JP2017020116A - 電子材料用Cu−Ni−Si系合金、Cu−Co−Si系合金及びその製造方法 - Google Patents

電子材料用Cu−Ni−Si系合金、Cu−Co−Si系合金及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】0.2%耐力、曲げ加工性及び高サイクルでの疲労強度のバランスが改良されたCu−Ni−Si系合金およびCu−Co−Si系合金を提供する。
【解決手段】Ni及びCoから選択される1種又は2種を合計で1.0〜4.5質量%、Siを0.2〜1.3質量%含有し、(Ni+Co)/Si(質量比)=3.0〜5.5であり、残部銅及び不可避的不純物からなる電子材料用銅合金であって、圧延面の{220}結晶面からのX線回折強度ピークの半価幅であるβ{220}が、純銅標準粉末の{220}結晶面からのX線回折強度ピークの半価幅であるβ0{220}と次式:1.5≦β{220}/β0{220}≦3を満たし、且つ、加工硬化係数(n値)が0.04未満である電子材料用銅合金。
【選択図】なし

Description

本発明は、リードフレーム、コネクタ、ピン、端子、リレー、スイッチ等の各種電子部品に用いるのに好適なCu−Ni−Si系合金およびCu−Co−Si系合金に関する。また、本発明は該合金の製造方法に関する。
高強度及び高導電性の観点から、近年、従来のりん青銅、黄銅等に代表される固溶強化型銅合金に替わり、析出硬化型の銅合金の使用量が増加している。析出硬化型銅合金では、溶体化処理された過飽和固溶体を時効処理することにより、微細な析出物が均一に分散して、合金の強度が高くなると同時に、銅中の固溶元素量が減少し電気伝導性が向上する。このため、強度、ばね性などの機械的性質に優れ、しかも電気伝導性、熱伝導性が良好な材料が得られる。
析出硬化型銅合金のうち、コルソン系合金と一般に呼ばれるCu−Ni−Si系合金およびCu−Co−Si系合金は比較的高い導電性、強度、応力緩和特性及び曲げ加工性を兼備する代表的な銅合金であり、業界において現在活発に開発が行われている合金の一つである。この銅合金では、銅マトリックス中に微細なNi−Si系金属間化合物粒子を析出させることによって強度と導電率の向上が図れる。コルソン系合金の特性改良は種々の観点から検討がなされており、例えば以下の先行技術がある。
特開2005−48262号公報(特許文献1)では、Cu−Ni−Si系合金の疲労特性を改良することを目的として、表面の残留応力や表面粗さを規定している。当該銅合金の製造方法として、溶体化処理後、冷間圧延及び時効処理を順に行うことが開示されている。そして、材料表面の残留応力の調整は最終冷間圧延での圧延ロール直径および1回の通板での加工度を調整すること、表面の粗さの調整は表面粗度を調整した圧延ロール等を用いて圧延することや、目の粗さの違うバフ研磨を実施することなどにより行うことが記載されている。
特開2009−242921号公報(特許文献2)では、Cu−Ni−Co−Si−Cr系合金において、強度及び導電率を向上させるためにCr−Si化合物の組成、大きさ及び個数密度を規定している。このために、溶体化処理時の冷却速度を1℃/秒から10℃/秒に設定することや、時効処理時を350〜550℃の温度範囲で1h以上、典型的には3〜24h加熱し、溶体化処理で固溶させたNi及びSiの化合物とCr及びSiの化合物を微細粒子として析出させることなどが記載されている。
特開2008−95186号公報(特許文献3)では、電子機器などに用いられる多機能スイッチの操作性を改善することを目的として、銅基析出型合金板材の圧延板の機械的異方性を制御している。当該合金板材を製造する上では溶体化処理、時効熱処理の後、圧延率30%以下で最後の冷間圧延を施して製造されることが好ましいとされている。更に、溶体化処理における板形状の崩れを、溶体化処理後の冷却速度を10〜200℃/秒とすることにより低減することや、時効熱処理におけるコイルの巻き癖を、時効熱処理後の冷却速度を0.01〜1℃/秒とすることにより低減することが記載されている。
