JP2017015108A - 流体圧シリンダのクッション装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸方向長さが長くなることをできるだけ抑え、薄型シリンダについても容易に適用可能なクッション装置を提供すること。【解決手段】シリンダチューブ11の内周面11bに対向して移動可能な環状の第1クッションリング41および第2クッションリング42が、ピストンの凹部に軸方向に並んで装着されており、いずれも、シリンダチューブの内周面および凹部の表面との間にそれぞれクリアランスを有することが可能に設けられており、第1クッションリング41は、ポートPT1から流体が排出される方向にピストンが移動してポートPT1の開口部11cを通過する際に、ポートPT1の方へ吸引されて内周面11bに接触した状態で開口部11cの一部を塞ぎ、第2クッションリング42は、ピストンの移動によって第1クッションリングが開口部11cを通過した後で、開口部11cを覆うように構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、各種の産業機械類の駆動源として使用される流体圧シリンダのクッション装置に関する。
従来より、流体圧シリンダには、ピストンのストロークエンドにおいてピストンおよび負荷を衝撃なく停止させるために、クッション装置が設けられている。
図7には、従来の流体圧シリンダ80のクッション装置CSjの例が示されている。
図7において、流体圧シリンダ80は、ポート87から流体を給排することによって、負荷を駆動するためのピストン83がシリンダチューブ81の内周面を摺動して移動する。ピストン83の移動によって、ピストン83と一体に設けられたクッションボス84が、シリンダカバー82に設けられたクッション穴85に嵌入する。これにより、ピストン83とシリンダカバー82との間に形成されるクッション室CC内の流体の圧力(背圧)が上昇し、クッション作用が生じる。
このような構造のクッション装置が種々提案されている(特許文献1〜2)。
また、駆動用のピストンとは別に緩衝用ピストンを同軸上に設けた構造のクッション装置が提案されている(特許文献3)。
特開2003−269416号公報 特開2014−206186号公報 特開2013−160374号公報
しかし、特許文献1、2のような従来のクッション装置では、ピストンに設けられたクッションボスがシリンダカバーに設けられたクッション穴に嵌入する構造であるので、嵌合精度の高いクッションボスとクッション穴とをピストンとは別途に設ける必要があり、しかもクッションボスに相当する分だけ流体圧シリンダの軸方向長さが長くなって大型化する、という問題がある。
また、クッション作用に寄与する有効面積は、ピストン面積からクッションボスの面積を差し引いた面積であるので、ピストン径が小さい場合には有効面積が小さくなってクッション作用が低下するので、その分クッションボスを長くする必要がある。
また、特許文献3のクッション装置では、駆動用のピストンとは別に緩衝用ピストンを設けるので、シリンダチューブとピストンロッドとの段差にとらわれることがないという効果はあるが、やはり軸方向長さが長くなってしまうという問題がある。
一方、軸方向の長さをできるだけ短くするために、シリンダチューブとヘッドカバーとをアルミニウム合金などで一体に形成した構造の薄型シリンダと呼称される流体圧シリンダが使用されている。
薄型シリンダでは、軸方向の長さをできるだけ短くするという本来の目的から、またストロークが比較的短いこともあって、クッション装置が設けられていないことが多い。しかし、大きな負荷を駆動する際にはその停止時にクッションを効かせて滑らかに減速させることは、制御の円滑性を確保するためだけではなく、負荷やシリンダ装置に発生する衝撃を抑えて寿命を延ばすために極めて有用である。
