JP2017019738A - 爪または皮膚の研磨カス飛散防止組成物 - Google Patents
爪または皮膚の研磨カス飛散防止組成物 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】数週間にわたって静置した状態で保存した該組成物であっても良好な飛散防止効果を有し、かつ爪または皮膚上に均一に塗布することが可能な爪または皮膚の研磨カス飛散防止組成物を提供する。【解決手段】少なくともアルコール、水、アルコールに非溶解性でかつ水溶性の多糖類、カルボキシビニルポリマー、およびヒドロキシプロピルセルロースを含有し、かつ、該カルボキシビニルポリマーと該ヒドロキシプロピルセルロースの質量比が1:4〜1:6であることを特徴とする、爪または皮膚の研磨カス飛散防止組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、爪または皮膚を研磨した際に生じる研磨カスを消毒しつつ、研磨カスの飛散を防止する、研磨カス飛散防止組成物に関する。
白癬は、白癬菌と称される真菌の感染により生じる皮膚感染症の一種である。白癬は、白癬菌が感染した部位により名称が異なっている。例えば、白癬菌が足に感染した場合は「足白癬」と呼ばれ、白癬菌が爪に感染した場合は「爪白癬」と呼ばれる。足白癬は日本人の5人に1人が罹患しており、爪白癬は日本人の10人に1人が罹患しているといわれている。
爪白癬の症状としては爪の肥厚や変形などがよく知られているが、爪周囲炎となることもある。また、糖尿病患者では壊疽に進展することもある。糖尿病患者では足白癬や爪白癬などに罹患しやすいといわれている。近年、足白癬または爪白癬を発症している糖尿病患者の数が増加しており、診療上の重要な項目となっている。
足白癬および爪白癬は、室内環境において感染が拡大することが多い。感染の拡大を防止するためには、患者由来の白癬菌の拡散を防止するとともに、室内環境の除菌が重要である。爪白癬の患者に対するフットケアでは、白癬菌が感染した爪をグラインダーや爪やすりなどを用いて研磨することが多い。また、足白癬の患者に対するフットケアでは、白癬菌が感染して肥厚した皮膚を角質やすりなどを用いて滑らかにすることがある。このように爪または皮膚を研磨すると、多量の研磨カスが発生し、白癬菌が付着した研磨カスが飛散する。白癬菌が付着した研磨カスが飛散してしまうと、白癬菌の感染が拡大するおそれがある。以上の理由により、爪白癬または足白癬の患者に対してフットケアを行う現場では、白癬菌の感染を防止する手段の開発が求められている。
特許文献1には、白癬菌の感染を防止する手段として、爪または皮膚を研磨する際にあらかじめ塗布することで、研磨の際に生じる研磨カスを消毒しつつ、飛散を防止することができる研磨カス飛散防止組成物が記載されている。
特許文献1では、エタノールなどのアルコールを50〜90質量%、ヒドロキシプロピルセルロースなどの増粘用高分子化合物を3〜10質量%、グルコマンナンなどのゲル化剤を2〜10質量%含有する研磨カス飛散防止組成物が提案されている。特許文献1の研磨カス飛散防止組成物は、これを爪や皮膚に塗布することで、爪または皮膚を研磨した際に生じる研磨カスの飛散を防止する効果が得られる。しかし該研磨カス飛散防止組成物を作製した後、例えば数週間にわたって静置した状態で保存した場合、作製後には均質な状態であった組成物が、増粘性高分子化合物やゲル化剤などの溶質成分の濃度が比較的高い部分と、アルコールなどの溶媒成分の濃度が比較的高い部分に分離する場合がある。このような分離が生じた組成物は、例えば木ベラ等の撹拌手段により、使用前に混ぜることで、見かけ上は均質な組成物が得られるが、該組成物を爪や皮膚上に均一に塗布することが難しい場合がある。また、組成物をチューブ状容器に封入して用いるような場合には、使用前に混ぜることが難しく、該組成物を爪や皮膚上に均一に塗布することが難しい。爪または皮膚上に均一に塗布されていなければ、飛散を十分に防止することはできず、言うなれば白癬菌の感染を防止することも困難となる。
