JP2017015843A - レンズ集積型光半導体集積デバイス及びその制御方法 - Google Patents

レンズ集積型光半導体集積デバイス及びその制御方法 Download PDF

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【課題】レンズ集積型半導体レーザなどの光半導体集積デバイスの作製誤差の影響を削減低減し、他の光部品との光結合効率を向上させる。【解決手段】半導体基板上に、屈折率の異なる2つ以上の層からなる光導波路層を有し、光導波路層は少なくとも非活性層14を有し、非活性層14側の一端の半導体基板側面に、光を反射させ、半導体基板の表面もしくは裏面に光を出射するための、もしくは半導体基板の表面もしくは裏面からの光を反射して非活性層に入射させるためのミラー3を有し、半導体基板の表面もしくは裏面の光が出射もしくは入射する位置にレンズ4を有し、非活性層14上部に屈折率を制御するための電極5を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも光導波路を含む光半導体集積デバイスのチップ上にレンズを設けた、レンズ集積型の光半導体集積デバイスの構造及びその制御方法に関するものである。
近年のブロードバンドネットワークの普及に伴い、コアネットワークや光アクセスなどでは高速・大容量化が必要とされている。それに伴い、光アクセスよりも比較的距離が短いネットワーク、例えばデータセンタ内などの光通信システムにおいては、光デバイスの小型化及び低コスト化が求められている。
これまでに、光源となるLD(laser diode)と変調器(例えば、EA(electro absorption)変調器) を同一のチップ上に集積することで小型化、低コスト化を実現する技術が検討された。さらに、光送信モジュールの低コスト化及び小型化を目指して、半導体レーザの出力光を光ファイバと結合するためのレンズを集積したものなどが検討されている。(非特許文献1)
しかし、例えば半導体レーザのような光半導体集積デバイスを作製する過程においては、加工精度の限界や作製誤差などの影響で、完成した半導体レーザはその特性にある程度のばらつきが生じてしまう。それにより、レンズ出射後のビーム品質などにばらつきが生じてしまう。その結果、レンズから出射された光を光ファイバなどに入射する際に所望のビーム形状とならなかったり、位置ずれが生じたりしてしまい、光結合効率にばらつきが発生するという課題があった。
上記課題を解決するために、本発明は光半導体レーザなどの光半導体集積デバイスの表面に作製したレンズに至る光導波路上に電流を注入するための制御電極を設置し、電流注入により光導波路層の屈折率を変化させることで、レンズへの入射ビームの広がりを制御し、レンズから出射される光ビームの特性を制御することで、他の光部品との光結合効率を向上させるものであり、以下の構成を特徴とする。
(発明の構成1)
半導体基板上に、屈折率の異なる2つ以上の層からなる光導波路層を有し、
前記光導波路層は少なくとも非活性層を有し、
前記光導波路層の非活性層側の一端の前記半導体基板側面に、前記半導体基板の表面もしくは裏面に前記非活性層からの光を反射させ出射するための、もしくは前記半導体基板の表面もしくは裏面からの光を反射して前記非活性層に入射させるためのミラーを有し、
前記半導体基板の表面もしくは裏面の光が出射もしくは入射する位置にレンズを有し、
前記非活性層上部に屈折率を制御するための制御電極を有する
ことを特徴とする光半導体集積デバイス。
(発明の構成2)
発明の構成1に記載の光半導体集積デバイスにおいて、前記光導波路層の前記ミラーを有する一端と反対の端部側に、光利得を有する活性領域を有することを特徴とする、光半導体集積デバイス。
(発明の構成3)
発明の構成2に記載の光半導体集積デバイスにおいて、前記光利得を有する活性領域が、光変調器の機能を有することを特徴とする光半導体集積デバイス。
(発明の構成4)
発明の構成2に記載の光半導体集積デバイスにおいて、前記光利得を有する活性領域が、波長可変半導体レーザであることを特徴とした光半導体集積デバイス。
(発明の構成5)
発明の構成4に記載の光半導体集積デバイスにおいて、さらに、光変調器の機能を有する光導波路層を有することを特徴とした光半導体集積デバイス。
(発明の構成6)
発明の構成4に記載の光半導体集積デバイスにおいて、前記波長可変半導体レーザは
