JP2017020514A - 遠心圧縮機 - Google Patents
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Abstract
Description
可変ディフューザには、ディフューザ翼の回動、スライドにより通路面積を可変にすることで、前記のケーシングトリートメントに対し、大幅に作動範囲を拡大することが可能である。
しかしながら、複雑な駆動機構が必要となり、コストがかかる。また、摺動部の信頼性、摺動部のすき間による性能低下、ガス漏れ等の課題がある。
特許文献1には、インペラー外周空気通路に開口する入口スリットから空気の一部を取り入れて、再循環通路を通して出口スリットから入口空気通路に流出するコンプレッサにおいて、出口スリットから入口空気通路への空気流出中心線がインペラーに向かうように、一定角度傾斜して設けられる技術が示されている。
また、ディフューザ部に流量調整弁を設けての改善では、流量調整弁の駆動機構が必要になりコスト増を招くとともに、低流量側での作動範囲の大幅な改善は望めない。
従って、低流量側での更なる改善が必要であった。
高流量時においては、抵抗体の影響による流れの偏りは低流量時に比べて少なく翼前縁の翼高さ方向にハブ側からシュラウド側先端までの全域に渡って流入するが、流量の低下に従って、低流量時においては、前記抵抗体によって前記インペラーホイールの翼への流入速度が上昇されるとともに、前記吸気通路の内周壁側部分に設けた内周抵抗体によって、吸気を翼のハブ側に偏らせることができる。
また、内周抵抗体によって、吸気流を翼のハブ側に偏って流入させることで、小型の羽根を使用している状態と同様の使用状態となり、低流量であっても性能(圧力比)低下を抑えることができる。
該排気ターボ過給機1は、図示されない内燃機関の排ガスによって駆動されるタービンロータの回転力が、回転軸5を介してインペラーホイール7に伝達されるようになっている。
図1〜図4Bを参照して、第1参考形態を説明する。
第1参考形態は、吸気通路11の内周壁23に、吸気流に対する抵抗体を構成する内周抵抗体25が設けられるものである。
また、板形状ではなく円環形状をしたスポンジ状の一体構造物でもよく、吸気流に対して抵抗体として機能する部材であればよい。
図2(A)は、大流量時を示し、このときには、インペラーホイール7の入口では、翼高さ方向にハブ側からシュラウド側先端間で流れが流入する。流量が低下するに従い、図2(B)に示すように、シュラウド側の抵抗体である板部材27の影響で流れがハブ側に偏って流入するようになり、抵抗体がない場合に比べてインペラーホイール7への空気の流入速度が上昇し、インペラーホイール7の失速を抑制して、サージング限界流量を低減できる。
次に、図5〜図7Bを参照して、第2参考形態を説明する。
第2参考形態は、吸気通路11の中心部分に設けられて、吸気流に対する抵抗体を構成する中心抵抗体41が設けられるものである。
この板部材43の外周を覆うように吸気通路11の軸方向に延びる円筒形状のガイド部45が取り付けられている。ガイド部45の外周部は、周方向に4箇所設けられた支柱47よって吸気通路11の内周壁23に取り付けられている。
この、開口比率や圧力損失係数の大きさは、第1参考形態と同様にコンプレッサ3の性能の悪化との関係で設定される。
図6(A)は、大流量時を示し、このときには、インペラーホイール7の入口では、翼高さ方向にハブ側からシュラウド側先端間で流れが流入する。流量が低下するに従い、図6(B)に示すように、ハブ側の抵抗体である板部材43の影響で流れがシュラウド側に流入するようになり、抵抗体がない場合に比べてインペラーホイール7への空気の流入速度が上昇し、インペラーホイール7の失速を抑制して、サージング限界流量を低減できる。
次に、図8を参照して第3参考形態について説明する。
第3参考形態は、第2参考形態の板部材43を回転可能な弁体51としたものである。
弁体51の回動中心軸には弁体回動軸55が連結し、該弁体回動軸55はガイド部45を貫通し、さらに一本の支柱47だけ内部貫通構造として、その内部を貫通し、または一本の支柱47に代えてその箇所に設けられ、コンプレッサハウジング9の外側に突出するように該コンプレッサハウジング9を貫通している。
そして、コンプレッサハウジング9を貫通して外側に突出した端部を、図示しない駆動機構によって回動するようになっている。
