JP2017020096A - 熱処理用治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】高周波誘導加熱によって加熱される被加熱物を保持する熱処理用治具であって、被加熱物の加熱中に随時の温度調節が可能な熱処理用治具を提供する。【解決手段】熱処理用治具60は、互いに対向する合わせ面61aで重ね合わされた少なくとも一対の合わせ部材61を備える。一対の合わせ部材61は、それぞれの合わせ面61aに一方向に延在する複数の溝部61bを有するとともに、合わせ面61aに沿って複数の溝部61bの延在方向と交差する方向に相対移動可能に配置される。【選択図】図8

Description

本発明は、高周波誘導加熱による被加熱物を保持する熱処理用治具に関する。
従来から、金属素材の熱処理に高周波誘導加熱が用いられている。例えば、特許文献1には、金属素材のワークを焼き入れする際に使用される誘導加熱コイル体に関する発明が開示されている。特許文献1に記載された誘導加熱コイル体は、ワークを焼き入れするための加熱コイルと、絶縁部材を介して加熱コイルを支持する支持部材とを備え、ワークを焼き入れする加熱コイルに高周波電流が流れるものである。この誘導加熱コイル体は、支持部材が金属で構成され、支持部材に生じる誘導電流の経路上にスリット及び/又は孔を設けたことを特徴としている。
前記従来の誘導加熱コイル体は、支持部材が剛性を有する金属で構成され、支持部材に生じる誘導電流の経路上にスリット及び/又は孔が設けられている。この構成により、誘導加熱コイル体の剛性を保つことができる上に、誘導電流はスリット及び/又は孔に沿って迂回しなければ流れることができない。したがって、実質的に抵抗が大きくなって誘導電流が流れにくくなり、その結果、支持部材の発熱が局所的に集中せず、昇温を抑制して絶縁部材の損耗を防止することができる。
特開2008−293851号公報
前記従来の誘導加熱コイル体は、支持部材に設けられたスリットや孔によって、支持部材の昇温を抑制する効果をある程度は期待することができる。しかし、これらのスリットや孔は、被加熱物の加熱中にその位置及び形状を変更又は調節することができないため、支持部材の温度調節に用いることはできない。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、高周波誘導加熱によって加熱される被加熱物を保持する熱処理用治具であって、被加熱物の加熱中に随時の温度調節が可能な熱処理用治具を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明の熱処理用治具は、高周波誘導加熱によって加熱される被加熱物を保持する熱処理用治具であって、互いに対向する合わせ面で重ね合わされた少なくとも一対の合わせ部材を備え、前記一対の合わせ部材は、それぞれの前記合わせ面に一方向に延在する複数の溝部を有するとともに、前記合わせ面に沿って前記複数の溝部の延在方向と交差する方向に相対移動可能に配置されることを特徴とする。
本発明の熱処理用治具は、例えば、ロボットアームの先端に取り付けられ、高周波誘導加熱によって加熱される被加熱物を両側から挟持して保持する一対のハンドとして用いることができる。この場合、一対の熱処理用治具は、それぞれ、少なくとも一対の合わせ部材を備える。一対の合わせ部材の素材としては、例えば、同一の形状及び寸法の矩形の平板を用いることができる。なお、合わせ部材は、このような構成に限定されず、例えば、一の合わせ部材の合わせ面に対して二以上の合わせ部材の合わせ面が対向する構成でもよく、互いに対向する合わせ面で重ね合わされた二対以上の合わせ部材を備えてもよい。
合わせ部材の材質は、高周波誘導加熱によって加熱することが可能な導電性を有する材質であれば特に限定されないが、例えば、インコネル(登録商標)718等、耐熱性、耐蝕性、耐酸化性、耐クリープ性などの高温特性に優れたニッケルベースの合金を用いることができる。
