JP2017018909A - 触媒混合物およびその製造方法ならびに当該触媒混合物を用いてなる電極触媒層、膜電極接合体および燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜電極接合体および燃料電池の性能(特に質量比活性)を向上できる手段を提供する。【解決手段】 触媒と電解質とを含む触媒混合物を分散媒に分散させたときの粒径−体積分率頻度曲線が2つ以上のピークを持ち、前記粒径−体積分率頻度曲線において、粒径が最も小さいピークと2番目に粒径が小さいピークとの間で、最も体積分率頻度が小さい粒径を境界粒径(DB)とし、粒径が前記DB以上である領域における累積体積分率(VL)に対する粒径が前記DB以下である領域における累積体積分率(VS)の比(VS/VL)が0.13を超えて1以下である、触媒混合物。【選択図】なし

Description

本発明は、触媒混合物およびその製造方法ならびに当該燃料電池用電極触媒層を用いてなる電極触媒層、膜電極接合体および燃料電池に関する。
プロトン伝導性固体高分子膜を用いた固体高分子形燃料電池は、例えば、固体酸化物形燃料電池や溶融炭酸塩形燃料電池など、他のタイプの燃料電池と比較して低温で作動する。このため、固体高分子形燃料電池は、定置用電源や、自動車などの移動体用動力源として期待されており、その実用も開始されている。
このような固体高分子形燃料電池には、一般的に、Pt(白金)やPt合金に代表される高価な金属触媒が用いられており、このような燃料電池の高価格要因となっている。このため、貴金属触媒の使用量を低減して、燃料電池の低コスト化が可能な技術の開発が求められている。
例えば、特許文献1には、特定の粒度分布を有する白金担持触媒が開示される。特許文献1の触媒は、90%粒径D90を小さく設定することにより、燃料電池の初期性能や耐久性を向上できることが記載される。
国際公開第2009/051111号
特許文献1では、触媒の有機溶媒への分散液をテフロン(登録商標)シート上に塗布して触媒層を形成している(例えば、段落「0032」)。しかしながら、上記にて形成された電極触媒層を有する膜電極接合体では、依然として質量比活性が低いという問題があった。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、膜電極接合体および燃料電池の性能(特に質量比活性)を向上できる手段を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、プロトン輸送抵抗および反応ガス輸送抵抗をバランスよく低減する技術を提供することである。
本発明の別の目的は、発電性能に優れる膜電極接合体及び燃料電池を提供することである。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、触媒層を形成するための触媒インク中の凝集体の粒度分布を適切に制御することによって、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、プロトン輸送抵抗の低い弱凝集体および反応ガス輸送抵抗の低い強凝集体がバランスよく存在する。ゆえに、本発明の触媒混合物を用いて形成する触媒層では、高いプロトン輸送性および反応ガス輸送性をバランスよく両立できる。ゆえに、本発明の触媒混合物を用いて形成された触媒層を有する膜電極接合体および燃料電池は高い性能(特に質量比活性)を発揮できる。
本発明によるメカニズムを説明する図である。図1Aは、本発明に係るDBよりも粒径が小さい凝集体(弱凝集体)を示す図であり、図1Bは、本発明に係るDBよりも粒径が大きい凝集体(強凝集体)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る固体高分子形燃料電池の基本構成を示す概略断面図である。 本発明に係るDB、VLおよびVSを説明するための図である。
本発明の触媒混合物は、触媒担体および前記触媒担体に担持される触媒金属からなる触媒と、電解質と、を含み、かつ触媒混合物を分散媒に分散させたときの粒径−体積分率頻度曲線が2つ以上のピークを持ち、VS/VL比が0.13を超えて1以下である。また、本発明は、本発明の触媒混合物を含む燃料電池用電極触媒層をも提供する。
本明細書において、前記粒径−体積分率頻度曲線において、粒径が最も小さいピークと2番目に粒径が小さいピークとの間で、最も体積分率頻度が小さい粒径を、「境界粒径(DB)」または単に「DB」と称する。同様にして、上記粒径がDB以上である領域における累積体積分率を、「累積体積分率(VL)」または単に「VL」と称する。また、粒径が上記DB以下である領域における累積体積分率を、「累積体積分率(VS)」または単に「VS」と称する。さらに、粒径がDB以上である領域における累積体積分率(VL)に対する粒径がDB以下である領域における累積体積分率(VS)の比を、「比(VS/VL)」または単に「VS/VL比」と称する。また、本明細書において、燃料電池用電極触媒層は、「電極触媒層」または「触媒層」とも称する。
上記構成を有する触媒により、膜電極接合体および燃料電池の性能(例えば、質量比活性および面積比活性、特に質量比活性)を向上できる。従来は、膜電極接合体および燃料電池の性能の向上のために、触媒自体に着目し、触媒の組成、構造などを研究してきた。例えば、特許文献1では、触媒の粒径分布が着目されている。
これに対して、本発明者らは、触媒層を形成する際の触媒インク中の触媒と電解質との凝集体に着目した。燃料電池の性能(活性)は、触媒金属自体の活性に加えて、触媒金属への反応ガス(例えば、酸素)の輸送特性の影響を受ける。したがって、触媒金属近傍から触媒層まで、種々のスケールにおける構造形成が反応ガス輸送特性への影響を通して、燃料電池の性能(活性)の支配要因となる。触媒を構成する触媒担体である炭素は表面が疎水性であるため、凝集性が強い。触媒インクは、触媒及び電解質が分散媒に分散してなる。この際、触媒(炭素)がインク中で凝集して凝集体を形成するが、電解質がその凝集体表面に吸着すると、さらなる凝集を抑制することを見出した。すなわち、本発明者らは、粒径の小さい凝集体(強凝集体;VS)及び粒径の大きい凝集体(弱凝集体;VL)が特定の体積比(VS/VL)で触媒インク中に存在する場合に、膜電極接合体および燃料電池の性能(特に質量比活性)を向上できることを見出した。詳細には、上記2種の凝集体のうち、DBに対して粒径が小さい側の凝集体(強凝集体)20は、図1Aに示されるように、比較的小さい凝集体である触媒(触媒担体)21の表面に電解質22が吸着する構造を有する。強凝集体は緻密な構造を形成するため、プロトン輸送抵抗は低く、プロトンを効率よく移動できる。このため、強凝集体を多く含む触媒層は、プロトン輸送性に優れ、発電効率を向上できる。その一方で、このような構造では、反応ガス(例えば、酸素)が透過できるスペースが乏しく、ガス輸送抵抗が高い(ガス輸送性に劣る)。これに対して、DBに対して粒径が大きい側の凝集体(弱凝集体)20’は、図1Bに示されるように、比較的大きな凝集体である触媒(触媒担体)21’の表面に電解質22’が吸着する構造を有する。弱凝集体は疎な構造を形成するため、反応ガス(例えば、酸素)は凝集体間をスムーズに移動でき、ガス(例えば、酸素)輸送抵抗は低い。このため、弱凝集体を多く含む触媒層は、ガス輸送性に優れ、反応ガスを触媒金属に速やかに効率よく輸送できる。ゆえに、このような触媒層は、高い触媒活性を発揮できる、すなわち、触媒反応を促進できる。しかし、その一方で、このような構造では、凝集体間の接触面積が少ないため、プロトンが凝集体間を移動できる部位が少なく、プロトン輸送抵抗は高い(プロトン輸送性に劣る)。このように輸送特性の異なる2種の凝集体を適当な割合で含む触媒インクを用いることにより、両者の長所をバランスよく配置して、湿度に左右されることなく、高いプロトン輸送性及びガス輸送性を両立できる触媒層が形成できる。
したがって、本発明の触媒混合物を用いて形成される触媒層を有する膜電極接合体および燃料電池は、高い発電性能(特に質量比活性)を発揮できる。したがって、本発明は、本発明の触媒混合物を用いて形成される触媒層をも提供する。また、本発明の触媒層を有する膜電極接合体および燃料電池は、発電性能に優れる。したがって、本発明は、本発明の触媒層を有する膜電極接合体および当該膜電極接合体を含む燃料電池をも提供する。
なお、上記メカニズムは推定であり、本発明は上記推定によって限定されない。
本明細書において、DBに対して粒径が小さい側の凝集体を「強凝集体」とも称する。同様にして、本明細書において、DBに対して粒径が大きい側の凝集体を「弱凝集体」とも称する。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の触媒混合物の一実施形態、並びにこれを使用した触媒層、膜電極接合体(MEA)および燃料電池の一実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施形態のみには制限されない。なお、各図面は説明の便宜上誇張されて表現されており、各図面における各構成要素の寸法比率が実際とは異なる場合がある。また、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明した場合では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は、XおよびYを含み、「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
