JP2017017199A - 冷却部品及び電子機器 - Google Patents

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良典 鵜塚
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Abstract

【課題】小型で配置自由度が高く、高い冷却能力を発揮する冷却部品及び電子機器を提供することを課題とする。
【解決手段】冷却部品は、電子部品が発する熱により冷媒の一部を気化させる蒸発器と、前記冷媒を冷却する凝縮器と、前記冷媒を循環させるポンプと、を含み、内部を減圧可能に形成された冷媒流通ループを備え、前記冷媒流通ループの容積に対する液体の冷媒の充填率を50%以上としている。これにより、気化エネルギーによる冷却効果と、液体の冷媒の温度上昇による冷却効果により、高い冷却能力を得ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷却部品及び電子機器に関する。
電子機器が備える電子部品はその稼動に際し発熱を伴う。そのため、電子部品を冷却する冷却装置が種々提案されている。例えば、冷媒液を収容する蒸発部容器と気化した冷媒を凝縮する凝縮器を気液が混相して流れる単一の管路で連結した沸騰冷却装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開平6−224337号公報
しかしながら、特許文献1開示の沸騰冷却装置は、冷媒の気化エネルギーのみを利用しており、冷媒を気化させ易くするために液体の冷媒の充填率が低くなっている。そのため、必要な冷却能力を確保しようとすると、冷却装置全体が大きくなる傾向にある。また、凝縮器で液化した冷媒が蒸発器に戻るため、重力を利用する必要があり、部品配置は位置的な制約を受ける。冷却装置全体が大きくなったり、部品配置の位置的な制約を受けたりすることは、電子機器の高密度実装を行う際に不利であり、特許文献1開示の沸騰冷却装置は改良の余地を有していた。
1つの側面では、本明細書開示の冷却部品及び電子機器は、小型で配置自由度が高く、高い冷却能力を発揮することを課題とする。
本明細書開示の冷却部品は、電子部品が発する熱により冷媒の一部を気化させる蒸発器と、前記冷媒を冷却する凝縮器と、前記冷媒を循環させるポンプと、を含み、内部を減圧可能に形成された冷媒流通ループを備え、前記冷媒流通ループの容積に対する液体の冷媒の充填率を、前記ポンプの冷媒循環を維持できる充填率としている。
本明細書開示の電子機器は、発熱する電子部品と、前記電子部品を冷却する冷却部品と、を備え、前記冷却部品は、電子部品が発する熱により冷媒の一部を気化させる蒸発器と、前記冷媒を冷却する凝縮器と、前記冷媒を循環させるポンプと、を含み、内部を減圧可能に形成された冷媒流通ループを備え、前記冷媒流通ループの容積に対する液体の冷媒の充填率を、前記ポンプの冷媒循環を維持できる充填率としている。
本明細書開示の冷却部品及び電子機器は、小型で配置自由度が高く、高い冷却能力を発揮することができる。
図1は第1実施形態の冷却部品及び電子部品を模式的に示す説明図である。 図2は実施形態の電子機器を模式的に示す説明図である。 図3は実施形態の冷却部品が備えるポンプの内部を模式的に示す説明図である。 図4(A)、(B)は冷却部品への冷媒の充填方法の一例を示す説明図である。 図5は冷媒充填率と冷却能力比との関係を示すグラフである。 図6は第2実施形態の冷却部品及び電子部品を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては、説明の都合上、実際には存在する構成要素が省略されていたり、寸法が実際よりも誇張されて描かれていたりする場合がある。なお、以下の説明において、図1に示す方向を上下左右方向として説明する。
(第1実施形態)
まず、図1乃至図3を参照しつつ、実施形態の冷却部品1及びこれを備えたサーバ100について説明する。サーバ100は、電子機器の一例である。サーバ100は、筐体101内に基板51を備える。基板51には、電子部品に相当するCPU(Central Processing Unit)52が実装されている。CPU52は、使用時に発熱するため、冷却部品1により冷却される。なお、CPU52以外の電子部品であっても、冷却が必要となるものについては、冷却部品1による冷却対象とすることができる。