各々の合わせ部材の複数の溝部は、各々の合わせ面の同一位置に同一寸法及び同一形状で設けることができる。また、溝部の断面形状は特に限定されないが、例えば、合わせ面に開口する溝部の開口部の幅と溝部の底部の幅が等しい断面形状が矩形の溝部を形成することができる。なお、溝部は、合わせ部材を貫通し、底部を有しない貫通溝であってもよい。また、複数の溝部は、互いに平行に一方向に延在することが好ましく、溝部の間隔は、概ね溝部の幅と等しくすることができる。
一対の合わせ部材は、例えば、一方の合わせ部材の端部をロボットアームのステイに固定し、他方の合わせ部材の端部をステイに固定されたリニアアクチュエータのロッドに固定することで、合わせ面に沿って相対移動可能に配置することができる。このとき、リニアアクチュエータのロッドの伸縮方向と、合わせ部材の溝部の延在方向とが互いに交差するように、合わせ部材をリニアアクチュエータのロッドに対して固定する。
より具体的には、例えば、リニアアクチュエータのロッドの伸縮方向と合わせ部材の溝部の延在方向とが互いに直交するように合わせ部材をリニアアクチュエータのロッドに対して固定する。以上により、一対の合わせ部材を、合わせ面に沿って複数の溝部の延在方向と交差する方向に相対移動可能に配置することができる。
本発明の熱処理用治具は、例えば、一対のロボットアームのそれぞれのステイとリニアアクチュエータに一対の合わせ部材を前述のように取り付けることで、高周波誘導加熱によって加熱する被加熱物を保持するロボットハンドとして用いることができる。ここでは、一対の合わせ部材が、同一形状及び同一寸法の矩形平板状であり、各々が合わせ面の同一位置に同一寸法及び同一形状の断面矩形の溝部を有し、溝部の間隔が溝部の幅と等しいものとする。
この場合に、リニアアクチュエータのロッドを伸縮させ、一対の合わせ部材の位置を合わせると、一対の合わせ部材の対向する複数の溝部の開口部の位置が一致して、一対の合わせ部材の間に複数の矩形筒状の空間が形成される。このとき、一対の合わせ部材は、溝部の非形成部である互いの合わせ面の全体が接した状態になる。
本発明の熱処理用治具によって被加熱物を保持するには、例えば、一対のロボットアームを駆動させ、これらの先端に取り付けられた一対の熱処理用治具の間に、被加熱物を挟持して保持することができる。この状態で、一対のロボットアームを移動させ、熱処理用治具及び被加熱物を高周波交流電源に接続した加熱コイルによって発生させた磁界中に配置する。
各々の熱処理用治具の一対の合わせ部材の合わせ面の全体が接した状態では、一対の合わせ部材に最も誘導電流が流れやすく、一対の合わせ部材の温度が最も上昇しやすい。ここで、本発明の熱処理用治具は、一対の合わせ部材を合わせ面に沿って複数の溝部の延在方向と交差する方向に相対移動させることで、一対の合わせ部材の温度上昇を制御することができる。
より詳細には、リニアアクチュエータのロッドを伸縮させると、一対の合わせ部材は、一方がステイに固定され、他方がロッドに固定されているため、合わせ面に沿って複数の溝部の延在方向と交差する方向、例えば溝部の延在方向と直交する方向、すなわち溝部の幅方向に相対移動する。これにより、一対の合わせ部材の間に対向する溝部によって形成された複数の矩形筒状の空間の形状が変化し、一対の合わせ部材の合わせ面の接触面積が減少していく。
ここで、一対の合わせ部材の各々の複数の溝部は、合わせ面の同一位置に同一寸法及び同一形状で設けられ、溝部の間隔が溝部の幅と等しい。そのため、一対の合わせ部材を、合わせ面に沿って溝部の幅方向に溝部の幅の分だけ相対移動させると、互いの溝部が互いの溝部の間の合わせ面に対向して合わせ面の接触面積が概ねゼロになり、一対の合わせ部材が電気的に分離される。このように、一対の合わせ部材が電気的に分離された状態が、一対の合わせ部材に最も誘導電流が流れにくく、一対の合わせ部材の温度が最も上昇しにくい状態である。