[燃料電池]
燃料電池は、膜電極接合体(MEA)と、燃料ガスが流れる燃料ガス流路を有するアノード側セパレータと酸化剤ガスが流れる酸化剤ガス流路を有するカソード側セパレータとからなる一対のセパレータとを有する。本形態の燃料電池は、高い発電性能を発揮できる。
図2は、本発明の一実施形態に係る固体高分子形燃料電池(PEFC)1の基本構成を示す概略図である。PEFC 1は、まず、固体高分子電解質膜2と、これを挟持する一対の触媒層(アノード触媒層3aおよびカソード触媒層3c)とを有する。そして、固体高分子電解質膜2と触媒層(3a、3c)との積層体はさらに、一対のガス拡散層(GDL)(アノードガス拡散層4aおよびカソードガス拡散層4c)により挟持されている。このように、固体高分子電解質膜2、一対の触媒層(3a、3c)および一対のガス拡散層(4a、4c)は、積層された状態で膜電極接合体(MEA)10を構成する。
PEFC 1において、MEA 10はさらに、一対のセパレータ(アノードセパレータ5aおよびカソードセパレータ5c)により挟持されている。図2において、セパレータ(5a、5c)は、図示したMEA 10の両端に位置するように図示されている。ただし、複数のMEAが積層されてなる燃料電池スタックでは、セパレータは、隣接するPEFC(図示せず)のためのセパレータとしても用いられるのが一般的である。換言すれば、燃料電池スタックにおいてMEAは、セパレータを介して順次積層されることにより、スタックを構成することとなる。なお、実際の燃料電池スタックにおいては、セパレータ(5a、5c)と固体高分子電解質膜2との間や、PEFC 1とこれと隣接する他のPEFCとの間にガスシール部が配置されるが、図2ではこれらの記載を省略する。
セパレータ(5a、5c)は、例えば、厚さ0.5mm以下の薄板にプレス処理を施すことで図2に示すような凹凸状の形状に成形することにより得られる。セパレータ(5a、5c)のMEA側から見た凸部はMEA 10と接触している。これにより、MEA 10との電気的な接続が確保される。また、セパレータ(5a、5c)のMEA側から見た凹部(セパレータの有する凹凸状の形状に起因して生じるセパレータとMEAとの間の空間)は、PEFC 1の運転時にガスを流通させるためのガス流路として機能する。具体的には、アノードセパレータ5aのガス流路6aには燃料ガス(例えば、水素など)を流通させ、カソードセパレータ5cのガス流路6cには酸化剤ガス(例えば、空気など)を流通させる。
一方、セパレータ(5a、5c)のMEA側とは反対の側から見た凹部は、PEFC 1の運転時にPEFCを冷却するための冷媒(例えば、水)を流通させるための冷媒流路7とされる。さらに、セパレータには通常、マニホールド(図示せず)が設けられる。このマニホールドは、スタックを構成した際に各セルを連結するための連結手段として機能する。かような構成とすることで、燃料電池スタックの機械的強度が確保されうる。
なお、図2に示す実施形態においては、セパレータ(5a、5c)は凹凸状の形状に成形されている。ただし、セパレータは、かような凹凸状の形態のみに限定されるわけではなく、ガス流路および冷媒流路の機能を発揮できる限り、平板状、一部凹凸状などの任意の形態であってもよい。
上記のような、本発明のMEAを有する燃料電池は、優れた発電性能を発揮する。ここで、燃料電池の種類としては、特に限定されず、上記した説明中では高分子電解質形燃料電池を例に挙げて説明したが、この他にも、アルカリ型燃料電池、ダイレクトメタノール型燃料電池、マイクロ燃料電池などが挙げられる。なかでも小型かつ高密度・高出力化が可能であるから、高分子電解質形燃料電池(PEFC)が好ましく挙げられる。また、前記燃料電池は、搭載スペースが限定される車両などの移動体用電源の他、定置用電源などとして有用である。なかでも、比較的長時間の運転停止後に高い出力電圧が要求される自動車などの移動体用電源として用いられることが特に好ましい。
燃料電池を運転する際に用いられる燃料は特に限定されない。例えば、水素、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、第2級ブタノール、第3級ブタノール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどが用いられうる。なかでも、高出力化が可能である点で、水素やメタノールが好ましく用いられる。
また、燃料電池の適用用途は特に限定されるものではないが、車両に適用することが好ましい。本発明の電解質膜−電極接合体は、発電性能および耐久性に優れ、小型化が実現可能である。このため、本発明の燃料電池は、車載性の点から、車両に該燃料電池を適用した場合、特に有利である。したがって、本発明は、本発明の燃料電池を有する車両を提供する。
以下、本形態の燃料電池を構成する部材について簡単に説明するが、本発明の技術的範囲は下記の形態のみに制限されない。
[電極触媒層(触媒層)]
本発明に係る電極触媒層(触媒層)は、本発明の触媒混合物を用いて形成される。触媒混合物は、触媒担体および前記触媒担体に担持される触媒金属からなる触媒ならびに電解質を含む。ここで、膜電極接合体は、カソード触媒層およびアノード触媒層を有する。カソード触媒層およびアノード触媒層の少なくとも一方が本発明の触媒混合物を用いて形成されればよい。ただし、プロトン伝導性の向上および反応ガス(特にO)の輸送特性(ガス拡散性)の向上の必要性を考慮すると、少なくともカソード触媒層が本発明の触媒混合物を用いて形成されることが好ましい。ただし、アノード触媒層のみが本発明の触媒混合物を用いて形成されてもよいし、カソード触媒層およびアノード触媒層双方が本発明の触媒混合物を用いて形成されてもよいなど、特に制限されるものではない。
(触媒混合物)
触媒混合物は、触媒担体および前記触媒担体に担持される触媒金属からなる触媒と、電解質と、を含む。図3に示されるように、この触媒混合物を分散媒に分散させたときの粒径−体積分率頻度曲線は、2つ以上のピークを持つ。この際、粒径−体積分率頻度曲線において、粒径が最も小さいピークと2番目に粒径が小さいピークとの間で、最も体積分率頻度が小さい粒径を境界粒径(図3中の「DB」)とする。この粒径がDB以上である領域の累積体積分率(面積)が図3中の「VL」である。また、この粒径がDB以下である領域の累積体積分率(面積)が図3中の「VS」である。なお、図3では、説明が容易であるように、ピークが3個存在しているが、本発明は上記形態に限定されない。
本発明では、触媒混合物のVLに対するVSの比(VS/VL比)が0.13を超えて1以下である。ここで、VS/VL比が1を超えると、電解質による触媒金属表面の被覆割合が高い強凝集体が過度に多く含まれるため、触媒金属に十分量の反応ガス(例えば、酸素)が輸送されなくなる。このため、触媒は十分高い触媒活性を発揮できず、このような触媒混合物で形成された触媒層を有するMEAは発電性能に劣る。これに対して、VS/VL比が0.13以下であると、電解質による触媒金属表面の被覆割合が低い弱凝集体が過度に多く含まれるため、プロトンが凝集体間を移動できるパスが少ない。このため、このような触媒混合物で形成された触媒層を有するMEAはやはり発電性能に劣る。
以下に詳述するが、触媒担体は非常な広範なBET比表面積を有することができる。ここで、触媒担体のBET比表面積によって、触媒混合物のVS/VL比を適切に選択することが好ましい。例えば、触媒担体のBET比表面積が小さい場合には、炭素担体内部の連通孔体積が小さく、ガス輸送抵抗が大きい。また、弱凝集体は弱い相互作用で形成される比較的大きな凝集体であるため、本発明の触媒混合物を含む触媒インクを乾燥させて形成した触媒層では、溶媒の減少に伴い弱凝集体間の相互作用が強いより大きな凝集体を作る。一方、強凝集体は小さいため、上記したような触媒層では、乾燥によって溶媒が減少しても大きな凝集体を作りにくい。このため、特に触媒担体のBET比表面積が小さい場合には、弱凝集体体積が多い(VLが大きい)触媒層は酸素輸送抵抗が大きいと考えられる。ゆえに、特に触媒担体のBET比表面積が900m/g以下である場合には、VS/VL比が0.5〜1、より好ましくは0.7〜1.0、さらに好ましくは0.7〜0.95であることが好ましい。このような割合で強凝集体及び弱凝集体が存在すれば、ガス(酸素)輸送性低下をより有効に抑制できる。このため、ガス輸送性及びプロトン輸送性がより良好なバランスを保ち、膜電極接合体および燃料電池の性能(特に質量比活性)をより向上できる。なお、BET比表面積が大きい(例えば、900m/g超)場合には、上記現象は起こりにくいので、VS/VL比は、0.13を超えて1以下であるが、0.15〜1、より好ましくは0.2〜0.6、さらに好ましくは0.3〜0.5であることが好ましい。このような割合で強凝集体及び弱凝集体が存在すれば、ガス輸送性及びプロトン輸送性がより良好なバランスを保ち、膜電極接合体および燃料電池の性能(特に質量比活性)をより向上できる。
