JP2017019387A - リヤアーム、鞍乗型車両及び製造方法 - Google Patents

リヤアーム、鞍乗型車両及び製造方法 Download PDF

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雅文 清水
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Abstract

【課題】鋳造された右アーム及び左アームを、溶接によらずに容易に結合しつつも、剛性を確保できるリヤアームを提供する。【解決手段】リヤアーム15は、右アーム3と、左アーム2と、締結部材とを備える。右アームは、右前部3Fと右後部3Bとが一体的に鋳造形成されたものである。左アーム2は、左前部2Fと左後部2Bとが一体的に鋳造形成されたものである。右アーム3の右前部3Fと左アーム2の左前部2Fとは、締結部材5によって結合される。右アーム3と左アーム2のいずれか一方にのみ、リヤサスペンションの一端部を支持する支持ボス部が一体形成される。【選択図】図2

Description

本発明は、鞍乗型車両に取り付けられるリヤアーム及びその製造方法に関する。
鞍乗型車両において、車輪を揺動自在に支持するリヤアームには、大きな荷重がかかる。また、リヤアームには、揺動方向のみならず、あらゆる方向の曲げやねじりの力が加わる。リヤアームには、このような力に耐える高い強度が求められる。加えて揺動方向のみならず、あらゆる方向の曲げやねじりの力が加わったとき、リヤアームは、さまざまな形に変形する。変形が大きいと、車軸の角度が変化することにつながる。その結果、操縦するライダーが違和感を覚える。そのため、リヤアームには、変形を抑えるための剛性も求められる。しかし、強度や剛性を高めるためにリヤアームの重量を増やすと、ばね下重量が増えてしまう。その結果、鞍乗型車両の運動性が低下する。そのため、リヤアームには、強度、剛性及び軽量化の両立が求められる。
例えば、リヤアームのピボット軸付近をボックス状の中空部に構成することで、断面係数を大きくすることができ、強度、剛性及び軽量化の両立を図ることができる。従来、このような構成のリヤアームは、重力鋳造により製造されてきた。近年、生産量の増加とともに、重力鋳造の代わりに、溶湯を高速、高圧で金型に充填させ凝固させるダイカスト鋳造が用いられ、生産性の向上に貢献していることがある。例えば、下記特許文献1及び2では、右アームと左アームをダイカスト鋳造により形成し、これらを溶接してリヤアームを構成することが開示されている。
特開2004−106571号公報 特許第5400662号公報
ダイカスト鋳造によれば、重力鋳造に比べて、より短時間で、表面がより滑らかな製品が得られる。ダイカスト鋳造を用いて中空部を有するリヤアームを形成する場合は、上記従来技術のように、右アームと左アームをそれぞれ鋳造する必要がある。この場合、右アームと左アームを結合してリヤアームを形成する。右アームと左アームを溶接により結合することで、結合部分の剛性が向上する。
しかしながら、溶接することよって右アームと左アームに歪みが生じやすい。大きな歪みが発生すると右アームと左アームの相対位置関係を確保するのが難しくなるので、溶接には、高度な技術が求められる。また、溶接によるリヤアームの歪みを修正するための加工、及び品質管理が必要になる。その結果、製造コストが上昇する。
そこで、本願は、ダイカスト鋳造された右アーム及び左アームを、溶接によらずに容易に結合しつつも、剛性を確保することができるリヤアーム及びその製造方法を開示する。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記実施形態における鞍乗型車両のリヤアームは、リヤアームは、前部と後部とを含む。前部は、ピボット軸を挿入するためのピボット軸孔及び前記ピボット軸孔よりも後方に形成された中空部を有する。後部は、前記中空部から後方に向けて延びると共に後端部に後輪の車軸を挿入するための車軸孔が形成される。前記リヤアームは、右アームと、前記右アームと結合する左アームとを備える。すなわち、前記リヤアームは、右アームと左アームが結合されて構成される。
前記右アームは、右前部と右後部が一体的にダイカスト鋳造形成されたものである。右前部は、前記ピボット軸孔の右側を構成する右ピボット軸孔を有し、左側が開口する第1空間を画定すると共に前記中空部の右側を構成する右前壁を有する。右後部は、前記右前部から後方に延び、前記車軸孔の右側を構成する右車軸孔を有する。
前記左アームは、左前部と左後部が一体的にダイカスト鋳造形成されたものである。左前部は、前記ピボット軸孔の左側を構成する左ピボット軸孔を有し、右側が開口する第2空間を画定すると共に前記中空部の左側を構成する左前壁を有する。左後部は、前記左前部から後方に延び、車軸孔の左側を構成する左車軸孔を有する。
前記右アームの前記右前部と前記左アームの左前部とは締結部材によって結合されている。前記右アームと前記左アームのいずれか一方にのみ、リヤサスペンションの一端部を支持する支持ボス部が一体形成される(第1の構成)。
上記第1の構成において、右アームは、左側に開口する第1空間を有する右前部を含むので、型抜き方向を左右方向に平行とする金型を用いるダイカスト鋳造に適した形状を有する。左アームも、右側に開口する第2空間を有する左前部を含むので、ダイカスト鋳造に適した形状を有する。右アームと左アームが、締結部材で締結されると、右前部の第1空間の左側の開口と左前部の第2空間の右側の開口とが対向する。そのため、リヤアームは、ピボット軸が配置される前部分に中空部を有する構造となる。これにより、比較的大きな力がかかるピボット軸が配置される前部分の剛性を高めることができると共に重量の増加を抑えることができる。また、支持ボス部が、右アーム又は左アームのいずれか一方に形成される。そのため、支持ボス部に、右アームと左アームの結合部は配置されない。これにより、比較的大きな力がかかる支持ボス部の剛性を確保することができる。
このように、締結部材を用いて右アームと左アームとを結合してリヤアームを構成し、かつ、リヤアームに要求される剛性を確保することが可能になる。すなわち、溶接により右アームと左アームを結合しなくても、要求される剛性を確保することが可能になる。そのため、溶接による歪みは発生しない。その結果、ピボット軸及び支持ボス部の位置精度を管理することが容易になる。例えば、結合時に、右ピボット軸孔及び左ピボット軸孔の位置精度、並びに支持ボス部の位置精度を確保しておけば、結合後において、これらの位置精度を確保するため再加工が不要に又は少なくなる。
前記支持ボス部は、前記リヤアームの左右方向中央部に設けることができる(第2の構成)。これにより、リヤサスペンションは、リヤアームの左右方向中央付近で支持される。そのため、リヤサスペンションを、リヤアームの左右のいずれかに偏った位置で支持する構成に比べて、リヤアームの左右方向のサイズを小さくすることが容易になる。そのため、鞍乗型車両において、マフラーやチェーン等の他の部品との位置関係を考慮してリヤアームを効率よく配置することが容易になる。
第2の構成において、前記右アームの右前壁と前記左アームの左前壁とが接触する合わせ面の少なくとも一部は、前記ピポット部における左右方向の中央を含む左右方向中央面に対して、前記右アーム及び前記左アームのうち前記支持ボス部が形成されていない方向にずらして配置することができる(第3の構成)。これにより、支持ボス部を、右アーム又は左アームの一方に形成しながら、リヤアームの左右方向中央部に配置することが容易になる。
第3の構成において、前記合わせ面は、左右方向中央部に配置される面と、前記左右方向中央部に配置される面に対して、前記右アーム及び前記左アームのうち前記支持ボス部が形成されていない方向にずれて配置される面とを含んでもよい(第4の構成)。合わせ面が左右方向中央部に配置される部分では、右アームの左右方向の寸法と左アームの左右方向の寸法との差が小さい。これにより、右アーム又は左アームいずれかにおいて、左右方向の寸法が極端に大きくなるのが抑えられる。その結果、右アーム又は左アームのダイカスト鋳造における型抜きが容易になる。
第4の構成において、前記右前壁及び前記左前壁の一方は、前記中空部の側方を画定する側壁部を有してもよい。この場合、前記側壁部に、前記側壁部から前記右前壁及び前記左前壁の他方に向けて延びると共に底部が前記締結部材による締結部の締結座とされた凹部を形成することができる(第5の構成)。これにより、右前壁及び左前壁の側壁部のいずれか一方から他方へ向けて凹む凹部の底が、締結部の締結座となる。そのため、凹部を設けない場合に比べて、側壁部における締結部材の長さを短くすることができる。
第5の構成において、前記凹部は、前記右アーム及び前記左アームのうち前記支持ボス部が形成されていない一方に形成することができる(第6の構成)。これにより、支持ボス部が形成されるアームに凹部を設ける場合に比べて、凹部を深さ方向の寸法を小さくできる。そのため、凹部の開口は小さくて済む。