特開2007−119844号公報(特許文献4)では、高い機械的強度、ばね性と良好な導電率を兼備し、かつ、優れた曲げ加工性を併せ持ったCu−Ni−Si系合金を得るために、所定の組成を有する銅合金素材を700〜900℃に加熱した後、25℃/分以上の速度で300℃以下まで冷却する第1の熱処理を行い、その後300〜500℃で5分〜5時間加熱する第2の熱処理を行い、続いて1パスの加工率を5%以下に規定した圧延を繰り返して合計加工率10%以上の圧延加工を加え、その後、表面層にある析出物を再固溶によって減少させるために、550〜700℃で5秒〜5分加熱する製造方法が記載されている。
特開2008−266783号公報(特許文献5)では、強度、導電性、特に曲げ加工特性に優れたコルソン合金の製造方法において、昇温速度10℃/秒以上、到達温度700〜950℃、保持時間5〜300秒、300℃までの冷却速度20℃/秒以上である再結晶化熱処理を行うこと、並びに、昇温速度2〜25℃/分(120〜1500℃/時)、到達温度300〜600℃、処理時間0.5〜10hr、300℃以上における降温速度1〜2℃/分(60〜120℃/時)である時効析出処理を行うことが記載されている。
特開2006−249516号公報(特許文献6)では、Cu中に最適な析出量のNi2Si化合物を有し、かつCu中に固溶状態で残るNiおよびSiの元素量を低減させることで、800MPa以上の引っ張り強度、および50%IACSを超える導電率を有したCu−Ni−Si系合金を提案している。このような特性を得るために、700〜950℃での溶体化処理により銅合金を均質な固溶体とし、その後に400〜600℃で2〜8時間の時効処理を施し、時効処理後に380℃まで10〜50℃/hの冷却速度で冷却する製造方法が記載されている。
特開2008−75172号公報(特許文献7)では、他の合金元素を極力添加せず、しかも改善された導電率、強度、曲げ性及び応力緩和特性を兼備する電子材料用のCu−Ni−Si系合金が記載されている。そして、無析出帯の幅を制御するために、時効処理において、熱処理中の材料の最高温度を550℃以下とし、材料を450〜550℃の温度範囲で5〜15時間保持することや、昇温過程において200〜250℃、250〜300℃及び300〜350℃の各温度区間における材料の平均昇温速度を50℃/h以下、典型的には20〜40℃/hとすることが記載されている。降温速度については特に限定はなく、実施例は空冷としており、このときの冷却速度は概ね450℃/hである。
特開2002−266042号公報(特許文献8)では、高強度と優れた曲げ加工性を両立させたCu−Ni−Si系合金を得ることを目的として、加工硬化係数(n値)を0.05以上に制御している。そして、時効処理は再結晶が発生しないあるいは再結晶粒の寸法が10μm未満となる条件を選択するべきであり、熱処理温度としては440〜500℃、熱処理時間は30分以上で300分以下の範囲とすることが記載されている。
特開2006−16629号公報(特許文献9)では、強度が高く、Bad Wayの曲げ加工性に優れるCu−Ni−Si系銅合金条を提供することを目的として、圧延面においてX線回折を用いて測定した(220)面のX線回折強度をI(220)および純銅粉末標準試料においてX線回折を用いて測定した(220)面のX線回折強度をI0(220)としたときに、1.0≦I(220)/I0(220)≦2.5を満たすことを規定している。そして、この集積度(I(220)/I0(220))は、溶体化処理後以降の冷間圧延加工度を高くすること、溶体化温度を低くすること、溶体化時間を短くすることで高くなることが記載されている。
特開2005−48262号公報 特開2009−242921号公報 特開2008−95186号公報 特開2007−119844号公報 特開2008−266783号公報 特開2006−249516号公報 特開2008−75172号公報 特開2002−266042号公報 特開2006−16629号公報