そのため、本発明の熱処理用治具は、一対の合わせ部材の相対移動量を制御することで、一対の合わせ部材の温度上昇を制御することができる。なお、熱処理用治具は、一対の合わせ部材の温度を測定する温度測定部を有することが好ましい。これにより、一対の合わせ部材の温度を確認しながら、一対の合わせ部材の相対移動量を制御することで、一対の合わせ部材の温度を制御することができる。また、本発明の熱処理用治具は、溝部の数、形状又は寸法を調整することで、一対の合わせ部材の温度上昇のしやすさを変化させることも可能である。
以上の説明から理解できるように、本発明によれば、高周波誘導加熱によって加熱される被加熱物を保持する熱処理用治具であって、被加熱物の加熱中に随時の温度調節が可能な熱処理用治具を提供することができる。
本実施形態の熱処理用治具を備えた熱処理装置の概略構成図である。 図1に示す熱処理装置の加熱コイルの斜視図である。 本実施形態の熱処理装置の動作を説明する説明図である。 本実施形態の熱処理装置の動作を説明する説明図である。 本実施形態の熱処理用治具の動作を示す拡大図である。 本実施形態の熱処理用治具の動作を示す拡大図である。 本実施形態の熱処理用治具の動作を示す拡大図である。 本実施形態の熱処理用治具の動作を示す斜視図である。 本実施形態の熱処理用治具の動作を示す斜視図である。 実施例1、2及び比較例1の合わせ部材の平面図及び端面図である。 実施例1の合わせ部材の温度と被加熱物の温度を示すグラフである。 実施例2の合わせ部材の温度と被加熱物の温度を示すグラフである。 比較例1の合わせ部材の温度と被加熱物の温度を示すグラフである。
以下、本発明の熱処理用治具の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態の熱処理用治具60を備えた熱処理装置100の概略構成図である。以下、本実施形態の熱処理用治具60を備えた熱処理装置100の一例について説明する。本実施形態の熱処理装置100は、左右リニアアクチュエータ(左右軸)10と、上下リニアアクチュエータ(上下軸)20と、ステイ30と、エアシリンダ40と、一対のロボットアーム50と、一対の熱処理用治具60と、加熱コイル70とを備える。
左右リニアアクチュエータ10は、熱処理装置100の基台部であり、例えば、図示を省略するモータやエアシリンダ等の駆動部とガイドとを備える。左右リニアアクチュエータ10は、ガイド上に上下リニアアクチュエータ20を支持し、駆動部を駆動させることで上下リニアアクチュエータ20をガイドに沿って左右方向、例えば、水平方向に移動させる。
同様に、上下リニアアクチュエータ20は、例えば、図示を省略するモータやエアシリンダ等の駆動部とガイドとを備える。上下リニアアクチュエータ20は、ガイド上にステイ30を支持し、駆動部を駆動させることでステイ30をガイドに沿って上下方向、例えば、鉛直方向に移動させる。
ステイ30は、エアシリンダ40を支持するアーム状の部材であり、一方の端部が上下リニアアクチュエータ20のガイド上に支持され、他方の端部にエアシリンダ40を支持している。エアシリンダ40は、エアの給排によって伸縮可能なピストンロッド41を備え、該ピストンロッド41によって一対のロボットアーム50を開閉可能に支持している。
一対のロボットアーム50は、それぞれ、エアシリンダ40のピストンロッド41に固定されたアーム部51と、アーム部51の先端部のステイ52と、該ステイ52にフランジ53を介して固定されたリニアアクチュエータ54、とを備える。リニアアクチュエータ54は、伸縮可能なロッド54aの先端にカップリング54bを介して延長ロッド54cが固定されている(図5参照)。延長ロッド54cは、ステイ52に固定されたフランジ54dによって伸縮自在に支持されている。本実施形態において、リニアアクチュエータ54は、ロッド54aの伸縮によって延長ロッド54cを上下方向、例えば鉛直方向に伸縮させるように、フランジ53を介してロボットアーム50のステイ52に取り付けられている。
