JP2017014823A - 伸縮継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】道路橋の伸縮継手の材料又は加工コストの増大を抑制しながら、リブプレート等に疲労亀裂を発生させないものとして、通行車両の輪荷重等を十分に支持することのできる伸縮継手を提供する。
【解決手段】本発明を適用した伸縮継手1は、道路橋8で一対のフェイスプレート2を対向させて設けられる。本発明を適用した伸縮継手1は、フェイスプレート2の長手方向に間隔を空けて形成される複数の突出部20と、フェイスプレート2に下方から取り付けられるウェブプレート3と、突出部20の下面からウェブプレート3の側面まで架設される略平板状のリブプレート4とを備える。リブプレート4は、リブプレート4の一方の側端辺が、ウェブプレート3の側面に当接されて、リブプレート4の一方の側端辺から連続する下端辺で、ウェブプレート3の側面に近接する位置に、板厚方向に切り欠いた切欠部5が、高さ方向Yの上方に向けて湾曲させて形成される。
【選択図】図2
【解決手段】本発明を適用した伸縮継手1は、道路橋8で一対のフェイスプレート2を対向させて設けられる。本発明を適用した伸縮継手1は、フェイスプレート2の長手方向に間隔を空けて形成される複数の突出部20と、フェイスプレート2に下方から取り付けられるウェブプレート3と、突出部20の下面からウェブプレート3の側面まで架設される略平板状のリブプレート4とを備える。リブプレート4は、リブプレート4の一方の側端辺が、ウェブプレート3の側面に当接されて、リブプレート4の一方の側端辺から連続する下端辺で、ウェブプレート3の側面に近接する位置に、板厚方向に切り欠いた切欠部5が、高さ方向Yの上方に向けて湾曲させて形成される。
【選択図】図2
Description
本発明は、道路橋で一対のフェイスプレートを対向させて設けられる伸縮継手に関する。
従来から、一対の継手材が互いのフェイスプレートの凸部同士を遊間上で噛み合わせて設けられる道路橋伸縮装置において、上記フェイスプレートを補強するものとして、特許文献1、2に開示される道路橋等の伸縮継手が提案されている。
特許文献1に開示される道路橋の伸縮継手は、フェイスプレートがウェブプレートに支持されてなる一対の継手材を備え、この両継手材の各々のフェイスプレートには道路橋の遊間上へ突出させる複数の凸部が遊間長手方向に間隔をおいて形成されていて、一方のフェイスプレートの凸部と他方のフェイスプレートの相隣る2つの凸部の間の部位とが向かい合うように上記両継手材が組み合わされている道路橋の伸縮継手において、上記継手材のフェイスプレートの複数の凸部にわたって遊間長手方向に連続的に延び、下部が該継手材のウェブプレートの下部に結合されて該ウェブプレートの内方へ突出し、上端が上記フェイスプレートを下から支えるように該フェイスプレートの各凸部の下面に結合されている補強プレートを備えていることを特徴とする。
特許文献2に開示される橋梁用伸縮継手は、対向する櫛形のフィンガー部が遊間をはさんで配設され、走行車両の輪荷重を支持し、温度変化等による遊間の橋軸方向の伸縮を吸収する橋梁用伸縮装置であって、前記対向するフィンガー部は、遊間の一方側の橋梁部材に固定された固定フィンガー部と、遊間の他方側の橋梁部材に固設された案内用固定プレートに対して摺動可能な状態にしてあり、橋軸直角方向の変位が可能な可動フィンガー部とから成り、可動フィンガー部が弾性部材を介して橋梁部材に復元力のある状態で連結されることにより、通常の車両走行時には可動フィンガー部の橋軸直角方向の変位が抑制されるようにしているとともに、地震等で橋軸直角方向に相対変位した可動フィンガー部を弾性部材の弾性復元力によって元の位置に復帰させるようにしていることを特徴とする。