近年、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の電子機器での高密度実装化が進展し、その電子部品は著しく軽薄・短小化している。これに対応し、部品の使用環境下において、金属部材に繰り返し付加される応力は増加する傾向にある。また、部品の耐久性に対するニーズも高くなり、金属部材の疲労特性への要求は高度化している。このため、Cu−Ni−Si系合金における疲労特性の向上が求められるようになってきている。
疲労特性の改善については特許文献1に記載の発明が取り組んでいる。特許文献1に記載されたCu−Ni−Si系合金は低サイクルでの疲労については優れているものの、高サイクルでの疲労については未だ改善の余地がある。また、その他の特許文献では種々の特性改善を狙っているものの、0.2%耐力、曲げ加工性及び高サイクルでの疲労強度を両立できるCu−Ni−Si系合金は記載されていない。ここで、低サイクル疲労とは塑性変形を与えるような大きな繰り返し荷重を作用させることで、104程度以下の繰り返し数で起こる疲労破壊のことであり、高サイクル疲労とは降伏応力より低い繰り返し荷重を作用させ、104回程度以上の繰り返し数で起こる疲労破壊のことである。
そこで、本発明は、0.2%耐力、曲げ加工性及び高サイクルでの疲労強度のバランスが改良されたCu−Ni−Si系合金およびCu−Co−Si系合金を提供することを課題の一つとする。また、本発明は、そのようなCu−Ni−Si系合金およびCu−Co−Si系合金を製造するための方法を提供することを別の課題の一つとする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、加工硬化係数(n値)、及び圧延面における{220}結晶面のX線回線強度ピークの半価幅の両者を適切な範囲に制御することで有意に0.2%耐力、曲げ加工性及び高サイクルでの疲労強度のバランスが向上することを見出した。
上記知見を基礎として完成した本発明は、一側面において、Ni及びCoから選択される1種又は2種を合計で1.0〜4.5質量%、Siを0.2〜1.3質量%含有し、(Ni+Co)/Si(質量比)=3.0〜5.5であり、残部銅及び不可避的不純物からなる電子材料用銅合金であって、圧延面の{220}結晶面からのX線回折強度ピークの半価幅であるβ{220}が、純銅標準粉末の{220}結晶面からのX線回折強度ピークの半価幅であるβ0{220}と次式:1.5≦β{220}/β0{220}≦3.0を満たし、且つ、加工硬化係数(n値)が0.04未満である電子材料用銅合金である。
本発明に係る電子材料用銅合金は一実施形態において、疲労強度を0.2%耐力で除した値が0.30〜0.60の範囲である。
本発明に係る電子材料用銅合金は別の一実施形態において、0.2%耐力が500〜980MPaである。
本発明に係る電子材料用銅合金は更に別の一実施形態において、疲労強度が150〜400MPaである。
本発明に係る電子材料用銅合金は更に別の一実施形態において、Sn及びZnよりなる群から選ばれる1種以上を合計で最大2.0質量%更に含有する。
本発明に係る電子材料用銅合金は更に別の一実施形態において、Mg、Mn、Cr、P、As、Sb、Be、B、Ti、Zr、Al、Fe及びAgよりなる群から選ばれる1種以上を合計で最大1.0質量%更に含有する。
また、本発明は別の一側面において、本発明に係る電子材料用銅合金を加工して得られた伸銅品である。
また、本発明は更に別の一側面において、本発明に係る電子材料用銅合金を備えた電子部品である。
また、本発明は更に別の一側面において、少なくとも溶体化処理、時効処理、冷間圧延を順次行うことを含む上記記載の組成をもつ電子材料用銅合金の製造方法であって、時効処理は、材料温度が50℃から保持温度に達するまでの平均昇温速度を20〜70℃/hとして昇温し、400℃以上550℃以下の保持温度で1〜12時間、又は、550℃超650℃以下の保持温度で0.001〜1時間加熱し、保持温度から50℃まで冷却されるときの平均降温速度が0.5≦平均昇温速度/平均降温速度≦5となるように冷却し、前記冷間圧延における総圧下率を5〜50%とする製造方法である。