薄型シリンダに特許文献1〜3のような従来のクッション装置の構造を適用した場合には、軸方向長さが長くなって薄型シリンダ本来の目的が損なわれてしまう。また、薄型シリンダの構造上、従来のクッション装置を適用することは容易ではない。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、軸方向長さが長くなることをできるだけ抑え、薄型シリンダについても容易に適用可能なクッション装置を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係るクッション装置は、シリンダチューブに設けられた流体給排穴から流体を給排することによってピストンが前記シリンダチューブの内周面を摺動して移動するように構成された流体圧シリンダのクッション装置であって、前記シリンダチューブの内周面に対向して移動可能な環状の第1クッションリングおよび第2クッションリングが、前記ピストンの凹部に軸方向に並んで装着されており、前記第1クッションリングおよび前記第2クッションリングは、いずれも、前記シリンダチューブの内周面および前記凹部の表面との間にそれぞれクリアランスを有することが可能に設けられており、前記第1クッションリングは、前記流体給排穴から流体が排出される方向に前記ピストンが移動して当該流体給排穴の開口部を通過する際に、当該流体給排穴の方へ吸引されて前記シリンダチューブの内周面に接触した状態で当該流体給排穴の開口部の一部を塞ぎ、前記第2クッションリングは、前記ピストンの移動によって前記第1クッションリングが前記流体給排穴の開口部を通過した後で、当該流体給排穴の開口部を覆うように構成されている。
また、前記第2クッションリングは、前記シリンダチューブの内周面に接触した状態で当該流体給排穴の開口部の全部を覆うように構成することができる。
また、前記ピストンには、前記第1クッションリングの内周面と前記凹部の表面との間のクリアランスにより形成される室と、当該ピストンの端面との間に、連通路を設けることができる。
本発明によると、軸方向長さが長くなることをできるだけ抑え、薄型シリンダについても容易に適用可能なクッション装置を提供することができる。
本発明一実施形態の流体圧シリンダの断面図である。 図1のクッション装置の部分を拡大して示す図である。 ピストンの移動に応じたクッション装置の作用を説明する図である。 クッションリングの径方向の位置の変化を模式的に示す図である。 クッション作用を説明するグラフである。 第1クッションリングの断面形状の他の例を示す図である。 従来の流体圧シリンダのクッション装置の例を示す図である。
以下、本発明における流体圧シリンダのクッション装置の実施形態を説明する。
〔流体圧シリンダ1の概略の構造〕
図1には本発明一実施形態の流体圧シリンダ1の断面図が示されている。本実施形態において、流体圧シリンダ1は油圧シリンダであるが、空気圧シリンダなどにも適用可能である。
図1において、流体圧シリンダ1は、シリンダチューブ11、ピストン12、ピストンロッド13、ヘッドカバー21、およびロッドカバー22などからなる。
シリンダチューブ11とヘッドカバー21とは、アルミニウム合金、その他の金属、または合成樹脂などによって一体に形成されている。つまり、これらは一体ボディとなっているが、しかし、別体で作製して結合するようにしてもよい。シリンダチューブ11の断面形状は、外周面11aが正方形であり、内周面11bが円形である。しかし、これ以外の形状でもよく、例えば種々の溝が形成されアールが施されていてもよく、また円形でもよい。
ピストン12は、シリンダチューブ11の内周面11bを摺動する。ピストンロッド13はピストン12と一体に移動する。なお、ピストン12およびピストンロッド13は、アルミニウム合金、その他の金属、または合成樹脂などによって形成されるが、これらを一体で形成してもよく、また別体で作製して一体的に連結してもよい。
ロッドカバー22は、シリンダチューブ11の内周面に嵌合するように挿入され、止めリング22aまたは図示しないネジなどによってシリンダチューブ11に固定されている。
ロッドカバー22の中心部に設けられた貫通穴には、ピストンロッド13が摺動可能に挿通しており、シールのためにパッキン31,32が、異物の混入を防止するためにダストスクレーパ33が、それぞれ装着されている。
シリンダチューブ11には、2つのポートPT1,2が設けられている。ポートPT1,2は、「流体給排穴」の例である。ポートPT1は、ピストン12とヘッドカバー21との間に形成されるヘッド側シリンダ室CHに流体を給排する。ヘッド側シリンダ室CHは、後で述べるクッション室CCでもある。ポートPT2は、ピストン12とロッドカバー22との間に形成されるロッド側シリンダ室CRに流体を給排する。
シリンダチューブ11には、ヘッドカバー21との境界近辺位置において、後で詳しく述べる絞り調整弁23が設けられている。
〔クッション装置CSの説明〕
次にクッション装置CSについて説明する。