冷却部品1は、CPU52が発する熱により冷媒Rの一部を気化させる蒸発器11と、冷媒Rを冷却する凝縮器31と、冷媒を循環させるポンプ45と、を含み、内部を減圧可能に形成された冷媒流通ループ60を備えている。本実施形態における冷媒Rは、水を用いているが、液体と気体との間で相変化することができる従来公知の冷媒を用いることができる。すなわち、冷媒の物質について、純水、水とアルコールの混合液、アルコールを使用しても良い。但し、これらの物質には限られない。蒸発器11と凝縮器31とは、蒸発器11によって温められた冷媒Rが流れる第1配管21及び凝縮器31によって冷却された冷媒Rが流れる第2配管41によって接続されている。第2配管41にはポンプ45が設置されている。なお、以下の説明において、第2配管41の凝縮器31とポンプ45との間に位置する部分を上流部41aと称し、第2配管41のポンプ45と蒸発器11との間に位置する部分を下流部41bと称することとする。ポンプ45は、水密の状態で稼動することが望ましいため、凝縮器31の下流側に設置されている。
蒸発器11は、ハウジング11aと伝熱板11bを備える。蒸発器11の内部には、冷媒収容部12となる空間が形成されている。ハウジング11aは、天板11a1と側壁11a2を備える。天板11a1には、第1配管21の一端側が接続されている。天板11a1に接続された第1配管21の端部は、冷媒収容部12内の冷媒Rが第1配管21内へ流れ込み易いように開口部の径が大きくなったラッパ形状となっている。第1配管21は、蒸発器11から上方に向かって延びている。第1配管21が上方に向かって延びていることにより、蒸発器11で気化した冷媒Rが第1配管21内へ流れ込み易くなっている。ハウジング11aの側壁11a2には、第2配管41、より具体的には、第2配管41の下流部41bの一端が接続されている。第2配管41は、側壁11a2のできるだけ下側、すなわち、伝熱板11bに近い側に接続する。これにより、凝縮器31で冷却された冷媒Rを伝熱板11bの近くに供給することができる。伝熱板11bの下面11b1は、CPU52の上面52aへの密着面となる。蒸発器11は、冷媒Rの一部を気化させる。すなわち、冷媒流通ループ60内に充填された液体の冷媒Rの全てを気化させた状態とすることはない。このように、冷媒Rの一部を気化させることにより、冷媒Rの気化エネルギーによる冷却効果と、液体の冷媒Rの温度上昇による冷却効果を得ることができる。冷媒流通ループ60の容積に対する液体の冷媒の充填率については、後に詳述する。
凝縮器31は、上流側タンク部31aと下流側タンク部31bとを備える。そして、上流側タンク部31aと下流側タンク部31bとの間に複数の冷媒流通管32が配設されている。凝縮器31には、複数の冷媒流通管32と交差するように複数の冷却フィン33が設けられている。冷却フィン33間に矢示34で示す向きの風が通過することにより、冷媒流通管32内を流れる冷媒Rが冷却される。複数の冷媒流通管32は、上下方向に層状に配置されている。冷媒Rは、上流側タンク部31aと下流側タンク部31bとで折り返し、層状に配置された冷媒流通管32内を交互に左右方向に流れる。このように、折り返して流れることにより、冷媒Rの流路が長くなる。この結果、熱交換時間が長くなり、冷媒Rの冷却効果を高めることができる。凝縮器31は、冷媒Rを冷却する。気化した冷媒Rが冷却されると、液体に戻り、液体の冷媒Rが冷却されると温度が低下する。
第1配管21の他端側は、凝縮器31の上部に接続されている。より具体的に、第1配管21の他端側は、凝縮器31の上流側タンク部31aの上部に接続されている。一方、第2配管41、より具体的に、第2配管41の上流部41aの一端は凝縮器31の下流側タンク部31bの下部に接続されている。第1配管21と第2配管41の凝縮器31に対する接続位置の関係をこのように設定することにより、凝縮器31の出口側となる下流側タンク部31bから液体の冷媒Rを排出させることができる。第2配管41には、ポンプ45が配置されている。ポンプ45は、気体が通過すると動作が不安定となるため、ポンプ45への気体の流入は回避したい。本実施形態のように第1配管21及び第2配管41を凝縮器31に接続することによりポンプ45への気体の流入を回避することができる。なお、凝縮器31の上部、例えば、冷媒Rの折り返し部となる上流側タンク部31aや下流側タンク部31bの上部に気体収集部を形成しておくことにより、液化しきれていない冷媒Rや混入した空気を捕捉しておくことができる。これにより、より確実にポンプ45への気体の流入を回避することができる。
