JP2017015044A - 排気熱回収器 - Google Patents

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洋平 一柳
Yohei Ichiyanagi
洋平 一柳
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Abstract

【課題】排気ガスの流れ方向における排気熱回収媒体流路の端での排気熱回収媒体のよどみの発生を防止することで、上記排気熱回収媒体流路の端での排気熱回収媒体の沸騰を防止することができる排気熱回収器を提供する。
【解決手段】排気ガスが内部を流れる内側部材3と、環状に形成され、内側部材3の外周の少なくとも一部を囲むように内側部材3の外側に形成された排気熱回収媒体流路17と を有し、排気熱回収媒体流路17の端部19では、排気熱回収媒体流路17の外径D1が次第に小さくなっているとともに、この小さくなる割合が次第に小さくなっている排気熱回収器1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、排気熱回収器に係り、特に、内管の外側に環状の排気熱回収媒体流路が設けられているものに関する。
従来、内部を排気ガスが流れる内管の内部に、排気ガスが通過することで排気ガスの熱を回収する排気熱回収体を設置し、内管の外側に外管を設けることで内管の外周部に排気熱回収媒体流路を形成している排気熱回収器が知られている(たとえば、特許文献1の図10参照)。
特開2010−229847号公報
ところで、従来の排気熱回収器では、排気ガスの流れ方向における排気熱回収媒体流路の端で、排気熱回収媒体流路を流れる排気熱回収媒体のよどみが発生しやすく、このよどみの発生により、上記排気熱回収媒体流路の端で排気熱回収媒体が沸騰してしまうという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、排気ガスの流れ方向における排気熱回収媒体流路の端での排気熱回収媒体のよどみの発生を防止することで、上記排気熱回収媒体流路の端での排気熱回収媒体の沸騰を防止することができる排気熱回収器を提供することを目的とする。
本発明は、排気ガスが内部を流れる内側部材と、環状に形成され、前記内側部材の外周の少なくとも一部を囲むように前記内側部材の外側に形成された排気熱回収媒体流路とを有し、前記排気熱回収媒体流路の端部では、前記排気熱回収媒体流路の外径が次第に小さくなっているとともに、この小さくなる割合が次第に小さくなっている排気熱回収器である。
本発明によれば、排気ガスの流れ方向における排気熱回収媒体流路の端での排気熱回収媒体のよどみの発生を防止し、排気熱回収媒体流路の端での排気熱回収媒体の沸騰を防止することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態に係る排気熱回収器の概略構成を示す断面図である。 図1におけるII部の拡大図である。 比較例に係る排気熱回収器の概略構成を示す断面図である。
本発明の実施形態に係る排気熱回収器(排気熱回収装置)1は、たとえば、自動車の排気ガスの熱を回収するものであり、図1で示すように、内側部材(内管)3と、外側部材(外管)5とを備えて構成されている。
内管3は、筒状(たとえば、円筒状)に形成されており、内部を高温の排気ガスが流れるようになっている。すなわち、排気ガスは、内管3の中心軸の延伸方向で一方の側(上流側)から他方の側(下流側)に向かって、内管3の内部を流れるようになっている。高温の排気ガスは、自動車等のエンジンから排出されるガスであるが、高温の排気ガスが、他の高温のガスであってもよいし、他の高温の流体であってもよい。
外管5も、筒状(たとえば、円筒状)に形成されている。ただし、外管5は、たとえば、一対の小径部(たとえば、円筒状の小径部)7,9と、大径部(たとえば、円筒状の拡管部)11とを備えて構成されている。外管5の中心軸の延伸方向で、一方の小径部7、拡管部11、他方の小径部9がこの順にならんでいる、各小径部7,9の中心軸と、拡管部11の中心軸はお互いが一致している。一方の小径部7の内径と、他方の小径部9の内径と、内管3の外径とはお互いが等しくなっており、拡管部11の内径は、内管3の外径よりも大きくなっている。
また、外管5の小径部7,9と大径部11との間に、移行部(内径と外径が変化している部位)13が設けられている。移行部3は、たとえば、円錐台側面状に形成されており、排気ガスの流れ方向の上流側と下流側とに設けられている。
上流側の移行部(図1の左側の移行部)13では、上流側から下流側に向かうにしたがって、内径が次第に大きくなっており、下流側の移行部(図1の右側の移行部)13では、上流側から下流側に向かうにしたがって、内径が次第に小さくなっている。
ところで、本明細書では、移行部13も大径部11に含めることにする。したがって、より精確には、外管5の大径部11は、一定の内径の大径部本体部15と、一対の移行部13とで構成されていることになる。