第1〜第6の構成のいずれかにおいて、前記支持ボス部は、前記右前部の前記第1空間の下方を画定する下壁と前記左前部の前記第2空間の下方を画定する下壁のいずれか一方に形成することができる(第7の構成)。これにより、リヤアームの下面で、リヤサスペンションを支持する構成とすることができる。リヤアームの下面でリヤサスペンションの一端部を支持する構成においては、リヤサスペンションの他端部は、リヤアームの上方で支持されることが少なくない。この場合、リヤサスペンションは、リヤアームの下方から、リヤアームのピボット軸の後方であって右アームと左アームの間に形成されるサス孔を通るよう配置される(例えば、図5及び図6参照)。その構成では、支持ボス部を、左右方向中央部に対して左方又は右方へオフセットして配置することは難しい。本実施形態では、上記のように、支持ボス部を、右アーム又は左アームの一方に形成しながら、リヤアームの左右方向中央部に配置することができる。そのため、リヤアームの下方でリヤサスペンションを支持する構成は、本実施形態に好適に用いられる。
第1〜第7の構成のいずれかにおいて、前記右アームの右前部は、前記第1空間を前後方向に画定する右中壁部を有してもよい。前記左アームの左前部は、前記第2空間を前後方向に画定する左中壁部を有してもよい。この場合、前記右中壁部の左端と、前記左中壁部の右端は、互いに接するよう構成することができる(第8の構成)。これにより、リヤアームの前部分における剛性をさらに高めることができる。
第8の構成において、前記締結部材は、前記右中壁部及び前記左中壁部の上端と下端に対応する位置に設けることができる(第9の構成)。これにより、締結部材による結合部の剛性の確保を効率よく達成することができる。
第8又は第9の構成において、前記締結部材は、前記右中壁部と前記左中壁部とが接する面において、前記右中壁部と前記左中壁部を互いに締結する締結部材を含んでもよい(第10の構成)。これにより、締結部材による結合部の剛性の確保をより効率よく達成することができる。
第8〜第10の構成のいずれかにおいて、前記締結部材は、前記右中壁部又は前記左中壁部に沿って並んで配置される複数の締結部材を含んでもよい(第11の構成)。これにより、締結部材による結合部の剛性の確保をより効率よく達成することができる。
第8〜11の構成のいずれかにおいて、前記支持ボス部は、前記右中壁部又は前記左中壁部を上方又は下方に延長した仮想延長面と交わる位置に設けられる(第12の構成)。これにより、支持ボス部を介して伝わる力に対する剛性を前記右壁部又は前記左壁部により補強する効果を高めることができる。
第1〜第12の構成のいずれかにおいて、前記締結部材のリヤアームの外側に露出した部分を覆うカバーをさらに設けてもよい(第13の構成)。これにより、締結部材の露出部分が見えなくなる。その結果、外観がよくなる。
第1〜第13の構成のいずれかにおいて、前記右前部の前記右ピボット軸孔と、前記左前部の前記左ピボット軸孔とは、左右方向に連続して配置される。前記リヤアームは、前記右ピボット軸孔の内周面と、前記左ピボット軸孔の内周面の双方に接するカラーをさらに備えてもよい(第14の構成)。これにより、右アームの右ピボット軸孔と、左アームの左ピボット軸孔とを精度よく同軸に配置することが容易になる。例えば、結合時に、右ピボット軸孔及び左ピボット軸孔の位置精度を確保しておけば、結合後において、これらの位置精度を確保するための再加工が不要又は少なくなる。
第1〜第14の構成において、前記右前壁は、前記右前部の第1空間の下方を画定する下壁を含んでもよい。また、前記左前壁は、前記左前部の第2空間の下方を画定する下壁を含んでもよい。この場合、前記右前部の下壁と前記左前部の下壁は、互いに接する合わせ面を有してもよい。前記右前壁の下壁又は前記左前壁の下壁に、前記右前壁の下壁又は前記左前壁の下壁の前記合わせ面の一部を切り欠いて形成される溝を設けることができる(第15の構成)。前記溝は、前記下壁の厚み方向において内側から外側へ達する。
第15の構成によれば、右アームと左アームが結合され、右前部の下壁と左前部の下壁とが接した状態において、前記合い面の一部に形成された溝は、下壁の貫通孔となる。例えば、リヤアームの中空部に水等の液体が浸入した場合であっても、下壁の貫通孔を介して液体を排出することができる。
第1〜第15のいずれかの構成のリヤアームを備えた鞍乗型車両も、本発明の実施形態に含まれる。
上記実施形態における製造方法で製造されるリヤアームは、ピボット軸を挿入するためのピボット軸孔及びピボット軸孔よりも後方に形成された中空部を有する前部と、中空部から後方に向けて延びると共に後端部に後輪の車軸を挿入するための車軸孔が形成された後部とを含む。この製造方法は、右アーム鋳造成工程と、左アーム鋳造工程と、結合工程とを有する。右アーム鋳造成工程では、ピボット軸孔の右側を構成する右ピボット軸孔を有し、左側が開口する第1空間を画定すると共に中空部の右側を構成する右前壁を有する右前部と、右前部から後方に延び、車軸孔の右側を構成する右車軸孔を有する右後部とを含む右アームを、ダイカスト鋳造により一体的に形成する。左アーム鋳造工程では、前記ピボット軸孔の左側を構成する左ピボット軸孔を有し、右側が開口する第2空間を画定すると共に前記中空部の左側を構成する左前壁を有する左前部と、前記左前部から後方に延び、車軸孔の左側を構成する左車軸孔を有する左後部とを含む左アームを、ダイカスト鋳造により一体的に形成する。前記結合工程では、前記右アームの前記右前部と前記左アームの前記左前部とを締結部材によって結合する。前記右アーム鋳造工程又は、前記左アーム鋳造工程において、前記右アームと前記左アームのいずれか一方にのみ、リヤサスペンションの一端部を支持する支持ボス部を一体形成する。
上記製造方法によれば、ダイカスト鋳造に適した構成の右アーム及び左アームにより、前部に中空部を有する剛性の高いリヤアームを製造することができる。また、支持ボス部を右アーム又は左アームのいずれか一方にのみ形成するので、支持ボス部の剛性及び支持ボス部の強度を確保しやすい。そのため、締結部材を用いて右アームと左アームとを結合しながらも、リヤアームの強度及び剛性を確保することが可能になる。すなわち、溶接により右アームと左アームを結合しなくても剛性を確保することができる。溶接による歪みは発生しないので、製造工程において、ピボット軸及び支持ボス部の位置精度を管理することが容易になる。また、支持ボス部が左右に分割されないので、支持ボス部の左右の位置を合わせるための加工等の工程が不要又は少なくなる。
本発明の実施形態によるリヤアーム及びその製造方法においては、ダイカスト鋳造された右アーム及び左アームを、溶接によらずに容易に結合しつつも、剛性を確保することができる。
図1は、本実施形態における自動二輪車10の左側面図である。 図2は、リヤアーム15の上面図である。 図3は、図2に示す左アーム2の右側面図である。 図4は、図2に示すリヤアーム15の右側面図である。 図5は、図4に示すリヤアーム15に取り付けられるリヤサスペンションの配置例を示す図である。 図6は、図4に示すリヤアーム15に取り付けられるリヤサスペンションの配置の他の例を示す図である。 図7は、図2のリヤアーム15の後側面図である。 図8は、溝の周辺部分をリヤアームの外側から見た場合の構成例を示す図である。 図9は、カラーが挿入された左ピボット軸孔と右ピボット軸孔の構成例を示す図である。 図10は、図9のE−E線における断面を示す図である。 図11は、図4に示すリヤアームに、カバーを設ける場合の構成例を示す図である。 図12は、図11のF−F線におけるカバー36の断面を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態によるリヤアーム及び鞍乗型車両について説明する。本実施形態では、鞍乗型車両として、自動二輪車を例に説明する。図中、同一又は相当部分には、同一符号を付して、その部材についての説明は繰り返さない。また、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。なお、以下の説明において、前方、後方、左方及び右方は、シートに着座し且つハンドルを握った状態の運転者から見た前方、後方、左方及び右方を意味する。
<自動二輪車の全体構成例>
図1は、本実施形態における自動二輪車10の左側面図である。図1において、矢印Fは前方を示し、矢印Bは後方を示す。矢印Uは上方向を示し、矢印Dは下方を示す。自動二輪車10は、車体フレーム11及びエンジン16を備える。エンジン16は、車体フレーム11に支持される。図1に示す例では、車体フレーム11のメインフレーム11cにエンジン16が懸架される。エンジン16の上方には燃料タンク17が配置される。燃料タンク17の後方にシート18が配置される。
車体フレーム11の前端にはヘッドパイプが形成される。ヘッドパイプにステアリングシャフトが回転可能に挿入される。ステアリングシャフトの上端にはハンドルが配置される。ステアリングシャフトの下端には、フロントフォーク13が配置される。フロントフォーク13は、前輪12を回転可能に支持する。
車体フレーム11の後端には、後部フレーム11bが形成される。後部フレーム11bには、リヤアーム15がピボット軸21を中心に揺動可能に取り付けられる。ピボット軸21の軸心は、車幅方向に延びる。ピボット軸21は、後部フレーム11bに設けられたピボット孔と、リヤアーム15の前端に設けられたピボット軸孔を貫通する。リヤアーム15は、後輪14を支持する。具体的には、リヤアーム15の後端には、車幅方向に延びる軸心を有する車軸を介して、後輪14が回転可能に取り付けられる。図示しないが、リヤアーム15と車体フレーム11との間には、リヤサスペンション44(図5参照)が接続される。リヤサスペンション44の一端は、リンクを介してリヤアーム15に支持される。リヤサスペンション44の他端は、車体フレーム11に支持される。