円板状の場合には、弁体51の開度調整がされるため、高流量時に全開されるため流量の確保の点からは問題は生じない。また、弁体51が、スリット形状、もしくはメッシュ形状の部材からなる抵抗体によって構成される場合には、弁体51が全閉時には、ハブ側にも流れが生じるため、弁体51の下流での流れの剥離領域が低減されて性能が向上する。
次に、図9A〜図12を参照して第1、2実施形態について説明する。
第1、2実施形態は、吸気通路11の内周壁23の内径側に凸状に突出する環状突起部材61が設けられている。
この環状突起部材61によって抵抗体が形成され、該環状突起部材61の凸状部分63を、流入吸気量に応じて吸気通路11の内径側に突出する量を調整する可動手段64、66、68を備えている。
図9Aに示すように、吸気通路11の内周壁23の内径側に凸状に形成された環状突起部材61は、弾性体(ゴム部材、若しくは樹脂材)によって形成されて、外周側から押圧力Fを内径側に作用させることで、凸状の突起量を可変制御する。
ゴム部材67の外側に締付けバンド79が、周方向に巻かれており、該締付けバンド79を締め付ける締め付け力を可変制御することで、凸状部分63の突出量が制御される。
図9Bに示すように、吸気通路11の内周壁23に凸状に形成された環状突起部材81は、弾性体(ゴム部材、若しくは樹脂材)によって形成されて、該凸状の突起量が可変制御される。
そして、この凸状の突起量はスライド部85のスライド量Sに応じて制御される。
3 コンプレッサ(遠心圧縮機)
5 回転軸
7 インペラーホイール
9 コンプレッサハウジング(ハウジング)
11 吸気通路
13 吸気口
17 ハブ
19 羽根(翼)
23 内周壁
25 内周抵抗体(抵抗体)
27、43 板部材(抵抗体)
29、45 ガイド部
31 ベルマウスガイド部
41 中心抵抗体(抵抗体)
47 支柱
51 弁体
61、81 環状突起部材
64、66、68 可動手段
67、84 ゴム部材
Claims (6)
- 回転軸方向に開口する吸気口と該吸気口につながる吸気通路とを有するハウジングと、前記ハウジングの内部に、前記回転軸を中心に回転可能に配置され、前記吸気口から流入する吸気ガスを圧縮するインペラーホイールと、を備えた遠心圧縮機であって、
前記吸気通路の内周壁側部分に吸気流に対する抵抗体を設け、低流量時において前記抵抗体によって前記吸気通路の断面積を絞るように構成されることで前記インペラーホイールの翼への流入速度を上昇させるとともに、前記吸気通路の内周壁側部分に設けた内周抵抗体によって吸気を翼のハブ側に偏らせて流し、
前記内周抵抗体は、前記吸気通路の内周壁の内径側に凸状の環状突起部材によって形成され、該環状突起部材の凸状部分を、流入吸気量が低流量時に吸気通路の内径側に突出する可動手段を備え、流入吸気量が低下するに従って凸状部分が翼のシュラウド側に形成され、吸気が翼のハブ側に流入するように構成したことを特徴とする遠心圧縮機。 - 前記内周抵抗体は前記翼の前縁高さの約50%以上の高さの部分に設置されることを特徴とする請求項1記載の遠心圧縮機。
- 前記環状突起部材は、弾性体によって形成されて、外周側から押圧力を内径側に作用させることで、凸状部分の突起量を可変制御するように構成されたことを特徴とする請求項1または2記載の遠心圧縮機。
- 前記可動手段は、コンプレッサハウジング側に環状のスリットを形成し、該環状のスリットの外側に前記環状突起部材を構成する弾性体の部材を周方向に配置し、該弾性体の部材の外側に圧力室を設け、該圧力室に供給される圧力流体量に応じて前記環状突起部材の凸状部分の突出量を制御することを特徴とする請求項3記載の遠心圧縮機。
- 前記可動手段は、コンプレッサハウジング側に環状のスリットを形成し、該環状のスリットの外側に前記環状突起部材を構成する弾性体の部材を周方向に配置し、該弾性体の部材の外側に周方向に巻かれた締付けバンドを設け、該締付けバンドを締め付ける締め付け力を可変制御することで、凸状部分の突出量を制御することを特徴とする請求項3記載の遠心圧縮機。
- 前記環状突起部材は、弾性体によって形成されて、翼回転軸線方向に摺動することで、凸状の突起量を可変制御するように構成され、前記可動手段は、コンプレッサハウジング側に環状のスリットを形成し、該環状のスリットの外側に前記環状突起部材を構成する弾性体の部材を周方向に配置し、該弾性体の部材の翼回転軸線方向の片側に翼回転軸線方向に摺動可能なスライド部が設けられ、該スライド部のスライド量を可変制御することで、凸状部分の突出量を制御することを特徴とする請求項1または2記載の遠心圧縮機。
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