本明細書において、境界粒径(DB)、粒径がDB以上である領域における累積体積分率(VL)及び粒径がDB以下である領域における累積体積分率(VS)ならびにVS/VL比は、下記方法に従って、求められる。
詳細には、触媒混合物を2−プロパノールで固形分濃度が約1重量%になるように希釈して、サンプルを調製する。次に、このサンプルについて、下記条件にて、粒径分布を計測する。
得られた粒径分布(粒径−体積分率頻度曲線)において、粒径が最も小さいピークと2番目に粒径が小さいピークとの間で、最も体積分率頻度が小さい粒径(境界粒径)を求め、これをDB(μm)とする。また、この粒径がDB以上である領域における累積体積分率(面積)を求め、これをVLとする。同様にして、この粒径がDB以下である領域における累積体積分率(面積)を求め、これをVSとする。
このようにして求められたVSをVLで除して、VS/VL比を求める。なお、上記方法において、触媒層の形成に使用する触媒インク(触媒、電解質及び溶媒を含む)についてVS/VL比を求める場合には、触媒インクを2−プロパノールで固形分濃度が約1重量%になるように希釈したものをサンプルとして使用する。
上述したように、触媒混合物は、大きさを境界粒径(DB)を境に、DBよりも粒径が小さい凝集体(強凝集体)およびDBよりも粒径が大きい凝集体(弱凝集体)に分ける。本発明は、上記弱凝集体及び強凝集体が特定の体積比で含まれていれば、各凝集体の大きさは特に制限されない。例えば、強凝集体の大きさは、プロトン輸送性のより向上効果などを考慮すると、粒径が最も小さいピークが、粒径−体積分率頻度曲線において、0μmを超えて2μm以下、より好ましくは0.3〜2μm、より好ましくは0.6〜1μmの粒径で存在することが好ましい。また、弱凝集体の大きさは、反応ガス輸送性のより向上効果などを考慮すると、粒径がDB以上である領域における最も大きなピークが、粒径−体積分率頻度曲線において、10μm以下、より好ましくは1〜9μm、さらに好ましくは1.5μmを超えて8μm以下の粒径で存在することが好ましい。このような大きさであれば、VS/VL比を所定の範囲に効率よく制御して、プロトン輸送性及びガス輸送性をより良好なバランスで両立できる。また、触媒混合物を用いて所望の厚み(例えば、20μm以下)の触媒層を容易に形成できる。
ここで、触媒混合物のVS/VL比を特定範囲に制御する方法は特に制限されないが、(1)触媒及び電解質を分散させる分散媒(溶媒)の種類の選択、(2)、触媒及び電解質を分散媒(溶媒)に分散させた分散液(触媒インク)の撹拌および撹拌条件、(3)触媒担体(カーボン担体)と電解質(アイオノマー)との重量比(I/C比)、ならびに(4)分散液(触媒インク)の固形分率(触媒及び電解質の合計濃度)からなる群より選択される少なくとも一種を制御することが特に触媒混合物のVS/VL比の制御に重要であることが判明した。以下、上記について詳細に説明する。なお、本発明は、VS/VL比が0.13を超えて1以下であれば、上記(1)〜(4)の方法に限定されないことはいうまでもない。
(1)触媒及び電解質を分散させる分散媒(溶媒)の種類の選択
触媒及び電解質を分散媒(溶媒)に分散させて分散液(触媒インク)を調製し、この分散液を用いて触媒層を形成する。ここで、分散媒(溶媒)としては、特に制限されないが、水およびアルコールの混合重量比が60/40以上91/9未満である水−アルコール混合溶媒であることが好ましい。すなわち、好ましい実施形態では、水およびアルコールの混合重量比が60/40以上91/9未満である水−アルコール混合溶媒を調製し、得られた水−アルコール混合溶媒、触媒、および電解質を混合して、混合液(触媒インク)を作製する。このように水の含有比率の高い混合溶媒を分散媒として使用することによって、電解質が適度に触媒を被覆し、適切なサイズの凝集体を適切な割合で形成できる。このため、VS/VL比を所定の範囲に効率よく制御できる。プロトン輸送性及びガス輸送性のより良好なバランスを考慮すると、水およびアルコールの混合比(重量比)は、好ましくは60/40〜80/20、より好ましくは60/40〜70/30である。
ここで、水は、特に制限されず、水道水、純水、イオン交換水、蒸留水等が使用できる。また、アルコールも、特に制限されない。具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール(n−プロパノール)、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、シクロヘキサノールなどが挙げられる。これらのうち、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノールおよび2−メチル−2−プロパノールが好ましい。上記アルコールは、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合液の状態で使用されてもよい。すなわち、アルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノールおよび2−メチル−2−プロパノールからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。このような親和性が高い低級アルコールを用いることで、電解質の極端な偏在を防ぎ、所定のVS/VL比を有する触媒混合物がより効率よく調製できる。また、上記のアルコールのうち、沸点が100℃未満のアルコールを用いることがより好ましい。沸点が100℃未満のアルコールを用いることにより、乾燥工程が簡素化できるという利点がある。沸点が100℃未満のアルコールとしては、メタノール(沸点:65℃)、エタノール(沸点:78℃)、1−プロパノール(沸点:97℃)、2−プロパノール(沸点:82℃)、および2−メチル−2−プロパノール(沸点:83℃)からなる群より選択されるものが例示できる。上記アルコールを1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
(2)、触媒及び電解質を分散媒(溶媒)に分散させた分散液(触媒インク)の撹拌および撹拌条件
触媒及び電解質を分散媒(溶媒)に分散させた分散液(触媒インク)は、撹拌されることが好ましい。すなわち、本発明の好ましい実施形態では、触媒、電解質および分散媒(溶媒)を混合して分散液(触媒インク)を得、得られた分散液(触媒インク)を撹拌する。当該操作により、凝集体が適切に分割または集合して、本発明に係るVS/VL比で強凝集体及び弱凝集体をより効率的に製造できる。
ここで、撹拌条件は、特に制限されないが、分散液中の触媒の電解質による凝集体を部分的に粉砕するような条件であることが好ましい。すなわち、分散液(触媒インク)は、粉砕されることがより好ましい。ここで、粉砕方法としては、特に制限されず公知の粉砕方法が同様にしてまたは適宜修飾して適用できる。具体的には、サンドグラインダー、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、ジェットミル、ホモジナイザ、超音波分散装置、アトライターなどが挙げられる。また、撹拌条件もまた特に制限されないが、例えば、サンドグラインダー、ボールミル、ビーズミル、サンドミルの場合には、平均粒子径(直径)が0.5〜3mm、より好ましくは1〜2mmの粒子を、分散液に対して、40〜80体積%、より好ましくは50〜70体積%の割合で添加することが好ましい。さらに、このような混合物を、10〜40℃、好ましくは20〜30℃の温度で500〜2500rpm、より好ましくは1000〜2000rpmの速度で3〜20分間、より好ましくは5〜15分間粉砕することが好ましい。このような条件によれば、所定のVS/VL比を有する触媒混合物がより効率よく調製できる。なお、上記条件は、塗布工程、ならびに使用される材料の種類や量などによって異なる。
(3)触媒担体(カーボン担体)と電解質(アイオノマー)との重量比(I/C比)
触媒インク中の触媒担体(カーボン担体)に対する電解質(アイオノマー)の重量比(Ionomer/Carbon比;I/C比)を規定することが好ましい。具体的には、触媒インク中のI/C比が、好ましくは0.6〜2.0、より好ましくは0.7を超えて1.5以下、より好ましくは0.8〜1.2である。このような割合であれば、電解質が適度に触媒を被覆し、適切なサイズの凝集体を適切な割合で形成できる。このため、VS/VL比を所定の範囲に効率よく制御して、プロトン輸送性及びガス輸送性をより良好なバランスで両立できる。