後輪14の左側には、従動スプロケット22が設けられる。従動スプロケット22と、エンジン16のドライブシャフトに取り付けられた駆動スプロケット(図示せず)にはチェーン20が巻き付けられる。チェーン20は、リヤアーム15の開口部2eを通るよう配置される。チェーンカバー24は、チェーン20の上方を覆う。後輪14の右側には、消音器23を含む排気系部材が配置される。
図2は、リヤアーム15の上面図である。図2において、矢印Fは前方を示し、矢印Bは後方を示す。矢印Rは右方向を示し、矢印Lは左方を示す。リヤアーム15が車両に取り付けられた状態では、図2に示すリヤアーム15における左右方向は、車幅方向に相当する。リヤアーム15の前後方向は、車両の前後方向に相当する。
リヤアーム15は、ピボット軸21を挿入するためのピボット軸孔15aが形成された前部15Fと、後輪14の車軸を挿入するための車軸孔15fが形成された後部15Bとを有する。
前部15Fは、ピボット軸21に接続されるピボット接続部15pを含む。ピボット接続部15pは、筒状に形成されている。ピボット接続部15pには、ピボット軸孔15aが形成されている。ピボット軸孔15aの軸心は左右方向に延びている。
また、リヤアーム15の前部15Fは、ピボット接続部15pと、ピボット接続部15pよりも後方かつ車軸孔15fよりも前方に形成された中空部15cと、ピボット接続部15pと中空部15cとの間を接続するブリッジ部15qとを有している。
中空部15cは、ボックス状に形成されている。すなわち、中空部15cは、閉断面構造を有する。本例では、中空部15cの前後方向に垂直な面の断面、左右方向に垂直な面の断面及び上下方向に垂直な面の断面が、閉断面となっている。この中空部15cの詳細については、後述する。
ブリッジ部15qには、上下方向に貫通するサス孔15bが形成されている。サス孔15bは、ピボット軸孔15aの後方に設けられる。サス孔15cには、リヤサスペンション44が挿入される。ブリッジ部15qの下方を画定する壁にサス孔15bの下面の開口33dが設けられ、ブリッジ部15qの上方を画定する壁にサス孔15bの上面の開口33uが設けられる。
サス孔15bは、リヤアーム15の前部15Fにおいて、左右方向において略中央すなわち左右方向中央部に配置される。図2に示す例では、ピボット軸孔15aの左右方向における中央を通る鉛直面である中央面C1と左右方向において重なる位置にサス孔15bが配置される。ここで、中央面C1は、前後方向に延びると共にピボット軸孔15aの左右方向の中央を通る仮想鉛直面である。
後部15Bは、ボックス部15cの左右両端部から対となって後方に向けて延びている。後部15Bの後端部には、車軸孔15fが形成されている。
リヤアーム15は、右アーム3と左アーム2とが結合されて構成されている。右アーム3と左アーム2は、締結部材5a、5b、5i(以下、特に区別しない場合は、締結部材5と総称する)により結合されている。右アーム3と左アーム2は、合わせ面32f、32d、32u(以下、特に区別しない場合は、合わせ面32と総称する)において、互いに接している。
右アーム3は、右前部3Fと右後部3Bを含む。右前部3Fと右後部3Bは、ダイカスト鋳造により一体的に形成される。
右前部3Fには、ピボット軸孔15aの右側を構成する右ピボット軸孔3aが形成される。右前部3Fは、中空部15cの右側を構成する右前壁3bを含む。右前壁3bには、左側が開口する第1空間S1を形成している。換言すれば、右前壁3bは、第1空間S2の前後・右・上下を画定している。なお、右前壁3bは、部分的に開口又は切り欠きを有してもよい。すなわち、中空部15cは、完全に密閉された空間でなくてもよい。
右後部3Bは、右前部3F(右前壁3b)から後方に延びる。右後部3Bには、車軸孔15fの右側を構成する右車軸孔3fが形成される。右後部3Bは、左側が開口する空間を画定する右後壁3cを有する。
左アーム2は、左前部2Fと左後部2Bを含む。左前部2Fと左後部2Bは、ダイカスト鋳造により一体的に形成される。
左前部2Fには、ピボット軸孔15aの左側を構成する左ピボット軸孔2aが形成される。左前部2Fは、中空部15cの左側を構成する左前壁2bを含む。左前壁2bは、右側が開口する第2空間S2を形成している。換言すれば、左前壁2bは、第2空間S2の前後・左・上下を画定している。なお、左前壁2bは、部分的に開口又は切り欠きを有してもよい。
左後部2Bは、左前部2F(左前壁2b)から後方に延びる。左後部2Bには、車軸孔15fの左側を構成する左車軸孔2fが形成される。左後部2Bは、右側が開口する空間を画定する左後壁2cを有する。左後壁2cの上下方向中央部には、チェーン20を通すためのチェーン孔2e(図3参照)が設けられる。
左後壁2cの左車軸孔2fと右後部3Bの右車軸孔3fは、左右方向から見て(側面視で)重なる位置に配置されている。左車軸孔2fと右車軸孔3fにより車軸孔15fが構成される。なお、左後部2Bと、右後部3Bとは接してない。すなわち、左後部2Bと、右後部3Bとの間には、後輪14を配置するための空間が設けられる。
右ピボット軸孔3aと左ピボット軸孔2aが同軸となる状態で、右アーム3と左アーム2が結合される。右ピボット軸孔3aと左ピボット軸孔2aとは左右方向に連続している。右ピボット軸孔3aと左ピボット軸孔2aにより、ピボット軸孔15aが構成される。また、右前壁3bにより形成される第1空間S1の左側の開口と、左前壁2bにより形成される第2空間S2の右側の開口とが対向するように、右アーム3と左アーム2が結合される。右前壁3bと、左前壁2bによって、リヤアーム15の前部15Fに中空部15cが形成される。
右ピボット軸孔3aの左端と左ピボット軸孔2aの右端とが接する部分の合わせ面32f及び、リヤアーム15の上面における合わせ面32uは、左右方向において略中央に配置される。リヤアーム15の下面の合わせ面32d、すなわち、サス孔15bの下面の開口33dから後方へ延びる合わせ面32dは、合わせ面32f及び合わせ面32uと左右方向において重ならない位置に配置される。この例では、合わせ面32dは、左右方向中央部に配置される合わせ面32f及び合わせ面32uに対して右にオフセットされている。
合わせ面32dの左方に、リヤサスペンションの一端を支持する支持ボス部4(図2で図示せず、図4、図7参照)が形成される。支持ボス部4は、中央面C1上に形成される。図2に示す例では、左前部2Fのサス孔15bの下面の開口33dの後方の部分に支持ボス部4が形成される(図4参照)。支持ボス部4の詳細については後述する。リヤサスペンション44は、サス孔15bを貫通した状態で、支持ボス部4により支持される。
図3は、図2に示す左アーム2の右側面図である。図3は、左アーム2を、右から(図2の矢印Gの方)から見た場合の構成例を示す。図3において、矢印Fは前方を、矢印Bは後方を、矢印Uは上方を、矢印Dは下方を、それぞれ示す。図3において、左アーム2が、右アーム3と接する合わせ面は、斜線ハッチング又はドットハッチングで示している。なお図3における斜線ハッチングは、左アーム2内部の断面を表すものではない。
上述のとおり、左前部2Fは、右側が開口する第2空間S2を有する。すなわち、左前壁2bは、左方に凹む凹状体を形成する。これにより、右面を開放面とする第2空間S2が形成される。左前壁2bは、第2空間S2を前後方向に画定する左中壁部2d1、2d2を含んでいる。左中壁部2d1、2d2は、第2空間S2の左方を画定する左前壁2bの側壁部の内面(右側面)から右に延びて形成される。左中壁部2d1、2d2は、左前壁2bの一部として形成される。
図3に示す例では、左中壁部2d1及び左中壁部2d2が前後方向に並んで形成される。前の左中壁部2d1(以下、第1左中壁部2d1と称する)は、リヤアーム15上面のサス孔15bの開口の後端からリヤアーム15下面のサス孔15bの開口の後端にかけて形成される。第1左中壁部2d1は、第2空間S2の前方を画定する。後ろの左中壁部2d2(以下、第2左中壁部2d2と称する)は、左前壁2bの下壁2b−dから、上方かつ後方へ延び、左前壁2bの上壁に達する。ここで、下壁2b−dは、左前壁2bのうち、第2空間S2の下方を画定している部分である。上壁は、左前壁2bのうち、第2空間S2の上方を画定している部分である。第2左中壁部2d2は、第2空間S2の後方を画定する。
図2で示したように、右アーム3の右前壁3bにより形成される第1空間S1は、左アーム2の左前壁2bで形成される第2空間S1に対応する(側面視で重なる)位置に配置される。第1空間S1及び第2空間S2により中空空間H2が構成される。また、図3では図示しないが、右前壁3bは、第1空間S1を前後方向に画定する右中壁部3d1、3d2(図4参照)を含む。右中壁部3d1、3d2は、左中壁部2d1、2d2に対応する位置に設けられる。右中壁部3d1、3d2は、第1空間S1の右方を画定する右前壁2bの側壁部の内面(左側面)から左に延びて形成される。右中壁部3d1、3d2は、右前壁3bの一部として形成される。
例えば、図3に示す第1左中壁部2d1に左右方向において対向する(側面視で重なる)位置に第1右中壁部3d1が設けられる。第1右中壁部3d1は、右前部3Fの第1空間S1の前方を画定する。第2左中壁部2d2に左右方向において対向する(側面視で重なる)位置に第2右中壁部3d2が設けられる。第2右中壁部3d2は、右前部3Fの第1空間S1の後方を画定する。左アーム2と右アーム3が結合した状態において、第1左中壁部2d1の右端は、第1右中壁部3d1の左端と接し(突き合わされ)、第2左中壁2d2の右端は、第2右中壁3d2の左端と接する(突き合わされる)。すなわち、図3における左中壁部2d1、2d2において斜線又はドットで示す部分は、右中壁部3d1、3d2と接する。