外管5が内管3に設置された状態では、内管3の中心軸と、外管5の中心軸とがお互いに一致している。また、外管5が内管3に設置された状態では、内管3や外管5の中心軸の延伸方向で、外管5の一方の小径部(上流側小径部)7の内面が、内管3の外面に係合(たとえば、面接触)しており、外管5の他方の小径部(上流側小径部)9の内面も、内管3の外面に係合(たとえば、面接触)している。
これにより、外管5の大径部11と内管3とによって、環状(たとえば、円環状)の空間である排気熱回収媒体流路(排気熱回収媒体の通路)17が形成されている。排気熱回収媒体流路17は、内管3の外周の少なくとも一部(たとえば、中心軸の延伸方向で中間部)を囲むように、内管3の外側に形成されている。
また、排気熱回収媒体流路17には、供給配管(図示せず)と、回収配管(図示せず)とが接続されている。そして、供給配管で供給された排気熱回収媒体(水等の液体)が、環状の排気熱回収媒体流路17内を、環状の流路(たとえば、円形状の流線)に沿って流れ、回収配管によって回収されるようになっている。
ところで、図2で示すように、排気熱回収媒体流路17の端部19では、排気熱回収媒体流路17の外径(移行部13の内径)D1が、内管3の中心軸の延伸方向で、排気熱回収媒体流路17の端の近傍21から排気熱回収媒体流路17の上流側端23に向かうにしたがって(下流側から上流側に向かうにしたがって)次第に小さくなっている。
すなわち、図2の左側の移行部(上流側の移行部)13では、図2で示すように、内管3の中心軸の延伸方向で、大径部11と移行部13との境界から、端の近傍21までの間の部位25では、排気熱回収媒体流路17の外径D1の値が、大径部11と移行部13との境界から端の近傍21に向かうにしたがって一定の割合で小さくなっている。
さらに、図1の左側の移行部13では、図2で示すように、内管3の中心軸の延伸方向で、排気熱回収媒体流路17の端の近傍21から排気熱回収媒体流路17の上流側端23までの間の部位(端部)19では、排気熱回収媒体流路17の外径D1の値が、端の近傍21から上流側端23に向かうにしたがって(下流側から上流側に向かうにしたがって)、次第に小さくなっているとともに、この小さくなる割合が次第に小さくなっている。すなわち、端部19の外周面を形成する曲線部27の任意の点における接線の傾きが、上流側端23から端の近傍21に向かうにしたがって(図1の左から右に向かうにしたがって)次第に大きくなっている。
また、図1から理解できるように、図1の右側の移行部13でも、図1の左側の移行部13と同様に、排気熱回収媒体流路17の外径D1の値が変化している。
なお、図1の右側の移行部(下流側の移行部)13の端部19において、排気熱回収媒体流路17の外径D1が、内管3の中心軸の延伸方向で、排気熱回収媒体流路17の端の近傍から下流側端に向かうにしたがって、一定の割合で次第に小さくなっている構成であってもよい。これにより、内管3の中心軸の延伸方向での排気熱回収媒体流路17の寸法を小さくすることができる。
また、排気熱回収器1では、排気熱回収媒体流路17の端部19における、排気熱回収媒体流路17の外周部の断面形状(内管3の中心軸を含む平面による断面の形状)が、半径R1の円弧状(内管3側に凸な円弧状)に形成されている。この一例により、端部19おける上記構成(外径D1の値が、端の近傍21から上流側端23に向かうにしたがって次第に小さくなっているとともに、この小さくなる割合が次第に小さくなっている構成)が形成されている。
なお、半径R1の値は、3mm以下になっているが、さらに、詳しくは、半径R1の値の下限の値が、たとえば、1mmになっている。さらには、半径R1の値の下限の値が0.5mmであってもよい。
また、内管3の内部には、排気熱回収部材(コア)29が設けられている。排気熱回収部材29には、複数の排気流路31が設けられている。排気熱回収部材29は、外周の全周が内管3の内壁に接するようにして内管3の内部に設置されており、排気流路31を流れる排気ガスの熱を回収するようになっている。
排気熱回収部材29は、内管3内の排気ガスの流れ方向で、内管3の中間部に設けられており、排気ガスの総てが、排気熱回収部材29の排気流路31を通って、内管3内を流れるようになっている。
排気流路31は、多数の貫通孔で構成されている。貫通孔は、内管3の中心軸の延伸方向に延びており、排気ガスの流れ方向で排気熱回収部材29よりも上流側に位置している内管3の内部と、排気ガスの流れ方向で排気熱回収部材29よりも下流側に位置している内管3の内部とをお互いにつないでいる。また、各貫通孔は、内管3の中心軸の延伸方向から見ると、ほぼ均等に分散しており、排気熱回収部材29で回収された熱が内管3に伝わるようになっている。
なお、排気ガスの流れ方向(内管3や外管5の中心軸の延伸方向)で、排気熱回収媒体流路17の上流側端23が排気熱回収部材9の上流側端33よりも上流側に位置している。また、排気ガスの流れ方向で、排気熱回収媒体流路17の下流側端が排気熱回収部材29の下流側端よりも下流側に位置している。