一方、上記した増粘性高分子化合物やゲル化剤などの溶質成分の含有量を減らすことで、上記した分離は解消する方向に向かうが、組成物の粘度が低下することによって研磨カスの飛散防止効果は低下する。また、粘度が低下することで研磨カス飛散防止組成物に捕捉された研磨カスとアルコールとの接触時間も短くなり、特許文献1に記載のような殺菌効果を十分に得ることも困難となる。
本発明は、爪または皮膚を研磨した際に生じる研磨カスの飛散を防止する爪または皮膚の研磨カス飛散防止組成物であって、数週間にわたって静置した状態で保存した該組成物であっても良好な飛散防止効果を有し、かつ爪または皮膚上に均一に塗布することが可能な研磨カス飛散防止組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題に対し、鋭意検討した結果、以下の構成を有する研磨カス飛散防止組成物によって、上記課題を解決できることを見出した。
(1)少なくともアルコール、水、アルコールに非溶解性でかつ水溶性の多糖類、カルボキシビニルポリマー、およびヒドロキシプロピルセルロースを含有し、かつ、該カルボキシビニルポリマーと該ヒドロキシプロピルセルロースの質量比が1:4〜1:6であることを特徴とする、爪または皮膚の研磨カス飛散防止組成物。
本発明により、数週間にわたって静置した状態で保存した該組成物であっても良好な飛散防止効果を有し、かつ爪または皮膚上に均一に塗布することが可能な爪または皮膚の研磨カス飛散防止組成物を提供することできる。
本発明の爪または皮膚の研磨カス飛散防止組成物(以下「本発明の組成物」ともいう)は、爪や皮膚上に均一に塗布することが容易であり、研磨しようとする爪および/または皮膚上に塗布して使用する。使用方法の一例としては、チューブ容器に内包された本発明の組成物を少量取り出し、研磨しようとする爪または皮膚上に薄くのばして塗布し、塗布した爪または皮膚をグラインダーや爪やすり、角質やすりなどを用いて研磨する。研磨した際に生じる爪または皮膚の研磨カスは、本発明の組成物内に捕捉され、周囲に飛散することなく施術することができる。本発明の組成物は、アルコールの蒸発や研磨時の振動等により、研磨カスを含有した状態でそのまま固形化(ゲル化)する。固形化した組成物をティッシュペーパーなどで拭き取ることで、研磨カスを飛散させずに爪または皮膚の研磨を終えることができる。
本発明の研磨カス飛散防止組成物はアルコールを含有しており、本発明の組成物に捕捉された爪または皮膚の研磨カスは一定時間(例えば、10分間ほど)アルコールと接触することになる。したがって、アルコールと接触することですぐに死滅する細菌だけでなく、アルコールと一定時間接触させなければ死滅させることができない真菌(例えば白癬菌)についても、本発明の組成物で捕捉し、該組成物内に内包させることにより、死滅させることが期待できる。
以下に本発明の研磨カス飛散防止組成物の構成を説明する。
本発明の研磨カス飛散防止組成物は、アルコール、水、アルコールに非溶解性でかつ水溶性の多糖類、カルボキシビニルポリマー、およびヒドロキシプロピルセルロースを少なくとも含有する。
本発明の研磨カス飛散防止組成物が含有するアルコールは、殺菌(殺真菌を含む)作用を有し、人体に対する毒性が低いものであれば特に限定されない。そのようなアルコールの好ましい例としては、エタノールおよびイソプロパノールが挙げられる。これらのアルコールは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明の組成物中におけるアルコールの含有量は、前記した殺菌効果や、優れた塗布性と研磨カスを含有した状態で該組成物を良好に固形化(ゲル化)させる作用を両立させる観点から、該組成物の全質量に対して40〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは50〜80質量%である。また本発明の研磨カス飛散防止組成物が含有する水の含有量は、該組成物の全質量に対して10〜40質量%であることが好ましい。