また、第1左中壁部2d1及びこれに接する第1右中壁部3d1と、ピボット軸孔15aとの間に、上述したサス孔15bが形成される。第1左中壁部2d1及び第1右中壁部3d1と、第2左中壁部2d2及びこれに接する第2右中壁部3d2との間には、中空空間H2が形成される。中空空間H2の、前方及び後方は、右中壁部3d1、3d2及び左中壁部2d1、2d2で画定される。中空空間H2の上方、下方、左方、及び右方は、右前壁3b及び左前壁2bで画定される。
左前部2F及び右前部3Fで構成されるリヤアーム15の前部15Fには、ピボット軸孔15a及び支持ボス部4が配置される。ピボット軸孔15a及び支持ボス部4には、強いねじり力が加わる。そのため、リヤアーム15の前部15aには、高いねじり剛性が要求される。上記例では、リヤアーム15の前部15Fには、前後方向βの寸法よりも上下方向の寸法αが大きく確保された中空部15cが形成されている。これにより、リヤアーム15の前部15aに要求されるねじり剛性を確保することができる。また、中空部15cは、中空構造なので、高いねじり剛性を確保しつつ、軽量なリヤアームを構成することができる。
<支持ボス部の構成例>
図3に示すように、左アーム2の下面には、支持ボス部4が設けられる。支持ボス部4は、左前壁2bと一体的に形成される。支持ボス部4は、左アーム2の左前壁2bの下壁2b−dの肉厚が他の部分より厚くなった部分で形成される。支持ボス部4は、支持軸を挿入するための支持軸孔4aを有する。支持軸は、リヤサスペンション44(図5参照)の一端部44aを揺動可能に支持する軸である。支持軸孔4aの軸心は、左右方向に延びる。支持軸孔4aの軸心は、左ピボット軸孔2aの軸心と平行に形成される。リヤサスペンション44又はリヤサスペンション44に接続されるリンクが、支持軸孔4aを貫通する支持軸によって支持ボス部4に取り付けられる。これにより、リヤサスペンション44又はリンクは、支持軸を中心として揺動可能な状態でリヤアーム15に支持される。
支持ボス部4は、左アーム2のみに設けられ、右アーム2には設けられない。すなわち、支持ボス部4の支持軸孔4aは、左前壁2bの下壁2b−dの肉厚部に設けられ、左前壁2bの下壁2b−dと接する右前壁3bの下壁には、支持軸孔4aは設けられない。このように、支持ボス部4を、左アーム2又は右アーム3のいずれか一方に設けることで、支持ボス部を左右に分割しない構成となる。これにより、支持ボス部4の剛性を確保することができ、結果的にリヤアーム15の剛性を確保することができる。また、支持ボス部の強度を確保しやすくなる。
支持ボス部4は、前後方向において、第1左中壁部2d1と重なる位置に設けられる。すなわち、支持ボス部4は、第1左中壁部2d1を下方に延長した仮想延長面と交わる位置に設けられる。本例では、この仮想延長面と交わる位置に支持ボス部4の支持軸孔4aが配置される。また、第1左中壁部2d1と第2左中壁部2d2との間の空間と前後方向において重なる領域に、支持ボス部4の支持軸孔4aの少なくとも一部が配置される。この構成により、支持ボス部4の強度を、第1左中壁部2d1及び第2左中壁部2d2とこれらに接する第1右壁部及び第2右壁部により補強することができる。また、支持ボス部4を介して伝わるねじり力に対するリヤアーム15の前部15Fの剛性を、第1左中壁部2d1及び第2左中壁部2d2とこれらに接する第1右壁部3d1及び第2右壁部3d2により、高めることができる。
支持ボス部4の右側面4r(図7参照)は、左前壁2bの下壁2b−dと右前壁の下壁との合わせ面32d、及び、左中壁部2d1、2d2と、右中壁部との合わせ面32dの一部と、同一平面上に形成される。これに対して、左前壁2bの上壁における合わせ面32uと、左ピボット軸孔2aの周りの合わせ面32f(図3においてドットハッチングで示される部分)は、合わせ面32d(図3において斜線ハッチングで示される部分)と左右方向においてずれている(図7も参照)。合わせ面32dは、合わせ面32u、32fに対して右にオフセットされている。すなわち、支持ボス部4、下壁2b−d、及び左中壁部2d1、2d2の一部は、左アーム2の他の部分よりも右側へ突出して形成される。これにより、支持ボス部4を、左アーム2のみに形成しながらも、リヤアーム15の左右方向中央部に配置することができる。また、支持ボス部4の右側面4rと、左中壁部2d1、2d2の右側面すなわち合わせ面32dを同一平面上に形成することで、左中壁部2d1、2d2による支持ボス部4の補強効果をより高めることができる。
<締結部の配置例>
図3に示すように、合わせ面32u、32f、32dには、左アーム2と右アーム3とを締結する締結部材が挿入される締結穴6a〜6jが形成される。この例では、締結穴6b、6dが、左中壁部2d1の上端及び下端に対応する位置にそれぞれ設けられる。締結穴6a、6cが、左中壁部2d2の上端及び下端に対応する位置にそれぞれ設けられる。これらの締結穴6a、6c、6b、6dには、右アーム2を貫通する締結部材が挿入される。そのため、左中壁部2d1、2d2(及び右中壁部3d1、3d2)の上端と下端に対応する位置に締結部材が配置されることになる。これらの締結穴6a、6c、6b、6dに挿入される締結部材により、左中壁部2d1、2d2及び右中壁部3d1、3d2による強度と剛性を向上させることができる。
第2左中壁部2d2の第2右中壁部3d2との合わせ面32dに、締結穴6e、6f、6gが設けられる。第1左中壁部2d1の第1右中壁部3d1との合わせ面32dに、締結穴6hが設けられる。これらの締結穴6e、6f、6g、6hには、右アーム2を貫通する締結部材が挿入される。そのため、左中壁部2d1、2d2の右中壁部との合わせ面32dにおいて、左中壁部2d1、2d2と右中壁部を締結する締結部材が設けられることになる。これにより、ねじり剛性を効率的に向上させることができる。
溶接により右アームと左アームとを結合する場合、高い剛性を得るため、前部分においてなるべく広範囲に溶接を実施する。本実施形態のように、締結部材を用いて右アーム3と左アーム2を結合する場合、締結部材をなるべく多く設けることで剛性を向上させることができる。しかし、締結部が多すぎると、製造コストが上がり、外観が悪くなる。そこで、できるだけ少ない締結点で、剛性の要求を満たすため、上記のように、左中壁部2d1、2d2及び右中壁部に沿って、上下方向に締結部材を複数配置することができる。すなわち、左中壁部2d1、2d2(及び右中壁部)の上端及び下端に対応する位置の締結部材と、これらの締結部材の間に設けられた締結部材により、ねじり剛性を効果的に向上させることができる。
図3に示す例では、第2左中壁部2d2に沿って、複数の締結穴6e、6f、6gが並んで配置される。このように、縦方向に締結部材を並べて配置することで、少ない締結点で適切なねじり剛性を得ることができる。また、図3に示す例では、締結穴6e、6f、6gが形成される面は、第2左中壁部2d2の合わせ面32dと連続している。そのため、剛性向上の効果がより高くなる。
図4は、図2に示すリヤアーム15の右側面図である。図4は、図3に示す左アーム2に右アーム3を結合させた状態を示す。左アーム2と右アーム3は、複数の締結部材5a〜5jにより結合される。締結部材5a〜5jは、例えば、ねじ又はボルトである。締結部材5a〜5jは、左右方向を軸方向として、右アーム3に設けられた締結孔と、これらに対応する左アーム2の締結穴6a〜6jとに挿入される。
図4では、右アーム3において、右中壁部3d1、3d2が形成される場所を点線で示している。右中壁部3d1、3d2は、右前壁3bの内面(左側面)から左へ延びて形成される。第1右中壁部3d1は、図3に示した第1左中壁部2d1と左右方向に対向する位置に配置される。第2右中壁部3d2は、第2左中壁部2d2と左右方向に対向する位置に配置される。
締結部材5bは、第1右中壁部3d1の上端に対応する位置に設けられ、締結部材5dは、第1右中壁部3d1の下端に対応する位置に設けられる。締結部材5a、5cは、第2右中壁部3d2の上端及び下端に対応する位置にそれぞれ設けられる。締結部材5e、5f、5gは、第2右中壁部3d2と第2左中壁部2d2とが接する面において、第2右中壁部3d2と第2左中壁部2d2とを互いに締結する。締結部材5e、5f、5gは、第2右中壁部3d2に沿って並んで配置される。締結部材5hは、第1右中壁部3d1と第1左中壁部2d1とが接する面において、第1右中壁部3d1と第1左中壁部2d1とを互いに締結する。
右前壁3bにおいて、締結部材5e、5f、5g、5hが配置される部分は、左方向へ凹む凹部6E、6F、6G、6Hを形成する。すなわち、右前壁3bは、リヤアーム15の中空部15の側方(右方)を画定する側壁部を有し、この側壁部に凹部6E、6F、6G、6Hが設けられる。凹部6E、6F、6G、6Hは、深くなるほど開口面積が小さくなるよう形成される。凹部6E、6F、6G、6Hをこのような形状にすることにより、右アーム2のダイカスト鋳造における型抜きが容易になる。凹部6E、6F、6G、6Hの底部は、締結部材5a、5f、5g、5hの締結座となる。凹部6E、6F、6G、6Hの底部には、締結部材5a、5f、5g、5hを挿入するための孔が形成される。このように、凹部6E、6F、6G、6Hを設けることにより、右前壁3bの側壁部における締結部材5a、5f、5g、5hの左右方向の長さを、凹部6E、6F、6G、6Hの深さの分だけ短くすることができる。