本発明に係る電子材料用Cu−Ni−Si系合金およびCu−Co−Si系合金の製造方法は一実施形態において、前記冷間圧延の後、材料温度200〜500℃で0.002〜30時間加熱する歪取焼鈍を行うことを更に含む。
本発明によれば、0.2%耐力、曲げ加工性及び高サイクルでの疲労強度のバランスが改良されたCu−Ni−Si系合金またはCu−Co−Si系合金が得られる。
(合金組成)
本発明に係る電子材料用銅合金は一実施形態において、Ni及びCoから選択される1種又は2種を合計で1.0〜4.5質量%、Siを0.2〜1.3質量%含有し、(Ni+Co)/Si(質量比)=3.5〜5.5であり、残部銅及び不可避的不純物からなる組成を有する。Ni、Co及びSiは本発明に係るコルソン合金の基本成分であり、時効処理を行うことによりNi、CoとSiが微細なNi2Si、Co2Siを主とした金属間化合物の析出粒子を形成し、合金の強度を著しく増加させる。また、時効処理でのNi2SiやCo2Siの析出に伴い、導電性が向上する。
Ni、Co及びSiの濃度を上記のように規定したのは、電子材料用銅合金として実用性のある強度と導電率を満たすためであり、強度が高い電子材料用銅合金材が望まれる場合にはNi及びCoから選択される1種又は2種の合計:3.0〜4.5質量%、Si:0.5〜1.3質量%であることが好ましい。また、導電率が高い電子材料用銅合金が望まれる場合には、Ni及びCoから選択される1種又は2種の合計:1.0〜3.0質量%、Si:0.2〜0.9質量%であることが好ましい。Ni及びCoから選択される1種又は2種の合計が1.0質量%未満であったり、Siが0.2質量%未満だったりすると所望の強度を得られず、逆にNi及びCoから選択される1種又は2種の合計が4.5質量%を超えたり、Siが1.3質量%を超えたりすると高強度化は図れるが導電率が著しく低下し、更には熱間加工性が低下するので好ましくない。
また、Siに対するNi及びCoの合計の質量比を3.0〜5.5の範囲としたのは、当該質量比がこの範囲から外れると、電子材料用銅合金として好適な導電率が得られないからである。(Ni+Co)/Si(質量比)は好ましくは3.5〜5.3であり、より好ましくは3.8〜5.1である。
本発明に係る電子材料用銅合金は一実施形態において、Sn及びZnよりなる群から選ばれる1種以上を合計で最大2.0質量%更に含有する。これにより、添加元素に応じて半田濡れ性や強度、導電率を改善する効果がある。この場合の合金元素の総量を2.0質量%としたのは、過剰になると導電率の低下や製造性の劣化が顕著になるためであり、好ましくは最大で1.5質量%である。一方、所望の効果を充分に得るためには、上記合金元素の総量を0.001質量%以上とするのが好ましく、0.01質量%以上とするのがより好ましく、0.05質量%以上とするのが更により好ましい。
本発明に係る電子材料用銅合金は一実施形態において、Mg、Mn、Cr、P、As、Sb、Be、B、Ti、Zr、Al、Fe及びAgよりなる群から選ばれる1種以上を合計で最大1.0質量%更に含有する。これにより、添加元素に応じて強度、導電率を改善する効果がある。この場合の合金元素の総量を1.0質量%としたのは、過剰になると導電率の低下や製造性の劣化が顕著になるためであり、好ましくは最大で0.5質量%である。一方、所望の効果を充分に得るためには、上記合金元素の総量を0.001質量%以上とするのが好ましく、0.01質量%以上とするのがより好ましく、0.05質量%以上とするのが更により好ましい。
(加工硬化係数)
引張試験において試験片を引張り、荷重を負荷すると、弾性限度を越えて最高荷重点に達するまでの塑性変形域では試験片各部は一様に伸びる(均一伸び)。この均一伸びが発生する塑性変形域では真応力σtと真ひずみεtの間には式(1)の関係が成立し、これをn乗硬化則という。「n」を加工硬化係数という(須藤一:材料試験法、内田老鶴圃社、(1976)、p.34)。nは0≦n≦1の値をとる。この加工硬化係数が大きいほど加工硬化の程度が大きい。