(4)分散液(触媒インク)の固形分率(触媒及び電解質の合計濃度)
分散液(触媒インク)の固形分率(触媒及び電解質の合計濃度)は、触媒及び電解質が適切な距離で存在し適度に触媒を被覆し、適切なサイズの凝集体を適切な割合で形成できるように規定する。これによってVS/VL比を所定の範囲に効率よく制御して、プロトン輸送性及びガス輸送性をより良好なバランスで両立できる。なお、上記分散液の固形分率は、塗布工程などによって異なり、本発明に係るVS/VL比が達成できかつ分散液が塗布に適する粘度を有する割合であれば、上記固形分率の範囲から外れてもよい。
上記のうち、特に上記(1)及び(2)の少なくとも一方を満たすことが好ましく、上記(1)及び(2)を満たすことがより好ましい。すなわち、好ましい態様では、本発明は、触媒担体および前記触媒担体に担持される触媒金属からなる触媒、電解質、ならびに水およびアルコールの混合重量比が60/40以上91/9未満である水−アルコール混合溶媒を混合して混合液を調製し、前記混合液を、粒径が前記DB以上である領域における累積体積分率(VL)に対する粒径が前記DB以下である領域における累積体積分率(VS)の比(VS/VL)が0.13を超えて1以下となるように撹拌することを有する、本発明の触媒混合物の製造方法を提供する。
触媒担体は、上述した触媒成分を担持するための担体、および触媒成分と他の部材との間での電子の授受に関与する電子伝導パスとして機能する。触媒担体としては、触媒粒子を所望の分散状態で担持させるための比表面積を有し、集電体として十分な電子導電性を有しているものであればよく、主成分がカーボンであるのが好ましい。具体的には、アセチレンブラック、チャンネルブラック、オイルファーネスブラック、ガスファーネスブラック(例えば、バルカン)、ランプブラック、サーマルブラック、ブラックパール、ケッチェンブラック(登録商標)などのカーボンブラック;ブラックパール;黒鉛化アセチレンブラック;黒鉛化チャンネルブラック;黒鉛化オイルファーネスブラック;黒鉛化ガスファーネスブラック;黒鉛化ランプブラック;黒鉛化サーマルブラック;黒鉛化ケッチェンブラック;黒鉛化ブラックパール;カーボンナノチューブ;カーボンナノファイバー;カーボンナノホーン;カーボンフィブリル;活性炭;コークス;天然黒鉛;人造黒鉛などを挙げることができる。また、導電性担体として、ナノサイズの帯状グラフェンが3次元状に規則的に連結した構造を有するゼオライト鋳型炭素(ZTC)も挙げることができる。なお、「主成分がカーボンである」とは、主成分として炭素原子を含むことをいい、炭素原子のみからなる、実質的に炭素原子からなる、の双方を含む概念であり、炭素原子以外の元素が含まれていてもよい。「実質的に炭素原子からなる」とは、2〜3重量%程度以下の不純物の混入が許容されうることを意味する。
触媒担体のBET比表面積は、触媒を高分散担持させるのに十分な比表面積であればよい。触媒担体(触媒担持前の触媒担体前駆体)のBET比表面積が500m/g以上であることが好ましく、550m/g以上であることがより好ましい。比表面積が上記したような範囲であれば、触媒担体への触媒および電解質が十分分散して十分な発電性能が得られ、また、触媒および電解質を十分有効利用できるとともに、酸素輸送抵抗を低く制御しやすい。触媒担体のBET比表面積の上限は、2000m/g以下であることが好ましい、1500m/g以下であることがより好ましい。なお、触媒担体は、市販品を使用しても、または例えば、特開2010−208887号公報、国際公開第2009/075264号などに記載される公知の方法によって製造されてよい。
本明細書において、「BET比表面積(m/g触媒担体)」は、窒素吸着法により測定される。詳細には、サンプル(炭素粉末、触媒粉末) 約0.04〜0.07gを精秤し、試料管に封入する。この試料管を真空乾燥器で90℃×数時間予備乾燥し、測定用サンプルとする。秤量には、株式会社島津製作所製電子天秤(AW220)を用いる。なお、塗布シートの場合には、これの全重量から、同面積のテフロン(登録商標)(基材)重量を差し引いた塗布層の正味の重量約0.03〜0.04gを試料重量として用いる。次に、下記測定条件にて、BET比表面積を測定する。吸着・脱着等温線の吸着側において、相対圧(P/P0)約0.00〜0.45の範囲から、BETプロットを作成することで、その傾きと切片からBET比表面積を算出する。
上記カーボン材料の他、Sn(錫)やTi(チタン)などの多孔質金属、さらには導電性金属酸化物なども担体として使用可能である。また、触媒担体は、必ずしも上記したような粒状の多孔質担体である必要はない。例えば、担体として、非多孔質の導電性担体やガス拡散層を構成する炭素繊維から成る不織布やカーボンペーパー、カーボンクロスなども挙げられる。このとき、触媒をこれら非多孔質の導電性担体に担持したり、膜電極接合体のガス拡散層を構成する炭素繊維から成る不織布やカーボンペーパー、カーボンクロスなどに直接付着させたりすることも可能である。
また、触媒担体の大きさは、特に限定されないが、担持の容易さ、触媒利用率、電極触媒層の厚みを適切な範囲で制御するなどの観点からは、平均一次粒子径が5〜200nm、好ましくは10〜100nm程度とするのがよい。
触媒担体に触媒成分が担持された電極触媒において、触媒成分の担持量は、電極触媒の全量に対して、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは20〜60重量%とするのがよい。触媒成分の担持量がかような範囲内の値であると、触媒担体上での触媒成分の分散度と触媒性能とのバランスが適切に制御されうる。なお、本発明における「触媒担持率」は、触媒金属を担持する前の担体と、触媒金属を担持させた後の触媒の重量を測定することにより求められる値である。
触媒を構成する触媒金属は、電気的化学反応の触媒作用をする機能を有する。アノード触媒層に用いられる触媒金属は、水素の酸化反応に触媒作用を有するものであれば特に制限はなく公知の触媒が同様にして使用できる。また、カソード触媒層に用いられる触媒金属もまた、酸素の還元反応に触媒作用を有するものであれば特に制限はなく公知の触媒が同様にして使用できる。具体的には、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、銅、銀、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属およびこれらの合金などから選択されうる。
これらのうち、触媒活性、一酸化炭素等に対する耐被毒性、耐熱性などを向上させるために、少なくとも白金を含むものが好ましく用いられる。すなわち、触媒金属は、白金であるまたは白金と白金以外の金属成分を含むことが好ましく、白金または白金含有合金であることがより好ましい。このような触媒金属は、高い活性を発揮できる。前記合金の組成は、合金化する金属の種類にもよるが、白金の含有量を30〜90原子%とし、白金と合金化する金属の含有量を10〜70原子%とするのがよい。なお、合金とは、一般に金属元素に1種以上の金属元素または非金属元素を加えたものであって、金属的性質をもっているものの総称である。合金の組織には、成分元素が別個の結晶となるいわば混合物である共晶合金、成分元素が完全に溶け合い固溶体となっているもの、成分元素が金属間化合物または金属と非金属との化合物を形成しているものなどがあり、本願ではいずれであってもよい。この際、アノード触媒層に用いられる触媒金属およびカソード触媒層に用いられる触媒金属は、上記の中から適宜選択されうる。本明細書では、特記しない限り、アノード触媒層用およびカソード触媒層用の触媒金属についての説明は、両者について同様の定義である。しかしながら、アノード触媒層およびカソード触媒層の触媒金属は同一である必要はなく、上記したような所望の作用を奏するように、適宜選択されうる。
触媒金属(触媒成分)の形状や大きさは、特に制限されず公知の触媒成分と同様の形状および大きさが採用されうる。形状としては、例えば、粒状、鱗片状、層状などのものが使用できるが、好ましくは粒状である。この際、触媒粒子の平均粒子径は、好ましくは1〜30nm、より好ましくは2〜10nmである。触媒粒子の平均粒子径がかような範囲内の値であると、電気化学反応が進行する有効電極面積に関連する触媒利用率と担持の簡便さとのバランスが適切に制御されうる。なお、本明細書において、「触媒金属粒子の平粒子径」は、X線回折における触媒金属成分の回折ピークの半値幅より求められる結晶子半径や、透過型電子顕微鏡(TEM)より調べられる触媒金属粒子の粒子半径の平均値として測定されうる。本明細書では、「触媒金属粒子の平均粒子径」は、X線回折における触媒金属成分の回折ピークの半値幅より求められる結晶子半径である。
触媒の製造方法(触媒担体前駆体への金属触媒の担持方法)は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、液相還元法、蒸発乾固法、コロイド吸着法、噴霧熱分解法、逆ミセル(マイクロエマルジョン法)などの公知の方法が使用できる。または、電極触媒は、市販品を用いてもよい。