図4に示すように、右から見て左アーム2の支持ボス部4の支持軸孔4aと重なる位置には、右前壁3bが配置されない。すなわち、右アーム3に、支持ボス部4は形成されていない。本実施形態では、凹部6E、6F、6G、6Hは、右アーム3及び左アーム2のうち、支持ボス部4が形成されていない一方に形成される。また、凹部6E、6F、6G、6Hは、右側すなわち支持ボス部4が形成されない右アーム側にオフセットされた合わせ面32dを締結する部分に形成される。右側にオフセットされた分だけ、凹部6E、6F、6G、6Hの深さは浅くなる。そのため、側面視における凹部6E、6F、6G、6Hの開口の大きさが小さくなる。これにより、凹部の開口によるリヤアームの外観の悪化度合いを抑えることができる。
<リヤサスペンションの配置例>
図5は、図4に示すリヤアーム15に取り付けられるリヤサスペンションの配置例を示す図である。図5に示す例では、リヤサスペンション44の一端部44aが、リンク43,42を介して支持ボス部4に連結される。リヤサスペンション44の他端部44bは、車体フレーム(図示せず)に回転可能に連結される。リンク43は、車体フレーム(図示せす)とリンク42に回転可能に連結される。リンク42は、リンク43と支持ボス部4の支持軸に回転可能に連結される。支持ボス部4の支持軸孔4aには支持軸が挿入される。
なお、図5のリンク構成に限られず、図6に示すように、車体フレームに回転可能に連結されたリンク46と、このリンク46と支持ボス部4の支持軸とリヤサスペンション44の一端部44aとがそれぞれ回転可能に連結されたリンク45を用いるリンク構成にしてもよい。
なお、支持ボス部4は、リンクを介してサスペンションの一端を支持する構成に限られない。支持ボス部4にサスペンションの一端が揺動可能に取り付けられてもよい。また、サスペンションは、車体フレームとリヤアームとの間に接続される構成に限れられない。
図5及び図6に示す例では、支持ボス部4は、左アーム2の下部に形成される。そのため、リヤアーム15の下部で、サスペンションが支持される。これに対して、支持ボス部4を、例えば、左前壁2bのうち、第2空間S2の上方を画定する壁又は前方を画定する壁に形成することもできる。この場合、リヤアーム15の上部又は前方でサスペンションが支持される。
<支持ボス部及び合わせ面の構成例>
図7は、図2のリヤアーム15の背面図である。図7は、図2のリヤアーム15を後方(矢印Kの方向)から見た構成を示す。図7に示すように、支持ボス部4は、リヤアーム15の左右方向中央部に配置される。
支持ボス部4は、左アーム2に形成される。すなわち、支持ボス部4は、左前壁2b、左後壁2c及び左中壁部2d2等、左アーム2を構成する他の部分と一体として形成される。この例では、左前壁2bの下壁2b―dの下方に突出する部分が支持ボス部4となる。これにより、支持ボス部4は、左アーム2と右アーム3との接触面である合わせ面を持たない構造となる。支持ボス部4は、強度上不利になり得る合わせ面を有しないため、支持ボス部4の強度を確保することが容易になる。また、支持ボス部4の剛性を確保することができ、結果的にリヤアーム15の剛性を確保することができる。
また、支持ボス部4を左右に分割しないので、左アーム2及び右アーム3の接合後に、支持軸孔4aの軸を左右で合わせるための加工が不要になる。さらに、左アーム2において、左ピボット軸孔2aと支持軸孔4aの位置を調整することで、ピボット軸とサスペンションの支持軸との位置精度を管理することができる。そのため、片側の部品(本例では左アーム2)の部品管理で、上記の位置精度を管理することができる。その結果、製造工程において、ピボット軸と支持軸との間の位置精度の管理が容易になる。
右アーム3と左アーム2とが接触する面のうち一部である合わせ面32dは、支持ボス部4の右側面4rと同一平面上に位置する。具体的には、支持ボス部4が設けられる左前壁2bの下壁2b−dと右前壁3bの下壁3b−dとの合わせ面32d、及び第2左中壁部2d2と第2右中壁部3d2との合わせ面32dは、左右方向中央面C1に対して右方すなわち支持ボス部4が設けられない右アーム3の方向にずれている。このように、支持ボス部4が設けられる付近の合わせ面を、左右方向中央からオフセットすることができる。これにより、支持ボス部4を左アーム2又は右アーム3のいずれか一方に形成しつつも、左右方向中央部付近に配置することが可能になる。これにより、リヤサスペンションを左右方向中央部付近で支持することが可能になる。
図7に示す例では、第2左中壁部2d2と第2右中壁部3d2との合わせ面32dが左右方向中央面C1に対して右方向にオフセットされている。第2左中壁部2d2と第2右中壁部3d2とを締結する締結部材5e、5f、5gは、右側から挿入される。そのため、右前壁3bには、右側に凹み、合わせ面32dに達する凹部6E、6F、6Gが形成される。締結部材5e、5f、5gは、この凹部6E、6F、6Gに配置される。合わせ面32dを、右にオフセットすることで、凹部6E、6F、6Gの深さすなわち左右方向の長さを小さくすることができる。これにより、凹部6E、6F、6Gの左右方向に垂直な面における占有面積も小さくすることができる。このように、本例では、合わせ面32dを支持ボス部4が設けられていない方(本例では右)にオフセットし、支持ボス部4が設けられていない方から、合わせ面32dを結合する締結部材5e、5f、5gを挿入している。これにより、締結部材5e、5f、5gのための凹部6E、6F、6Gの深さ及び開口を小さくすることができる。
図7に示す例では、第2左中壁部2d2と第2右中壁部3d2との合わせ面32dの下部分は、支持ボス部4の右側面4rと同一平面上に位置する。これに対して、左前壁2bの上壁と右前壁3bの上壁との合わせ面32uは、左右方向中央部に位置する。図7では図示されていないが、図3に示した左ピボット軸孔2aの周りの合わせ面32fも,左右方向中央部に位置する。このように、合わせ面を、左右方向中央部に配置される面(32u、32f)と、左右方向中央部に配置される面に対して、支持ボス部4が形成されていない方にずれて配置される面(32d)とを含む構成とすることができる。これにより、右アーム3と左アーム2の間の重量又は体積のバランスを均等に近づけることができる。また、下記のような製造工程上有利な効果も得られる。
左アーム2及び右アーム3のダイカスト鋳造においては、型抜き方向は、リヤアームの左右方向となる。鋳造形成される左右アームにおいて、型抜き方向の寸法すなわち左右方向の寸法が長くなりすぎることは、鋳造工程上好ましくない。左右方向の寸法を抑えるため、上記のように、左右方向中央部に合わせ面が配置される部分を設けることができる。この構成により、合わせ面を全て支持ボス部4の右側面4rと同一面上に形成する場合に比べて、右アーム3における左右方向の寸法が長くなる部分を少なくすることができる。
なお、左右方向中央部に支持ボス部4を配置する形態は、支持ボス部4の一部が、リヤアーム15の左右方向の中央面C1と左右方向において重なっている場合に限られない。例えば、支持ボス部4が、左右方向中央面C1からずれている場合であっても、サス孔15bと左右方向において重なる位置にある場合は、左右方向中央部に支持ボス部4が配置されているとみなすことができる。すなわち、支持ボス部4が、サス孔15bを貫通して配置されるリヤサスペンションを支持可能な位置に形成される場合は、左右方向中央部に支持ボス部4が配置されていると見なすことができる。
また、合わせ面32u、32fが、左右方向中央部に配置される形態は、合わせ面32u、32fが、左右方向の中央面C1に厳密に一致する場合に限られない。例えば、合わせ面32u、32fが、中央面C1とずれている場合であっても、サス孔15bと左右方向において重なる位置にある場合は、左右方向中央部に配置されているとみなすことができる。
<水抜き孔の構成例>
図3を参照し、左前壁2bの下壁2b−dにおいて、右前壁3bと対向する面の一部に、下壁2b―dの厚み方向において内側から外側へ達する溝34が形成される。溝34は、左前壁2bの下壁2b―dにおける右前壁3bとの合わせ面の一部に形成される切り欠きである。溝34は、左アーム2の鋳造の際に、溝34に対応する凸部を有する金型を用いて鋳造することで形成することができる。又は、左アーム2の鋳造形成後に、下壁2b―dの一部を削って溝34を形成することもできる。
溝34を設けることにより、右アーム3と左アーム2が結合して形成される中空空間H2と外側とを開通する孔を設けることができる。これにより、中空空間H2に溜まった液体を、孔を通じて外へ排出することができる。また、上記構成によれば、このような液体を排出させるための孔を簡単に形成することができる。例えば、右アーム3と左アーム2とを溶接により結合する場合は、結合後に壁に孔を空ける加工が必要である。これに対して、本実施形態では、締結部材により右アーム3と左アーム2が結合されるため、結合前に、上記のように溝34の形成しておくことによって、容易に排出孔を形成することができる。
溝34は、第1左中壁部2d1と第2左中壁部2d2との間の下壁2b−dの一部に形成される。例えば、第1左中壁部2d1と第2左中壁部2d2との間の下壁2b―dのうち、最も下方に位置する部分に溝34を設けることができる。これにより、溝34を通って液体が排出されやすくなる。ここで、左前壁2bの下壁2b−dの最も下方に位置する部分は、リヤアーム15が、水平面上に静止した車両又はスタンドで支持された車両に取り付けられた状態において最も下方に位置する部分とすることができる。