本実施形態の熱処理用治具60は、高周波誘導加熱によって加熱される被加熱物Wを保持する熱処理用治具60であって、互いに対向する合わせ面61aで重ね合わされた少なくとも一対の合わせ部材61を備えている。本実施形態の熱処理用治具60は、一対の合わせ部材61として同一形状及び同一寸法の矩形の平板を用いている。なお、一対の合わせ部材61は、異なる形状又は異なる寸法としてもよく、曲面状や柱状等、平板以外の形状としてもよい。
合わせ部材61の材質は、高周波誘導加熱によって加熱することが可能な導電性を有する材質であれば特に限定されないが、例えば、インコネル(登録商標)718等、耐熱性、耐蝕性、耐酸化性、耐クリープ性などの高温特性に優れたニッケルベースの合金を用いることができる。
一対の合わせ部材61は、それぞれ、合わせ面61aに一方向に延在する複数の溝部61bを有している。本実施形態の熱処理用治具60では、各々の合わせ部材61の複数の溝部61bが、各々の合わせ面61aの同一位置に同一寸法及び同一形状で設けられている。また、溝部61bの断面形状は、合わせ面61aに開口する溝部61bの開口部の幅と溝部61bの底部の幅とが等しい矩形の断面形状に形成されている。複数の溝部61bは、互いに平行に一方向に延在し、溝部61bの間隔は、概ね溝部61bの幅と等しくなっている。本実施形態の一対の熱処理用治具60は、一対のロボットアーム50に支持された状態で、合わせ部材61の複数の溝部61bが概ね水平方向に延在するように配置されている。
なお、各々の合わせ部材61の複数の溝部61bは、各々の合わせ面61aの異なる位置に設けてもよく、異なる寸法又は異なる形状で設けてもよい。例えば、複数の溝部61bは、一方向に延在する形態に限定されず、各々の合わせ部材61において、複数の溝部61bが互いに交差する方向に延在してもよく、曲線状に延在してもよい。溝部61bの断面形状は、矩形に限定されず、半円状等の曲面を有する形状であってもよい。また、溝部61bは、合わせ部材61を貫通し、底部を有しない貫通溝であってもよい。
一対の熱処理用治具60のそれぞれが備える一対の合わせ部材61は、被加熱物Wに当接する一方の合わせ部材61がロボットアーム50のステイ52の先端に固定され、他方の合わせ部材61がステイ52に固定されたリニアアクチュエータ54の延長ロッド54cの先端に固定されている。本実施形態において、一対の合わせ部材61は、それぞれの合わせ面61aが鉛直方向に平行になるように配置され、一方の合わせ部材61の上側の端部がロボットアーム50のステイ52に固定され、他方の合わせ部材61の上側の端部がリニアアクチュエータ54の延長ロッド54cに固定されている。
この状態で、本実施形態の熱処理装置100において、リニアアクチュエータ54の延長ロッド54cを鉛直方向に伸縮させることで、熱処理用治具60の一対の合わせ部材61は、合わせ面61aに沿って、鉛直方向に相対移動する。すなわち、本実施形態の熱処理装置100において、熱処理用治具60の一対の合わせ部材61は、合わせ面61aに沿って、複数の溝部61bの延在方向と交差する方向、より詳細には、溝部61bの延在方向と直交する方向に、相対移動可能に配置されている。
図2は、図1に示す熱処理装置100の加熱コイル70の斜視図である。
加熱コイル70は、高周波交流電源に接続され、通電されることで高周波誘導加熱に必要な磁界を発生させるものであれば特に限定されず、公知の形状及び材質の加熱コイル70を用いることができる。加熱コイル70は、被加熱物Wの形状や加熱部分、断熱材の有無などによって多様な形状を採用することが可能である。加熱コイル70としては、例えば、内部に冷却水を通すことができる銅パイプを用いることが好ましい。加熱コイル70に高周波交流電流を通電して高周波誘導加熱によって被加熱物Wを加熱する際には、熱処理用治具60及び被加熱物Wに熱電対80を設置し、これらの温度を熱電対80によって測定することができる。
図3(a)から(c)及び図4(a)及び(b)は、本実施形態の熱処理装置100の動作を説明する説明図である。