冷媒流通ループ60の接液部分は、金属素材により成形されることが望ましく、本実施形態においても金属素材によって成形されている。これは、冷媒流通ループ60内を減圧し、真空状態に近づけたときに外部から空気が滲入することを抑制するためである。金属と比較して気密性が劣る樹脂やゴム製のシールを用いた状態で冷媒流通ループ60の減圧を行うと、内部に空気が滲入する可能性が高くなる。冷媒流通ループ60内に外部空気が滲入すると内部気圧が上昇する。これに伴い、冷媒Rの沸点が上昇し、CPU52の温度が上昇する。この症状が進行すると、やがて、CPU52の動作保証温度を越えてしまう可能性がある。そこで、本実施形態の冷却部品1では、冷媒流通ループ60の接液部分、すなわち、蒸発器11、第1配管21、凝縮器31、第2配管41及びポンプ45の接液部分を金属素材により形成している。ここで、接液部分とは、冷媒Rが流れ、冷媒Rが接することがある部分である。従って、蒸発器11については、冷媒Rを収容するハウジング11a及び伝熱板11bを金属素材により形成している。また、第1配管21及び第2配管41は、金属素材によって成形されている。凝縮器31については、上流側タンク部31a、下流側タンク部31b及び冷媒流通管32を金属素材により成形している。接液部分には、ポンプ45の内部も含まれる。図3を参照すると、ポンプ45は、内部に回転フィン収容部45a1が形成されたケーシング45aを備えている。そこで、本実施形態のポンプ45では、ケーシング45aを金属素材により成形している。なお、回転フィン45b自体は、密閉されたケーシング45a内に収容されるものであり、水密性、気密性に影響を与えないため、樹脂製としている。なお、金属素材は、ステンレスや銅等から適宜選択することができる。
一方、前述のような冷媒流通ループ60の接液部分を金属素材により成形すると、蒸発器11、凝縮器31、第1配管21、第2配管41及びポンプ45等の構成部品の価格が高くなり、重量も重くなる。また、これらを金属素材により成形する場合、アセンブリの方法はロウ付け、半田付けしかなく、加工費用が高くなる。そこで、コスト削減、軽量化等のため、冷媒流通ループ60の第1配管21、第2配管41及びポンプ45について、部分的にゴム、樹脂を使用してもよい。なお、このように部分的に、ゴムや樹脂を使用した場合、水密性や気密性が劣化することが考えられるが、このような劣化を抑制して冷却機能を保持することができる形態については、第2実施形態において説明する。
つぎに、図4を参照しつつ、冷媒流通ループ60を真空状態に近づける減圧処理について説明する。まず、減圧処理を行う理由について説明する。減圧処理を行わずに大気圧状態で冷媒Rを冷媒流通ループに充填すると、冷媒Rの沸点が高くなり、CPU52を十分に冷却することができないことが想定される。例えば、冷媒として水を用いる本実施形態の冷却部品1では、冷媒Rの沸点は大気圧において100℃であり、CPU52の温度は実質的に110℃を越えることが想定され、サーバ100の動作に影響を及ぼすと考えられる。そこで、減圧処理を行い、沸点を低下させることにより、気化エネルギーによる冷却効果を得易くする。
減圧処理は、図4(A)に示すように、第1配管21に接続された冷媒供給管71及び減圧管75を用いて行う。冷媒供給管71には、冷媒供給タンク72が取り付けられている。また、冷媒供給管71には、冷媒供給タンク72からの冷媒の供給を遮断することができる冷媒供給弁73が設けられている。減圧管75には、真空引きを行うコンプレッサ76が接続されている。なお、冷媒供給管71と、減圧管75はいずれも金属素材によって形成されている。まず、冷媒供給弁73を閉じた状態でコンプレッサ76による冷媒流通ループ60の真空引きを行う。その後、冷媒供給弁73を開弁する。すると、冷媒供給タンク72内から冷媒流通ループ60内へ冷媒Rが流れ込む。所望の充填率に達したら、冷媒供給弁73が閉じられる。その後、図4(B)に示すように、密封工具80を用いて、冷媒供給管71及び減圧管75を切断するとともに切断部を押し潰し、それぞれの箇所に第1密封部22、第2密封部23を形成する。これにより、冷媒流通ループ60内に冷媒Rが充填されるとともに密封状態とされる。第1密封部22、第2密封部23には、その表面にハンダを塗布するなどして、仕上げを行ってもよい。なお、冷媒供給弁73の状態や密封工具80の操作順は、適宜変更することができる。