各レーザが個別に発振制御および波長可変でき、且つ、各レーザの発振波長が重ならない、もしくは僅かに重なるように設計されたレーザ部が複数並んだレーザアレイ部を構成しており、
各レーザ部からの出射光を光合波し、前記非活性層に導入する合波器を有する
ことを特徴とした光半導体集積デバイス。
(発明の構成7)
発明の構成1〜6記載の光半導体集積デバイスのレンズ出射光の結合効率を検出回路で検出し、これに応じて制御回路より前記制御電極から電流を注入し、前記非活性層内部の屈折率を変化させることにより、結合効率が最大となるようにレンズ出射光のビーム径を制御する光半導体集積デバイスの制御方法。
本発明により、レンズ集積型光半導体集積デバイスの作製誤差の影響を低減し、他の光部品との光結合効率を向上させることができる。
本発明の実施形態1のレンズ集積型半導体レーザを説明する断面図である。 本発明の実施形態1のレンズ集積型半導体レーザを説明する上面図である。 本発明の実施形態1における屈折率変化量と光ファイバ結合効率の関係を示す図である。 本発明の実施形態2のレンズ集積型波長可変半導体レーザを説明する図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。
(実施形態1)
図1および図2を参照して、本発明のレンズ集積型の光半導体集積デバイスの一実施形態に係るレンズ集積型半導体レーザについて説明する。
図1は、実施形態1のレンズ集積型半導体レーザ1の断面図、図2は上面図である。
レンズ集積型半導体レーザ1は、半導体基板の上部のクラッド層12と下部のクラッド層10の間に、屈折率が異なり光利得を有してレーザ発光する活性導波路層(活性領域、以下、活性層11)と非活性導波路層(以下、非活性層14)がレーザ共振器方向に並んだ光導波路構造を有している。
活性層11上部及び非活性層14上部の基板表面には、活性層及び非活性層にそれぞれ電流を印加するためのレーザ電極13と制御電極5を有する。
活性層11上部のレーザ電極13から電流を注入することで、活性層11内で光利得が生じ、レーザ発振する。そして、活性層から出力されたレーザ光は、非活性層14を伝搬後に半導体基板内に出射される。
非活性層側の半導体基板端面は基板表面に対してある一定の角度に加工されていて、レーザ光を基板上面に出力するためのミラー3として使用される。その基板表面には、出射されたレーザ光を集光もしくはコリメートするためのレンズ4が形成されている。
しかしながら、半導体レーザは作製過程における加工精度の限界や作製誤差などの影響で、全ての半導体レーザで完璧に同じ特性を実現することは不可能に等しい。そのため、上記のようなレンズ4を集積した半導体レーザでは、レンズ4からの出射光が所望のビーム径とならない可能性がある。
例えば、レンズ4からの出射光を図示しない光ファイバなどに結合する際、そのビーム径は結合効率に大きく影響する。上記のように所望のビーム径が得られない場合、光ファイバとの結合効率が減少して光損失になってしまい、光通信においては大きな信号劣化の要因となり得る。
図1、図2に示した本発明の実施形態1のレンズ集積型半導体レーザ1においては、例えば図示しない検出回路で光ファイバなどの他の光部品とのレンズ出射光の結合効率を検出し、これに応じて図示しない制御回路より非活性層14上部の制御電極5から電流を注入し、非活性層14内部の屈折率を変化させることで、非活性層出射後のビームの拡がり角を変化させることができる。
すなわち、基板上面に形成されたレンズ4にミラー3側から入射する光ビーム径を変化させることができるので、レンズ出射後のビームウエストサイズを制御することが可能となり、光ファイバなどの他の光部品との結合効率を改善して光損失を低減し、光通信において信号劣化を防ぐことができる。
制御電極5からの注入電流が活性層11のレーザ発光に対して影響をあたえるのを防ぐために、レーザ電極13と制御電極5の間の上部クラッド層12の表面に分離溝6を設けても良い。
図3は、図1に示した実施形態1のレンズ集積型半導体レーザにおいて、非活性層14の屈折率を変化させた際の屈折率の変化量とレンズ4出射後の光ファイバとの結合効率の関係を示している。図3では、光ファイバとの結合効率が最大となるところを屈折率変化量0として示している。
前述の制御回路では、例えば光ファイバ側で検出された結合効率に基づき、屈折率変化量に対応する制御電流の注入量を変化させて、結合効率が最大となるように制御を行う。