本実施形態の熱処理装置100を用いて被加熱物Wの熱処理を行うには、まず、一対の熱処理用治具60を被加熱物Wの上方に移動させる。具体的には、左右リニアアクチュエータ10によって上下リニアアクチュエータ20を水平方向に移動させ、上下リニアアクチュエータ20によってステイ30を上昇及び下降させる。これにより、エアシリンダ40を介してステイ30に支持された一対のロボットアーム50の先端の一対の熱処理用治具60を、被加熱物Wの上方に移動させる。
次に、エアシリンダ40によって一対のロボットアーム50を駆動させ、先端の一対の熱処理用治具60の間隔を調整し、上下リニアアクチュエータ20によってステイ30を下降させ、一対の熱処理用治具60を被加熱物Wの両側に配置する。その後、再びエアシリンダ40によって一対のロボットアーム50を駆動させ、一対の熱処理用治具60の間に被加熱物Wを保持する。その後、左右リニアアクチュエータ10及び上下リニアアクチュエータ20によってステイ30を上下左右に移動させ、図3(a)に示すように、被加熱物Wを保持した一対の熱処理用治具60を、加熱コイル70の上方に移動させる。
次に、図3(b)に示すように、上下リニアアクチュエータ20によってステイ30を下降させ、被加熱物Wを保持した一対の熱処理用治具60を、加熱コイル70の通電時に磁界が発生する領域に配置する。その後、加熱コイル70に高周波交流電流を通電させ、被加熱物Wに渦電流を発生させ、被加熱物Wを加熱して熱処理する。被加熱物Wの熱処理が終了したら、図3(a)に示すように、上下リニアアクチュエータ20によってステイ30を上昇させ、被加熱物Wを保持した一対の熱処理用治具60を、加熱コイル70の上方に移動させる。
次に、図3(c)に示すように、左右リニアアクチュエータ10によって上下リニアアクチュエータ20を水平方向へ移動させ、被加熱物Wを保持した一対の熱処理用治具60を、金型Mの上方へ移動させる。その後、図4(a)に示すように、上下リニアアクチュエータ20によってステイ30を下降させ、一対の熱処理用治具60によって保持した被加熱物Wを、金型M上に配置する。最後に、図4(b)に示すように、エアシリンダ40によって一対のロボットアーム50を駆動させ、一対の熱処理用治具60によって保持された被加熱物Wを金型M上で解放する。
本実施形態の熱処理装置100によれば、以上の動作を繰り返すことで、被加熱物Wの搬送と熱処理を繰り返し行うことができる。また、本実施形態の熱処理用治具60は、ロボットアーム50の先端に取り付けることで、高周波誘導加熱によって加熱される被加熱物Wを両側から挟持して保持する一対のロボットハンドとして用いることができる。
以下、本実施形態の熱処理用治具60の作用について、図5から図9を参照して詳細に説明する。図5、図6及び図7は、本実施形態の熱処理用治具60の動作を示す拡大図である。図8及び図9は、本実施形態の熱処理用治具60の動作を示す斜視図である。なお、図8及び図9では、ロボットアーム50のステイ52及びリニアアクチュエータ54等の図示を省略している。
本実施形態の熱処理用治具60は、前述のように、高周波誘導加熱によって加熱される被加熱物Wを保持する熱処理用治具60であって、互いに対向する合わせ面61aで重ね合わされた一対の合わせ部材61を備えている。そして、一対の合わせ部材61は、それぞれの合わせ面61aに一方向に延在する複数の溝部61bを有するとともに、合わせ面61aに沿って複数の溝部61bの延在方向と交差する方向に相対移動可能に配置されている。
本実施形態の熱処理用治具60は、同一形状及び同一寸法の矩形平板状であり、各々が合わせ面61aの同一位置に同一寸法及び同一形状の断面矩形の溝部61bを有し、溝部61bの間隔が溝部61bの幅と等しい。そのため、図5及び図8に示すように、リニアアクチュエータ54のロッド54aを伸縮させ、一対の合わせ部材61の位置を合わせると、一対の合わせ部材61の対向する複数の溝部61bの開口部の位置が一致して、一対の合わせ部材61の間に複数の矩形筒状の空間が形成される。