本発明の研磨カス飛散防止組成物が含有する、アルコールに非溶解性でかつ水溶性の多糖類は、塗布後、アルコールが徐々に蒸散することで、本発明の組成物をゲル化させるものであれば特に種類は限定されない。そのような多糖類の例としては、グルコマンナン、カラギーナン、寒天、ペクチン、キサンタンガム、グアガム、ジェランガム、アルギン酸、タラガム、トラガントガム、カードラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、カラヤガム、デンプンおよびセルロースなどが挙げられる。これらの多糖類は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明の組成物に用いられるアルコール非溶解性でかつ水溶性の多糖類の含有量は、アルコールの蒸散速度を調整する観点から、該組成物の全質量に対して0.5〜10質量%の範囲が好ましい。なお、本発明においてアルコールに非溶解性であるとは該組成物が含有するアルコール100g(20℃)への溶解量が0.5g未満であることを意味する。
本発明の研磨カス飛散防止組成物は、カルボキシビニルポリマーを含有する。カルボキシビニルポリマーは、増粘剤として一般に広く使用されている化合物であり、カルボキシル基を有する水溶性のビニルポリマーである。このようなカルボキシビニルポリマーとしては、例えばルーブリゾール(株)社製のCARBOPOLシリーズ、和光純薬工業(株)社製のハイビスワコーシリーズ、住友精化(株)社製のアクペックシリーズ等として市販されているので、これらを入手し使用することができる。なお、本発明において水溶性とは水100g(20℃)への溶解量が0.5g以上であることを意味する。
本発明の研磨カス飛散防止組成物が含有するカルボキシビニルポリマーの含有量は、該組成物の全質量に対して好ましくは0.1〜3質量%であり、より好ましくは0.5〜2質量%である。カルボキシビニルポリマーの含有量が0.1質量%未満の場合、数週間にわたって静置した状態で保存した該組成物を爪や皮膚上に塗布した際に、均一な塗布が困難となる場合がある。または3質量%を超える場合、数週間にわたって保存する前の組成物であっても爪または皮膚上に均一に塗ることが困難となる場合がある。
本発明の研磨カス飛散防止組成物はヒドロキシプロピルセルロースを含有する。ヒドロキシプロピルセルロースとは、セルロースの水酸基の一部又は全部が(CH2CH(CH3)−O)mH(式中、mは1以上の整数)で置換されたセルロース誘導体であり、この置換度などについては特に限定されない。このようなヒドロキシプロピルセルロースは、一般に市販されているものを入手し、利用することが可能であり、例えば日本曹達(株)社製のセルニーシリーズなどを使用することができる。
本発明の研磨カス飛散防止組成物においては、上記したカルボキシビニルポリマーとヒドロキシプロピルセルロースの質量比を1:4〜1:6とする。このような範囲とすることで、研磨カス飛散防止組成物を数週間にわたって静置した状態で保存した場合であっても該組成物の均質な状態が保たれ、爪または皮膚上に均一に塗布することが可能となる。本発明の研磨カス飛散防止組成物が含有するヒドロキシプロピルセルロースの含有量は、組成物の全質量に対して3〜10質量%の範囲内が好ましい。さらには3〜8質量%の範囲が好ましい。ヒドロキシプロピルセルロースの含有量が3質量%未満の場合、組成物の粘度が低すぎるため、爪または皮膚の研磨カスを十分に捕捉することができない場合がある。またアルコールの蒸発速度が早く、真菌を死滅させる効果も期待できない場合がある。一方、ヒドロキシプロピルセルロースの含有量が10質量%を超える場合、該組成物の作製直後であっても均質な組成物を得ることが難しくなる場合がある。
本発明の研磨カス飛散防止組成物においては、平均分子量が380,000以下のヒドロキシプロピルセルロースと、平均分子量が770,000以上のヒドロキシプロピルセルロースの2種類のヒドロキシプロピルセルロースを含有することが好ましい。さらには、平均分子量が380,000以下のヒドロキシプロピルセルロースと、平均分子量が770,000以上のヒドロキシプロピルセルロースを1:3〜1:5の質量比で含有することが好ましい。このような範囲とすることで、研磨カスの飛散防止効果と塗布性(研磨カス飛散防止組成物を静置した状態で保存する前の塗布性)に、とりわけ優れた研磨カス飛散防止組成物を得ることができる。なお、本明細書における平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(所謂GPC法)を用いて測定した値である。