σt=Kεt n 式(1)
本発明者は、加工硬化係数n値をNi2Si等の粒子の析出状態の評価指標することを試みた。Ni2Si等の粒子は加工により生じる転位の蓄積する起点となる。そのため、加工による転位の蓄積による硬化のしやすさを表す加工硬化係数n値はNi2Si等の粒子の析出状態と密接に関連すると考えた。
また、Ni2Si等の粒子の析出状態は0.2%耐力、曲げ加工性や高サイクルの疲労特性にも影響を及ぼすと考えられる。
そこで、n値をNi2Si、Co2Si等の粒子の析出状態の評価指標として用い、n値を制御することで、0.2%耐力、曲げ加工性及び高サイクルでの疲労強度のバランスが改良された銅合金得ることができると考えた。
n値を0.04未満に制御することで、疲労強度に対する0.2%耐力の比(耐久限度比)を高くできる利点が得られる。ただし、n値が小さすぎると今度は不均一伸びが大きくなりやすいので、好ましくは0.005〜0.035であり、より好ましくは0.01〜0.03である。
(半価幅)
n値を上記範囲に設定することは、0.2%耐力、曲げ加工性及び高サイクルでの疲労強度のバランスを向上させる上で必要であるが十分ではなく、更に、圧延面における{220}結晶面のX線回線強度ピークの半価幅を所定の範囲に制御することが重要である。具体的には、圧延面の{220}結晶面からのX線回折強度ピークの半価幅をβ{220}とし、純銅標準粉末の{220}結晶面からのX線回折強度ピークの半価幅をβ0{220}としたときに、式:1.5≦β{220}/β0{220}≦3.0を満足することである。
β{220}及びβ0{220}は同一測定条件で測定する。純銅標準粉末は325メッシュ(JIS Z8801)の純度99.5%の銅粉末で定義される。
これは、β{220}/β0{220}は転位密度が低くなるにつれて低下し、逆に、転位密度が高くなるにつれて上昇する。β{220}/β0{220}が小さくなると、曲げ加工性と疲労強度は向上するが0.2%耐力が低下する。逆に、β{220}/β0{220}は大きくなると、0.2%耐力は向上するが曲げ加工性と疲労強度が低下する。0.2%耐力、曲げ加工性と疲労強度の両立を図る上では、1.5≦β{220}/β0{220}≦3.0であることが必要であり、1.6≦β{220}/β0{220}≦2.4であることが好ましい。
(合金特性)
高サイクル疲労を評価する上では、0.2%耐力と疲労強度のバランスを評価するため、疲労強度(σ)を0.2%耐力(YS)で除した値(σ/YS;以下、「耐久限度比」という。)が重要である。耐久限度比が高い場合、0.2%耐力と疲労強度とのバランスが良いとされる。本発明に係る電子材料用銅合金は一実施形態において、0.30〜0.60の範囲、典型的には0.31〜0.55の範囲、より典型的には0.33〜0.55、更により典型的には0.34〜0.40の範囲の耐久限度比を有することができる。
本発明に係る電子材料用銅合金は一実施形態において、500〜980MPa、好ましくは550〜970MPa、より好ましくは600〜950MPaの0.2%耐力を有することができる。
本発明に係る電子材料用銅合金は一実施形態において、150〜400MPa、好ましくは170〜390MPa、より好ましくは190〜350MPaの疲労強度を有することができる。本発明において疲労強度とは、JIS Z 2273に従って両振り応力を負荷し、破断までの繰返し数が107回となる応力(MPa)を指す。
本発明に係る電子材料用銅合金は一実施形態において、W字型の金型を用いてBadway(曲げ軸が圧延方向と同一方向)のW曲げ試験を行い、曲げ部分に亀裂が発生しない最小曲げ半径(MBR)を板厚(t)で除した値であるMBR/tを、2.0以下とすることができ、好ましくは1.5以下とすることができ、より好ましくは1.0以下とすることができる。
(製造方法)
次に本発明に係る銅合金の製造方法に関して説明する。
本発明に係る銅合金は一部の工程に工夫を加える他は、コルソン系合金の製造工程を採用することで製造可能である。