特許文献1に開示された道路橋の伸縮継手は、フェイスプレートの下面に補強プレートの上端が溶接されるとともに、ウェブプレートの側面に補強プレートの下端が溶接される。このため、特許文献1に開示された道路橋の伸縮継手は、フェイスプレートの上方から負荷される交通荷重等が、ウェブプレートと補強プレートの下端とを溶接した箇所に集中して、この溶接箇所からウェブプレート又は補強プレートに疲労亀裂が発生するという問題点がある。
また、特許文献2に開示された橋梁用伸縮継手は、一方のフィンガー部には荷重支持をする案内用固定プレートが設けられるが、他方のフィンガー部には案内用固定プレートが設けられないため、走行車両の輪荷重等を十分に支持するためには、フィンガー部の板厚を大きくする必要があり、橋梁用伸縮継手の材料コストが増大するという問題点がある。
そして、特許文献1、2に開示された道路橋等の伸縮継手は、フェイスプレートの上方から負荷される輪荷重等を十分に支持するために、補強プレートの高さ寸法を大きくした場合、輪荷重等による曲げモーメントが補強プレートの下端に集中する。このため、特許文献1、2に開示された道路橋等の伸縮継手は、特に、ウェブプレートと補強プレートの下端との溶接箇所に曲げモーメントが集中することで、この溶接箇所から疲労亀裂が発生するという問題点があった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであって、その目的とするところは、伸縮継手の材料又は加工コストの増大を抑制しながら、ウェブプレート又はリブプレートに疲労亀裂を発生させないものとして、通行車両の輪荷重等を十分に支持することのできる伸縮継手を提供することにある。
第1発明に係る伸縮継手は、道路橋で一対のフェイスプレートを対向させて設けられる伸縮継手であって、フェイスプレートの長手方向に間隔を空けて形成される複数の突出部と、前記フェイスプレートに下方から取り付けられるウェブプレートと、前記突出部の下面から前記ウェブプレートの側面まで架設される略平板状のリブプレートとを備え、前記リブプレートは、前記リブプレートの一方の側端辺が、前記ウェブプレートの側面に当接されて、前記リブプレートの一方の側端辺から連続する下端辺で、前記ウェブプレートの側面に近接する位置に、板厚方向に切り欠いた切欠部が、高さ方向の上方に向けて湾曲させて形成されることを特徴とする。
第2発明に係る伸縮継手は、第1発明において、前記リブプレートは、前記リブプレートの上端辺が、前記突出部の下面に、溶接により固定されるとともに、前記リブプレートの一方の側端辺が、前記ウェブプレートの側面に、溶接により固定されることなく、当接されるものとなることを特徴とする。
第3発明に係る伸縮継手は、第1発明又は第2発明において、前記リブプレートは、前記切欠部が略円弧状に湾曲させて形成されて、略円弧状の前記切欠部の曲率半径が、前記リブプレートの板厚寸法よりも小さいものとなることを特徴とする。
第4発明に係る伸縮継手は、第1発明〜第3発明の何れかにおいて、前記リブプレートは、前記リブプレートの上端辺と、前記切欠部の高さ方向で最も上方となる上端点との高さ方向の離間距離が、前記リブプレートの下端辺と、前記ウェブプレートの高さ方向で最も下方となる下端部との高さ方向の離間距離よりも大きいものとなることを特徴とする。
第1発明〜第4発明によれば、リブプレートの一方の側端辺と下端辺とに応力集中が引き起こされるものの、リブプレートの下端辺で、ウェブプレートの側面に近接する位置に、略円弧状等の切欠部が形成されることで、切欠部に応力集中する範囲を移行させて、切欠部の周囲に応力を分散させることが可能となる。第1発明〜第4発明によれば、切欠部の周囲に応力を分散させて、リブプレートの一方の側端辺から下端辺までの範囲への応力集中を緩和させることで、リブプレートの取付箇所から疲労亀裂が発生することを回避して、輪荷重等に対する支持力が不十分となることを防止することが可能となる。