図2には図1に示す流体圧シリンダ1のクッション装置CSの部分の拡大図が示されている。
図1および図2において、シリンダチューブ11の内周面11bに対向して移動可能な環状の第1クッションリング41および第2クッションリング42が、ピストン12の凹部12aに軸方向に並んで装着されている。つまり、第1クッションリング41と第2クッションリング42とは、互いに隣り合わせで、互いの端面が接触した状態で配置され、円環状の凹部12a内において、それぞれが半径方向および周方向に移動可能である。また、軸方向に関しては、特に移動可能である必要はないが、半径方向に移動可能なように緩やかな嵌合となっている。
第1クッションリング41および第2クッションリング42は、いずれも、シリンダチューブ11の内周面11bおよび凹部12aの底面(表面)との間にそれぞれクリアランスを有することが可能に設けられている。つまり、第1クッションリング41および第2クッションリング42は、シリンダチューブ11の内周面11bと凹部12aの底面との間で隙間が得られるような寸法公差となっており、これにより半径方向に移動して偏芯状態となることが可能である。
寸法公差の例は次のとおりである。つまり、
d0: シリンダチューブ11の内周面11bの内径
d1: 第1クッションリング41の内径
D1: 第1クッションリング41の外径
d2: 第2クッションリング42の内径
D2: 第2クッションリング42の外径
D3: 凹部12aの底面の外径
としたときに、それらの寸法公差は、例えば、
D1=d0−(0.05〜0.12)mm
D2=d0−(0.2〜0.4)mm
d1=D3+(0.5〜1.2)mm
d2=D3+(0.5〜1.2)mm
程度である。
したがって、第1クッションリング41については、外周面側に0〜0.24mm程度、内周面側に0.38〜1.32mm程度のクリアランスを有することが可能である。第2クッションリング42については、外周面側に0〜0.8mm程度、内周面側に0.1〜1.6mm程度のクリアランスを有することが可能である。
この寸法例の場合は、外周面側のクリアランスは、第1クッションリング41よりも第2クッションリング42の方が大きくなることが可能である。つまり、第1クッションリング41の方がクリアランスが狭いと言える。
また、この場合には、第1クッションリング41および第2クッションリング42は、その外周面が、いずれもシリンダチューブ11の内周面11bに接触することが可能、つまり開口部11cの近辺において密着状態となることが可能である。これに対して、その内周面側には常にクリアランスが生じ、凹部12aの底面との間で密着状態となることはない。しかし、このような例に限らず、種々の寸法公差とし、種々の大きさのクリアランスを有することが可能なように設定してもよい。
特に、第2クッションリング42について、その外周面が内周面11bに接触しないようにし、常にクリアランスが生じるように設定してもよい。つまり、第2クッションリング42が開口部11cを覆うことはあっても、第2クッションリング42が開口部11cに密着して塞いでしまうことのないように、外径D2および内径d2を設定してもよい。クリアランスの大きさを選定することによって、絞り量を調整し、クッション作用の効き具合を調節することが可能である。
第1クッションリング41は、図2に示すように外周面に段差が設けられており、シリンダチューブ11の内周面11bに接触可能な径大部41aと、径大部41aに連接してその外側の端面が第2クッションリング42の端面と当接する径小部41bとを有する。径大部41aの軸方向の長さL1は、ポートPT1の開口部11cの軸方向の長さつまり直径(内径)d11よりも小さい。径大部41aのみが開口部11cを塞ぐことが可能であり、したがって、第1クッションリング41が開口部11cの全部を塞ぐことはなく、一部のみを塞ぐことが可能である。
このように、第1クッションリング41は、ポートPT1から流体が排出される方向にピストン12が移動して、つまりヘッド側シリンダ室CHが縮小する方向(復動方向、矢印M1方向)にピストン12が移動して、ポートPT1の開口部11cを通過する際に、ポートPT1の方へ吸引されてシリンダチューブ11の内周面11bに接触した状態でポートPT1の開口部11cの一部を塞ぐ。