図8は、溝34の周辺部分をリヤアーム15の外側から見た場合の構成例を示す図である。リヤアーム15の外側と内側の中空空間H2とを連通する孔が、溝34によって形成される。なお、溝34は、左前壁2bの代わりに右前壁3bに形成されてもよいし、左前壁2b及び右前壁3bの両方に形成されてもよい。
<製造工程の一例>
リヤアーム15の製造工程は、右アーム3をダイカスト鋳造により形成する工程と、左アーム2をダイカスト鋳造により形成する工程と、右アーム3と左アーム2を、締結部材5a〜5jを用いて結合する工程とを含む。
ダイカスト鋳造は、高圧鋳造(High Pressure Die Casting)であり、金型に溶融した金属を圧入する工程を含む。リヤアーム15の材料とする金属としては、例えば、アルミニウム合金、ADC3(JIS H 5302:2006)、マグネシウム合金等を用いることができる。一例として、材料をアルミニウム合金とした場合、ダイカスト鋳造における溶融金属の金型への射出圧力は20MPa以上、溶湯の射出速度は5m/s以上とすることができる。右アーム3及び左アーム2をダイカスト鋳造することで、重力鋳造又は低圧鋳造に比べて、短時間で、右アーム3及び左アーム2を形成することが可能になる。
右アーム3及び左アーム2をダイカスト鋳造する際には、左右方向を、型抜き方向とすることができる。例えば、左アーム2の右側の表面に対応する形状を有する第1金型と、左アーム2の左側の表面に対応する形状を有する第2金型との間に形成される空間に、溶融金属を圧入することで、左アーム2をダイカスト鋳造することができる。右アーム3も同様に鋳造できる。本実施形態では、右アーム3は、左側が開口する形状であり、左アーム2は、右側が開口する形状である。そのため、いずれも、左右方向を型抜き方向とするダイカスト鋳造に適した構造を有している。
鋳造形成された左アーム2の左ピボット軸孔2aと、鋳造形成された右アーム3の右ピボット軸孔3aは、同軸となるよう加工される。また、左ピボット軸孔2aと支持軸孔4aは、所定の位置関係となるように加工される。その後、左ピボット軸孔2aと右ピボット軸孔3aとが同軸の状態で、左アーム2及び右アーム3が、締結部材5a〜5jにより結合される。
締結部材5a〜5jを用いて左アーム2及び右アーム3を結合するので、溶接で結合する場合に比べて、左アーム2及び右アーム3の歪みによる変形が少ない。そのため、結合後に、左ピボット軸孔2aと右ピボット軸孔3aの同軸性、及び支持軸孔4aとピボット軸孔2a、3aとの位置精度を確保するための加工が不要になるか又は少なくてもすむ。
上記製造工程によれば、左アーム2及び右アーム3を、溶接を用いず、締結部材を用いて結合する。そのため、ピボット軸及び支持ボス部の精度を確保するための加工工程が省略又は簡略化される。その結果、製造にかかるコストを下げることができる。なお、締結部材を用いた結合を採用した場合であっても、上述のようにリヤアーム15に求められる剛性を確保することが可能になる。
<カラーを挿入する例>
製造工程の変形例として、左ピボット軸孔2aと右ピボット軸孔3aの同軸性を確保するために、左ピボット軸孔2aと右ピボット軸孔3aに、カラーを挿入してから、左アーム2及び右アーム3を結合することもできる。図9は、カラーが挿入された左ピボット軸孔2aと右ピボット軸孔3aを結合した場合の構成例を示す図である。図9は、図2のA−A線における断面を示す図である。図10は、図9に示すカラー35Cが挿入された部分のE−E線における断面を示す図である。
図9に示す構成を得るため、右アーム3及び左アーム2の結合前に、右ピボット軸孔3aと左ピボット軸孔2aそれぞれにカラー35R、35Lが挿入される。右ピボット軸孔3aの右端に所望の精度で加工されたカラー35Rが挿入され、左ピボット軸孔2aの左端に、所望の精度で加工された円筒形のカラー35Lを挿入される。これらのカラー35R、35L(以下、外カラー35R、35Lと称する)は、ピボット軸孔2a、3aのベアリング部材が圧入される部分に挿入される。これにより、右ピボット軸孔3aと左ピボット軸孔2aとの同軸性の確保が容易になる。
さらに、結合前において、右ピボット軸孔3a又は左ピボット軸孔2aの外カラーが挿入されていない方の端部に、円筒形のカラー35C(以下、内カラー35Cと称する)を挿入することができる。内カラー35Cは、外カラー35R、35Lと同軸となるよう挿入される。ここで、内カラー35Cは、全体がピボット軸孔2a又は3aに入るのではなく、一部がピボット軸孔2a又は3aから突出した状態となるよう挿入される。この状態で、右アーム3と左アーム2を結合すると、内カラー35Cが、右ピボット軸孔3aの左端と左ピボット軸孔2aの右端の双方に入る。すなわち、結合後には、内カラー35Cは、右ピボット軸孔3aの内周面と、左ピボット軸孔2aの内周面の双方に接する。そして、結合後には、外カラー35R、外カラー35L、及び内カラー35Cが同軸になる。また、結合後には、右ピボット軸孔3aと左ピボット軸孔2aとが左右方向に連続して配置される。そのため、結合後に、同軸性を確保するためのピボット軸孔2a、3aの加工が不要になる。その結果、右ピボット軸孔3a及び左ピボット軸孔2aの同軸性の確保がより容易になる。
なお、同軸性確保のためのカラーの配置は、上記例に限られない。例えば、上記態様に代えて、締結穴6a〜6hのいずれか2つにカラー部材を挿入することもできる。これにより、右ピボット軸孔と左ピボット軸孔とを精度よく同軸に配置することができる。
<カバーを設ける例>
リヤアーム15は、締結部材5a〜5jのリヤアーム15の外側に露出した部分を覆うカバーをさらに設けることができる。図11は、図4に示すリヤアームに、カバーを設ける場合の構成例を示す図である。図11に示す例では、リヤアーム15の右前壁3bの外側表面に露出した締結部材5e、5f、5hを覆うカバー36が、右前壁3bに取り付けられる。
カバー36は、締結部材5e、5f、5h及びこれらが配置される凹部6E、6F、6Gを覆うよう領域に取り付けられる。なお、カバー36の形状及びカバー36で覆う領域は、図11に示す例に限られない。例えば、凹部6E、6F、6Gに加えて、凹部6Gもさらに覆うカバーを取り付けることもできる。また、左前壁2bの表面に締結部材が露出する場合は、左前壁2bにカバー36を取り付けることができる。
右前壁3bには、カバー36を取り付けるための孔37a、37b、37cが形成される。孔37b、37cには、カバー36のフック36b、36cが挿入される。孔37aと左右方向から見て重なる位置には、カバー36の孔36aが配置される。右前壁3bの孔37aとカバー36の孔36aは、例えば、リベットにより締結される。
図12は、図11のF−F線におけるカバー36の断面を示す図である。図12に示す例では、フック36b、36cは、カバー36の表面から取り付け対象(右前壁3b)へ向かって突出し、先端が曲がっている。カバー36及びリベット38は、例えば、樹脂により形成することができる。フック36b、36cとリベット38により、カバー36をリヤアーム15の表面に固定される。これにより、水かかりによるカバー36の剥がれや、消音器(マフラー)23の熱による固定手段の劣化が発生しにくい構成とすることができる。
カバー36を設けることにより、締結部材による外観商品性の劣化を抑えることができる。例えば、リヤアーム15の強度又は剛性を向上させるために締結部材を多く用いると、外観商品性が劣化する場合がある。このような場合、締結部材の露出部分を覆うカバー36を設けることで、外観の審美性を保つことができる。なお、リベット38に代えて、他の締結部材(ボルト等)を用いてもよい。また、カバー36の材料は、樹脂に限定されない。
[実施形態の効果]
上記実施形態におけるリヤアーム15は、右アーム3と左アーム2とが結合されて構成される。リヤアーム15は、前部15Fと後部15Bとを含む。前部15Fは、ピボット軸21を挿入するためのピボット軸孔15a及びピボット軸孔15aよりも後方に形成された中空部15cを有する。後部15Bは、前部15Fから後方に向けて延びる。後部15Bの後端部に後輪の車軸を挿入するための車軸孔15fが形成される。
右アーム3は、右前部3Fと右後部3Bが一体的に鋳造形成されたものである。右前部3Fは、ピボット軸孔15aの右側を構成する右ピボット軸孔3aを有する。また、右前部3Fは、左側が開口する第1空間S1を画定すると共に中空部15cの右側を構成する右前壁3bを有する。右後部3Bは、右前部3Fから後方に延び、車軸孔15fの右側を構成する右車軸孔3fを有する。
左アーム2は、左前部2Fと左後部2Bが一体的に鋳造形成されたものである。左前部2Fは、ピボット軸孔15aの左側を構成する左ピボット軸孔2aを有する。また、左前部2Fは、右側が開口する第2空間S2を画定すると共に中空部15cの左側を構成する左前壁2bを有する。左後部2Bは、左前部2Fから後方に延び、車軸孔15fの左側を構成する左車軸孔2fを有する。
右アーム3の右前部3Fと左アーム2の左前部2Fとは締結部材5によって結合されている。右アーム3と左アーム2のいずれか一方にのみ、リヤサスペンション44の一端部を支持する支持ボス部4が一体形成される。
上記構成において、右アーム3は、左側に開口する第1空間S1を有する右前部3bを含むので、型抜き方向を左右方向に平行とする金型を用いるダイカスト鋳造に適した形状を有する。左アーム2も、右側に開口する第2空間S2を有する左前部2bを含むので、ダイカスト鋳造に適した形状を有する。右アーム3と左アーム2が、締結部材5で締結されると、右前部3Fの第1空間S1の左側の開口と左前部2Fの第2空間S2の右側の開口とが対向する。そのため、リヤアーム15は、ピボット軸が配置される前部分15Fに中空部15cを有する構造となる。これにより、比較的大きな力がかかるピボット軸が配置される前部分15Fの剛性を高めることができると共に重量の増加を抑えることができる。また、支持ボス部4が、右アーム3又は左アーム2のいずれか一方に形成される。そのため、支持ボス部4に、右アーム3と左アーム2の結合部すなわち合わせ面は配置されない。これにより、比較的大きな力がかかる支持ボス部4を含む前部分15Fの剛性を確保することができる。