本発明の研磨カス飛散防止組成物は、該組成物に増粘性を付与する高分子化合物を含有してもよい。かかる高分子化合物は、前記したカルボキシビニルポリマーおよびヒドロキシプロピルセルロース以外の高分子化合物であって、アルコールを含有する本発明の組成物の粘度を所望の粘度に調整(増粘)できるものであれば特に種類は限定されない。そのような高分子化合物の例としては、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドンビニルアセテート、低ケン化度ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、マクロゴール、アラビアゴムなどが挙げられる。アラビアゴムは、増粘性を付与するだけでなく、薬液定着剤としての効果も期待できる。これら増粘性を付与する高分子化合物の含有量は、前記したカルボキシビニルポリマーおよびヒドロキシプロピルセルロースの合計量を超えないことが好ましく、該合計量の50質量%以下であることが好ましい。
本発明の研磨カス飛散防止組成物は、角質軟化剤を含有することが好ましい。角質軟化剤を配合することで、爪または皮膚の研磨面をより滑らかにすることができ、研磨後の爪または皮膚の美観を向上させることができる。角質軟化剤としては、角質溶解作用または角質軟化作用を有するものであれば特に限定されない。そのような角質軟化剤の例としては、サリチル酸、グリコール酸、乳酸、フルーツ酸などが挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。サリチル酸は、角質軟化作用に加えて抗真菌作用も有しているため、本発明の組成物に配合する角質軟化剤として特に好ましい。本発明の組成物における角質軟化剤の総含有量は、本発明の組成物の全質量に対して0.1〜30質量%であることが好ましい。
本発明の研磨カス飛散防止組成物は、ケラチン保護剤を含有することが好ましい。ケラチン保護剤を配合することで、研磨後の爪または皮膚に対する保護効果や美容的効果(例えば、保湿効果など)を向上させることができる。ケラチン保護剤としては、ケラチン保護作用を有するものであれば特に限定されない。そのようなケラチン保護剤の例としては、尿素やケラチンなどが挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明の組成物におけるケラチン保護剤の総含有量は、本発明の組成物の全質量に対して5〜30質量%であることが好ましい。
本発明の研磨カス飛散防止組成物は上記した化合物以外にも、例えば塩酸テルビナフィンなどの抗真菌薬;塩化ベンザルコニウムや塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジンなどの殺菌消毒薬;天然保湿成分やビタミン製剤、ヒアルロン酸、スクワランなどの保湿剤;グリセリンに代表される低分子量の粘性調整剤などを含有することができる。また、本発明の組成物は、着色剤や着香剤を含有することができる。
本発明の研磨カス飛散防止組成物のpHは、特に限定されない。例えば、本発明の組成物のpHは、添加成分などに応じて2〜8の範囲内で調整される。
本発明の研磨カス飛散防止組成物の調製方法は、特に限定されない。例えば、アルコールやアルコール含有水溶液に、アルコールに非溶解性でかつ水溶性の多糖類、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、増粘性を付与する高分子化合物などを添加し、撹拌することで、本発明の組成物を調製することができる。
本発明の研磨カス飛散防止組成物は、爪または皮膚上に容易に塗布することができ、爪または皮膚を研磨した際に生じる研磨カスが該組成物に捕捉されることで研磨カスが消毒されるとともに、研磨カスの飛散を防止することができる。例えば、本発明の研磨カス飛散防止組成物を用いることで、白癬菌の感染拡大を防止しつつ、爪白癬または足白癬の患者に対してフットケアを行うことができる。また、本発明の研磨カス飛散防止組成物は、フットケアだけでなく美容的ネイルケアおよびスキンケアにも使用することができる。