コルソン系銅合金の慣例的な製造工程を概説する。まず大気溶解炉を用い、電気銅、Ni、Si等の原料を溶解し、所望の組成の溶湯を得る。そして、この溶湯をインゴットに鋳造する。その後、熱間圧延を行い、冷間圧延と熱処理を繰り返して、所望の厚み及び特性を有する条や板に仕上げる。熱処理には溶体化処理と時効処理がある。溶体化処理では、シリサイド(例:Ni−Si系化合物)をCu母地中に固溶させ、同時にCu母地を再結晶させる。溶体化処理を、熱間圧延で兼ねることもある。時効処理では溶体化処理で固溶させたシリサイド(例:Ni−Si系化合物)を微細粒子として析出させる。この時効処理で強度と導電率が上昇する。時効後に冷間圧延を行ない、その後、歪取り焼鈍を適宜行なう。上記各工程の合間には、表面の酸化スケール除去のための研削、研磨、ショットブラスト酸洗等が適宜行なわれる。
上記の慣例的な製造工程に対して、本発明に係る銅合金を製造する上では、溶体化処理の後に、冷間圧延を行わずに直ちに時効処理を行い、時効処理の後に最終の冷間圧延を行うことが望ましい。これにより、n値を0.04未満にしながらも、β{220}を所定の範囲に制御しやすくなるからである。これらの工程のより具体的な条件について次に説明する。
溶体化処理では、十分な固溶により粗大な第二相粒子の数を低減し、且つ、結晶粒粗大化を防止することが好ましい。例えば、溶体化処理では材料温度を700℃〜1050℃に2〜60分程度加熱することで第二相粒子を固溶させることができる。溶体化処理後の冷却も速くするのがよいので、水冷するのが望ましい。
次の時効処理では、材料温度が50℃から保持温度に達するまでの平均昇温速度、保持温度、保持温度での保持時間、及び保持温度から50℃まで冷却されるときの平均降温速度に留意するべきである。昇温速度は、高くするとn値は高くなり、逆に低くするとn値も低くなる傾向にあり、n値が所望の範囲に収まるように昇温速度を制御することが求められる。また、昇温速度は、高くなりすぎるとシリサイドの核生成が不足して所望の引張強度が得られにくくなり、低くなりすぎると核生成頻度は高まるものの昇温に長時間を要し、非経済である。
そこで、材料温度が50℃から保持温度に達するまでの平均昇温速度を20〜70℃/hとして昇温することが好ましく、25〜65℃/hとして昇温することがより好ましく、30〜60℃/hとして昇温することが更により好ましい。平均昇温速度は、(保持温度−50℃)/(加熱開始後、材料温度が50℃から保持温度に達するまでに要した時間(h))で計算される。
また、材料温度が保持温度から50℃に達するまでの平均降温速度は、平均昇温速度に対して高すぎるとシリサイドの微細粒子が成長できずに疲労強度が損なわれやすくなり、耐久限度比も低下しやすくなる。一方で、平均降温速度が平均昇温速度に対して低すぎるとシリサイドが粗大化して0.2%耐力が損なわれやすくなる。この場合、耐久限度比が高くなるがばね性が不十分となると考えられる。
そこで、0.5≦平均昇温速度/平均降温速度≦5となるように設定することが好ましく、1≦平均昇温速度/平均降温速度≦3となるように設定することがより好ましい。平均降温速度は、(保持温度−50℃)/(冷却開始後、材料温度が保持温度から50℃に達するまでに要した時間(h))で計算される。
時効処理における保持温度及び保持時間は、電子材料用銅合金として実用性のある強度及び電気伝導性が得られる慣例の条件とすれば足りるが、例えば400℃以上550℃以下の保持温度で1〜12時間、又は、550℃超650℃以下の保持温度で0.001〜1時間加熱することができる。好ましくは、400℃以上550℃以下の保持温度で1〜6時間、又は550℃超650℃以下の保持温度で0.001〜0.5時間である。400℃未満では時効処理に時間がかかり経済的でなく、650℃を越えるとシリサイド粒子が粗大化しやすい。
次の冷間圧延においては、総圧下率を5〜50%とすることが好ましい。総圧下率が5%未満だと、β{220}が過小となりやすく電子材料用銅合金として実用性のある引張強度が得られにくい一方で、総圧下率が50%を超えるとβ{220}が過大となり、良好な曲げ加工性が得られにくいからである。総圧下率は7〜45%とすることがより好ましく、10〜43%とすることが更により好ましい。ここで、総圧下率とは以下の式で表される値のことをいう。
