状態の値及び伸び歪に対する変化率)を有する。
<利点>
この実施形態の歪みセンサ素子は、例えば基板1に検出層2を構成するカーボンナノチューブ膜を積層し、その上からさらに絶縁性エラストマーを塗布した3層構造の積層体を所定の形状(帯状)に切断し、切り出した積層体に電極並びに挟持シートを配設することによって形成することができる。このように形成したものに、検出領域35,36を検出層32の開口32aによって画定することで、当該歪みセンサ素子の製造が容易となる。開口の仕方は例えば金型を用いて打ち抜きで行うことができる。また、例えばカッターナイフ等でカーボンナノチューブの引き揃え方向に交差する方向に切れ溝を入れるだけでも同様の効果を得られると考えられる。
[その他の実施形態]
前記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、前記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて前記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
当該歪みセンサ素子において、複数の検出領域の全て又は一部が同一の断面形状及び電気抵抗を有するものであってもよい。また、当該歪みセンサ素子の検出層は、帯状の検出領域と糸状の検出領域とを有してもよい。
当該歪みセンサ素子において、複数の検出領域の断面形状を異ならせる場合、上述の第三実施形態のように検出層(検出領域)の厚さが幅方向に連続的に変化するものを設ける以外に、互いに厚さが異なる長方形断面の複数の検出領域を設けてもよい。また、同一の断面形状を有する芯材部に断面形状の異なる被覆部を設けてもよい。また、被覆部の芯材部への含浸深さを異ならせることによっても、検出領域の電気抵抗特性(特に変化率)を異ならせ得る。また、検出領域に異なるパターンで伸縮を規制する部材を配設することによって、検出領域の電気抵抗の変化率を異ならせてもよい。
当該歪みセンサ素子は、芯材部の伸縮を部分的に制限するよう、長手方向に不連続に被覆層の厚さや材質を異ならせたり、被覆層に別の部材を取り付けてもよい。これにより、検出領域の伸縮に節を形成し、検出領域の伸び歪に対する電気抵抗の変化の線形成を向上することができる。
当該歪みセンサ素子において、複数の検出領域を検出層に形成した開口によって画定する場合、検出層の長手方向中央部で検出領域が接続されるように1又は複数の開口を設けてもよい。
当該歪みセンサ素子は、検出層を被覆する層をさらに備えてもよい。
本発明に係る歪みセンサ素子は、ウェアラブルデバイス等のセンサとして好適に利用できる。
1 基板
2,12,22,32 検出層
3 電極
4 挟持シート
5,6,15,16,17,25,26,35,36 検出領域
5a,6a,15a,16a,17a,25a,26a 芯材部
5b,6b,15b,16b,17b,25b,26b 被覆部
32a 開口
P 接着剤

Claims (5)

  1. 伸縮性を有する帯状の基板と、この基板に積層され、前記基板の長手方向に引き揃えられる複数のカーボンナノチューブを含む検出層と、前記検出層の両端部に配設される一対の電極とを備える歪みセンサ素子であって、
    前記検出層が、前記基板の幅方向に並列して配置される複数の検出領域を有することを特徴とする歪みセンサ素子。
  2. 前記複数の検出領域が、異なる電気抵抗を有する請求項1に記載の歪みセンサ素子。
  3. 前記複数の検出領域が、異なる断面積を有する請求項1又は請求項2に記載の歪みセンサ素子。
  4. 前記複数の検出領域が、帯状又は糸状であり、互いに離間して配設される請求項1、請求項2又は請求項3に記載の歪みセンサ素子。
  5. 前記複数の検出領域が、検出層に形成される開口によって画定される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の歪みセンサ素子。
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