特に、第2発明によれば、リブプレートの側端辺が、ウェブプレートの側面に、溶接により固定されることなく、当接された状態となることで、応力集中によるリブプレートの側端辺の溶接割れを防止することが可能となる。
特に、第3発明によれば、略円弧状の切欠部の曲率半径を、リブプレートの板厚寸法よりも小さく設定することで、リブプレートを切り欠いて切欠部が形成されるものの、リブプレートの欠損の増大が抑制される。第3発明によれば、リブプレートを切り欠いて切欠部を形成するのみの簡易な加工で、伸縮継手の加工コストの増大を抑制しながら、リブプレートの欠損の増大を抑制して、リブプレートの強度低下を回避することが可能となる。
特に、第4発明によれば、リブプレートの上端辺と切欠部の上端点との離間距離を、リブプレートの下端辺とウェブプレートの下端部との離間距離よりも大きく設定することで、リブプレートの残存部分で残存高さが十分に確保されるため、十分な部材強度を残存部分で確保することが可能となる。第4発明によれば、切欠部の周囲に分散された応力がリブプレートの残存部分に集中するものの、リブプレートの残存部分で十分な部材強度が確保されて、リブプレートの残存部分の破損等を防止することが可能となる。
以下、本発明を適用した伸縮継手1を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用した伸縮継手1は、図1に示すように、主に、道路橋8等で通行車両等の輪荷重Pが作用する床版80に導入される。
本発明を適用した伸縮継手1は、例えば、道路橋8の橋軸方向を短手方向X、道路橋8の床版80の厚み方向を高さ方向Y、道路橋8の橋軸直交方向を長手方向Zとして、道路橋8の橋軸方向で互いに対向させたものとなるように、一対となって設けられる。
本発明を適用した伸縮継手1は、フェイスプレート2に形成される複数の突出部20と、フェイスプレート2に下方から取り付けられるウェブプレート3と、フェイスプレート2の突出部20からウェブプレート3まで架設されるリブプレート4とを備える。
本発明を適用した伸縮継手1は、道路橋8の橋軸方向で一対となって設けられて、一対の伸縮継手1の各々のフェイスプレート2を互いに対向させたものとなる。
道路橋8は、図2に示すように、例えば、鋼材とコンクリートとの複合構造とした床版80が用いられる。道路橋8は、橋軸方向に所定の間隔を空けて、複合構造等の床版80が断続的に設けられることで、一対の伸縮継手1の設置スペースを確保したものとなる。
道路橋8は、橋軸方向において、伸縮継手1の短手方向Xの側方に、アスファルト等の舗装部81が設けられる。道路橋8は、複合構造等の床版80に段部80aが形成されて、伸縮継手1のウェブプレート3が床版80の段部80aに設置される。
本発明を適用した伸縮継手1は、鋼板等のフェイスプレート2、ウェブプレート3及びリブプレート4が組み合わされて、鋼板等の誘導板6が、ウェブプレート3よりも舗装部81側で、フェイスプレート2からウェブプレート3まで架設される。本発明を適用した伸縮継手1は、ウェブプレート3よりも舗装部81側で、フェイスプレート2からウェブプレート3まで、誘導板6の代わりに鋼板等のリブプレート4が架設されてもよい。
誘導板6は、略U形状等のアンカー鉄筋61が溶接等により取り付けられて、アンカー鉄筋61が床版80に埋め込まれて固定される。誘導板6は、板厚方向に貫通させることで開口部60が形成されて、1又は複数の補強鉄筋62が開口部60に挿通される。
誘導板6は、図3に示すように、板厚寸法t6を16mm程度として、例えば、8mm〜32mm程度の範囲で、適宜の板厚寸法t6とした鋼板等が用いられる。誘導板6は、これに限らず、如何なる板厚寸法t6であってもよい。