液相還元法による触媒の製造方法としては、触媒担体前駆体の表面に触媒金属を析出させた後、熱処理を行う方法などが挙げられる。具体的には、例えば、触媒金属の前駆体溶液に、触媒担体を浸漬して還元した後、熱処理を行う方法などが挙げられる。
ここで、触媒金属の前駆体としては、特に制限されず、使用される触媒金属の種類によって適宜選択される。具体的には、上記白金等の触媒金属の塩化物、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、酢酸塩およびアミン化合物などが例示できる。より具体的には、塩化白金(ヘキサクロロ白金酸六水和物)、塩化パラジウム、塩化ロジウム、塩化ルテニウム、塩化コバルトなどの塩化物、硝酸パラジウム、硝酸ロジウム、硝酸イリジウムなどの硝酸塩、硫酸パラジウム、硫酸ロジウムなどの硫酸塩、酢酸ロジウムなどの酢酸塩、ジニトロジアンミン白金硝酸、ジニトロジアンミンパラジウムなどのアンミン化合物などが好ましく、例示される。また、触媒金属の前駆体溶液の調製に使用される溶媒は、触媒金属の前駆体を溶解できるものであれば特に制限されず、使用される触媒金属の前駆体の種類によって適宜選択される。具体的には、水、酸、アルカリ、有機溶媒などが挙げられる。触媒金属の前駆体溶液中の触媒金属の前駆体の濃度は、特に制限されないが、金属換算で0.1〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜20重量%である。
還元剤としては、水素、ヒドラジン、ホウ素化水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、水素化ホウ素ナトリウム、ホルムアルデヒド、メタノール、エタノール、エチレン、一酸化炭素等が挙げられる。なお、水素などの常温でガス状の物質は、バブリングで供給することもできる。還元剤の量は、上記触媒金属の前駆体を触媒金属に還元できる量であれば特に制限されず、公知の量を同様にして適用できる。
析出条件は、触媒金属が触媒担体に析出できる条件であれば特に制限されない。例えば、析出温度は、溶媒の沸点付近の温度、より好ましくは室温〜100℃であることが好ましい。また、析出時間は、1〜10時間、より好ましくは2〜8時間であることが好ましい。なお、上記析出工程は、必要であれば、撹拌・混合しながら行ってもよい。これにより、触媒金属の前駆体が触媒金属に還元されて、触媒金属が触媒担体に析出(担持)する。
熱処理条件としては、例えば、熱処理温度は、300〜1200℃、より好ましくは500〜1150℃、特に好ましくは700〜1000℃であることが好ましい。また、熱処理時間は、0.02〜3時間、より好ましくは0.1〜2時間、特に好ましくは0.2〜1.5時間であることが好ましい。なお、触媒金属前駆体の還元促進効果を考慮すると、熱処理工程は、水素ガスを含む雰囲気下、より好ましくは水素雰囲気で行われることが好ましい。
触媒混合物は、上記触媒に加えて、電解質を含む。ここで、電解質は、特に制限されないが、イオン伝導性の高分子電解質であることが好ましい。上記高分子電解質は、燃料極側の触媒活物質周辺で発生したプロトンを伝達する役割を果たすことから、プロトン伝導性高分子とも呼ばれる。
当該高分子電解質は、特に限定されず従来公知の知見が適宜参照されうる。高分子電解質は、構成材料であるイオン交換樹脂の種類によって、フッ素系高分子電解質と炭化水素系高分子電解質とに大別される。これらのうち、フッ素系高分子電解質が好ましい。すなわち、電解質は、フッ素系高分子電解質であることが好ましい。このように疎水性分子構造を有するフッ素系高分子電解質を用いることによって、溶媒中の水比率を高くすることで電解質がさらに凝集しやすくなる。
フッ素系高分子電解質を構成するイオン交換樹脂としては、例えば、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)等のパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー、パーフルオロカーボンホスホン酸系ポリマー、トリフルオロスチレンスルホン酸系ポリマー、エチレンテトラフルオロエチレン−g−スチレンスルホン酸系ポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリビニリデンフルオリド−パーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマーなどが挙げられる。耐熱性、化学的安定性、耐久性、機械強度に優れるという観点からは、これらのフッ素系高分子電解質が好ましく用いられ、特に好ましくはパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマーから構成されるフッ素系高分子電解質が用いられる。
炭化水素系電解質として、具体的には、スルホン化ポリエーテルスルホン(S−PES)、スルホン化ポリアリールエーテルケトン、スルホン化ポリベンズイミダゾールアルキル、ホスホン化ポリベンズイミダゾールアルキル、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン(S−PEEK)、スルホン化ポリフェニレン(S−PPP)などが挙げられる。原料が安価で製造工程が簡便であり、かつ材料の選択性が高いといった製造上の観点からは、これらの炭化水素系高分子電解質が好ましく用いられる。なお、上述したイオン交換樹脂は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。また、上述した材料のみに制限されず、その他の材料が用いられてもよい。また、電解質が予め溶媒中に調製されている市販の電解質溶液(例えば、デュポン製のNafion溶液:1−プロパノール中に5wt%の濃度でNafionが分散/懸濁したもの)を使用してもよい。
プロトンの伝達を担う高分子電解質においては、プロトンの伝導度が重要となる。ここで、高分子電解質のEWが大きすぎる場合には触媒層全体でのイオン伝導性が低下する。したがって、本形態の触媒層は、EWの小さい高分子電解質を含むことが好ましい。具体的には、本形態の触媒層は、好ましくはEWが1500g/mol以下の高分子電解質を含み、より好ましくは1200g/mol以下の高分子電解質を含み、特に好ましくは1100g/mol以下の高分子電解質を含む。
一方、EWが小さすぎる場合には、親水性が高すぎて、水の円滑な移動が困難となる。かような観点から、高分子電解質のEWは600g/mol以上であることが好ましい。なお、EW(Equivalent Weight)は、プロトン伝導性を有する交換基の当量重量を表している。当量重量は、イオン交換基1当量あたりの高分子電解質の乾燥重量であり、「g/mol」の単位で表される。
また、触媒混合物は、EWが異なる2種類以上の高分子電解質を発電面内に含み、この際、高分子電解質のうち最もEWが低い高分子電解質が流路内ガスの相対湿度が90%以下の領域に用いてもよい。このような材料配置を採用することにより、電流密度領域によらず、抵抗値が小さくなって、電池性能の向上を図ることができる。流路内ガスの相対湿度が90%以下の領域に用いる高分子電解質、すなわちEWが最も低い高分子電解質のEWとしては、900g/mol以下であることが望ましい。これにより、上述の効果がより確実、顕著なものとなる。
さらに、EWが最も低い高分子電解質を冷却水の入口と出口の平均温度よりも高い領域に用いることが望ましい。これによって、電流密度領域によらず、抵抗値が小さくなって、電池性能のさらなる向上を図ることができる。
さらには、燃料電池システムの抵抗値を小さくするとする観点から、EWが最も低い高分子電解質は、流路長に対して燃料ガス及び酸化剤ガスの少なくとも一方のガス供給口から3/5以内の範囲の領域に用いることが望ましい。
触媒混合物は、上記触媒および電解質を必須に含むが、上記触媒や電解質に加えて、必要に応じて、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などの撥水剤、界面活性剤などの分散剤、グリセリン、エチレングリコール(EG)、ポリビニルアルコール(PVA)、プロピレングリコール(PG)などの増粘剤、造孔剤等の添加剤が含まれていても構わない。この際、添加剤の添加量は、本発明の上記効果を妨げない程度の量であれば特に制限されない。例えば、添加剤の添加量は、それぞれ、触媒混合物(または触媒インク)の全重量に対して、好ましくは5〜20重量%である。
(触媒混合物を用いた触媒層の形成)
上記触媒混合物を用いて、燃料電池用電極触媒層が提供できる。すなわち、本発明は、本発明の触媒混合物または本発明の方法によって製造される触媒混合物を含む燃料電池用電極触媒層をも提供する。