つまり、ピストン12の復動によってヘッド側シリンダ室CHの流体がポートPT1から押し出されるときに、流体の流れによって第1クッションリング41がポートPT1の開口部11cに押し付けられ、その一部を塞ぐ。第1クッションリング41が開口部11cに差しかかってから、ピストン12の移動にともなって塞ぐ面積が増大していく。ポートPT1の一部が塞がれることによって、流体の流路が絞られ、ヘッド側シリンダ室CHに背圧が発生し、背圧がピストン12の移動にブレーキをかけてクッション作用が発生する。
第2クッションリング42は、ピストン12の移動によって第1クッションリング41がポートPT1の開口部11cを通過した後で、ポートPT1の開口部11cの全部を覆う。
つまり、第2クッションリング42は、断面が矩形状であり、軸方向の長さL2はポートPT1の開口部11cの直径d11よりも大きい。したがって、第2クッションリング42は、シリンダチューブ11の内周面11bに接触した状態でポートPT1の開口部11cの全部を塞ぐことが可能である。この場合に、第2クッションリング42が内周面11bに接触した状態で開口部11cを覆うと、開口部11cを塞ぐこととなり、内周面11bに非接触の状態では開口部11cを覆うこととなる。
そして、ピストン12には、第1クッションリング41の内周面と凹部12aの表面との間のクリアランスにより形成される室と、ピストン12の端面との間に、連通路44が設けられている。連通路44は、ピストン12が復動端側から往動を開始する際に、ポートPT1からヘッド側シリンダ室CHに十分な量の流体を流するためのバイパス流路である。
つまり、ピストン12が復動端側にあるときに、つまり第2クッションリング42が開口部11cを覆っているときに、ピストン12の往動を立ち上げるためにポートPT1に流体を供給した場合に、流体がヘッド側シリンダ室CHに流入するための流路を確保する。これによって、ピストン12の高速起動が確保される。つまり、第2クッションリング42が径方向に移動可能であることにより、第2クッションリング42が開口部11cに対するチェック機能を備えることとなる。このため、従来において必要であったチェック弁を省略することができ、構造の簡単化を図れる。
なお、連通路44は、ピストン12に2ヵ所設けられているが、3ヵ所、または4ヵ所以上、または1ヵ所でもよい。
また、上に述べたように、シリンダチューブ11には絞り調整弁23が設けられている。つまり、シリンダチューブ11には、ポートPT1から流体が排出される方向にピストン12が移動するときのシリンダ室であるヘッド側シリンダ室CHのストロ−ク端の位置とポートPT1との間に、穴24a,24bからなる絞り流路24が設けられており、この絞り流路24の途中に絞り調整弁23が設けられている。つまり、ポートPT1とヘッド側シリンダ室CHとは、絞り調整弁23および絞り流路24を介して連通している。
絞り調整弁23を調整することによって、クッション作用の効き具合を調節することが可能である。しかし、第1クッションリング41および第2クッションリング42のクリアランスを調整することにより、絞り調整弁23および絞り流路24を不要とすることも可能である。
次に、クッション装置CSの動作について説明する。
図3にはピストン12の移動に応じたクッション装置CSの作用を説明する図が、図4には第1および第2クッションリング41,42の径方向の位置の変化を模式的に示す図が、図5にはクッション作用を説明するための実測によるグラフが、それぞれ示されている。
図3(A)は、ピストン12の復動時に第1クッションリング41がポートPT1の開口部11cを通過している状態を示し、図3(B)は、第1クッションリング41が開口部11cを通過した後で第2クッションリング42が開口部11cの全部を覆った状態を示している。図3(C)は、ピストン12の往動の起動時の状態を示している。
また、図4(A)はクッションリング41,42がポートPT1の側に移動した状態を、図4(B)はクッションリング41,42がポートPT1の反対側に移動した状態を、それぞれ示す。
ポートPT2から流体が供給されることによって、ピストン12が図2に示す位置から矢印M1の方向にさらに移動し、ヘッド側シリンダ室CHの流体が開口部11cを通ってポートPT1から排出される。そして、図3(A)に示すように、第1クッションリング41の径大部41aが開口部11cの位置にくると、第1クッションリング41は流体の流れによってポートPT1の方へ吸引され、シリンダチューブ11の内周面11bに接触して開口部11cの一部を閉塞する。