フェイスプレート2は、伸縮継手1の短手方向Xに突出させて、伸縮継手1の長手方向Zで断続的に複数の突出部20が形成されることで、長手方向Zに間隔を空けて、複数の突出部20が形成されるものとなる。
フェイスプレート2は、一対となった伸縮継手1の各々のフェイスプレート2を互いに対向させたときに、一対のフェイスプレート2の各々の突出部20が、対向するフェイスプレート2と橋軸方向で互いに離間するとともに、長手方向Zで交互に配置される。
フェイスプレート2は、伸縮継手1の長手方向Zで、略平板状に延びて形成されるものであり、長手方向Zで各々の突出部20が形成された位置に、誘導板6及びリブプレート4が、略一直線状に並べられて設けられる。
フェイスプレート2は、伸縮継手1の長手方向Zに延びる1又は複数の補強鉄筋62が、各々の突出部20に設けられた誘導板6に、長手方向Zに連続して架設されることで、各々の突出部20の誘導板6が補強鉄筋62で互いに連結される。
フェイスプレート2は、図4に示すように、上面2a及び下面2bの各々が、略平坦状に形成される。フェイスプレート2は、板厚寸法t2を19mm程度として、例えば、9mm〜38mm程度の範囲で、適宜の板厚寸法t2とした鋼板等が用いられる。フェイスプレート2は、これに限らず、如何なる板厚寸法t2であってもよい。
ウェブプレート3は、伸縮継手1の長手方向Zで、略平板状に延びて形成されるものであり、フェイスプレート2の略平坦状に形成された下面2bに、ウェブプレート3の上端が溶接等により取り付けられる。
ウェブプレート3は、略平坦状に形成された側面3aとフェイスプレート2の下面2bとが略直交するものとなる。ウェブプレート3は、板厚寸法t3を16mm程度として、例えば、8mm〜32mm程度の範囲で、適宜の板厚寸法t3とした鋼板等が用いられる。ウェブプレート3は、これに限らず、如何なる板厚寸法t3であってもよい。
ウェブプレート3は、橋軸方向で一対となって伸縮継手1が設けられたときに、一対の伸縮継手1の各々のウェブプレート3が、各々の側面3aを橋軸方向で互いに対向させて、互いに離間して配置される。ウェブプレート3は、図2に示すように、道路橋8の橋軸方向で互いに離間して配置されることで、遊間Sが形成されるものとなる。
ウェブプレート3は、図4に示すように、略平板状に延びるシーリング材支持板70が、ウェブプレート3の側面3aの下端側に取り付けられる。シーリング材支持板70は、例えば、フェイスプレート2と略平行に延びる薄鋼板等が用いられて、ウェブプレート3の側面3aから、遊間Sに向けて延伸させて設けられる。
リブプレート4は、略矩形状等に形成された鋼板が用いられて、伸縮継手1の短手方向Xで一対となった側端辺4aと、高さ方向Yで一対となった上端辺4b及び下端辺4cとを有する。リブプレート4は、図3に示すように、板厚寸法t4を19mm程度として、例えば、9mm〜38mm程度の範囲で、適宜の板厚寸法t4とした鋼板等が用いられる。リブプレート4は、これに限らず、如何なる板厚寸法t4であってもよい。
リブプレート4は、図5に示すように、略平板状に延びて形成されるものであり、伸縮継手1の短手方向Xの幅寸法Wを115mm程度として、例えば、50mm〜200mm程度の範囲の幅寸法Wとする。また、リブプレート4は、高さ方向Yの高さ寸法Hを41mm程度として、例えば、20mm〜80mm程度の範囲の高さ寸法Hとする。リブプレート4は、これに限らず、如何なる幅寸法W及び高さ寸法Hであってもよい。
リブプレート4は、リブプレート4の上端辺4bが短手方向Xに延びて、フェイスプレート2の突出部20の下面2bに、隅肉溶接等の溶接により固定される。リブプレート4は、リブプレート4の一方の側端辺4aが高さ方向Yに延びて、ウェブプレート3の側面3aに、溶接により固定されることなく、当接される。リブプレート4は、これに限らず、リブプレート4の一方の側端辺4aが、ウェブプレート3の側面3aに、隅肉溶接等の溶接により固定した状態で当接されてもよい。