ここで、触媒層の形成方法は、特に限定されず、例えば、特開2010−21060号公報に記載される方法などの公知の方法が同様にしてあるいは適宜修飾して適用される。好適には、本発明の触媒混合物及び必要であれば溶剤(好ましくは水−アルコール混合溶媒)を混合して触媒インクを調製し、触媒インクを、高分子電解質膜またはガス拡散層(塗布基材)表面に塗布することによって、触媒層を形成する方法が使用できる。ここで、触媒混合物及び溶剤は上記したのと同様であるため、ここでは説明を省略する。また、溶剤の使用量もまた、上記したのと同様であるため、ここでは説明を省略する。
触媒インクを、塗布基材、例えば高分子電解質膜上に塗布して、各触媒層が形成される。ここで、塗布基材への塗布方法は、特に制限されず、公知の方法を使用できる。具体的には、スプレー(スプレー塗布)法、ガリバー印刷法、ダイコーター法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法など、公知の方法を用いて行うことができる。
塗布基材上への触媒層の形成条件は、特に制限されず、公知の方法が同様にしてあるいは適宜修飾を加えて使用できる。例えば、触媒インクを塗布基材上に、乾燥後の厚みが所望の厚みになるように、塗布し、触媒インクの塗布層(膜)を、空気雰囲気下あるいは不活性ガス雰囲気下、室温〜180℃、より好ましくは50〜120℃で、1〜60分間、より好ましくは5〜30分間、乾燥する。これにより、触媒層が形成される。なお、上記工程において、触媒層の厚みが十分でない場合には、所望の厚みになるまで、上記塗布・乾燥工程を繰り返す。
塗布基材への触媒インクの塗布量は、特に制限されない。具体的には、触媒層面積当たりの触媒金属の含有量(目付量)(mg/cm)は、0.5mg/cm以下、好ましくは0.4mg/cm以下である。下限値は発電性能が得られる限り特に制限されず、例えば、0.01mg/cm以上である。なお、本明細書において、「触媒層面積当たりの白金の含有量(mg/cm)」の測定(確認)には、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP)を用いる。所望の「触媒層面積当たりの白金の含有量」にせしめる方法も当業者であれば容易に行うことができ、スラリーの組成(触媒濃度)と塗布量を制御することで量を調整することができる。
または、触媒層の厚み(乾燥膜厚)は、特に制限されないが、好ましくは1〜20μm、より好ましくは2〜15μmである。なお、上記厚みは、カソード触媒層およびアノード触媒層双方に適用される。しかし、カソード触媒層及びアノード触媒層の厚みは、同じであってもあるいは異なってもよい。
[電解質膜(高分子電解質膜)]
電解質膜は、構成材料であるイオン交換樹脂の種類によって、フッ素系高分子電解質膜と炭化水素系高分子電解質膜とに大別される。フッ素系高分子電解質膜を構成するイオン交換樹脂としては、例えば、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)等のパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー、パーフルオロカーボンホスホン酸系ポリマー、トリフルオロスチレンスルホン酸系ポリマー、エチレンテトラフルオロエチレン−g−スチレンスルホン酸系ポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリビニリデンフルオリド−パーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマーなどが挙げられる。耐熱性、化学的安定性などの発電性能を向上させるという観点からは、これらのフッ素系高分子電解質膜が好ましく用いられ、特に好ましくはパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマーから構成されるフッ素系高分子電解質膜が用いられる。
炭化水素系電解質として、具体的には、スルホン化ポリエーテルスルホン(S−PES)、スルホン化ポリアリールエーテルケトン、スルホン化ポリベンズイミダゾールアルキル、ホスホン化ポリベンズイミダゾールアルキル、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン(S−PEEK)、スルホン化ポリフェニレン(S−PPP)などが挙げられる。これらの炭化水素系高分子電解質膜は、原料が安価で製造工程が簡便であり、かつ材料の選択性が高いといった製造上の利点がある。なお、上述したイオン交換樹脂は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。また、上述した材料のみに制限されず、その他の材料が用いられてもよい。
電解質膜の厚さは、通常は5〜100μm程度である。
[ガス拡散層]
ガス拡散層(ガス拡散層基材)は、セパレータ流路を介して供給されたガス(燃料ガスまたは酸化剤ガス)の拡散を促進する機能、および電子伝導パスとしての機能に加え、親水性多孔質層を支持する機能を有する。
ガス拡散層基材を構成する材料は特に限定されず、従来公知の知見が適宜参照されうる。例えば、炭素製の織物、紙状抄紙体、フェルト、不織布といった導電性および多孔質性を有するシート状材料が挙げられる。より具体的には、カーボンペーパ、カーボンクロス、カーボン不織布などが好ましく挙げられる。前記ガス拡散層基材は、市販品を用いることもでき、例えば、東レ株式会社製カーボンペーパTGPシリーズ、E−TEK社製カーボンクロスなどが挙げられる。
ガス拡散層基材の厚さは、得られるガス拡散層の特性を考慮して適宜決定すればよいが、30〜500μm程度とすればよい。基材の厚さがかような範囲内の値であれば、機械的強度とガスおよび水などの拡散性とのバランスが適切に制御されうる。
ガス拡散層基材は、撥水性をより高めてフラッディング現象などを防止することを目的として、撥水剤を含むことが好ましい。撥水剤としては、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素系の高分子材料、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが挙げられる。
また、撥水性をより向上させるために、ガス拡散層は、マイクロポーラス層(MPL層)をガス拡散層基材の触媒層側に有するものであってもよい。マイクロポーラス層は微細孔を多数有する微多孔層を指し、通常カーボン粒子の集合体である。
マイクロポーラス層に含まれるカーボン粒子は特に限定されず、カーボンブラック、グラファイト、膨張黒鉛などの従来公知の材料が適宜採用されうる。なかでも、電子伝導性に優れ、比表面積が大きいことから、オイルファーネスブラック、チャネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが好ましく用いられうる。カーボン粒子の平均粒径は、10〜100nm程度とするのがよい。これにより、毛細管力による高い排水性が得られるとともに、触媒層との接触性も向上させることが可能となる。
マイクロポーラス層は撥水剤を含んでいることが好ましい。マイクロポーラス層に用いられる撥水剤としては、上述した撥水剤と同様のものが挙げられる。なかでも、撥水性、電極反応時の耐食性などに優れることから、フッ素系の高分子材料が好ましく用いられうる。
マイクロポーラス層におけるカーボン粒子と撥水剤との混合比は、撥水性および電子伝導性のバランスを考慮して、重量比で90:10〜40:60(カーボン粒子:撥水剤)程度とするのがよい。なお、カーボン粒子層の厚さについても特に制限はなく、得られるガス拡散層の撥水性を考慮して適宜決定すればよい。
上述したように、電解質膜(固体高分子電解質膜)またはガス拡散層基材(ガス拡散層)の表面に触媒層を形成した後、得られた積層体をそのまま膜電極接合体の製造に利用することができる。あるいは、基材としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)[テフロン(登録商標)]シート等の剥離可能な基材を使用し、基材上に触媒層を形成した後に基材から触媒層部分を剥離することにより、触媒層を得てもよい。
(膜電極接合体)
本発明のさらなる実施形態によれば、上記燃料電池用電極触媒層を含む、燃料電池用膜電極接合体が提供される。すなわち、固体高分子電解質膜2、前記電解質膜の一方の側に配置されたカソード触媒層と、前記電解質膜の他方の側に配置されたアノード触媒層と、前記電解質膜2並びに前記アノード触媒層3a及び前記カソード触媒層3cを挟持する一対のガス拡散層(4a,4c)とを有する燃料電池用膜電極接合体が提供される。そしてこの膜電極接合体において、前記カソード触媒層およびアノード触媒層の少なくとも一方が上記に記載した実施形態の触媒層である。
ただし、プロトン伝導性の向上および反応ガス(特にO)の輸送特性(ガス拡散性)の向上の必要性を考慮すると、少なくともカソード触媒層が上記に記載した実施形態の触媒層であることが好ましい。ただし、上記形態に係る触媒層は、アノード触媒層として用いてもよいし、カソード触媒層およびアノード触媒層双方として用いてもよいなど、特に制限されるものではない。