また、冷却部品1は、ポンプ45と凝縮器31と蒸発器11を、第1配管21と第2配管41で繋ぎ構成される密閉循環ループ(冷媒流通ループ60)において、ポンプ45の駆動力によって冷媒Rを循環させ、電子部品(例えばCPU52)の冷却を行う。冷却部品1は、密閉循環ループ内の圧力を減圧(大気圧未満)された状態で運用される。減圧下の密閉循環ループの冷媒流動抵抗は、大気圧下の密閉循環ループの流動抵抗より低いため、ポンプの負荷は少なくなり、ポンプの省電力・小型化の効果が得られる。遠心ポンプ、仕切りポンプ、ピストンポンプ等、ポンプのタイプを問わず、同様な効果を得ることができる。
ここで、冷媒Rの充填率について説明する。冷媒Rの充填率は、冷媒流通ループ60の容積に対する液体の冷媒の量(体積)によって評価される。冷媒流通ループ60の容積には、冷媒Rの流路と連通状態となっている空間すべての容積が含まれる。従って、減圧処理により減圧状態となる全領域の容積が対象となる。
冷媒の充填率は、ポンプ45の冷媒循環を維持できる充填率とされていることが望ましく、50%以上に設定することができる。ポンプ45の冷媒循環を維持できる充填率とされることで、冷媒Rは蒸発器11へ送り込まれ、電子部品(例えばCPU52)を冷却することができる。具体的に、本実施形態の冷却部品1の充填率は、60%に設定されている。なお、横軸を冷媒充填率(%)とし、縦軸を冷媒能力比(%)としたグラフである図5を参照すると、最大冷却能力を得ることができる充填率は、充填率85%である。最大冷却能力を得ることができる充填率は、充填率を種々変更して冷却能力の評価を繰り返すことにより求める。充填率を85%としたときに得られた最大冷却能力(単位:W)を100%とし、この最大冷却能力に対する、ある充填率のときの冷却能力(単位:W)の割合を冷却能力比と定義する。
冷媒の充填率を0の状態から上昇させ、冷媒流通ループ60内に液体の冷媒が存在できる状態とすると、冷媒Rは、蒸発器11でCPU52の熱により蒸発し、気体の状態となって凝縮器31へ到達する。凝縮器31に到達した気体の状態の冷媒Rは凝縮器31で凝縮され、再び蒸発器11へ供給される。しかしながら、冷媒Rの充填率が低いと、全ての冷媒Rが気化しても、気化エネルギーの総量が少なく、冷却能力は低い。図5を参照すると、充填率を増加させると、冷却能力も上昇することがわかる。充填率が50%となると、冷却能力比(%)は、最大冷却能力(充填率85%が100%能力)の1割弱に達する。そして、充填率が60%付近となると、急激に冷却能力が上昇する。この近辺では、冷媒Rの全量が完全気化することがなく、一部の冷媒Rは、液体のまま冷媒流通ループ60内に存在すると考えられる。このように、冷媒Rの一部が気化し、一部が液体のまま循環する2相流の状態における冷却能力は、気化エネルギーによる冷却効果に、液体の冷媒Rが温度上昇するエネルギーによる冷却効果が加わり、増大される。本実施形態における充填率は、このように、急激に冷却能力が上昇する60%に設定されている。充填率が75%となると、最大冷却能力の半分程の冷却能力比(%)となる。そして、充填率85%となったときに、最大冷却能力に達する。冷媒Rの充填率を85%からさらに上昇させると、一転して冷却効果は減少し始める。これは、充填率を85%より高くすると、冷媒Rが蒸発した蒸気が存在することができる空間の容積が減少し、蒸気圧が上昇することに起因するものと考えられる。すなわち、蒸気圧の上昇に伴って、沸点が上昇し、冷却能力が低下し始めると考えられる。充填率がさらに上昇し、95%を越えると冷媒Rは、ほとんど沸騰しなくなり、液体の冷媒のみによって冷却する状態となることから冷却能力は低下する。