リブプレート4は、フェイスプレート2の突出部20の下面2bから、ウェブプレート3の側面3aまで架設されて、略平坦状に形成されたフェイスプレート2の下面2b及びウェブプレート3の側面3aと、略平板状のリブプレート4とが略直交するものとなる。
リブプレート4は、上端辺4bと下端辺4cとが互いに略平行となるとともに、一対の側端辺4aが互いに略平行となって、略矩形状に形成される。リブプレート4は、これに限らず、図6に示すように、上端辺4bと下端辺4cとが互いに略平行となることなく、又は、一対の側端辺4aが互いに略平行となることなく、台形状等に形成されてもよい。
リブプレート4は、図7に示すように、ウェブプレート3の側面3aに当接される一方の側端辺4aから略直角等に連続する下端辺4cで、ウェブプレート3の側面3aに近接する位置に、板厚方向に切り欠いた切欠部5が形成される。
切欠部5は、高さ方向Yの上方に向けて、略円弧状に湾曲させて形成されるものであり、略円弧状に形成された切欠部5の曲率半径rを10mm程度として、例えば、8mm〜30mm程度の範囲の曲率半径rとする。切欠部5は、略円弧状の切欠部5の曲率半径rを、リブプレート4の板厚寸法t4よりも小さく設定することができる。
切欠部5は、例えば、略円弧状の切欠部5の曲率半径rを10mm、リブプレート4の高さ寸法Hを41mmとしたとき、リブプレート4の上端辺4bと、切欠部5の高さ方向Yで最も上方となる上端点5aとが、高さ方向Yで31mm程度の離間距離Lで離間する。リブプレート4は、リブプレート4の上端辺4bと切欠部5の上端点5aとの高さ方向Yの離間距離Lを、リブプレート4の板厚寸法t4よりも大きく設定することができる。また、リブプレート4は、特に、リブプレート4の上端辺4bと切欠部5の上端点5aとの離間距離Lを、リブプレート4の下端辺4cと、ウェブプレート3の高さ方向Yで最も下方となる下端部3bとの高さ方向Yの離間距離Aよりも大きく設定することができる。
切欠部5は、ウェブプレート3の側面3aに当接されるリブプレート4の一方の側端辺4aと、伸縮継手1の短手方向Xで最もウェブプレート3の側面3aに近接する切欠部5の側端部5bとが、短手方向Xで10mm程度の間隔Dを空けたものとなる。切欠部5は、リブプレート4の側端辺4aと切欠部5の側端部5bとの間隔Dを、リブプレート4の板厚寸法t4よりも小さく設定するものに限らず、リブプレート4の板厚寸法t4よりも大きく設定することもできる。
切欠部5は、中心角を180°程度とした略半円状の略円弧状に形成される。切欠部5は、これに限らず、図8(a)に示すように、略半楕円弧状に形成されてもよく、また、図8(b)に示すように、中心角が15°以上、180°未満の略円弧状に形成されてもよい。切欠部5は、図9に示すように、略半円状等の略円弧状に形成された円弧部分5cと、略直線状に延びる直線部分5dとが組み合わされてもよい。
本発明を適用した伸縮継手1は、図2に示すように、ウェブプレート3の舗装部81側に設けられた誘導板6が、床版80の段部80aに配置された状態で、段部80aに打設された場所打ちコンクリート82に埋め込まれて、床版80に伸縮継手1が固定される。
本発明を適用した伸縮継手1は、一対となった伸縮継手1の各々のウェブプレート3により形成された遊間Sで、遊間Sまで延伸させた一対のシーリング材支持板70に、ゴム製等の弾性材料が用いられたシーリング材7が載置される。
本発明を適用した伸縮継手1は、シーリング材支持板70に載置されたシーリング材7が、リブプレート4よりも下方に離間させるとともに、一対となった伸縮継手1の各々のウェブプレート3に挟まれて配設されるものとなる。