このとき、一対の合わせ部材61は、溝部61bの非形成部である互いの合わせ面61aの全体が接した状態になる。このように、熱処理用治具60の一対の合わせ部材61の合わせ面61aの全体が接した状態は、図2に示すように、加熱コイル70によって発生する磁界中に熱処理用治具60を配置したときに、一対の合わせ部材61に最も誘導電流Iが流れやすく、熱処理用治具60の温度が最も上昇しやすい状態である。
ここで、一対の合わせ部材61は、前述のように、一方がロボットアーム50のステイ52に固定され、他方がステイ52に固定されたリニアアクチュエータ54のロッド54aに連結された延長ロッド54cに固定されている。そのため、図6に示すように、リニアアクチュエータ54のロッド54aを伸長させると、一対の合わせ部材61は、合わせ面61aに沿って複数の溝部61bの延在方向と直交する方向、すなわち溝部61bの幅方向に相対移動する。
これにより、一対の合わせ部材61の間に対向する溝部61bによって形成された複数の矩形筒状の空間の断面形状が鍵型に変化し、一対の合わせ部材61の合わせ面61aの接触面積が減少していく。このように熱処理用治具60の一対の合わせ部材61の合わせ面61aの接触面積が減少すると、一対の合わせ部材61に誘導電流Iが流れにくくなり、熱処理用治具60の温度が上昇しにくくなる。
さらに、図7及び図9に示すように、熱処理用治具60の一対の合わせ部材61を、合わせ面61aに沿って溝部61bの幅方向に溝部61bの幅の分だけ相対移動させる。すると、一対の合わせ部材61の互いの溝部61bが互いの溝部61bの間の合わせ面61aに対向し、一対の合わせ部材61の合わせ面61aの接触面積が概ねゼロになり、一対の合わせ部材61が電気的に分離される。このように、熱処理用治具60の一対の合わせ部材61が電気的に分離された状態は、一対の合わせ部材61に最も誘導電流iが流れにくく、熱処理用治具60の温度が最も上昇しにくい状態である。
したがって、本実施形態の熱処理用治具60によれば、図2に示すように、熱処理用治具60によって保持された被加熱物Wを、加熱コイル70によって発生する磁界中に配置して熱処理する際に、熱処理用治具60の温度と被加熱物Wの温度をモニタリングし、随時、熱処理用治具60の温度を調節及び制御することができる。具体的には、熱処理用治具60の温度が被加熱物Wに対して高すぎる場合には、一対の合わせ部材61の合わせ面61aの接触面積を減少させるように、リニアアクチュエータ54のロッド54aを伸長させる。逆に、熱処理用治具60の温度が被加熱物Wに対して低すぎる場合には、一対の合わせ部材61の合わせ面61aの接触面積を増加させるように、リニアアクチュエータ54のロッド54aを収縮させる。
また、本実施形態の熱処理用治具60は、一対の合わせ部材61の溝部61bの数、形状又は寸法を調整することで、一対の合わせ部材61の温度の上昇のしやすさを変化させることも可能である。具体的には、溝部61bの数を増加させることで、合わせ部材61に誘導電流Iが流れにくくなり、熱処理用治具60の温度上昇を抑制することができる。逆に、溝部61bの数を減少させることで、合わせ部材61に誘導電流Iが流れやすくなり、熱処理用治具60の温度上昇を抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態の熱処理用治具60及びそれを備えた熱処理装置100によれば、高周波誘導加熱によって加熱される被加熱物Wを熱処理用治具60によって保持し、被加熱物Wの加熱中に随時の温度調節を可能にすることができる。
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
例えば、前述の実施形態では、一対の熱処理用治具によって被加熱物を保持する構成について説明したが、一の熱処理用治具の上に被加熱物を載置することによって被加熱物を保持してもよい。また、熱処理用治具は、一対の合わせ部材を備える構成に限定されず、例えば、一の合わせ部材の合わせ面に対して二以上の合わせ部材の合わせ面が対向する構成でもよく、互いに対向する合わせ面で重ね合わされた二対以上の合わせ部材を備える構成であってもよい。