総圧下率(%)=(冷間圧延前の板厚(mm)−冷間圧延後の板厚(mm))/(冷間圧延前の板厚(mm)×100
冷間圧延後には、ばね限界値を向上させる目的で、随意的に歪取焼鈍を実施してもよい。歪取焼鈍は低温長時間(例えば300℃×30分)で行っても良いし、高温短時間(例えば500℃×30秒)で行っても良い。温度が高すぎるまたは時間が長すぎると、引張強さの低下が大きくなる。引張強さの低下量を10〜50MPaとし、条件を選定することが好ましい。
本発明のCu−Ni−Si系合金およびCu−Co−Si系合金は種々の伸銅品、例えば板、条、管、棒及び線に加工することができ、更に、本発明によるCu−Ni−Si系銅合金は、リードフレーム、コネクタ、ピン、端子、リレー、スイッチ、二次電池用箔材等の電子部品等に使用することができる。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示すが、これらの実施例は本発明及びその利点をよりよく理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。
<例1>
表1に記載の添加元素を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる成分組成を有するCu−Ni−Si系銅合金を、高周波溶解炉を用いて1300℃で溶製し、厚さ30mmのインゴットに鋳造した。
次いで、このインゴットを1000℃に加熱して3時間保持後、板厚10mmまで熱間圧延した。熱間圧延終了時の材料温度は850℃であった。その後、水冷した。次いで、冷間圧延の工程の後に、溶体化処理を材料温度700〜1050℃、加熱時間10分の条件で実施し、水冷した。添加元素の濃度が高い場合、溶体化温度を高めとした。次いで、時効処理及び最終の冷間圧延を表1に記載の条件で順に実施して、板厚0.1mmの試験片を得た。比較例のg、h、i、p、q及びrは時効処理の前に最終冷間圧延を行った。各工程の合間には適宜面削、酸洗、脱脂を行った。また、発明例6については最後に歪取り焼鈍(300℃×0.083hr)を実施した。
このようにして得られた各試験片につき各種の特性評価を以下のように行った。
(1)0.2%耐力(YS)
圧延平行方向の引張り試験をJIS−Z2241に従って行い、0.2%耐力(YS:MPa)aを測定した。
(2)曲げ加工性
W字型の金型を用いてBadway(曲げ軸が圧延方向と同一方向)のW曲げ試験を行い、曲げ部分に亀裂が発生しない最小曲げ半径(MBR)を板厚(t)で除した値であるMBR/tを求めた。
(3)n値
n乗硬化則の成立する材料では、応力−ひずみ曲線の最高荷重点における真ひずみと加工硬化係数は一致することから、最高荷重点における真ひずみを加工硬化係数n値とした(須藤一著、「材料試験法」、内田老鶴圃社、1976年、p.35)。具体的には、先述の0.2%耐力を測定するのと同じ方法で、圧延平行方向の引張り試験をJIS−Z2241に従って行い、応力−ひずみ曲線を得る。真ひずみεtは、得られた応力−ひずみ曲線より読み取った最高荷重点における公称ひずみεを次式に代入して算出する。
εt=ln(1+ε)
(4)半価幅(β{220}/β0{220})
各試験片について、理学電機社製型式rint Ultima2000のX線回折装置を用いて、以下の測定条件で圧延面の回折強度曲線を取得し、{220}結晶面のX線回線強度ピークの半価幅β{220}を測定した。同様の測定条件で、純銅粉標準試料についても、半価幅β0{220}を求めた。これらの値から、β{220}/β0{220}を算出した。なお、銅粉標準試料では{220}面のピークは2θが74°付近に表れた。
・ターゲット:Cu管球
・管電圧:40kV
・管電流:40mA
・走査速度:5°/min
・サンプリング幅:0.02°
・測定範囲(2θ):60°〜80°
(5)疲労強度(σ)