本発明を適用した伸縮継手1は、図10に示すように、通行車両等の輪荷重P等が上方から負荷されることで、フェイスプレート2に曲げモーメントMが作用するものとなる。本発明を適用した伸縮継手1は、特に、伸縮継手1の短手方向Xに突出させた突出部20で、フェイスプレート2に作用する曲げモーメントMが大きいものとなる。
本発明を適用した伸縮継手1は、リブプレート4の上端辺4bが、フェイスプレート2の突出部20の下面2bに取り付けられるため、フェイスプレート2の突出部20に作用する大きい曲げモーメントMがリブプレート4に伝達される。本発明を適用した伸縮継手1は、リブプレート4の一方の側端辺4aから下端辺4cまでの範囲に、リブプレート4に伝達された曲げモーメントMによる応力集中が引き起こされる。
本発明を適用した伸縮継手1は、リブプレート4の一方の側端辺4aと下端辺4cとに応力集中が引き起こされるものの、リブプレート4の下端辺4cで、ウェブプレート3の側面3aに近接する位置に、略円弧状等の切欠部5が形成されることで、切欠部5に応力集中する範囲を移行させて、切欠部5の周囲に応力を分散させることが可能となる。
本発明を適用した伸縮継手1は、切欠部5の周囲に応力を分散させて、リブプレート4の一方の側端辺4aから下端辺4cまでの範囲の応力集中を緩和させることで、リブプレート4の取付箇所から疲労亀裂が発生することを回避して、輪荷重P等に対する支持力が不十分となることを防止することが可能となる。
本発明を適用した伸縮継手1は、特に、リブプレート4の一方の側端辺4aの下端側で、曲げモーメントMによる応力集中が引き起こされる。本発明を適用した伸縮継手1は、リブプレート4の側端辺4aが、ウェブプレート3の側面3aに、溶接により固定されることなく、当接された状態となることで、応力集中によるリブプレート4の側端辺4aの溶接割れを防止することが可能となる。
本発明を適用した伸縮継手1は、リブプレート4の側端辺4aが、ウェブプレート3の側面3aに、隅肉溶接等の溶接により固定された状態とすることもできる。本発明を適用した伸縮継手1は、このとき、リブプレート4の側端辺4aと、ウェブプレート3の側面3aとの間への雨水等の浸入を防止して、防錆効果を発揮させることが可能となる。
本発明を適用した伸縮継手1は、図7に示すように、略円弧状の切欠部5の曲率半径rを、リブプレート4の板厚寸法t4よりも小さく設定することで、リブプレート4を切り欠いて切欠部5が形成されるものの、リブプレート4の欠損の増大が抑制される。これにより、本発明を適用した伸縮継手1は、リブプレート4を切り欠いて切欠部5を形成するのみの簡易な加工で、伸縮継手1の加工コストの増大を抑制しながら、リブプレート4の欠損の増大を抑制して、リブプレート4の強度低下を回避することが可能となる。
本発明を適用した伸縮継手1は、リブプレート4の上端辺4bと切欠部5の上端点5aとの離間距離Lを、リブプレート4の下端辺4cとウェブプレート3の下端部3bとの離間距離Aよりも大きく設定することで、切欠部5が形成された位置のリブプレート4の残存部分4dで、高さ方向Yの残存高さhが十分に確保される。
本発明を適用した伸縮継手1は、リブプレート4の残存部分4dで残存高さhが十分に確保されるため、十分な部材強度を残存部分4dで確保することが可能となる。本発明を適用した伸縮継手1は、切欠部5の周囲に分散された応力がリブプレート4の残存部分4dに集中するものの、リブプレート4の残存部分4dで十分な部材強度を確保して、リブプレート4の残存部分4dの破損等を防止することが可能となる。
本発明を適用した伸縮継手1は、特に、リブプレート4の高さ寸法Hが41mm程度であり、あまり大きくないリブプレート4が用いられるため、切欠部5の周囲に応力を分散させると同時に、リブプレート4の残存部分4dでの十分な部材強度の確保が重要となる。