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
蒸留水25.6g、100%エタノール53.4gを混合した後、アルコールに非溶解性でかつ水溶性の多糖類としてグルコマンナンであるレオックスOne(清水化学(株)社製)3g、角質軟化剤としてサリチル酸3g、カルボキシビニルポリマーであるハイビスワコー103(和光純薬(株)社製)1g、平均分子量が140,000のヒドロキシプロピルセルロースであるNISSO HPC L(日本曹達(株)社製)0.8g、平均分子量が910,000のヒドロキシプロピルセルロースであるNISSO HPC H(日本曹達(株)社製)3.2g、ケラチン保護剤として尿素10gをこの順に混合した。十分に混合した後に、樹脂製の密閉容器に入れ、これを実施例1の研磨カス飛散防止組成物とした。実施例1の研磨カス飛散防止組成物は、作製後、アルコールが揮発しないように、十分に密閉した状態で評価を行うまで保存した。
蒸留水25.6g、100%エタノール53.4gを混合した後、アルコールに非溶解性でかつ水溶性の多糖類としてグルコマンナンであるレオックスOne(清水化学(株)社製)3g、角質軟化剤としてサリチル酸3g、カルボキシビニルポリマーであるハイビスワコー103(和光純薬(株)社製)1g、平均分子量が140,000のヒドロキシプロピルセルロースであるNISSO HPC L(日本曹達(株)社製)0.8g、平均分子量が910,000のヒドロキシプロピルセルロースであるNISSO HPC H(日本曹達(株)社製)3.2g、ケラチン保護剤として尿素10gをこの順に混合した。十分に混合した後に、樹脂製の密閉容器に入れ、これを実施例1の研磨カス飛散防止組成物とした。実施例1の研磨カス飛散防止組成物は、作製後、アルコールが揮発しないように、十分に密閉した状態で評価を行うまで保存した。
(実施例2)
実施例1の研磨カス飛散防止組成物の作製において、カルボキシビニルポリマーであるハイビスワコー103の添加量を0.83g、平均分子量が140,000のヒドロキシプロピルセルロースであるNISSO HPC Lの添加量を0.83g、平均分子量が910,000のヒドロキシプロピルセルロースNISSO HPC Hの添加量を3.34gとした以外は実施例1と同様にして、実施例2の研磨カス飛散防止組成物を得た。
実施例1の研磨カス飛散防止組成物の作製において、カルボキシビニルポリマーであるハイビスワコー103の添加量を0.83g、平均分子量が140,000のヒドロキシプロピルセルロースであるNISSO HPC Lの添加量を0.83g、平均分子量が910,000のヒドロキシプロピルセルロースNISSO HPC Hの添加量を3.34gとした以外は実施例1と同様にして、実施例2の研磨カス飛散防止組成物を得た。
(実施例3)
実施例1の研磨カス飛散防止組成物の作製において、カルボキシビニルポリマーであるハイビスワコー103の添加量を0.71g、平均分子量が140,000のヒドロキシプロピルセルロースであるNISSO HPC Lの添加量を0.85g、平均分子量が910,000のヒドロキシプロピルセルロースNISSO HPC Hの添加量を3.41gとした以外は実施例1と同様にして、実施例3の研磨カス飛散防止組成物を得た。
実施例1の研磨カス飛散防止組成物の作製において、カルボキシビニルポリマーであるハイビスワコー103の添加量を0.71g、平均分子量が140,000のヒドロキシプロピルセルロースであるNISSO HPC Lの添加量を0.85g、平均分子量が910,000のヒドロキシプロピルセルロースNISSO HPC Hの添加量を3.41gとした以外は実施例1と同様にして、実施例3の研磨カス飛散防止組成物を得た。
(実施例4)
実施例1の研磨カス飛散防止組成物の作製において、100%エタノールの添加量を58.9gとし、増粘性を付与する高分子化合物としてモビタールB30H(クラレ(株)社製ポリビニルブチラール)2gを追加した以外は実施例1と同様にして、実施例4の研磨カス飛散防止組成物を得た。