膜電極接合体の作製方法としては、特に制限されず、従来公知の方法を使用できる。例えば、上記したように電解質膜に触媒層をホットプレスで転写または塗布し、これを乾燥したものに、ガス拡散層を接合する方法や、ガス拡散層のマイクロポーラス層側(マイクロポーラス層を含まない場合には、基材層)の片面に触媒層を予め塗布して乾燥することによりガス拡散電極(GDE)を2枚作製し、固体高分子電解質膜の両面にこのガス拡散電極をホットプレスで接合する方法を使用することができる。ホットプレス等の塗布、接合条件は、固体高分子電解質膜や触媒層内の高分子電解質の種類(パーフルオロスルホン酸系や炭化水素系)によって適宜調整すればよい。
(燃料電池)
本発明のさらなる実施形態によれば、上記形態の膜電極接合体を有する燃料電池が提供される。すなわち、本発明の一実施形態は、上記形態の膜電極接合体を挟持する一対のアノードセパレータおよびカソードセパレータを有する燃料電池である。
(セパレータ)
セパレータは、固体高分子形燃料電池などの燃料電池の単セルを複数個直列に接続して燃料電池スタックを構成する際に、各セルを電気的に直列に接続する機能を有する。また、セパレータは、燃料ガス、酸化剤ガス、および冷却剤を互に分離する隔壁としての機能も有する。これらの流路を確保するため、上述したように、セパレータのそれぞれにはガス流路および冷却流路が設けられていることが好ましい。セパレータを構成する材料としては、緻密カーボングラファイト、炭素板などのカーボンや、ステンレスなどの金属など、従来公知の材料が適宜制限なく採用できる。セパレータの厚さやサイズ、設けられる各流路の形状やサイズなどは特に限定されず、得られる燃料電池の所望の出力特性などを考慮して適宜決定できる。
燃料電池の製造方法は、特に制限されることなく、燃料電池の分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。
さらに、燃料電池が所望する電圧を発揮できるように、セパレータを介して膜電極接合体を複数積層して直列に繋いだ構造の燃料電池スタックを形成してもよい。燃料電池の形状などは、特に限定されず、所望する電圧などの電池特性が得られるように適宜決定すればよい。
上述したPEFCや膜電極接合体は、発電性能および耐久性に優れる触媒層を用いている。したがって、当該PEFCや膜電極接合体は発電性能および耐久性に優れる。
本実施形態のPEFCやこれを用いた燃料電池スタックは、例えば、車両に駆動用電源として搭載されうる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)で行われた。また、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「重量%」および「重量部」を意味する。
実施例1
触媒担体Aとして、BET比表面積が790m/g、一次平均粒子径が約40nmである、ケッチェンブラックEC300J(ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製)を準備した。この触媒担体Aに、触媒金属として平均粒径2.5nmの白金(Pt)を担持率が50重量%となるように担持させて、触媒粉末Aを得た。すなわち、白金濃度4.6重量%のジニトロジアンミン白金硝酸溶液を1000g(白金含有量:46g)に担体Aを46g浸漬させ攪拌後、還元剤として100%エタノールを100ml添加した。この溶液を沸点で7時間、攪拌、混合し、白金を触媒担体Aに担持させた。そして、濾過、乾燥することにより、担持率が50重量%の触媒粉末を得た。その後、水素雰囲気において、温度900℃に1時間保持し、触媒粉末Aを得た。この触媒粉末Aと、高分子電解質としてのアイオノマー分散液(Nafion(登録商標)D2020,EW=1100g/mol、DuPont社製)とをカーボン担体と電解質(アイオノマー)との重量比(I/C比)が0.9となるよう混合した。次に、上記混合物を、溶媒としてn−プロピルアルコール(NPA)水溶液(水:NPA=6:4(重量比))を固形分率(Pt+触媒担体+高分子電解質)が7重量%となるよう添加した。さらに、上記混合物について、サンドグラインダー(アイメックス(株)製、BSG−04)で、ジルコニア粒子(平均粒子径(直径):1.5mm)を用いて、ディスク回転数1500rpmで10分間、粉砕(ビーズミル)を行って、触媒インクAを調製した。この際、ジルコニア粒子は、混合物に対して、60体積%の割合で添加した。
このようにして得られた触媒インクAについて、下記方法に従って、VS/VL比を求めたところ、0.78であった。また、下記方法によって求められた粒径−体積分率頻度曲線において、粒径が最も小さいピークは0.63μmの粒径であり、粒径がDB以上である領域における最も大きなピークは1.78μmの粒径であった。
(粒径分布計測条件)
触媒インクを、2−プロパノールで固形分濃度が約1重量%になるように希釈して、サンプルを調製する。次に、このサンプルについて、下記条件にて、粒径分布を計測する。得られた粒径分布(粒径−体積分率頻度曲線)において、粒径が最も小さいピークと2番目に粒径が小さいピークとの間で、最も体積分率頻度が小さい粒径(境界粒径)を求め、これをDB(μm)とする。また、この粒径がDB以上である領域における累積体積分率(面積)を求め、これをVLとする。同様にして、この粒径がDB以下である領域における累積体積分率(面積)を求め、これをVSとする。上記にて求められたVSをVLで除して、VS/VL比を求める。
(粒径分布計測条件)
手法:レーザー回折・散乱法
装置名:MT3000II(マイクロトラックベル製)
高分子電解質膜(Dupont社製、Nafion(登録商標)NR211、厚み:25μm)の両面の周囲にガスケット(帝人デュポンフィルム株式会社製、テオネックス(登録商標)、厚み:25μm(接着層:2710μm))を配置した。次いで、高分子電解質膜の片面の露出部に、上記触媒インクAをスプレー塗布法により、5cm×2cmのサイズに塗布した。スプレー塗布を行うステージを60℃に10分間保つことで触媒インクAを乾燥し、電極触媒層を得た。このときの白金担持量は0.35mg/cmである。次に、上記と同様にして、電解質膜の他方面上にスプレー塗布および熱処理を行うことで、電解質膜の両面に触媒層を形成してなる膜電極接合体Aを得た。
実施例2
触媒担体Aとして、BET比表面積が790m/g、一次平均粒子径が約40nmである、ケッチェンブラックEC300J(ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製)を準備した。この触媒担体Aに、触媒金属として平均粒径2.5nmの白金(Pt)を担持率が30重量%となるように担持させて、触媒粉末Bを得た。すなわち、白金濃度4.6重量%のジニトロジアンミン白金硝酸溶液を600g(白金含有量:27.6g)に担体Bを46g浸漬させ攪拌後、還元剤として100%エタノールを100ml添加した。この溶液を沸点で7時間、攪拌、混合し、白金を触媒担体Bに担持させた。そして、濾過、乾燥することにより、担持率が30重量%の触媒粉末を得た。その後、水素雰囲気において、温度900℃に1時間保持し、触媒粉末Bを得た。
上記実施例1において、触媒粉末Aの代わりに、上記で得られた触媒粉末Bを使用する以外は、実施例1と同様にして、触媒インクを調製した(触媒インクB)。このようにして得られた触媒インクBについて、実施例1に記載の方法と同様にして、VS/VL比を求めたところ、0.72であった。また、ここで求められた粒径−体積分率頻度曲線において、粒径が最も小さいピークは0.63μmの粒径であり、粒径がDB以上である領域における最も大きなピークは1.6μmの粒径であった。
実施例1において、触媒インクAの代わりに、上記で調製した触媒インクBを使用する以外は、実施例1と同様にして、膜電極接合体を作製した(膜電極接合体B)。
実施例3
実施例1において、n−プロピルアルコール水溶液(水:NPA=6:4(重量比))の代わりに、n−プロピルアルコール水溶液(水:NPA=8:2(重量比))を溶媒として使用する以外は、実施例1と同様にして触媒インクを調製した(触媒インクC)。このようにして得られた触媒インクCについて、実施例1に記載の方法と同様にして、VS/VL比を求めたところ、0.97であった。また、ここで求められた粒径−体積分率頻度曲線において、粒径が最も小さいピークは0.69μmの粒径であり、粒径がDB以上である領域における最も大きなピークは1.67μmの粒径であった。
実施例1において、触媒インクAの代わりに、上記で調製した触媒インクCを使用する以外は、実施例1と同様にして、膜電極接合体を作製した(膜電極接合体C)。
比較例1
実施例1において、n−プロピルアルコール水溶液(水:NPA=6:4(重量比))の代わりに、n−プロピルアルコール水溶液(水:NPA=2:8(重量比))を溶媒として使用する以外は、実施例1と同様にして触媒インクを調製した(触媒インクD)。このようにして得られた触媒インクDについて、実施例1に記載の方法と同様にして、VS/VL比を求めたところ、1.35であった。また、ここで求められた粒径−体積分率頻度曲線において、粒径が最も小さいピークは0.62μmの粒径であり、粒径がDB以上である領域における最も大きなピークは1.8μmの粒径であった。