これによって、開口部11cを通過する流体の流路が絞られ、ヘッド側シリンダ室CHに圧力(背圧)が発生し、ピストン12に対するクッション作用が発生する。このクッション作用によってピストン12が減速する。
このとき、第1クッションリング41は、図4(A)に示すようにポートPT1の側に移動(偏芯)しているので、ポートPT1から離れた箇所においてはシリンダチューブ11の内周面11bとの間にクリアランスがあり、このクリアランスを介して流体の流通が可能である。
第1クッションリング41の径大部41aが開口部11cを通過中において、径小部41bの存在によって塞ぐ部分が開放され、全部が塞がれることがない。これによって、ピストン12が比較的高速であるときにクッション作用の効き過ぎが防止される。
そして、径小部41bが開口部11cを通過すると、第2クッションリング42が開口部11cを塞ぎ始める。このとき、第2クッションリング42は流体の流れによってポートPT1の方へ吸引され、内周面11bに接触する。そうすると、開口部11cが、径大部41aに代えて第2クッションリング42によって塞がれていき、これによって流体の流路が絞られ、クッション作用によってピストン12がさらに減速する。
図3(B)に示すように、第2クッションリング42が開口部11cを塞いでしまうと、流体はごく僅かしか流れないので、ピストン12の速度がほぼ0になるまでクッション作用が効き、ピストン12は衝撃なく滑らかに停止する。
なお、このとき、絞り調整弁23が完全に絞られていない場合は、その絞り量に応じて流体が絞り流路24を流れるので、減速された後のピストン12の速度を微調整することができ、例えば絞り調整弁23を調節することによってピストン12が極端に遅い速度で移動することを防止することができる。
次に、図3(C)に示すように、ポートPT1から流体が供給されることによってピストン12の往動を開始すると、図4(B)に示すように第2クッションリング42は流体により押されて開口部11cとの間にクリアランスができる。流体は、第2クッションリング42および第1クッションリング41と内周面11bおよび凹部12aなどとの間のクリアランス、および連通路44などを通って、ヘッド側シリンダ室CHに流入する。これによって、ピストン12は往動する。
図5において、シリンダチューブ11の内径が63mmの場合に、復動側におけるストロ−ク端である位置0に到るまでの、ピストン12の速度、加速度、ヘッド側シリンダ室CHの背圧(H圧(裏))などを実測した結果が示されている。これによると、ストロ−ク端から8mm程度の位置から速度が徐々に低下し、ストロ−ク端から6〜3mm程度の間は減速状態で移動し、ストロ−ク端から2mm程度の位置からさらに減速してほぼ0の速度でストロ−ク端に至っている。また、その間において、背圧はほぼ5MPa程度に維持されている。
このように、本実施形態のクッション装置CSによると、短いストロ−ク間において滑らかにクッション作用が行われ、衝撃なくピストン12を停止させることができる。
本実施形態のクッション装置CSでは、ヘッド側シリンダ室CHの全体の面積がクッション作用に寄与するので、クッション作用の有効面積が大きくなり、クッション作用のために要するストロ−クを短くすることができる。
このように、流体圧シリンダ1では、軸方向長さが長くなることをできるだけ抑え、薄型シリンダについても容易に適用可能なクッション装置を提供することができる。
〔第1クッションリングの変形例の説明〕
次に、第1クッションリング41の変形例について説明する。
図6には第1クッションリング41の断面形状の他の例が示されている。
図6(A)は、上に述べた第1クッションリング41と同じであり、径大部41aおよび径小部41bが設けられている。
図6(B)に示す第1クッションリング41Bは、外周面に断面V字形の溝41Baが2ヵ所に設けられている。
図6(C)に示す第1クッションリング41Cは、第1クッションリング41とは逆に、先に径小部41Cbが開口部11cを通過し、その後で径大部41Caが通過するように形成される。
図6(D)に示す第1クッションリング41Dは、段差がない。この場合に、軸方向の長さ全体を開口部11cの直径d11よりも小さくしておけばよい。
図6(E)に示す第1クッションリング41Eは、図6(A)に示す第1クッションリング41の径小部41bの端面に、その上面と下面とを連通するための溝41Eaが複数ヵ所に設けられている。