図5を参照すると、充填率が85%のときに最大冷却能力が発揮され、充填率が85%より多くても少なくても冷却能力は低下するが、充填率が50%以上であれば、一定の冷却能力を確保することができる。上述のように、充填率が60%付近となると、気体と液体の2相流により急激に冷却能力が上昇しており、充填率75%以上であれば、気化エネルギーによる冷却と、液体の冷媒の温度上昇による冷却により、高い冷却能力が確保される。一方、充填率が85%よりも高い場合であっても、充填率が95%以下であれば、充填率を75%としたときと同等の冷却能力を得ることができる。以上、説明したように、75%〜95%の液体の冷媒Rの充填率を採用すれば、効果的に冷却能力を向上させることができる。
つぎに、本実施形態の冷却部品1によるCPU52の冷却の様子について説明する。使用状態にあるCPU52が発した熱は伝熱板11bを通じて蒸発器11内の冷媒Rに伝達される。すると、冷媒流通ループ60内に充填されている冷媒Rの一部の温度が液体の状態のまま上昇する。液体の状態の冷媒Rは、ポンプ45により圧送されて循環する。第1配管21を通じて凝縮器31に到達した冷媒Rは、凝縮器31において熱を放出し、温度が低下した状態で第2配管41を通じて再び蒸発器11に供給される。このとき、CPU52の発熱分を液体の冷媒Rで冷却することができる状態であれば、冷却部品1は、安定して液体循環を行うことができる。安定した液体循環を維持できる状態よりもCPU52の発熱量が多くなると液体の冷媒Rの温度がさらに上昇する。そして、冷媒Rの沸点に到達すると、冷媒Rの沸騰が始まり、液体が気化する相変化により大量の熱が奪われる状態となる。気化した冷媒Rは、液体の冷媒Rと混相状態で第1配管21を通じて凝縮器31へ到達する。気化した冷媒Rは、凝縮器31において冷却されて熱を放出し、再び液体に戻る。冷媒Rは、液体に戻った後も、冷媒流通管32を通過する間にさらに温度を低下させ、第2配管41を通じて再び蒸発器11に供給される。
このように、本実施形態の冷却部品1によれば、気化エネルギーによる冷却効果と、液体の冷媒の温度上昇による冷却効果により、高い冷却能力を有することと共に、小型化、軽量化、低コストが実現できる。また、ポンプを使用することにより、凝縮器と蒸発器との位置関係に制限がなくなり、部品配置の自由度が高まる。
(第2実施形態)
第1実施形態の冷却部品1では、75%〜95%の液体の冷媒Rの充填率を採用することにより、効果的に冷却能力を向上させることができた。ここで、図5を参照すると、充填率50%〜75%未満の領域において、冷却能力の相対比は最大能力の9%〜50%未満になる。しかしながら、冷媒ループ容積を拡大する措置を採ることにより、冷却能力の絶対値(単位:W)は、容積拡大前の充填率75%〜95%相当の冷却能力値に到達することが可能である。そこで、第2実施形態の冷却部品102は、図6に示したように、冷媒流通ループ60に組み込まれたタンク61を備える。具体的に、冷媒流通ループ60の最も低い位置にタンク61及びポンプ45を配置している。冷却部品102は、タンク61を備えることによって冷媒流通ループ60の容積を増やすことができる。これにより、充填率50%〜75%未満の領域でもポンプ45が常に冷媒で充満され、気体をかむことなく、安定的に一定な冷却能力が保てる。例えば、冷媒Rの充填率60%とした冷却部品(冷却能力比約30%)の容積を倍増すれば、冷却能力の絶対値は容積拡大前の充填率75%の冷却部品の能力値を超えることができる。
このように、冷媒Rの充填率を低下させても冷媒流通ループ60の容積を増やすことにより、冷却能力の絶対値を高く維持することは可能である。しかしながら、冷媒の充填率が低下すると、凝縮器31から流出した冷媒は液体と気体の混合体となりやすい。例えば、図1に示す第1実施形態の冷却部品1であっても、一定の冷却能力を維持することはできるが、ポンプ45に気体が混入すると、冷却能力は低下する。第1実施形態において、説明したように、冷却部品には、コスト削減、軽量化等のため、部分的にゴムや樹脂材料を使用することがある。ゴムや樹脂材料は水密性、気密性が金属材料より劣る。このため、長時間使用されると、冷媒流通ループ60内の冷媒Rが外部へ浸み出し、冷媒Rの量が減少する。また、外部の空気が中に入り込み、液体に変化できない気体として冷媒流通ループ60内に循環する。この結果、ポンプ45に気体が混入しやすい状態となることが想定される。