このように、締結部材5を用いて右アーム3と左アーム2とを結合してリヤアーム15を構成し、かつ、リヤアーム15に要求される剛性を確保することが可能になる。すなわち、溶接により右アームと左アームを結合しなくても、要求される剛性を確保することが可能になる。そのため、溶接による歪みは発生しない。その結果、ピボット軸21及び支持ボス部4の位置精度を管理することが容易になる。例えば、結合時に、右ピボット軸孔3a及び左ピボット軸孔2aの位置精度、並びに支持ボス部4の位置精度を確保しておけば、結合後において、これらの位置精度を確保するため再加工が不要又は少なくなる。
支持ボス部4は、リヤアーム15の左右方向中央部に設けることができる。これにより、リヤサスペンション44は、リヤアーム15の左右方向中央付近で支持される。そのため、リヤサスペンション44を、リヤアーム15の左右のいずれかに偏った位置で支持する構成に比べて、リヤアーム15の左右方向のサイズを小さくすることが容易になる。そのため、鞍乗型車両において、マフラーやチェーン等の他の部品との位置関係を考慮してリヤアームを効率よく配置することが容易になる。
右アーム3の右前壁3bと左アーム2の左前壁2bとが接触する合わせ面32f、32d、32uの少なくとも一部は、ピポット軸孔15aにおける左右方向の中央を含む左右方向中央面C1に対して、右アーム3及び左アーム2のうち支持ボス部4が形成されていない方向にずらして配置することができる。これにより、支持ボス部4を、右アーム3又は左アーム2の一方に形成しながら、リヤアーム15の左右方向中央部に配置することが容易になる。
合わせ面32f、32d、32uは、左右方向中央部に配置される面32f、32uと、左右方向中央部に配置される面32f、32uに対して、右アーム3及び左アーム2のうち支持ボス部4が形成されていない方向にずれて配置される面32dとを含んでもよい。合わせ面が左右方向中央部に配置される部分では、右アーム3の左右方向の寸法と左アーム2の左右方向の寸法との差が小さい。これにより、右アーム3又は左アーム2いずれかにおいて、左右方向の寸法が極端に大きくなるのが抑えられる。その結果、右アーム3又は左アーム2のダイカスト鋳造における型抜きが容易になる。
右前壁3b及び左前壁2bの一方は、中空部15cの側方を画定する側壁部を有してもよい。この場合、側壁部に、側壁部から右前壁3b及び左前壁2bの他方に向けて延びると共に底部が締結部材5による締結部の締結座とされた凹部6E〜6Hを形成することができる。これにより、右前壁3b及び左前壁2bの側壁部のいずれか一方から他方へ向けて凹む凹部の底が、締結部5の締結座となる。そのため、凹部を設けない場合に比べて、側壁部における締結部材の長さを短くすることができる。
凹部6E〜6Hは、右アーム2及び左アーム3のうち支持ボス部4が形成されていない一方に形成することができる。これにより、支持ボス部4が形成されるアームに凹部を設ける場合に比べて、凹部を深さ方向の寸法を小さくできる。そのため、凹部の開口は小さくて済む。
支持ボス部4は、右前部3Fの第1空間S1の下方を画定する下壁と左前部2Fの第2空間S2の下方を画定する下壁のいずれか一方に形成することができる。これにより、リヤアーム15の下面で、リヤサスペンション44を支持する構成とすることができる。リヤアーム15の下面でリヤサスペンション44の一端部44aを支持する構成においては、リヤサスペンション44の他端部44bは、リヤアーム15の上方で支持されることが少なくない。この場合、リヤサスペンション44は、リヤアーム15の下方から、リヤアーム15のピボット軸21の後方であって右アーム3と左アーム2の間に形成されるサス孔15bを通るよう配置される(例えば、図5及び図6参照)。その構成では、支持ボス部4を、左右方向中央部に対して左方又は右方へオフセットして配置することは難しい。本実施形態では、上記のように、支持ボス部4を、右アーム3又は左アーム2の一方に形成しながら、リヤアーム15の左右方向中央部に配置することができる。そのため、リヤアーム15の下方でリヤサスペンション44を支持する構成は、本実施形態に好適に用いられる。
右アーム3の右前部3Fは、第1空間S1を前後方向に画定する右中壁部3d1、3d23を有してもよい。左アーム2の左前部2Fは、第2空間S2を前後方向に画定する左中壁部2d1、2d2を有してもよい。この場合、右中壁部3d1、3d2の左端と、左中壁部2d1、2d2の右端は、互いに接するよう構成することができる。これにより、リヤアーム15の前部分15Fにおける剛性をさらに高めることができる。
締結部材5は、右中壁部2d1、2d2及び左中壁部3d1、3d2の上端と下端にそれぞれ対応する位置に設けることができる。これにより、締結部材5による結合部の剛性の確保を効率よく達成することができる。
締結部材5は、右中壁部3d1、3d2と左中壁部2d1、2d2とが接する面において、右中壁部3d1、3d2と左中壁部2d1、2d2を互いに締結する締結部材5を含んでもよい。これにより、締結部材5による結合部の剛性の確保をより効率よく達成することができる。
締結部材5は、右中壁部3d1、3d2又は左中壁部2d1、2d2に沿って並んで配置される複数の締結部材5を含んでもよい。これにより、締結部材5による結合部の剛性の確保をより効率よく達成することができる。
支持ボス部4は、右中壁部3d1、3d2又は左中壁部2d1、2d2を上方又は下方に延長した仮想延長面と交わる位置に設けられる。これにより、支持ボス部4を介して伝わる力に対する剛性を右壁部2d1、2d2又は左壁部3d1、3d2により補強する効果を高めることができる。
締結部材5のリヤアーム15の外側に露出した部分を覆うカバー36をさらに設けてもよい。これにより、締結部材5の露出部分が見えなくなる。その結果、外観がよくなる。
右前部3Fの右ピボット軸孔3aと、左前部2Fの左ピボット軸孔2aとは、左右方向に連続して配置される。リヤアーム15は、右ピボット軸孔3aの内周面と、左ピボット軸孔2aの内周面の双方に接するカラー35Cをさらに備えてもよい。これにより、右アーム3の右ピボット軸孔3aと、左アーム2の左ピボット軸孔2aとを精度よく同軸に配置することが容易になる。例えば、結合時に、右ピボット軸孔3a及び左ピボット軸孔2aの位置精度を確保しておけば、結合後において、これらの位置精度を確保するための再加工が不要又は少なくなる。
右前壁3bは、右前部3Fの第1空間S1の下方を画定する下壁3b―dを含んでもよい。また、左前壁2bは、左前部2Fの第2空間S2の下方を画定する下壁2b―dを含んでもよい。この場合、右前部3Fの下壁3b―dと左前部2Fの下壁2b−dは、互いに接する合わせ面32dを有してもよい。右前壁3bの下壁2b―d又は左前壁3bの下壁3b―dに、右前壁3bの下壁3b―d又は左前壁2bの下壁2b―dの合わせ面32dの一部を切り欠いて形成される溝34を設けることができる。溝34は、下壁2b―d又は3b―dの厚み方向において内側から外側へ達する。
上記構成によれば、右アーム3と左アーム2が結合され、右前部3bの下壁2b―dと左前部3bの下壁3b−dとが接した状態において、合わせ面32dの一部に形成された溝34は、下壁3b―d又は2b―dの貫通孔となる。例えば、リヤアーム15の中空部15cに水等の液体が浸入した場合であっても、下壁の貫通孔を介して液体を排出することができる。
右アーム3と左アーム2とが結合されて構成される、鞍乗型車両のリヤアーム15の製造方法も実施形態に含まれる。この製造方法で製造されるリヤアーム15は、ピボット軸21を挿入するためのピボット軸孔15a及びピボット軸孔15aよりも後方に形成された中空部15cを有する前部15Fと、前部15Fから後方に向けて延びると共に後端部に後輪の車軸を挿入するための車軸孔が形成された後部15Bとを含む。この製造方法は、右アーム鋳造成工程と、左アーム鋳造工程と、結合工程とを有する。前記右アーム鋳造成工程では、ピボット軸孔15aの右側を構成する右ピボット軸孔を有し、左側が開口する第1空間を画定すると共に前記中空部の右側を構成する右前壁を有する右前部と、前記右前部から後方に延び、前記車軸孔の右側を構成する右車軸孔を有する右後部とを含む右アームを、ダイカスト鋳造により一体的に形成する。左アーム鋳造工程では、ピボット軸孔15aの左側を構成する左ピボット軸孔2aを有し、右側が開口する第2空間S2を画定すると共に中空部15cの左側を構成する左前壁2bを有する左前部2Fと、左前部2Fから後方に延び、車軸孔15fの左側を構成する左車軸孔2fを有する左後部2Bとを含む左アーム3を、ダイカスト鋳造により一体的に形成する。結合工程では、右アーム3の右前部3Fと左アーム2の左前部2Fとを締結部材5によって結合する。右アーム鋳造工程又は、左アーム鋳造工程において、右アーム3と左アーム2のいずれか一方にのみ、リヤサスペンション44の一端部44aを支持する支持ボス部4を一体形成する。