また、排気熱回収器1では、図1に示すように、寸法(排気熱回収媒体流路17の上流側端23と排気熱回収部材29の上流側端33との間の寸法)X1の値と寸法(排気熱回収媒体流路17の下流側端と排気熱回収部材29の下流側端との間の寸法)X2の値とがお互いに等しくなっているが、寸法X1の値が寸法X2の値より大きくなっていてもよい。
排気熱回収器1は、図示しない配管によって、自動車のエンジンに接続されている。
次に、排気熱回収器1の動作について説明する。
自動車のエンジンが稼働しており、高温の排気ガスが図1の左側から右側に向かって、内管3内を流れており、排気熱回収媒体流路17内を排気熱回収媒体が流れている。
このとき、排気熱回収部材29で排気ガスの熱を吸収し、この吸収した熱が、排気熱回収部材29と内管3とを通って、排気熱回収媒体流路17内の排気熱回収媒体を温める。
排気熱回収媒体流路17内を流れている排気熱回収媒体について説明する。
排気熱回収媒体は粘性を備えている。これにより、排気熱回収媒体の流れにおいて、図2に示すように、流路壁面と流体との間の摩擦抵抗により、上記摩擦抵抗の影響をほとんど受けない流速の速い領域35(35A,35B,35C)が生成される。
この流速の速い領域35の断面形状(流れ方向に対して直交する平面による断面形状)は、所定の流体直径(水流直径)を有する円形状になる。さらに、上記円形の外周の一部(たとえば、お互いが離れている3点)は、流路壁面にほぼ接触するか、他の流速の速い領域の円に接触している。
排気熱回収器1によれば、図2で示すように、排気熱回収媒体流路17の端部19で、排気熱回収媒体流路17の外径D1が端の近傍21から上流側端23に向かうにしたがって次第に小さくなっているとともに、この小さくなる割合が次第に小さくなっているので、排気熱回収媒体流路17の端部19での排気熱回収媒体のよどみの発生を抑制することができ(流速が遅いか「0」である部位を極力小さくすることができ)、排気熱回収媒体流路17の端部19での排気熱回収媒体の沸騰を極力防止することができる。
さらに説明すると、比較例である図3に示す排気熱回収器では、排気熱回収媒体流路17の端部で、排気熱回収媒体流路17の外径が端の近傍から端に向かうにしたがって次第に小さくなっているが、この小さくなる割合が一定になっている。これによって、各サイズの水流直径の流れ37(37A,37B,37C)が形成される。
これに対して、本発明の実施形態に係る排気熱回収器1では、上述したように、各サイズの水流直径の領域(流れ)35(35A,35B,35C)が形成される。
図3に示す各サイズの水流直径の流れ37(37A,37B,37C)と、図2に示す各サイズの水流直径の流れ35(35A,35B,35C)とを比較すると、図2に示す各サイズの水流直径の流れ35B,35Cのほうが、図3に示す各サイズの水流直径の流れ37B,37Cよりも大きくなっている。これにより、排気熱回収媒体流路17の端部19での排気熱回収媒体のよどみの発生を抑制することができる。
排気熱回収媒体流路17の端部19での排気熱回収媒体の沸騰を防止することで、排気ガスから排気熱回収媒体へ効率良く熱を伝達することができる。
また、排気熱回収器1によれば、排気ガスの流れ方向で、排気熱回収媒体流路17の上流側端23と下流側端との間に排気熱回収部材29が位置しているので、排気熱回収媒体流路17の端部19での排気熱回収媒体の沸騰をさらに防止することができる。
1 排気熱回収器
3 内側部材(内管)
17 排気熱回収媒体流路
19 排気熱回収媒体流路の端部
23 排気熱回収媒体流路の上流側端
29 排気熱回収部材
33 排気熱回収部材の上流側端
D1 排気熱回収媒体流路の外径
R1 円弧の半径

Claims (4)

  1. 排気ガスが内部を流れる内側部材と、
    環状に形成され、前記内側部材の外周の少なくとも一部を囲むように前記内側部材の外側に形成された排気熱回収媒体流路と、
    を有し、前記排気熱回収媒体流路の端部では、前記排気熱回収媒体流路の外径が次第に小さくなっているとともに、この小さくなる割合が次第に小さくなっていることを特徴とする排気熱回収器。
  2. 請求項1に記載の排気熱回収器において、
    前記排気熱回収媒体流路の端部における外周部の断面形状は、円弧状に形成されていることを特徴とする排気熱回収器。
  3. 請求項2に記載の排気熱回収器において、
    前記円弧状の円弧の半径は3mm以下であることを特徴とする排気熱回収器。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の排気熱回収器において、
    前記内側部材の内部には、排気熱回収部材が設けられており、
    前記排気ガスの流れ方向で、前記排気熱回収媒体流路の上流側端が前記排気熱回収部材の上流側端よりも上流側に位置していることを特徴とする排気熱回収器。
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