なお、これらの第1クッションリング41〜41Eは、シリンダの内径やストロ−ク長さ、使用圧力、負荷の状態、油圧か空気圧かなどに応じて選択すればよい。また、これらを適宜組み合わせた形状とすることも可能である。また、同時に、上に述べた寸法公差、その他の寸法を種々変更することも可能である。
上の実施形態のクッション装置CSでは、第1クッションリング41と第2クッションリング42とを直接に隣合うように配置したが、これらの間に他の部材、例えば適当な別のリングなどを配置してもよい。また、さらに別のクッションリング、例えば第2クッションリング42と類似の機能を有する第3クッションリング、第4クッションリングなどを追加してもよい。第2クッションリング42と追加したクッションリングによって、開口部11cを覆うようにすればよい。また、第1クッションリング41または第2クッションリング42のそれぞれの機能を分割し、複数の部材によって第1クッションリング41または第2クッションリング42を構成してもよい。
上の実施形態のクッション装置CSにおいて、連通路44を設けたが、第1クッションリング41および第2クッションリング42のクリアランスのみで十分である場合には、連通路44を設けなくてもよい。
その他、第1クッションリング41、第2クッションリング42、連通路44、絞り調整弁23、クッション装置CS、または流体圧シリンダ1の各部または全体の構成、構造、形状、寸法、個数、配置、材質などは、本発明の主旨に沿って適宜変更することができる。
1 流体圧シリンダ
11 シリンダチューブ
11b 内周面
11c 開口部
12 ピストン
12a 凹部
23 絞り調整弁
24 絞り流路
41 第1クッションリング
41a 径大部
41b 径小部
42 第2クッションリング
44 連通路
PT1 ポート(流体給排穴)
CS クッション装置
CH ヘッド側シリンダ室

Claims (5)

  1. シリンダチューブに設けられた流体給排穴から流体を給排することによってピストンが前記シリンダチューブの内周面を摺動して移動するように構成された流体圧シリンダのクッション装置であって、
    前記シリンダチューブの内周面に対向して移動可能な環状の第1クッションリングおよび第2クッションリングが、前記ピストンの凹部に軸方向に並んで装着されており、
    前記第1クッションリングおよび前記第2クッションリングは、いずれも、前記シリンダチューブの内周面および前記凹部の表面との間にそれぞれクリアランスを有することが可能に設けられており、
    前記第1クッションリングは、前記流体給排穴から流体が排出される方向に前記ピストンが移動して当該流体給排穴の開口部を通過する際に、当該流体給排穴の方へ吸引されて前記シリンダチューブの内周面に接触した状態で当該流体給排穴の開口部の一部を塞ぎ、
    前記第2クッションリングは、前記ピストンの移動によって前記第1クッションリングが前記流体給排穴の開口部を通過した後で、当該流体給排穴の開口部を覆うように構成されている、
    ことを特徴とする流体圧シリンダのクッション装置。
  2. 前記第2クッションリングは、前記シリンダチューブの内周面に接触した状態で当該流体給排穴の開口部の全部を覆うように構成されている、
    請求項1記載の流体圧シリンダのクッション装置。
  3. 前記ピストンには、前記第1クッションリングの内周面と前記凹部の表面との間のクリアランスにより形成される室と、当該ピストンの端面との間に、連通路が設けられている、
    請求項1または2記載の流体圧シリンダのクッション装置。
  4. 前記第1クッションリングは、前記シリンダチューブの内周面に接触可能な径大部と、前記径大部に連接してその外側の端面が前記第2クッションリングの端面と当接する径小部とを有し、前記径大部の前記軸方向の長さが前記流体給排穴の開口部の前記軸方向の長さよりも小さいことによって前記流体給排穴の開口部の一部を塞ぐ、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の流体圧シリンダのクッション装置。
  5. 前記シリンダチューブには、前記流体給排穴から流体が排出される方向に前記ピストンが移動するときのシリンダ室のストロ−ク端の位置と当該流体給排穴との間に、絞り調整弁を介して連通する絞り流路が設けられている、
    請求項1ないし4のいずれかに記載の流体圧シリンダのクッション装置。
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