このように屈折率を僅かに変化させるだけで結合効率を大きく変化させることができる。すなわち、レンズを形成する際に多少の誤差があっても補正することが可能である。
また、レンズ出射後の光ビームのビームウエスト径を制御することができるので、光ファイバのコア径が変化しても高い結合効率が得られるように調整することができる。
以上のように、非活性層の屈折率を変化させることで、半導体レーザチップの作製誤差などによるレンズからの出射光のばらつきを補正し、光ファイバとの結合効率を改善させることが可能となる。
また、本実施形態1において、活性層部分に回折格子を形成し、分布帰還型(DFB)レーザとして構成することも可能である。
(実施形態2)
図4を参照して、本発明の別の一実施形態に係るレンズ集積型波長可変半導体レーザについて説明する。
図4は、実施形態2のレンズ集積型波長可変半導体レーザ30の上面図である。レンズ集積型波長可変半導体レーザ30は、図1を参照して説明した活性層11を含むレーザ部が複数並んだレーザアレイ部31を有しており、各レーザが個別に発振制御および波長可変でき、且つ、各レーザの発振波長が重ならない、もしくは可変範囲が僅かに重なるように設計されたものを想定している。
実施形態2のレンズ集積型波長可変半導体レーザ30は更に各レーザ部から出力された光を光合波するための合波器32と、合波器32からの光が導入される図1、図2を参照して説明したと同様な、制御電極5が基板面上に設けられた非活性層14及びミラー3を有し、その基板表面には、出射されたレーザ光を集光もしくはコリメートするためのレンズ4が形成されている。
前述のように、レーザアレイ部31の各レーザ部は、それぞれ異なった波長でレーザ発振するように設計されている。そのため発振波長が違うことで、レンズ4の実効的な屈折率が異なり、レンズ4からの出射光がレーザ光の波長によっては所望のビーム径とならない可能性がある。
図3にも示したように、レンズ4からの出射光を光ファイバなどに結合する際、そのビーム径は結合効率に大きく影響する。上記のように波長によっては所望のビーム径が得られない場合、光ファイバとの結合効率が減少して光損失になってしまい、光通信においては大きな信号劣化の要因となり得る。
図4に示したレンズ集積型半導体レーザ30においても、図1と同様な制御電極5が設けられており、図示しない検出回路でレンズ出射光の光ファイバとの結合効率を検出し、これに応じて図示しない制御回路より非活性層14上部の制御電極5から電流を注入し、非活性層14内部の屈折率を変化させることで、非活性層出射後のビームの拡がり角が変化するように制御することができる。すなわち、ミラーで反射されて基板上面に形成されたレンズ4に入射するビーム径が変化し、レンズ出射後のビームウエストサイズを制御することが可能となる。
レーザアレイ部31の各レーザから波長の異なる光が切り替えて出力されてくる場合には、切り替えにあわせて波長に応じた制御電流を制御電極5より注入することで、レンズ4に入射するビーム径を最適な状態に調整することができる。
また、レーザアレイ部31の各レーザから波長の異なる光が同時に出力され、合波器32で波長多重光とされる場合には、個別の波長毎にビーム径を調整することはできないが、波長多重された波長帯全体として最適なビーム径に調整することは可能である。
もちろん合波器32を設けずに複数の非活性層を設け、各レーザからの光をそれぞれ個別に制御することも可能である。
このように屈折率を僅かに変化させるだけで結合効率を大きく変化させることができる。 すなわち、レーザアレイの各レーザの発振波長が異なることで、レンズ出射後のビーム経が変化したとしても、切り替えられた各波長ごとに、あるいは帯域全体として最適な状態になるよう、そのずれを補正することができる。
また、ビームウエストの径を制御することができるので、光ファイバのコア径が変化しても高い結合効率が得られるように調整することができる。
以上のように、非活性層の屈折率を変化させることで、レーザアレイにおいて各レーザの発振波長が異なることによるレンズからの出射光のビーム径のばらつきを切り替えられた各波長ごとに、あるいは帯域全体として最適な状態になるよう補正し、光ファイバとの結合効率を改善させることが可能となる。
また、本実施形態2においても、各レーザ部の活性層部分に回折格子を形成し、分布帰還型(DFB)レーザとした構成とすることができる。