上記製造方法によれば、ダイカスト鋳造に適した構成の右アーム3及び左アーム2により、前部15Fに中空部15cを有する剛性の高いリヤアームを製造することができる。また、支持ボス部4を右アーム3又は左アーム2のいずれか一方にのみ形成するので、支持ボス部4を含む前部15Fの剛性及び支持ボス部4の強度を確保しやすい。そのため、締結部材5を用いて右アーム3と左アーム2とを結合しながらも、リヤアーム15の強度及び剛性を確保することが可能になる。すなわち、溶接により右アーム3と左アーム2を結合しなくても剛性を確保することができる。溶接による歪みは発生しないので、製造工程において、ピボット軸21及び支持ボス部4の位置精度を管理することが容易になる。また、支持ボス部4が左右に分割されないので、支持ボス部4の左右の位置を合わせるための加工等の工程が不要となる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
上記実施形態では、左アーム2に支持ボス部4を形成していたが、右アーム3に支持ボス部4を形成してもよい。この場合、右アーム3と左アーム2との合わせ面の一部を、左方向へオフセットすることができる。
支持ボス部4は、左右方向においてサス孔15bと重なる位置に配置されていれば、左アーム2bと右アーム3bにリアサス44が干渉し難くなる。また、合わせ面32u、32fもサス孔15bと重なる位置に配置されていれば、左右方向の寸法が極端に大きくなるのが抑えられる。その結果、右アーム又は左アームのダイカスト鋳造における型抜きが容易になる。
上記実施形態では、右前壁3bは、左側が開口する第1空間の上下、前後、及び右を画定するよう形成される。これに対して、右前壁3bは、例えば、要求される剛性と重量に応じて、上下、前後又は右のうち少なくとも1面をさらに開口する空間を形成するよう構成されてもよい。左前壁2bも同様に、上下、前後又は左のうち少なくとも1面をさらに開口する空間を形成するよう構成されてもよい。
上記の実施形態では、自動二輪車に本発明のリヤアームを適用した一例であるが、本発明のリヤアームの適用対象は自動二輪車に限定されるものではない。本発明のリヤアームは、自動二輪車以外の鞍乗型車両(三輪車)に適用してもよい。なお、鞍乗型車両とは、乗員が鞍にまたがるような状態で乗車する車両全般を指している。
2 左アーム
3 右アーム
5a〜5j 締結部材
32f、32d、32u 合わせ面
10 自動二輪車(鞍乗型車両の一例)
15 リヤアーム

Claims (17)

  1. ピボット軸を挿入するためのピボット軸孔及び前記ピボット軸孔よりも後方に形成された中空部を有する前部と、前記中空部から後方に向けて延びると共に後端部に後輪の車軸を挿入するための車軸孔が形成された後部とを含む鞍乗型車両のリヤアームであって、
    右アームと、
    前記右アームに結合する左アームとを有し、
    前記右アームは、
    前記ピボット軸孔の右側を構成する右ピボット軸孔を有し、左側が開口する第1空間を画定すると共に前記中空部の右側を構成する右前壁を有する右前部と、前記右前部から後方に延び、前記車軸孔の右側を構成する右車軸孔を有する右後部とが一体的にダイカスト鋳造形成され、
    前記左アームは、
    前記ピボット軸孔の左側を構成する左ピボット軸孔を有し、右側が開口する第2空間を画定すると共に前記中空部の左側を構成する左前壁を有する左前部と、前記左前部から後方に延び、車軸孔の左側を構成する左車軸孔を有する左後部とが一体的にダイカスト鋳造形成され、
    前記右アームの前記右前部と前記左アームの左前部とは締結部材によって結合されており、
    前記右アームと前記左アームのいずれか一方にのみ、リヤサスペンションの一端部を支持する支持ボス部が一体形成される、リヤアーム。
  2. 請求項1に記載のリヤアームであって、
    前記支持ボス部は、前記リヤアームの左右方向中央部に設けられる、リヤアーム。
  3. 請求項2に記載のリヤアームであって、
    前記右アームの右前壁と前記左アームの左前壁とが接する合わせ面の少なくとも一部は、前記ピポット軸孔における左右方向の中央を含む左右方向中央面に対して、前記右アーム及び前記左アームのうち前記支持ボス部が形成されていない方向にずれて配置される、リヤアーム。
  4. 請求項3に記載のリヤアームであって、
    前記合わせ面は、左右方向中央部に配置される面と、前記左右方向中央部に配置される面に対して、前記右アーム及び前記左アームのうち前記支持ボス部が形成されていない方向にずれて配置される面とを含む、リヤアーム。
  5. 請求項4に記載のリヤアームであって、
    前記右前壁及び前記左前壁の一方は、前記中空部の側方を画定する側壁部を有し、
    前記側壁部には、前記側壁部から前記右前壁及び前記左前壁の他方に向けて延びると共に底部が前記締結部材による締結部の締結座とされた凹部が形成される、リヤアーム。
  6. 請求項5に記載のリヤアームであって、
    前記凹部は、前記右アーム及び前記左アームのうち前記支持ボス部が形成されていない一方に形成されている、リヤアーム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のリヤアームであって、
    前記支持ボス部は、前記右前部の前記第1空間の下方を画定する下壁と前記左前部の前記第2空間の下方を画定する下壁のいずれか一方に形成される、リヤアーム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のリヤアームであって、
    前記右前壁は、前記第1空間を前後方向に画定する右中壁部を有し、
    前記左前壁は、前記第2空間を前後方向に画定する左中壁部を有し、
    前記右中壁部の左端と、前記左中壁部の右端は、互いに接している、リヤアーム。
  9. 請求項8に記載のリヤアームであって、
    前記締結部材は、前記右中壁部及び前記左中壁部の上端と下端に対応する位置に設けられる、リヤアーム。
  10. 請求項8又は9に記載のリヤアームであって、
    前記締結部材は、前記右中壁部と前記左中壁部とが接する面において、前記右中壁部と前記左中壁部を互いに締結する締結部材を含む、リヤアーム。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項に記載のリヤアームであって、
    前記締結部材は、前記右中壁部又は前記左中壁部に沿って並んで配置される複数の締結部材を含む、リヤアーム。
  12. 請求項8〜11のいずれか1項に記載のリヤアームであって、
    前記支持ボス部は、前記右中壁部又は前記左中壁部を上方又は下方に延長した仮想延長面と交わる位置に設けられる、リヤアーム。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のリヤアームであって、
    前記締結部材のリヤアームの外側に露出した部分を覆うカバーをさらに備える、リヤアーム。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載のリヤアームであって、
    前記右前部の前記右ピボット軸孔と前記左前部の前記左ピボット軸孔とが左右方向に連続しており、
    前記右ピボット軸孔の内周面と、前記左ピボット軸孔の内周面の双方に接するカラーをさらに備える、リヤアーム。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載のリヤアームであって、
    前記右前壁は、前記右前部の第1空間の下方を画定する下壁を含み、
    前記左前壁は、前記左前部の第2空間の下方を画定する下壁を含み、
    前記右前壁の下壁と前記左前壁の下壁は、左右方向に対向し互いに接する合わせ面を有し、
    前記右前壁の下壁又は前記左前壁の下壁の前記合わせ面の一部を切り欠いて形成される溝であって、前記下壁の厚み方向において内側から外側へ達する溝が、前記右前壁の下壁又は前記左前壁の下壁に形成される、リヤアーム。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載のリヤアームを備えた鞍乗型車両。
  17. ピボット軸を挿入するためのピボット軸孔及び前記ピボット軸孔よりも後方に形成された中空部を有する前部と、前記中空部から後方に向けて延びると共に後端部に後輪の車軸を挿入するための車軸孔が形成された後部とを含む鞍乗型車両のリヤアームの製造方法であって、 前記ピボット軸孔の右側を構成する右ピボット軸孔を有し、左側が開口する第1空間を画定すると共に前記中空部の右側を構成する右前壁を有する右前部と、前記右前部から後方に延び、前記車軸孔の右側を構成する右車軸孔を有する右後部とを含む右アームを、ダイカスト鋳造により一体的に形成する右アーム鋳造成工程と、
    前記ピボット軸孔の左側を構成する左ピボット軸孔を有し、右側が開口する第2空間を画定すると共に前記中空部の左側を構成する左前壁を有する左前部と、前記左前部から後方に延び、車軸孔の左側を構成する左車軸孔を有する左後部とを含む左アームを、ダイキャスト鋳造により一体的に形成する左アーム鋳造工程と、
    前記右アームの前記右前部と前記左アームの前記左前部とを締結部材によって結合する結合工程とを有し、
    前記右アーム鋳造工程又は、前記左アーム鋳造工程において、前記右アームと前記左アームのいずれか一方にのみ、リヤサスペンションの一端部を支持する支持ボス部を一体形成する、鞍乗型車両のリヤアームの製造方法。
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