実施例1において、触媒インクAの代わりに、上記で調製した触媒インクDを使用する以外は、実施例1と同様にして、膜電極接合体を作製した(膜電極接合体D)。
比較例2
実施例1と同様にして、触媒粉末Aを得た。
この触媒粉末Aと、高分子電解質としてのアイオノマー分散液(Nafion(登録商標)D2020,EW=1100g/mol、DuPont社製)とをカーボン担体とアイオノマーの重量比が0.9となるよう混合した。次に、上記混合物を、溶媒としてn−プロピルアルコール(NPA)水溶液(水:NPA=6:4(重量比))を固形分率(Pt+触媒担体+高分子電解質)が7重量%となるよう添加した。さらに、上記混合物について、サンドグラインダー(アイメックス(株)製、BSG−04)で、ジルコニア粒子(平均粒子径(直径):1.5mm)を用いて、ディスク回転数150rpmで10分間、粉砕(ビーズミル)を行って、触媒インクEを調製した。この際、ジルコニア粒子は、混合物に対して、60体積%の割合で添加した。このようにして得られた触媒インクEについて、実施例1に記載の方法と同様にして、VS/VL比を求めたところ、0.11であった。また、ここで求められた粒径−体積分率頻度曲線において、粒径が最も小さいピークは0.68μmの粒径であり、粒径がDB以上である領域における最も大きなピークは1.87μmの粒径であった。
実施例1において、触媒インクAの代わりに、上記で調製した触媒インクEを使用する以外は、実施例1と同様にして、膜電極接合体を作製した(膜電極接合体E)。
比較例3
実施例1と同様にして、触媒粉末Aを得た。
この触媒粉末Aと、高分子電解質としてのアイオノマー分散液(Nafion(登録商標)D2020,EW=1100g/mol、DuPont社製)とをカーボン担体とアイオノマーの重量比が0.9となるよう混合した。次に、上記混合物を、溶媒としてn−プロピルアルコール(NPA)水溶液(水:NPA=6:4(重量比))を固形分率(Pt+触媒担体+高分子電解質)が7重量%となるよう添加して、触媒インクFを調製した。このようにして得られた触媒インクFについて、実施例1に記載の方法と同様にして、VS/VL比を求めたところ、0.01であった。また、ここで求められた粒径−体積分率頻度曲線において、粒径が最も小さいピークは0.65μmの粒径であった。
実施例1において、触媒インクAの代わりに、上記で調製した触媒インクFを使用する以外は、実施例1と同様にして、膜電極接合体を作製した(膜電極接合体F)。すなわち、実施例1において、粉砕(ビーズミル)を行わない以外は、実施例1と同様の操作を行った。
[発電性能の評価]
上記実施例1〜3及び比較例1〜3で作製した膜電極接合体A〜Fについて、下記方法にしたがって、質量比活性を測定した。結果を下記表1に示す。
<質量比活性の測定>
各膜電極接合体について、下記評価条件下、0.9V時の白金重量当たり発電電流(μA/g(Pt))を測定し、酸素還元活性評価を行った。
上記表1から、VS/VL比を1以下とすることによって、膜電極接合体の質量比活性を向上できることが示される。また、上記表1の結果から、VS/VL比は触媒インク調製時の溶媒の組成や粉砕条件によって制御できることが考察される。
実施例4
触媒担体Cとして、BET比表面積が1440m/g、一次平均粒子径が約50nmである、Black Pearls(登録商標)を準備した。この触媒担体Cに、触媒金属として平均粒径3.8nmの白金(Pt)を担持率が50重量%となるように担持させて、触媒粉末Cを得た。すなわち、白金濃度4.6重量%のジニトロジアンミン白金硝酸溶液を1000g(白金含有量:46g)に担体Cを46g浸漬させ攪拌後、還元剤として100%エタノールを100ml添加した。この溶液を沸点で7時間、攪拌、混合し、白金を触媒担体Cに担持させた。そして、濾過、乾燥することにより、担持率が30重量%の触媒粉末を得た。その後、水素雰囲気において、温度900℃に1時間保持し、触媒粉末Cを得た。
この触媒粉末Cと、高分子電解質としてのアイオノマー分散液(Nafion(登録商標)D2020,EW=1100g/mol、DuPont社製)とをカーボン担体とアイオノマーの重量比(I/C比)が0.6となるよう混合した。次に、上記混合物を、溶媒としてn−プロピルアルコール(NPA)水溶液(水:NPA=8:2(重量比))を固形分率(Pt+触媒担体+高分子電解質)が7重量%となるよう添加した。さらに、上記混合物について、サンドグラインダー(アイメックス(株)製、BSG−04)で、ジルコニア粒子(平均粒子径(直径):1.5mm)を用いて、ディスク回転数1500rpmで10分間、粉砕(ビーズミル)を行って、触媒インクGを調製した。この際、ジルコニア粒子は、混合物に対して、60体積%の割合で添加した。このようにして得られた触媒インクGについて、実施例1に記載の方法と同様にして、VS/VL比を求めたところ、0.41であった。また、ここで求められた粒径−体積分率頻度曲線において、粒径が最も小さいピークは0.63μmの粒径であった。
実施例1において、触媒インクAの代わりに、上記で調製した触媒インクGを使用する以外は、実施例1と同様にして、膜電極接合体を作製した(膜電極接合体G)。
比較例4
実施例4において、混合物の溶媒への添加量を13重量%に変更した以外は、実施例4と同様にして、触媒インクを調製した(触媒インクH)。このようにして得られた触媒インクHについて、実施例1に記載の方法と同様にして、VS/VL比を求めたところ、0.13であった。また、ここで求められた粒径−体積分率頻度曲線において、粒径が最も小さいピークは0.63μmの粒径であった。
実施例1において、触媒インクAの代わりに、上記で調製した触媒インクHを使用する以外は、実施例1と同様にして、膜電極接合体を作製した(膜電極接合体H)。
[発電性能の評価]
上記実施例4及び比較例4で作製した膜電極接合体G、Hについて、上記[発電性能の評価]に記載の方法と同様にして、質量比活性を測定した。結果を下記表2に示す。
上記表2からも、VS/VL比を1以下とすることによって、触媒活性(酸素還元活性)に優れ、膜電極接合体の質量比活性を向上できることが示される。
1…固体高分子形燃料電池(PEFC)、
2…固体高分子電解質膜、
3…触媒層、
3a…アノード触媒層、
3c…カソード触媒層、
4a…アノードガス拡散層、
4c…カソードガス拡散層、
5、…セパレータ、
5a…アノードセパレータ、
5c…カソードセパレータ、
6a…アノードガス流路、
6c…カソードガス流路、
7…冷媒流路、
10…膜電極接合体(MEA)、
20…強凝集体、
20’…弱凝集体、
21,21’…触媒、
22,22’…電解質。

Claims (7)

  1. 触媒担体および前記触媒担体に担持される触媒金属からなる触媒と、電解質と、を含む触媒混合物であって、
    触媒混合物を分散媒に分散させたときの粒径−体積分率頻度曲線が2つ以上のピークを持ち、
    前記粒径−体積分率頻度曲線において、粒径が最も小さいピークと2番目に粒径が小さいピークとの間で、最も体積分率頻度が小さい粒径を境界粒径(DB)とし、
    粒径が前記DB以上である領域における累積体積分率(VL)に対する粒径が前記DB以下である領域における累積体積分率(VS)の比(VS/VL)が0.13を超えて1以下である、触媒混合物。
  2. 前記粒径が最も小さいピークは、前記粒径−体積分率頻度曲線において2μm以下の粒径で存在する、請求項1に記載の触媒混合物。
  3. 前記触媒金属は、白金であるまたは白金と白金以外の金属成分を含む、請求項1または2に記載の触媒混合物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の触媒混合物の製造方法であって、
    触媒担体および前記触媒担体に担持される触媒金属からなる触媒、電解質、ならびに水およびアルコールの混合重量比が60/40以上91/9未満である水−アルコール混合溶媒を混合して混合液を調製し、
    前記混合液を、粒径が前記DB以上である領域における累積体積分率(VL)に対する粒径が前記DB以下である領域における累積体積分率(VS)の比(VS/VL)が0.13を超えて1以下となるように撹拌することを有する、製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の触媒混合物または請求項4に記載の方法によって製造される触媒混合物を含む燃料電池用電極触媒層。
  6. 請求項5に記載の燃料電池用電極触媒層を含む、燃料電池用膜電極接合体。
  7. 請求項6に記載の燃料電池用膜電極接合体を含む燃料電池。
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