[実施例]
以下、本発明の熱処理用治具の実施例と比較例について説明する。
図10(a)は、実施例1の熱処理用治具の合わせ部材の寸法及び形状を示す平面図及び端面図である。図10(b)は、実施例2の熱処理用治具の合わせ部材の寸法及び形状を示す平面図及び端面図である。図10(c)は、比較例1の熱処理用治具の合わせ部材の寸法及び形状を示す平面図及び端面図である。
まず、幅10mm、長さ30mm、厚さ5mmのインコネル(登録商標)718製の長方形平板を6枚用意した。そして、図10(a)に示すように、2枚の平板を用い、長さ方向に平行な中心線を中心に、幅方向に4mmのピッチと8mmのピッチで長さ方向に延びる合計4本の溝部を0.1mmの幅で形成し、実施例1の合わせ部材を製作した。また、別の2枚の平板を用い、図10(b)に示すように、長さ方向に平行な中心線を中心に、幅方向に6mmのピッチで2本の溝部を0.1mmの幅で形成し、実施例2の合わせ部材を製作した。また、図10(c)に示すように、残りの2枚の平板に溝部を形成しないものを比較例1の合わせ部材とした。
次に、φ100×50(8ターン)の加熱コイルを用意し、高周波加熱装置として株式会社豊電子工業製TypeIIIを用意した。また、被加熱物として、幅9mm、長さ28mm、厚さ13mmの磁石を用意した。そして、実施例1及び実施例2、並びに比較例1の合わせ部材によって挟持した被加熱物を、加熱コイルによって発生させた磁界中に配置して加熱した。被加熱物の加熱中に、図2に示すように、熱電対によって合わせ部材と被加熱物の温度を測定した。
図11は、実施例1の合わせ部材の温度Te1と被加熱物の温度Twを示すグラフである。なお、時間軸の40秒前後に温度Twが不連続に低下している部分は、高周波のノイズによるものである。4本の溝部を有する実施例1の合わせ部材は、誘導電流が最も流れにくくなり、被加熱物の温度Twに対する温度Te1の上昇が抑制され、時間の経過に伴って被加熱物の温度Twと合わせ部材の温度Te1との差が拡大する傾向が見られた。
図12は、実施例2の合わせ部材の温度Te2と被加熱物の温度Twを示すグラフである。なお、時間軸の40秒前後に温度Twが不連続に低下している部分は、高周波のノイズによるものである。2本の溝部を有する実施例2の合わせ部材は、実施例1の合わせ部材と比較して誘導電流が流れやすくなり、被加熱物の温度Twの上昇に追従して温度Te2が上昇し、実施例1の合わせ部材と比較して、被加熱物の温度Twと合わせ部材の温度Te2との差が縮小した。
図13は、比較例1の合わせ部材の温度Tc1と被加熱物の温度Twを示すグラフである。なお、時間軸の40秒前後に温度Twが不連続に低下している部分は、高周波のノイズによるものである。溝部を有しない比較例1の合わせ部材は、実施例2の合わせ部材と比較して誘導電流が流れやすくなり、被加熱物の温度Twの上昇を超えて温度Tc1が上昇し、時間の経過に伴って被加熱物の温度Twと合わせ部材との温度Tc1との差が拡大する傾向が見られた。
以上の結果から、熱処理治具の構成部材である合わせ部材の溝部の数によって、合わせ部材の温度上昇を調整することができることが確認できた。
60 熱処理用治具、61 合わせ部材、61a 合わせ面、61b 溝部、W 被加熱物

Claims (1)

  1. 高周波誘導加熱によって加熱される被加熱物を保持する熱処理用治具であって、
    互いに対向する合わせ面で重ね合わされた少なくとも一対の合わせ部材を備え、
    前記一対の合わせ部材は、それぞれの前記合わせ面に一方向に延在する複数の溝部を有するとともに、前記合わせ面に沿って前記複数の溝部の延在方向と交差する方向に相対移動可能に配置されることを特徴とする熱処理用治具。
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