実施例1の研磨カス飛散防止組成物の作製において、100%エタノールの添加量を58.9gとし、増粘性を付与する高分子化合物としてモビタールB30H(クラレ(株)社製ポリビニルブチラール)2gを追加した以外は実施例1と同様にして、実施例4の研磨カス飛散防止組成物を得た。
(比較例1)
実施例1の研磨カス飛散防止組成物の作製において、平均分子量が140,000のヒドロキシプロピルセルロースであるNISSO HPC Lの添加量を1g、平均分子量が910,000のヒドロキシプロピルセルロースNISSO HPC Hの添加量を4gとし、カルボキシビニルポリマーであるハイビスワコー103を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例1の研磨カス飛散防止組成物を得た。
実施例1の研磨カス飛散防止組成物の作製において、平均分子量が140,000のヒドロキシプロピルセルロースであるNISSO HPC Lの添加量を1g、平均分子量が910,000のヒドロキシプロピルセルロースNISSO HPC Hの添加量を4gとし、カルボキシビニルポリマーであるハイビスワコー103を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例1の研磨カス飛散防止組成物を得た。
(比較例2)
実施例1の研磨カス飛散防止組成物の作製において、カルボキシビニルポリマーであるハイビスワコー103の添加量を2.5g、平均分子量が140,000のヒドロキシプロピルセルロースであるNISSO HPC Lの添加量を0.5gとし、平均分子量が910,000のヒドロキシプロピルセルロースNISSO HPC Hの添加量を2gとした以外は実施例1と同様にして、比較例2の研磨カス飛散防止組成物を得た。
実施例1の研磨カス飛散防止組成物の作製において、カルボキシビニルポリマーであるハイビスワコー103の添加量を2.5g、平均分子量が140,000のヒドロキシプロピルセルロースであるNISSO HPC Lの添加量を0.5gとし、平均分子量が910,000のヒドロキシプロピルセルロースNISSO HPC Hの添加量を2gとした以外は実施例1と同様にして、比較例2の研磨カス飛散防止組成物を得た。
(比較例3)
実施例1の研磨カス飛散防止組成物の作製において、カルボキシビニルポリマーであるハイビスワコー103の添加量を1.25g、平均分子量が140,000のヒドロキシプロピルセルロースであるNISSO HPC Lの添加量を0.75g、平均分子量が910,000のヒドロキシプロピルセルロースNISSO HPC Hの添加量を3gとした以外は実施例1と同様にして、比較例3の研磨カス飛散防止組成物を得た。
実施例1の研磨カス飛散防止組成物の作製において、カルボキシビニルポリマーであるハイビスワコー103の添加量を1.25g、平均分子量が140,000のヒドロキシプロピルセルロースであるNISSO HPC Lの添加量を0.75g、平均分子量が910,000のヒドロキシプロピルセルロースNISSO HPC Hの添加量を3gとした以外は実施例1と同様にして、比較例3の研磨カス飛散防止組成物を得た。
(比較例4)
実施例1の研磨カス飛散防止組成物の作製において、カルボキシビニルポリマーであるハイビスワコー103の添加量を0.63g、平均分子量が140,000のヒドロキシプロピルセルロースであるNISSO HPC Lの添加量を0.88g、平均分子量が910,000のヒドロキシプロピルセルロースNISSO HPC Hの添加量を3.5gとした以外は実施例1と同様にして、比較例4の研磨カス飛散防止組成物を得た。
実施例1の研磨カス飛散防止組成物の作製において、カルボキシビニルポリマーであるハイビスワコー103の添加量を0.63g、平均分子量が140,000のヒドロキシプロピルセルロースであるNISSO HPC Lの添加量を0.88g、平均分子量が910,000のヒドロキシプロピルセルロースNISSO HPC Hの添加量を3.5gとした以外は実施例1と同様にして、比較例4の研磨カス飛散防止組成物を得た。