疲労試験は、JIS Z 2273に従って両振り応力を負荷し、破断までの繰返し数が107回となる応力(MPa)を求めた。
結果を表2に示した。以下に、各試験片の結果を説明をする。
発明例1〜26は、n値及びβ{220}/β0{220}が共に適切であったため、0.2%耐力、曲げ加工性及び高サイクルでの疲労強度のバランスが優れていることが分かる。
比較例aは、時効処理において平均降温速度に対して平均昇温速度が高すぎたため、n値が過大となり、0.2%耐力が同一組成の発明例に比べて低かった。
比較例b及びcは、時効処理において平均降温速度に対して平均昇温速度が低すぎたため、β{220}/β0{220}が過大となり、耐久限度比及び曲げ加工性が不十分であった。
比較例dは、時効処理において保持温度が低すぎたため、n値が過大となる一方で、β{220}/β0{220}が過小となった。その結果、0.2%耐力が同一組成の発明例に比べて低く、耐久限度比も不十分であった。
比較例eは、時効処理において保持温度が高すぎたため、n値が過大となる一方で、β{220}/β0{220}が過小となった。その結果、0.2%耐力が同一組成の発明例に比べて低かった。
比較例fは、最終冷間圧延を行わなかったために、n値が過大となる一方で、β{220}/β0{220}が過小となった。その結果、0.2%耐力が同一組成の発明例に比べて低かった。
比較例g及びhは時効処理前に最終冷間圧延を行ったために、n値が過大となる一方で、β{220}/β0{220}が過小となった。その結果、0.2%耐力が不十分となった。
比較例iは時効処理前に最終冷間圧延を行い、その圧下率をかなり高くした例である。n値が依然として過大であり、β{220}/β0{220}も過小となった。その結果、強度は高まったが曲げ加工性が劣化した。
比較例jは冷間圧延の圧下率が高すぎたために、β{220}/β0{220}が過大となった。その結果、曲げ加工性が劣化した。
比較例k及びlは、時効処理において平均降温速度に対して平均昇温速度が低すぎたため、β{220}/β0{220}が過大となり、曲げ加工性が不十分であった。
比較例mは、時効処理において保持温度が低すぎたため、n値が過大となる一方で、β{220}/β0{220}が過小となった。その結果、0.2%耐力が同一組成の発明例に比べて低かった。
比較例nは、時効処理において保持温度が高すぎたため、n値が過大となる一方で、β{220}/β0{220}が過小となった。その結果、0.2%耐力が同一組成の発明例に比べて低かった。
比較例oは、最終冷間圧延を行わなかったために、n値が過大となる一方で、β{220}/β0{220}が過小となった。その結果、0.2%耐力が同一組成の発明例に比べて低かった。
比較例p及びqは時効処理前に最終冷間圧延を行ったために、n値が過大となる一方で、β{220}/β0{220}が過小となった。その結果、0.2%耐力が不十分となった。
比較例rは時効処理前に最終冷間圧延を行い、その圧下率をかなり高くした例である。n値が依然として過大であり、β{220}/β0{220}も過小となった。その結果、強度は高まったが曲げ加工性が劣化した。
比較例sは冷間圧延の圧下率が高すぎたために、β{220}/β0{220}が過大となった。その結果、曲げ加工性が劣化した。
<例2>
表3に記載の各添加元素を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる成分組成を有するCu−Ni−Si系銅合金およびCu−Co−Si系銅合金について、溶体化処理終了時までは例1と同様の製造工程とし、その後は時効処理及び最終の冷間圧延を表3に記載の条件で順に実施して、板厚0.1mmの試験片を得た。各工程の合間には適宜面削、酸洗、脱脂を行った。得られた試験片について、例1と同様に特性評価を行った。結果を表4に示す。各種の元素を添加しても本発明の効果が得られることが分かる。

Claims (1)

  1. 本明細書に記載の発明。
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