そこで、図6に示す第2実施形態の冷却部品102のように、冷媒流通ループ60の位置的に最も低い場所であり、かつ、ポンプ45と凝縮器31との間にタンク61を設置する。これにより、例えば、冷媒が充填率50%までに減っても液体の冷媒Rが低い位置に設置されたポンプ45に集まり、ポンプ45内の気体混入が避けられ、ポンプ45の冷媒循環能力を維持し易くなる。また、ゴムや樹脂材料を用いると、金属素材を用いた場合と比較して、冷媒の浸み出しに起因する冷却部品の耐用期間の短縮が懸念されるが、タンク61の設置により冷媒の総量が増えるため、冷却部品102の耐用期間を延長できる。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
1、102 冷却部品
11 蒸発器
21 第1配管
31 凝縮器
31a 上流側タンク部
31b 下流側タンク部
32 冷媒流通管
33 冷却フィン
41 第2配管
45 ポンプ
45a ケーシング
45a1 回転フィン収容部
45b 回転フィン
R 冷媒
51 基板
52 CPU(電子部品)
60 冷媒流通ループ
61 タンク
71 冷媒供給管
72 冷媒供給タンク
73 冷媒供給弁
75 減圧管
76 コンプレッサ
100 サーバ(電子機器)
101 筐体

Claims (13)

  1. 電子部品が発する熱により冷媒の一部を気化させる蒸発器と、前記冷媒を冷却する凝縮器と、前記冷媒を循環させるポンプと、を含み、内部を減圧可能に形成された冷媒流通ループを備え、
    前記冷媒流通ループの容積に対する液体の冷媒の充填率は、前記ポンプの冷媒循環を維持できる充填率である、冷却部品。
  2. 前記冷媒流通ループの容積に対する液体の冷媒の充填率を50%以上とした請求項1に記載の冷却部品。
  3. 前記蒸発器と前記凝縮器とは、前記蒸発器によって温められた冷媒が流れる第1配管及び前記凝縮器によって冷却された冷媒が流れる第2配管によって接続され、前記第2配管に前記ポンプが設置された請求項1又は2に記載の冷却部品。
  4. 前記第1配管は、前記凝縮器の上部に接続されるとともに、前記第2配管は前記凝縮器の下部に接続された請求項3に記載の冷却部品。
  5. 前記冷媒流通ループの接液部分は、金属素材により成形された請求項1乃至4のいずれか一項に記載の冷却部品。
  6. 前記冷媒流通ループの配管及び前記ポンプの少なくとも一部分は、ゴム或いは樹脂により成形された請求項1乃至5のいずれか一項に記載の冷却部品。
  7. 前記冷媒流通ループの容積に対する液体の冷媒の充填率を60%とした請求項1乃至6のいずれか一項に記載の冷却部品。
  8. 前記冷媒流通ループの容積に対する液体の冷媒の充填率を75%から95%とした、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の冷却部品。
  9. 前記冷媒流通ループの内部は大気圧未満に減圧された、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の冷却部品。
  10. 電子部品が発する熱により冷媒の一部を気化させる蒸発器と、前記冷媒を冷却する凝縮器と、前記冷媒を循環させるポンプと、前記冷媒を蓄積するタンクと、を含み、内部を減圧可能に形成された冷媒流通ループを備え、
    前記冷媒流通ループの容積に対する液体の冷媒の充填率は、前記ポンプの冷媒循環を維持できる充填率である、冷却部品。
  11. 前記冷媒流通ループの容積に対する液体の冷媒の充填率を50%以上とした請求項10に記載の冷却部品。
  12. 発熱する電子部品と、
    前記電子部品を冷却する冷却部品と、を備え、
    前記冷却部品は、電子部品が発する熱により冷媒の一部を気化させる蒸発器と、前記冷媒を冷却する凝縮器と、前記冷媒を循環させるポンプと、を含み、内部を減圧可能に形成された冷媒流通ループを備え、
    前記冷媒流通ループの容積に対する液体の冷媒の充填率は、前記ポンプの冷媒循環を維持できる充填率である、電子機器。
  13. 前記冷媒流通ループの容積に対する液体の冷媒の充填率を50%以上とした請求項12に記載の電子機器。
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