(光半導体集積デバイスの応用)
上記実施形態1、2はともに光半導体集積デバイスの光活性領域として半導体レーザを構成する例を説明したが、光源としてレーザダイオード(Laser Diode: LD)に替えて、あるいは加えて光変調器(例えば、EA(electro absorption)変調器)などもレンズとともに集積した光半導体集積デバイスとできることは明らかである。
また、上記実施形態1、2はともに光導波路端面のミラー3は基板表面(上部クラッド層12上面)側に光ビームを反射する構成としたが、電極とは反対側の基板裏面(下部クラッド層10下面)側に光ビームを反射する構成として、レンズ4も基板裏面(下部クラッド層10下面)側に設けても良いことも明らかである。
また、レンズ、ミラー、光導波路からなる光経路において、光信号は可逆であるから、レンズの側から入射した光をミラーで反射して光導波路を逆方向に導き、光源の替わりに例えばフォトデテクタ(PD)のような受光素子を設けた光半導体集積デバイスとして集積化することも可能である。
この場合、光導波路のミラーを有する入力側と反対の出力側で、前記光導波路を伝搬する光を受光して電流に変換する受光素子を前記半導体基板上に有する光半導体集積デバイスとすることができ、レンズに光を供給する光ファイバとの結合効率を改善させることができる。
またさらに、光導波路を伝搬する光を増幅する光増幅器や変調する光変調器を光導波路上に設けた光半導体集積デバイスとして、光信号の増幅作用や変調作用を持たせた光半導体集積デバイスとすることもできる。
以上のように本発明により、レンズ集積型光半導体集積デバイスの製作誤差の影響を低減し、他の光部品との光結合効率を向上させた光半導体集積デバイスを提供することができる。
1 レンズ集積型半導体レーザ
3 ミラー
4 レンズ
5 制御電極
6 分離溝
10 下部クラッド層
11 活性層
12 上部クラッド層
13 レーザ電極
14 非活性層
30 レンズ集積型波長可変半導体レーザ
31 レーザアレイ
32 合波器

Claims (7)

  1. 半導体基板上に、屈折率の異なる2つ以上の層からなる光導波路層を有し、
    前記光導波路層は少なくとも非活性層を有し、
    前記光導波路層の非活性層側の一端の前記半導体基板側面に、前記半導体基板の表面もしくは裏面に前記非活性層からの光を反射させ出射するための、もしくは前記半導体基板の表面もしくは裏面からの光を反射して前記非活性層に入射させるためのミラーを有し、
    前記半導体基板の表面もしくは裏面の光が出射もしくは入射する位置にレンズを有し、
    前記非活性層上部に屈折率を制御するための制御電極を有する
    ことを特徴とする光半導体集積デバイス。
  2. 請求項1に記載の光半導体集積デバイスにおいて、前記光導波路層の前記ミラーを有する一端と反対の端部側に、光利得を有する活性領域を有することを特徴とする、光半導体集積デバイス。
  3. 請求項2に記載の光半導体集積デバイスにおいて、前記光利得を有する活性領域が、光変調器の機能を有することを特徴とする光半導体集積デバイス。
  4. 請求項2に記載の光半導体集積デバイスにおいて、前記光利得を有する活性領域が、波長可変半導体レーザであることを特徴とした光半導体集積デバイス。
  5. 請求項4に記載の光半導体集積デバイスにおいて、さらに、光変調器の機能を有する光導波路層を有することを特徴とした光半導体集積デバイス。
  6. 請求項4に記載の光半導体集積デバイスにおいて、前記波長可変半導体レーザは
    各レーザが個別に発振制御および波長可変でき、且つ、各レーザの発振波長が重ならない、もしくは僅かに重なるように設計されたレーザ部が複数並んだレーザアレイ部を構成しており、
    各レーザ部からの出射光を光合波し、前記非活性層に導入する合波器を有する
    ことを特徴とした光半導体集積デバイス。
  7. 請求項1〜6記載の光半導体集積デバイスのレンズ出射光の結合効率を検出回路で検出し、これに応じて制御回路より前記制御電極から電流を注入し、前記非活性層内部の屈折率を変化させることにより、結合効率が最大となるようにレンズ出射光のビーム径を制御する光半導体集積デバイスの制御方法。
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