本発明を適用した伸縮継手1は、図2に示すように、特に、一対となった伸縮継手1が橋軸方向に伸縮移動する。このため、本発明を適用した伸縮継手1は、シーリング材7が遊間Sで伸縮変形して、図11に示すように、高さ方向Yの上方に向けて突出する隆起部7aが、シーリング材7に形成されることがある。
本発明を適用した伸縮継手1は、リブプレート4の下端辺4cに切欠部5が形成されるため、シーリング材7の隆起部7aを切欠部5に入り込ませることができる。このとき、本発明を適用した伸縮継手1は、リブプレート4の下端辺4cとシーリング材7の隆起部7aとの接触を低減させて、リブプレート4への接触によるシーリング材7の損傷、劣化を防止することが可能となる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
1 :伸縮継手
2 :フェイスプレート
2a :上面
2b :下面
20 :突出部
3 :ウェブプレート
3a :側面
3b :下端部
4 :リブプレート
4a :側端辺
4b :上端辺
4c :下端辺
4d :残存部分
5 :切欠部
5a :上端点
5b :側端部
5c :円弧部分
5d :直線部分
6 :誘導板
60 :開口部
61 :アンカー鉄筋
62 :補強鉄筋
7 :シーリング材
7a :隆起部
70 :シーリング材支持板
8 :道路橋
80 :床版
80a :段部
81 :舗装部
82 :場所打ちコンクリート
S :遊間
X :短手方向
Y :高さ方向
Z :長手方向
2 :フェイスプレート
2a :上面
2b :下面
20 :突出部
3 :ウェブプレート
3a :側面
3b :下端部
4 :リブプレート
4a :側端辺
4b :上端辺
4c :下端辺
4d :残存部分
5 :切欠部
5a :上端点
5b :側端部
5c :円弧部分
5d :直線部分
6 :誘導板
60 :開口部
61 :アンカー鉄筋
62 :補強鉄筋
7 :シーリング材
7a :隆起部
70 :シーリング材支持板
8 :道路橋
80 :床版
80a :段部
81 :舗装部
82 :場所打ちコンクリート
S :遊間
X :短手方向
Y :高さ方向
Z :長手方向
Claims (4)
- 道路橋で一対のフェイスプレートを対向させて設けられる伸縮継手であって、
フェイスプレートの長手方向に間隔を空けて形成される複数の突出部と、前記フェイスプレートに下方から取り付けられるウェブプレートと、前記突出部の下面から前記ウェブプレートの側面まで架設される略平板状のリブプレートとを備え、
前記リブプレートは、前記リブプレートの一方の側端辺が、前記ウェブプレートの側面に当接されて、前記リブプレートの一方の側端辺から連続する下端辺で、前記ウェブプレートの側面に近接する位置に、板厚方向に切り欠いた切欠部が、高さ方向の上方に向けて湾曲させて形成されること
を特徴とする伸縮継手。 - 前記リブプレートは、前記リブプレートの上端辺が、前記突出部の下面に、溶接により固定されるとともに、前記リブプレートの一方の側端辺が、前記ウェブプレートの側面に、溶接により固定されることなく、当接されるものとなること
を特徴とする請求項1記載の伸縮継手。 - 前記リブプレートは、前記切欠部が略円弧状に湾曲させて形成されて、略円弧状の前記切欠部の曲率半径が、前記リブプレートの板厚寸法よりも小さいものとなること
を特徴とする請求項1又は2記載の伸縮継手。 - 前記リブプレートは、前記リブプレートの上端辺と、前記切欠部の高さ方向で最も上方となる上端点との高さ方向の離間距離が、前記リブプレートの下端辺と、前記ウェブプレートの高さ方向で最も下方となる下端部との高さ方向の離間距離よりも大きいものとなること
を特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の伸縮継手。
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