<塗布性>
実施例1〜4及び比較例1〜4の研磨カス飛散防止組成物の塗布性を以下の方法で評価した。十分に密閉された樹脂製容器内にて室温で2週間、静置した状態で保管された研磨カス飛散防止組成物を、撹拌せずに、木ベラを使って容器内から取り出し、爪及び皮膚上に塗り付け、その後、組成物をのばすことを試みた。組成物をのばした際の印象を以下の基準で評価した。この結果を表1に示す。
◎:爪及び皮膚上に均一に塗りやすい。
〇:爪及び皮膚上に塗ることができるが、均一性がやや低下する。
△:爪及び皮膚上に塗ることができるが、均一性に欠ける。
×:爪及び皮膚上に塗りにくい。
結果を表1に示す。
実施例1〜4及び比較例1〜4の研磨カス飛散防止組成物の塗布性を以下の方法で評価した。十分に密閉された樹脂製容器内にて室温で2週間、静置した状態で保管された研磨カス飛散防止組成物を、撹拌せずに、木ベラを使って容器内から取り出し、爪及び皮膚上に塗り付け、その後、組成物をのばすことを試みた。組成物をのばした際の印象を以下の基準で評価した。この結果を表1に示す。
◎:爪及び皮膚上に均一に塗りやすい。
〇:爪及び皮膚上に塗ることができるが、均一性がやや低下する。
△:爪及び皮膚上に塗ることができるが、均一性に欠ける。
×:爪及び皮膚上に塗りにくい。
結果を表1に示す。
<飛散防止効果>
実施例1〜4及び比較例1〜4の研磨カス飛散防止組成物を用いて、爪または皮膚を研磨した際の研磨カスの飛散防止効果を以下の方法で評価した。十分に密閉された樹脂製容器内にて室温で2週間、静置した状態で保管された研磨カス飛散防止組成物を、木ベラを使って撹拌した後に容器内から取り出し、施術する箇所に塗布した。適切な塗布がしにくい組成物については組成物の量を多く塗布するなどして、可能な限り適切に塗布を行った。その後、グラインダーを用いて爪を研磨し、目視にて組成物と研磨カスの飛散の様子を以下の基準で評価した。この結果を表1に示す。
◎:組成物及び研磨カスが飛散せず良好。
〇:組成物及び研磨カスが僅かに飛散したが、十分な飛散防止効果が認められた。
△:組成物及び研磨カスがやや飛散した。
×:組成物及び研磨カスが飛散した。
実施例1〜4及び比較例1〜4の研磨カス飛散防止組成物を用いて、爪または皮膚を研磨した際の研磨カスの飛散防止効果を以下の方法で評価した。十分に密閉された樹脂製容器内にて室温で2週間、静置した状態で保管された研磨カス飛散防止組成物を、木ベラを使って撹拌した後に容器内から取り出し、施術する箇所に塗布した。適切な塗布がしにくい組成物については組成物の量を多く塗布するなどして、可能な限り適切に塗布を行った。その後、グラインダーを用いて爪を研磨し、目視にて組成物と研磨カスの飛散の様子を以下の基準で評価した。この結果を表1に示す。
◎:組成物及び研磨カスが飛散せず良好。
〇:組成物及び研磨カスが僅かに飛散したが、十分な飛散防止効果が認められた。
△:組成物及び研磨カスがやや飛散した。
×:組成物及び研磨カスが飛散した。
表1より本発明の研磨カス飛散防止組成物は、安定的かつ良好な塗布性と飛散防止効果を有することが分かる。
本発明の研磨カス飛散防止組成物は、爪疾患または皮膚疾患の患者に対してフットケアを行う医療機関や、ネイルケアを行うネイルサロンなどにおける、真菌感染の拡大の予防に有用である。
Claims (1)
- 少なくともアルコール、水、アルコールに非溶解性でかつ水溶性の多糖類、カルボキシビニルポリマー、およびヒドロキシプロピルセルロースを含有し、かつ、該カルボキシビニルポリマーと該ヒドロキシプロピルセルロースの質量比が1:4〜1:6であることを特徴とする、爪または皮膚の研磨カス飛散防止組成物。
Priority Applications (1)
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JP2015137631A JP2017019738A (ja) | 2015-07-09 | 2015-07-09 | 爪または皮膚の研磨カス飛散防止組成物 |
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